連載小説
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第5回 前編
エル&フィーネ『スーパー クレールヘンシスターズ!!はじまるよ!!』


♪OPテーマ『Maiden's Garden』♪









エル「ごきげんよう諸君。俺がエルだ。」

フィーネ「ごきげんようみんな!フィーネです!」

エル「この番組は、連載小説『英雄の羽』を基礎にした特別外伝!」

フィーネ「パーソナリティはクレールヘン兄妹二人がお送りいたします!」



エル「日に日に暑くなり、B−2戦略爆撃機が10機ほど欲しいなと思う今日この頃。
   諸君はいかがお過ごしかな?」

フィーネ「にいさんには過剰威力だと思う。」

エル「仕方ない。ならA-10で我慢するか。
   それはともかく、最近は執筆活動の幅が増えて連載を複数抱えこんでしまってるな。」

フィーネ「本当はもっと色々なネタがあるんだけど、これ以上はさすがにね……
     一応参謀本部もなるべく計画的に話を書きすすめて行く予定です。」

エル「ならばこの辺りで水子供養するか?」

フィーネ「水子じゃないよ!子宮が足りないだけだって。」

エル「子宮が足りないって、おい……
   やりたいのは山々だが、一つずつ終わらせていかないとな。」

フィーネ「予定では英雄の羽が終わるのには少なくとも2年はかかるって。」

エル「2年か。俺たちからすればあっという間だが、恐ろしく長いな。」

フィーネ「ちなみに今のところ余計なことを考えなければ全70話を予定しているそうです。」

エル「うむ、俄然やる気がわいてきた。70話でどこまで征服できるか、楽しみだ。」


???「征服される身にもなれー!!」


エル「ん?今の声は誰だ?」

フィーネ「さあ?気にしないで始めよっか。
     この番組はロンドネル公営放送により、参謀本部からお送りいたします!」






―――――『今日の戦友!!』―――――





エル「戦友……、つまりゲスト紹介のコーナーだ。」

フィーネ「前回は『喫茶店:アーネンエルベ』から
     星村空理君と立宮美核さんが来てくれました!」

エル「で、今回は久々にゲストは一人だそうだ。それも魔物一人。」

フィーネ「何気に魔物単体は今回が初めてだね。一体どうなるんだろう?」

エル「それでは!本日のゲストはノワール=カース=ウィケッドさんです!どうぞ!」



ヒュウウゥゥン!!




ノワール「こんにちはみなさん!!ノワール=カース=ウィケッドと申します!!
     優しさが自慢で、ちょっとドジですが…よろしくお願いします!!」

フィーネ「ちょっ!?転移魔法で入ってきた!!」

エル「ああ…さすがの俺も少し驚いた。」

ノワール「ご、ごめんなさい!私こういった場は初めてなものですからインパクトを出そうと。」



扉を無視して転移してきたのは白銀の髪で白い肌、
濃い紅色の瞳が特徴のヴァンパイアだった。
着ている服もまた赤と黒を基調にした、
派手すぎず、地味すぎずのバランスが取れたゴシック調だ。


エル「今日は遠いところをわざわざご苦労。盛大に歓迎しよう。」

フィーネ「クレシスへようこそ!」

ノワール「こちらこそ、お招きいただき感謝します!ところで、私の席はどちらに?」

エル「席は俺たちの対面の椅子を使ってくれ。二つあると思うが好きな方でいいぞ。」

ノワール「そうですね…エルさんの前にします。おじゃまします!」


ブチッ


ノワール「?」

フィーネ「どうかしたの?」

ノワール「いえ、何か引っかかったような気がしたのですが…気のせいでしょう。」

エル「じゃあ自己紹介を……そう言えばさっきやったな。」

ノワール「あ…確か自己紹介は席に着いてからするんでしたよね(汗」

フィーネ「この際細かい順番は気にいない気にしない!」

ノワール「すみませんね…どうも少し緊張してしまって。」

フィーネ「いいのいいの!そのうち慣れると思うよ!」

エル「…そういえば、ノワールさんは小説に登場するのは今回が初めてだそうだな。」

ノワール「はい!ですから、今回の収録はある意味私の人生を左右します!」

フィーネ「私達責任重大だ!?」

ノワール「なので、頑張ってキャラ作りしていきます!よろしくお願いしますわ!」



エル「あ、そうそう。今放送作家から聞いたんだが、どうやらもう一人ゲストが来るらしい。」

ノワール「へ?私以外にも誰か来るのですか?」

フィーネ「それで今回も椅子が四つあるんだね。でも私はもう一人来るって聞いてないんだけど。」

エル「じゃあ、今回もう一人のゲスト、どうぞ!」



ヒュウウゥゥン!!


ヴィオラ「この世に闇がある限り、光も消えぬというのなら。
     残った光も私がすべて、淫堕の光に変えて見せよう。
     秀麗なる魔界のプリンセス!ヴィオラート参上!
     ………………ふっ、決まった。」

ノワール「あ!ヴィオラちゃん!」

フィーネ「もう一人のゲストってヴィオラさんだったんだ…
     しかも登場の仕方が被ったね。」

ヴィオラ「やっほーノワちゃん!私も来ちゃった!あ、そうそう、自己紹介しなきゃね。
     私はヴィオラート・ステルラ・ローラント。ヴィオラって呼んでもいいわよ。
     種族はリリムなの!魔界最強の魔物なんだからね!崇めるといいわ!!
     今は連載小説『あなたがほしい』の主人公にしてヒロインをやってるわ!」

ノワール「ヴィオラちゃんと私は小さいころからの親友です。」

エル「親友か。だが、外見を見ると親友と言うよりも姉妹に見えるな。」

ヴィオラ「確かに、それはよく言われることね。」

ノワール「そもそも私の外見がリリム種族によく似てますからね。
     場合によっては影武者も務められます。
     ちなみに、見分ける方法は八重歯の大きさで一目瞭然です。」

フィーネ「あ、牙じゃなくて八重歯だったんだね。」



ヴィオラ「で、私の席はノワちゃんの隣でいいのね。」

ノワール「よろしくねヴィオラちゃん!」

エル「おや?ヴィオラさんの声が少し聞き取りにくい気が……?」

ヴィオラ「え、うそ?……なんか私の声があまり聞こえてない!?
     ちょっと!なんでよ!これじゃ私の美声がリスナーに届かないじゃない!!
     きっとこれは誰かの陰謀よ!私を貶める陰謀よ!責任者出てこぉぉぉい!!」


フィーネ「もしかしてマイクが機能してない?」

ノワール「む!これは事件の予感がします!一体だれが……」



ユリア「あら…ヴィオラさん。マイクの電源コードが抜けてますよ。」



ヴィオラ「電源コード?………、…、あ、ホントだ!」


ブツゥゥン……


ヴィオラ「あーあー、本日も性天なり性天なりー、餅はアベカワにかぎるわー」

エル「どうやら直ったようだな。おいファーリル!きちんとセットしておけよ!」

ノワール「あのー、もしかしてさっき私が引っかけた気がしたのは」

一同『…………………』


ヴィオラ「犯人はノワちゃんだったーー!!」

ノワール「ご、ごめんなさいぃぃ!!許して〜〜!!」

ヴィオラ「美核ちゃんの物真似したら許してあげるわ。」

エル「なんで前回ゲストの美核さん?」

ノワール『べ、別に…空理のことなんか…なんともおもってないんだからね!!』

ヴィオラ「GJ!!」

フィーネ「それでいいんだ……」


ヴィオラ「そんなわけで、私の機嫌が直ったので今日はこれを持ってきましたー!」

エル「ほう、赤ワインか。」

ノワール「さすがヴィオラちゃん!赤ワインって私の大好物じゃないですか!」

フィーネ「お酒かー…収録中に飲んじゃっていいのかな?」

ヴィオラ「気にすることはないわよ!さ、さ、まずは一献…」

ノワール「うわ〜、いい香りがするわね。これってもしかしてサンタルス産?」

エル「匂いだけで分かるのか。ソムリエかお前は。」



ヴィオラートが持ってきたワインが全員のグラスに行き渡る。





エル「それじゃあ、今回の収録の成功を祈願して…乾杯!!」

一同『カンパーイ!!』


ガチャーン!!



ヴィオラ「ごくっ…ごくっ…プハーッ!この一杯のために《フォイア!》しているのよね!!」

ノワール「ヴィオラちゃん、《ファイエル!》するときはそんなこと言わないよね?
     あー…それにしても美味しいワインですわ。この味は血液に勝るとも劣らない…」

エル「おーいファーリル。ついでだからなんか肴持ってきてくれないか?」



フィーネ「ゲストがそろったところで、次のコーナー行くよ!!」




―――――『今日のエル縛りプレイ』――――――





フィーネ「チートすぎるにいさんに、
     リスナーの皆さんから縛りを要求してもらうコーナーです!」

エル「前回は色々な意味で大変だったな。まさかリアルで製作費がかかるとは思わなかった。」

ノワール「それにしてはなんか色々残念な感じがぬぐえないような気がします。」

エル「うむ…面目ない。」

ヴィオラ「そいじゃあ、今回はどんな縛りを見せてくれるのかな?
     何しろエルさんは縛られるのが好きな真性マゾヒストだからね!」

エル「やかましい。
   俺だって好きでこのコーナーやってるわけじゃないんだぞ。俺のケツを舐めろ!」



フィーネ「そんなドMなにいさんに対する今回の縛りはこちら!」

エル「フィーネまでドM言うな!」

フィーネ「ラジオネーム『デルフィニックドラグーン』さんから!」



デルフィニックドラグーン:カーター将軍のようなサディスティックになりきってみないか?



エル「ほほう……(キラーン!)」

フィ&ノワ&ヴィ『げっ!?』

フィーネ「これ全然縛りになってなーい!」

ノワール「縛るどころか私達の身が危ないのでは!?」

ヴィオラ「だ、大丈夫よ!私だってS属性なんだから、どうってことはない…と思う。」


エル「うむ。まずは口調を変えなくていいだけありがたいな。
   だがこの時点ですでに縛りプレイは始まっているのだ。
   それ故、内容には忠実に従わねばならん。」

フィーネ「何をする気なのかな…?」

エル「まずはノワールさん。」

ノワール「は、はい。何でしょうか?」

エル「貴女にはこれを贈呈。ラジオネーム『剣道34級』氏から。」

ヴィオラ「級は数字が大きいと弱いの分かってるのかしら……
     いえ、それはともかくこれはもしや……」



剣道34級:事あるごとにいちいちかっこつける



ノワール「これを私にやれと!?」

エル「うむ。今まで縛られてきたのは俺だけだったからな。今回に限ってゲストも縛る!」

ノワール「ふっ…いいでしょう。こう見えても私はどこかの行動派リリムよりかは
     優秀であることを自負しています。心配は無用かと。(…いいのかな?)」

ヴィオラ「ちょっ、ノワちゃん!?」

エル「そう。その調子で『このノワールがうざい2011』が
   開催されるくらい頑張ってくれたまえ。」

ノワール「む、無理〜〜!!格好つけるとか人生で数度しかなかったのに〜!」

フィーネ「いや、それはそれで謙虚すぎじゃないかな…」

エル「次にヴィオラ女史にはこれを贈呈しよう。ありがたく受け取るといい。」

ヴィオラ「ありがたくねーー!!ふん、まあいいわ…えっと
     ラジオネーム『白鷺』さんから。」


白鷺:故意的に誤字を使って話を聞き取りづらくする



ヴィオラ「魚おおぉぉぉぉい!!上段じゃ名井わよ!!
     せっかく猊酢斗として東条した乃に、これじゃ渡しの魅緑が戟玄だわ!!」

エル「思った以上にややっこしいことになってるな。」

ノワール「変換機能が混乱を起こしそうね…。がんばってねヴィオラちゃん。」

ヴィオラ「鵜わぁぁぁん!!」


エル「さてと、次は…」

フィーネ「………(まずい!私まで縛られる!)」



エル「リスナーからお便りが届いている。早速紹介しようじゃないか。」

フィーネ「え…あれ?私はいいの?」

エル「お前は一人だけネタを被せられない疎外感を味わうといい。」

フィーネ「ひどいっ!!」

ノワール「逆転の発想ですね…。では、せっかくなので私が読ませていただきます。
     ラジオネーム『伊東一等斎』さんからいただきました。
     ふふっ…私にお便りを読んでもらえて、さぞかし幸せでしょうね。」


伊東一等斎:リスナーのお二人と、ゲストのみなさん。ご機嫌麗しゅう存じます。
      我が故郷日の本ではこの時期にとある年中行事が行われます。
      その行事は『七夕』と呼ばれ、神話の時代から続く風習に従い
      大きな笹を用意し、飾りつけをするとともに
      『短冊』と呼ばれる長方形の紙に和歌を書いて奉納したり
      願い事を書くなどして、今後のますますの発展を祈願するのです。
      ユリスにはそのような風習がないと聞き及んでおりますので、
      是非とも『七夕』を楽しんでみてはいかがでしょうか。


ノワール「たなばた…ですか。聞いたことだけはあるのですが、どんなものなのでしょう?」

ヴィオラ「わ足しは尻手るわよ。九郎せずに追い志位ものがて似は居るっていう阿礼でしょ。」

エル「それは『たなぼた(棚から牡丹餅)』だろ。」

フィーネ「私もよく知らないけど、なにはともあれ笹が必要なんでしょ。あるの?」



ガラッ!



ケルゼン「おうお前ら、喜べ!笹を持ってきてやったぞ!」


バサッ…バサッ…


ノワール「本当に笹が運ばれてきましたね!」

エル「こんなこともあろうかと、ケルゼン様に笹を持ってきてもらうよう言っておいた。」

ノワール「この人上司をパシらせてますよ!?いくらなんでも酷いんじゃないでしょうか!?」

エル「いいんだ。ケルゼン様の半分はお人好しで出来てるからな。
   さて、早速だが短冊も用意されたことだし、好きな願い事を書いていこう。」

フィーネ「何で願い事を書くと叶うって言われてるのかな?」

ヴィオラ「銅やら、乾しが音がいを佳苗て呉るらしい和。……苦っ、放しにくい倭ね…」

ノワール「お願いごと。なににしようかしら?……ふんふふん♪ふん…ふふんふん♪
     夜空を駆ける流れ星を今、見つけられたら何を祈るだろ〜♪」




※ただいま願い事を書いています。しばらくお待ちください。





フィーネ「できましたー!」

エル「では、全員包み隠さず公開してもらおう。」

ノワール「ふふっ…私の願い事を見て腰を抜かさないようにね。」

ヴィオラ「確固つける帆ど、すご威ものなの歌詞ら…」

エル「自信満々だな。まずはノワールさんから。」




『赤ワインがもう一本飲みたい』

『出来ればエルさんの血も飲みたい』


エル「明らか願望というより要求なんだが!」

ヴィオラ「総入れ歯…ノワちゃんは項み得ても酒ごう・結合なのよね…」

フィーネ「そういえばさっき開けたワインがもうない!」

ノワール「いやですわヴィオラちゃん。結合じゃなくて血豪ですわ。」

エル「飲む血の量が多いとは…人間にとって恐怖の的だな。」

ノワール「そんなわけで、私はもう一本ワインを所望しますっ!」

ヴィオラ「わ勝ってるわよ、想くると面ってもう白本用意してきたわ!」

フィーネ「白本…百から一をとって九十九本ってことね。」

ノワール「うまいっ!ヴィオラちゃんに座布団一枚!!」

エル「ノワールさん、もしかして酔っ払ってきてるか?」

ノワール「いえいえ…少し強気になるだけです。それよりも…
     エルさんの血も飲みたいんですが。」

エル「バトルで勝ったら考えないこともないぞ。」

ノワール「ふっ…俄然やる気がわいてきましたね!首を洗って待ってて下さいね!」

エル「簡単に勝てると思うなよ。ま、それはともかく次はヴィオラさんの短冊を公開。」




『世界征服』

『ユン君と≪検閲削除≫して≪検閲削除≫して≪検閲削除≫な≪検閲削除≫の人生を送る』



フィーネ「ちょっ!?一つ目と二つ目のギャップが激しい!」

エル「ユン君というのは…お前の物語に出てくる攻略対象の男の子のことだったな。
   そいつを攻略するのは世界征服と同じくらい大変なのか?」

ヴィオラ「うっ…そ、損な子とはないわよ!是れは砂わ血、私の黙ひょうみたい奈ものよ!」

ノワール「要するに神頼みじゃなくて自力で何とかしますっていう宣言のようですね。
     あと、これは公共放送ですからあまり過激なこと書くと
     検閲削除されちゃうかもしれませんね。」

フィーネ「いや、もう手遅れだと思う…。短冊にこれほど淫語を書く人は
     ヴィオラさんくらいじゃないかな?」

ヴィオラ「天岩!真貝のサキュ馬酢は民なコンナ漢字よ!」

エル「腐ってやがる…」

ノワール「じゃあそう言うエルさんはどんな感じかな?」



『百戦百勝』

『変声期早く来い!』


ノワール「百戦百勝は分かりますけど、エルさんってもう変声期は絶望的だと思いますわ。」

エル「…まあ、もう22歳だからな……。だが、諦めたらそこで終わりだ!」

フィーネ「往生際が悪いよにいさん。寧ろにいさんはずっと女性声じゃないとね!」

ヴィオラ「得るさんは私情斉京の阿瑠婦になるそ疾が或わね!
     真央う群はい津でも獲るさんの間藻の香を姦ゲイしてるわよ!」

エル「その世界で最も忌まわしき魔物の名前を出さないでくれるか…」

ノワール「案外時間の問題だったりして。」

フィーネ「最後は私だね。」



『出番が増えますように』

『能力が全部カンストしますように』



ヴィオラ「ネガい語とが取ってもmetaだわ!」

フィーネ「私の出番はまだか―!!」

エル「しかも能力フルカンとか…ドーピングに何千万コールつぎ込む気だ?」

フィーネ「私フルカンに大金がかかるほど成長率低くないよ!たぶん!」

エル「あと、体格までカンストする気か?たくさん食べて大きくなれよ。」

フィーネ「体格はいらないよ!」

ノワール「フィーネさんは現在体格はおいくつなんですか?」

フィーネ「軍事機密です!!」


エル「これが俺たち四人の体格表だ。」


  名前     体格値   実際の身長

エルクハルト    9      172.6

フィーネルハイト  7      167.3

ノワール・C・ヴィケット   9      174.1

ヴィオラート    8      170.0


※体格には体重も関係ありますが、体重情報は女性機密につき秘匿。


ヴィオラ「甲みる都、わた詩たち余りた烏賊く差が名井わね。
     隊各が地異差異と他くする再にふ弁なんだ毛ど。」

エル「ちなみに体格値とはFEでユニットの大きさを表す指標だ。
   大きいと武器を持つ時負担が少なかったり、味方を救出しやすかったりする。
   逆に小さいと味方に救出してもらいやすい。」

ノワール「一方魔物側だと力or魔力が相手の体格より大きくないと、
     男性を無理やり連れ去って《俺のケツを舐めろ!》ができませんわ。
     なので非力な魔物だとガチムチな男性を捕獲することは困難です。」

フィーネ「とにかく!私は体格と機動力以外の全パラメーター
     (力・魔力・技・速さ・防御・魔法防御・幸運・武器熟練度)を
     なるべくドーピングなしでカンストさせてみせる!」

ノワール「頑張ってくださいね!フィーネさん!
     ま、私はヴァンパイアですので、あまりにも能力上限が高いものですから
     フィーネさんと違ってカンストは難しいのです。」

フィーネ「わ、私だって意外と上限値高いもん!大変なんだから!」

ヴィオラ「渡しだって巻けて射られないわ!
     利里無の政調律の鷹さ、重い汁がいいわ!」


エル「俺はすでにいろいろカンストしてるから関係ないな。
   ではそろそろ次のコーナーに移るとしよう。」







―――――『探求の羽』――――――




エル「このコーナーは本編「英雄の羽」に対する
   疑問質問に、深いものから、しょうもないものまで、探求していくコーナーだ。
   今回は一体どのようなしょうもない質問が届いているのかな?」

ノワール「いきなりリスナーさんたちに対して上から目線とは…」

ヴィオラ「みんなが気になるのは何かな?私の美しさの否決かしら?
     それとも今まで積み重ねてきた武勇伝とか?」

ノワール「あれ?ヴィオラちゃん、口調を元に戻したの?」

フィーネ「えーっと…全部アレだと読みにくいので少し変更して
     『台詞を一度に全文書いて、変換調整しない』縛りにしました。」

ヴィオラ「結局私のセリフは誤字脱字だらけか〜〜!!」

エル「アホみたいに読みにくかったのがだいぶすっきりしたな。」

ヴィオラ「アホ言うな!!」

ノワール「はーい、みなさん。さっきまで肴がスモークチーズだけだったけど
     ユリアさんが生ハム持ってきてくれました!食べましょ!食べましょ!」

フィーネ「わーい!生ハムだー!しかも5種類もある!」

ヴィオラ「私これに詩よっと!」


エル「……まあいい。まずは一通目のお便り。
   ラジオネーム『残響死滅』……何て読むんだこれは?凄まじく痛い名前だ。」


エコー・オブ・デス
残響死滅 :十字軍の平均年収って、どのくらいなんですか?



ヴィオラ「ラジオネームの割にはみみっちいこと聞くのね…」

ノワール「しかしお給料は兵士にとって切実な問題ですわ。」

エル「うむ。結論から言うと、兵士の給料はかなり安い。ありえないくらい安い。」

フィーネ「参考までに、私達の世界の物価はこんな感じだよ。」




※ユリスの通貨…コール(≒160円)

食品一個…1コール:大体野菜一個が1コールくらい。

中流層の一日の食費…10コール:5人家族くらいなら一日銀貨1枚で足りる。

お酒…2〜5コール:安い酒だと銅貨数枚で買える。

鉄の槍…約480コール:正規兵の武器の価格は最低でも現代価格で五万円を上回る。

馬…約2000コール:馬はとても高価。騎兵隊の編成は非常に金がかかる。



エル「実は十字軍の給料は所属する国ごとに異なる。
   最低賃金は恐らく帝国下級兵。一番高いのは帝国親衛隊だろう。」

ヴィオラ「帝国軍って賃金格差が大きいのね。」

エル「実力主義の面が強いからな。強い奴は給料が高いが、新入りは凄まじく貧乏だ。」

フィーネ「大体平均的なのは諸国同盟軍の一般兵士だね。
     諸国同盟軍の一般兵士は1週ごとに棒銀一個(100コール)支給されるよ。
     だから計算すると年間約4800コール受け取ることになるの。」

ノワール「あら?聞いた限りではそんなに悪くなさそうですね。」

エル「しかし、1コールが約160円と仮定すると年収は………」

ヴィオラ「げっ!!なにこれ!ブラックとかそういうレベルじゃないわ!!」

エル「リスナーの諸君も自分で計算してみたまえ。おそらくとても驚くだろうな。」

ノワール「な、なんか兵士のみなさんがかわいそうになってきました……」

フィーネ「大丈夫!軍にいれば食事はタダだし、武器も配ってくれるし
     行軍している限りはあんまりお金を使うことはないんだ。」

ヴィオラ「けれどもこの水準はひどいわ…二倍くらい増やしてもいいんじゃないかしら?」

エル「甘いな。むしろ中世の兵士がきちんと給料もらってること自体が奇跡だ。
   本来ならば兵士は労役だから基本タダ働き。どうしても金が欲しかったら、
   戦争の最中に略奪して戦利品を獲得するしかない。」

ノワール「戦争には略奪と暴行が付きものだった理由は…お給料の問題だったんですね。」

フィーネ「十字軍が略奪を自粛できるのはお給料をちゃんと払ってるからなんだよ。」

ノワール「そう言えばヴィオラちゃん、このワインって一本いくらするんだっけ?」

ヴィオラ「損なに高くないわよ。一本大体1000コール暗い。」

フィーネ「高っ!!そんな高価なワインを100本も買ってきたの!?」

ノワール「あらフィーネさん。1000コールくらいは私達高位魔族にははした金ですわ。
     ……と言いたいんですけどさすがに私も一片に100本は……」

ヴィオラ「このワイン一本が兵士十人分の一週間の丘陵ってことね。
     そう考えると確かに維持費は馬鹿にならないわ。」

エル「だから総司令官はいかにして少ない兵力を効率よく運用できるかが問われるんだ。」

ノワール「兵士多ければいいってものじゃないんですね。」

ヴィオラ「でも製紙には維持費かからないから―」


フィーネ「ヴィオラさん下ネタ自重。そして次のお便りいくよ。
     ラジオネーム『藤原不平等』さんからいただきました!」

エル「不比等じゃないのか…」



藤原不平等:アルレインさんの長生きの秘訣を教えてください!



フィーネ「アルお爺ちゃんは今年でおそらく120歳になります!」

ヴィオラ「インキュバスだったらあり得るけど
     …タダの人間が何でここまで生きられるのかしら?」

エル「そんなわけで、アル爺に長生きの秘訣をインタビューしてみたぞ。



――――――――――《Interview!!》――――――――――



ユリア「ごきげんようございますアルレインさん!インタビューです!」

アル爺「インタビューじゃと?まあよい、何でも聞くがよい。」

ユリア「ずばり、どうしたらアルレインさんのように長生きできるのですか?」

アル爺「どうしたら長生きできるかじゃと…?なに、単純なことじゃ。」

ユリア「生活習慣ですかね?」


アル爺「ずばり気合じゃ。


ユリア「き、気合ですか!?」

アル爺「うむ。もっとも、気合で長生きしすぎて
    逆に永眠するタイミングを逃したがのう!かっかっかっかっか!」

ユリア「で、ですが長生きすることはいいことですから…
    これからもどうかご健康でいてくださいね。」

アル爺「なーに、玄孫の子供を見るまで死にはせんわい。」

ユリア「で、でしたら私が……いえ、なんでもありません。
    以上、エンジェルユリアのインタビューでした!」


――――――――――《End》――――――――――



ヴィ&ノワ『気合!?』

エル「ああ見えてもアル爺は気合で長生きしているんだ。
   何回も死にかけたというのにしぶとく生き残ってまだピンピンしてやがる。」

ノワール「なんでも、まだ魔物が人化する以前から第一線で活躍してたのでしたよね。」

フィーネ「左腕を失ったのも旧世紀の頃なんだって。」

ヴィオラ「大体玄孫が成人するまで生きてる時点で陣がい企画よね。
     そんなに長く生きてもお爺さんを娶ろうとする魔物は居ないと思うわよ。」

エル「参謀本部では物語の時間軸を調整するためにクレールヘン家の年齢表を作ったんだが、
   アル爺の年齢は100歳を超えてるどころの話じゃなかったんだ。
   俺が生まれた頃にはすでに98歳だったからな。」

ノワール「あのー、それ以外のクレールヘン家の方々はどうなってるんですか?」

フィーネ「曾おばあちゃんはまだ生きてるよ。(現在96歳)
     でもおばあちゃんは私が11歳のときに亡くなったの。」

エル「母親もまだ存命だ。ただ…父親はすでにいないが。」

ヴィオラ「ずいぶん支部問いかけ意であることは分かったわ…
     アルレインさんとエルさんが女っぽいのにも何か関係があるのかしら?」

フィーネ「それはどうだろうね?いつか分かる日も来るんじゃないかな?」

ノワール「しかもまだエルさんと互角に戦えるくらい強いのでしたよね。」

エル「うむ。少なくともヴィオラさんに勝てるくらい強い。」

ヴィオラ「何ですとー!私が100歳超の老人に負けるというのかーー!!」

フィーネ「歳をとっても身体機能が衰えてないからね。」

ノワール「きっと若いころはさぞかしもてたんでしょうね〜。
     アルレインさんも若いころは女性っぽい顔だったのでしょうか?」

エル「ああ…俺と同じく女性っぽい顔がコンプレックスだったらしい。
   あまりもてたという話は聞かんが。」

フィーネ「まだまだ謎が多いアルお爺ちゃんでした!」

ノワール「次のお便りは私が読みますね。……っとっとっと、
     あの〜このお便りは何も書いてありませんよ?あぶり出しですか?」

ヴィオラ「ノワちゃん!それ裏!裏だから!」

ノワール「あ……ごめんなさい!ちょっと酔ってきたかもしれませんね……」

フィーネ「すでに空のワインボトルが20本転がってるよ?
     私も結構飲んじゃったかも……」

エル「なんなら酔い覚ましに水をぶっかけてやろうか?」

ノワール「いいえ!今度こそ大丈夫です!だから水掛けないでください!
     ラジオネーム『戦艦ベニヤ板』さんからいただきました。」



戦艦ベニヤ板:英雄の羽ではFEのようにユニットが下級と上級がありますが
       魔物娘たちにも下級兵種と上級兵種があるのでしょうか?




フィーネ「あるの?」

ヴィオラ「あるわよ。数はそんなにいないけどね。」

エル「魔物ユニットは種族で分けられるから、本来は上級兵種など存在しないんだ。
   しかし、中には種族の中でも一線を画す位強い奴もいる。」

ノワール「例えば私達ヴァンパイアの上級は『真祖』っていうユニットなの。
     まあ…私だって高貴な血筋のヴァンパイアですから上級じゃなくても
     かなりの実力を持っていますわ!おーっほっほっほっほ!」

ヴィオラ「ノワちゃんが酔ってお嬢様化してる!!
     のわちゃーん!あなたより私の方が偉いのよ!分かってる!?」

ノワール「ごめんなさい…調子に乗って格好つけすぎました…」

ヴィオラ「何せ私こそサキュバスの上級主、リリムなんだから!!
     あーっはっはっはっは!!」

エル「結局生まれが全てか。」

ヴィオラ「あら?損なことはないわよ。リザードマンなんかは人間と同じで
     他のリザードマンを凌駕するくらい強ければ上級ユニットになるわ。」

フィーネ「でもあくまで『ユニット』だから元の種族は変わらないんだよね。」

ノワール「決して独自の魔物を加えているわけではありません。
     そんなことしたらこのサイトから追放されてしまいます。」

エル「元々クラスチェンジと言うのは『職業が変わる』ことだからな。
   人間の場合は馬に乗ったり降りたりするだけでも兵種が変わってしまう。」

ヴィオラ「逆に魔物は種族によって与えられる役割がほぼ固定されるのよ。
     ケンタウルスには歩兵がいないし、リザードマンは滅多なことがない限り
     馬には乗らないわね。」

ノワール「あとはエルフやエンジェルがダークになった時とかもありますね。
     弓が基本装備だったエルフが鞭使いになったり、
     光魔法使いのエンジェルが闇魔法使いになったりします。」

フィーネ「私達の時代はまだ人間は人間、魔物は魔物っていう認識だからね。
     でももしかしたら魔物が種族ごとに勢力を持てば
     『種族:リザードマン クラス:ソードマスター』みたいになるかも。」

エル「FEのような形式ではなくTRPGみたいな形になるのか。」

ノワール「そうなると、私のクラスは何になるんでしょうね?」

ヴィオラ「ノワちゃんは槍を使うのが得意だから『ハルバーディア』ってとこかな。
     でも古代魔法もかなり習得してるから『ドルイド』もいいかも!」

ノワール「槍って地味ですね…。馬に乗る練習をしておこっかな。」

ヴィオラ「そして渡しは!!」

エル「『遊び人』なんてどうだ?」

ヴィオラ「そう遊び人……ってちっがああああああああう!!
     私に似合う兵種はもちろん『賢者』よ!!」

フィーネ「自称賢者(笑)」

ヴィオラ「(笑)じゃないわよ!私結構頭いいのよ!」

ノワール「そうですよ。こう見えても結構頭いいんですよ。」

エル「こう見えてもって…」

ノワール「ただちょっと大雑把でめんどくさがりで妄想癖があって
     偶に一人で大爆笑したりアヘ顔になってたりすることもあるけど、
     基本スペックがかなり高いおかげで頭は凄くいいんです!」

フィーネ「さすが親友だね…よくわかってらっしゃる。」

ヴィオラ「あんまりフォローになってない気がするのは私だけかしら!?」

フィーネ「話が脱線し始めたからここで最後のお便り!
     ラジオネーム『ヴァル=フレイヤ』さんからいただきました!」



ヴァル=フレイヤ:ロンドネル図書館で人気のある作品を是非是非教えてください!!!!!




エル「本人かこれ?ラジオネームが本名とか斬新だな。」

ノワール「フレイヤさんと言えば本が大好きなんでしたよね。」

フィーネ「たぶん本LOVE度はファーリルさんすら越えるんじゃないかな。」

ヴィオラ「ロンドネル大図書館は、私達の時代でも世界三大図書館として有名よ。」

ノワール「ちなみに『あなたがほしい』の世界観は中世じゃなくて啓蒙時代だそうです。
     物語には出てきていませんけど、武器はすでに銃の時代なんです。
     もっとも、個人戦はまだ剣が使われてますけどね。」

エル「一応英雄の羽の時代から約700年後らしいからな。」

フィーネ「それはともかく、私達の時代のロンドネル大図書館には
     すでに蔵書数が分からないくらいたくさんの本があるの。
     本を全部読み終えるには少なくとも200年は必要って言われてるよ。」

ヴィオラ「絶対不必要な本も混じってると思うわそれ……。」

エル「世の中には無駄な本は一冊たりとも存在しない…とファーリルは言っていた。
   しかし、市民に親しまれる本となるとかなり限られてくるのが現状だ。」

ノワール「まだ小説とかがあまりない時代ですからね。」

フィーネ「そんなわけで!恒例のベスト5を紹介していくよ!」





第5位:『誰でもできる!休日のお菓子づくり講座!』
    グレーテル・ヴィッテンフェルト著


フィーネ「第五位はグレーテルさんが書いた簡単なお菓子作りの本だよ!」

エル「子供の頃、俺も何度かお世話になったな。」

ヴィオラ「今はどんな本にお世話になってるの?」

エル「言っておくが艶本のお世話にはなってないぞ。」

ヴィオラ「えー、つまんないの!」

ノワール「まあまあ…。五位に来るほど人気があるお菓子作りの本ってすごいわね。」

エル「何しろ解説が非常に分かりやすいから、主に20代の女性に大ヒットしたんだ。」

ノワール「私も今度その本読んでみようかしら。ワインに合うお菓子が知りたいですね。」

フィーネ「ワインに合うお菓子か〜……。あるのかなそんなの?」

エル「スポンジケーキとかいいんじゃないか?」




第4位:『アルトリア年代記』シリーズ 1〜60巻
   クレイベル・フォン・ヴァッシェン著


フィーネ「第4位は歴史小説『アルトリア年代記』!!
     魔王交代が起きる少し前の時代、魔物によって陥落したアルトリア。
     勇者フライヤーがアルトリア王国の王女ルーシアとその仲間たちと共に、
     3年もの戦いを経て王国を魔物の手から奪還するお話だよ。」

エル「英雄の羽以上にFEっぽい話になっているんだ。」

ノワール「ってことはアルレインさんがまだ若かった時代なんだ。」

ヴィオラ「級魔王の時代のお話か〜。力で支配してた時代なんて私には想像もつかないわ。」

ノワール「でも結局アルトリア王国は今度は私達の魔物の支配下に入っちゃったんだっけ。」

フィーネ「そうなんだよね…。サキュバス性質の魔界って元に戻すのが非常に難しいの。
     そのためにわざわざ十字軍を作ったんだよ。」

エル「ちなみに著者は最近登場したエリス中央教会の大司教クレイベルさんだ。
   十字軍結成を裏で画策する過程で、戦意高揚のためにこの小説を書いたらしい。」

ノワール「でも60巻って相当長いと思いますわ。読み切れるかしら?」

フィーネ「クレイベルさん曰く『色々書きすぎて長くしすぎてしまいました』とのこと。」

エル「現在ゲーム化を考えているそうだ。」




第3位:『魔物被害報告書』 1〜100巻


フィーネ「魔物の被害報告書…そのまんまだね。
     魔物について調べる際には必ず読まなきゃならないんだけど、
     その…あまりにも(性的に)過酷な内容だから子供は閲覧を禁止されてるよ。」

エル「ほぼ官能小説と化している現状をどう見るべきか…」

ヴィオラ「いいじゃない!私たち魔物の愛に満ちた生活実態を見て
     『俺も魔物娘に犯されたい!』っていう男性が魔界に流入するし!」

エル「よくねーよ!むしろそれが原因でユリスの男女人口比は大幅にくるってるんだからな!」

ノワール「でも3位というのは少し残念ですね…。皆さんもっと読むべきではないのでしょうか?」

フィーネ「まあ確かにそれは言えてると思うけどね。教会みたいに
     『魔物=人類の敵=汚物は消毒だ』って考えがユリスあまり広まってないのは、
     この本がユリス各地で簡単に読めるからなんだよ。」

エル「しかし…ちょっとここで本編に関する重大な設定を明らかにしよう。
   先ほども言ったように、ユリスでは魔物は醜い生き物と言う考えはあまりない。
   だが、魔界と化したアルトリアに住む大量のサキュバスが
   しょっちゅう男性を攫いに来るせいで、女性が余ってしまうのだ。」

ノワール「ああ…それで十字軍の兵士は男性対女性の割合が1:3になっちゃったんだ。」

フィーネ「女性にとって魔物は男を攫って行く厄介もの以外の何でもないってことで、
     一致団結して魔物を滅ぼし行こうと結成されたのが実は十字軍なんだよね。」

エル「お陰で男性兵士の地位は意外と低いんだこれが。」

フィーネ「女性兵士による逆《フォイア!》も相次いだらしいよ。」

ヴィオラ「うわっ…人間女性の逆恨みも恐ろしいわね……!
     だったら女性も容赦なく魔物化させるに限るわ!」

ノワール「いつまでたっても戦いが絶えないのはこのせいかもしれませんね……」



第2位:『プリンセスブラッド』
   エレンシア・フォン・リーベフラウ著


フィーネ「二番目に人気なのは、ユリスを代表するお姫様物語!
     小国のお姫様が主人公。ある日王様とお妃さまが戦いに負けて処刑され、
     残ったお姫様が残った仲間と共に大国との戦いを勝ち抜くお話なんだよ。」

ヴィオラ「あ、これ私も知ってる!なんでもお姫様はそれまでの反魔物方針を一転させて
     魔物娘たちの力を借りて横暴な帝国に勝ったってお話よね!」

フィーネ「あれ?私が知ってるお話は魔物なんて出て来ないよ?」

ノワール「そうなんですか?私が子供のころ読んだお話は確か……
     お姫様が魔物だってことが宗教国家にばれて、国民に追いだすよう命令したけど
     国民は逆に魔物になったお姫様を受け入れて一致団結したっていうお話だったような?」

エル「…所変われば品も変わるのか?まあいい、なぜこの話が人気なのかと言えば
   まず内容が子供たちにも読みやすいこと。挿絵も豊富で見てて飽きない。
   その上、お姫様が大国を打ち破った際の戦術があまりにも見事で、
   何気に士官学校で兵法の応用としてこの話が使われているんだ。」

フィーネ「おまけにお姫様とその配下の将軍とのラブストーリーも人気の秘訣だね!」

ヴィオラ「色々属性を詰め込んでるわね。」

ノワール「人気が高まるうちに各地でちょっとづつ変わってったのかもしれませんね。
     古くから伝わる童話ってそういうことが多いですよね。」


第1位:絵本『イルカのプープー』シリーズ 1〜23巻(連載中)
   マリコ・アルテランデ著


フィーネ「栄光ある第一位はなんと絵本でした!!」

ヴィオラ「絵本が一番人気あるってどんだけよ!?」

エル「物語は単純にプープーっていうイルカが世界の海を冒険する話だ。
   この絵本を知らない子供はいないというほど、知名度が非常に高い絵本だ。」

フィーネ「魔界にも似たような話の絵本ってある?」

ノワール「確かマーメイドが主人公の絵本があったと思います。」

ヴィオラ「でも魔界の絵本は濡れ場が書かれてないと人気ないけどね。」

エル「魔物は幼少期から性教育を施すのか……」

ヴィオラ「当然じゃない!サキュバスにとっては生活の基礎になるのよ!」

フィーネ「フレイヤさんは絵本にも興味持ってくれるかな?」

ノワール「最初のうちは読むのをためらうかもしれませんが、
     子供に読み聞かせてあげて下さいとお願いすれば
     そのうち自分も夢中になって読みだすに違いありませんわ。」

エル「ちなみにユリアさんもこの本が大好きなんだ。大人びたエンジェルの
   ユリアさんが絵本読んで感動の涙を流していたのを見たとき、
   思わず抱きしめてあげたくなったな。」

フィーネ「にいさん自重…」



エル「さて、今回の探究の羽はここまでとしておこう。」

ノワール「私も後で『イルカのプープー』読んでみようかしら?」

ヴィオラ「私はエロ本を漁りつくす!大図書館に所蔵されてるんだから
     レベルの高い本もいっぱいあるはず!」

エル「図書館に来て艶本探すなよ…。まあ、それなりの数はあるらしいが。」

フィーネ「以上!探求の羽のコーナーでした!!」




ヴィオラ「あ……ごめん、ちょっとお手洗いに行ってくる。」

ノワール「ヴィオラちゃんも?じ、実は私も……」

エル「飲みすぎだな。ここで一旦休憩にしよう。
   トイレはここを出て右に曲がった先にあるぞ。」

フィーネ「…………」

ヴィオラ「じゃあちょっくら行ってくるわね!」

ノワール「コーナーの最中ずっと我慢してたましたから……そ、そろそろ限界!」



タッタッタッタッタッタッタッタ!!



フィーネ「ねえにいさん。」

エル「ん、なんだ?」

フィーネ「トイレって逆の方向だよね?」

エル「………ふっ、俺としたことが。」

フィーネ「明らかにわざとだ!!」




後半に続きます


11/07/04 14:17更新 / バーソロミュ
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■作者メッセージ
その他の短冊

『エル様と結婚!』マティルダ
『ネクロノミコンが読みたい』ファーリル
『新式の拘束用具の開発』カーター
『ポニテ大流行』ユニース
『週休二日制』ケルゼン
『ラジオ・キラキラ☆星に出演したい』ミーティア
『再・登・場・!!』リリシア
『長寿』アルレイン
『エル様女体化』チェルシー

エル「どいつもこいつもロクなものがないな。
   ……ん、これは?」

『ここにある、全ての願いがかないますように』ユリア

エル「ユリアさん・・・・・・」

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