連載小説
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新入生のための組織紹介!-委員会と個性的なキャラたち-



 昼 保健室



「あら昨日の子達、いらっしゃい♥また私に会いに来てくれたのかな〜?♥」

「いや違いますから。昨日も違うでしょう」

「セイン・・・?昨日って、何のこと・・・?」ゴゴゴ・・・

「ちょ、リティ・・・さん、その笑顔は怖いから!本当に何もないから!」


なんか来て早々面倒くさい展開になったなオイ!


「セイン!俺の見舞いの前に何かあったのか!?」

「違ぇから!なんもないから!あるとしたらお前のせいだから!」

「ルークが保健室送りにされなければ、フィザ先生と昨日会うこともありませんでしたからね。だいたいルークのせい、でしょう」

「別に私は理由なく会いに来てくれても大歓迎よ〜♥」

「いや・・・・結構です・・・・」

この先生、ホント疲れる・・・



「フィザ先生、シューゼンの様子は・・・」

「あら?今朝の・・・レーヴァちゃんだったかしら?また来たのね♥
いいわね〜、性春って感じ♥♥」

あれ、なんか今発音おかしかったよな・・・青春だよな・・・

「か、からかわないでくださいっ!///   それでどうなんですか!?」

レーヴァの顔がほんのり赤くなってる。

「ふふ・・・♥

心配しなくても大丈夫よ♥もう起きてるから♪」

「ほ、本当ですか!」

「あらあら、そんなに心配だったのね〜♥なんだか妬けちゃう♪

それじゃ案内するわね♪」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コンコンッ

「シューゼン君?入るわよ〜♥」

「いいすよー」

中から声が聞こえた。どうやら本当に起きているらしい。

ガチャ

「具合はどうかしら♥」

「どもー、おかげさまでー・・・ってなんか多いな」

シューゼンが後ろの俺たちを見てそう言った。

「なんかってなんだよ。失礼な奴だなー見舞いに来てやったってのによー」

「あぁ、スマンスマン。ありがとな。・・・・・心配かけた、みたいだな?」

「一番心配してたのはレーヴァだけどな」


その肝心のレーヴァは、ばつが悪そうな様子で俺たちの後ろの方に立っている。

「シューゼン・・・・本当にすまない・・・・私のせいで・・・」

「なんでキミが謝るんだ?」

「え・・・?だ、だって私がシューゼンを無理やり戦わせたから・・・」

「それは違な。オレの・・・体質?のせいだから」

「なんでそこ疑問形なんだよ・・・」

「ん? んー・・・ 気のせいだ」

「気のせいで丸一日寝込むのか?お前は」

「まー、もう元気になったからいいじゃんよ」

釈然としないな・・・何か隠してるような・・・


「それよりも授業ー、出たんだろ?何だったんだ?」

「ああ、今日は魔法学科の初回授業でしたよ。
皆さんが初めて魔法を扱ったんですよ」

「へー、面白そだったな」

「ええ、ルークなんて顔面に魔法受けてましたから」

「え〜、バッカじゃねえのww」

「う、うるせぇな!」

「はははっ!」


・・・・・・・・・


「あー、午後どすっかなー」

シューゼンは午後から復帰できるらしいが、病み上がりということもあって予定をどうするかを決めかねていた。

「午後は委員会とかサークルの説明があるらしいぞ?」

「え?それ参加強制なの?」

「いや、別に強制じゃないが、興味があるんなら行ってみるか?」

「( `・ω・) ウーム…」

「俺たちは行く予定だぜー」

ルークが口を挟んできた。別に決めてなかったけど・・・まあいいか。

「まあ、行くだけ行ってみるかな

でもまだ先生と少し話があるから、後で行くわ。場所だけ教えてくれない?」

「別に待っててもいいんだが・・・・」


くぅぅう〜・・・・


なんだこの音?

「あぅ・・・///」

・・・・どうやらリティの腹の音みたいだな。


「じゃ、俺たちは学食で飯食ってくるよ。早く済むんなら学食に来いよ。
もし無理そうなら・・・説明の場所は大講堂だから、そこでまた会おうか」

「そするか、そんじゃ行ってくる」



「ちょっと待ってくれ!」

レーヴァがシューゼンを呼び止めた。

「なんよ?」

「・・・・・・・・・・・・き、昨日の、ことなんだが・・・」チラッ

レーヴァはこちらに視線を向ける。
やっぱ俺たちがいると話しづらいか・・・

「レーヴァ、俺たち先に行ってるぞ」

「うむ、そうしてくれると、助かる・・・」


「何々?なんかあるの?」

「気にしてないで、行きましょうよ」

「でもよ〜気になんじゃん!」

「空気の読めない人はモテませんよ?」

「うぐ・・・・さっさと行くぞー!あー!腹減ったなぁ!」

「そ、それじゃレーヴァ!また後でね!」

「ああ」

みんなも察してくれたようで(一名を除く)、レーヴァを残して俺たちは学食に向かうことにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


   レーヴァ視点


「どしたのさ?試合のことは、もいいって言ったよな?」

シューゼンが私を急かす。
確かにまだ色々聞きたいこともあるが、私にとって最優先に聞きたいことがあった。

「それも、まだ納得してないが・・・・・・・・・・・・・・・もう一つあるだろう?」

「んー、なんだったっけかね」

「・・・・・約束のことだ」

「あー・・・・」

シューゼンは苦笑いをして、困ったような顔になる。

「確か、レーヴァが勝ったら稽古に付き合うんだっけか」

「そうだ。・・・だが私は負けて、お前が・・・シューゼンが勝った」

「あれは勝ったって言えるのかね?」

「その場の審判、先生が勝敗を決めたはずだ。あれはシューゼンの勝ちだ」

「でもなー、まだ全力出してないでしょ。てことで引き分けってことに・・・」


シューゼンは何故かとぼけたように私に勝ったことを誤魔化そうする。
まるですぐに話を終わらせたいように・・・


「確かにまだまだ戦えたが・・・・・・・!
私の聞きたいことはそんなことじゃないっ!!!!!」


私は思わず声を荒げてしまった・・・


「騎士に二言はないと、言ったはずだ」

「・・・・・・・・・・・・」

「シューゼンが勝った時の約束もしていたよな

・・・・私はお前の言うことを、何でも一つ聞くと」

「・・・・・・・・」ハァ・・・

頭を掻きながら、ため息をつくシューゼン。
お前はこの話を切り出されたくなかったようだな・・・

「んー・・・・何か言わなきゃダメ?」

「当たり前だろうっ!!!お前はこれ以上!!私に恥をかかせるつもりか!?」

「・・・・・・・・分かった」


ゴクッ

思わず息を呑む。
あんなことをしたのだ。
きっと・・・・私とはもう関わりたくないだろう。

シューゼンとは・・・・・もう・・・・・・・


「それじゃ・・・・・














今度からは無理やり試合をもし込むことはやめてね?」



「へ?」キョトン



「流石にさー、断るのは悪いと思ったけど・・・オレにもつご、あるし」


「ちょちょちょっと待って!」


私は驚きを隠せなかった。


「・・・・・それだけ、なのか?」

「?それだけだけど?なんで?」



「だ、だって!無理やり戦わせちゃったし!絶対私のこと嫌いになったかなって思ってたのに!だから・・・きっと私のこと避けるようなお願い事するだろうって!もしかして絶対私が嫌がるようなことをお願いするかもって覚悟してたのに!なのに・・・!どうしてそこまで平然といられるんだ!?丸一日寝込んだ原因を作った相手を!!目の前にして・・・

なんでなんだ・・・!!?」



ああ・・・

言葉に出してしまった・・・・

ここまで晒すつもりはなかったのに・・・

私の胸から溢れてしまった・・・




「・・・キミはオレに嫌いになって欲しいのかい?」

「っ!! ち、違うっ!私は・・・」

「よそ外過ぎて焦ってるだけなんでしょ?」

「っ!?」


私の胸の内を、見事に言い当てられた。
ここまで漏れ出していたら、当然と言うべきなのだろうが。


「確かにそゆお願いもできるけど、別に嫌いになるりゆもない。
ただ試合をもし込まれて、それ受けて、オレが勝手に寝込んだだけだし。
何の非もないキミを恨んでもお門違いってわけだよ」

「・・・・・・・・・・」

何も言い返せなかった。

「ま、別に距離を取りたいなら、キミから勝手に取ってくれって話だね。
罪悪感あるんだか知らないけど、いつまでも感じられても困る」

「む・・・・・」

少し今のはカチンときた。
人が悩んでいたことをあっさりと返されると、多少の怒りはこみ上げてくる。
だが今の私にそれをぶつける資格は、ない。

「だから、無理やり戦わすことと襲ってくること以外なら、何してくれても構わんってことかね」



ん?今何してもいいって言った?


「・・・・・それなら、もし暇な時、お前と一緒にいても問題ないということか?」///

また思いを言ってしまった。
おそらく顔も赤くなっていることだろう。熱い。
でも、あれだけ晒してしまったんだ。
もう別に構わなかった。


「そ、なるかな? だがオレと一緒にいてもつまらんよ」

「何故そう言い切れる?」

「基本的に何もしない人種だからさ」

「・・・シューゼンはそれでいいのか?」

「今のところ不じゆはない」

本当にこいつは・・・つかめない奴だな。
だが・・・・

「さて、約束の話はこれで終わりっ!オレは先生によじあるから行くわ。

そいじゃ!」

「ま、待て!まだ話は・・・!」

「別に今じゃなくてもいーだろ?  またな!」


そう言うとシューゼンは走り出して行ってしまった。

残されたのは、私一人。

「またな・・・か」

それは、再会することを『約束』する言葉だ・・・



「・・・・ふふ、そんなことを言うのなら・・・覚悟しておけよ?シューゼン・・・」

私は自然と顔がにやけていた。
きっとまたすぐに会うだろうが、その一言が無性に嬉しかった。

私はもっとあいつのことが知りたい。
だから、次はもっと色んなことを聞いてやろう・・・♪
あいつはまた困った顔をするだろうが、もう関係ない。

そんなことを考えつつ、私はシューゼンのいた部屋を後にするのだった・・・



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「あいつらうまくやってるかねー・・・」

俺はみんなと飯を食べつつ、そんなことをボソリと呟いていた。
ちなみに俺が今食べてるのはカツサンド。なかなかうまい。

「あの二人ならきっと大丈夫でしょう」

リントに聞こえてたようだ。リアクションを返してくれた。

「シューゼンとレーヴァのこと?シューゼンも気にしてなかったみたいだし、心配ないよ!」

リティも返してくれた。わざわざありがとう。

「レーヴァが爆発してなきゃいいけどなぁ」

「爆発、ですか?」

「色々思うところがあったみたいだから、シューゼンに一言言われて爆発してるんじゃないかなーと」

「でも、なんだかんだでまとまってそうだよね」

それには俺もリティと同意見。
この予想は何故だか当たっていそうだ。




「なんだか俺の預かり知らぬところで話が進んでるなー(・ω・)」モグモグ

「「「ルークには全然関係ない(ありません)からね」」」

「何気にひでぇ!(;ω;)」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


昼飯を食べ終わった俺たちは、大講堂へ。

向かっている時にレーヴァと合流した。
レーヴァ曰く「話は大体ついた。まだまだこれからだ」とのこと。
まだまだなら話ついてなくないか?って思ったのは俺だけじゃないはず。
でも本人は満足そうだったので口には出さないでおこう。

大講堂へ入ると、多くの新入生やら上級生やらでごった返していた。
新入生はわかるが・・・先輩も多いのはなんでだ?


「あら!久しぶりね♪」


俺たちを見て声をかけたのはアラクネの先輩。
知っている先輩と言えば・・・

「こんにちは、アドネット先輩」

「す、数日ぶりです!先輩」

「う〜ん・・・カリーナでイイわよ?名前の方で呼んでくれない?」

「わ、分かりました、カリーナ先輩」

「お友達も随分増えたようね・・・いいことだわ♪」

「ありがとうございます・・・?」

「おいおい!誰だよこのキレーな人はよ!!」

当然の如くルークが噛み付いてくる。

「服飾学科3年生のカリーナ・アドネット先輩だよ。
以前リティと買い物に行った時、小物雑貨の店主してた人だ」

「よろしくね〜♪」

「よ、よろしくお願いしまっす!俺、ルークって言います!」

「リントです。セインとルークとはクラスメイトなんですよ」

「レーヴァと言います。こちらこそよろしくお願いします・・・」


「ルーク君にリント君にレーヴァ、ちゃん・・・?
もしかしてシーグちゃんの妹さんかしら?」

「あ、姉上を知っておられるのですか!?・・・なんで自分がそうだと?」

「同級生だもの、モチロン知ってるわよ〜♪あとシーグちゃんに似てるから、そうかなって♪」

へえ〜、レーヴァにお姉さんがいたのか。
しかもこの学園に。

「きっとこの説明会にも出てるはずだから、一目見ておくといいわね♪」

「ところで、なんで新入生のための説明会に先輩方がこんなに多くいるんですかね?」

「それはきっと新入生のチェックと・・・一部はランキングが知りたいからじゃないかしらね?」

「ランキング!?」

昨日レシア先生が言ってたやつか・・・

「先生から説明があったでしょうからランキングは知ってると思うけど、今日戦闘力ランキングの上位20人が、説明のついでに発表されるのよ。
本来は新入生に向けてのものなんだけど、上級生で気になってる子は気になってるのよね〜♪発表も、大幅な更新がない限り、数月に一回ずつとかだから、少しでも上が気になる子はみぃ〜んな見に来てるってこと♪」

「じゃあ上位ランカーが誰だか、分かるわけですね?」

「そういうこと〜♪この時期は手始めに、新入生の憧れや目標になってもらうってわけね♪」

「なるほど・・・」

これも学園側でいう「意欲の向上」ってやつなのか・・・

「まあほとんどは新入生にどんな子がいるかな〜?っていう偵察だと思うから、変なのに目をつけられないよう気をつけた方がいいかもね♪」

「ご忠告、ありがとうございます・・・」

「目立つことなんてしませんって!なあみんな?」

お前が一番心配なんだよルーク・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


適当なところの席に座り、いよいよ説明会が始まろうとしていた。
ちなみにシューゼンはちゃっかり先に座ってた。
そしてレーヴァが有無を言わさず、シューゼンの隣に座った。
速い・・・てか抜け目無いな・・・
シューゼンは驚いてはいるが、そこまで嫌そうじゃない顔してる。
問題はなさそうだな・・・



「新入生の皆、入学おめでとう。心からお祝いする。
ただいまから、委員会とサークルについての説明会を始める!

私は生徒会会長職についている『エルドラ・ウィンゼルト』だ。
今日の司会を勤めているから、皆よろしくな」

説明会が始まり、まず緑色の鱗が一際綺麗な出で立ちの人が話始めた。
大きな翼と尻尾も見えるから・・・あれはドラゴンだろう。
マジかよ・・・生徒会のトップドラゴンなのか。

「今日の予定としては、まず委員会の各代表による説明がある。
それが一通り終わったらサークルの説明に移る。
かなりの長丁場が予想されるから、気分が悪くなったり、都合が悪くなったりした者は退出しても構わん。この説明会は強制参加ではない。

だが、この学園を少しでもよく過ごしたいのであれば、聞くことを推奨するがな」

なかなかに凛々しく、そして威圧感を放つ話し方だ。
ドラゴンってこういうものなのかな・・・

「それでは、まず『保健委員会』から出てきてもらおう。さあ出てよ!」

出てよって・・・なんか使い方おかしいくない?


・・・・・


「えー、皆さん初めまして。私は保健委員会委員長の『マリエル・イルミナード』と申します。よろしくお願いしますね」


出てきたのは、白。
否、白さ、純白の塊だと思うくらい白く清楚なユニコーンでした。
この講堂の大半の人がこう思うことでしょう。


ふつくしい・・・。 と




・・・・俺は何を考えてるんだ。

「私たちの活動ですけれども、主に具合の悪くなった人や怪我をした人を保健室まで運ぶこと、またその方の治療を行ったりします。ですから、入っていただける人は、多少なりの医療知識を持っている人が好ましいですね」ニコッ

え、笑顔が眩しいっ・・・!
なんだが体の汚れが、見るだけで削ぎ落とされていくようだ・・・!

「気分が悪くなったら、いつでも私たちにお申し付けくださいね!
それでは、簡単でしたが説明を終わります」



「ありがとう、マリエル3年生。
今の話を聞いて、わざと怪我をして保健室に行こうとした輩がいるだろうが、やめておけ。
保健室の自称天使に何をされても、生徒会と保健委員会は一切関知しないからそのつもりでいろ。

次は『風紀委員会』だ」


・・・・・


「私は風紀委員会の委員長、『シーグ・フリード』だ!

私たちの活動は、学園内での不正行為、違反を取り締まることである!
私の前でそのようなことを働いた者は即刻打ち首だ!覚悟しておけ!」


打ち首ぃっ!?殺すつもりですか貴方!

てかシーグ・フリードって言ったな。
あれがレーヴァのお姉さんなわけだが・・・似てるなぁ、見た目とか性格とかも・・・
レーヴァの方は・・・・目キラキラさせて見てやがる・・・
自分の姉だもんなー、憧れとかあるのかな?


「風紀を乱す者に鉄槌を与えたいという、正義感を抱く者はこの委員会に入れ!
歓迎するぞ!!」

あー、うん。
話とか聞いてくれなさそうだなー、この人も・・・
あとフリード先輩。

貴方が着ている、「制服の絵柄がモチーフになってるその細身の甲冑」は、
校則違反ではないのですか・・・?



「ありがとう、シーグ。
皆も違反には気をつけるように。
校風は自由だが、違反者に対しては厳粛であるから、問題は起こさぬようにな。
では、次。『選挙管理委員会』だ」


・・・・・


「は〜い、ワタシは選挙管理委員会で委員長させてもらってます。
『ミズカサ ハカリ』と言います。
お仕事の方は〜普段あんまりないんですケド、選挙とか、投票とかの仕分けるイベント関連は全部ワタシタチの仕事ですからー、その時は忙しさがマッハで〜す。厳正さが売りなので〜、そこはちゃんとしなきゃいけませんから、不正は一切ありません。
ミナサン、どうぞ入ってくださいね〜」

そんな話を聞いたら、あんまり入りたくないんですけど・・・
体が液状で、制服からも水が滴ってるが・・・スライムかな?
でも結構しっかりしてそうだしなぁ。

「あと〜、ワタシはぬれおなごなんですケド、スライムとかと見間違えやすいので注意です。そのくらいですかね〜」

ぬれおなごさんでしたか。これは失礼。
魔物にもっと詳しくならないとなぁ・・・



「ミズカサ3年生、ありがとう。

大概選挙の時期は選挙管理委員会が動くのだが、いつも見ていると、終わった頃にはミズカサ3年生以外は死屍累々状態だ。
生半可な気持ちでは務まらないので、入るときはよく考えておけ」

その情報、ありがたいんですけど、あまり聞きたくなかった・・・

「次に移る。『環境整備委員会』だ」


・・・・・


「はぁ〜い、新入生の皆さん、ご機嫌よう♪
私は『セラフィー・グレイプモア』。環境整備委員会の委員長よ♪」

足の方が大きな花に包まれている。あれはアルラウネか・・・
でも以前花屋さんで見た人よりも髪色とか色々濃い・・・?
あと一斗缶を蔦で器用に持っている。
なんでそんなものを・・・

「私たちのお仕事は〜、学園をキレイにすること!
だからお花とか植物の手入れとか、ゴミ拾いも時々するわね♪」

なるほど、学園内の草木、花が生き生きしてるのは環境整備委員のおかげってわけだ。しかしこの広い学園全部やってるとなると・・・ここもキツそうだ。

「あとぉ〜、一つ言っておく・け・れ・ど・・・・
もぉしもこの学園の花や草木をいぢめたら・・・」



メキゴシャァ!!



一同『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』シーン



え?
あの人が持ってた一斗缶が、縦にひしゃげたんだけど・・・
あらあら〜薄っぺらくぺっちゃんこ〜。
・・・・・一斗缶って相当硬いよね?



「これ以上にひっどいことになるから、くれぐれも気をつけてね☆」



これよりもひっどいことになんの!?
それってどんな状況!!?
この人超恐ぇえ!!!



「あー、ありがとう。セラフィー4年生。
その鉄くずはきちんと片付けておけよ?」

「もぉちろ〜ん!分かってるわよ〜♪」


メキッバキッグシャ・・・グッグッ・・・・



原型を留めてないあの薄っぺらい金属丸めていきおった・・・・
もう恐ろしくて花触れねえよ・・・


「この委員会に関しては何も言うまい。皆、分かっただろうからな・・・」

全身の鳥肌引かねえくらいにわっかりましたー・・・

「では次だ。『図書委員会』」


・・・・・


「皆さん、初めまして。私、図書委員長の『キシモリ スイレン』と申します・・・。

この委員会では、もしかしたらご利用なさった方もいらっしゃるかと思いますが、図書室での本の管理、貸出などを担当させていただいております。
何かご入用の本がございましたら、是非何なりと聞いてくださいね」


ああ!良かった!普通の人(?)だ!
さっきの人(?)がだいぶアレだったから!
なんだろう、すっごい安心する!
しかも白蛇だ!丁寧だよ!
自分のこと私(わたくし)って呼んでるもん!
マジで良かった!!


「後、図書委員会は魔術の解析なども努めておいでなので、できればそちらの方面に詳しい方がいらっしゃれば、御一緒に仕事をこなしとうございますね・・・」


でも!なんでそういう人の委員会に限って!
条件付きなのさぁぁぁぁぁ!!
俺は別に入る気はないけどさ・・・
なんか可哀想だよ!俺ら男子が!
悔しいなぁ!悔しいなぁ!俺らぁぁ!

隣でルークささやかに笑いながら涙流してんだぞ!
キモいけど!  キモイけど!!!



「キシモリ3年生、ありがとう。

本が好きでない者、魔術に長けていない者はこの委員会に入ることをお勧めしない。かなりの精神力を使うハメになるぞ。あと記憶力もな。

では次は・・・『食膳委員会』だな」


・・・・・


「よう、新入生!飯食ってるか!?
俺は『セリ・ガジェッツ』!3年生だ!」

今までずっと魔物娘の委員長だったから、男は新鮮だな・・・
あれ?この人どっかで見たな・・・てか毎日どこかで見てる気が・・・

「気づいている奴もいるようだが、俺たちの仕事はお前たちの飯の準備と調理だ!
食堂にある露天以外の飯は全部俺が作ってるぞ!」

ああ!!
そうか!食堂でいつも厨房にいた人だ!
てか学生!?
しかも全部一人で作ってるのかよ!?

「まあ毎日飯を作るのはちぃと大変だけど、お前らがうまそうに飯食ってくれるからな!俺はそれで満足だぜ!
それと、入りたい奴がいれば大歓迎だ!
料理ができなくとも、下準備の方を手伝ってくれるだけでもありがたいしな!」


何この先輩。めっちゃいい人やん・・・。
自然と尊敬するな、こういう人は。
いつも美味しいご飯、ありがとうございます!

「でも結構厳しいからな!
こっちも商売してる以上、生半可な飯は出せねぇ!!
料理がしたいなーって軽く思ってる奴はサークルの方で『料理部』ってのがあっから!
悪ぃがそっちに行ってくれっといいと思うぞ!」

料理に対する情熱一筋ってやつか・・・
職人魂を思わず感じるな!



「セリ3年生、ありがとう。

もし料理学科を希望してる者が現段階でいるならば、思い切ってこの委員会に入るのもいいかもしれんな。
あと食膳委員会は2限免除という特権もある。
昼食の準備に駆り出されるという理由でな。
しかも朝昼晩毎日仕事があるから、いい修行場になるだろう」

そっか、朝昼晩を毎日か・・・
冷静に考えると、すっげえ体力と気合だな。

「では次は、上級生もお待ちかねだろう・・・
放送・広報委員会だ」


・・・・・


ザワザワ・・・  ザワザワ・・・

な、なんか騒がしくなってきたな・・・
一体何だ?

「はいはーい!
アッシが放送・広報委員会でいいんちょやらしてもらてまーす!
『オサカベ フミ』言うんよー!」

なんかハイテンションな狸出てきたな!
刑部狸だけと口調が特徴的すぎる!

「ふっふっふー、みんな楽しみにしてんよー!
まー、仕事の方だけど、学園の情報かき集めてニュースにするってこと!以上!
あと放送での呼び出しもできんよー!

でわでわっ!早速お待ちかねのもの、出しちゃいましょーっかねー!」


バララッ

前に張り出されたのは一枚の特大な紙。
そこには名前と思われる文字がズラーっと並んでいた。
もしや、これが・・・

「そう!これが新入生も聞いてたと思う、ランキングなんよー!
今回は戦闘力トップ20名!
まー現段階っちゅうことで一つよろしゅーな!」



===================================

1 アルフレッド・オルジール 2年生「   」
2 クアトロ・エレイン    4年生「剣豪」
3 エルドラ・ウィンゼルト  2年生「覇緑の刃」
4 シーグ・フリード     3年生「蒼月」
5 ジキ・イーティス     3年生「暴食武人」
6 アリア・ハーモニカ    4年生「砕き屋」
7 セラフィー・グレイプモア 4年生「魅惑のブルームマスター」
8 アスレイ・ザードナー   3年生「紅蓮剣士」
9 シスイ ミモザ      4年生「重戦鬼」
10 キシモリ スイレン    3年生「慈水の巫女」
11 ストラ・フェルディア   2年生「軽業師」
12 ユキカゼ シグレ     3年生「雪華美人」
13 エリック・ジャッカー   3年生「切り裂き断頭台」
14 パイル・バイソナー    2年生「剛角」
15 リフィリア・ローゼレイル 2年生「宵闇皇女」
16 ウィルター・ヒットマン  3年生「見極めの達人」
17 アイザキ キゾメ     3年生「知将鬼」
18 クインジ ヒメ      3年生「金色姫」
19 セリ・ガジェッツ     3年生「銀匙の料理人」
20 リズリー・マックフォン  2年生「ベアファイター」

===================================



うおぉ・・・なんかこうして見るとなんかすごいな。
左のが名前として、右のやつはなんだ?

「今回もーアッシらによる、ぴったりな『二つ名』をつけさせていただきやしたー!
今後新入生もランキングに載ることがあればー、素敵な二つ名をつけさせてもらうんよー!
もちろん!希望を言ってくれたらそのとーりに!名付けるけるんよー!」

ふ、二つ名・・・
こうして大々的に掲げられると・・・ちょっと恥ずかしい、かな?
しかしよく見ると、先ほどまでの委員長の面々もほとんど載ってるのか・・・
流石だな。
3年生がほとんどみたいだけど・・・よほど層が厚いのかな?

「通常はー、50位くらいまで載っけるんだけど、多すぎても見る気が起きない人もいるから、今月はここまでなんよー!
でも2ヶ月くらいしたらまた発表するけどね!
ここにいる新入生も50位台くらいには入る人、いるかもなんよー!
それじゃ、ここまでにしとくんよ!」



「オサカベ3年生、ありがとう。

ふむ、私は3位か・・・相変わらずだな。ふふふ・・・。
おっとすまない。放送・広報委員会は他にも掲示物の展示、貼り換えも総じて行う。なかなか骨が折れるぞ?

次は、と。『戦力測定委員会』だな」

よく見ると生徒会長、2年生だったんだな・・・
2年生が1位と3位って・・・狙える奴は狙えるもんなのかな。


・・・・・


「・・・・・・俺が、戦力測定委員会。委員長の『ウィルター・ヒットマン』だ」

ん?確か・・・16位の人だ。
しかも人間で男・・・
あのランキング種族名は載ってなかったからっていう驚きもある。
委員長クラスになるとみんな強いんだ・・・

「・・・俺らの仕事は、その名の通り。この学園における戦力を測定する。
単純な総合力の他に、魔術や肉体、知識の面でも評価するから、ただ強いだけではこの仕事は務まらん。資料や実際の状態・技能からも、力を見抜く。
・・・相応の判断力が求められる委員会だ。慣れれば、見ただけでも大まかな強さは分かるつもりだ。
判断した力は、学園側に報告される。後の実習や成績などにも影響するからな」

そういえば、二つ名は「見極めの達人」だったっけか・・・
なるほどねぇ、その名の通りってわけだ。

「・・・強さに興味があるなら、俺らに聞くといい。それを認めるか否かは、お前たちの勝手だがな」

あくまで、客観的なわけだな。

「・・・あまり興味はないが、この仕事はランキングとやらにも貢献してるみたいだが。
皆の向上心につながるのなら、何よりだ」

この人にとって、ランキングはおまけみたいなものなのかね。



「ウィルター3年生、ありがとう。

それでは委員会は最後になるな。『武具管理委員会』だ」


・・・・・


「よう、おめーら。

私が武器管理の委員長『シスイ ミモザ』だぜ。
・・・名前からして可愛い女の子が出てくると思ったか?
残念だったな、こんな傷まみれのやつでよ。
まあキレーどころは保健委員長と図書委員長で我慢してくれや」

そう言って出てきたのは、かなりの巨体と無数の傷跡が目立つウシオニの女性だった。
・・・充分見た目はいいと思うんだが・・・・・
うん、俺だけじゃないよな?

「おっと、話が逸れちまったぜ。委員会の説明だっけか?
こんなもんウチの副委員長がやればいいのによ・・・
あー、この学園には授業で使われる武器やら道具やらがあるんだが、それらの手入れとか整理とか確認が仕事になっかな。
武器管理って名前ついてっけど、別に武器だけじゃねえぜ。
小さい規模だったら、大体センセーの方で用意が済むんだが、合同授業とかあんだろ?
そんな大人数が多く使うような道具準備すんのに私らが駆り出されるってわけだ。
結構メンドイだろ?
まあ武器とか道具とかの使い方を詳しく知りてぇって物好きなやつは、入ったら楽しいんじゃねぇの?」

・・・な、なんだかんだ言ってるけど、説明が比較的まともだ・・・
今までの委員会の中で一番詳しく説明してると思うんだけど・・・
意外とこの人、仕事熱心?
やるものはしっかりやりそうなタイプかな・・・

「ま、大体こんなもんか。夜遅くまで作業すっこともたまにだがあるから、入ってから文句ゆーんじゃねぇぞ」



「ありがとう、シスイ4年生。

私が付け加えることも特にないな。実に素晴らしい説明だと思うぞ?

では委員会の紹介は以上だ。
この学園はこの9つの委員会が機能している。
日々の生活、授業の手助けをするために頑張っているというわけだ。

興味を持ったならば、是非委員会に入ってくれ。
かなり充実した学園生活になるだろうな?」

てか、ほとんどがハードなものばっかりだったんですが・・・
この大きな学園を影で支えてるわけだから、当たり前か・・・
よくできてるよなぁ、この学園も。

「では、一度トイレ休憩を挟む。
サークルの説明は15分後くらいから、再び行うからな。
覚悟しておけよ!」



・・・一体何を覚悟しておくんだろう。
短いようで、長かったな。結構疲れた(; ̄д ̄)。


少し気分転換にトイレ行って、外の空気吸ってくるか・・・


12/10/01 01:50更新 / 群青さん
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■作者メッセージ
今回も読んでいただきありがとうございます!
今回は委員会説明となりました!(あんまりはっちゃけられなかったなぁ・・・)

前回から約一週間以上ぶりくらいですね。
急にリアルが忙しくなるもので、一日も早く続きを待っていた方にはお待たせして申し訳ございませんでした。
今後もなかなか時間が取れないことが多々あるかと思うので、のんびり続けていかせてもらいますことをご了承ください。

・・・まあ、色々と設定とか増築してたら遅れたというのもあります。
ランキングとか委員長のキャラとか、最後まで悩みました。

こんな作者ですが、これからもよろしくお願いいたします!
質問などは感想の方にお願いします!
皆さんの感想が作者を育てる糧になりますので!

それでは次回もお楽しみに!

※少々誤字脱字の指摘がありましたので、ここで説明いたします。
それはシューゼン君の喋り方についてです。

彼は基本的に「う」という言葉を発音しません。
例:
理由→りゆ、または、理由ー。
もいいだろ?→もういいだろう?
言う→ゆ
そういうこと→そゆこと
などなど・・・

読みづらいと思いますが、そんなキャラ付けであることをご理解ください。
わかりづらいですよね、本当にすみません。

本当に誤字脱字があった場合は、深く謝罪いたします。
申し訳ございませんでした!

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