エル&フィーネ『スーパー クレールヘンシスターズ!!はじまるよ!!』
エル「ごきげんよう諸君。俺がエルだ。」
フィーネ「ごきげんようみんな!フィーネです!」
エル「この番組は、連載小説『英雄の羽』を基礎にした特別外伝!」
フィーネ「パーソナリティはクレールヘン兄妹二人がお送りいたします!」
フィーネ「祝!!本編完全復活!!」
エル「なんとか元通りになったな。俺も嬉しく思うぞ。」
フィーネ「これも読者の皆さんのおかげです!本当にありがとう!」
エル「人気なくても勝手に再開するつもりだったけどな。」
フィーネ「そーゆーのは心の内に留めておこうよ…」
エル「ま、なんにせよカンパネルラ電撃戦の途中で途切れたからな。
ひょっとしたら後編を楽しみにしていた読者もいるかもしれん。
この場で改めてお詫び申し上げる。」
フィーネ「やり直しが決まった時はファーリルさんも
『僕達第二軍団の出番は…?』って唖然としちゃってたね…」
エル「すまんなファーリル。
今度『アーネンエルベ』でお茶を奢ってやるから。」
フィーネ「あ、いいなー!あそこの紅茶美味しいんだってね!」
エル「さて、今回も楽しくやっていきますので、よろしくお付き合いください。」
フィーネ「この番組はロンドネル公営放送により、参謀本部からお送りいたします!」
―――――『今日の戦友!!』―――――
エル「戦友……、つまりゲスト紹介のコーナーだ。」
フィーネ「今回からは冒頭からゲストを呼ぶから、賑やかになりそうだね!」
エル「さて、フィーネ。まだ第二回目にもかかわらず凄まじい戦友に来てもらったぞ。」
フィーネ「うん!私も聞いてる!楽しみで楽しみで夜寝れなくて昼寝しちゃった!」
エル「収録直前まで昼寝とはいい度胸だな。」
フィーネ「ちょ、ちょっと緊張をほぐそうと…」
エル「では、本日のゲストはヴァル=フレイヤさんです!どうぞ!」
フィーネ「うわー!キンチョーする!」
ガラッ
放送室に入ってきたのは、赤髪のポニーテールが特徴的な
革防具を基礎とした新米冒険者装備の女性だ。
前を見据える瞳には、どことなく強い意志が垣間見える。
カキッ、カキッ、カキッ、カキッ、カキッ、カキッ
だが非常に緊張しているのか、歩く際に手と足が同じになってしまっている。
その表情にも大きな期待と緊張が混ざっていた。
フレイヤ「え、えっと、グーテンターク(こんにちは)!
いっひ…びーん、ヴぁる=ふれいや…(私はヴァル=フレイヤです)
いっひ、びーん…あどべんさー(冒険者です。)
いっひ、かむ、あす…しんぼり…(シンボリから来ました)」
フィーネ「なんか私よりも緊張してる!?」
エル「まあ落ち着け。
とりあえずここでは無理にユリス語使わなくても通じるからな。
まずは深呼吸、吸って…」
フレイヤ「すぅ〜〜…」
エル「吸って…」
フレイヤ「すぅ〜〜…」
エル「吸って…」
フレイヤ「す…っ……、…………、…って殺す気ですか!?
吐かせてくださいよ!」
エル「うむ、緊張が解けてなによりだ。」
フレイヤ「緊張を解いてくれたんですか…、
普通に深呼吸でもよかったような気がするんですが。」
フィーネ「にいさんはゲスト相手でも容赦ないね…。」
フレイヤ「い、いえ…こちらこそ相手がエルさんって聞いた時から緊張して緊張して。
それにしてもまさか『戦略の母』と言われるエルクハルトさんに
本当に会えるとは思いもよりませんでした。」
フィーネ「私も!フレイヤさんに会うのをすごい楽しみにしてました!
サイン貰っていいですか!」
フレイヤ「え…さ、サインですか!?」
エル「フィーネ、収録が終わってからにしろ。
せっかくのゲストを立ちっぱなしにさせるわけにはいかんだろう。」
フィーネ「そうだったね!
じゃ、改めて自己紹介をお願いします!」
フレイヤ「分かりました。」
そう言ってフレイヤは、指定された席に着席する。
フレイヤ「みなさんこんにちは!私の名はヴァル=フレイヤと申します!
シンボリ大陸世界のオステカ村出身の冒険者です。
まだ新米ですが、これから頑張って一流の冒険者を目指したいと思います。
趣味は読書で、エルさんのことについて書かれた歴史書も
いくつか読みました!そして本物に会えると聞いてとても嬉しいです!」
エル「さて、本物に会った感想は?」
フレイヤ「放送作家さんから聞きましたけど…
失礼ですが…男性…なんですよね?
歴史家の間ではそこがまだ紛争しているところなのですが。」
エル「そうだよ、俺は男だよ!こんな服着てるけど、
女性物しか似合わないから仕方なく…。」
フレイヤ「私も女性なんですが、そんな可愛い服は着るのには抵抗があります…」
フィーネ「フレイヤさん、にいさんよりも一回りくらい大きいもんね!」
エル「胸の大きさは同じくらいだけどな。」
フレイヤ「な、なんてこと言うんですか!若干気にしてるんですから!」
エル「よーし、少し緊張が残ってたが、今のでほとんどなくなったな。」
フレイヤ「世紀の大軍略家相手に突っ込みまくる私っていったい…」
フィーネ「フレイヤさんは真面目な人だから
にいさんに振り回されないように気をつけてね。」
フレイヤ「うん…、がんばる。」
エル「そういえば俺とフレイヤさんは現時点で2歳しか歳が違わないんだっけな。
だったらフレイヤさんも俺に対してはタメ口でいいや。
そのほうが後々やりやすいだろう。」
フレイヤ「いいんですか?何度も言いましたようにエルさんは…」
エル「なに。俺のことは同期の戦友程度に思ってくれてかまわない。」
フレイヤ「そうか、では失礼ながらそうさせてもらう。」
フィーネ「あ、なんかそれだけで結構親しみやすくなったかも!」
エル「うむ、これで問題なく任せられるな。」
フレイヤ「任せられる?いったいなにを?」
エル「ユリアさん。すみませんが、用意しておいたアレを。」
ユリア「はーい、ただいま。
ということでフレイヤさんにはこれを。」
フレイヤ「?」
そこにあるのは黒い字で『隊長』と書かれた
赤いワッペンが用意されていた。
エル「というわけで君を『一日ツッコミ隊長』に任命する!」
フレイヤ「唐突にわけわからないものに任命された!!」
エル「さすがフレイヤさん、やはり君にはツッコミの才能がある。」
フレイヤ「そんな才能あっても…。
私は冒険者であって、漫才師ではないぞ。」
エル「そうだな、突然だが二人に問題だ。
司令官として最も重要な要素を三つ挙げてくれ。」
フィーネ「地盤と看板とカバン!!」
フレイヤ「それ国会議員だから!!」
エル「さすがツッコミ隊長。いい反応だ。」
フレイヤ「くっ、またしても手玉に取られた…」
フィーネ「まあそれはともかく、司令官として重要な要素ねぇ……
まず統率力は確実にほしいよね。」
フレイヤ「あとはリーダたるもの決断力は欠かせないだろう。
人の上に立つ者が優柔不断では困るからな。」
エル「二人とも、その通りだ。統率力と決断力がなければ部下は付いてこないし、
なによりも部下を危険な目にあわせてしまうだろう。
ではもう一つは?」
フィーネ「うーん、カリスマ?でもそれだと統率力と被るよね。」
フレイヤ「それに司令官自体には武力はあまり要求されないからな。」
エル「もう一つは柔軟性だ。突然発生する事態にいかに素早く対応できるかどうかは、
司令官の本当の質を左右する重要な要素だ。」
フレイヤ「なるほど!移り変わる戦局に素早く対応できる能力の有無で
非常事態に陥った時に大きく違うな。」
フィーネ「でも、柔軟性を鍛えるのってすごく難しいんだよね。
こればかりは戦闘経験を積まなきゃ身につかないよ。」
エル「フレイヤさんは人柄が持つ統率力と、
知識による判断力はフィーネ以上のものがある。
しかし、素質はかなり高いが、まだ戦闘経験が少なめだから
どうしてもこの柔軟性がネックとなるだろう。」
フレイヤ「確かに…エルさんの言うとおりかもしれん。」
フィーネ「気にすることないよ!真面目な人は決断力が強いかわりに
どうしてもとっさの事態に弱いんだよ。
逆に私はまだ統率能力が足りないし…」
エル「そこで、だ。とっさの事態に的確且つ素早く対応する能力……
つまり『ツッコミ』を鍛えることで、柔軟性の向上をはかるのだ!」
フレイヤ「さっきまでいいこと言ってたのに結論がかなり強引だー!」
エル「そして!職業柄常にツッコミに回らずを得なかったが、
今日はフリーダムに振舞ってもいいってことだな!
はっはっは!楽しみだ!」
フレイヤ「まて!ゲストに突っ込みを丸投げする番組なんて聞いたことないぞ!」
フィーネ「そしてにいさんはまだ油断しないように。まだアレがあるんだから。」
―――――『今日のエル縛りプレイ』――――――
エル「そうだった、これがあるんだっけ(汗」
フィーネ「チートすぎるにいさんに、
リスナーの皆さんから縛りを要求してもらうコーナーです!」
エル「一応リスナーの一部からは『無理するな』って言われてるんだが。」
フィーネ「問答無用。」
フレイヤ「前回は確か『語尾にごわすを付ける』だったな。
なにをどう考えればそんな発想が出てくるのか不思議だ。」
フィーネ「はい、今日の縛りは『チェチェ』さんから頂きました!」
フレイヤ「うちの社長からか…、一体何を書いてきたんだ?」
フィーネ「今回の収録は女の子言葉での司会進行を希望するそうです!」
キラン☆
エル「あら♪そんな簡単なことでいいの?」
フレイヤ「適応早っ!そしてもはや男の面影が一切ない!」
エル「ふふふ、いつかは来ると思ってたから、私にとってこれくらい想定内よ♪」
フィーネ「わ、私よりも女の子っぽい…。」
フレイヤ「うん、私も今軽くショックをうけたな。」
ユリア「エルさんにフィーネさん、これは追加のお便りです。」
エル「追加、ですか?」
フィーネ「ええっと、ラジオネーム
『書類地獄からの解放を要求する会、会長』さんからです。」
フレイヤ(おかしいな?なんか知ってる人のような気がする…)
フィーネ「『CV:風音』」
エル「…べ、別にあなた達のために
女の子言葉になってるんじゃないんだから!勘違いしないでよね!」
フレイヤ「またしても適応早っ!」
フィーネ「ツンデレは素晴らしい!!///」(グッ!)
エル「ちょっとフィーネ!なんてこと言うのよ!私男なのよ!」
フレイヤ「ああ、私の中の大軍略家のイメージがすごい勢いで崩壊していく!」
フィーネ「じゃ、にいさ…じゃなくてねえさんは締めをよろしく!」
エル「誰がねえさんよ!もう!次のコーナー行くわよ!」
―――――『探求の羽』――――――
エル「このコーナーは本編「英雄の羽」に対する
疑問質問に、深いものから、しょうもないものまで、
探求していくコーナーよ!」
フレイヤ「おお!私このコーナーがすごい楽しみだったんだ!
もう番組の八割くらいこのコーナーやりたいくらいだ!」
エル「勘違いしないでよね!
別にあなたの楽しみのためにやってるんじゃないんだから!」
フレイヤ「怒られてるのかそうじゃないのか、分かりにくいな…」
フィーネ「いまのはたぶん、ねえさんなりのツッコミだと思う。
もはやねえさんのツッコミは職業病だから。」
エル「誰がツッコミが職業病よ…、フレイヤさんもツッコミ隊長をしっかりやりなさい!」
フレイヤ「いやもう、ツッコミどころが多すぎてなにがなんだか。」
エル「もう。さっさと進めるわよ。
まずは『夢見月』さんから頂いた質問です。」
夢見月:ケルゼンさんの領地(ロンドネル)の主産業と特産は?
(お酒以外でお願いします。)
エル「勘違いしないでよね!私たちは単純にお酒が大好きなだけであって
お酒の産地として有名ってわけじゃないんだから!」
フレイヤ「いきなりリスナーさんを罵っちゃだめだろ!」
フィーネ「まあ、今回はそういうキャラだから夢見月さんも勘弁してね。」
エル「私たちが住むロンドネルは複数の産業によって成り立ってる
いわゆる『複合産業都市』っていわれているのよ。」
フレイヤ「それは凄い!複合産業都市って人口と技術が高くないと成立しないから、
始めから計画的に都市を作らないといけないらしいからな。
単純に【工業】と【商業】を組み合わせるだけでも非常に広大な敷地を要するし、
【交易】を中心としたいなら周辺国との関係も整えなければいけない。」
フィーネ「フレイヤさん、急に生き生きしてきたね。」
フレイヤ「ああ、すまん。こういう話になるとつい…」
エル「気にすることないわ。知識欲が旺盛なのはいいことよ。
現在ロンドネルの基幹産業は【交易】【観光】【軍事】によって成り立ってるの。
まず、ロンドネルの特産物は『琥珀』や『岩塩』、『クジャクの羽』があるんだけど
そのうちの二つ、『琥珀』と『岩塩』は埋蔵量に限りがあるの。」
フレイヤ「うーん、鉱石産業はかなり利潤が高いが、
なくなればもはや衰退しか道はないからな。
実際、頼みの鉱山が涸れたために政府が崩壊した例は過去にいくらでもある。」
エル「そこで、うちのアル爺が領主にアドバイスして、
鉱石で得た資金で基幹産業の根本的な改革をすることにしたの。」
フィーネ「まず、とにかく人が集まるように思い切って町の区画を大規模に拡大して
同時に、軍備増強と貿易路の集積をして周辺国から頼られるような国造りをしたの。」
フレイヤ「それはまた思い切ったことを…、
一歩間違えれば取り返しがつかなくなりそうだ。」
エル「その時はちょうど都合よく帝国によるユリス北方への進攻があったから、
ロンドネルが援軍を出して撃退することで、一気に信頼が高まったの。
こうして今では交易によって何でも手に入るし、観光客がお金を落としてくれる。
そしてそのお金で軍隊はいい装備を買って強くなれるの。すごい仕組みでしょ!」
フレイヤ「なるほど!そのような仕組みは私たちの世界でも、大国の首都だけだ!
それを普通の都市国家がなし得るのは素晴らしいな!」
フィーネ「ちなみに『自由都市アネット』もそれに近い構造みたい。」
エル「自慢するわけじゃないけど、
一兵卒に至るまで装備が殆ど銀製なのはうちの国だけよ♪」
フレイヤ「なにもそこまでしなくてもいいのでは?
新兵が武器を扱えるようになるまで時間が…」
エル「そのためにうちの国では訓練が厳しいのよ。」
フィーネ「じゃあ次のお便り!
ラジオネーム『魅惑の双丘』さんから頂きました!」
魅惑の双丘:戦車(チャリオット)が強すぎて倒せません(涙
フレイヤ「ラジオネームの割には戦場の悩みだな…」
フィーネ「フレイヤさんは戦車って知ってる?」
フレイヤ「知ってはいるが、私たちの時代にはもうないな。
私が調べた限りでは、だいぶ昔に廃れてしまったとか。
しかし、兵法書には『戦車には歩兵80人分の威力がある』
とも書かれている。」
フィーネ「じゃあここで戦車(チャリオット)についておさらい。
戦車っていうのは、謂わば戦闘用の馬車みたいなものだね。
本編初登場はカンパネルラ電撃戦・前編のフェスティさんの帝国戦車。
種類は一人乗りと複数人乗りがあって、今は大体複数人乗りが主流かな。
乗ってる兵士は大体槍か弓を装備してるね。両方のってることも多いよ。
遠・中・近距離どれもこなせる上に、防御力もかなり高いのが特徴。
基が馬車だから機動力もあるんだ。これを発明した人は凄いね。」
フレイヤ「うーん、単体で挑むには分が悪すぎる相手だな。
少なくとも牽制役と攻撃役が二人ずつほしい。」
エル「確かに戦車はかなり強いユニットの一つね。
けど、実は弱点が多い兵器でもあるのよ。
まず、地面の状態が悪い場所だと転倒するし、
馬を狙われたらそれで終わりなのよ。」
フィーネ「あと、意外と小回りが利かないんだよね。
フェスティさんがレナータさんと戦った時、
わざわざ方向転換しなきゃならなかったのはそこに原因があるんだね。」
フレイヤ「そして何より編成コストが高すぎるし、訓練も面倒だ。」
エル「そんな意外と不便な戦車なんだけど、
やっぱり平地で出てきた時の威力は脅威ね。
対策としてはまずは馬を狙うのが上策よ。それか、草結びで転倒させるか。
いっそのこと防護壁を押し出して車止めにするといいかもね。」
フィーネ「でもやっぱ戦車ってかっこいいよね!」
エル「そうそう!戦車は女の子のロマン!かっこいいのは正義ね!」
フレイヤ「最終的な存在意義は見た目なのか!?」
エル「参謀総長はどうしても戦車を出したいから、
この時代を選んだっていう噂もあるのよ。」
フレイヤ「いやいやいや!さすがにそれはないだろ!」
フィーネ「じゃあ戦車の話はここまでにして次のお便り!
ラジオネーム『ペロポネソス』さんから頂きました!」
ペロポネソス:エルさんの初陣は何歳の時でしたか?
フレイヤ「それは私も大いに興味があるな。
なにせ私の生まれ育った村では
二十歳まで村を出てはいけないことになっていて、
それまではずっと本に記された冒険譚を読んで、外の世界に憧れる日々だった。
しかしエルさんは二十歳ですでに軍事顧問・兼司令官ってことは
初陣はそれ以前になるってことだろうな。」
エル「うーん、何をもって初陣とするかによるわね。
一応将兵として本格的な戦争をしたのが14歳の時だったわ。」
フレイヤ「その年齢だとむしろ危険すぎないか!?」
フィーネ「私たち姉妹は士官学校に通っている段階で
戦場に出ることもあったからね。」
エル「うちのアル爺はスパルタでね…。
私は6歳になったころにはすでに冒険者ギルドで冒険者として活動してたわ。」
フレイヤ「嘘!?そんな早くから実戦経験をしていたなんて!」
エル「それがね、私が6歳のときに『神の災い事件』っていうのがあったの。
ロンドネル郊外にある日突然突き刺さった巨大な槍の正体を確かめるために
当時新人兵士だったケルゼン様や幼馴染のファーリルと一緒に戦ったのよ。」
フィーネ「私もこっそりついてって迷惑かけちゃったけどね。」
フレイヤ「子供の時から相当修羅場をくぐり抜けてきたみたいだな。
道理で歳が少ししか違わないのに、これだけの経験の差があるわけだ。」
エル「『神の災い事件』は結局半年かかってようやく終わらせたの。
でも、子供だったから楽しかった思い出もいっぱいあったわ。」
フレイヤ「うらやましいな、それは。」
フィーネ「まあ、ねえさんの場合はちょっと特殊だからね。
普通ロンドネル軍の最年少は、士官学校を卒業できる18歳くらいになるよ。
私やねえさんみたいに飛び級すれば話は別だけど。」
エル「そして初陣って言っても、
大抵の人にとっては活躍どころか痛い目を見ることが殆どね。
初陣を華々しく飾れる人は、それだけ才能があるってことなのよ。
ね、フレイヤさん♪」
〜エルスマイル発動〜
フレイヤ「い、いや、私の場合は相手が良かったからっていうか…その…///」
エル「フレイヤさんが真っ赤になったところで最後の質問ね。
ラジオネーム『アイセネ』さんから頂きました!
か、感謝しなさい!私がわざわざ読んであげてるんだからね!」
フレイヤ「だからリスナーさんを罵るのはやめてください!」
アイセネ:作者様が本編を書く際にイメージにしてるFEシリーズはどれでしょうか?
エル「これは参謀総長への質問ね。
フレイヤさんはFEって知ってる?」
フレイヤ「名前くらいならな。」
フィーネ「ここでFE…ファ○アーエム○レムについても説明しておくよ。
FEは○天堂が出しているSRPG(シミュレーションロールプレイングゲーム)…
つまり戦略ゲームってうジャンルだね。」
エル「ファイ○ーエムブ○ム〜てごわいシミュレーション〜♪
勝〜ってく〜るぞ、い〜さましく♪のCMが有名よね。
FEはすでに1作目の『暗黒龍と光の剣』から
これまでのシミュレーションゲームにはなかったストーリー性を重視。
CMどおりの高い難易度、戦死したキャラクターはほぼ生き返らないという
シビアなシステムが特徴よ。」
フレイヤ「それは下手したらクリア不能になるんじゃないか?」
フィーネ「なるでしょうね。」
フレイヤ「いいのかそれで!?まあ、私たちの世界でも同じことが言えるけどな。」
フィーネ「小説で退場させたキャラは二度と戻らない!」
エル「シリーズによってかなり難易度が異なるけど、
最近の作品は簡単なノーマルからマニアック・ルナティックといった
某弾幕ゲーム並みの鬼難易度まで幅広く取りそろえているから
初心者でも上級者でも楽しめる仕組みになってるわ。」
フレイヤ「そう言えば、登場人物評の兵種やレベルも
FEみたいな表記にしていると聞いたが。」
フィーネ「目安があると、その人がどれだけ強いかよくわかるんだよね。」
エル「少し脱線したけど、質問に答えるわね。
この世界観を構成する作品は…………全部よ!」
フレイヤ「欲張りすぎだろう!どうしてそうなった!?」
エル「例えば、ジョゼの『トマホーク』や、サンの『スレンドスピア』は
第6作の『封印の剣』からレギュラー化した、
間接攻撃(一マス離れた相手に攻撃する)ができる斧と槍なのよね。」
フィーネ「でも、ユニースお姉ちゃんの兵種『デュークナイト』は
5作目『聖戦の系譜』だけに出てくるユニットなんだよね。」
エル「そうね、時代背景的には『聖戦の系譜』あたりが一番近いかしら。
でもここの読者には猫耳娘や有翼娘、竜娘が出てくる(しかも仲間になる)
9作目『蒼炎の軌跡』か続編の『暁の女神』あたりがおすすめね。
ゲームバランスも結構いいから楽しめると思うわよ。」
フレイヤ「ほうほう、なかなか興味深くなってきたな。
私もこの手の頭を使う遊びは昔から大好きなんだ。
その上ストーリー重視というところが非常に興味があるな。」
フィーネ「だったらフレイヤさんには『聖戦の系譜』以降がオススメ!
FEの重要な要素に支援会話っていうのがあるの。
戦っていくうちにキャラ同士がどんどん仲良くなって
場合によっては子供まで作っちゃうよ!」
フレイヤ「それはまた…二次創作の題材には事欠かないだろうな…」
エル「あと、本編登場キャラにもFEのキャラを基にした人物がそこそこいるのよね。
誰とは言わないけど、わかったひとは思わずニヤリとしちゃってね。」
フィーネ「いまのところ『聖戦の系譜』のキャラが一番多いみたいだね。」
フレイヤ「それで時代背景が、その『聖戦』に一番近いといったのか。
どの人もそれっぽい名前だからな。」
エル「ちなみに参謀本部が一番やりこんだのは
6作目『封印の剣』と7作目『烈火の剣』らしいわ。
支援会話をコンプリートしたり、軍師最高評価を目指したり
闘技場に400ターン居座ったり、キャラ能力オールカンスト目指したり…」
フレイヤ「いやいや、プレイヤーにしか分からない単語を並べられても
いまいち実感が伝わってこないのだが。」
フィーネ「中級者以上のプレイヤーなら
アイセネさんの好きな作品が一瞬で思い浮かぶよね。」
エル「参謀本部もあの二作品はマニアックまでクリアしたわよ。
かなり苦戦しちゃったけどね。」
フレイヤ「はたしてこのサイトの小説で
ここまで個人的な趣味を押し出していいんだろうか?」
エル「わ、私はただアイセネさんの質問に答えてあげただけなんだから!
別にこのゲームを宣伝しようなんて思ってないんだからね!」
フィーネ「ちゃっかりしてるね、ねえさん。」
エル「っていうことで、今回の『探求の羽』はここまでよ!」
フレイヤ「なに!?もう終わりなのか?
私としてはもっと色々知りたかったのだが…」
フィーネ「もう時間がないからまた今度ね。
みなさんも疑問質問、なんでも送ってきてくださいね!」
エル「以上、『探求の羽』でした♪」
フレイヤ「ちょっと質問用紙借りてくる。」
―――――『RNGで遊ぼう』――――――
フィーネ「このコーナーは、本編で使われている地図を作ってる、
『RLG(ランダム・ランド・ジェネレータ)』の姉妹ソフトである、
『RNG(ランダム・ネーム・ジェネレータ)』を使って遊んでいくコーナーだよ!」
エル「さてフレイヤさん。いきなりなんだけど実際に使ってみましょ。」
フレイヤ「うーむ、私はパソコンを見るのは初めてなはずなのに
なぜ使用方法が頭の中に入っているんだ?」
フィーネ「細かいことは気にしない気にしない。
ここは超次元空間参謀本部だからね!」
エル「さて、今画面には広い白紙の部分と、その下に8個のボタンがあると思うの。
どれか一つ押してみてくれる?」
フレイヤ「じゃあこの『ジャパン』というのを。」
カチッ
―――――――――――――――――――――――
※イマバヤシ タケヒデ
―――――――――――――――――――――――
フレイヤ「誰だこれ?ジパングの名前?」
エル「今フレイヤさんが押したのは『ジャパン』ね。
ジパング人っぽい名前が出てくるでしょ。」
フレイヤ「確かに…いそうな名前ではあるな。」
フィーネ「じゃあ次は(複)って書いてあるのを
どれかおしてみて。」
フレイヤ「これか?」
カチッ
―――――――――――――――――――――――
※イマバヤシ タケヒデ
※ツボガイト ジャクショウ
※ニイモト ナオヒサ
※セコ チョウビョウ
※オネザワ ナンキョウ
※ヒタカ ギョウカ
※オダチ カタヨシ
※イノウラ マサゾウ
※マシタニ キリカエ
※リンミ チカオ
―――――――――――――――――――――――
フレイヤ「こいつは何を真下に切り替えるんだ?」
エル「さすがねツッコミ隊長!もう仕事をするなんて!」
フレイヤ「しまった!ついうっかり!」
フィーネ「ちなみに『女性名(複)』をやるとこんな感じ。」
カチッ
―――――――――――――――――――――――
♀コーサリーズ
♀ファーティ
♀ミースルン
♀ネフェディア
♀ミースディン
♀ウィテニア
♀ロスリーナ
♀ロレホルン
♀マフェティン
♀チャロルン
―――――――――――――――――――――――
エル「西洋名で変なのが来ることはあまりないんだけど、
そのままだとちょっと使いにくいかもしれないわね。」
フレイヤ「だが、その場限りのキャラ程度ならちょうどいいかもな。」
フィーネ「フレイヤさんも大体こんな感じだってことが分かったようだね。」
フレイヤ「まあ一応な。」
エル「さて、このコーナーの本当の趣旨って知ってる?」
フレイヤ「このコーナーの本当の趣旨………ってまさか!」
フィーネ「そう!RNGが吐き出す変なネーミングに
ツッコミを入れていくのがこのコーナーの真の姿!」
エル「さあ行きなさい!フレイヤ・ザ・ツッコミコマンダー!
あなたの力を見せつけるときよ!」
フレイヤ「誰がツッコミコマンダーだ!」
フィーネ「早速仕事する気満々だね!」
No.1 「オーキドー」男性名
フレイヤ「ポ○モン博士!?」
エル「またいきなり凄まじいものがきたわね。」
フィーネ「ジパングでもかなり有名人だろうね。」
No.2 「ナーエルエル」男性名
エル「なによ!気安く私の名前をよばないでよ!」
フレイヤ「なんでその言葉を私に向けて言うの!?」
フィーネ「座ってる位置が位置だからね……」
注)三人の席位置(「マ」はマイクの位置)
フレイヤ
――――
| マ |
エル|マ マ|フィーネ
| |
 ̄ ̄ ̄ ̄
――――扉扉――――
〜廊下〜
この状況で横を向くと、どうしてもフレイヤと目線が合う
No.3 「ファリエル」「エルカタ」女性名
フレイヤ「……ええっと、これのどこがおかしいんだ?」
エル「実は私にもさっぱり…」
フィーネ「何いってんの二人とも!
『ファーリルさん×ねえさん』なんだよ!
『ねえさん×カーターさん』なんだよ!
腐った女の子たちにはたまらないシチュエーション!」
フレイヤ「いや、私は生憎そっち方面の趣味はないんだ。」
フィーネ「まあ、わたしもねえさんが男の人とくっついてほしくないけど。」
エル「べ、別に私は百合じゃないんだからね!」
No.4 「イーフリナ」女性名
フィーネ「なんか、こんな名前の女の子がいたような記憶が。」
エル「参謀本部は本気で思いだせないらしいわ。」
フレイヤ「はたしてリスナーで分かる人がいるだろうか?」
No.5 「ゼニガタ ジオン」日本名
フレイヤ「なぜ組み合わせた!?」
エル「もう古いのか新しいのか、わかんないわね。」
フィーネ「奇跡的な複合ネタでした。」
No.6 「ジュンイツ エタン」日本名
フレイヤ「これはもはや名前じゃなくて薬品だろう!」
フィーネ「エタンって何?」
フレイヤ「エタン…つまりエチルアルコールは
主に消毒に扱われるアルコールの一種だ。」
エル「純粋なエタンは触れると皮膚が大変なことになるわよ。気をつけてね。」
No.7 「ハトガヤ イチロウ」日本名
フィーネ「参謀本部が言うには、
似たような名前の総理大臣がその昔にいたとか。」
フレイヤ「イチロウといえば私は、どんな飛び道具も弾き返す
伝説のサムライが頭に浮かぶのだが。」
エル「ジパングにはイチロウという名前が多いって聞いたわ。」
No.8 「燃ゆる拳」閃き
フィーネ「私の拳が!」
エル「真っ赤に燃える!」
フレイヤ「君たち姉妹は本当に意思疎通が早いな…」
No.9 「熊猫の仮面」閃き
エル「熊猫っていうのはパンダのことよね…」
フィーネ「お祭りの縁日で売ってそう。」
フレイヤ「名前はそこそこ格好いいのに、なんか残念だな。」
No.10 「超自然の息子」閃き
フレイヤ「この子は一体何が超自然だというのだ!?」
フィーネ「ターザン?」
エル「意味もなく壮大な息子さんでした。」
No.11 「嵐を招く村」閃き
フレイヤ「迷惑な村だな…。何かの題名にはなりそうな感じだが。」
エル「ふん、そんな村は呼んだ嵐で自滅すればいのよ。」
フィーネ「『壮大な単語+村』シリーズだね。」
No.12 「虹色の犠牲者」閃き
フィーネ「お前に、レインボー。」
フレイヤ「あれはもはや一種の兵器だろう。」
エル「ネタが分からなかった人はごめんね。」
No.13 「雄大なる槍」閃き
フレイヤ「いかがわしいことを考えたそこのお前。反省しろ。」
フィーネ「うん、今回はこれくらいかな?」
エル「ツッコミ隊長、大活躍だったわね♪」
フレイヤ「ああ、ツッコミというのも疲れるものだな…」
フィーネ「でもフレイヤさんにはこの後、
さらにもう一仕事あるからがんばってね!」
フレイヤ「そうか、そういえば次はあのコーナーだったな。」
エル「以上!『RNGで遊ぼう』のコーナーでした!」
―――――『オン・エル・バトル!』――――――
フィーネ「さあ!みなさんお待ちかね!
『オン・エル・バトル!』の時間がやってまいりました!
ねえさんとゲストが毎回お題を変えてバトルするよ!」
フレイヤ「エルさんと対決か…。果たして勝てるだろうか?」
エル「言っておくけど、何であろうと手加減はしないわよ!
フレイヤさんも全力でかかってくるといいわ!」
フレイヤ「ああ!こんな機会はそうそうないからな!
私も全力を持って相手するとしよう!」
だが、目線で火花を散らしていたその時…
ガチャッ!
突然扉から、青いポニーテールに青い鱗で包まれた
リーザードマンが入出してきた。
???「やっほーフレイヤ!久しぶり!」
フレイヤ「え?あ、ああ!!リサじゃないか!どうしてこんなところに!?」
リサ「なんか黒い服着た人が来てさ、『フレイヤがバトルするから加勢してくれるかい』
って言われ、訳わかんないうちにここにワープさせられた。」
エル「ちょっとファーリル!あれほど誰か連れてくるときは
本人の許諾を得なさいっていったでしょ!
なに勝手に事情を知らない人を拉致してきてるのよ!」
フィーネ「っていうか、あなたはだれ?」
リサ「あたいはフレイヤの幼馴染、リザードマンのリサだ!よろしくな!」
フレイヤ「しかし、リサがバトルに加勢?
一対一で戦うんじゃないのか?」
ファーリル「さて、みんな。準備が出来たから一旦放送室から出て
僕の後についてきてね。」
エル「あら、ここでやるんじゃないの?」
ファーリル「今回のバトルはちょっと規模が大きいから
ここよりもっと広い『講堂』でやることにしたんだ。」
フレイヤ「私が先ほど聞いた話では、知力を競うということになっているらしいが。
リサでだいじょうぶだろうか?」
リサ「おいこら、それはどういう意味よフレイヤ。」
こうして四人はファーリルの後に続いて、参謀本部にある講堂に向かう。
そして、講堂に入った四人が見た物は…
エル「ちょっとファーリル!講堂をこんなにしちゃっちゃだめでしょ!」
ファーリル「一応参謀本部の許可はとってあるよ。」
リサ「おお!すごい!一面に氷が張ってある!」
フレイヤ「いやいやいや!講堂って集会を行う部屋だよな!
そこに一面に氷を張って何をする気だ!?」
フィーネ「ねえ。奥の方になんか赤と青で円が書かれてるよね。
あれなんだろう?」
フレイヤ「……まさか、カーリングか!」
リサ「なにー!知っているのか、フレイヤ!!」
フレイヤ「うむ、カーリングとは確か競技用の石を氷の上に滑らせて、
あの円の中に近づけることで得点を競うスポーツだ。
勝つためには様々な戦術を駆使しなければならないことから
『氷上のチェス』とも言われているんだ。」
エル「なるほど…、それで知力を競う勝負ね…。
確かにこの競技はとても頭を使う、紳士淑女のスポーツだわ。
だけど、この競技は複数人…3、4人は必要なはずよ。」
リサ「それであたいが呼ばれたってわけか!納得した!」
ファーリル「その通り。直前まで秘密にしておきたかったから
話さなかったんだ。ごめんね。」
リサ「なーに、いいってことよ。」
ファーリル「そしてフレイヤさんには、後二人ほど仲間を付けてあげよう。」
フレイヤ「その二人で合計四人か。して、後の二人は?」
すると、隣の部屋に待機していた二人組が歩いてきた。
一方は茶髪のショートヘアに額の傷が特徴的なリザードマン。
もう一方は、クリーム色のポニーテールをたなびかせた人間の女性だ。
アリア「はじめましてフレイヤさん、私はレーメイア出身のリザードマン、アリアです。
リサさんも同胞として会えてうれしく思うわ。」
リサ「あんたもリザードマンなんだ!てっきりここには
反魔物勢力の人しかいないと思ってた。」
フレイヤ「アリアさん、こちらこそよろしく頼む。」
ユニース「ごきげんよう二人とも!ユニースです!
今日は一緒にエルをフルボッコしましょうね!」
フレイヤ「いきなり過激な物言いだ!それでもあなたは
エルさんの信頼が厚い軍団長なんですか!?」
ユニース「私だってエルと戦う機会はそうそうないんだもん。
今回ばかりは相手がエルだろうと容赦しないわ!」
エル「なによ、大層な自信じゃない。
あんたなんかまとめて返り討ちにしてくれるわ!」
フィーネ「ねえさん、今日はやけに煽り耐性が低いね…」
アリア「しかし…、このチームの中で、私だけ少し浮いているような…」
リサ「だったらあたいがその原因を修正してやるよ!
ちょいとエルさん。服についてるリボンを一本借りるよ。」
エル「?」
リサ「う〜ん、ちょっと短いけど…、これでいいかな?」
アリア「えっと、リサさん?私の後ろで何をしてるんですか?」
リサ「よーし!これであなたもポニーテール娘の仲間入り!」
見ると、アリアの短髪をリボンで何とか結って
ちょっとしたポニーテールを形成している。
フレイヤ「なるほど!違和感の正体はそれか!」
ユニース「よかったねアリア。仲間外れにならずに済んで。」
アリア「ありがとうリサさん!」
リサ「そして!今ここに『チーム・ポニテ』の結成を宣言する!」
フレイヤ「ちょっと待て!リサが勝手にチーム名つけてどうするんだ!」
ユニース「じゃあフレイヤさん、他に何か案ある?」
フレイヤ「…、……、やっぱ『チーム・ポニテ』でいいや。
しかし、四人編成だったら私の舎妹三人組でもよかったんじゃないか?」
ファーリル「ごめん、あの三人娘はカーリングに向かないみたいだから
僕の独断で加勢させないことにしちゃった。
申し訳ありません、チェチェさん。」
エル「あなたは放送作家なんだから、少しくらい融通をきかせなさいよね…」
ファーリル「その代り、あそこで直に観戦してもらうことにしたよ。」
ファーリルの視線の先には、壁際に三人のゴブリンがいた。
カリン「姉貴ーー!!がんばってーー!!」
マリン「わ、わたしたちも応援してます!」
コリン「ファイトです!」
ユニース「フレイヤさんも、いい弟子を持ってるじゃない♪」
フレイヤ「ああ、かなり手間がかかる弟子だけどな。」
エル「それで、私のパートナーもちゃんと用意してくれるんでしょうね?」
フィーネ「はーい!まずは私だよ!」
エル「一人目はフィーネね…、後もう二人は?」
ファーリル「大丈夫、ちゃんと用意してあるから。
おーい二人とも!入ってきていいよ!」
ファーリルの呼び出しに応じて、すぐに二人の女性…
というか女の子が入ってきた。
一方は赤い長髪に赤い瞳、だが身長はフィーネ程度の女の子。
もう一方は橙色のショートヘアにまだ幼い顔立ちが残る女の子だ。
二人とも、帝国の紋章が描かれた黒い服を着ている。
レミィ「ごきげんようです司令官!」
サン「ご、ごきげんようございます司令官!」
エル「あら、レミィとサンじゃない。あなたたちが私のパートナーなの?」
レミィ「はい!司令官のためだったら、たとえ火の中水の中!」
サン「重りをつけて飛び込んでいく覚悟です!」
エル「その覚悟は嬉しいんだけど…、玉砕しに行くわけじゃないのよ。」
フィーネ「この四人が私たちのチーム?」
レミィ「うん、そうみたい。」
サン「同じ年齢がそろうと楽しいよね!」
フレイヤ「…三人の年齢は?」
フィ&レミ&サン『16!』
エル「今気がついたけど現時点(8章)最年少キャラばっかりじゃないの!
私はロリコンじゃないんだからね!」
フィーネ「チーム名は『チーム・ロリータ』で!」
レミィ「異議なし!」
サン「異議なし。」
エル「却下にきまってんでしょーが!私がいることを考慮しなさい!」
フィーネ「…じゃあ一万歩譲って『チーム・シスターズ』で。」
エル「まあ、この際それでいいわ。」
ファーリル「さて、チーム編成が終わったところでみんなに聞いてほしいことがある。」
アリア「ルール説明とかですか?」
ファーリル「それもあるんだけど、もう1ランク重要なことなんだ。」
フィーネ「それで?」
ファーリル「カーリング用のストーンを用意してないんだな、これが。」
全員『なっ、なんだっってえええぇぇぇぇぇ!!!』
フレイヤ「それじゃ物理的にカーリングはできないだろ!」
エル「なにやってんのよ、この三年連続ベビーフェイスランキング世界王者は!
これはもう放送事故じゃ済まされないレベルよ!」
ファーリル「ふっふっふ、らしくないねエル。
ストーンがなければカーリングが出来ない?
そこが盲点なんだよね。」
レミィ「だったらどうやって点を入れるんですか!?
漬物石でも使う気ですか!?」
エル「……ちょっとまちなさいファーリル。
まさかストーンはほかのもので代用する気?」
ファーリル「さすが堕ちてもエル!まさにその通りだよ。」
エル「一発殴ってもいいかしら?」
フレイヤ「ま、まあまあエルさん。落ち着いて。
代用といっても何を使えばいいんだろうか。」
ファーリル「うん、今から15分間休憩に入るから、
両チームともに最大8個まで代用ストーンを調達してきてね。
参謀本部にある物品はほとんどなんでも使えるから
好きなものを持ってきたまえ。」
ユニース「その発想はなかったわ…」
リサ「ちょっとした宝探しみたいだな!なんだかわくわくする!」
サン「でも、軽すぎても重すぎても駄目だし…」
ファーリル「とりあえず滑る物ならなんでもいいよ。
あと、試合の途中で調達するのもアリだから
そこのところは各チームで相談してね。」
フレイヤ「先行と後攻はいつ決めるんだ?」
ファーリル「それはまあ、試合の直前になるね。
じゃあ、ここで15分間の休憩だ。
定刻になったら全員ここに集まるようにね。
遅れたら無条件で敗北にするからよろしく。」
エル「じゃあ私たちのチームは、まず管理室にでも行きましょうか。」
フィーネ「あそこ物がいっぱいありそうだもんね。」
フレイヤ「ユニースさん。案内を頼めるか?」
ユニース「ええ♪まずは食堂にでも行きましょうか。」
こうして『チーム・ポニテ』と『チーム・シスターズ』は
代用ストーンを探しに行った。
ユリア「ではここで一旦休憩です。後編に続きます。」