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まもむすゼーション!!

バーソロミュ

INDEX

  • あらすじ
  • %02 c=15d 第0期:ようこそ、図鑑世界(ゲーム)へ!
  • %02 c=15d 第1期:お姉ちゃんが出来ました
  • %02 c=15d 第2期:偵察!探検!調教!
  • %02 c=15d 第3期:現人神の決断
  • %02 c=15d 第4期:貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだ!
  • %02 c=15d 第5期:筆記は剣より強し
  • %02 c=15d 第6期:反撃は三倍返しで
  • %02 c=15d 第6期外伝:白きエミリア 黒きエミィ
  • %02 c=15d 第7期:井の中の蛙、海の広さを知る
  • %02 c=15d 幕間:眠り姫オーヴァードライブ 壱
  • %02 c=15d 第8期:興奮と驚愕と共に歩む日常
  • %02 c=15d 第9期:援軍
  • %02 c=15d 第10期:妹の心姉知らず
  • %02 c=15d 第11期:閣下は相当カッカしているようです
  • %02 c=15d 幕間:眠り姫オーヴァードライブ 弐
  • %02 c=15d 番外:まだ見ぬ指導者たちの肖像…(1)
  • %02 c=15d 番外:まだ見ぬ指導者たちの肖像…(2)
  • %02 c=15d 第12期:ハーピーたちの歌声が告げる
  • %02 c=15d 第13期:仁義なき姉妹喧嘩
  • %02 c=15d 13期外伝:みんな我慢してたんです
  • 第4期:貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだ!


    今期の格言

    外交官と幽霊は笑顔をもって敵を威嚇する

    水の都ビストルク総督ユージャ=レロイ







    パパパパウワードドン

    突如ラッパの音がけたたましく鳴り響く。
    この音に智鶴は聞き覚えがあった。

    「…!!この音はまさか!」
    「智鶴君!どうやらヴァルハリアのリチャード・ライオンハートが
    イクシーたちエルフの文明に宣戦布告したみたい!」
    「うわっ……もう戦争してるのかあの国は…」

    先ほど鳴った効果音はどこかの国が宣戦布告をしたときの合図。
    このゲームにおける恐怖の象徴であり祭りの始まりの号令でもある。
    平和主義の内政屋はその身を震わせ、戦争屋は気分が高揚する。

    「でも、これはチャンスでもあるわちーちゃん。
    イクシーもライオンハートも私達にとっては敵対国。
    その二つが消耗し合うのは大歓迎ね♪」
    「ルーツィエの言う通りね。イクシーが目の敵にされている間に、
    私達は急いで軍備を整えましょう。」
    「聖エロニアの動向も気になることだしね………」



    さて、なぜこんなにも早くエルフとヴァルハリアは開戦したのか?

    実は翠緑の護り手は数ターン前に、宗教『緑葉の同胞』を創始し改宗した。
    これによって主神信仰を国教とするヴァルハリアとの間で
    急速に外交態度が悪化してしまったのだ。

    このゲームにおける宗教は非常に重要な要素の一つ。
    自国に宗教が広まっていると色々な恩恵を受けられるが、
    他の宗教を崇拝している国との関係が悪化する一面もある。

    特にヴァルハリアのリチャード・ライオンハートは、
    宗教が違っただけで相手との関係が極端に悪化する指導者の一人であり、
    異教を信奉しているエルフたちにいきなりブチ切れたわけだ。


    「はっはっはー!今日は絶好の異教徒退治日和!進め!勇敢な戦士たち!」

    むっちゃいい笑顔でエルフ領侵略を開始するライオンハート。
    彼は宗教狂いの戦士……というよりも、
    ただ単に戦争の口実が欲しいだけなのではないかとも思われる。


    「けがらわしい人間達を森の中へ一歩たりとも入れてはなりません!」

    対するイクシーも徹底抗戦の構えを見せている。
    彼女は戦いを好まない温厚な指導者であるが、
    国民を守るためにも毅然とした態度で戦に臨む。



    既に斧や弓が戦力になりつつある両国に対して、
    未だに初期兵科のままなダークエルフ達にとっては、
    二国が争ってくれるのは大歓迎だ。

    「さあ、みんな!まだまだ忙しくなるよ!
    まずは新都市の建設、弓術の研究、どれも急がなきゃね!」
    「どさくさにまぎれてイクシーの労働者を拉致してくるのも悪くないかもね。」


    …2ターン後。


    「よう、元気にやってるか?」
    「あ、都市国家エリエールのレオンさんじゃないですか。何か用ですか?」

    智鶴の元を訪ねてきたターキ=レオン。
    どうやらクエストを依頼しに来たようだ。

    「それがな、俺たちの都市の北にゴブリンの集団が集落を作って
    付近の商人を襲ってやがるんだ。なんとか懲らしめてやってくれねぇか。」
    「わかったわ、わたしとちーちゃんに任せて。」
    「いいのルーお姉ちゃん。」
    「大丈夫、首都防衛用のダークエルフをちょっと使うわ。
    イクシーがライオンハートに気を取られてる隙にね。」
    「引き受けてくれるか!ありがとうな!」

    クエストには期限は特にないが、早めにやっておきたいところ。

    そしてレオンが去った直後、またしても来訪者があった。


    「ごめんください。智鶴君はいますか?」
    「あら、ルミナさんじゃない。」

    リートゥス海神連合の指導者、シービショップのルミナだ。

    「あれ?ルミナさんって足があったっけ?」
    「これは人化術といって魔力を使って足をはやしているんですよ。
    何しろここは海から遠く離れた森の中ですので、来るのに苦労しました。」
    「そ、それは大変だね…。そこまでして僕たちに何か用があるのかな。」
    「私たちリートゥスと相互通行条約を結んでくれないかな?
    これからも私達はダークエルフさんたちともっと仲良くしたいの。」
    「いいよ、OKだ。ねぇルーお姉ちゃん。」
    「そうね。私からもお願いするわ。」
    「ありがとうございます♪」


    相互通行条約を結ぶと、お互いの領土にユニットが入れるようになる。
    これによって両国の友好度が上昇するのだ。
    ただし領土内を他の国に公開するという意味合いもあるので、
    結ぶ相手はよく考えてからにしよう。
    リートゥスなら大丈夫だろう。

    なお、相互通行条約締結には『筆記』の技術がどちらかにあることが条件だ。
    どうやらルミナはもう筆記の技術を持っているらしい。


    「やっぱり……結構技術の差が開いてる。難易度補正とはいえ厳しいなぁ。」
    「でもここが頑張りどころよちーちゃん。いつかは皆に追いついて見せるわ。」


    …そしてまた数ターン


    「開拓者が目的地に到達しました〜。」
    「あの土地はまだエミリアに取られてなかったみたいね。よかったよかった。」
    「よーし!今すぐ都市を建設だ!」

    開拓者『タテルンダネ』

    前回発見した高台に開拓団を派遣し新都市を建設した。
    第二都市は『アテラ』と命名。
    開拓団を護衛していたダークハンター達はそのまま都市防衛させる。


    少しすると、アテラの北の方に聖エロニア共和国の開拓団が見えた。
    どうやら彼女たちも都市を建てに来たらしいが、
    タッチの差でルーツィエ達が好立地を抑えることに成功した。

    早めに決断して正解だったようだ。


    「ふぅ、ギリギリ間に合ったねルーお姉ちゃん。」
    「1ターンでも迷ってたら取られてたわ。いい決断だったね。
    しかもあの開拓団、急ぎ過ぎて護衛も付けずにノコノコ歩いてるわ!
    ダークエルフ部隊!あの子たちを拉致っておいで♪」
    『はーい!』


    一方、出鼻をくじかれた聖エロニア共和国…

    「か、開拓者のみなさんが行方不明に!?」
    「はい天使様……かの土地はダークエルフ達が占領しています。
    これは天使様への侮辱、ひいては主神様への挑発とみてよろしいかと!」
    「戦いは苦手です……ですがこれ以上魔物をのさばらせるわけにはいきませんね…」

    平和主義の割には意外に沸点が低い白きエミリアは、
    いままで放置していた軍備増強に着手。
    ダークエルフに向けて静かにその矛先を向け始めていた。

    だが智鶴たちにとってそれは想定の範囲内。
    ダークエルフ達もここ数ターンでいくつか変化があった。

    まず『弓術』の研究を終え、ようやく弓兵が生産できるようになった。
    弓兵は都市防衛が得意な兵科だ。これがあれば、
    自分たちよりも多く敵が攻めてきた時にも対処できる。
    さっそく首都では弓兵の生産を開始。
    新都市でも順次軍備を整える。

    先ほど拉致した開拓団は、開拓団のリーダーを務めていた新米エンジェルを
    ダークエルフ達があっという間に調教、ダークエンジェルと化した彼女を
    こんどは自分たちの新しい開拓団とした。

    「主神?そんなの知りません♪私が仕えるのは現人神チヅル様ですぅ♪」
    「……このまま新しい宗教になっちゃったりしないよね?」

    やや不安になる智鶴だが、彼にはまだやるべきことがたくさんある。
    クエスト目標であるゴブリン達の討伐をするため、
    ダークハンター3ユニットをねぐらに向かわせる。
    ねぐらからは何体か蛮族ユニット(どこの文明にも属さないユニット)の
    ゴブリン達が出てきているので、とりあえず攻撃開始。


    「ほらほら、私達の鞭の威力はどうかしら!」
    ビシーィン ビシーィン
    「きゃ〜〜〜っ、いたいいたい、やめて〜〜〜っ」

    先頭を切って戦っているのは、序盤にエルフの斥候を撃破したダークハンター部隊。
    経験を積んでいる彼女たちは危なげなくゴブリン達を倒す。
    (ただし倒すと言っても殺しているわけではないのでご安心を)
    そしてボスゴブリンが陣取っているねぐらへ攻撃。
    ボスゴブリンは他のゴブリンユニットよりも戦闘力が高い……わけでもなく
    そのままあっさりと撃破。ねぐらは破壊された。

    「懲りた?それとももっとお仕置きしてほしい?」
    「ごめんなさい〜〜!もう悪いことはしませ〜〜ん!」
    「そう、まだ反省してないのね♪」
    「い、いや、ですからごめんなさい…」
    「悪い子はお仕置きよーー♪」
    「ひいいぃぃぃぃええぇぇぇぇぇっ!!!!」

    そしてちょっと羽目を外した。


    「ふふふ、あの子たちったらやんちゃなんだから♪」
    「う、う〜ん……いいのかな…」

    まあ、なにはともあれクエストは無事に完了した。
    これによって都市国家エリエールとの友好度が大幅に上昇、
    感謝のしるしに今後、装飾品を輸出してくれるそうだ。
    住民たちの幸福度が上がるぞ。

    「それと、なんだけど。盗賊のゴブリン達を倒したとき、
    あの子たちが2ユニットばかり調教して仲間にしちゃったみたい。」
    「ゴブリンを仲間にした?まあ、今は一つでも多くの軍隊が
    欲しいところだけど、ゴブリンか……どうしよう?」

    はっきりいってゴブリンは元々蛮族ユニットだっただけあって結構弱い。
    油断しているとこっちが負けることがあるがそれでも弱い。
    (ゴブリンファンの読者様方、ごめんなさい)
    だからといって使い捨てにするのもかわいそうだ。

    そこでザリーチェが一つ提案する。

    「だったらいっそのこと都市国家にプレゼントしてあげたらいいんじゃない?」
    「え、ユニットをプレゼントするの!?」
    「2ユニットもあげれば本格的に同盟都市になってくれるはずよ。」

    そんなわけで、調教したてのゴブリン達は
    都市国家エリエールに譲渡されることになった。


    「智鶴君、先日はありがとう。うちも助かったぜ。」
    「いえいえ、当然のことをしたまでですよ。
    今日はその先日のゴブリン退治で僕たちのダークハンターたちが
    ちょうきょ…じゃなくて仲間にしたゴブリンのユニットを
    よかったら性根を叩きなおすために使ってやってください。」
    『よ、よろしく…お、おねがいしますっ』
    「おおう…さすがダークエルフと言ったところか。
    わかった。今日からこの子たちはこの都市で預かろう。
    今は少しでも戦える奴が欲しいからな。」

    都市国家エリエールと同盟をむすびました

    これで今まで以上に幸福資源……宝石や装飾品などの高級品が
    ダークエルフ達の生活を潤してくれるだろう。
    そしてこれでまたさらに人口が増える。

    「お、そうだ。こっちも世話になりっぱなしだとなんか悪いからな。」
    「いえいえ…気持ちだけで十分ですよ。」
    「まあ遠慮するなって、うちの都市に滞在してる新米冒険者を
    君たちの軍で使ってくれ。」
    「いいんですか?少しでも戦える人が欲しいって。」
    「なに、一か所にずっととどまってるよりも、
    色んな土地で戦った方が本人のためにもなる。
    いまはまだ実力は未知数だが、いずれは強くなるぜ。」


    なんと、ランダムイベントが発生!
    都市国家から英雄ユニット一体が贈られたのだ!

    英雄ユニットは個体によって性能はまちまちだが、
    戦わなくても徐々に経験値が溜まっていくため、いずれはかなり強くなる。


    「ヴァル=フレイヤです。よろしく。」
    「英雄ユニット貰ったの?やっぱ運がいいわね智鶴君。
    大切に酷使してあげるのよ。」
    「酷使!?今、酷使って言った!?」
    「あら、ようこそダークエルフの国へ♪
    さっそくあなたもちーちゃん教に入信してもらおっか♪」
    「二人とも…あまりいじらないであげてね。」
    「だ、大丈夫かこの国?」

    ヴァル=フレイヤは直ちに前線都市アテラに向かわせる。
     

    「さて、調教したエロニアの開拓者たちは
    ゴブリン達のねぐらがあった場所の近くの海沿いに都市を建ててもらうわ。」

    まだダークエルフ達は海辺を有効活用する技術を持ってないが、
    いずれは海を越えなければならない時期が来るので、
    船が作れるような沿岸都市を今から作っておきたい。
    技術は後でルミナあたりから交換で手に入れればいい。


    次のターン…


    「智鶴様!族長!斥候が新たな都市国家を発見しました!」


    ―――――《都市国家発見》―――――

    一つ目

    ・妖精の里リンカー
    長:ラピスラズリ 女性
    種族:フェアリー 属性:魔
    都市志向:文化的
    同盟国:特になし

    ラピスラズリからのメッセージ
    「こんにちわー!夢と愛情いっぱいの妖精の里リンカーへようこそ!
    私達妖精は毎日歌ったり踊ったりして楽しく過ごしてるよ。
    貴方達も一緒になって踊らない?歓迎するわ。」

    発見一番乗りボーナス!資金50入手!

    二つ目


    ・神美都市ヘッケラー
    長:司祭長コッホ 男性
    種族:人間 属性:秩序
    都市志向:文化的
    同盟国:特になし

    コッホからのメッセージ
    「我こそは美の守護者にして美の化身、司祭長コッホ。
    はてさて……邪悪な魔物に美の価値がわかるものかな?」

    すでに他国が友好を結んでいる模様



    ―――――――――――――――――――


    「やたら陽気な都市が一つ、やたらムカツク都市が一つってとこかしら。」
    「美の化身って………あのひとかなりの肥満体だったような?」
    「まあ、あれは歴史上まれにみる超ナルシストだから。」

    とりあえず妖精の里とは仲良くできそうだが、
    神美都市とはあまり仲良くできそうにない。
    どちらも文化志向なので、害になることはあまりないだろう。

    「後は……」

    ルーツィエ次に何をしようかと考えた矢先、
    彼女たちの元に急使が駆けこんできた。


    「族長!聖エロニア共和国の白きエミリアからメッセージが届いています!」
    「……ついにきたわね。」


    白きエミリアからのメッセージ―――――

    「貴国の度重なる不正義は、平穏を望む我々の目にさえ、
    見過ごすことのできないものに成り果てました。
    もはや、平和のためには戦いを選択せざるを得ません。
    貴国に対し、聖エロニア共和国は宣戦を布告します。」
     
     
     
     
    「いい度胸ね。白きエミリアに伝えなさい。『かかってこい』ってね♪」
    「はいっ!」
     
     
     
    パパパパウワードドン
     
     
    白きエミリアがルーツィエに宣戦を布告しました!


    「ちーちゃん、とうとう来たわ。戦争よ。」
    「…よし、僕たちの勝利のために頑張って戦おう!」
    『おーっ!!』

    全部隊に戦闘準備命令が下される。
    ダークエルフ軍の主力はすでに前線都市アテラに集結済み。
    ダークハンター5ユニットに弓兵2ユニットが配置され、
    それに加え英雄ヴァル=フレイヤも合流している。

    「いい、みんな。まずは守りに徹するんだ。
    敵の攻撃軍を退けたら反撃開始、敵の都市に逆襲の一撃を喰らわせよう。
    フレイヤさんは隊長として前線の指揮をしてほしい。」
    「わかった……全力で任務にあたろう。」

    ユニットに防御命令を出した後、智鶴はおもむろにゲーム画面を開き
    軍事グラフを参照する。これで敵の戦力を大まかに推測するのだ。

    (斥候の報告では聖エロニアは軍事技術はそこまで進んでいないみたいだ。
    主力は剣兵……それ以外は初期兵科の戦士だけ。これなら、
    弓兵を持ってる僕たちが断然有利だ。)

    「あの真っ白けなエンジェルに目に物見せてあげるわよ、ちーちゃん!!」
    「うん!」


    ところが、直後に予想外の事態が発生した。


    パパパパウワードドン


    リチャード・ライオンハートがルーツィエに宣戦を布告しました!
     
     
     
    「え、ええええぇぇぇぇぇぇええぇぇっ!!!???」


    さあ、どうする智鶴。
    いきなり始まったこの危機を乗り越えられるのか!?

    12/09/02 17:35 バーソロミュ   

    ■作者メッセージ

    システム解説その4……外交


    国家同士がせめぎ合うこのゲームにおいて、
    外交の重要さは言うまでもないだろう。

    外交の根幹はどの国と戦い、どの国と友好を結ぶかを決めること。
    むやみやたらに仲良くなったり戦争したりすればいいものではない。
    下手な外交はいずれ多数の敵を作りだすだろう。
    だが、外交情勢を上手くコントロールできれば
    世界の文明を手玉に取ることも不可能ではない。

    基本的にどの国にも、他の国に対する外交態度があり
    今までの両国間の行いによって仲良くなったり嫌いあったりする。
    また、国の性質が違うことでも外交態度は変わってきたり、
    戦争好きと平和主義者でお互いを嫌いあったりと
    なかなか複雑な関係で動いている。

    ではまず外交態度から解説しよう。
    態度は友好的な順に以下の5種類がある。

    ・親しみを感じている
    …完全に両国が仲良くなっている段階
    ・不満は無い
    …お互いを友好国だと思っている段階
    ・用心している
    …可もなく不可もなく様子見の段階
    ・いらだっている
    …お互いを相容れない存在だと感じている段階
    ・怒っている
    …相手の存在自体不快に感じている段階

    一応、大半の国家は上記の外交態度によって
    通行条約締結の許可や技術交換受け入れを決めるが、
    中にはいらだっている相手とも取引する無節操な国家や、
    不満が無くても条約すら締結しない内向的な国家もあるため
    何度も接触して相手の気持ちを見極めるしかない。


    次に、相手の態度に影響を及ぼす要素を解説する。
    相手と仲良くしたいなら、とにかくその国の言うことを素直に聞くことだ。
    ただし自分の不利にならない範囲で。


    その1…属性
    全ての文明には秩序・中立・魔の三属性がある。
    秩序は教団に近い勢力や、魔物に敵対的な文明。
    逆に魔は魔物の集団や、魔界に堕ちた国などが該当する。
    中立はそのどちらにも属さないグループだ。
    秩序勢力は魔の勢力に対して無条件で敵対視するが、
    同じ秩序勢力は同胞として親しみを持つ。(例外もあるが)
    しかし、魔属性の国は秩序に対して必ずしも敵対するとは限らない。
    これは教団を嫌ってる国もあればそうでもない国があるため。
    でも同族に対してはかならず友好ボーナスがつく。
    中立勢力は特に属性による態度ボーナスの影響を受けない。


    その2…交易
    資源や技術の取引を継続すると両国間に仲間意識が芽生える。
    資源交易で自国に無い資源を相手国と取引することで入手できるし、
    技術は自国で全部研究することはほぼ不可能なので、
    必然的に友好国と交換したり買ったりすることになる。
    また、相手の地図……つまり視界を取引することもできる。
    なお、技術交換には『交易』、地図の交換には『地図』
    取引を金銭で行うには『通貨』の技術がそれぞれ必要になる。

    たまにAIは無償で技術や資源を要求してくることがある。
    これは通称『恐喝』・『たかり』といわれる理不尽な要求だ。
    断れば相手との関係にひびが入るが、受け入れればかなり友好的になれる。
    しょっちゅう恐喝してくる戦争屋には要注意。


    その3…社会体制や国教
    実はどの国にも好みの社会体制があり、それを相手と
    合わせることによって好印象をもたれることがある。
    国によってボーナスはまちまちだが、不利益にならなければ狙ってみよう。
    いっぽうで国教は思っている以上に影響が大きい。
    宗教にこだわる国は、わざわざ改宗を要求してくるくらいだ。
    国教を合わせることで容易に仲良くなれるのだが、
    国教が違うとそれだけで大きなペナルティになることも多い。
    ちなみに今期に出てきたリチャード・ライオンハートは異教徒へのペナルティはなんと(-7)!
    国教を制定していなければボーナスもペナルティーもない。

    その4…条約
    相互通行条約や防衛協定を結んでいると互いに仲良くなれる。
    ただし注意したいのは条約を結んでいる国と仲が悪い国から
    同類と見なされ嫌われてしまうこと。八方美人は難しいのだ。

    その5…戦争関連
    宣戦布告すれば当然相手との関係は悪化するが、
    和平した後も相手はきっちりと宣戦布告したことを覚えている。

    他国と戦争する時、別の国と共同戦線を張ることが出来れば
    その国と共闘したことによる友好ボーナスがつくが、
    当然敵対国の友好国からの感情は悪化する。
    どの国を味方にし、どの国を敵に回すかはよく考えておくこと。

    また、自分の持っているユニットを相手にプレゼントしたり
    都市を譲ってあげたりすると仲良くなれる。
    侵略された国を助けてあげた時に、
    領土を元の国に返してあげると効率がいいかもしれない。

    ちなみに長い間両国間で戦争がないと、ちょっぴり仲良くなれる。


    その6…国境問題
    領土が広がって相手と国境を接する際に、
    お互いの都市と都市の発展がせめぎ合って領土問題に発展する場合がある。
    領土問題に敏感な文明は、隣り合っただけでも戦争を仕掛けてくることも……
    特に創造志向の指導者は領土が広がりやすく他国の領土を圧迫しがち。
    逆に領土を押されすぎると都市自体が相手に寝返ってしまうことがある。

    また、国境付近に軍隊を駐留させるのも相手の感情を刺激する。
    逆を返せば相手を挑発する時にちょうどいい。


    その7…その他
    まだまだ沢山の要素があるが、全ては書ききれない。
    だが常識的に考えれば相手が何を好み何を嫌がるか分かるはずだ。

    例えば同盟している都市国家を寝取るとか………



    さて、見ただけで辟易するであろう外交問題。
    初心者とって最初に壁として立ちはだかる難問だと思われる。
    だが、この壁を超えずして最強の文明を作り上げることはおぼつかない。
    自らの感覚と読みの力を信じて、弱肉強食の世界を生き抜こう。