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まもむすゼーション!!

バーソロミュ

INDEX

  • あらすじ
  • %02 c=15d 第0期:ようこそ、図鑑世界(ゲーム)へ!
  • %02 c=15d 第1期:お姉ちゃんが出来ました
  • %02 c=15d 第2期:偵察!探検!調教!
  • %02 c=15d 第3期:現人神の決断
  • %02 c=15d 第4期:貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだ!
  • %02 c=15d 第5期:筆記は剣より強し
  • %02 c=15d 第6期:反撃は三倍返しで
  • %02 c=15d 第6期外伝:白きエミリア 黒きエミィ
  • %02 c=15d 第7期:井の中の蛙、海の広さを知る
  • %02 c=15d 幕間:眠り姫オーヴァードライブ 壱
  • %02 c=15d 第8期:興奮と驚愕と共に歩む日常
  • %02 c=15d 第9期:援軍
  • %02 c=15d 第10期:妹の心姉知らず
  • %02 c=15d 第11期:閣下は相当カッカしているようです
  • %02 c=15d 幕間:眠り姫オーヴァードライブ 弐
  • %02 c=15d 番外:まだ見ぬ指導者たちの肖像…(1)
  • %02 c=15d 番外:まだ見ぬ指導者たちの肖像…(2)
  • %02 c=15d 第12期:ハーピーたちの歌声が告げる
  • %02 c=15d 第13期:仁義なき姉妹喧嘩
  • %02 c=15d 13期外伝:みんな我慢してたんです
  • 第8期:興奮と驚愕と共に歩む日常


    今期の格言

    強くなければ生き残れない。
    優しくなければ生きる資格はない。

    セラエノ学園長―サクラ=サワキ




    東の大陸からはるばる渡ってきたジャイアントアントは、
    女王アリたちの共和政で統治される国家『ビートル共和国』の探検者だという。
    新大陸発見の報が入ってしばらくもしないうちに早くも遭遇した国家は、
    果たしてどのようなところなのであろうか。

    「イシス女王陛下〜、さっそく新文明と遭遇しました〜。」
    『あいよ、ごくろうはん。』

    ジャイアントアントが背後を振り向き、外交画面を呼び出すと
    そこには癖っ毛の黒髪に触角をはやした女性が現れる。
    彼女こそ、現在ビートル共和国で代表者を務める女王アリ、イシス=エームだ。

    「初めまして、あなたがビートル共和国の指導者ですか。」
    『おおきに、うちが指導者のイシスですわいな。」



    ―――――《他文明発見》―――――


    ・ビートル共和国
    指導者:イシス=エーム 女性 種族:ジャイアントアント 属性:魔
    志向:勤労/組織/大規模 固有志向:地形の生産力4につき生産力 1
    外交態度:不満はない
    国教:キルモフのルーン
     
     
     
     
     
    「初めまして、私がダークエルフの指導者ルーツィエよ。
    なんだか訛りが強いわね、そういう地方の出身かしら?」
    『いやぁ、お恥ずかしい、うちらの出身都市国家では、
    言葉がだいぶ訛っとるさかい、かんにんしてくれやす。』
    「このゲ……じゃなくて、世界でも方言とかあるんだ、興味深いな。」

    というかそもそも、このゲーム内のキャラクターたちとは普通に会話できるのを、
    今更ながら不思議だなと思った智鶴だった。
    もっとほかの言語をしゃべるキャラとかいそうなものである。

    『同じ魔物同士、これからも仲良うやっておくんなまし♪』
    「そうね、ほかの大陸にも仲間がいると助かるわ。」
    『ほな、うちはこれにて。』

    ルーツィエとイシスが話し終えると、
    目の前に出ていた外交ウインドウが閉じられる。
    どうやらなかなか話が合う勢力らしく、友好関係が築けそうだ。
    周りが敵だらけのダークエルフにとってありがたいことである。

    「お姉ちゃん、僕らも東の大陸へ行ける船を作ろう!」
    「果たして東の大陸はどんなところなのか、楽しみね。」
    「私たちの大陸は、争いが少なくていいところですよ〜、ぜひ来てくださいね〜。」
    「争いが少ないねぇ………私もそんな大陸で生活してればちーちゃんと一日中…」
    「で、でもほら!おかげで軍隊が強くなれたからいいじゃない!
    それよりさ、東の大陸ってほかにどんな勢力がいるの?」
    「ほかの文明ですか〜?そうですね〜」

    彼女から聞けることはあまり多くなかった。
    なぜなら、一般兵士クラスだと国同士のデーターまで教えてもらっていないからだ。
    よって東の大陸にいくつ勢力があるかははっきりしなかったが、
    ビートル共和国の近くには少なくとも二つの文明があるらしいことは判明した。

    「あまりお役にたてなくてごめんなさいです〜」
    「ううん、問題ないよ。」

    ジャイアントアントの客人を送ると、智鶴は港町レパントにガレー船の生産を指示する。
    リートゥスからもらった『帆走』の技術により作成できるようになったガレー船は、
    いわゆる櫂船というオールを使って漕ぐ船である。機動力はなかなかあるが、
    外洋を航行することはできず、近海のみ進むことが可能だ。
    しばらくの間は大海原を本格的に探索することは難しそうである。
     
     
     
     





    さて、智鶴たちが新大陸に目を向けている間に
    ヴァルハリア教国のライオンハートにも動きが見られた。

    首都ヴァルハリア、王の宮殿。
    立派な玉座がある以外はほとんど飾り気がない殺風景な大広間がある。
    しかも、その立派な玉座さえよく見ると埃をかぶり、
    長い間主が使用していないことが一目見てわかる。

    その本来の玉座の主、リチャード・ライオンハートは王である以前に武人であった。
    彼自身常に前線に身を置き、自分の目で国家運営を行っている。
    だがライオンハートは数百ターンぶりに宮殿に戻ってきた。
    これからの戦略を部下と確認するために………

    「お帰りなさいませ陛下。」
    「陛下が宮殿に足を運ぶとは、明日は槍でも降らねばいいのですが。」
    「なに、たまにはこのだだっ広い場所も使ってやらなきゃもったないだろう!」

    今大広間ではライオンハートを鎧で身を固めた男女が迎えた。
    ガシャンガシャンと板金鎧がこすれる音を響かせながら
    (実はこの時点ではまだ『鉄器』の技術は開発されていないはずだが、設定上仕方ない。)
    男女に軽くあいさつを交わすと、玉座にも座らず広間の中央で立ち話を始める。

    「先日我々はエルフと講和した。奴らを討つことはかなわなかったが、
    森の奥に押し込めたことは大きな成果だろう。いずれ、また決着をつける日が来るだろう。」
    「それはよろしいのですが陛下、またどこかに侵攻なさるおつもりですか?」

    皮肉たっぷりに話す女性はルイーズ=デ・シャンヨン。
    いつもはフルフェイスメットの上に鎧を着こんでいるためわからないが、
    その実、絶世の美女と評される容貌と、無駄に抜群なプロポーションを誇る。
    武勇に長けているだけではなく、政治手腕もなかなかのものだ。

    「技術研究が遅れ気味です。少々内政に力を入れて、力を蓄えるべきかと。」
    「ふむ、お前もそう思うのか。」

    もう一方の男性はヒロ=ハイル。
    どこか執事のような面影がある彼は、主に軍政をつかさどっていて
    初期からヴァルハリア教国の進撃を支えてきた兵士を戦略に沿って生産する。
    また、国一番の騎兵でもあり、ライオンハート以上に馬術に長ける。
    彼自身はヴァルハリアの固有英雄だが、まだ該当技術がないのでユニットにはなれない。

    「だが、この大陸はいまだに異教徒が蔓延り、我々の尊厳を危うくしている。
    我々は休むことなく、強大な敵に立ち向かい、これを討つのだ!
    ヒロ、そなたも後方支援ばかりではなく、早く戦場に出るのだぞ!」
    「陛下……せめて『騎乗』の研究が終わってからにしてもらえませんか?」
    ヒロの解禁技術は『騎乗』。なかなか早い解禁である。
    「はぁ、今の陛下には何を言っても無駄ですよヒロ殿。
    して……陛下は次なる目標をどこと定めるつもりでしょうか。」

    国の重鎮の二人を集めたのは、建前上国の方針を話し合うというものだが、
    何のこともない、自分の戦略を無理やり押し付ける気らしいのだ。
    このような脳筋な国王を持った二人はたまったものではない。

    「やはり……ダークエルフでしょうか?あの国は、我々の友邦国だった
    聖エロニア共和国を滅ぼした国……放っておくわけにはいきません。」
    「もっとも、見捨てた私たちも原因ですけどね。」
    「あのですねルイーズさん…」
    「ダークエルフ、確かに手頃な相手だ。だが、それ以上に狙い目の敵がある。
    それは………南部半島地域を支配するトメニア王国だ!」
    「トメニア王国を…?なるほど、それは一理ありますね。」

    ヒロは進行目標を聞くと、急に納得したような態度をとる。
    どうやら彼はライオンハートの進行目標はダークエルフと決めたと思い込んでおり、
    騎乗兵の彼では相性が悪い森林での戦いに乗り気ではなかったのだ。
    しかし、平地の多い豊かな領土を持つトメニア王国なら
    標的として悪くないと考えたのだろう。

    「しかし陛下、南部に戦力を終結するとなれば、北方の守りがおろそかになります。
    ゴルカス鉱山国もやや友好的とはいえ、信用ならない相手ですし。
    それに相手の軍備はこちらよりもやや上です……やはり慎重にならざるを得ないかと。」
    「ふむ、北方の連中は本当に目障りだな。いっそそちらを先に始末するか。」
    「いえいえ、あのような不毛な地を手にしたところでどうにもなりません。
    それよりも私に一つ策があるのですが、お聞きになられますか?」

    ここで、ルイーズがある一つの提案をする。
    それは現状を打破する画期的なものだった。

    「……そうか、その手があるか。策を弄すのは好かんが、そのために手加減すれば
    異教徒どもの思う壺だろうからな。よかろうルイーズ、そなたの策を採用しよう。」
    「はっ、ありがとうございます。」
    「よし!ヒロ、騎乗の研究を急がせるぞ!」
    「承知しました!」
     
     
     
     
     



    ヴァルハリアが陰で不穏な動きを見せてる間にも数ターンが経過する。


    「ガレー船第一号完成〜!」
    『おーっ!』

    港町レパントで、ダークエルフ国初のガレー船が完成した。
    いよいよ未知の大陸への探検に向かうユニットを送るために、
    智鶴はルーツィエとエミリアと共にわざわざ港まで来たのだった。

    「船酔いには気を付けてね…、あと、危ないと思ったら無理しちゃだめだよ。」
    「智鶴様!任せてください………私たちは絶対に無事戻ってきますから!」
    「ふふふ…戻ってくるときにお土産ももってきてちょうだいよ。」
    「どうか探検隊の皆様がご無事でありますように。」

    指導者と、大勢の同胞に見守られながらガレー船は帆を張って出航していった。
    未知の大陸の情勢を知ることはとても重要なことだ、
    旅立った彼女たちの双肩にかかっている責任は非常に重かった。

    「いい発見があるといいね。」
    「ついでに、向こうでいい旦那様を見つけられたら素敵だわ。」
    「むしろそっちがメインでもいいと思います!」
    「ど…どうかな…?」

    見つけたのは旦那様だけでしたなんてことになったら本人たちはいいかもしれないが、
    智鶴にとってはちょっとがっかりな結果には違いない。

    ガレー船を見送った後、智鶴は急いで宮殿に戻り再び仕事をしなくてはならない。
    技術研究や生産の指示などやることはまだまだたくさんあるのだ。
    でも、夜にはちゃんとルーツィエやエミリアのために夜の営みの時間は確保しているし、
    スキンシップは当然怠らない。……とまあ、指導者も楽ではない。

    「智鶴様ー!やりました!首都に大図書館がたちました!」
    「本当!?よかったー!誰にも先を越されなかった!」

    クロケア・モルスに大図書館が建造されました!

    急ピッチで開発した大図書館はどの国にも先を越されることなく無事完成した。
    開発する際に多くの森林を切り開いてしまったが、しばらくたてば
    またすぐに生えてくるので問題ない。
    大図書館が建ったことで、ダークエルフ国では『偉大な賢者』が
    誕生する確率が高くなるのだ。これが後々重要になってくる。

    「偉大な賢者っていっても、自家発電ばっかしてる人じゃないわよ♪」

    そんなこと言われなくても分かると思うのだが…

    「わは〜〜〜っ!立派な図書館だ!しかももう本棚がびっしりだし!」

    智鶴が実際に大図書館を見てみると、改めてその凄さが感じられた。
    深い森の中にたたずむ荘厳な大理石造りの図書館は、
    周囲の木々がうまく調和して、おとぎ話に出てきそうな雰囲気を醸し出し、
    中に入るとどこから持ってきたか疑問なくらい大量の本が蔵書されている。
    エルフ族らしく図書館内にも樹木が伸びてきていて、
    室内なのに、まるで森の中で読書をしている気分に浸ることができる。

    「ねえねえ!どんな本があるの?おすすめは?」
    「智鶴様におすすめな本は……こちらですね。」
    「………!」

    司書から渡された本を見た瞬間、彼は赤面して直立してしまった。

    「いやいやいやいや……こ、こんな恥ずかしい本おくなんて…」
    「お気に召しませんでしたか?でしたらこちらは……」
    「ちょ、まった!僕はこんなに痛いことは嫌いだよ!」

    だがそこはダークエルフの国立図書館。
    蔵書の類も一筋縄ではいかない艶本やSMの入門書、春画集といった
    実にアレでソレなものばかりおさめられているようだった。

    「うぅ…こんなところで勉強できるとはとても思えないよ…。」
    「あきらめなさい智鶴君、私たち魔物はみんなこんな感じなんだからね。」

    ザリーチェ曰く、この図書館の8割近くがそういった類の本らしい。
    そういった本しか需要がないのである意味当然なのだが、
    現代でいえば国会図書館に18禁本しか置いていないと想像していただければ、
    いかに異常な場所かがわかるはずだ。

    「ほらほら、宮殿に一杯報告が来てるわよ。」
    「そうだった!お仕事お仕事!」
    「辛かったら自動化命令とかしてもいいのよ?」
    「大丈夫…辛くなんかないから!」
    「偉いのね智鶴君。よしよし、なでなで♪」
    「あうあうあう………」

    智鶴はすべてのユニットを自分で動かしているのでなかなか作業が多い。
    しかし、労働者などは『自動化』といって、
    ユニットがかってに作業するコマンドも存在する。
    これにより、プレイヤーの作業量は減るが、できるなら
    自分で指示を出した方が大幅に効率的ではある。

    「ただいま〜!」
    「お帰りちーちゃん、またお客さんが来たみたいよ。それもたくさん。」
    「たくさん!?うわっちゃ〜…外出してる場合じゃなかったかな…」
    「いいんじゃない、あまり気にすることはないわよ。」

    ゲーム画面だと一度に並行して行えることが、
    この世界の中ではひとつずつ処理しなければならないのは面白いとこである。
    現実の総理大臣の忙しさを味わえるぞ!

    で、一人目の来客。

    「よう!久しぶりだな少年!」
    「レオンさん。お久しぶりです。」

    まずは都市国家エリエールの長レオンから。」

    「まずは戦争勝利おめでとう。ずいぶんとがんばってるみたいだな。
    で、なんだが……手が空いているときでいいから頼みたいことがあるんだ。」
    「頼みですか?」
    「おう、実はこの世界のどこかに『砂漠貿易国家サリム』ってのがあると聞いて、
    どうしてもその都市国家がどこにあるか知りたくなったんだ。」
    「もしかしてそのサリムっていう都市を僕に見つけてほしいってことでいいのかな。」
    「そう、その通り!俺たちはあいにく広範囲まで探索できる足を持ってねえからな、
    そこで世界の探検に熱心な君たちに頼もうと思ったってわけだ。
    もし見つけてきてくれたらたっぷりと礼をさせてもらうぜ。」
    「わかりました、頑張って探してみます!」

    このように、たまに都市国家から別の都市国家の情報を得ることもある。
    発見するだけでいいのでとても簡単なクエストだ。

    レオンが退出すると、二人目の来客。

    「こんちゃーっす!妖精の里から来ましたー!ピクシーのナナリーでーっす!」
    「わーー!近い近い!そんなに近くまで来なくても聞こえるからっ!」

    今度は都市国家…というか妖精の里リンカーから使いが来たようだ。

    「ねえねえ!私たちの里の南にある『ヘッケラー』っていう町知ってる?」
    「え、あ、うん。あまり仲は良くないけどね。」

    妖精の里リンカーと神美都市ヘッケラーは距離がかなり近く、
    しかもお互い文化的な都市のため、都市国家同士で文化の押し合いをしているようだ。
    ちなみにヘッケラーはもともと聖エロニア共和国と友好関係にあったが、
    宗主国が滅んでしまったのでバックボーンが不在の状態だ。

    「だったら話は早ーい!あのゴテゴテした悪趣味な都市を占領しちゃってくれないかな!
    あそこにいる人間は結構芸術センスはあるのに使い方間違ってると思うの!
    だから私たちがお嫁さんになってあの人たちの芸術の―」
    「わ、わかったわかった!検討してみるよ!」

    ナナリーのマシンガントークが炸裂する前になんとか早々に話を付けた智鶴。
    都市国家からの依頼の中でも、他の都市国家を攻撃してくれというものもある。
    拒否はできないが、やりたくなかったらやる必要は全くない。
    こういった依頼は受けるかどうか慎重に考えておこう。

    そして三人目。

    「ずいぶん待たせるではないか!入ってもいいのだな!」
    「ええ、どうぞ。」
    「うむ…我輩は神美都市ヘッケラーが誇る大音楽家、ヴァグナーであるっ!」

    今日はどうやら都市国家から一斉にクエストの依頼が来る日だったらしい。
    肖像画などに書かれていそうな立派な芸術家の風貌をした男は、
    来客であるにもかかわらずなかなか不遜な態度で智鶴に接する。

    「少年!君は音楽が好きか!」
    「ええ、もちろん好きですよ。おね…じゃなくて姉がよく楽器を演奏して聴かせてくれるんです。」
    「気に入った!君に、われらが栄光なる神美都市ヘッケラーから
    クエストを行う権利を君に与えよう!うれしいだろう!」
    「…………」

    (うおぉい!なにこのありえないくらい上から目線は!?)

    使者にあるまじき高慢な態度でクエストを頼まれ、
    さすがの智鶴も二の句が継げないほどあきれ返ってしまった。

    「内容は、われらの都市の北にある妖精の里の制圧だ!
    あれのせいで時々奴らに芸術家を誘拐されてしまうのだ!
    なに、君らのような軍隊が強いくらいしかとりえのない国でも簡単にできるはずだ!」
    「あーはいはい、分かりました。検討しておきます。」
    「うむ!楽しみにしているぞ!」

    これで来客の訪問終わり。お疲れ様でした。


    「決まりね…♪ちーちゃんにあんな態度をとるなんて何様かしらね。
    これは一度ちーちゃんの偉大さをその身に味あわせてあげなきゃ♪」
    「うーん……僕ももう少し威厳がある指導者にならないとな…」

    鞭を片手に黒い笑みを浮かべるルーツィエとは対照的に、
    元の世界の癖で、客人を低姿勢で迎える癖がついた自分を
    何とかしたいと思っている智鶴であった。
    まかりなりにも相手は都市国家であり、こちらより格下なのだ。

    「ふぅ、来客は三人だけで終わりかな。」
    「そうみたいね、ちーちゃん。ちょっとここらで休憩しない?
    お姉ちゃんがちーちゃんをマッサージしてあげるわ………足で♪」
    「足で!?」
    「うっふふふ…病み付きになるかもしれないわよ♪」

    まだまだうぶな智鶴を自分色に染め上げようとするルーツィエ。

    だが

    バターン!

    「ごめんくださーい!!」

    「あら、どうしたのルミナちゃん、そんなに息を切らせて。」
    「はぁっはぁっ……ごめんなさい…お取込み中でしたか?」

    突然扉を開けてアポもなしに入ってきたのはおなじみリートゥス海神連合の指導者ルミナ。
    いつものほんわかした笑顔ではなく、珍しく切羽詰った様子。
    だが、直後にもう二人ほど部屋に駆け込んできた。

    「おーい、待ってくれってルミナ!なんで君は陸でも僕より足が速いんだよ!」
    「智鶴君、ルーツィエ、いるようね。」
    「ザリーチェさん!それに、もう一人の男の人は……?」

    ルミナを追ってきたのは妙な髪形の金髪に、イケメンとヘタレが混ざったような
    微妙に形容しがたいひょろ長の男性だった。
    青を基調にした軽装の服は、なかなか機能的に作られていて
    一目見ると船乗りのキャプテンのようにも感じられる。

    「初めまして!僕はガイブラシ・スリープウッド、ルミナの伴侶だ!」
    「旦那さんでしたか。僕は智鶴って言います。今日は夫婦そろって、何か大変なことでも起きたの?」
    「そうなんです!大変なんです!すごくすごーく大変なんです!助けてください!」
    「…大変なのはわかるけど、先に何が大変か言って御覧なさいよ。」

    ルーツィエが理由を聞こうとしたが、直後、説明するまでもなく嫌でも理解することとなった。
     
     
     
     
    パパパパパウワードドン

    トメニア王国がリートゥス海神連合に宣戦布告しました!

     
     
     
     
    「…………なるほど、よくわかったわ。」

    とうとう、恐れていたもう一つの出来事が起きてしまったようだ。
     
     
     
     



    トメニア王国首都…トメニアにて


    「リートゥスを侵攻せよ!トメニア千年王国の栄光が今始まるのだ!」
    『ヘーイル・ヒンケル!ヘーイル・ヒンケル!』

    大陸の最南端の半島に広がる国家トメニア王国。
    この国の王家を差し置いて政権を握り独裁者となった男、アデノイド=ヒンケルは
    軍事力の低いリートゥス海神連合を侵攻すべく、宣戦布告するとともに
    部下の将軍たちの前で演説し、鼓舞した。
    序盤を戦争と無縁に過ごしたこの国は軍備研究が進んでおり、
    すでに大陸初の騎乗兵の導入に成功していた。
    騎乗兵はその名の通り馬に乗った兵士で構成される高速部隊であり、
    野戦においては同時期のユニットを圧倒する戦闘力を持つ。

    一方のリートゥス海神連合の軍備はほぼ最低限度しか整っていなかった。
    これは、彼らが軍備を軽視してでも広大な海洋の探索を
    優先した結果であり、下手をすれば数ターン後には
    リートゥスという勢力はこの大陸から駆逐されて、
    海の島々で生きていくしかなくなってしまう。

    「へリング元帥!ライネル将軍!ヨーデル将軍!グレープ将軍!ポータル将軍!」
    『ははっ!!』
    「トメニア四天王の名に懸けて、リートゥスを制圧せよ!」
    『お任せくださいませ!』

    5人合わせてトメニア四天王の将軍たちは、
    ヒンケルの前で必勝を誓うと、それぞれの部隊を率いて国境を越えた。



    これに驚いたリートゥス海神連合は、
    軍備がそこそこ整っているダークエルフに救援を求めてきたのだった。

    「なるほど、事情は分かりました。せめて首都だけでも持ちこたえてください。
    僕たちも急いで救援軍を派遣しますから……。」
    「あ、ありがとうございます!皆様に助けてもらえるのは心強いです……!」
    「よかった……!断られてたらどうしようかと思ったよ!」
    「気にすることはないわ、私たち友達じゃない。」

    智鶴とルーツィエはリートゥスの参戦要求をすぐさま受諾した。
    その代り、リートゥスから持ってる技術全てといくつかの資源をもらったが……

    「さて、そうはいっても元エロニア共和国を侵攻した主力部隊が来るまで
    リートゥ海神連合の首都は耐えてくれるかな?」
    「何としてでも耐えてみせるよ!」

    ダークエルフがトメニア王国に宣戦布告しました

    しばらく平和になるかと思いきや、またもや戦乱の兆しを見せ始めた大陸情勢。
    この世界の趨勢はどこに流れるのか、それを知る者はまだいなかった。
     

    12/11/11 16:23 バーソロミュ   

    ■作者メッセージ
     
    システム解説その8……資源

    今回は『資源』という概念について説明しよう。
    『資源』とは果物や石材、宝石、マナといったアイテムのようなものであり、
    ゲーム開始とともにあちらこちらの土地にランダムで配置されている。
    都市のすぐ近くに配置されていることもあれば「なんでこんな面倒なとこに」と
    思ってしまうような不毛な土地にあることもある。とにかく配置は運任せであり、
    初期配置の近くに有能な資源が出たらなかなかラッキーだと思っておこう。

    で、資源を使うには、作物や食糧関係なら農場、貴金属だったら採掘所と、
    必要な施設を作り、その上で資源のある土地から都市まで道を敷く必要がある。
    また、高度な資源はそれ相応の技術が必要であり、例えば鉄やマナなどは
    そこそこ重要な技術を研究する必要がある。もちろん効果もそれに見合って強力だ。
    銅や鉄は軍隊を強化するのに必要不可欠だし、マナは魔法使いユニットが
    魔法を使うために必要になる。もしこれらが自分の領土にないとわかったら、
    無理してでもほかの国から奪うことをお勧めする。
    または、友好的な国と交易して資源を輸入する方法もある。
    場合によっては特定の勢力しか取れない資源もあるので、有効活用すべき。
    (たとえば資源の『真珠』はリートゥスのような海洋志向を持つ国じゃないと取れない)


    では、例のごとく資源のちょっとした紹介をしよう。



    衛生資源

    衛生資源とは、農産物や家畜といった食糧になる資源のことを指す。
    あるだけで食糧が多くとれるようになるし、農場を設置すれば
    都市の衛生を改善してくれる効果もある。
    この中でトウモロコシや小麦、米といった炭水化物類は
    初めに首都を建てる際にいくつか領土内に収まることも多く、比較的多くみられる。
    しかしながら、食糧資源はよほど平地が少なくない限りは重要視されにくく、
    食糧を増やせる手段も豊富にあるので、あまりありがたみを感じられないかもしれない。

    なお、資源によって必要な技術のばらつきが少ないのもポイントだが、
    その分似たような効果を持つ資源が多いのも特徴。


    贅沢資源

    こちらは、都市に金や幸福をもたらしてくれる資源である。
    種類は宝石類から毛皮、綿や絹といったものがあり、必要な技術も物品に応じて変わってくる。
    貴金属類は『採鉱』で山から採掘し、木綿や絹は農場で生産といった具合である。
    このゲームでは資金や幸福が序盤どうしても伸び悩むため、
    自分の周囲にこれらの資源があったら優先して該当技術を取りに行くのも手だ。
    もし不要になったら、交易をして輸出してしまおう。
    AIによっては一部のぜいたく品に固執する文明もいるのである。
    (たとえばドラゴン文明は宝石なんかに目がない。)
    それ以外にも、商業志向の都市国家と仲良くなれば贅沢資源を分けてくれることがある。

    戦略資源

    戦略資源は、国民の生活ではなく国の力そのものを強化するための品々だ。
    石材や大理石があれば建造物の建設もはかどり、銅や鉄があれば武器が強化される。
    また、馬や火薬といった資源を必要とするユニットも多数いるのもポイントで、
    戦略資源があるかないかで戦争時の優劣が大きく変わってしまうくらいだ。
    自分が持ってない……なら、まだましだが、逆に敵が持っていると面倒で、
    相手の資源供給を断つために戦争を仕掛けることはそう珍しいことではない。

    マナ資源

    マナ資源は、一般的にはマナノードと呼ばれる魔力の源泉のようなものである。
    ただ領土内に存在するだけでは何の効果も及ぼさないのだが、
    マナ資源を魔術師で操作することによって、自分の好きな魔法元素を作ることができる。
    どの国も始めから3つの魔法元素を持つが、持ってない魔法元素を得るには
    このマナノードを整備するのが最も手っ取り早く、なおかつ効率的な方法である。

    このゲームでは実に18もの種類の魔法元素があり、たくさん魔法を使いたかったら
    多くのマナノードを獲得したいところだが、普通はそう多く存在しないはずだ。
    限られたマナを有効に使えるようになって初めて一人前の魔法使いと言えるだろう。
    魔法についての詳しい記述はまた後程説明する。


    魔界資源

    ゲームの中には魔界資源と呼ばれる特殊な資源が存在する。
    詳しくはもう少しゲームが進んでから解説するが、その効果は
    通常の資源の比ではないくらい絶大だと言われている。