二日目の授業！-魔法と属性と相性と-
暗い暗い場所で
男の子が 誰かの手を引っ張って 歩いている
引き方はちょっと乱暴で 危なっかしいけれど
その子は その手を絶対に離さないように
しっかりとその手を握り
誰かと一緒に 歩いている
突然 目の前に輝く 一筋の光
その光に向かって
二人は 走り出して
光の中へ 入っていった････
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朝 1－B教室
「ふぁ～･･･」
「なんだぁ？セイン。随分眠そうだな？」
俺たちは授業を受けるため、教室にいる。
「昨日の疲れでも残ってるんですか？」
ルークとリントが何度も何度も欠伸をしてる俺を気にかけてくれる。
「まあそれもあるが･･･最近変な夢を見るんだ」
「夢、ですか？」
「ああ、ちっちゃい男の子が、誰かといるような夢だ」
「え？それだけか？何でもねぇじゃねえか」
ルークがさも面白くなさそうに言う。
「よく分からん夢なのに、何故か頭に残るんだよなぁ･･･」
「きっとまだこの生活に慣れてないだけですよ。気にすることありませんよ」
「そうかもな」
ｶﾞﾗｯ
「みんな席についてるか？授業を始めるぞ」
レシア先生が教室に入る。
時間は9時ぴったり。恐ろしいくらい正確である。
「今日は何やるんだろうなー」
「いきなりダンジョン攻略しろ！･･･とか無いよね？」
「そのレベルでしたら事前連絡来るんじゃないですか？」
「そこ、私語は慎め」
怒られた
「「「すみません」」」
「全く･･･。ダンジョンなどの冒険形式の授業も後にやるから待っていろ。
まだまだ先になると思うがな」
あるんかい。･･･まあそりゃそうか。
「では今回の授業を説明するぞ。
今日は戦闘分野、技術分野にも通じている『魔術学科』の授業内容だ。
魔術といってもそんな難しいことはやらない。
みんなに魔法を少し体験してもらう、あわよくば自分の素質を見つけてもらう程度の授業だ。
今回も場所を移動して行う。
場所は『魔法系統実習室３』になるから、みんな間違えないようにな。
あとここしばらくは他クラスとも合同で行う。
私たちのクラスは1－Cと合同だ。
授業を通して交友を深め、友人を増やすきっかけにもなるかもしれんな。
それでは移動するぞ。みんなついて来てくれ」
魔術･･･魔法かぁ。
使えれば便利かなーって思ってたけど、まさかこんなに早く学べるとはな。
「おい！魔法だってよ！楽しみだなっ！！」
ルークが子供のように盛大にはしゃぐ。
だからお前は落ち着けと(ry
クラスメイトの笑い声聞こえてんぞ･･･ 恥ずかしい奴め･･･
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魔術系統実習室３
ここの実習室はかなりの広さで、魔法の実験や薬品を扱う機会が多い場所である。
そういう場所だから事故が起きても被害を最小限度にするため、ここの教室は相当丈夫な造りになっているらしい。
今回は初めて魔法扱う奴がいるから(特に俺とかルークとか)何が起きても安心なこの教室でやるんだろうな。
誰も問題を起こさなきゃいいけど(特にルークとか)
「おい、今何か失礼なこと考えなかったか？」
「気のせいだろ」
「それでは改めて今日の授業を説明するぞ。
まずはこの大量の『魔水晶』の中から一つ取り出し、あそこに並んでる的に向かって使用してもらう。
何の魔法かは使ってみてのお楽しみというわけだ。
使用方法は魔水晶を的に向け、念じればOKだ。詠唱などは必要ない。
もし何度も同じ魔水晶を取ってしまうことがあれば交換をしてやるが、それはその人にその属性の魔法の素質があるからかもしれん。
すでに魔法を習得している者ももちろんいるだろうが、他の色々な魔法に触れてみるいい機会だ、と思って授業に臨んで欲しい。
なので魔法を使える者がいても、最初は魔水晶の魔法のみを使用してくれ。
また注意事項として、人に向かっての使用は厳禁とする。
この魔水晶にはすべて人に向かって使用できないようロックが施してあるが、万が一ということもある。くれぐれも気をつけてくれ。
絶対にするなよ？
自分の魔力を使った魔法などはまた後で説明する。
分からないことがあったら私か、1－C担任の『エスティス･フェブリカ』先生に聞いてくれ。
何か質問はあるか？」
もはやレシア先生の簡潔のようで長めに感じる説明はお馴染みだな。
要するに魔水晶に込められてる魔法を的に向けて放つだけ、か。
本当に魔法に触ってみよう的な感じだな。
「質問が無いようなら、各自魔水晶を取って、的の前に向かってくれ」
そういえば、初めて1－Cの担任の名前を聞いた気がする･･･
しかも種族、エキドナだったんだな･･･
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これが魔水晶か･･･思ってたより小さいな」
俺が手に持ってるのは手で握り締めたら隠せるくらいの大きさしかない黒い玉。
こんなもんでホントに魔法が出せるのか？
「そんじゃ早速使ってみようぜ！」
そう言って的に向かって魔水晶を向けるルーク。
ｼｰﾝ･･･
「（・３・） アルェー？おっかしいなぁ？」
ルークの魔水晶から何も出てこない。
変だと思い覗き込むルーク。
ﾎﾟｳｩ･･･
ブシュァァアアアアアアアアア！
「あじゃすkfhういあbsgvくうぇふぇぶぇdkぁくぁwせd」ﾋﾞｼｬｼｬｼｬｼｬｼｬｼｬ･･･
ルークの顔面に吹きかかる大量の水。
しかも量が半端ない。
「げッホォっ！ガハっ！うぇッへぇ！！なんだよコレ！？水！？？
ﾋﾞｼｬｼｬｼｬｼｬｼｬｼｬｼｬｼｬｼｬｼｬ
てか止まれ止まれ！！」
ﾋﾟﾀ
ルーク、ずぶ濡れ。
「あー！なんだってだよぉ！人に向かっては使えなかったんじゃねえのかよ！？」
「お前は人と認識されなかったんだろうな」
「何それ！？ひっどくねぇ！？∑(O_O；)」
「たぶん故障か何かですよ。先生のところに持っていきましょうか」
「どうした！？ 何か問題でもあったか？」
そこへ騒ぎを察知し歩み寄るレシア先生。なんとタイミングのいい。
「先生！！これ俺の顔目掛けて発動したんスけど！？」
「何！んん？どれどれ････
････むぅ、保護の術式がほんの少しだけ緩んでいるな。
おそらく、顔の汚れなどを認識したのだろう･･･
全く、あれほど言っておいたのに･･･
仕方のない男だな、ルーク･ミドルハイカー！」
「本当にしっかりして欲しいよなこの魔･････って俺ぇ！？」
先生の怒りの矛先はまさかのルーク。
「そうだ！あれほど注意したのだぞ？なのに顔に向けるなんて･･･
何かあったらどうするつもりだ！！」
「でもこれが反応しなかったし･･･」
「これが水だったから良かったものの･･･！もし炎や雷だったらどうなっていたか分かっているのか！？」
「うぅ･･･すみません･･･」
ルークは何も言い返せないでいた。てか雷出るのとかもあるの！？
「心配をかけおって･･･
まあいい、次からは気をつけるように。分かったな！」
「は、はいっ！」
「でも、なんで保護が緩んでたんでしょうかね？」
リントが疑問を口に出す。
「ふむ、少し心当たりがある。
この魔水晶はすべて昨日のうちに点検済みだ。担当は･･･フィザ保険医」
「「ああ････」」
俺とリントは、何故だか納得してしまった。あの人ならなんかやりそう。
レシア先生は頭に手を当て、ﾊｧ･･･とため息をもらす。
「おそらく、水なら大丈夫だろうと面白半分で緩めたのだろうな･･･
後でカラマツ医師に報告だな･･････地獄を見せてやる」
フィザ先生、ご愁傷様です･･･
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ちくしょー･･･ひでえ目にあったぜ･･･」
「ドンマイ(^Д^)b」
「お前もその顔やめろ！腹立つ！ヽ(`Д´)ﾉ」
「しかし、レシア先生･･･怒るとなかなか恐いんですね･･･」
「そんだけ心配してたってことだろ。いい先生だと思うぞ」
「そうですね。あそこまで学生のことを思ってくれてる先生も今時そういないと思いますよ」
リントよ、それは他の先生に、いささか失礼ではないか？
「何やら、災難だったな。お前たち」
「大変だったねー･･･」
すると聞き知った声が。
レーヴァとリティだ。
「おう、リティにレーヴァ。見てたのか？」
「ルークの『（・３・） アルェー？』から見てたぞ？」
「最初じゃねえかw」
「あはははっ！でも良かったね、水魔法で」
「良かねえよ！一瞬息できなかったんだぞ！」
あれだけの水の量だから、そうだろうな。
「洗顔できて良かったじゃないか」
「別に俺の顔そこまで汚くないよ！？」
「でも顔の汚れ認識して水が出たんですよね」
「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉ！！ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
周りのみんなはルークのように失敗はせず、各々魔水晶から魔法を出している。
的に向かって、火やら風やら水やら土やら氷やら･･･ものすごい飛び交ってます。
しかも同じ火でも形や大きさが違うみたいで････
色々とカオスである。
「さて、俺もやってみるか･･･」
俺は自分の持っていた魔水晶を的に向ける。
ﾎﾟｳｩ･･･ ｶｯ バリバリバリィ！！
「うおぉ！？」
いきなり大きく光ったと思うと、魔水晶から少し離れた手の先から雷が放出された。
放たれた雷は的に当たり、轟音が響く。
いきなり出てくるのは心臓に悪い･･･
「これがさっき言ってた雷か、結構なモンだな･･･」
「いきなり当たりかよ･･･びっくりしたわー･･･」
的は原型を留めてはいるが、きれいに焼け焦げている。
こんな小さいモノから、あれほどの威力の魔法が出るんだな･･･
「一般的に出回る魔水晶はもっと小さいからな。これくらいあっても当然だろう」
横にいるレーヴァがそう言う。
「レーヴァは魔水晶扱ったことあるのか？」
「私はないが、見たことはある。
大体指の太さくらいでな？指輪にしてはめて使ったりする者がいたな。
高等な魔術師になると杖に大きな魔水晶を仕込む者もいる」
「へぇ～」
「私の家にいる者はみんな自分で魔法が使えたからな。
こういった道具を使う方が珍しいくらいだよ」
「そういえば、お前も魔法が使えるんだったな」
先日のバトルで魔法を使った技を出してたのは記憶に新しい。
あれ、かなりかっこよかったな。
「そうだな。私が使うのは『光属性』の魔法だ。アンデット系なのに珍しいだろう？」ﾌﾌﾝ
レーヴァが得意顔だ。
確かにアンデットとは正反対のイメージではあるが･･･
魔法のことはよく知らないからなぁ。
「そうだ、リティも魔法が使えるらしいぞ？」
「えぇ！？そうなのか！」
「う、うん･･･」
いきなり話題が自分に向けられてちょっと焦るリティ。可愛い。
「で、どんな魔法が使えるんだ？」
「私は『木属性』の魔法が使えるの。主に防御と回復だけど」
「ほぇ～･･･大したもんだな」
「元々エルフは生まれつき高い魔力を持った種族だ。使えても不思議ではないだろう？」
「確かに、それもそうか･･･」
魔物って、やっぱ基本スペック高いな。
「あー、俺も自力で魔法使ってみてぇーな～(´Д｀)」
ルークがふとそんなことを言う。
魔水晶で失敗してるのに･･･
「そろそろ先生から説明があるみたいだよ？」
「本当か！？」
「みんな、魔水晶の扱いには慣れてきたか？
では自分の力で魔法が使えるか、ちょっと試してみよう。
まずはイメージ。自分の体に魔力が流れてるイメージだ。血液のように巡っているのを想像するといい。
そしてその流れを徐々に魔力の放出したい場所に集中させるような感覚で･･･
充分に集まったところで放つ！
ﾋｭｫｫｫ･･
大体こんな感じだ」
おお、説明しながら実演してくれたよ･･･
レシア先生の掌から小さな風が渦巻いている。
「ではみんな、試してみれくれ。
ああ、あと魔力を集中するときは周りの安全を確認してからするように。
分かったな？」
『はーーい！』
「よーし！でわ早速！････フヌゥゥゥゥゥゥゥウウウゥウゥゥゥウゥウウン！！？」ｸﾞｸﾞｸﾞｯ･･･
ルークが片手を押さえて唸りだした。
「ルーク･･･何やってんだ？」
とりあえず聞くことにする。
「あぁ！？見て、分かれ！この、手に、魔力を･･･集ちゅぅぅう！してんだよ！」ｸﾞｸﾞｸﾞｯ･･･
ですよねー。
「そんなんで溜まるのか？」
そんなんじゃいつまで経ってもできやしな･･･
「おお？なんか来た！来たぞ！！」
えええええ！？嘘だろっ！？
「よぉぉぉぉし！行けぇぇぇぇぇぇ！！！」ｸﾞｫｫ!
ﾌﾟｽﾝ
「あれ？」
「なんか、変な音しただけじゃねえか」
「こ･･･こんな、ハズでは･･･」ﾍﾅﾍﾅ･･･orz
なんだよ･･･期待して損したぜ･･･
ルークらしいっちゃルークらしいがな。
「ふむ･･･でも初めてにしては、悪くはないんじゃないか？」
「そうだよ。音がしたってことは何らかの変化があったわけだし」
レーヴァとリティからフォローが入る。
火のないところに煙は立たぬってジパングの言葉であるくらいだし、悪くはない･･･のか･･･？
･･･あれ？この言葉、使い方これであってたっけ？
「それじゃぁセインもやってみようよ！」
「お、俺？」
「うん。もしかしたら出来るかもしれないよ！」
リティが目を輝かせてる。
そんなに期待されてもな･･･
「やるだけやってみればいいじゃないか。出来なかったそれまでだが」
「挑戦するだけ、してみるか･･･」
とりあえず一回やってみることにする。
えーと、まずはイメージだっけ？
体の中の魔力ってのを流れてる想像をして･･･
その魔力っぽいのを掌･･･いや、指先に集めるイメージで･･･
ﾋﾟﾘﾋﾟﾘ･･･
「ふおぉっ！？」
思わず変な声出た！ てか何か出た！ 指から出た！？
「おおお！すごい！『雷属性』の魔力だよ！これ！」
「ほほう･･･なかなかやるじゃないか」
「すごいじゃないですか！」
みんなから大絶賛である。
一番驚いてるのは本人だけどね･･･
「でも、こんなの誰でも出来るんじゃないのか？ちょっと電気っぽいのが見えるだけだし･･･」
「でも初めてでここまで形になるのはなかなかないですよ。素質があるのかもしれませんね！」
リントがかなり興奮してる。
そこまで言われると嬉しいなぁ。
「セインに････セインに負けた･･･」orz
ルークがまたへこんでる。
そんなへこまれても、俺にはどうしようもないんだが･･･
「じゃあさ、リント。お前もやってみようぜ」
「僕ですか？」
「うん。お前も魔法初めてだろ？」
俺はリントにそう提案する。
俺とルークはやったから、あとはリントだけだ。
「えーと、ちょっと申し訳ないんですが･･･」
「えー？なんだよー。ちょっとくらいいいじゃんよ」
リントが困ったようにルークの方を見る。
ははーん。ルークみたいになるのが嫌なのかー？
「あー、こいつみたいになっても笑ったりしないから。安心しろ」
「いえ、そうじゃなくてですね･･･」
「？」
「えー、いや、まぁ･･･
僕はもう魔法使えるので･･･」
え？ は！？
「うぇ！？マジでか！！？？」
「えぇ･･･マジです」
「俺だけ･･･使えてないとか･････････ﾁｸｼｮｳ･･･」
ルークが地面にめり込みそうなくらい、さらにへこんでました。
ちなみにリントの魔法は『木属性』と『闇属性』だそうです。
この時点で二つも持ってるって･･･やはり天才か･･･
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「元気出せよー、ルークー」
「ちくしょぉ！なんでお前はいきなり出せるんだ！？どっかで練習でもしてたんじゃねえのか！？」
「そんなんどうやってやるってんだよ･･･」
「今出来なくても、これから出来るようになればいいのさ。
･････保証はないが」ﾎﾞｿﾘ
「そこ！そんなこと言うな！！悲しくなるわ！
いいだろう･･･おもしれェ･･･やってやるわぁぁぁぁぁぁ！！」
ｳｵｯｫｵｵｫｵｵｫｫｵｵｫｯｫｫｫｫｫｫｫｫｵｫｵｫｵｵｵｵｫｵｵ!!!
･･･なんかルークに火が付いたみたいなので、少し放っておこう。
「そういやレーヴァ」
「なんだ？魔法で聞きたいことでもあるのか？」
それもあるが･･･今はそれじゃない。
実は最初からずっと気になっていたんだが･･･
「いやさ･･･あいつ。シューゼンはどうしたんだ？」
今日は、まだシューゼンの姿を見ていない。
「･･･････････」
あー、やっぱりこんな感じになったか。
でも気になるしなぁ･･･
昨日ああ言った手前、そのまま投げっぱなしというわけにもいかないだろう。
「何かあったのか？」
「いや････まだ何も･････まだ会ってすらいないんだ」
「え？あいつ今日来てないのか？」
「･･････昨日から、ずっと保健室で寝ているらしくてな･･･」
何だと？あれからずっと？
そんなに重症だったのかあいつ？
「･･･先生は一日寝ていれば治るから、と仰っていた･･･
でも今日の朝も行ったのだが････」
「まだ、起きてないって？」
「･･･････････････」
一日寝てるってそのままの意味で、本当に寝てるのかよ･･･
大丈夫なのか、それ････
「私の･････せい、だろうか････」
「え？」
「私が、無理やり、試合をさせたから･･･だから････」
「････････」
レーヴァがまた泣きそうだ。確かに俺もここまでとは思ってなかったな･･･
「まだそれが原因だって決まったわけじゃないだろ？」
「でも･･･」
「この授業終わったら、また行ってみようぜ？案外ピンピンしてるかもしれないよ」
「そう、だな･･･」
確かに心配でも、今はどうしようもない。
授業が終わったら、俺も保健室に行ってみるか･･･
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「それでは今日の授業はここまでとする。
それと今日は一部のサークルや委員会の紹介があるらしい。
2時くらいから始まるみたいだから、気になる者は見てみると良いかもな。
それでは解散だ」
『ありがとうございましたー！』
「それじゃこれからどうする？」
「私は用事があるから、ここで･･･」
レーヴァが早々と別れようとする。
「待て待て。俺も行くよ。やっぱ気になるしな･･･」
「む･･･そうか」
「別に確認できたら邪魔はしないから安心してよ」
「何々、なんの話だ？」
すると他のみんなも気になって聞いてきた。
「シューゼンが保健室にいるらしいから行ってみようって話だよ」
「あぁー！そういやあいつ居なかったな！」
今思い出したか、ルークよ。
「僕もずっと気になってはいたんですが･･･保健室にいるんですか？」
「どうやらそうらしいぞ」
「それならみんなでお見舞いに行こうよ！シューゼンも････きっと喜ぶはずだよ！」
「そうだな･･･！レーヴァ、問題ないかな？」
「ああ、別に大丈夫だ･･････私が行って大丈夫なのだろうか･･･」
「心配するなよ。それにシューゼンはきっと大丈夫さ！」
「そう、だな。それではみんなで行こうか！」
いつものレーヴァの調子に戻ってきた。
でもちょっと無理してるのかな･･･
そういうやり取りをしてから、
俺たち5人は、保健室へとゆっくり歩いて行った････
12/09/20 02:37更新 / 群青さん
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