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かつどう17:オーシャインウェーブ!

ここはどこにでもある魔界

その四丁目にある淫夢通りにある一軒のアパート
そこに非公式の騎士団が結成されていた


その団名は…【アリス騎士団】






「なちゅだ!」
「海だお!」
「水着脱がしなのです!」
「えっ!?」
「そこは海水浴だと思うんですけど…」

日差しと熱気が強くなってきた近頃、今日は皆で海へと出かけました。
海を反射させたような青い空は澄み渡り、遠くに見える白い雲を背景に太陽の強い日差しを肌に感じながら皆は海の方へと走っていきました。

「きゃすとお〜ふ〜!」
「ちょっと団長さん、服汚れますよ!」

よほど海に入るのが楽しみだったのでしょう、服を整える時間も惜しんで海に駆けていく団長さんは上に着ていた私服を放り投げるように脱ぎ捨てて海へ入って行きました。

「わっちもキャストオフだお!」

それを真似てかキッドちゃんも私服を脱ぎ捨てると団長の後に続き海へ入っていきます。

「んもう…二人共…ふふ♪」





「す〜ぱ〜うおーたび〜む!」
バシャ!

「ぬわっ!?いきなりは卑怯なんだお!おりゃ!」
バシャ!

「ぷわっ!?」
「あはははは!」

団長さんとキッドちゃんは海に入るや否や早速水をかけあって遊び始めました。
キラキラと宝石のように輝く飛沫を浴びながらとても楽しそうにしています。



ペタペタペタ…

ペタペタ…

ペタリ

「こんな感じでいいんですぅ?」
「それでいいです、次は目印を付けたここを掘ってください」
「はいですぅ♪」

レタスちゃんと潮ちゃんは適当な場所に腰を下ろすと立派なお城を作ろうと砂をかき集めています。

「ん〜…ここはもうちょっと砂を付けて補強して…」

潮ちゃんは設計が得意なようで、レタスちゃんに指示したり自分で城の補強をしながら作っていましす。




「ユリィ ( ^q^)…」

そんな二人を眺めていたポテチちゃんはどこからか拾ってきた枝の切れ端で四本足の何かを砂浜に描いて楽しんでいる様子。

「みんな楽しそうにしてて…海に来て良かったわぁ♪」
妖狐お姉さんは何かあった時にいつでも動けるようにと砂浜にさしたパラソルの下で皆を眺めています。


「すーぱーうぇーぶ!」

ばしゃーん!

「バフォッ!…うぅ…しょっぱいんだお…」
「にひ〜!ありちゅの勝ちです!」

「誰も負けたとは言ってないんだお!反撃のバフォメットオーシャインウェーブ!」

ドバーーーン!

「にゃああああああああああああ!」
「油断大敵なんだお♪」




「肉穴貫通したのです♪」
「穴…まぁ、あってますけど肉じゃないですよ…」

何か変な生き物を描き終えたポテチちゃんは潮ちゃん達のお城作りに参加しています。
三人で作っているからか、立派なお城はあっという間に完成して行きました。







「…私も遊びたいなぁ、でも皆を見守らなくちゃいけないし」
皆が楽しそうにしている様子に少し寂しげに呟くと、それに答える声が帰って来ました。

「それじゃ俺達と遊ばないかい?」
「巨乳で狐耳でビギニにワンポイントアクセサリーのパレオが最高っす!」

振り向くとそこには海で可愛い子を引っ掛けてあんな事やこんな事を楽しもうとしているある意味おいしい男性達が立っていました。

「いえ、私はそういう遊びは好きじゃないので…ごめんなさい♪」

「いいじゃん、お子様なんて適当に見てりゃぁさ♪」
「せっかくのエロい格好が台無しっす!」

妖狐お姉さんは二人の誘いを断りましたが男達は引こうとしません。
それもそのはず、この男達は浜辺の女性をナンパして良い夏の思い出を作ろうとしているのです。
表情から察するにやっと見つけた獲物らしく『はいそうですか』と引き下がるような雰囲気はありません。

「ほら行こうぜ!」
「自分はイッちゃいそうっす!」

無理矢理にでも連れだそうと1人の男が手を伸ばします、しかしその手はターゲットにした妖狐お姉さんに届く前に違う誰かに止められました。
その人物は全身にタトゥーのある綺麗に焼けたような褐色肌のお姉さんです。

「それじゃ、あたいと遊ぼうかい?坊や方よ」

「お?俺達と遊んでくれるのか♪」
「…胸ないっす
「…あっはっはっは、言ってくれるじゃないか♪お前達、連れてっちまいな」
「「「ウィーッス!」」」

褐色のお姉さんは笑顔で答えていますが心底笑っているような雰囲気ではありません。
合図と同時にどこからか現れた男達にナンパをしてきた男性達は担ぎ込まれました。

「ちょ…な、なんだよてめぇらは!は、はなせ!離しやがれ!」
「お、お尻がやばいっす!」



男性達はナンパ男達を担いでどこかへと消えて行きました。
それを眺めていた妖狐お姉さんはため息を漏らしました。

「秋…なんで貴女がここにいるのよ」
「あぁ、今日はあたいん所は非番だから海に来たんだよ、いやーいいねぇ命知らずの野郎ってのはさ、あっはっはっは♪」

遠くへ去っていった男達の方を向いたまま笑う褐色のお姉さんに妖狐お姉さんは再びため息を漏らしました。

「…はぁ、手荒なことはしないでよね?」
「んなもんは百も承知だよ、まぁアイツらにはちょ〜っとだけ海での作法を教えてやるだけさ♪」
「そういうの所が心配なんだけどな…」

「あっはっはっはっは♪それより、遊んできたらどうだい?ここにゃあたい達が居るから何があっても大丈夫だからさ」
「達って…まさかお父様も来てるとか…?」
「外れ!来てるのはあんたのお目付け役だけだよ」

褐色のお姉さんが視線で指した方を見ると体つきの良い男性がアイスキャンディーを売っています。
妖狐お姉さんはそれを見て三度目のため息を漏らしました。

「何やってるのよ…」
「小遣い稼ぎってやつさねぇ♪」
「…あのねぇ」

「おねーさーん!」
「…っと、団長さん達がこっち来るようだし、あたいは失礼するよ」
「あ、うん…騒ぎ起こさないでよ?」
「大丈夫大丈夫♪ちょっとしたアバンチュール程度にしとくよ
 それと、ちゃんと楽しみなよ。こういった機会なんて今の内なんだからさ♪」

褐色のお姉さんが去っていくのと入れ替わって髪や毛をびしょびしょに濡らした団長さんとキッドちゃんがやってきました。

「お姉さん、いまの誰なんだお?」
「わるいひとですか?」
「ただの通りすがりの人ですよ、それよりもお姉さんも遊ぼうかな♪」

「はい!あそびましょう!」
「バッフォ〜い♪それじゃビーチバレーするんだお!」
「では、皆を呼んできますね♪」





「それ!」
「潮ちゃん!」
「はいです!えい!」

皆でビーチバレーをすることにした団長さん達は二対ニの試合を始めました。
キッドちゃんとレタスちゃん、妖狐お姉さんとレタスちゃんのチームで勝負しています。

「余裕だお!」
「トスですぅ!」

潮ちゃんのスマッシュを軽く受け止めたキッドちゃん
ボールはレタスちゃんが上手く繋げ、キッドちゃんのスマッシュをする動作に入りました。

「潮ちゃん、来ますよ!」
「は、はい!」
「必殺のスペースドライブメテオドラグーンだお!」

バシーン!

「潮ちゃん避けて!」
「ふぇ!?」

高く飛び跳ねたキッドちゃんは必殺技の名前と共にボールを勢い良く叩きつけました。
しかしボールはコートの内側の地面ではなく潮ちゃんへ襲いかかって行きました。

バシーン!





「本当にごめんだお…」
「もう大丈夫ですから、何度も言わなくて大丈夫ですよ」

顔面にボールを当ててしまったキッドちゃんは潮ちゃんに謝っていましたが
ボールの後が赤くなっている潮ちゃんの鼻から赤い液体が垂れ始めるとキッドちゃんは顔を真っ青にして謝り続けました。
次第に声が震え、ポロポロと涙を流し始めたキッドちゃんに妖狐お姉さんは慌てて休憩を兼ねた昼食に誘い、海の家にやってきました。


海の家にたどり着いた団長さん達を出迎えてくれたのは褌姿の筋肉モリモリのマッチョマン。
このインパクトに皆は硬直しましたが、そのお陰で半泣き状態だったキッドちゃんは泣き止みました。
それでもまだ気にしているキッドちゃんは時折思い出したかのように潮ちゃんに謝っています。

「おまたせしやっした、焼きそば三つと焼きとうもろこし三つ、冷やし麺三つにプリン6つ!」
「ぷりん!」
「あの、プリンは頼んでないんですけど…」
「そいつはおまけでっせ、姉…お嬢さん!」
「…そうですか、それじゃあお言葉に甘えていただきますね♪」
「へい、どうぞ!」


「あ、店員さん!」
「あぁん?お客さん?」
「あんかけチャーハン追加なのです!」
「あぁん?あんかけチャーハン?訳が分からないよ」
「仕方ないね」

グッ

去ろうとしていく店員に店に無いはずのあんかけチャーハンを頼んだポテチちゃん
店員の態度が先ほどと違って悪かったのが気になりましたが、最後は二人で親指を建てている所をみると
何かのネタだったようです。店員さんも同じネタを知っている魔物に逢えたせいか店を出るまで上機嫌でした。




「ごちそうさま!」
「ご馳走様なんだお♪」
「はふぅ…ご馳走様ですぅ♪」
「ご馳走様です」
「わはぃ♪おいしかったのです♪」
「ご馳走様でした、お会計お願いします♪」

「おねーさん!」

皆の食事が終わり、お会計を済ませようと立ち上がった妖狐お姉さんを団長さんが手を伸ばして呼び止めようとしました。
掴もうとした手は向きを変えて立ち上がる妖狐お姉さんの腕には届かず、代わりに紐を掴んでしまいました。

「あ、はいなんで…え?」
シュルシュルッ…ハラリ…




「「「「おおおおぉぉぉ!」」」」
「わはー♪ラッキースケベなのです♪」
「…き、きゃあああああああああ!!!!!」









                                        ―つづく―





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――おまけコーナー―

美「…はい、みなさんこんにちは…お便りコーナーです」
キ「お姉さん元気出すんだお!」
ポ「わはー!現金だすのです」

美「うぅ…まだ、誰にも見せたこと…ぶつぶつ…」
あ「おねーさん!おはがき!」
美「ふぁーい…読みますよぅ…」



美「相変わらずみなさん仲が良いですね♪
  そんなみなさんには…
  あるケーキ屋さんからケーキかあるチャーハン屋のチャーハン
  プレゼントしよう!  ネームレスさん より」
あ「あんかけちゃーはん!」
ポ「歪みねぇなのです♪」
キ「よくわからないやり取りしてるけど、わっちはモンブランがいいんだお」
潮「い、いいのかな…」
キ「貰えるものは貰っておくべきだお!皆も言うんだお!」
潮「じゃあ…お言葉に甘えさせて貰いまして、ヨーグルトケーキがいいです」
あ「はいはい!ほーるけーき!」
ポ「オナホールケーキ?マニアックなのです!」
レ「私は夏野菜チャーハンが食べたいですぅ」
ポ「当方はチョコレケ!」」
あ「おねーさんは?」
美「ぶつぶつ…」
ポ「ブツブツのあるきゅうりがいいそうです、わはー♪」
潮「そんなこと言ってないと思うんですけど…」



あ「おねーさんつぎおねがいします!」
ぺしぺし
美「え?…あ、はい


美「ありちゅちゃんにキッドちゃん・・・
  ちょっとこっちに来なさい(微笑み)  Pさん より」
あ&キ「ごめんなさい!!!」
潮「あれはちょっと…危なかったです」
ポ「ですよねー」
あ&キ「「はんせいしてます!」だお!」
レ「???」



美「次ぃ…」

美「美狐姉さん今日もお世話お疲れさまです
  そんな訳でこれを つ(健康ドリンク) ainさん より」
美「ありがとうございます…」
ポ「事後に飲んで再戦ファイト一発!なのです」
レ「それ何か違う気がするですぅ…」


美「お便りはここまでですね〜…お疲れ様でした…」
あ「ありがとうございました!」
キ「皆も夏バテには気をつけるんだお!」
ポ「うなぎプレイで精力つけるのです!」
レ「野菜も大事ですよ〜」
潮「おつかれさまです」


















「秋姉〜〜!そろそろかえりやしょーーぜ!」
「あばんちゅーる…一夏の恋……はぁ…」
「秋姉、次の休みがありやすって、今日はかえりやしょーーぜ!」
「…そうだな…その時はアバンチュールしよう…だが、その前に一言…」












太陽のバカヤロー!















「バカとはなんだよ!」
「…え?」

12/07/29 05:33 ロッテン

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