極めて近く限り無く遠い世界〜双極の双子達〜
出発前に鵺を再点検する。 ストラップはほつれていないか、カラビナにヒビが入っていないかなど、外部の点検が主だ。 「ラプラス、調子はどうだ?」 『問題ありません。システムオールグリーン。』 内部の調子も万全なようだ。 これで一先ず懸念はなくなった。 「行ってらっしゃいませ、アルテアさん。気をつけてくださいね。」 「おう、行ってくる。」 ギルドの外に出ると強い日差しが辺りを照らし、夏特有の乾燥した熱い空気がまとわりついてくる。 天気は快晴。動きまわるには少し辛いが、大雨の中を行軍するよりは数倍マシだ。 伸びと深呼吸を同時に行って、自身に活力を吹き込む。 「おにいちゃーん!わすれものー!」 ギルドの中から俺を呼ぶ声が聞こえてきた。アニスちゃんだ。 息せき切って扉を開けて俺の元まで駆け寄ってくる。 「はい、おべんとう!わたしがつくったんだ〜♪」 「そうか、ありがとな。今から食べるのが楽しみだよ。」 バックパックの中に彼女がくれた弁当を詰め込む。 いつもミリアさんの手伝いをしているだけあって味には期待できそうだ。 「それじゃ、行ってくるな。」 「うん!いってらっしゃい!」 サラサラとした彼女の頭を撫でて、俺は大通りへと足を運んだ。 さぁ、冒険の始まりだ。 ※この物語は極めて近く限り無く遠い世界の第二章です。 第一章を読んでいない方は先にそちらを読むことをオススメします。 |
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