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まもむすゼーション!!

バーソロミュ

INDEX

  • あらすじ
  • %02 c=15d 第0期:ようこそ、図鑑世界(ゲーム)へ!
  • %02 c=15d 第1期:お姉ちゃんが出来ました
  • %02 c=15d 第2期:偵察!探検!調教!
  • %02 c=15d 第3期:現人神の決断
  • %02 c=15d 第4期:貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだ!
  • %02 c=15d 第5期:筆記は剣より強し
  • %02 c=15d 第6期:反撃は三倍返しで
  • %02 c=15d 第6期外伝:白きエミリア 黒きエミィ
  • %02 c=15d 第7期:井の中の蛙、海の広さを知る
  • %02 c=15d 幕間:眠り姫オーヴァードライブ 壱
  • %02 c=15d 第8期:興奮と驚愕と共に歩む日常
  • %02 c=15d 第9期:援軍
  • %02 c=15d 第10期:妹の心姉知らず
  • %02 c=15d 第11期:閣下は相当カッカしているようです
  • %02 c=15d 幕間:眠り姫オーヴァードライブ 弐
  • %02 c=15d 番外:まだ見ぬ指導者たちの肖像…(1)
  • %02 c=15d 番外:まだ見ぬ指導者たちの肖像…(2)
  • %02 c=15d 第12期:ハーピーたちの歌声が告げる
  • %02 c=15d 第13期:仁義なき姉妹喧嘩
  • %02 c=15d 13期外伝:みんな我慢してたんです
  • 第12期:ハーピーたちの歌声が告げる


    今期の格言

    私たちはみんなひとりだ。
    個って云うのは『これ以上分けることが出来ない』という意味。
    逆に言うなら、分けられてるのだから自分の個性は他人に理解されない…
    という意味でもある。けれど生きてみると、思っていたよりも
    周囲からの影響は大きい。何より、自分が生きていると自分で知るために
    自分以外の人間が必要不可欠だということが分かる。
    だけどそれは怖いことでもある。
    今まで総て自分の物だけだった安らぎも、痛みも…
    独りでなくなったとき、総体と共有されるものに変化するからだ。

    ……それでも。

    それでも、自分の痛みや苦しみが誰にも知られずに
    積もっていく恐怖に比べれば、些細なものに違いない。

    ―アイ=サン




    魔王歴179期…エルフ大陸の一角で大きな勢力を保っていたトメニア王国は、
    隣国ヴァルハリアの電撃的な侵攻により、国土を一瞬にして粉砕された。
    そしてトメニア王国の持つ豊かで広大な領土はヴァルハリア教国の物となり、
    今や大陸中で揺るぎない巨大帝国となってしまった。
    智鶴率いるダークエルフにとって、あまり好ましくない状況であるが
    こういう時こそ、慎重な立ち回りで何とか優位を確保したいものである。

    「そんなわけで、次の攻撃目標は翠緑の護り手で決まりね。」
    「う〜ん…トメニアとの戦いが終わったばかりなのに、もう次の戦いのことか…」
    「エミィも平和が一番だと思いますが、今回は時間がありませんから。」
    「あのライオンハート、本当に自重してくれないものかしら。」

    もはや将来的にヴァルハリア教国との衝突は不可避であり、
    その上開戦時期はライオンハートの気分次第というとんでもない状況で、
    智鶴たちはとてもゆっくりしている暇がなかった。

    「そろそろ本格的に開発に着手したいのに、上手くいかないものねぇ。」
    「あら、ルーツィエ。労働者なら足りてるはずよ。
    どさくさに紛れて旧トメニア領から2ユニットほど拉致してきたし。
    あ、でもマナノード(魔法の元になる資源のようなもの)の活性化は
    早くやっておきたいところね。」

    ザリーチェは、ルーツィエが珍しく内政に真剣になってると思っていたようだが…

    「違うわよザリーチェさん。私が開発したいのは…ちーちゃんとエミィちゃんのからd…」
    「ちょわっ!!」

    ザリーチェはハリセンを取り出した!
    偽天使流奥義『ハリセンキック』炸裂!
    ルーツィエに99999999のダメージ!

    「ちょっ!?いきなりヒドイ…!あと今の攻撃ハリセン関係ないよね!?」
    「だまらっしゃい!あなた指導者なんだからいい加減公私の区別つけなさい。」
    「ま、まあまあ二人とも…喧嘩しないで。」
    「エミィの身体…開発されちゃうんですか…?な…なんか、ちょっと楽しみです♪」

    そんなわけで、ダークエルフ国の愉快なメンバーは今日も平常運転のようだった。





    「さあ今日も張り切って仕事するよ!」
    「いい心掛けね智鶴君。本当はルーツィエやエミリアとずっとイチャイチャしたい
    年頃なんでしょうけど、めんどくさがらずに仕事するのは偉いわ。」
    「う…ま、まあ……否定はできないけどね…」

    ザリーチェに茶化されながらも、プレイヤーのお仕事再開。

    「いきなりだけど、来客が来てるみたい。それも…南の新大陸からね。」
    「南の新大陸!…それってルミナさんが言ってたすごい大きな大陸のことかな!」

    どうやら、数ターン前に出したブラックハーピーの偵察隊が、
    ちょうどエルフ大陸と中央大陸の間の海峡で偶然出会ったらしい。
    その相手の偵察隊のハーピーがここまで来ていたようだ。

    「ちゃーっす!自分は『ヒルパス連合』から来ましたー!よろしくどぞー!」

    ―――――《他文明発見》―――――

    ・ヒルパス連合
    指導者:リアナ&ロイズ 女性 種族:ケンタウルス&デュラハン 属性:魔
    志向:攻撃/侵略 固有志向:騎兵ユニットに初期昇進『側面攻撃T』
    外交態度:不満はない
    国教:特になし

    リアナからのメッセージ
    「ようこそ!私たちは筋さえ通れば金次第で何でもやってのける命知らず!
    不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する、私たちヒルパス連合!」
    ロイズ
    「私達は、道理の通らぬ世の中にあえて挑戦する。頼りになる神出鬼没の、
    騎馬民族傭兵国家。助けを借りたいときは、いつでも言ってくれ。」



    「な、なんかまた…すごい国が出てきたんだけど……」
    「騎馬民族の連合体…ヒルパスね。見てわかるとおりライオンハートに勝るとも劣らない
    戦闘集団ね。義理堅いのはいいんだけど、相手するとなれば相当厄介よ。」

    まず中央大陸での最初の出会いは、現在スコアトップを走る最強の国家…ヒルパス連合。
    攻撃志向に侵略志向(全ユニットが強力な昇進を持つ)と、戦争しかできない…
    いやむしろ、戦争してないと逆に死んでしまうような極端な国家である。
    つくづく、こんなのが同じ大陸にいなくてよかった。
    まあ…ライオンハートも似たようなものだが。

    「でも逆に仲良くできたらとっても心強そうだ。
    僕たちダークエルフからもお友達になりたいって言っておいてよ。」
    「あいあいさー!お付き合いできそうな国でよかったですー!
    ほんじゃー自分はまだまだ回るトコあるんで、失礼しまっすー!」
    「あぁちょっと…お茶くらい飲んでいきなよ…!」

    結局ヒルパスのハーピーは、来たばかりだというのに
    嵐のように去っていってしまった…

    「さすが疾風怒濤のヒルパスっ娘といったところかしら。
    慌しいったらありゃしないわ。あんなに急いでも
    1ターンに動ける距離は変わらないって言うのに。」
    「とりあえずヒルパスと通商条約結ぶかはもう少し文明を発見してからにしよっと。
    これだけ大きい国だと場合によっては多くの国から敵視されてるかもしれないから
    注意しないとね。欲しい友達は大人一人より子供三人…ってね。」


    特に高難易度のゲームでは外交関係を一歩見誤ると大変なので、
    外交交渉はよくよく考えて行うようにしよう。筆者からのアドバイスだ。




    次のターン…




    外出していたルーツィエから連絡が入る。

    『ちーちゃん、前々から頼まれたまま放置してたクエストを今のうちに消化しておくわね。』
    「放置してたクエスト…………あ、ああ!妖精の里から頼まれてた都市国家攻撃!」
    (↑注:第8期参照)

    しばらく内政が続き、軍隊が遊びがちになってしまいそうなので、
    前々から依頼されていたクエストをこの機会にこなしてしまうことにした。
    目標は『神美都市ヘッケラー』。あの有り得ないくらい上から目線の都市国家に
    お灸をすえてやろうと、ルーツィエは張り切っているようだ。

    「無理しないでねルーお姉ちゃん。都市国家と言えども油断は禁物だよ。」
    『平気平気♪ちゃっちゃとリーダーを簀巻きにしてくるわ。』

    幸い、ヘッケラーはライオンハート領からやや離れていたので
    攻撃しても特に恨みを買うこともなさそうだ。
    そんなわけで、安全を確認したのち精鋭ユニット10体で攻撃開始!
    これに驚いたのがヘッケラーの長、司祭長コッホ氏である。

    「ま、まて!神に愛されし我らの美麗な都市に攻撃を加えるとは何事だ!?
    このままでは野蛮なダークエルフの手によって貴重な文化財がことごとく…!」
    「はいはい、神に愛されても髪には愛されなかった可哀そうなおじさまには、
    そろそろご退場願うわよ。前々からあなたたちの都市は私たちの領土を
    地味に文化押ししてきてうざったかったの。」

    ワーワー


    結局、ロクな軍備も整ってなかったこの都市国家は
    ルーツィエによってあっという間に占領されてしまった。
    なにしろ「風景を損ねるから」といって城壁すら作っていなかった都市である。
    これから守備が固いエルフ文明を想定して編成された軍団にとって
    あまりにも簡単すぎる相手と言えた。

    「おお、神よ……美しき者の何と儚い事か。このままでは…美の損失……。」

    神美都市ヘッケラーが滅亡しました

    「これで十分かしら、妖精さんたち。」
    「ありがとー!助かっちゃった!これで妖精の里にも平和が戻るし、
    ピクシーちゃんやリャナンシーちゃんたちにもたくさんの『お兄ちゃん』が出来て
    もー万々歳!あ、財宝とかは私たちいらないからそっちで好きにしちゃってどうぞー!」

    妖精の里リンカーの長ラピスラズリは、念願の遊び相手を
    大漁に手に入れることが出来てほくほく顔だ。
    占領した都市にて、捕まえた兵士たちはダークエルフ軍で男娼に、
    ヘッケラーが誇る優秀な芸術家たちは妖精たちの永遠の遊び相手に…
    コッホをはじめとする司祭たちもフェアリーやピクシーたちの
    いい遊び相手になってくれることだろう。

    「まあいいけど…あの子たち、あんな中年おじさんたちのどこがいいのかしら。
    確かにあのおじさんたちを奴隷として苛め抜くのも悪くないかもだけど、
    正直あの脂肪の塊には………。うん!やっぱ恋人にするならちーちゃんみたいな
    まだ成長過程の男の子が一番ね!あの吸い付くようなもちもち肌がたまらないわ!」
    「ルーツィエ様…、そういった欲望は口に出さずに
    出来ることなら心の中かツィッターあたりで呟いてくださいよ。」
    「あらフレイヤ。いいじゃない、オープンな政治って。
    自分の欲望に素直になることは人生でとても大切なのよ♪」
    「…言っても無駄だとはわかっていましたが。それよりも、
    今回の戦いでとうとう術使いたちのレベルが4になりました。
    これにより、より上位のユニットにクラスチェンジが出来るようになりました。」
    「おおっ!ついに来たわね…この時を待っていたのよ!」


    さあ読者の皆様お待たせいたしました。
    ダークエルフ・ルーツィエが、いよいよその強さを発揮する時が来たようです。

    ルーツィエは、占領後の都市の処理をフレイヤに丸投げして、
    術使い4ユニットと共に猛スピードで智鶴の元に帰還した。


    「ちーちゃんただいまーーーっ!!」
    「おかえりルーお姉ちゃん。どうしたのそんなに慌てて?」
    「あら早かったねルーツィエ。」
    「おかえりなさいなのですよ!」
    「ふっふっふ…とうとう私の時代が来たのよみんな!」

    戻ってくるなり、ルーツィエは自信満々に一人の術使いを連れてきた。

    「智鶴様、ご機嫌麗しゅう。」

    彼女はダークエルフ国で一番初めに生産された術使いユニットだ。
    術使いとして一生懸命経験を積んできた彼女は、
    これから先ダークエルフ軍の攻撃のかなめを担うことになるだろう。

    まず術使いの内は、ささやかな効果の魔法しか使えない。
    まあそれでも地形を肥沃化したり、都市の防御を固めたり、
    中には攻撃力を一時的に上昇させたり移動力をあげるといった
    そこそこ便利な呪文も多いのだが、こういった低ランクの術は
    戦況にあまり大きな影響は及ぼさない。

    だが、経験を積み上位の魔法使いとなると、使い勝手は格段に向上する。


    「ダークイリュージョンパワー!メーク・アップ!」

    \テーレッテー!/

    おめでとう!術使い幻術師にクラスチェンジした!



    『おお〜っ!!』
    「新しくなった私たちの活躍にご期待ください!」

    術使いだった彼女が、昇格して上位ユニットになった瞬間だった。
    術士系統のユニットは普通の兵士と違って、技術開発しても
    術士を一から育てなければならない……その上術士自体は
    肉弾戦に弱く、戦闘で経験値を稼ぐのが難しい。(魔法を唱えても経験値は入らない)
    一応術士たちは『精神集中』という昇進を持っていて、
    動かさなくても毎ターン一定の確率で自動的に経験値がたまるものの、
    普通は実用化までに相当時間がかかるものである。

    しかーし、ルーツィエの持つ『秘術』の志向は、術使いたちの経験値がたまりやすくなる。
    これによりほかの文明に比べて簡単に術使いたちを育成できるのだ!
    秘術志向が強いと言われるのはこのためである。
    また、ダークエルフ文明は術者が昇格すると、固有ユニットである
    「幻術士」になることができる。その効果は後ほど説明しよう。


    「ああ、これでもう私は「放火魔」とか言われないで済みます…!
    私のファイアーボールで敵はウェルダン…!うふふふ!」
    「ええっと…、そういえば君はどんな魔法が使えるんだっけ?」
    「得意分野は精神の魔法と火の魔法です。ですが今までは、
    ちょっと仲間の頭を良くしたり、ちょっと放火するくらいしかできませんでしたが…」
    「それはそれは…ささやかだね。」
    「ですがこれからの時代は火の魔法です!人一人分くらいある
    大きな火の玉を撃ち込むことができるようになりましたから…!
    その威力は今後お見せ出来る機会があるはずですわ。うふふふ…」
    「あ…うん、それは楽しみだ…」

    怪しい笑みがとまらない幻術士のテンションに若干引き気味の智鶴だったが、
    この後彼女の魔法の威力に改めて度肝を抜くことになる。

    「いい調子ねルーツィエ。そろそろお姉さんに喧嘩売る時が来たかしら?」
    「わかってるじゃないですかルーツィエさん♪
    攻撃手段がそろった今こそ、分からず屋のエルフたちにお仕置きするチャンスね。」
    「え?ルーお姉ちゃんのお姉さんって?」
    「お姉ちゃんにもさらにお姉さんがいるのですか?」

    事情を良くわかっているザリーチェとは対照的に、
    智鶴とエミリアは事態を飲み込めていない様子。

    「そうだ、二人には言ってなかったかしら。
    ルーツィエと翠緑の護り手の指導者イクシーは姉妹なのよ。」
    「もっとも、姉さんからはとっくに絶縁されてるけどね。」
    「し、知りませんでした!そういわれてみればちょっと似ている気もします!」
    「そんなお姉さんを攻撃するって、大丈夫なの?」
    「大丈夫よ、別に死なせるわけじゃないし。むしろいよいよ姉さんを
    屈服させることが出来るんだと思うとわくわくしてきたわ♪」

    実姉を陵辱する姿を想像して黒い笑みを浮かべるルーツィエを見て、
    改めてこの恋人を敵に回さなくて良かったと痛感した現人神様であった…





    翌日、智鶴は気分転換にザリーチェとエミリアを伴って城下町を散策することにした。
    ルーツィエは「対エルフ戦に備えて必要なアイテムを仕入れてくる」と言って
    首都を留守にしているのでこの場にはいない。

    「この国も随分大きくなったね。」
    「ええ、智鶴君が国を豊かにしようと頑張ったから、皆もそれに応えてくれたのよ。」

    満月が上る夜空の下、ダークエルフ国首都クロケア・モルスでは
    多種多様な魔物たちでにぎわっていた。
    初めのうちは数百人のダークエルフしか住んでいなかったのだが、
    さまざまな内政政策が功をなした今では人口単位は15を越えている。
    ここまで規模が大きい都市は世界を見渡してもそうそうない。
    お隣のヴァルハリア教国ですら最も巨大な都市でも人口単位は8でしかないので
    いかに大きな都市になったかお分かりだろう。

    初めのころからあった鬱蒼とした森林は、ダークエルフたちの特性により
    伐採されずにいるため、陽の光を完全に遮断するほど成長しており、
    太く頑丈な木の枝を利用した樹木の上の集合住宅は元の世界では
    まさに有り得ない光景であり、その幻想的な光景は何度見ても智鶴を飽きさせない。

    「最近はダークエルフ以外の娘も増えてきたね。あの子は…リザードマンかな。
    女の子しかいないのにマンなんて…くすっ、なんだかおもしろいね。
    あの子はアントアラクネか。ビートル共和国から移住してきたのかな?
    おっと、あそこに見えるのは『椎の木の名物姉妹』の双子のラミアさんたち。
    図鑑で見た時は蛇の身体なんて気持ち悪そうとか思ったものだけど、
    実物を見てみるとなかなか悪くないね。ギリシャ神話書いた人たちも
    なかなか分かってると見た。そしてあの子は……ええっと?」
    「マンティスね。本来は単体行動が主だから都市とかには滅多に住まないんだけど
    都市型の生活にあこがれて出てきちゃったのかしらね。おのぼりさんらしく
    真顔で常に首をきょろきょろしてるのが可愛らしい……ってそういえば
    智鶴君も随分と私たち魔物娘に詳しくなってきたんじゃない?」
    「魔物の指導者も増えてきたし、領地にもいろんな種族が増えてきたから
    大図書館である程度勉強したんだよ。でもたくさんいるから
    まだまだ覚えきれないなぁ。うん、がんばらなきゃ。」

    智鶴は元の世界だとそれほど勉強する方でもなく、
    せいぜい気が向いたときに復習をする程度。
    だが、こと魔物娘に関する勉強となるとついつい時間を忘れるから不思議だ。

    「そうだわ、智鶴君。百聞は一見に如かずって言葉知ってるかしら。」
    「知ってるよ。でもそれがどうかしたの?」
    「図書館で図鑑とにらめっこするよりも実際にいろんな娘を目の前で見たほうが
    智鶴君も覚えやすいんじゃないかしらと思ったのよ。」
    「あ、エミィもそれがいいと思います!私たち魔物娘は種族によって
    おまんこの中も結構違いますから、試してもらうのもいいんじゃないかなって!」
    「そうね。手始めに領内に住む全種族から自慢の女の子を募集して、
    一人一人抱いて味比べして、その体で覚えるのが一番……」
    「ちょっとちょっと!見るだけならまだしも、だ…抱くなんて……
    そんな悪徳政治家みたいな真似は僕にはとても出来ないってば!」
    「大丈夫よ、智鶴君が募集掛ければ人妻以外はみんな喜んで応募してくれるわ。
    まあ当然抱いた後も責任をもって最後まで面倒見てあげなきゃならないけど、
    世界一を目指すんだから100人や200人のハーレムは当たり前よね。」
    「だからダメだって!僕にはもうルーお姉ちゃんやエミィ、それに
    近衛のエテ、イユ、クーもいるんだし、これ以上はもう…」
    「そんなこと言ってていいのかしらね…うふふ♪」

    とまあこんな感じに緊張感のない会話をつづけながら歩いていると、
    何やら公共広場から、綺麗な音色と共に歌声が聞こえてきた。

    〜♪〜〜♪

    「あれ、この音色は…」
    「陽気な旋律ね。いつも聴いているダークエルフたちの音楽じゃないわね。」
    「私は初めて聴いたのです。」

    いつもはダークエルフたちが奏でる笛やハーブの音色が
    公共広場から聞こえてくるものだが、今日はこの深い森の中に
    似つかわしくない…どっちかといえば海なんかに似合いそうな
    明るくて陽気な歌声だ。

    三人が人だかりの出来ているところに向かうと、
    そこでは木の枝にとまったセイレーンが、
    見たことがある男性と歌を披露しているのが見えた。

    「ガイブラシさーん!」
    「―しあっ!?やあ智鶴君じゃないか!久しぶり!」
    「リートゥスのルミナの旦那さんがこんなところで何やってるのかしら?」
    「異文化交流ですよ!聞いた話ではダークエルフさんたちは見かけによらず
    音楽好きだって聞いたからさ、せっかくだからリートゥスの歌を
    広めてみるのもいいんじゃないかなとね!」
    「見かけによらず…は余計だよ。確かにルーお姉ちゃんとかは
    手先が器用だから、楽器の演奏にうってつけだからね。」

    歌人の正体は、リートゥスの歌う船乗りことガイブラシ・スリープウッドと
    ダークエルフ国でいうところのブラックハーピーの役割に当たるセイレーン達だ。
    一度は没落の一歩手前ぎりぎりで助かったというのに暢気なものである。

    「ところで今の曲は?」
    「ああ、今の歌かい?今のは『蒼の歌姫の恋物語』っていう、
    リートゥスでは有名な物語をテーマにした歌だよ。」
    「恋愛の歌か〜。だからあんなに明るい歌なんだね。
    もしよかったら僕もルーおねえちゃんにいっぱい歌教えてもらったから
    異文化交流の一環として聞いてもらってもいいかな?」
    「おお!それは楽しみだ!ぜひ一曲お願いしたい!」

    「智鶴様が歌うのですか!」
    「みんなー!智鶴様がその美声を披露なさるわ!」
    「きゃ〜!智鶴様の歌声が聴けるだなんて…素敵!」
    「ハァハァ…ここで聞き逃したら末代までの恥!」

    智鶴が歌を披露すると発表した瞬間、情報は相対性理論をあざ笑うかのように
    瞬く間にクロケア・モルス全体に広がった。そして、公共広場や
    その周りには数分もしないうちにライブ会場と化した。

    「…うう、僕が歌っているときよりも明らかに集まり具合に差が……」
    「お、落ち込まないでください隊長!ここはアウェーですからっ!」

    別にガイブラシが下手くそと言うわけではないのだが(むしろ魔物並みにうまいと評判)、
    国家指導者が相手では分が悪しぎるとしか言いようがない。

    「みんなー!集まってくれてありがとー!せんきゅー!」
    『キャーーー!!智鶴様ーーーー!!』
    「まずは一曲、いっちゃうよーーー!!」
    『イエエエェェェェイ!!』


    「はや〜…智鶴様、歌うのとても上手です〜!」
    「本当ね。これは多分素の素質もあるわ…。現実世界でも神官なんて目指さないで
    少年アイドルとしてデビューすれば、きっと大人気間違いなしに違いないわ。」

    実は智鶴は将来、国内有数の大きな神社を継ぐための修業の一環として
    祝詞を読み上げたり、日本舞踊を極めていたりと、元々こういったことに強い。
    さらに前々からルーツィエに歌のことをいろいろ教えてもらっていた智鶴の歌唱力は、
    この短期間ですでにのど自慢に出ることが出来るレベルにまでなっていた。
    さらに現人神としての人気も加われば、智鶴命のダークエルフたちは
    たちまちノックアウトというものだ。

    ランダムイベント

    ダークエルフ国指導者が、異文化交流の一環としてクロケア・モルスにて
    リートゥス海神連合の代表と共に、歌声を披露しました。
    指導者の美声に国民は酔いしれ、中には熱狂のあまり絶頂する者もいたそうです。

    クロケア・モルスで4ターンの間幸福・文化+1
    リートゥス海神連合との友好関係+1



    智鶴が3曲目を歌い終わり、広場はすでに熱狂の渦に支配されていた。
    その人波の上、木々の間を素早く駆け抜ける影が一つ。

    「あやや、これは凄まじい熱狂ぶりですね。さすがは里長が見込んだ人物だけはあります。
    さてさて…タイミングを見計らってこの親書を………うん?」

    どうやら智鶴に会うために来たようだが、その前に一つ異変が。



    「智鶴様!とても上手で、エミィも感動しました!」
    「ありがとうエミィ!ありがとうみんな!」
    「よーし!エミィもはりきって歌っちゃうのですよ!」
    「え?」

    いったん休憩を挟もうとする智鶴に代わって、今度はエミリアが壇上に上がった。

    「げっ!まずい…っ!」
    「ザリーチェさん!?」

    するとなぜか慌てて止めに入ろうとするザリーチェ。だが時すでにお寿司…じゃなかった、遅し!

    「■■■■■■■■ー!!」
    『きゃーーー!!??』


    エロニアの守護天使エミリア……壊滅的なまでの音痴

    ランダムイベント
    我が国の歌手が自慢の歌を発表したところ、
    その声はこの世のものとは思えないほど甲高く…人々の鼓膜を切り裂き
    不協和音による波長は…人々の精神を容易く握りつぶしました。


    クロケア・モルスで4ターンの間不幸+1





    「も、申し訳ありません智鶴様…!え、エミィは本当にダメな子でしたぁ…!」
    「あぁ…ぅ、な…泣かないでエミィ。人には向き不向きがあるからね。」

    と、智鶴が慰めたものの、あたりはまるでジャイアンリサイタルがあったかのように
    死屍累々の模様を呈している。ザリーチェも思わず頭を押さえ、
    ガイブラシに至っては、泡を吹いて気絶してしまっている。

    「とにかく…皆さんの気付けを!」
    「は、はいっ!大丈夫ですかみなさん!」
    「まったく…三途の川の向こうで私のお婆ちゃんが手を振ってるのが見えたわ…と、あら?」

    ふとザリーチェが背後に目を向けると、ピクピクと麻痺するセイレーン達に交じって
    普段見慣れない魔物が混じっているのが見えた。
    カラステング……ジパングに住む魔物だ。なぜこんなところに?

    「あぁ、ヒドイ目にあいました…。まさに天国から地獄……とは、このことですね…。」
    「ちょっとそこのカラステングさん、生きてるかしら。」
    「…ぬ!あ、はい!失礼しました、
    私この国の指導者の方にこちらの書簡を持ってきたのです。」
    「わざわざ大変だったわね。よければ私が預かって直接智鶴君に渡すけど。」
    「いえいえ、そこまで手を煩わせませんよ。直接渡します。」

    カラステングの使者は気合でその場から立ち上がると、
    智鶴の前に緊張もせず名乗り出た。

    「こんにちわーっ、ダークエルフ国の指導者の智鶴様でよろしかったでしょうか?」
    「君は?」
    「私は凍丸文々(いてまる あやや)と申します、以後お見知りおきを。
    本日は我が国…フォクシミリアン共和国の使者として参上しました。
    そんなわけで………この手紙を受け取ってください!!」
    「え!?あ、うん…。」

    まるでラブレターのやり取りの様に渡された書簡。
    その内容は……


    ―――――《他文明発見》―――――

    ・フォクシミリアン共和国
    指導者:アイ=サン 女性 種族:妖弧 属性:中立
    志向:防衛/秘術/適応 固有志向:首都の都市防御効果+100%
    外交態度:親しみを感じている
    国教:緑葉の同胞

    アイ=サンからのメッセージ
    「私たちはこの世界の狭間に集う知恵の民。門戸はいつでも開かれています。
    良き愛人隣人として末永い友好関係を望みます。」



    「………これは。」

    書簡の内容を見たザリーチェは、一瞬驚きの色を見せた。
    その意味とは……?

    13/03/08 11:54 バーソロミュ   

    ■作者メッセージ
    システム解説その11……マナノード

    魔法…このゲームでは『秘術』と呼ばれる非常に強力な呪文。
    図鑑世界における花形であり、使い方次第で戦況を大きく左右する。
    その種類・効果は多種多様。敵を攻撃したり味方を強化するのはもちろんのこと、
    地形そのものを変えたり、ユニットを召喚したりなんかもできるのだ。

    この世界の魔法はなんと18種類の属性があり、
    その16種類はさらにレベルに応じて3段階の魔法に分かれる。
    どれも便利ではあるのだが、一人の魔道士がすべてを使うのは不可能…
    いや、普通は文明内ですべての魔法を使うのすらほぼ無理である。
    まず魔法を使うには、それに対応する種類の『マナ』という
    魔法の源を確保しなければならない。
    殆どの文明は初めから文明に応じて三つのマナを保有し、
    (中にはヒルパスやゴルカスのようにマナの代わりに特定の資源を持つ国もある)
    所持しているマナの種類に応じて術士が習得できる呪文が決まる。
    たとえばダークエルフは、影、自然、精神のマナを持っているので、ダークエルフの
    術士はそれらの分野の呪文を習得することができる。しかし、他の分野の呪文を
    習得するためには、以下のいずれかの方法で該当する分野のマナを手に入れなくてはならない。

    1:その辺に湧き出ている無色のマナノードを活性化させる。
    基本的に魔法の種類を増やしたいならこれが一番確実。マナがわいている土地で
    術士を展開することで、好きな属性に変換できる。ただし、一度変換してしまうと
    ある魔法を唱えなければ属性の変更はできず、また、変換するにはそれ相応の
    テクノロジーが必要になる。(例えば水の魔法を使うには『四大元素』の研究が必要)

    2:特定の文化遺産、または名所旧跡から供給
    遺産の中にはマナを供給してくれるものが存在する。また『名所旧跡』と呼ばれる
    特殊な地形からも特定のマナを得ることが出来る。取れたらラッキー程度に考えておこう。

    3:他文明との交易
    マナノードは交換できる。よって、それなりの対価を払って相手国からマナを輸入するか、
    あるいは複数持っていて余った属性や、自分が使わない属性のマナを交換に出すのもあり。
    安定性には欠けるが一時的に必要になる場合は便利。

    4:他文明を属国化、または併合
    他文明を属国にしてマナを巻き上げる、または併合して奪ってしまうという手もある。
    先ほど述べたようにどの国も三つのマナを持つので、それが一気に手に入る。やったね!
    ただ、マナ目当てで戦争を起こすのは少々効率が悪い気もするが……


    マナの種類一覧

    ・大気…攻撃も補助もこなせる万能属性
    ・自然…領土を豊かにしたいならぜひ欲しい魔法
    ・水…火を消したり砂漠を潤したり、主に内政面で役に立つ
    ・火…戦闘で文句なしに強力。恐らく最も優先すべき魔法
    ・大地…地味。地震を起こしたりはできないが防御面で有利
    ・生命…対魔物向け魔法。極めると、ロストしたユニットを復活させられる
    ・氷…非常に入手しにくいがとても強力
    ・法…地味その2。主に戦力の底上げに使う
    ・精神…マインドコントロール。極めると敵を寝返らせることもできる
    ・魂…完全平和利用向けの魔法
    ・太陽…眩しい光で敵を足止めする戦法が強力
    ・影…いやがらせ専用魔法。城壁をすり抜ける魔法はなかなか便利
    ・不可逆…相手の強化を打ち消す魔法。対魔法戦のお供に
    ・肉体…使えばどんなもやしもムキムキに!
    ・超魔術…この魔法がないとマナノードの属性変換ができない
    ・呪付…武器を強化する魔法。気軽に強化できるのは嬉しい
    ・混沌…一種のパルプンテ。趣味で使う程度か
    ・死…アンデット召喚による物量戦は脅威。
       このマナを持っているとほかの文明に嫌われることがある。



    次回は代表的な魔法とその効果を紹介することにしよう