ここはどこにでもある魔界
その四丁目にある淫夢通りにある一軒のアパート
そこに非公式の騎士団が結成されていた
その団名は…【アリス騎士団】
「ありちゅびぃ〜む!びびびびび!」
「ぐああぁぁ!おのれぇ〜ありちゅめ〜〜だお…バタッ」
のんびりとした午前、ありちゅ団長とキッドちゃんは戦闘ごっこをして遊んでいます
レタスちゃん、潮ちゃん、ポテチちゃんはそれぞれ絵本を読んでのんびりと過ごしていました
コンコン
「は〜い、今でま〜す」
と、そこにドアをノックする音が聞こえ妖狐お姉さんが迎えに行きました
がちゃり…
「はーっはっははっは!だかっぱ!」
「……(ペコリ)」
ドアを開けるとそこには河童とサハギンが居ました
「あら、河童娘ちゃん♪元気にしてました?」
そこに居た河童は以前、川の掃除で溺れてた河童娘ちゃんでした
お友達なのかサハギンも一緒のようです
「元気にしてたかっぱ…ってのん気に言っている場合じゃないかっぱ!」
「……(コクコク)」
「あら?そうなんですか?何か困ったことでも?」
「ふっふっふっふっふ!じゃーーん!!!」
「この拠点を侵略しに来たんだかっぱ!」
「……(コクコク)」
「あら、侵略ごっこですか?」
「違うかっぱ!本当に侵略しにきたんだかっぱ!」
「…(コクリ)」
「あ!河童娘ちゃんですぅ!」
「お?本当だお!久々なんだお!」
「はい、こんにちは」
「河童娘ちゃんお久しぶりです」
「わはー、遊ぶのです!」
久々の再開に皆は大喜び、歓迎パーティでもしそうな雰囲気です
「ぐぬぬ…違うんだかっぱぁ!!
この拠点を我が河童娘侵略本部にするために侵略しに来たんだかぱ!」
「…(コクコク)」
どうやら本当にここを侵略するようです
瞳にはメラメラと燃える炎が見えそうな雰囲気にみんなの表情が険しくなります
「いいえ、ここはありちゅきしだんのきょてんです!」
「そうだおそうだお!」
「そうですぅ!」
「ごっこ…ですよね?」
「ぺったん合戦なのです〜!」
「ならば勝負だかっぱ!」
「コクリ!」
「あのぉ、河童娘ちゃん」
「何だかっぱ?」
「さっきから気になるんですけど、その子は河童娘ちゃんのお友達なのかな?」
「違うかっぱ!河童娘侵略部隊の副隊長!サハギンのサッちゃんなんだかっぱ!」
どうやら河童娘ちゃんのお友達のようです
サハギンのさっちゃんは手持ちのスケッチブックを掲げてると何かが書かれています
その内容は…「サチコって言うんだ、本当はね」
どうやら愛称がサッちゃんのようです
「サッちゃんの紹介もしたし、さぁ勝負だかっぱ!」
「はい、げぇむでしょうぶです!」
「わはー!闇のゲームなのです♪」
「おおぉ!?楽しそうなんだお!」
「でも、ゲームって何をするんです?」
「人数としてはこっちが有利になるのですぅ」
「それじゃあ、ボードゲームなんていかがでしょう?丁度すごろくを持ってきましたし♪」
「わっは〜!そんなゲームで大丈夫か?なのです!」
「大丈夫だかっぱ、問題ないかっぱ!」
こうして、拠点を賭けた(?)戦いがボードゲームで始まりました
プレイヤーはAとBに別れ、どっちかが先にゴールした方が勝ちです
人数の問題で参加する人をじゃんけんで決めた結果
ありちゅ団長と潮ちゃんに決まりました
Aチーム:ありちゅ団長、潮ちゃん
Bチーム:河童娘、サッちゃん
ルーレットを回す順番:ありちゅ団長→河童娘ちゃん→潮ちゃん→サッちゃん→
「はい、いきます!」
勢いよくサイコロを振ったありちゅ団長
出た目は…5
5マス進めた先には…何もありません
次は河童娘ちゃんの番です
「ふっふっふ!一気にゴールしてやるかっぱ!てい!」
出た目は…6
「あっはっは!お先に失礼だかっぱ!」
6マス進めた先には…【ピクシーに道案内をされる→1回休み】
「な、なんでかっぱ!?」
「次は僕の番です…えい」
控えめに転がしたサイコロ…出た目は4
その先には…【フェアリーに道案内をしてもらった→1マス進む】
ありちゅ団長と同じ場所になりました
「その調子だお!」
「頑張るですぅ!」
「わはー!」
次はサッちゃんの番です
「……(ぽいっ)」
出た目は…5
ありちゅ団長と潮ちゃんと同じ場所に止まりました
「はい、ありちゅのばんです!えい〜!」
出た目は…1…【ピクシーに道案内をされる→1回休み】
「にゃ〜〜!!!!」
「あっはっはっは!良い気味だかっぱ!」
「次は…僕の番です、えいっ」
出た目は…6…【ケンタウロスの背中に乗せてもらった→3マス進む】
「やったです♪」
「ぐぐぐぅ…まずいかっぱ!サッちゃん頑張るかっぱ!」
「コクリ!…(ポイッ)」
出た目は…4…何もないようです
「わーい、ゴールです♪」
すごろくの結果は潮ちゃんが順調に進んで一番にゴールしました
「ま、負けたかっぱ…」
「はい、おめでとうございます!でもまだすごろくはおわってません!」
「…コクリ」
と、本来の目的を忘れてすごろくは全員完走するまで続く予定…でしたが
ありちゅ団長と河童娘ちゃんは狙っているかのように1回休みのマスに必ず止まり
ゴール目前にあるスタートに戻るを二人とも止まってしまったので結果はこうなりました
1位…潮ちゃん
2位…サッちゃん
3位…ありちゅ団長、河童娘ちゃん
「みなさん、追加で貰ったお蕎麦を茹でたので食べましょう♪」
丁度お昼の時間になり茹でた蕎麦を持ってきた妖狐お姉さん
すごろくは続いていたのですが、お腹がすいたみんなは
すごろくを中止して上記の順位になったのでした
「はい、いただきましょう」
「おいしそうなんだお!」
「ぼく、これ好きです」
「わたしも大好きですぅ」
「つるつるりんなのです♪」
「河童娘ちゃん達の分もあるので一緒にいかがですか?」
「い、いいんだかぱ?」
「ええ♪どうぞ♪」
「う、うわ……わーいなんだかぱ!」
「ニコリ」
今日は二人のお客さんを迎え入れ、いつもよりも賑やかなお昼になりました
「はい、ごちそうさまでした!」
「ごちそうさまだお!」
「ご馳走様ですぅ」
「ご馳走様です♪」
「食った食ったなのです♪」
「おいしかったかっぱ♪」
「コクコク」
「はっ!し、しまったかっぱ!」
「どうしました?河童娘ちゃん」
「ぐぐぐ…か、懐柔されかけてたんだかっぱ!」
「いえ、そんなつもりはないんですけど…」
お腹一杯になって本来の目的を思い出した河童娘ちゃん
「サッちゃん!ここに居たら不味いんだかっぱ!一時退却するんだかっぱ!」
「コクリ!」
そういって河童娘ちゃんとサッちゃんは入り口のドアへと向いました
妖狐お姉さんはその後を追います
「また遊びに来てくださいね♪」
「はい、またあそびましょう」
「また来るんだお♪」
「今日は楽しかったですぅ」
「ぼくも…また遊びたいなぁ」
「わはー!次は当方が相手をするのです」
「うっ……あ、遊びじゃないんだかっぱ〜〜〜ヽ(>Д<)ノてっしゅ〜」
「……(ペコリ)」
勢いよくドアを開けて去っていく河童娘ちゃん
深々とお辞儀をしてから部屋を出て行くサッちゃんは無口ですが礼儀正しい子のようです
「次はわっちがすごろくやるんだお!」
「わたしもやりたいですぅ」
「当方も当方も!!」
こうして河童娘ちゃん達が帰った後はみんなですごろくをして遊びました
因みに…
1位…潮ちゃん
2位…ポテチちゃん
3位…妖狐お姉さん
4位…キッドちゃん
5位…レタスちゃん
6位…ありちゅ団長(ゴールできず)
でした♪
―つつく―