連載小説
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第8回 前編

エル&フィーネ『スーパー クレールヘンシスターズ!!はじまるよ!!』


♪OPテーマ『Maiden's Garden』♪









エル「ごきげんよう諸君。俺がエルでぃ!」

フィーネ「ごきげんようみんな!フィーネです!」

エル「こん番組は、連載小説『英雄の羽』のラジオ番組でぃべらぼうめ!」

フィーネ「いきなり何事!?突然乱暴な口調なんだけど」



―――――『今日のエル縛りプレイ』――――――


エル「今回は意表をついて、しょっ初から縛りプレイで行ってみてぇと思う。」

フィーネ「あ〜なるほどそれで。今回のテーマは何?カナウスの海賊口調?」

エル「おうよ、ラジオネーム『桐から産まれた快男子』さんからいたでぇた。
  『二代目ロウガのような江戸っ子口調』だとよ。上等じゃねぇかってんだ。」

フィーネ「二代目ロウガさんって宿利様のSS『Lost in blue』シリーズの
     登場キャラだよね。あれ〜、でもあの人の喋り方
     こんな露骨なべらんめい調だったっけ?」

エル「こまけぇこたぁいいんだよべらぼうめ!二代目ロウガさんの喋り方は
   いわば『おさむれぇ言葉』っつうもっとお上品な喋り方だ。
   俺のような下町庶民派江戸っ子はこれで十分でぃ。」

フィーネ「だめだよ!ちゃんとお題に沿わないと違和感バリバリだよ!?
     後この口調でラジオ放送続けるの難しい(書いている人が…)」

エル「てやんでい!せっかく俺が男だってことをアピールするチャンスなんだぜ!
   こんラジオはどの道文章だけだから、自然に視聴者の奴らには
   男の声で脳内再生されるだろうさ!俺は大歓迎だ!」

フィーネ「でもやっぱ実物が目の前にいる私としては凄い違和感が……
     今回の表紙を見てもらえば分かると思う。
     後その理屈だと普段の口調でも男性声で脳内変換
     してもらえてると思うんだけどなぁ。」

エル「絵がねぇっつうのは本当に都合がいいもんだ!
   ふっふっふ、俺は男だ、男なんだ!決して男の娘なんかじゃねぇや!」

フィーネ「こ、これが俗に言うジェンダーアイデンティティーの崩壊…」

エル「そうだ、ならこの口調を一生通してみんのも悪くねぇな。」

フィーネ「それだけはやめてーーーー!!」



カーター「おいファーリル、今回のやつ全然縛りになってない。どういうつもりだ?」

ファーリル「あれ〜?なんか生き生きしてるね。ま、いっか続けるよ。」




フィーネ「そう言えば最近は更新が開き気味だよね。やっぱ参謀本部も忙しいのかな?」

エル「それもあっかもわからねぇが、原因の一っつはFEの新作にハマってたこんだろう。」

フィーネ「あ〜〜…それで。確かに今回の新作は面白いよね!
     さすが今までの集大成とだけあって見事にドツボにはまっちゃうよ。
     それでね…え?これ以上話すとラジオ終わっちゃうからだめ?」

エル「これはFEのラジオじゃあねぇからよ。んじゃおっ始めるとすっか。
   この番組はルフトシュピーゲルング・クレシス放送局からお送りしまさぁ!」






―――――『今日の戦友!!』―――――





エル「毎回恒例の戦友紹介でさぁ。」

ファーリル「えーっと、とりあえずさっきのエルの喋り方は趣旨とだいぶ違うから
      ちゃんと修正して喋ってね。」

エル「へぇ、承知いたしやした。」

フィーネ「あ、なんかこんどは角が取れて時代劇っぽい。」

エル「その代り俺は誰に対しても半分敬語でさぁ。
   時代劇っつうよりか落語の喋り方にちけぇ。インパクト激減だなこりゃ。」

フィーネ「あんまりキャラが濃いと参謀本部がめんどくさ―――
     ゲストさんの見せどころ奪っちゃうかもしれないからね。」

エル「おい、今さらっと本音が出なかったかぃ?」

フィーネ「ゲスト登場!!どうぞーー!!」



ぶしゅーーーーっ!!(←煙噴出)



フィス「やっはーーー!!」

アーシェ「いえーいなのじゃー!!」

ルシア「げほっげほっ!?」


さて、演出と共に放送室にしてきたのは
大人の男性一人と、子供ほどの背丈の魔物娘が二人。
男性は青紫の短髪で、前髪がやや長く左に寄せてあり、左目が隠れている
穏やかな雰囲気の攻勢年である。
次に背丈が大きい…といっても小学生ほどの身長の魔物娘は
銀の長髪をストレートにし、小さな角と翼、しなやかな尻尾を持つ。
幼いサキュバス……ではなくアリスという珍しい種族なのである。
彼女よりさらに小さい子は、不釣り合いなくらい大きな山羊の角を持つ
バフォメット。小麦色の長髪をツインテールにしていて、
無い胸を反らせて自信満々に入室してきている。




ファーリル「あ、ごめん。煙の位置を女の子たちの方に合わせちゃったみたい。」

ルシア「わざと!?わざとだよね!?顔面にクリーンヒットしたんだけど!」


エル「こらこら放送作家。戦友相手に本日二度目の出落ち仕掛けてんじゃねぇよ。」

アーシェ「だ、大丈夫か兄様!」

ルシア「あ…うん大丈夫、ちょっとむせただけだから。」

フィス「ダメですよ!私の許可なくルー君いじめちゃ!めっ!」

フィーネ「許可あればいいの?」

フィス「場合によってはありで。」

ルシア「いやいや、そこは無しにしてほしいな…」


エル「ほんじゃあ改めて紹介致しやしょう。本日ここに来られやしたのは、
   星村空理様の小説『忘却少年と神隠しの少女』より、ルシア・ファルロス殿―」

ルシア「よろしく。」

エル「そして、ルシア殿の二人の恋人…
   アリスのフィス・アーコット女史とバフォメットのアーシェ・ミラー女史」

アーシェ「どもどもなのじゃ。」

フィス「じょしってなーに?」

ルシア「女性への敬称だけど、フィスやアーシェに女史って何か違和感があるなぁ。
    あと、僕にも『殿』って敬称似合わないかも。」

フィーネ「あっはは、たしかにそうだよね!」

エル「で、こうして初めて三人もの戦友を迎えたわけなんでございやすが、
   その編成が男一人とその恋人二人ときた。」

ルシア「えっと、その…迷惑だった?」

フィーネ「そんなことないよ、むしろロリっ子二人をたぶらかすとは、
     なかなか凄いんじゃないかな!」

ルシア「ち、違います!たぶらかしてなんかいませんよ!」

アーシェ「そうじゃ!これはワシら二人の合意の上……って
     このやり取り、身に覚えがあるのじゃが。」

ルシア「え、そうだっけ?」

フィス「そうそう、少し前にフミフミ☆ラジオでもこんなことがあったわ。」

アーシェ「兄様よ、また忘れておったな。いい思い出じゃったというのに。」

ルシア「ごめん…、そう言えばなんとなくそんなことがあった様な…」

エル「その時はどんな放送だったんですかぃ?」

フィーネ「楽しい番組だったら私もゲストとして出してもらいたいね。」

フィス「えーっと確かその時は自己紹介して、それから………、……、
    ルー君、やっぱ思い出さなくてもいいわ。」

ルシア「何で!?なんかあったっけ?」

アーシェ「まったく、あのカラステングはとんでもない奴じゃった。
     この番組でも同じことするようなら焼き討ちしてやるのじゃ。」

エル「知るかってんだべらぼうめ。」

フィス「ねぇ、あなたがその…エルさんでいいのよね。」

エル「おうよ。」

フィーネ「私が妹のフィーネだよ。」

アーシェ「うむ、お主はいつもこんな乱暴な喋り方なのか?」

フィーネ「ううん、これは冒頭からこういうふうに喋れって言われてるからやってるだけ。
     いつもはこう口に手を当てて『水着がないなら裸で泳げばいいじゃない♪』
     みたいなかんじで。」

エル「でたらめ言うんじゃねぇやい!普段はきちんとした男口調でい!」

フィス「あはは、そうなんだ。いやさ、前この番組に来た星村君いるじゃない、
    あの子から『エルさんは女の子扱いすると泣いちゃうから気をつけてね』
    って言われたから、わたしてっきり結構気の弱い人なのかと思ってたわ。」

エル「あんちくしょう、俺をなんだと思ってやがる。
   傷つくのは事実だけどよう…」

フィーネ「以上、毎度おなじみにいさんのコンプレックスでした。次のコーナー行きまーす。」




ファーリル「おーい、三人の自己紹介まだだよ」

ルシア「え?そうでしたっけ?結構いろいろ話していた気がするけど。」

フィーネ「関係ない話ばっかりしてたかな。」



ルシア「えっと、じゃあ改めてエルさんフィーネさんこんにちは。
    ルシア・ファルロスと申します。以後お見知りおき下さい。
    一応『忘却少年と神隠しの少女』の主人公ってことになってます。」

フィス「一応…じゃなくてちゃんとした主人公でしょうが。」

ルシア「ごめんごめん。作品内では幼馴染のフィスを探すためにあっちいったりこっちいったり
    してたんだけど、わけあってアーシェにも手伝ってもらいました。
    詳しい経過は小説を見てもらうと分かるけど、今はラインの街で三人仲良く暮らしてます。
    戦う力は全然ないんだけど、前までは『レテ』っていう魔法(特殊能力に近い)で
    相手の記憶を一時的に消すことで難を逃れていましたが、弊害として物忘れがひどくて。
    今はもうその能力は無くなって、特に生活に支障はきたさなくなりました。
    現在17歳の未成年ですのでお酒は飲めません。」

エル「なるほど、17歳ねぇ……でも俺より身長が長げぇや。」

フィス「はーい、次は私フィス・アルコットです。種族はアリスで、ルー君より年上の20歳♪
    実は私前までちょっとした呪いにかかって、無作為にあっちこっち飛ばされてたんだけど、
    この度ようやく呪いが解けて、晴れてルー君のそばにずっといられるようになりました!」

フィーネ「フィスちゃんってなかなか可愛い服着てきてるよね。いわゆるゴスロリってやつかな。
     いつもそんな服着てるの?それとも今日特別?」

フィス「そうそう、この服は新調したばっかりだけど、私はいつもこーゆー服着てます。
    これでルー君の視線を少しでも一人占めにできればと思っています!」

アーシェ「ふん、服を着飾るなど自分の身体に自信が持てぬ証拠じゃ。」

フィス「なんですって!?アーシェこそいつもスッポンポンぎりぎりの服しか着ないじゃん。」

アーシェ「なんつー色っぽくない表現するのじゃ。露出度が高いとかセクシーとか言うじゃろうに。
    おっと、ワシはアーシェ・ミラーと申す。とってもバフォメットらしいバフォメットじゃ。
    未熟者ゆえまだ自前のサバトを持っておらぬが、いつかは自分のサバトを持つのが夢じゃ。」

フィーネ「未熟って言ってるけど、小説見た限りだと少なくともユリアお姉ちゃんより強いよね。」

アーシェ「そうなのか?ユリア殿とは放送前に少しだけ話したぞ。
     まあ、わしも知り合いにむちゃくちゃ強いエンジェルがいてな…
     少なくともあ奴と互角くらいに戦えるようにならんとな。」

ルシア「強くなるのもいいけどあまり無理しないでねアーシェ。」

アーシェ「わかってるのじゃ♪なにはともあれルシアがそばにいてくれるのが一番嬉しいのじゃ♪」

エル「あんたらを見てると…なんつうか恋人同士っていうより
   子供とその保護者にしか見えないのはあっしだけかねぇ。」

フィス&アーシェ『酷い!?』

フィーネ「綺麗に落ちが付いたところで、今度こそ次のコーナー行くよー!」






―――――『探求の羽』――――――




エル「てやんでい!このコーナーは本編「英雄の羽」に対する
   疑問質問に、深いものから、しょうもないものまで、
   探求していくコーナーでぃ!」

フィーネ「はーい、じゃあ兄さんに何か質問ある人〜」


三人『はーい!』


フィーネ「じゃあルシアさんから順に。」

ルシア「えっと、好きな食べ物は?」

エル「砂糖。」

フィス「趣味は?」

エル「お菓子作り。」

アーシェ「月給は?」

エル「10000コール/月。」

フィーネ「本当にどうしようもない質問ばっかだね(汗)
     っていうかにいさん、そんなにいっぱいお給料もらってるんだ…」

ルシア「う〜ん、あらかじめ質問とか考えてくるべきだった……」

アーシェ「殆ど一行で応えられる質問ばっかりじゃったからな。」

フィス「難しい質問かぁ………」

エル「おいおい、別に無理する必要はありやせんぜ。」

フィーネ「じゃあ改めてにいさんに質問があるひとーー!」


フィス&アーシェ『はーい!』

ルシア「僕はパスで…。」


フィーネ「今度はアーシェちゃんから。」

アーシェ「ずばり、ユリアさんとはいつになったら結婚するのじゃ?」

エル「…ぇ?」

フィス「っていうか《P》する予定あるの?」

エル「お、教えられるかってんだべらぼうめぃ!」

アーシェ「ははーん、これは可能性濃厚じゃのう。」

フィス「時間の問題かもね♪」

エル「ええい、これ以上はネタバレになっから禁則事項でぃ!
   フィーネもきちんと進行しやがれ!」

フィーネ「最近このコーナーちょっとマンネリ気味だからね。
    じゃあお便り紹介するよ!まずはヴァル=フレイヤさんからいただきました!」

ルシア「ヴァル=フレイヤさんって……あの?」

エル「ヘビーリスナーの一人でございやす。」



ヴァル=フレイヤ:キャラクターの名前はどうやって決めているのか、教えて下さい



フィーネ「実はこの前ね、フレイヤさんがやってるラジオ番組に同じ質問を投稿したんだ。」

フィス「それがこっちにも返って来たわけね。」(注:勝手にそういう設定にしています。)

ルシア「んー、そもそも英雄の羽って今何人くらいキャラクターがいるんだっけ?」

エル「現在名前が判明しているキャラは約120人くらいでさぁ。
   その他の作品を合わせると150人をぶっ越えるんだなこれが。」

アーシェ「それだけ多いと名付けるのもさぞ大変じゃろうな………」

フィーネ「ところがそうでもないんだよね。名前付ける方法ならいくつかあるから、
     あとはキャラの役割によって調整すればOKってわけなんだよね。
     じゃあここで参謀本部が使ってる方法をいくつか紹介するよ。」


1:完全に自作
頭にひらめいた名前をそのまま使う。今はまだ多くないが、ジパング人が絡めば増えるかも。

該当者例
・エルクハルト…完全オリジナル。でもググるとちょっとおもしろい結果が出る。
・アルレイン…通称アル爺。そもそも英雄の羽の真の主人公はこの人…だった。
・フィーネルハイト…基本クレールヘン一家はオリジナル名。そのなかでも特に長い名前。
・レミィ…愛称っぽいけど実は名前…みたいな付け方をした例。
・ルーシェント…後で調べたら英語で『輝く』という意味があった。お気に入りキャラの一人。
・ジークニヒト…なんというかとても渋い名前。早々にロストさせたが…
・ラヴィア…ミゼラブルフェイトでラスボスを務めた人物。女っぽい名前。
・クラリッサ…読み切りのヒロイン。結構メジャーな名前だが、特に参照した資料は無い。


2:ゲームや漫画などから
キャラのもろパクリはなるべく避けているものの、やはり出典はここが一番多い……
分かる人は分かると思うが、全部分かる人はさすがにいないと思う。

出典例
・ファイアーエムブレムシリーズから。
ユリア、サン、レベッカ、エレノア……など。

毎回おなじみの手ごわいSRPG。本家と設定が似ているキャラが多い。
もっとも出典が多い…かと思いきや実はさほど多くなかった。


・アトリエ錬金術師シリーズから。
ヴィオラート、ユング、エナーシア、アロン……など。

アトリエシリーズのキャラはドイツ名傾向なので結構使いやすい。
中でもヴィオラートは…どうしてこうなった?


・コーセルテルの竜術師物語シリーズから。
フェルリ、カーター、マリエル、シオリア……など。

結構マイナーな漫画で、なおかつキャラ名が秀逸なのでもっとも出典が多い。
ちなみにユニースはこれの二次創作に出てきたキャラの名前。
ドラゴン娘大好きな方には是非お勧めしたい。


・それ以外の出典
マティルダ、ソラト、シャナ……ライトノベル『灼眼のシャナ』より。
ジョゼ、バートン、ブリジット…フリーゲーム『Almagest』より。
ベルカ、リッツ、サエ……18禁ゲームから。
リリシア……ライトノベル『生徒会の一存』より。
フェデリカ、カーミラ、ドロテア…小説『ドン・キホーテ』より。

上記以外にもあるが、ここでは割愛。


3:ランダムネームジェネレータ(RNG)
「RNGで遊ぼう」でおなじみの迷ソフトを使った名付け方。
偶に結構いい名前が出ることもある、が…

該当者例
・ラーラリア…読み切りのヒロイン。そのくらいの役が丁度いいかも。
・ヘルレイセン…やられ役だった人。名前自体はかっこいい。
・ラッドレー…役人。有名な兵器にブラッドレーというのがあるが…
・リトヴァ…失われたハッピーエンドのIFに出てくる侍女頭。


4:上記のどれにも当てはまらない者
単語だったり、出典が特殊な人だったり

該当者例
・ケルゼン…歴史上の法学者の名前。経済学のテストに出るよ
・インゼルメイア…ドイツ語でインゼル(島) メイア(海)
・ミーティア…ギリシャ語で『隕石』
・セグメト…エジプト神話の神の一柱
・バーミリオン…朱色のこと
・ノワール…本名ノワール(闇)・カース(呪い)=ヴィケット(邪悪)
・マントイフェル…直訳すると「悪魔男」。実際にこういう苗字がある
・ノクロス…動画『ノクロス開発史』より。No more crossのもじり。



フィス「わー…………複雑。」

エル「あっしらも、ここまでやらんでもと思いまっさぁ。」

フィーネ「嬉々としてこういう表を作っちゃうのが
     参謀本部の悪い癖だよね。誰得なのかって。」

ルシア「…でもいいんじゃない?こんなに一杯付け方があるんだってわかって。」

アーシェ「名付けるというのは即ち命を作ることじゃからな。
     悩むことであると同時に、楽しいことでもあるの。
     ところで一つ気になったのじゃが、エルさんの名前でググると
     面白い結果が出るというのはどういうことなのじゃ?」

フィーネ「ああ、これね。ネット上にはにいさん以外にも
    『エルクハルト』っていう名前のキャラがいるのか調べてみたんだ。」

ルシア「それで、いたの?」

フィーネ「一人だけいたよ。その名も『アメシス・エルクハルト』ちゃん16歳!
     それと驚くことにこの子エンジェルなんだって。背中に羽があるよ。」

フィス「こっちは苗字がエルちゃんなのね。それにエンジェルかぁ…
    何と言うか凄い偶然。」

フィーネ「そんなエルクハルトちゃんは大きな学園で剣術を習ってます。
     この子の一家は優秀な人材を多数輩出する名家で、
     兄弟姉妹全員が優秀な人たちなのに対して、アメシスちゃんは
     何事も並み以下の才能しか持てなかったんだって。」

アーシェ「むぅ…何やら他人事のように思えんのじゃが。」

フィーネ「でも家族みんな、そんなこと気にせず優しく接してくれるから
    なんかそれが逆に劣等感らしいの。だから、少しでも強くなろうと
    すっごい真面目でまめな子になったんだって。
    ただ、頑張りすぎて空回りしたりすることも多いみたいだけど。」

ルシア「うーん…そこのところはエルさんと真逆だよね。
    エルさんって何でもできるし、適度にはっちゃけてるし。」

エル「へっ、まあな。」

フィーネ「むしろにいさんは、強すぎて逆に叩かれる寸前だと思うんだけどな。
     それがあるからラジオではいじられてるんだからね。」

エル「何とでも言いやがれってんだ。」

アーシェ「むしろそれくらい強くなければ、戦争でリーダーとして
     活躍できんのじゃろう。少なくともわしら魔物を相手するにはな。」

フィーネ「あと、にいさんの名前でかの有名な『うそこメーカー』で遊んでみたら…」


・エルクハルト状態…ちょっと美味しい物を食べただけでもの凄く幸せになれる様子
・細胞メーカー…全体の8割が糖分
・エルが恋人に求める条件…1位「非暴力」
・ノーベル自由賞受賞
・書き初めで「美少女」
・願い事は「ずっと若さを保てますように」
・エルクハルトマンションの住人は全員が女性
・座右の銘「同情と愛情の違いをおしえてくれ」
・輪廻転生図…前世はセクシーな古代ギリシャ人。二回ほどドイツ人の飼い犬。


ルシア「ちょwwwおまwww」

フィス「あっははははははははは!なにこれすごい!」

アーシェ「なぜここまで的確にネタを振れるのじゃ!わしを笑い殺す気か!」

エル「………おはずかしい限りでさぁ。」



フィーネ「次の質問だよ。ラジオネーム『英雄・漆黒の魔剣士』さん!」

ルシア「いつかペンネームを後悔する日が来ないことを祈るよ…」



英雄・漆黒の魔剣士:
パーソナリティーの諸姉、そして戦友諸君ごきげんよう。


全員『ごきげんよう』


英雄・漆黒の魔剣士:ふっ…俺か?俺は英雄の血を引く伝説の魔剣士だ。


全員『知らんがな』


英雄・漆黒の魔剣士:
さて、古今東西、魔王を討とうとする勇者たちは何かしらの伝説の武器を装備している。
普通の武器では奴らに太刀打ちすることは到底出来まい。
エル司令官率いる十字軍はこれからも何度か魔物と戦うことになると思うが、
そのためにはやはり聖剣や魔槍といった伝説の武器が不可欠だろう。
さぞかし強くてかっこいい伝説の武器を持っているに違いない。
その秘めたる力をこの場で解放してはくれないだろうか。期待してるぜ。


フィーネ「わ〜、今までになく長いお便りだったね。」

アーシェ「こういうお便りが来ると、なかなかラジオっぽく感じるのう。」

ルシア「内容はアレだけど。」

フィス「そんなあなたにはこれがお勧め!
    ぱらららっぱら〜〜ん♪ルー君特製『邪鬼眼消しゴム』〜〜!
    これは世の人一人当たり三つはあると言うヤバイ過去を
    きれいさっぱり消してくれる超ありがたアイテム♪
    オリジナル呪文の詠唱が書かれたノートや、
    思春期全開の俺キャラ設定や、 思い出すと三日は悶える
    決め台詞などを世界から消してくれるのよ。
    代表的なところで 『伝説の勇者の血を引いている』
   『闇社会では名の知れたハンター』『俺、専属メイド』
    などの黒歴史は蓄積されたノウハウで二秒でホワイトアウッ!
    お求めは貿易都市ライン・雑貨『アルケミー』にて!
    定価は150円と大変お求め安くなってるわ♪」

エル「おっとこいつはすげえや!まさに勝気で見栄っ張りな
   江戸っ子に必須のアイテムじゃねぇか!」

ルシア「あのさフィス…僕そんなアイテム作ったこと無いし、
    何気にエルさんも乗っからないでよ。」

アーシェ「わしもちょっと欲しかったのう。
    それはさておき伝説の武器。こういう作品にはお約束じゃな。
    正直、伝説の武器がたくさん出てきた挙句、威力のインフレを
    起こしてしまうと興ざめじゃが、無ければ無いで詰まらんしのう。」

フィーネ「まあね。せっかくの強敵相手に一般兵と同じ装備で挑むなんて、
    相手する強敵に対して礼儀を欠いてると言わざるを得ないよ。」

フィス「本編では何人か固有名詞が付いてる武器を持ってる人がいるよね。
    まあ全部が全部伝説の剣ってわけじゃないでしょうけど、
    あの中には何本かそういうものが含まれてたりするの?」

エル「いんや、それに近けぇやつはあんだけどよ、
   完全に伝説の武器ってえのは今んところでちゃいねぇな。
   固有名詞が付いている武器は謂わばオーダーメイド品でぃ。
   一応予定としては終盤出てくるつもりだそうだけどよう。」

アーシェ「それもまたお約束よのぅ。」

フィーネ「鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いんってやつだね。
     おっと、まだ全然質問に答えてないね。
     今のところ(第19章現在)では準伝説級の武器があって…」

・輝剣ロイヤルブーケ…所有者:アル爺
耐久20 威力19 命中100 必殺15
追加効果:装備時 防御・魔法防御 5 スキル無効化

・星槍グランヴァリネ…所有者:ユニース
耐久45 威力11 命中80 必殺10
追加効果:三回連続攻撃

・魔斧ゴライアス…所有者:ケルゼン
耐久25 威力24 命中75 必殺30 射程2
追加効果:なし

・妖剣カンパネルラ…所有者:リリシア
耐久30 威力22 命中80 必殺0
追加効果:攻撃対象に隣接している敵にも半分の追加ダメージ


比較
・銀の剣…市販武器の中で威力の高い武器の一つ
耐久30 威力12 命中85 必殺0
追加効果:なし


ルシア「準伝説…まるでポケ○ンみたいだ。
    追加効果がどれくらい強いのかはよく分からないけど、
    数値を見る限りでは市販の武器よりもかなり強そう。」

フィーネ「これらの武器はそれなりの腕がある人ならだれでも使えるよ。」

アーシェ「そこが完全な伝説の武器と違う点じゃな。
     勇者などが持つような聖剣の類は持ち主を選ぶと言われておる。」

エル「ちなみよぅ、上記四つのうち妖剣カンパネルラ以外は
   元々全部アル爺の物だったんでぃ。あとここだけの話、
   輝剣ロイヤルブーケはアル爺が酷使しすぎて一度ブッ壊れたのは秘密でぃ。」

フィーネ「前どこかで話したかもしれないけど、ユリスでは
     図鑑世界で言うところの『勇者』が生まれない土地だから、
     主神様の加護を受けた剣だとかそーゆーのを使える人がいないんだ。」

エル「ユリス人は多神教且つ不信心でぃ。」

ルシア「まあ、僕らからするとなんであんな神様信じてるんだろうって思うけど。」

フィス「しかも伝説の武器持ってたって、結局私たち魔物の誘惑に勝てなくて
    最終的に魔物娘さんの夫になって交尾漬けの一生になるのがオチだわ。」

フィーネ「なので、伝説の魔剣士さんが言うような対サキュバス専用装備
     なんてものはないし、あっても効果があるかどうか。」

アーシェ「女子供まで平気で手をかけるような冷酷な奴には伝説の武器は持てまい。
     しかし心優しき勇者にはワシらのような幼い女子は斬れないじゃろうな。」

エル「図鑑世界っつうのは本当にほのぼのしてらぁ。」

ルシア「ま、どうしてもサキュバスに襲われたくないっていうのなら
   『リザードマンの剣』や『オークの斧』みたいな装備の方が効果的だろうな。」

フィーネ「でも代わりに特定の魔物につかまっちゃう可能性が高いけど。」

ルシア「んー、伝説の武器でも呪われた武器でも結局ここぞというときに大変だし…
    魔王を倒そうなんて本当に夢物語でしかないんじゃない?」

アーシェ「そのとおりなのじゃ!」

フィス「そんなわけでエルさんも魔物相手に戦争するのやめたら?」

エル「てやんでい!やる前から諦めるなんざぁ、江戸っ子の名がすたるってもんよ!」

フィーネ「そんなわけで伝説の魔剣士(笑)さんは納得してくれたかな?
     もう少し物語が進んできたら出てくる可能性があるから、
     その時は要チェックだね!参謀本部はひねくれてるから、
     伝説の武器も一風変わった効果を持ってるよ!」

ルシア「例えばどんなのが?」

フィーネ「不定形武器とか。」

アーシェ「不定形!?スライムのようなものなのじゃろうか…」

エル「おっとそれ以上は秘密でさぁ。」

フィス「むむむ、気になるわね。」



エル「そんなところで、今回の『探求の羽』はお終いでぃ。」

フィス「今日は質問二つしかやらないのかしら。」

フィーネ「ちょっと質問の内容が濃かったから放送時間が足りなくてね。
     一旦休憩をはさんでから次のコーナーに移るよ。」

ルシア「ちょっとツッコミ疲れた。このラジオっていつもこんなノリなの?」

エル「おうよ、今回は比較的おとなしかったほうでぃ。」

フィーネ「私達はプロのパーソナリティーだからね!
     ボケもツッコミも手際よくこなして見せるよ!」

アーシェ「ラジオパーソナリティーには漫才師の素質が必要なのか……」

フィス「じゃ…じゃあ最後に一つだけツッコんでいいかしら。」

エル「どんときやがれ!」

フィス「オープニングの表紙の『覚醒』って…何?」

エル&フィーネ『今更!?』

フィス「え、あれ?」

ルシア「ツッコミいれたはずがボケだった……何を言っているのか(略」

アーシェ「エルさんが女装に『覚醒』したに決まっておろう。」

フィーネ「ちがうよ!にいさんはそっちの方はすでに覚醒済みなんだから!」

エル「そうそう、だからこの場合はよぅ………って何言ってやがんでぃ!」

フィーネ「えー、でも士官学校の時代に一時期本当に女装に『覚醒』してたよね。」

エル「……よし!こんな時こそ邪鬼眼ケシゴムの出番でい!」


ルシア「あはは…なんか展開が早すぎてついていけない……」



後半に続きます
12/06/08 15:21更新 / バーソロミュ
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■作者メッセージ

おまけ


ジャスミン「Hey、ポール大変だ!前回更新と今回更新の間で
      本編は3話しか進んでいないんだ!」

ポール「Oh、大丈夫だよ安心するんだジャスミン。
    この新発売の『邪鬼眼ケシゴム』を使えば
    どんな黒歴史も一晩でピカピカSA!」

ジャスミン「なんだって、そいつはビックリだねポール!」

ポール「そうだろうジャスミン。しかも今なら三個セットで500円SA!」



カーター「誰だお前ら。」

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