連載小説
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第三十九話〜江戸崎冒険活劇帳〜

〜江戸崎冒険者ギルド宿舎 アルテア自室〜

「っ……ぁ〜〜……」

ツールのアラームで目を覚ます。
昨日は大変だった……
羅刹の如く怒ったアイシャに追い回されて夜中まで鬼ごっこをする羽目になるし……
最終的に捕まって何されるのかとビクビクしていたら急にキスされるし……その後開放してくれたけど。

「しかし……キスだけで済んだのは僥倖か……」

もしサフィアとXXしてたら……

「美味しいのかも知れないけど〜……アイシャの為にならねぇよ〜……っと」

調子外れの歌を歌いながら着替えを行う。
そういやホルスターは枕元だったか。振り返って革製のホルスターに手を伸ばす……

「…………」
「…………」

布団の中からアイシャが顔を出してこちらを凝視している。
ここ……俺の部屋だったよな?

「昨日は激しかった……」
「ダウトだ。」

少なくともお前に本番はしたことがない。

「ちぇ……ひっかからないか。」
「少なくとも昨日酒を飲んだ覚えはねぇよ。大方お前がこっそり潜り込んだとかそういうオチだろ?」

見ると窓の鍵が外されている。器用な奴だ。

「とっとと顔洗って朝飯だ。お前も来るだろ?」
「もちろん。ここであんたの布団にくるまっているのも悪くないけどお腹も減ったしね。」

こいつもうサキュバスになってんじゃねぇか?



〜江戸崎冒険者ギルド ロビー〜

ロビーへと行くと妙に慌ただしい雰囲気がただよっている。
普段見かけない奴も走り回っているあたり異常事態と言わざるをえない。

「おいプリシラ、この騒ぎは何だ?」
「大変なんですよ!急に反魔物派宣言のお触れが出て城下町は上を下への大騒ぎなんです!現在正体不明の鎧武者が魔物狩りを行っていて……」

と、ギルドのドアが吹き飛ばされる。
入ってきたのは……

「ガーディアンだと!?」

霧矢峰の地下研究所で出現したカラクリ武者がギルドの中へと踏み込んできた。
咄嗟に仔鵺と虎牙鎚を引きぬいて振り下ろした刀を受け止める。
すると背後から矢が飛んできてガーディアンの顔面に突き刺さった。アイシャだ
しかし……

「うそっ!?なんでまだ動けるの!?」

さらにギシギシと力を込めて刀を押し付けてくるガーディアン。
頭を狙ったところでこいつの行動にはなんら支障がないのだ。

「ぉ……らぁ!」

ガーディアンを蹴り飛ばして転ばせ、仔鵺でゲンブジャケットを生成、それを振りかぶる。

「ゲンブジャケット!吹っ飛べ!」

命中したゲンブジャケットがガーディアンをパーツ単位までバラバラに吹き飛ばす。
出てきたコアらしき物を踏み砕いて機能を停止させた。

「ちゃぶ台でも畳でも何でもいい!バリケードを張れ!」

片っ端からちゃぶ台を入り口へと積み上げ、さらに足りない分を畳を剥がして積み上げる。
即席だがバリケードが完成した。



落ち着いたところでようやくアーサー達が宿舎から降りてきた。

「一体何の騒ぎだ?朝から騒々し……」
「ヤバいぞ。なぜかはわからんが反魔物派宣言の触れが出た。おかげで人魔揃っている冒険者ギルドは目の敵だ。」

簡潔に状況を説明するとアーサーの表情が引き締まる。
反対にリュシーは顔を真っ青にしてオロオロしている。

「領主は何と?」
「現在城下町にいる魔物、妖怪は全て江戸崎城に出頭しろと……その先の処遇は何も言われていません。」

今一番状況を詳しく知っているのはプリシラだろう。
それだけギルドの受付というのは情報に詳しくなければ務まらない。

「現在ギルドマスターが緊急の依頼を発行して……あ、今貼り出されました。」

カウンターの奥から使いっ走りの小僧らしき奴が和紙の巻紙を持って掲示板へ駆け寄り、それを画鋲で貼りつけた。


〜クエスト開始〜
―反魔の乱を鎮圧せよ―
『シーフギルドからの連絡で先程、江戸崎城内で謀反が起こった事がわかった。           
主犯格は元江戸崎領主の江戸崎永之助氏の右腕である佐間半蔵。                  
彼は江戸崎城を乗っ取り、この江戸崎を反魔物・妖怪の都市へと作り替えるつもりのようだ。   
さらに情報によると半蔵氏の室内から聖書と十字架が発見されたという情報もある。おそらく大陸の教団の差し金だろう。                                              
現在元領主の永之助氏は地下牢へ幽閉中。近日処刑されるとの情報もある。            
今回の任務は謀反の鎮圧および永之助氏の救出だ。                           
江戸崎城内および城下町にはアルテアの報告にあったからくりの姿もある。              
戦闘力は高く危険なため、必ず複数人で掛かるように。                          
尚、今回の任務の参加人数の上限は設けていないが、自分では力不足だと思ったのならば受ける必要はない。                                                   
非常に危険な任務になる。総員、生存を第一に行動するように。                     
                          冒険者ギルド江戸崎支部 ギルドマスター 神原弘幸』


「またお前ですか、クソ虫。」
「あぁ、俺だよクソアマ。」

なんでこいつはいつも喧嘩腰なのかね。俺もだけど。

「今回はふざけている暇はない。さっさと印を捺してくれ。」
「クソ虫でも人並みの正義心はあるのですね。生意気に。」

こいつは……

「瑠璃……貴方はまだそのような態度を取っているのですね?」
「!?」

俺の背後の声に瑠璃が総毛立つ。羽まで膨らんで体格が二倍ぐらいに増えたように見えるぞ。

「か、かあ……さま?」
「えぇ、貴方の母様ですが何か?」

後ろを振り向くとカラステングの女性が立っていた。
表情は非常に柔和なのだが……目が全然笑っていない。

「あ、あの、これはその」
「言い訳を聞くとでも?私は言いましたよね?相手が例え重罪を犯していても露骨に態度を変えてはいけないと。」

今や瑠璃の顔は青白を通り越して蒼白だ。
どんだけ怖いんだこの母親。

「折角素晴らしい能力があるというのに貴方はその能力に囚われて他人を杓子定規でしか見れなくなっているのですよ?もっとその人の良い所も見れなくては一人前とは言えませんよ?」
「はい……ごめんなさい……」

暫く待ったがどうにも説教が終わりそうもない。

「クエストを受領しますか?」

見かねたプリシラが俺に声をかけた。まぁ説教を終わるまで待ってやる義理はないか。

「頼む。班分けは城の制圧班と領主の救出班か?」
「大体そんな所です。詳しい指示はアーサーさんにもらって下さい。」



「それでは作戦会議を始めよう。」

アーサーは掲示板に城下町の地図を貼り付けてその脇に立った。

「……ありゃ……?サフィアはどこ行った?」
「サフィア嬢か?私は見ていないが……」
「そう言えば昨日から帰ってきていませんよね?」

陸の上で彼女が泊まれる所といえばこのギルド程度しか無い。

「滞在期間が終わって別の場所へ旅立った……にしては無理があるよな。」

あのサフィアが挨拶もなしにどこかに行ってしまうとは考えられない。
何か……嫌な予感がする。

「サフィア嬢の捜索も今回の任務の一部に加えよう。彼女を見つけたら作戦本部であるここへ連絡してくれ。各自通信玉を忘れるなよ。」

プリシラが子玉の入った袋を今回作戦に参加するギルドメンバー達へ差し出していく。

「さて、進軍経路だが……。」

アーサーが指示棒で地図の所々を指し示す。
大通りを避け、川沿いを通る道を主体に溜池がある場所など水辺が多い。

「川沿いなどを通って江戸崎の堀まで行こう。ガーディアンと鉢合わせした場合は何とかして川や溜池へ落とすように戦闘を行ってくれ。どうもあの構造ではうまく泳げんらしいからな。」

なるほど確かに。窒息はさせられなくても行動不能にはできるかもしれないな。

「江戸崎城へ突入したら……」

別に貼り付けてあった江戸崎城の見取り図……ってどうやって手に入れたんだ?

「後ろを突かれないように各部屋を制圧しつつ首謀者の半蔵がいるであろう最上階まで上がってくれ。この時点で地下牢へ数人振り分けて永之助氏の救出を行う。アルテア。」

唐突に俺が指名される。一体何だ?

「身のこなしを見るにお前は軍隊に所属していた事があるようだな。室内の制圧戦は得意か?」
「あ〜……まぁ一応は。元居た軍でも屋内戦はよくやってたし。」

ただ、この世界ではドアブリーチャーもフラッシュバンも無い。おまけに銃器が無いので屋内戦に持ち込むと乱戦は避けられない。

「ではお前は江戸崎城の最上階への突入班だ。アイシャ、エミリアを含む数名でやってみせろ。」
「おいおい……一国相手に数人で戦争しろってか?本気か?」

しかしアーサーは挑発するようにニヤニヤしている。

「できないのか?」
「……ッハ!いいね、やってやろうじゃないか。」

乗っちまった。

「よし、私とサクラ、リュシーは永之助氏の救出だ。五分で行うぞ。」
「早いですよ!?そんな短時間でできるんですか!?」

アーサーは不敵に笑ってリュシーにのたまう。

「できるかではない、やるのだ。そのためにサクラとリュシーに付いてきてもらう。」
「どういう事だい?」

指揮棒をサクラへ突きつけ、宣言する。もう、それは作戦ではなかった。

「強行突破だ。」



ギルド二階の窓から外に出て作戦開始。
それぞれ散開して予定された経路を使って城へと進む。

「しかし……酷いもんだな。」

所々で人が傷ついて倒れている。
おそらく自分の妻や恋人を守ろうとして傷ついた人々だろう。

「早く止めなきゃ……!これ以上血が流れないうちに!」

アイシャが珍しく焦りを顕にしている。意外と熱血だなこいつも。

通りを駆け抜ける内に前方にガーディアンが三体、ネコマタやジョロウグモを縛って引きずっているのが見えた。

「やるぞ!アイシャ!」
「もちろん!遅れを取らないでよ!」

アイシャが民家の壁を伝って駆け上がり、一体にハイキックをお見舞いする。俺は真ん中の一体にドロップキックを。
突然の奇襲に対応できなかったのか二体が蹴り飛ばされるが、残る一体が俺に向かって斬りかかってきた。

「予想済み!」
「直線的すぎよ!」

俺が仔鵺と虎牙鎚で刀を受け止め、アイシャがガーディアンに足払いを掛ける。
転倒したガーディアンにゲンブジャケットを打ち込んで破壊。
数歩移動して他のガーディアンの刀を踏み砕き、首を掴んで近くの川へと投げ落とす。
よろよろと起き上がったもう一体のガーディアンの首へ火燐を投げつけ、首から上を吹き飛ばす。

「おらぁ!」

開いた首の穴に手をつっこみ、中のコアを無理矢理引き摺り出す。
そいつを地面に叩きつけて破壊し、戦闘終了。

「アルテア!後ろ!」
「っ!しまっ……!」

どこかに隠れていたのだろうか。もう一体のガーディアンが刀を大上段に振りかぶって俺へと襲いかかる。
その瞬間、猛烈な勢いでガーディアンが何者かに吹っ飛ばされた。

「全く、油断しすぎだよ?アタシがいなかったらアンタ今頃二枚おろしだ。」

目線を下げないと確認できないその姿……

「タマ!すまん、助かった!」

身の丈に不釣合な巨大なハンマーを持ったタマがそこに立っていた。

「街の至る所でカラクリが暴れまわってるみたいだねぇ。アタシも結構追い回されたもんさ。」
「こいつら謀反起こした奴の手駒みたいだな。となると……このガーディアンの出所も怪しくなってくるってもんだ。」

コアの残骸を蹴り飛ばす。多分こいつらは……

「教団の技術提供……コアの部分の方だろうな。カラクリはおそらくジパングの技術だ。」
「だろうね。というか……どこかで見たことある技術だと思ったらアタシのだこれ。」

驚愕してタマの方へ向き直る。

「待てよ、こいつらを作ったのはお前か?」
「作ったのはアタシじゃないよ。少し前に半蔵って奴からカラクリ人形を一体作ってくれって言われてね。報酬もよかったし適当なの一体作ってやったんだ。まさか悪用されるなんてね……」

半蔵……今回の首謀者か。
どうにも結構前から計画していたようだ。

「少し前っていつぐらいだ?」
「1,2ヶ月ぐらい前かな。その時の報酬使ってあちこちの希少金属を掘り起こしに行ってたんだ。」

シルヴァリアで会ったときのあれか。

「青松村の異常気象も確か1,2ヶ月ぐらい前か……ずいぶんと前から行動を起こしていたのか……」

しかし、青松村の件だけは直接ガーディアンと関わっていない。
せいぜいガーディアンが配置されていた程度か。

「今グダグダ考えていても仕方がない。さっさと江戸崎城を制圧しに行くぞ。」
「えぇ。こうしている間にも傷ついている人がいるわ。急がないと。」



川沿いを駆けていく俺達。なぜかタマも一緒だ。

「なんで一緒に行くんだ?」
「あのカラクリが関わってくるって事はアタシにも責任の一端があるんだ。少しは尻拭いもしないとね。」

まぁ貴重な戦力には変りない。ただでさえ一国と戦争しようっていうのだ。

「っ!アルテア!前方に敵一体!今までのとは違う!」

今までのガーディアンは赤が基調だったのに対し、こいつは全体的に灰色だ。
鎧の装飾も所々違う辺り別タイプなのだろう。
そいつは腰に下げた刀を鞘から抜き放つと正眼に構えた。

「あの刀は……」
「相手が誰であろうと突破するのみだ!」

ゲンブジャケットを生成。確実に撃破するために虎牙鎚で刀を受け止め、仔鵺で息の根を止める方法を取る。

「アルテア!そいつの刀を受け止めるな!」
「っ!?」

タマの叫びで無理矢理体を捻って斬線から逃れる。



軽く受け流したはずの虎牙鎚が、両断された。



「なっ!?」

ガーディアンは振り抜いた勢いを利用して俺に蹴りを浴びせてくる。
なんとか防御姿勢は取ったが、吹き飛ばされる最中に仔鵺も斬り飛ばされた。

「そいつは斬鉄剣だ!鉄が含有されているのであれば例え何だって切り裂いてしまう!人体も例外じゃない!」
「っくそ……シャレにならねぇ……!」

ガーディアンがゆっくりとこちらへ歩み寄ってくる。

「アルテア!今そっちに……」
「俺に構わず行け!合流できなかったらお前に制圧班を任せる!」
「でも!」

ここで二人一緒にやられるよりは一人でも生き残ったほうがいい。
ならば、取れる選択はこれだけだ。

「俺なら大丈夫だ!なんとかする!タマを連れて早く江戸崎城へ!」

彼女は唇を噛むとタマを抱え上げて城に向けて走りだした。

「絶対に来なさい!死んだら許さないから!」
「当たり前だ!死ぬつもりなんかさらさらねぇよ!」

アイシャとタマは曲がり角を曲がって見えなくなった。
残されたのは俺だけだ。

「(とは言ったものの……)」

仔鵺も虎牙鎚ももう使い物にならない。
別のガーディアンの落とした刀を拾ってもいいが生憎付近にない。
第一刀があったとしてその刀ごと両断されそうだが……

「っは……まいったなこりゃ。」

ゆっくりと立ち上がってガーディアンと対峙する。
ギシギシという音がして今にも飛び掛ってきそうだ。
奴の全身が沈み込み……飛び掛ってきた。

「クソッ!」

回避行動を取るために身を沈めた途端、目の前に影が飛び出してきた。
そいつの持つ剣がガーディアンの斬鉄剣と交差し、受け止めた。

「や、久しぶり。随分苦戦しているみたいじゃない?」

腰から伸びるコウモリの羽、サキュバス特有の尻尾、捻れた角。


そして、見覚えのある革製のホットパンツとチューブトップ。


「ティス!何故こんな所に!」
「腕のいい鍛冶屋を探している内にこんな所に……ねっ!」

そいつは、以前助けた教会騎士団……今はフリーの剣士やっているサキュバスだったか。
彼女は鍔迫り合いの状態からガーディアンを蹴飛ばして距離を取った。

「あいつの持つ刀は鉄を含む物なら何でも切り落としちまうはずだが……もしかしてその剣ミスリル製とかか?」
「あ……あはは……実は武器代ケチって銅剣だったり……」

確かにミスリル製にしては切れ味が鈍そうだ。

「それにしてもどうなってんの?街に着くなりこいつらに斬りかかられるしさ。そこらじゅうで魔物がこいつらにさらわれているし。」
「説明は後だ!来るぞ!」

再びガーディアンが肉薄してくる。ティスはそれに応戦し、切り結んでいく……が。

「あぁ、もう!切れ味悪いなぁ!これだったら武器代ケチるんじゃなかった!」

どうにも決定打を与えられないようだ。
他の個体より知能が高いのか水辺に近寄ろうともしない。
せめて……あの固い鎧を砕く一撃を放てる武器があれば……

『マスター、応答してください。マスター、聞こえますか?』

不意に、懐かしい声が聞こえてきた。
この声は……

「ラプラス!なぜお前の声が……どこにいる!?」
『ようやく補足しました。今そちらに向かってもらいます。』

そう言うと、近くの壺から女の子がひょこりと出てきた。

「あ、アルテアさんですね?シアちゃんからお届け物です。」

思い出した。確かつぼまじんだったか……ミミックと同じで壺の間を移動できる種族だった筈だ。
彼女は壺の中から重そうに黒く大きな物体を引っ張り出した。
そいつは待ちに待った……

「ラプラス!いいタイミングだ!」

統合兵装『鵺』だった。
久しぶりにずっしりと腕に来る重量が頼もしい。

「輸送網用の宝箱が壊れたみたいだったのでつぼまじんショッピング経由でお届けしました。それでは〜」

手を振って彼女が元来た壺の中へともどって行く。

「早速で悪いが戦闘だ。アイツの鎧をブチ抜く物を!」
『了解。レミントンM870ショットガン展開。スラッグ弾装填。』

砲身が別れて中からショットガンの銃身が姿を現す。
弾は12ゲージのスラッグショット。
本来ならばショットガンによる遠距離射撃用の弾だが、近距離でも十分使える。

「ティス、離れろ!」

彼女が横っ飛びに離脱すると一直線に俺へ向けて肉薄してきた。
振り下ろした刀を鵺の砲身で受け止める。

「残念だったな。こいつは強化プラスチック製だ。」

刀を受け止めたままショットガンの銃身をコアがあるであろう部分へ向け、トリガーを引く。
辺りを揺らす重低音と共にスラッグ弾が射出されて鎧ごとコアを撃ち抜く。
ガーディアンの全身から力が抜け落ち、膝をついて倒れた。



「何はともあれ久しぶりだ、ラプラス。元気にしてたか?」

ティスと共に江戸崎城への道を駆ける。彼女は事情を話したら協力してくれるとの事だ。

『問題ありません。マスターの滞在先のポータルを見つけるのに手間取りましたがなんとか辿りつけました。』

こいつ曰く手違いで俺の方へ違う物が届いた後にギルド間輸送網のポータルが消えたため、試行錯誤して届けようとしていたらしい。
尤も、ジパングには大陸のようなダンジョンなんて殆ど無い。無論それに付随する宝箱も無いので届けることすら出来ない。
そこで、つぼまじんに協力してもらって壺経由で届けることになった……
まぁ逆にジパングには壺が山ほどあるためある意味で手間取ったらしいが。

「状況はさっきティスに話した通りだ。さっさと首謀者ぶっ潰して領主を開放。可能であれば道すがらサフィアを探し出す。」
『しかし驚きですね。まさか彼女がジパングまで来ているとは。』
「全くだ。正直最初見たときは夢か何かだと思っていたからな。」
「そのサフィアって娘さ、アルテアとどんな関係なの?」

俺とラプラスの会話にティスが首を突っ込んでくる。
ほんとこの手の話が好きだよな、魔物って。

「前に彼女の同族を誘拐グループから助けだしただけだよ。」
「ふ〜ん……どう思ってる?」

こいつはまた突っ込んだ事を訊いてくる……

「まぁ美人だし。性格も清楚で良いし。悪からずとは思っているけどさ。」
「へぇ〜……もう食べちゃった?」
「ぶふぅ!?」

こいつ遠慮無くなったな!

「ノーコメントだ。」
「ま、そういう事にしておいてあげる。」

どういう事だ。



〜江戸崎城 城門〜
城門へとたどり着くと他のメンバーはもう揃っていた。
おそらく俺が最後だろう。

「やっと来た!……って誰、それ……」

アイシャが俺の姿を見つけるなり駆け寄ってきて、ティスの姿を目に止めるなりいきなり不機嫌になった。

「少し前に助けた奴。さっきのガーディアンとの戦闘で偶然再会してな。」
「ふぅ〜ん……。で、どんな関係よ?」

なんだこのチクチクと来る空気は……!
おまけにティスが面白いイタズラでも思いついたような表情になっている。
おもむろに俺に近寄って……俺に後ろから抱きついて腕を俺の前で絡ませてきた。
後頭部に何か柔らかいものが当たっている……

「体を重ねる深いカ・ン・ケ・イ♪」

サキュバスってこんな奴らばっかりか?
あぁ……アイシャから真っ赤なオーラが立ち上っているし……。

「ありゃ精気補給の為の応急処置だろうが……ほら、離れろ。まだここで終わりってわけじゃないんだ。」

ティスを振りほどいてアーサーの元へと急ぐ。

「状況は?」
「城門が裏側から何者かに押さえられている。幸い防衛兵器の類は無いようだが……」

今現在もサクラやリュシーを始めとした力自慢が門をブチ破ろうとしているようだが成果が上がっていないようだ。

「いかんせん門扉が分厚すぎて破ることも出来ない。貫抜が掛かっていることも考えると一筋縄ではいかないぞ。」
「なるほどね……」

大体の状況は分かった。あとは突破の策を出すだけだ。

「ラプラス。あの門扉を破れるか?」
『問題ありません。ジャベリンとクラスターランチャーを組み合わせて行きましょう。』

唐突に聞こえてきた第三者の声にアーサーが目を丸くする。
通信玉による通信だと思ったのか革袋からそれを取り出すが反応無し。まぁ、そりゃそうだが。

「本来の得物が戻ったってこった。まぁここは俺に任せな。」

城門へ向けてゆっくりと歩をすすめる。
俺が何かをしようとしているのが分かったのか門扉に取り付いたサクラ達が道を開けた。

「さて、おっぱじめますか。」
『了解。ジャベリン展開します。』

鵺をランチャーモードへ変形。レティクルが表示され、門扉をロックする。

「地対地ミサイル、ファイア!」
『Fire』

白尾を引いて地対地ミサイルが門扉へと飛んでいく。
着弾地点に穴が空き、向こう側に何体かのガーディアンが吹っ飛ばされて転がっているのが見えた。

「次、クラスターランチャーだ。続けていくぞ。」
『了解。E-Weapon、クラスターランチャー展開モードP。エネルギーチャージ開始。』

再度レティクルが表示されてぽっかりと開いた穴へと標準が合わさる。

『チャージ完了しました。いつでもどうぞ。』

ラプラスがクラスターランチャーのチャージ完了を告げる。
砲身の先からは眩い燐光が溢れ出していた。

「オーケー……吹っ飛ばす!」
『EXPRODE』

トリガープル。強い衝撃と共にエネルギー塊が打ち出され、穿たれた穴へと吸い込まれていく。
穴を通過した瞬間、門扉向こう側でエネルギー塊が爆ぜた。

<<<ッドォォォォォオオオオオン>>>

無数のエネルギー弾に分裂したエネルギー塊は巨大な爆発を起こして門扉を内側から吹き飛ばす。
外開きである城門を無理矢理こじ開けるならば外側から叩き割るより内側から吹き飛ばしたほうが早い。

「一丁上がりだ。突入準備はできているか?」
「あ、あぁ……問題ない。」

アーサーは暫く何が起きたか理解出来ない様だったが、攻略可能と見ると自らの顔を叩いて気を引き締めた。

「方法はともかく今は任務を優先するぞ。アルテアとアイシャの班は予定通り最上階までの制圧を。私とサクラとリュシーは地下牢へ領主の救出へ。それでは行動開始だ!」

それぞれの人員が突入する中、俺は空を見上げてソレを確認すると着てきたジャンパーの前を閉めた。

「うわ……この暑い中なんでそんな格好するのよ……」
「保険だよ。保険。」



通路に展開したガーディアン達を蹴散らしながら進む。
途中にある部屋などは障子であれば隙間から、ふすまであれば穴をあけて中の様子を確認し、ガーディアンのみであればクラスターランチャーを撃ち込み、拘束中の人も一緒であれば蹴破ってオクスタンライフルでガーディアンの足を砕き、一体ずつパイルバンカーをお見舞いした。

「うし、3階制圧完了だ。次行くぞ。」
「大して出番がない……」
「いいじゃない、楽で。」



〜最上階〜

目を覚ましたら和室の中に手を拘束されて床に横たえられていました。
体の中が空っぽのような感じがするのは魔力をネックレスの効果で使い果してしまったからでしょうか。足が人魚のヒレに戻っています。
猿轡をかまされているためにしゃべることもできず、目隠しまでされて周りが確認できません。

「まさかこのジパングでシービショップを捕らえられるとは……なかなか運がいいものだ。」

誰かの声が聞こえて来きます。
男の人……?

「なぁに、心配することはない。苦しみも痛みも無い。まぁ自分に施したことはないからわからんがね。」

一体何をされると言うのでしょう。
何かの詠唱のような物が聞こえてきた途端、ゾクリと体の中の何かが浮かび上がる感覚。
怖い……助けて……助けて……!



「クソッ!数が多いな!手間取っている暇はないってのに!」

最上階の最奥へ向かう途中の大広間。無数のガーディアンによって足止めを食らった。
これだけ大量の相手であればプチアグニを使いまとめて吹き飛ばしたほうが楽なのだが、味方もいるために巻き込む可能性がある。

「アルテア!ここはアタシ達に任せて奥へ進んで!」

アイシャが鎧ごとコアを射抜きながら俺へと叫ぶ。

「任せて大丈夫なのか!?」
「ちょっとむかつくけど……どうにも相性がぴったりなのよね、こいつと!」

背後からアイシャに迫ったガーディアンをティスが弾き飛ばす。
バランスを崩したガーディアンに矢で追い打ちをかけて機能を停止させる。

「むしろ複数人の時のほうが戦いにくそうに見えるわ。ここは気にせず先へ行きなさい。」

ある程度軍隊経験のあるティスにはお見通しか。
確かに敵と味方が入り乱れているところでライフルなんて撃ちたくない。

「スマン!任せた!」

この場を彼女たちに任せて俺は先へと進む。
目指すは最奥の間。一気に制圧してチェックメイトだ!



〜最上階 最奥の間〜

頭がグラグラする。体から何かが抜け出ていくのが止められない。

「ぃ……ゃ……た……こわい……アル……」

浮かんできたのは彼の顔。これまで幾度も危機を救ってくれた私のヒーロー。
もし……ここで死ぬとしても……最期に一目……彼……を……

<ドバァーン!>



〜最上階 最奥の間〜

障子を蹴破ったその先の部屋は怪しげな黒魔術の儀式場の様相をしていた。
魔方陣の中心には人魚の姿に戻ったサフィアが転がされている。

「オイオイ、これは何かの悪い冗談かよ。黒幕は教会の手の者じゃなかったのか?」

俺が踏み込んできた事で奥にいる老人がたじろぐ。
さらに、入ってくる時は真っ青だったサフィアの顔色にだんだんと血色が戻ってきた。

「ック!あともう少しのところで邪魔が入るとは……出てこい!こいつを始末しろ!」

老人……おそらくは半蔵だろう……そいつが何かを叫ぶと部屋の他の障子からわらわらとあの灰色のガーディアンが湧き出してきた。
その数は10や20じゃ効かない。

「全く……悪夢だってもっと救いがあるぜ……」

慌てず騒がずまずはサフィアを縛る縄をナイフで断ち切る。
俺の暴れ方が相互リンクか何かで判っているのだろうか。迂闊に攻撃はしてこない。

「ぁ……」
「よう、助けに来たぜ……って言ってもいきなりピンチだけどな。」

ひとまず動けるようになったサフィアは床に横たえておき、辺りを見渡す。
周囲はガーディアンで完全に包囲されており、こちらが何かヘタなアクションを取ると一気に飛び掛ってきそうだ。

「(さて……どうしたものか……)」



〜その頃、江戸崎城地下〜

地下牢で無事領主を救出したアーサーは奇妙なものを見つけた。

「巨大な……水晶か?これは。」

地下牢の一室に巨大な水晶が薄い光を放ちながら鎮座していた。

「こっちに説明書みたいなものありましたよ〜。」

リュシーがその部屋の隅に落ちていた小冊子を手に取る。

「ジパングの字みたいだな……少し貸してみろ。」

サクラがその冊子を受け取ってパラパラとめくり始める。
しばらくして彼女が冊子を閉じると何かに納得したように頷いた。

「なんだったのだ?」
「からくり清兵衛司令塔用水晶……だとさ。」
「つまりどういう事ですか?」

サクラがニヤリと笑って水晶の前へ立つ。

「つまり……ぶっ壊しても問題ないって事だ。」
「あぁ、なるほど。」

反対側にリュシーが立つ。
二人は共に棍棒とハンマーを振り上げると、同時に水晶へ叩きつけた。
甲高い音を発しながら水晶が砕け散る。



〜最上階 最奥の間〜

目の前で次々とガーディアンが崩れ落ちていく。
まるでどこかから受け取っていた信号か何かが途絶えて何もできなくなってしまったかのようだ。

「な……一体何が起きているというのだ!?」
「形勢逆転だな、おっさん。大人しくお縄についてもらおうか?それともこの場でブチ殺されるのがお好みか?」

半蔵は唇を噛むと壁に拳を叩きつけた。
悔しさからの行動かと思いきや、彼の足元の畳がパカリと割れてその中へと落ちて行った。

「……逃げたか。」
『そのようです。まだ生命反応は消えていません。』

未だに呆然として床にへたりこむサフィアを抱き起こした。
暫くは目が虚ろで焦点が定まっていなかったが、次第に俺の顔へと視点が定まるとその瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。

「ぁ……アルテアさん……来てくれた……助けて……」
「あぁ、もう大丈夫だ。悪かったな、目を離したりして。」
『女性を口説くのもいいですが警戒を怠らないでください。まだ敵地の中、標的も健在です。』

サフィアをなだめる俺に注意を促すラプラス。
まぁ確かに安心するのはここを脱出してからだ。


サフィアを連れて脱出しようとした次の瞬間、城が大きく揺れ出した。


「な、何だぁ!?」

とにかく城の中にいてはマズいだろう。
かといってここは最上階。空でも飛ばない限りは即座に脱出などできない。




そう、空を飛ばない限りは、だ。




「サフィア、ちと怖いだろうがガマンしろよ。」
「へ……一体何を……」

サフィアを小脇に抱えてふすまを開け、外へと飛び出す。
踊り場になっている所を越えて……

「I can Fly!イヤッハァーーーーー!」
「ふぇ……へ……ぇ……は……ぃやぁぁぁああああああああ!」

踊り場の上から空中に身を躍らせる。
無論下に足場など無い。
風を切る音、サフィアの絶叫が辺りに響き渡る。
そして唐突に、体が空中に浮かんだ。



「全く、貴方は無謀過ぎます。馬鹿ですか?」



俺のジャンパーの襟を足の爪で掴んで空を飛ぶ姿。
俺がこのクソ暑いのにジャンパーを着てなおかつ前を閉めていたのはこのためだ。

「だから言っただろ?城の上空で見張っていてくれって。」

そいつは、瑠璃の母親だった。
俺+鵺+サフィアの体重が掛かっているはずなのに飛んでいる辺り神通力でも使っているのだろう。

「敵陣から早急に離脱するには空からがセオリーなんだよ。飛んで逃げればそれ以上追って来られないからな。」

俺は革袋から通信玉を取り出し、口元へ持っていく。

「あ〜あ〜、こちらアルテア。最上階でサフィアを発見したので救出した。同じ部屋に半蔵らしき奴もいたが逃げられた。今現在も城の中にいるはずだ。どうぞ。」
《こちら本部のプリシラです。了解しました。それと、現在全員に撤退命令をだしています。どうにも城の様子がおかしいようで……》
「それは俺も知っている。妙に揺れた……なんだありゃ!?」

振り向くと……江戸崎城の高さが普段より10メートルほど高くなっていた。
しかも妙にグラグラと揺れている。
壁面ではティスとアイシャが器用に壁や屋根をつかみながら下へと脱出していた。



落ち着いて状況を確認するために地面へと下ろしてもらう。
江戸崎城は尚も揺れ動き、なおかつだんだんとその姿を変えている。
あれではまるで……

「城型の変形ロボットだな。」

腕やら頭やら足やらがせり出してきて、石垣が剥がれ落ちてその奥の装甲板が姿を表す。
城の見取り図で詳細不明の部屋がいくつもあったが……まさかこの変形機構のための部屋だったのか?

「あんたはサフィアをギルドまで連れていってやってくれ。必要なら街から避難を頼む。」
「貴方はどうするのですか?」

こんなちっぽけな人間が何をするのだ、とでも言いたそうだ。
無論、これからやることなんて決まっている。

「アルテアさん……逃げて……ください……無理です……」
「わりぃな。無理だろうがなんだろうがアレを放置するわけには行かない。下手したら江戸崎が崩壊する。」

サフィアが瑠璃の母親に掴まれてだんだんと上昇していく。
彼女は俺に向かって手を伸ばしたようだが、もちろん届くわけもない。
遠くなっていく彼女がやがて見えなくなると、再び城型のカラクリへ向き直った。

「さて……と。」
『流石に今回は勝てる策はありますよね?』
「もちろんだ。本部、江戸崎城からのメンバーの脱出状況と被害者の救出状況はどうなっている?」

ややあって通信玉からプリシラの声が聞こえて来る。

《こちら本部です。メンバーの脱出および人質の救出は全て完了しました。現在城の中にいるのは首謀者の半蔵氏のみです。》
「了解。江戸崎城周辺に誰も近寄らせるな。少し暴れるぞ。」

一方的にそう言って通信を切る。
そして俺は江戸崎城へ向かって駆け出した。



「この辺でいいだろ。」

土煙を上げながら足でブレーキを掛ける。
江戸崎城へは残り100か200メートルといった所だろう。

あのぐらいの巨大なからくりが動くには大分時間がかかるらしく、今はようやく一歩目を踏み出したところだ。
しかし、早急に片付けなければもっと被害が増えるかも知れない。

「ラプラス、G・Gハンマーだ。」
『了解。E-Weapon<G・Gハンマー>展開。』

鵺の横のハッチからグリップが出てくる。
構え方は丁度零点エネルギー銃のような感じだ。
砲身が開いて中から燐光が溢れ出す。

『重力波を生成します。砲身を上に向けてください。』

砲身を上に向け、トリガーを引くと、頭上の景色が歪み始める。
その歪みは際限なく巨大になっていき、江戸崎城と同等の大きさになった。

「この街には色々な想いが……色々な人々が溢れているんだ。」

想いを武器に載せ、それを力に変える。

「その輝きを……消させてなるものか!」

僅かな抵抗を見せる鵺を無理矢理振りぬき、江戸崎城へと叩きつける。

「ぶっ潰れろぉぉぉぉおおおおおおおお!」

重力波の塊を叩きつけられた江戸崎城は触れた側からひしゃげ、壊れ、分解していく。
地面に叩きつけられても尚沈み込み、地面が半球状に陥没し……


<ドグシャァァァァアアアア>


轟音と大量の土煙と共に完全に破壊された。
破壊跡には巨大なクレーターがその口をあけている。

「さすがにこの状態じゃ生きちゃいないだろ。」
『特に生命反応はありませんね。脱出している可能性もありますが。』

半蔵の死体を見つけるまでは安心は出来ないだろう。しかし……

「ま、こいつに街を破壊されないって事については安心してもいいよな。」

11/09/17 07:03更新 / テラー
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■作者メッセージ
〜あとがき〜
という訳で江戸崎城攻城戦はこれにて閉幕。
最終的に江戸崎城丸ごと破壊という無茶苦茶な結果に終わりました。
今回の被害額いくらかなぁ……あははは……

恒例の感想返信です。この場を借りて謝辞を。

>>ネームレスさん
桃姫的ポジションなら仕方がない。ヒロイン=誘拐される役。
黒幕は引き回しの前に挽肉です。パワーコントロール?なにそれうまいの?

>>錆鐚鎌足さん
決してひ弱な訳ではないのになぜか拐われる人っていますよね。

「実は今回の事件、誘拐された妖怪の中で一部行方がわかっていない奴がいるんだよな。」
「ギルドでも全力を上げて探しているんですが……一体どこへ行ってしまったんでしょうか?」

>>walsさん
彼女が拐われるのは恐らくこれで最後です。
元々どこかの誰かが何かを企んでいるというのを浮き彫りにする為に出したのでこういう役回りに……。

「俺も常々何故刺されないのかは疑問だったんだよな。」
「アルテアさんが死んじゃったら困るのは彼女達じゃないですか……」

>>おいちゃん
暴走した結果がこれ(朝)だよ!いや、何もされていないのですがね。

「プロフィールに趣味:被誘拐って追加しようか……」
「そんな趣味ありませんよ!」

>>名無しさん
彼女が拐われた(未遂含む)のはこれで3回目……流石に姫様には遠く及びませんが出し続けると肩を並べる気がしなくもありません。

>>『エックス』さん
見ていてムラムラ来た彼女達が加わって乱交……を避けるために回避行動。いくら何でも収拾がつかなくなるもので。

『2時方向距離450にシモヘイヘ。狙撃来ます。』
「ちょ、ムr
<ターン>

「……!…………!」
『やはり1秒持ちませんでしたね。続けていきましょう。』
「殺す気か!」
「何ですかこのドMゲー……」

次回も来週土曜日。翌日にはおまけも予定しています。始まりの終わりは始まりであることを僕達はまだ知らなかった……お楽しみに〜。

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