連載小説
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下 赤き太陽 黒き太陽
 レスカティエ第37駐屯地の一角には砂地が作られている。
 広さは半径50m程、かつては駐屯地のはずれであったのだが、町としての機能が拡張されていくとともに軍部と町を繋ぐ中心となってきている。いずれはここが町の中心となるのだろうが、それはもう少し先の話だ。
 
 砂地にはいくつかの建物が建てられているが、その中心にあるのが、3階建てほどの高さを擁するピラミッドである。
 見た目はピラミッドではあるが、墓としての機能はなく。完全に宮殿である。作らせた本人曰く「妾も自分のピラミッドが欲しい!」とのことだ。

 そのピラミッドの1階にある玉座の間に3人の人物が入って来た。ファラオ・ニトランタと夫のダワン、取り残されていたダワンの分身である。
 ポアラによってアポピス・アプアが連行されていったあと。駐屯地司令官に挨拶を済ませてからここにやってきた3人が玉座に目を向けると、そこには・・・。

「あちゃー」

「ポアラさんも意外といい趣味してるな」

「・・・・・・」


「くー、殺せー!」

 両手と尻尾の先を鎖にしばられ、あられもない恰好で玉座に繋がれるアプアの姿があった。



 アプアの両手を縛る鎖は、玉座の後ろに置かれたバステトの像に引っかけて吊り上げられており、脇の下や豊満な胸などを無防備にさらけ出させている。
 また、吊り上げられた体は玉座に深く座わることができず、半ばずり落ちそうな体勢で・・・、きゅっとしまったお腹や逆にふくよかな蛇体の腰を強調していた。
 尻尾の先も魔銀製の輪を嵌められ、鎖で壁に繋がれて暴れないようにされている。
 そのあられもなく・・・王としては情けない姿に分身は顔を手で覆い、ダワンはこれをやっていったワーラビットの性癖に苦笑している。

 縛られている当の本人は半泣きになりながらも威勢だけはよく吠えているが・・・、ダメな事で有名なセリフだ。(後に、とっさにいいセリフが出なかったんだと、真っ赤な顔をしながら語っている。)



パン!



 3人が思い思いの反応をする中、一人無言だったニトランタが両手を軽く打ち合わせた。 

「私、大事なお友達であるアプアちゃんがひどい目にあうのは嫌です。すぐに助けてあげたいと思います」 

「ニトランタ・・・貴女・・・」

 ニトランタの思わぬ言葉にアプアは驚き、その真摯な目に確かな優しさを感じると、思わず瞳が潤みだす。

(ああ、貴女はなんでいつもこんなに優しいの。支配されて従順な私ならともかく、今の私は貴女の敵なのに、それでもこんなに優しく思ってくれるなんて。それなのに私は・・・)

 アプアの胸に嬉しさと後悔がじんわりと広がり顔を俯ける。

(いえ、だからこそ私は・・・)

 後悔の中から小さな決意が顔を覗かせようとしたとき・・・。

「ですが」

(?)

 ニトランタの声にアプアが顔をあげると。

「その・・・。アプアちゃんのその姿は、とってもそそるというか・・・、いじめたくなっちゃいます。とっても♡」

 もじもじと恥じらうように言葉を重ね、最後は上気した顔に片手をあて、ニコリとほほ笑むファラオの姿があった。





「あっ♡あっ♡」

 褐色のおっぱいに優しく指が食い込む。
 間髪入れず、反対の胸に巻く布もめくられ、露わになった乳首が咥えられる。

 アプアの眼前にはニトランタが立ち、ダワンと分身が左右からニトランタを愛撫している。
 アプアをいじめたいとニトランタは言ったものの、アポピスの毒を無毒化しなければニトランタが近づくのは危ない。
 そのため、いじめの内容は「放置プレイ」に決まった。

 ニトランタが本体と分身2人の夫に同時に愛されているのを指をくわえて見せつけられることになった。(実際は腕は固定されているから指をくわえることはできないが)。
 この間に無毒化の処理もされていくことになる。

 本体のダワンが胸を揉みながらニトランタと熱烈に唇を重ねる。その下では、分身が乳首を吸いながらニトランタのお腹と背中を優しくなでさする。
 二人の巧みな愛撫によりニトランタの顔はすぐに上気し、腰がビクビクと跳ねる。

 普段アプアとニトランタが一緒にいる時はかわりばんこに相手をしてもらい、分身薬を使ったときはそれぞれ1:1の組み合わせで楽しんでいた。今のように1人で2人の夫を独占するようなことはなかった。
 アプアは気持ちよさそうなニトランタの様子に、とっても羨ましそうな悔しそうな視線を向けつつも・・・どこか嬉しそうな表情をしていた。

 ニトランタは夫に胸をたっぷり奉仕されると、今度は自分の番というように屈みこみ2人の夫の一物を暴き出す。

「まあ♡♡!」

飛び出した一物達はすでに張り詰め先っぽに雫を湛えている。

(ダブルおちんぽ♡♡、ダブルおちんぽ♡♡)

 立ち上る雄の匂いにニトランタは普段にもましてとろけた表情をみせ、アプアもその様子に目が離せない。

 アプアのジーっとねちっこい視線を感じたニトランタはクスリと嗜虐的に笑うと、足元に控えるコブラの頭をつーっとなでた。
 それから、差し出された2つのご馳走に一口でむしゃぶりついた。

「ああ、いいよ。普段より興奮してるねニトランタ」

「おっ、おー」

「どょーいたひふぁひて、あひゃは」

 それぞれの一物を柔らかな舌と口で奉仕され、気持ちよさそうによがる夫たち。大好きな夫の一物を二つも咥えられて、それだけでお股からヨダレを滴らせるニトランタ。

「はっはっは・・・え?」

 それを眺めるアプアも興奮して息が上がり、その輪に入りたい入りたいと必死に鎖を揺らすが、戒めが解ける気配は一向にない。そんなアプアの体の上をザラッとした感触が触れた。
 驚いて目を向けるとそこには、深紅のコブラが玉座のひじ掛けからアプアのお腹に移ってくるところだった。

「うっ」

 目と目があう。一部のコブラは別種の蛇を食べるといが・・・。この時、アプアは思わずひるんでしまった。その隙を逃すことなく、深紅のコブラはお腹を這い上り、胸の谷間を押し分けると、無防備なアプアの首筋にカプリと噛みついた。

「ひゃ!ひーー、あ〜〜〜、あぁあ〜ん♡」

 最初、噛まれた驚きと流し込まれる毒のシビレに引きつった声を出していたアプアだが、毒が体を回りだすと艶っぽく、甘えた声をもらす。

 むにゅむにゅ、ぎゅっぎゅ、ブルブル

 アプアの快感を感じ取ったのか、深紅のコブラが身をくねらせる。
 蛇体をねじ込んでいる谷間を揺らし、お腹の上に残った蛇体の一部で豊かな胸にぐるりと巻きつくと、その豊乳を絞り上げる。
 さらに、コブラ特有のスプーンの様な頸部を広げてアプアの双丘の上に被せ、ブルブルと振動させて胸全体を震わせた。

「あ!あ♡・・・あ♡・・・あ♡」

 アプアは、いまだ注入されるコブラの毒と胸を震わせる甘い刺激、なにより目の前で夫の一物を美味しそうにほおばるニトランタの姿を見ると、知らぬ間に切ない声を上げ、繋がれた尻尾の先を力なくゆらす。

 アプアに注がれている深紅のコブラの毒は特別製である。ファラオが持つ豊穣の赤き太陽の魔力に、ほかの魔物娘に対する侵犯性を加えることで出来た毒である。
 この侵犯性はアポピスの毒を参考に付与された物だ。
 深紅のコブラの毒はアプアの体を回って発情を促すとともに、アポピスが生来持つ冥府の黒き太陽の魔力とそこから作られる毒のそれぞれと相殺する効果がある。これによりアポピスの毒を無毒化させるのだ。

 とはいえ、深紅のコブラが身にため込める魔力量はアポピスと比べればはるかに少ない。アプアの黒き太陽の魔力がフルになっていたら、深紅のコブラは主の下に何度も魔力を補給に行く必要があっただろう。

 だが、今のアプアは一度徹底的に赤き太陽の魔力に漬け込まれており、そこから一冬かけてようやく黒き太陽の魔力を再生産できるようになってきたばかりであった。

 アプアの纏う総魔力量は十分だが、いまだに多くは赤き太陽の魔力でありファラオを脅かす黒き太陽の魔力は生産量も少なく、さらに体内に残る赤き太陽の魔力と相殺してアポピスとしての意思を確保するために使わなければならない。
 つまり、今のアプアは魔物娘としては万全だが、ファラオの敵対者としてのアポピスとしては非常に弱った状態なのだ。

 深紅のコブラはこの一回で終わらせようと入念に準備をしており、今も注入する毒の量を増やすとともに、アプアの秘所と陰核を尻尾の先でムニムニと揉みほぐして興奮させ血行を促し、毒の回りを促進させている。

 夫たちへの奉仕を続けていたニトランタは、愛蛇の活躍にニッコリ頬を緩めると、両手を上に伸ばす。夫たちは妻の手をそれぞれ握ると、足元に屈みこむ褐色の妻を優しく立ち上がらせた。

「さあ・・・、キテ♡」

 立ち上がったニトランタは腰布をめくり、すでに準備の整った秘所をダワンに見せつけると、甘えた声で夫の一物を求める。ダワンは愛する妻の求めに応じ、口での奉仕でいきり立った肉棒を一息に突き入れた。

「ああん!♡」

 挿入の勢いにはしたなく声を上げ、膣を満たす感触にふつふつと湧いてくる幸福感に浸る。
 そうしていると、後ろから近付いた分身が長い髪を持ち上げ横に流すと張りのある臀部が露わになった。
 分身が手で触れると暖かく火照っており、汗で湿った肌に手のひらがピタッと吸い付く。揉み上げると手の動きに合わせてぐにゃりぐにゃりと形を変え、チラッチラッとヒクつく菊門が見え隠れしている。

 ニトランタは待ちきれないというように分身の手に自分の手を重ねると、・・・くぱぁ、とお尻の谷間を自ら割り開き、早く入れてと目で訴える。
 そのいやらしい目に分身もいやらしく口元をゆがめると、指で慣らすのもほどほどに張り詰めた一物を突き入れた。

「!・・・!!・・・!!!」

 ニトランタは根元まで入れられた2本の一物の衝撃に声も出せず、ただただ首を振る。首を振るたびに豊かな乳房が揺れ動き乳首の先から輝く汗が飛び散る。
 結婚生活の長いニトランタはどちらの穴も経験豊富だったが、2つの穴を同時に挿入されるのは初めてだった。その衝撃は、物理的刺激よりも、愛おしい旦那様の物でたっぷりと満たされる充足感と幸福感がまさっており。余りの喜びに体が勝手に動いてしまうのだった。

「はぁ・・・、はぁ・・・。ありがとうダワン♡」

 しばらくして、落ち着いたたニトランタは、ゆっくりと待ってくれた夫達にお礼を伝える。そして、チラリと囚われのアプアに流し目を送ると、その視線に気づいたアプアがビクリと震えた。

「ゴクリ」 

 アプアもニトランタの痴態を見るのは日常の事だった。同じ男性を夫とし、揃ってベットに潜りこむ関係である。たまたま、今が出張の最中で一冬離れていたが、普段は毎晩夜を共にする間柄である。
 そのアプアの目から見ても、先ほどのニトランタの乱れ方は初めて見るもので・・・。自分もして欲しい、あんな風に乱れてみたいという期待と、鎖に繋がれた現状からいつまでも嵌めてもらえないのではという不安がその眼に現れていた。

 ダワンと分身はニトランタが落ち着くと、ゆっくり抽挿を開始する。
 最初はダワンがカリ首まで抜き、そこからゆっくり根元まで挿入する。分身はダワンの挿入に入れ替わるようにカリ首まで抜いていく。

「あ・・・、んん♡」 

 ニトランタは自身の中で動く2つの感触を愛おしそうにたのしんでいた。
 ダワンと分身が互いの動きを確認すると、今度は一定のリズムで抽挿を繰り返す。

「あっ、ああんっ♡ ああ、あんっ♡ あんっ♡」

 常にどちらかの一物で満たされる感覚。充足感は先ほどよりは足りないものの、突かれる度に子宮が揺さぶられ刺激としては格段に強く、喘ぎ声が止められない。
 ニトランタの喘ぎ声に合わせるように、抽挿はだんだんと早くなり、喘ぎ声もより早くより熱く高ぶる。

パン!  パン!  パン!  パン!  パン!  パン! 

   パン!  パン!  パン! パン!  パン!  パン!

 肌と肌がぶつかる音があたりに響き。

ジャブ  ジャブ  ジャブ   ジャブ   ジャブ   ジャブ

  ジャブ  ジャブ   ジャブ   ジャブ   ジャブ

 泉のように溢れる愛液と腸液が立てる水音が部屋に満ちる。

「あん♡あん♡あん♡あん♡あん♡あん♡あん♡あん♡」

 いつの間にかニトランタの両足は床を離れ、ダワンと分身が代わる代わるその体重を受け止める。
 ニトランタのつま先はピンと張り詰め。両手は正面のダワンの胸に縋りついて離れない。
 サキュバスの魔力を持つ経験豊富な妻としては少し不甲斐ない気もするが、主導権を完全に夫に委ね。されるがままに快楽を享受していくニトランタ。
 すでにイッた回数は覚えていない。2つの穴を同時に満たされた時から激しくイッている子宮は、夫の射精を今か今かと愛液を垂らして待ちかまえている。

 そしてそれはすぐに訪れた。
 ダワンと分身の抽挿するリズムが次第に近づいてくる。
 ニトランタの真っ赤顔が期待に強張る。
 眉は下がり、きゅっと口を閉ざそうとするが、唇が震えて歪み上手く閉まらない。 その顔は花開く瞬間を今か今かと待ち望む熟した蕾のようだ。

 ダワンと分身のリズムが近づいてゆく、そして2人の一物が同時に突き入れられた時、息もぴったりに2人は仰け反り、ニトランタの奥に精を放った。 

「あ♡ あ、あああああぁぁぁぁぁぁぁん♡♡♡♡」

 ニトランタの体が小刻みに震えた。快感と興奮の波が体中を駆け巡り、なかなか収まらない。

 震える背中は弱弱しく、立ち上る汗は雌の興奮ぶりを如実に表す香しさ。ピクピクと跳ねるお尻は支えてあげねばと、嗜虐的な親切心を掻き立てる。
 射精の興奮に一息ついた分身も、雌の背中が見せる魅力にすぐに高ぶり、嵌めたままの一物がむくむくと元気を取り戻す。
 分身が再び抽挿を開始しようとしたとき、その胸に褐色の繊手が添えら動きを止められた。分身が褐色のお尻から視線を上げると。チラリとニトランタと目が合う、だがすぐにニトランタは視線を玉座の方に向けた。

 そこには今も深紅のコブラに巻き付かれながら、大量の潮で自らの体を汚したアプアがトロケ切った顔でこちらを凝視していた。
 アプアの全身には深紅のコブラの毒が回り、アポピスの毒は多くが無毒化され黒き太陽の魔力を毒に変える生産能力も止まってしまった。最後まで残ったアポピスの毒も潮と共に失われてしまい。もはやニトランタを犯せる毒は残っていない。
 その姿にニトランタは満足げにニッコリ笑うのだった。 





ジャリ・・・

 アプアを吊り上げていた鎖がバステトの像から外される。
 深紅のコブラもアプアから離れ、ニトランタが頭をなでて労っている。

 紫の女王は最後の威厳である玉座からも引きずり降ろされた。両手も長大な蛇の尾も鎖に抗うことできず、惨めに床に転がされる。
 準備は整った。
 褐色の女王の足元で紫の女王は苛め抜かれ、めちゃくちゃにされ、身も心もボロボロになるまで凌辱されるのをただ待つばかりだ。

「くっ!私を凌辱する気か!やりたければ好きなだけ犯すがいい!だが覚えておけニトランタ!私は夫のチンポには勝てずとも、貴様には負けない!私はいつかまた正気に戻り貴様に挑むぞ!」

 毒と期待で火照って動かない体に代わるように、アポピスとしての最後の魔力を託された意志だけが何とか抵抗を続けるアプア。
 ニトランタはその様子に、頬へ人差し指を当て少し考えるとアプアのお腹に跨って座った。

「ねえ、アプアちゃん、前々から思っていたのだけど、どうして私を襲うのですか? アポピスとしてのプライドと言ったらそれまでなのでしょうが・・・。ダワンと交わる時もあなたをのけ者にするようなことはしていませんし。大好きな夫と気持ちよく幸せに暮らせるのなら私と一緒でもそんなに悪いことはないと思うのですが?」

「ッ!・・・」

「なにか不満に思うことがあったら是非おっしゃってください。改善するよう努力します!」

 ニトランタの真っ直ぐな目に見つめられて沈黙を貫くのは難しく、アプアは絞り出すように不承不承な様子で口を開く。

「・・・何でそこまで」

「アプアちゃんは私と同じ、ダワンの妻だからです!」

 アプアの漏らした疑問に力強く答えるニトランタ。

「・・・・・・」

 しかし、アプアは何かに耐えるように顔を背けた。その答えたくない様子に、ニトランタは眉を下げ、分かりましたと呟いてから言葉を続けた。

「たしかに、形式上は私が正妻です。プライドの高いアプアちゃんには側室という扱いが耐え難いことは理解しています。魔物としても、より快楽に溺れさせられるのはアプアちゃんの方だとも思います。ですが、私も国を治め、臣民を導く身の端くれです。一度その地位に着いた以上、成し遂げたいという強い思いもあります。ですので、貴女の毒牙を受けるわけにはいきません!」

 そのニトランタの宣言とも言える言葉に、アプアが弾かれたように振り向いた。眉はキリリと上り、瞳には強い意志が宿っていた。

「貴様はいつもそうだ!自分は王だと、国を治め臣民を導く身だからと口癖のように!」

 豹変したようなアプアの勢いに、ニトランタも思わず目を見開き気圧される。
 だが、アプアの勢いは止まらない。

「側室だからのけ者にする?そんなこと貴様がするわけないだろう!それどころか、朝になれば起きて執政を取り、昼の僅かな休みもダワンの精を口で受けるだけ。休みが終われば国の視察に夜まで駆けまわり、帰ってくるのは私とダワンが夕餉の一発を済ませたあと。のけ者にしているのは貴様自身のことだろう!」

 普段ニトランタの汚染下にある忠実なアプアでは決して出ないだろう強い非難。汚染が解けたが故に発する、ニトランタの王としての在り方に対す魔物娘としての強い批判。

「ニトランタ!貴様はもっとわがままでいい!1日中昼も夜もダワンと繋がってもいい!私に遠慮するな!今さっきみたいにダワンと2人だけでもっと気持ちよくなってもいいんだ!国の王だとそんな当たり前のことができなって言うなら、そんな王様なんてとっととやめちまいなさい!」

 胸の内を勢いよく巻くし立てる。普段は取り繕ってる上品な言葉もかなぐり捨てている。
 叫びつくした後、アプアはゼーゼーと荒い息をついている。

 2人のダワンは目を見張って黙り込んでいた。ファラオの毒に汚染されてない素のアプアはいつも高飛車でニトランタのことを下に見る言動が多かった。
 どちらかというと、問題児のような印象もあった。

 それがニトランタを対等な相手として思い、案じていたアプアの隠されていた気持ちに驚くとともに、自分自身がニトランタを王として縛り付けているという自覚が、ズキンと胸の痛みを訴えた。

 そして、言われた当のニトランタもまた・・・。
 その頬をツーっと涙が伝った。

「ちょ、ちょっと!何泣いてるのよ」

 ニトランタの涙を見てアプアが慌てた声をだす。
 だが、アプアの声に押されるようにニトランタの顔がくしゃりとゆがむと・・・。

「グス、うえぇーーん。うえぇーーーん」

「なにもっと泣いてんのよ! 今の泣くところあった!? だー!離れなさい! 涙と鼻水が顔にかかる! よくわかんないけど私が悪かったわ。だから泣き止みなさい。ほらほらいい子だから。ダワン!ぼさっとしてないで2人も慰めて! つか、退けてー!」

 両手が拘束されたままのアプアでは、体や時に顔まで飛んでくる涙と鼻水爆弾をよけることもニトランタを退かすこともできない。必死に夫たちを呼ぶが、呼ばれたダワン達は顔を見合わせると、笑うだけで妻たちの様子を見守るばかり。
 動かない夫に業を煮やしたアプアが再度ニトランタを見つめる。

「ニトランタ!なんで泣いてるの!泣いてるばかりじゃわかんないでしょう!ちゃんと答えなさい!」

 アプアの必死な思いが通じたのか、ニトランタがぐずりながらも話し出した。

「わ、わた、わたくし・・・ズズッ。ずっと、き、嫌われてるものと、思ってましたの。」

「・・・はぁ?」

「だ、だって、私が目覚めた時にはあなたはダワンとシブンさんに倒された後で・・・。私そんなこともつゆ知らずダワンのお嫁さんになって。シブンさんに国王になってと頼まれて・・・、遠く離れたダワンの島まで行ってたのに。ズッ、それでもアプアちゃんは頑張ってダワンのことを追いかけてきて。せっかくダワンに会えたのにそのそばには貴女たちの戦いのことなんか何にも知らない私がいて・・・。アプアちゃんすっごく怒ってて・・・グス」

「あー、そういえば」

 ニトランタの話は、ニトランタとダワン、それにアプアが出会った時の話だった。





 その時のアプアは、ピラミッドで眠るニトランタを襲いに来たアポピスだった。アヌビスやスフィンクスの目を忍んで夜のピラミッドを攻略していたアプアの前に現れたのは、ニトランタを目覚めさせようと同じくピラミッドを攻略するアルプのシブンと、ファラオを起こす餌(夫)として引っ張ってこられていた某国の三男坊のダワンだった。

 暗がりでばったり出会った両者の反応は正反対だった。
 アプアは2人が盗掘家の夫婦だろうと思い互いに騒ぎになるのを嫌うと判断して素通りしようとした。対して王としてのファラオを仲間にするのが目的であるシブンはファラオに害を与えるアポピスの排除を優先した。

 この差は大きく、先制の魔法攻撃を許したアプアは終始押されることになる。
 とはいえ、そこはアポピス。強力な魔術と蛇の機動力を活かした戦いは一晩中続き、頑丈なピラミッドもその半分が瓦礫となって崩れ落ちるほどの壮絶な戦いだった。
 ファラオに牙を突き立てるという、アポピスとして一世一代のイベントにアプアも本気を出していた事も激戦に拍車をかけた。

 高速で移動しながら魔術を放つアプアにピラミッドを守るアヌビスやマミーたちは後手後手に回ったが、ニヤリと好戦的な笑みを浮かべたアルプだけはアプアを追撃し続けた。

 2人が追いかけっこを続けるなか、ダワンは混乱するアヌビスたちを纏めて複数の陣を作らせ、待ち伏せの体制を作るとアプアの移動や魔術を妨害し、自らも要所、要所で痛烈な攻撃を繰り出してきた。
 最後に決着をつけたのもダワンの一撃だった。 

 あの時の、シブンの放つ精霊魔法の劫火を突き破って現れた剣の煌めき、炎の筋を引いてとびかかってくるダワンの鮮烈な姿は10年以上たった今でも覚えている。

(あんな姿見せられたら追いかけるわよね魔物娘としては)

 次にアプアが目覚めた時には、ピラミッドはもぬけの空だった。この時点ですぐにピンと来てもよさそうなものなのに、当時のアプアは自分を倒した若者の姿だけを追いかけて、魔物の直感(彼女は認めないがシブンとニトランタの魔力痕も多大に含まれる)を頼りにダワンのもとに押し掛けたのだった。
 そして・・・。





「はい、たしかにぶちぎれた気がしますわ」

「でしょー、あの時のアプアちゃん本当に怖かったんだからね!」

「まあ、あんなもの軽い嫉妬心ですわよ、若気の至りというものですわホホホホ」

 ニトランタの涙ぐんだふくれっ面から、アプアは目を逸らした。

「・・・軽い嫉妬で旧魔王時代の大規模魔法を町中で使おうとしたんですか?」

「ホホホホホ」

 アプアは顔までそむけた。

 確かに、探しに探した愛しの若者を見つけたと思ったら隣には因縁浅からぬ別の魔物がいて、しかもその魔物の匂いが愛しの若者にべったりこびり付いてたら・・・。

(ちょっとくらい羽目を外してもいいよね?だめ?)

 アプアは愛想笑いを浮かべながらだらだらと冷や汗をかき、尻尾は床に着けて丸まっている。

 結局その時に展開中の大規模魔法は砕かれて不発に終わった。アプアも魔法陣を砕かれたのに驚いた一瞬の間に一撃食らって気を失い、お縄となったのだった。

 今でもあの時誰にやられたのかアプアは知らない。シブンにやられたのか、白神官にやられたのか・・・。当時はトトリたちも子育てに里帰りしてたはずだから、ここの司令官たちシブンの孫の内のだれかかもしれない。

(正直あの兄弟姉妹は今でも怖い・・・これ以上考えるのは止しましょう)

 アプアは苦い思い出を脇に置いて、ニトランタに振り返る。

「それで、私があなたを嫌ってたこととあなたが泣くのに何の関係があるの?」

 大分落ち着いてきたニトランタに問いかける。
 すると・・・。

「「・・・くく」」

「・・・・・・・・・」

 ダワン達は声を殺してけど完全に笑ってる。ニトランタは目を見開いてポカンとしている。ちょっと開いた唇が美味しそうだとアプアは思った。

「あの、分かりませんか?本当に?」

「ええ、全然」

 アプアにとって自分がニトランタのことを嫌っていることは周知の事だと思っている。普段一緒にいる時はしっかり汚染されており、「ニトランタ様すごい!」「ニトランタ様流石です!」などと口走っている脳内お花畑の自分が優しくされるのはまあいい・・・良くないが、今はいいとしても。

 本来のアポピスとしての自分に優しく声を掛けるのは優しすぎるし、気を使いすぎだと思っている。
 今さっき勢い込んで言ったことも、アプアから見てニトランタのこういう所が嫌いで不満に思っていたことを、ついつい口走ってしまっただけだ。

 アプアは正直なところ、怒られると思っていたし。家から追い払われるんじゃないかと戦々恐々していたくらいである。柔らかくも凛々しいニトランタが大泣きするなんて考えてもみなかった。
 アプアがそんなことを考えてると・・・。

 ニトランタの顔がゆっくり近づいてきた。

「え?なに?」

 ニトランタの両腕がゆっくりとアプアの首に巻かれ・・・。気が付くと、アプアはニトランタにぎゅーと抱き占められていた。
 互いに汗をかいたほっぺとほっぺがペタッとくっつき柔らかい。2人の豊乳も互いを押しあってムニュっと潰れあう。

「・・・?!・・・??!!?・・・!?」

 アプアが混乱して声も出せないでいると。

「嬉しいです。すごくうれしいです。アプアちゃんにこんなに思ってもらえてたなんて。私、あなたの好きな人を奪って、しかも普段は魔力で支配して自由も奪ってて・・・。すっごく恨まれてると思ってたんです。」

 ニトランタは涙声で続ける。

「それなのに、アプアちゃん私なんかのことをこんなに大事に思っててくださってたなんて。わたくし、嬉しくてうれしくて」

 ああ、そうか。この子は・・・。

「恨んでなんかいませんよ。ちょっと気に食わないところの多い大っ嫌いな相手ってだけで」

「あう・・・」

「はぁ・・・。私が嫌ってるのは、過去の事じゃないのよ。今のあなたが魔物として得られるべき幸福と快楽を自ら遠ざけてしまってるその生き方よ」

「・・・はい」

 ニトランタの眉根は下がり、しょんぼりしているがどこか嬉しそうだ。

「今回は無理でも。いずれは絶対に、あなたを永遠の怠惰と快楽の日々に堕としてやるんだから。この毒牙にかけて」

 アプアはそういって、自慢の牙を見せつける。

 ニトランタはしばらく、アプアの言葉を沁み込ませるように無言だった。それからゆっくりとダワンの方を振り返ると。

「告白されちゃった」

「アツアツだね〜」

「なんでそうなるのよ!」

(こいつらは何を言ってるのよ!ほんとびっくりだわ!)

「ねぇ、ダワン。私アプアちゃんの言うように堕ちれるかな?」

 そのニトランタの声は小さく。彼女の不安と心細さがありありと現れていた。

(ファラオ様の憂いの横顔、マジでかわいいです)

「ああ、堕ちれるよ。兄貴たちやシブンさんに殺されたくないから、今すぐは無理だけど。でもできる。俺たちには次を託せる頼もしい子供たちがいるからね」

 雲間から光がさすように。その言葉はニトランタの顔を照らした。

「うぅぅ・・・、やった〜!」

 夫の言葉がゆっくり沁み込むと、ニトランタはまるで子供のようにバンザイするのだった。
 アプアの目の前で大きなおっぱいがタプンと揺れて、乳首を摘まみたくてたまらなくなる。鎖が取れればとジャラジャラするが取れはしない。

「聞きました!アプアちゃん!アプアちゃんに噛まれてもいいよって。言ってもらえましたよ!」

「だー、騒がないの!噛まれてもいいって言っても子供たちが大きくなるのを待つんだから何年後の話よ!・・・ひゃ!コラー調子に乗って私の乳首いじんない・・・でっ♡ よ♡♡」

 嬉しそうに楽しそうに、ニトランタがアプアの左右のニップレスを摘まんで右へ左へと引っ張り最後にはぺりりと剥がしてしまう。

 ニトランタにとってはいたずらのような愛撫だが、一度は解されたアプアの体はすぐに熱を取り戻し、甘い声をこぼしてしまう。

「んー、まあ・・・。ゆとりをもって考えると10年後くらいかな。」

「まあ、シブンさん達も言ってただろう?魔物夫婦の数十年なんてあっという間だって」

ダワンが真面目に答え、分身がフォローする。

「10年!10年たったら堕落の日々に完全に漬かっていいんですね!ああ、あっという間じゃないですか!アプアちゃんありがと〜!」

 アプアはまたもやニトランタに抱き着かれた。こんなに喜んでる姿を見ると、なんか・・・とっても嬉しい。でもそれと同じくらい切ない・・・おマンコが疼いて切ない。

 ニトランタはアプアの表情からそれを察したのか、ニヤリと笑うと。 

「ふふ、分かっています。それではたっぷりお礼をしましょう」

 そう言うとニトランタはアプアのお腹からお尻を上げると、体を挟んで膝立ちになる。そのままズリズリとアプアの顔のに向けて移動してきた。

 しかも、移動しながら片手で自分のおマンコをちょっと開いてダワンの精液を滴らせる

「ああああぁぁぁぁ〜〜〜♡♡♡」

(おっぱいにあたってる♡乳首も〜♡次は鎖骨♡あぁ喉ぼとけにー♡精液に当たったところが熱いジンジンするぅー♡♡)

 アプアは自分の体に白濁液がかかるたびに喜びに震える。

(はっ・・・はっ・・・はあ!顎にあたった。ここなら・・・ペロリ)

「んーーーーーーーーー♡♡♡♡♡♡」

(美味しいよ! 美味しすぎるよぉ♡)

 散々焦らされたアプアの顔が一舐めの夫の精で歓喜にかわる。

(もっと舐めたい! もっと舐めたい♡)

 そして、さらに夫の精を求めんとその両目が怪しく光るさまは、まさに獲物を見定めた蛇だった。

 とはいえ、すぐに問題にぶつかった。

「あは♡まるでワンちゃんみたいに舌を突き出しちゃって♡ これでは、誰にも女王様だなんて思ってもらえませんよ?アプアちゃん♡」

 獲物を狙い、襲う蛇はハンターだが。拘束され、目の前にご馳走に並べてもらい、許しが出るのを舌を伸ばして待つ者はハンターとは呼べない。 

 そして・・・。



「いいですー♡ こんな美味しい精液が味わえるなら私、犬にでもなんにでもなりますー♡」

 さっきまでの威厳とプライドを感じさせる言葉はどこへやら、一滴の夫の精にすべて屈服し。はしたなく、淫らに求めてしまうアプア。

「うふふふ♡可愛い♡ それではどうぞ、召し上がれ♡」

 ニトランタはそういうとアプアの口へ、夫の精がたっぷり入ったおマンコを押し付けた。

「!・・・ン! ンーー♡ ンーーーー♡」

 アプアは最高のご馳走を蓄えたニトランタのおマンコに、一心不乱に舌を突き入れて舐め回し、勢いよく啜った。

 膣襞の一本一本をなぞり、ほじくりまわし、一滴の精も逃さないという勢いで舌を動かすアプア。

「あ!すごい♡ アプアちゃん舌ながーい、私のこんな奥のところまで届いちゃってる〜♡」

 舐めさせちるニトランタも、人間よりはるかに長く細く、2股に分かれた蛇の舌の愛撫に興奮が隠せない。

 二人が睦合っていると、ダワンがアプアの腰をつかんで持ち上げた。アプアからは目の前をニトランタの体が塞いでいるためその姿は見えない。

 アプアが少し緊張していると、分身がアプアの体の下に滑り込んた。

 分身は、ちょんちょんとお尻の真ん中の鱗に触る、そこは丁度お尻の穴を隠す鱗で・・・。 

 アプアはごくりと精液を飲みながら、お尻の穴を覆う鱗を消した。すると、待ってましたとばかりに指がお尻に入ってくる。腸壁がきゅっと締まり、慣れ親しんだ人差し指の形をアプアに伝える。

 指は何度もアプアのおしりの穴を出し入れされる。

 アプアのお尻はすぐにほぐれ、入れられたときはだらしなく緩んで受け入れ、引き抜こうとされると、括約筋が締まって逃がさないと言わんばかりに絡みつく。もう本人にも制御できていない。

 おしりの穴がすっかりほぐれてくると指が抜かれ、代わりにアプアの待ち望んでいたおちんぽが入ってきた。

「ひゃ!あああああぁぁぁぁん♡♡♡」

(ずっぽり入れられちゃった♡ お尻の壁も歓迎するようにきゅっきゅと締まってる♡)

 アプアはお尻を押し広げる一物の感触に喜び震える。
 だが、これで終わりではない。アプアは先ほど見たニトランタの様子を思い出す。

 アプアは尻尾の半ば、人で言う膝当たりの位置に力を入れ、腰を支えるようにのけぞった。その意味に気づいたのだろう、腰を支えていたダワンが手を離し、アプアの上に跨がる。
 アプアは待ちきれないとばかりに、おマンコを覆う鱗を消して、入れてくださいとねだる様に腰を突き出し、愛液を溢れさせるおマンコを見せつける。

「ふふっ、まるでヨダレを垂らして待てをする犬みたいだな。ほんとに我が家の雌蛇はしようがないな」

 ダワンの意地悪な声がアプアの耳を打ち、ビクっと腰が跳ねる。

 だが、とっくに蛇としてのプライドなんてない、犬と呼ばれようがなんと呼ばれようが構わない、早くおちんぽを入れて欲しい一心で、アプアはおマンコを左右に揺らし、早く入れてと淫らにせがむ。

「分かった分かった、入れるぞ。そうらお待ちかねのチンポだ・・・ぞ!」

 愛蜜を溢れさせながら、ダワンのチンポがズブリと入った。

「きたああああああぁぁぁぁぁぁあぁ♡♡♡♡♡♡」

 ニトランタの交わりを見た時から待ちわびた瞬間が、とうとう訪れたことにアプアは震えた。前の穴も後ろの穴も愛しの旦那様のおチンポで満たされる快感と喜び。

(すごく・・・あったかい♡きもちいいいいいぃぃぃぃいぃ♡)

 灼熱のおチンポが膣と腸をアツアツに焦がしていく。
 その熱は徐々に胸にまで伝わり、胸の奥に喜びの火をともした。
 胸の奥に灯った火からは夫に満たされる幸福感が溢れ出し。頭や手、お股や尻尾の先まで、全身がシビレルような快感で満たされていく。

 尻尾の先が夫に巻きつこうともがいて床を叩くが、未だ壁に固定された鎖は頑なに拘束を続ける。
 蛇としての愛情表現は封じられ、鎖にまで犬として扱われているように感じてしまうアプア。それでも溢れ出す幸福感と充実感。それはニトランタのような対等な夫婦としての感情とは少し違う色を帯びていて・・・。

「ひゃ!」

 ニトランタが驚いた声をだした。

「アプアちゃん!舌が、舌が子宮口に刺さってるよ!」

 ニトランタの膣内を舐め回していたアプアの舌が、ダブル挿入をきっかけにピンと張り詰め、偶然なのかニトランタの子宮口に突き刺さったのだ。

「もう。どうしたの?」

 ニトランタがアプアの顔を覗き込むと・・・、アプアは目が裏返り、口はニトランタの体重によって何の抵抗もなく開かれて・・・だらしのないアヘ顔を晒していた。

「・・・フフフ♡ アプアちゃん可愛い♡ 」

 ニトランタはそう言うと、アプアの頭を持つと自らのオマンコへ押し付けた。

「さあ♡ たっぷり御なめ♡ ・・・ワンチャン」

ニトランタが愛おしげにアプアの頭を撫でるとアプアも安心して落ち着いたのか、再び膣内を舐め回す。その後ろでは、ダワンと分身が腰を振り始めた。

 アプアの上に乗るダワンは小刻みな動きで膣の奥を刺激し、アプアの下に入った分身はゆっくりと大きな動きで腸壁をこすりあげる。
 時にはタイミングをずらし、時に息を合わせて責め立てるダワンと分身に、アプアは為すすべもなく何度も絶頂に導かれ腰を、胸を、尻尾をガクガクと振るわせた。

「あら〜。全部なめとっちゃったの?」

そんな中、アプアの舌の感触を楽しんでいたニトランタがふと気づいた様子で声を出す。

ニトランタは自分の膣から、夫の精の味が無くなったのを感じた。替わりにアプアのローションのように粘つく唾液がタップリと入り込み、その中をアプアの細い舌が執念深く舐めまわして、精が残っていないかと探し回っている。

ニトランタには舌の動きから感じるアプアの執念深さも愛らしく感じる。それは夫への愛情の深さ故のものだからだ。

「ウフフフ♡ それ以上舐めても膣の中は空っぽですよ。どうしてもと言うなら・・・ヒャ!?」

 膣に精が残ってないことを伝えて、さらに何かを言いかけたニトランタだが、突然目を丸くして驚いた声を出した。
 膣壁を舐めまわしていたアプアの舌が、ここには精が残ってないと知ると、さらなる精を求めて自ら子宮口に細長い舌を差し込んだのだ。

「あ♡! あ♡!」

 ニトランタが恥ずかしげに声を漏らす。
 アプアは二股に別れた舌の先っぽを捻り合わせ、ドリルのように子宮口をこじ開けようと試みる。

 だが、いくら長い蛇の舌でも子宮の中までは届かないようで、子宮口の半ばでモゾモゾと舌先を動かしている。
 経験豊富なニトランタにとってもなかなか感じることのない部位の刺激に気持ちいいやら慣れないやら・・・。とても恥ずかしそうに顔を赤らめている。

「ン♡ ンン♡ もう!そんなに欲しいならこっちでもいいですか!?」

 ニトランタ強く呼びかけると、思いっきり腰を上げて、アプアの舌を引き抜いた。

「「ん・・・はぁ・・・」」

 ニトランタは膣に溜まったアプアの唾液が零れ落ちる感触に、アプアは久しぶりに感じる新鮮な空気に・・・同じように一息入れる。

「ひゃ! あん♡ あん♡ あん♡」

 しかし、アプアが一息つけたのも束の間、ダワンと分身の抽挿に喘ぎ声を響かせる。
 ニトランタはアプアの喘ぐ息を陰毛に感じながら、アプアの顔の上でゆっくりと腰を回し、ダワン達と向き合う。

 アプアの口の上に来たのはニトランタの菊門・・・。

「アプアちゃん、私の不浄の穴ですけど、こちらでもよければ・・・舐めますか?」

 そういって、ニトランタは自分のお尻を割開き、一滴の精をアプアの口元に滴らせる。

 その表情は不安なような恥ずかしいような・・・。それでいて、この部屋に入って鎖につながれたアプアを見た時のような、ゾクゾクしている表情だった。

 アプアには、そんなニトランタの表情は全く見えない、ただ丸い大きなお尻と人生最大のご馳走を滴らせる穴があるだけだ。

「いただきみゃふー♡♡♡」

 興奮しすぎて舌足らずなしゃべり方になりながらも、何の躊躇もすることなく不浄の穴に舌を伸ばすアプア。

「うふふふふふふふ♡♡♡ は〜い♡ 召し上がれ〜♡♡」

 ニトランタは、アプアの返事に夫と交わる時とは違う、喜悦の表情を浮かべると優しい声をかけながら腰を下ろしていく。
 そして・・・。

「あ♡ 少し入りましたね♡ ではもう少し・・・あっ!いけない♡」

 ドン!

 ニトランタの菊門をアプアの舌が超えた時、ニトランタが仕舞ったというような事を言いながら、体を支えていた足を滑らせアプアの顔に尻もちをついた。

「ごめんね〜♡ アプアちゃん♡ 痛くなかったですか〜♡」

 まるで悪びれた様子もなく、逆に楽しむようにクスクス笑うニトランタ。

 その様子に対面にいるダワンはまだ見ぬ妻の顔に驚きを持って眺めていた。アプアも丈夫な魔物であるし、尻もちをついたといっても、半ば以上腰は落ちていたからそこまで強い衝撃という分けではない(少なくとも魔物にとっては)。

 ただ、いつも真面目で礼儀正しい妻が、こんな見え見えに痛みを伴う悪戯を行うことは今までなかったことだ。

(ポアラさんすごいな。まさかこの子に嗜虐嗜好に目覚めさせるなんて・・・)

 優しい女王の隠れたSっ気を引き出した原因であろう、この環境を作りだした演出家にダワンは心の中で称賛を送った。


 ちなみに、称賛を送られた当の本人はまさかそこまで喜んでもらえているとは露ほども思わずに、トトリたちとお茶を過ごしていた。


「ん〜、アプアちゃん平気?大丈夫?」

 とはいえ、ニトランタも慣れないことをしたせいか。
 お尻の下でもぞもぞするだけで、反応が返ってこないアプアへの心配の気持ちがムクムク出てきて。後ろを振り向いて顔を覗こうとしたとき・・・。

「ひゃ!」

 ニトランタのお尻の中にアプアの舌がググっと入ってきた。
 ニトランタは腸壁をまさぐり始めた蛇の舌の感触を楽しみながら、改めてアプアの顔を伺う。

 アプアは口が隠れていても喜色満面と分かる表情で一心不乱にニトランタのお尻から精液を啜っていた。その表情からは痛みの様子は見られない。
 おそらく、お尻の下敷きになった舌を早く穴に入れようとしていたために反応がなかったのだろう。

 ニトランタがそのことに気づくと、安心するとともに、もうちょっと激しくしても大丈夫そうだと。一度引っ込んだ嗜虐心がムクムクと起き上がってきた。
 ニトランタはひょいとダワンに顔を戻すと、いたずらっ子のように笑いながら人差し指を立てて見せた。





 「あ・・・ あぁ〜ん」

 アプアの口から切なそうな声が響く。
 アプアの目の前を覆いつくしていた柔らかなお尻がゆっくりと持ち上がっていったからだ。

 アプアは逃したくないというように、上げれるだけ顔を上げて舌を突き出し、まだ中に入っている舌先で少しでも精を集めようと蠢かせる。

 その時、ダワンと分身の一物が息を合わせてアプアの奥を穿った。

「ひゃ!」

 アプアが驚きで舌をピンと伸ばしたとき、待ってましたとばかりに、ニトランタの腰が勢いよく振り下ろされた。

ドン!

「ふあっ♡」

「んんっ♡」

 ニトランタはピンと伸ばされたアプアの舌が腸壁を擦り上げる快感を楽しみ。アプアも美味しい精子の詰まった穴が戻ってきたことに喜び震えた。

 それからは同じようなやり取りを何度も繰り返した。
 ニトランタのお尻が逃げ、アプアがそれを追い、ダワンと分身がアプアの動きを止めると、ニトランタがお尻を打ち付ける。
 まるで、飴と鞭を使って子供をしつけるように、ニトランタは夫の精を飴にお尻は鞭として、アプアを思うように動かし手玉に取っていく。

 その様子に、ダワン達は2つの意味で、今回の一件がアプアの最後の抵抗になるかもしれないと感じていた。

「十分楽しんだかい? ニトランタ 私たちもそろそろイキそうだよ」

 ダワンは褐色の妻に声をかける。

「あら!失礼しました。私だけ楽しんでしまい」

 ニトランタは周りが見えていなかったと恥ずかしそうに手で口元隠す。

「ふふ、いいよ。君達が楽しそうなのを見るのは私たちも楽しいしね。さあ、そろそろこの可愛い蛇ちゃんにもご飯を上げよう」

「ご飯は私が、たっぷり上げてるんですけどね・・・。ですが、今日はアプアちゃんとホントに仲良くなれたお祝いです! たっぷり食べてもらいましょう!」

 ニトランタはそういうと、自分の下腹部に前後から手を当てて、ゆっくりと押した。
 すると、ニトランタの腸が動きアプアの舌届かない奥にまで入っていた精液をずずいと動かし下へ下していく。

 ニトランタにタイミングを合わせるようにダワンと分身も抽挿のスピードを上げる。
 ニトランタの精液がゆっくりと下りアプアの舌に触れた瞬間、ダワンと分身もそれぞれ膣とお尻に大量の精を解き放った。

「ん!!! あぁ♡♡♡ ん! あ♡ んっ・・・ぷぁ♡♡♡」

 アプアは膣を、お尻を、そして口を満たす精に、頭の先から尻尾の先までブルブル震わせながら暖かく暗い快楽のまどろみに落ちるのだった。





 眠ってしまった。アプアの顔をニトランタが優し気に見つめていた。精液と愛液と腸液でドロドロだった顔は綺麗に拭われ、今は穏やかな寝息を立てている。

 ニトランタはアプアに向けてうつ伏せに寝ころがっている。
 片手はアプアのお腹の上を動き回って何かしらの模様を描いていき、反対の手は頬杖にしてしげしげとアプアの寝顔を眺めていた。

「可愛いね」

「ああ、可愛いな」

 ニトランタの呟きにダワンが同意する。
 分身は先ほどの射精で魔力のほとんどを使い切り、今はすでに消えている。

「たとえ分身の身でも、妻の前で消える姿は見せなくないな」

 ダワンの信条なのだろう、何度も分身を作ってきたが、毎回そう言ってニトランタ達のいないところで分身達は消えていく。
 ありがたくもあり、やっぱり寂しくもある。

「これで、一先ず問題は解決だな。あとは到着を待つだけだ」

「そうですね・・・」

「・・・」

「ねえ、ダワン」

「なんだい?」

「私は、本当にアプアちゃんに噛まれてもいいのですか?」

「んん? はっはっは、まだ心配してたのか。」

 ニトランタのちょっと不安の込められた言葉にダワンは破顔する。

「ははは・・・。確かに白さんやシブンさんたちは一見ヤバそうだけど、別に他人を道具のように使いつぶす人たちじゃないから、ちゃんと説明すれば協力してくれるよ」

「ううん・・・。そうじゃないの、私がアプアちゃんの毒を受け入れたら。もうあの国へは帰れなくなりますよ」

 ニトランタの表情は寂しそうで辛そうで・・・。

 アプアが言うような魔物娘として、快楽に溺れた日々には強く惹かれている。
 ただ、あの国はニトランタとダワンが2人で頑張って育てている国だ、人や物や大地そのものに情があるのは当然の事だ、そこに帰れなくなるのはニトランタにとっても辛いことだ。

 小さなときからそこに住み、近くに親兄弟もいるダワンにとっては故郷との別離の辛さはいか程のものだろうか。

 優しいファラオはそこまで心配して顔を伏せてしまうのだった。
 その優しさに、ダワンは照れたように苦笑した。

「いいんだよ、それでも。俺にはニトランタとアプア、君たち2人が一番大事なんだからさ。約束するよ。その時になったら3人で暗黒魔界にでもパンデモニウムでも行って、イッてイッてイキまくろうじゃないか」

 ダワンは優しくニトランタに約束すると、最後は軽くおどけて見せた。

「ふふふ、相変わらずですね。貴方は」

 ニトランタは懐かしいダワンのやさしさに、昔と変わらないなと笑ってしまう。

「さて、終わりました!」

「おう、お疲れさん!」

 ニトランタはそういうと、体を起こしてダワンに向き直り、ダワンも締めの仕事を終えた妻を気軽にねぎらう。

「はー、お腹がすきました。何か甘くておいしものが食べたいですね」

「はっはっは、任せておけ、もう頼んであるよ。ぼちぼち運んでくれるだろう」

「んー、この部屋に運んでもらうんですか? だったらこちらから伺いましょうよ。オリオさんなら多分待っていてくださってますよ?」

 ニトランタは汚れたままの床を眺めながら、司令官の下を訪ねることを提案する。

「ん?それでもいいが、アプアをこのままにしていくわけにもいかないぞ?起こすか?」

 2人がアプアを見ると気持ちよさそうにぐーすかねていた。
 起こすには忍びない、運ぶにしても大変だ。
 2人がしばしアプアを見つめると。 

「やっぱり、ここでいいですね。オリオさんにはお菓子を運んできてもらった方に伝言を頼みましょう」

「ああ、それがいいな」

 2人はそういって笑いあうと、眠るアプアを挟むように腰を下ろした。
 そして、ダワンが分身から受け取った冬の間のアプアの記憶を語りだすと、ニトランタは興味深々とばかりに話に夢中になる。

 時に笑いながら、時に呆れながら、時に届いたおやつを摘まみながら、時に・・・お股を濡らしなが。

 夜になって気温が下がってきても2人は眠り姫が起きるのをのんびりと待つのだった。

 そんな2人を、アプアのお腹に刻まれた赤き太陽の淫紋が淡く輝き、温く照らすのだった。



おわり
18/08/31 14:40更新 / 焚火
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■作者メッセージ
一応完結です。
来月ぐらいに短いおまけを投稿するかもしれません。

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