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第三十二話 天満と決戦前夜
あたしと昊がキスしながら並んで寝てた時、ふとある人の顔が思い浮かんできた。
「オクレ叔父さんどうしてるんだろうね。」
「オクレ叔父さん」とは、あたしたちの母親の弟で特に遺産関連についていろいろと私たちからせびろうとしたから一番記憶に残ってる人だ。本名は大崎呉。
「大人になるまで遺産の管理を買って出る」って言っておきながら着服してやろうとしたり(本音が出て昊が殺しかけた)遺産分与を受ける権利があると言ってだまし取ろうとしたり、何かとお金を手に入れようと必死だった。
「今頃マグロ漁船に乗せられたり臓器全部盗り出されて海に沈んでるかもね……随分借金貯めこんでたみたいだし。」
オクレ叔父さんは趣味がギャンブル、仕事は無職の簡単に言えば駄目な大人で、ギャンブルで負けまくってたくさん借金をこさえていた、あたしたちの遺産を毟り取ろうとしたのも、借金返済とギャンブル資金に充てるため。
「『こっちの世界に来るなら遺産なんか不要だしオクレ叔父さんにあげたらよかったかも』なんてふざけたこと言いださないよね?」
「ありえない有り得ない」
昊はオクレ叔父さんのことを一応形式上叔父さんとは言うけど物凄く嫌っていた、親族の大人は全体的にみんな昊にとって「嫌な大人」だったうえに、あの人はその中でも迷惑さも鬱陶しさも別格だったから仕方ない。
けど昊の言ってることは違って、あたしの言いたいことは
「あたしたちの住んでた家、どうなってるんだろって思ったの。死亡届が出ててさ、勝手にオクレ叔父さんとか親族の人達が上がりこんで財産分与なんて言ってお父さんとお母さんが遺してくれたもの全部勝手に持っていっちゃって………」
そう考えたら、無性に悔しくて腹が立ってきた、あんな奴らに使わせるために残してくれたものじゃないのに、勝手に使われるのは嫌だ。
「そうなるのは嫌だから、どうしようって思ってたの。」
「一度向こうに帰って、全部燃やしちゃう?」
当たり前のような表情で昊は言い切った、お父さんたちにまったく未練がないように。
(違うか、残ったのがあたしと昊だけだからだよね。)
あんまり頼りに出来ない姉と二人だけが生き残って、周囲の親族は当てにできないどころかみんなで遺産を毟り取ろうとするような環境、それに適応して、家族であるあたしを守るためにはどうすればいいのか。
それを昊なりに考えた結果が、他人に興味を持たず大切な人と過ごせる自分の世界を守るために防壁を立てて周囲を拒絶した昊の考え方に繋がってる。
傷つかないように、裏切られないように、騙されないように。
昊にそうさせてしまったのは、間違いなくあたし。
けど、この世界に来てから昊はちょっとだけ変わった、吹雪や如月以外の友達もできたしほかの人にもちょっとだけ気を配ってる。昊がいないだけで泣き出しそうだったあたしと違って、昊はきちんとあたしの見てないところで成長していた。
あたしだって全然変わってないわけじゃないけど、昊の成長に比べれば変化は小さい。
それが何となく嫌だった、距離が開いたような気がした。
「燃やしちゃったりはしないよ、未練も……ないわけないけど我慢する。」
だからあたしは、遺産のことをどうするのか以外を考えることに決めた。
もう戻らないって決めた世界、戻りたくないとすら思った世界。
だから、お父さんとお母さんには悪いけどあっちのことは忘れることにした。
今すぐ割り切りことなんてできなくても、これからの方が大事だから。
それにあたしは、成長しなくちゃいけない。
「あのさ、昊。」
「何?」
「自分で全部解決しようとしないであたしのことも頼って? 何にもできないお姉ちゃんだけど。あんたばっかり辛い思いをする必要ないんだから。」
「辛い思いしてる気はないんだけど、まぁ、それじゃお言葉に甘えて。」
昊はあたしの体を抱きしめると、そのままおちんちん擦りつけて、
ずぶん!
「ひゃぐぅううううううううううううううっ!!?」
一気に奥まで押し込んできた、ビックリしてイったのと、お腹の中がいきなり圧迫されたのがあって呼吸が苦しくなり、一瞬息が止まる。
ゴツンと子宮に当たって止まると、次にあたしの体を駆け抜けたのは電流みたいな気持ちよさの波だった、不意打ちの快感は一瞬遅れてからまとめてやってくるみたいだ。
「天満の中で、甘えさせてもらうよ。」
そう言いながら昊はあたしをぎゅっと抱きしめて、奥の奥までズンズン突いてくる。
子宮口と鈴口が軽いキスを繰り返すたびに無意識に体が跳ねて、体がビクビク痙攣しちゃう。だからこそ、あたしは迷わず昊の体に抱きつくように腕と足を回した。
珍しく、本当に珍しくあたしに甘えて、自分の欲望をぶつけてくれたことが嬉しかった。
だからしっかり、受け止めてあげなくちゃいけない。
昊の唇があたしの口を塞いで、舌が口の中に滑り込みあたしの舌に絡みつく。
いつものあたしを労わるような一歩遠慮したセックスじゃなくて、自分が気持ちよくなろうとする昊の動きはいつもより激しかった。
突かれるたびに子宮の入り口をゴツゴツ刺激されて、引き抜かれると襞が全部擦られる。
いつも気を遣っていた昊が初めてあたしに気を遣わず自分の本能に任せている。
そしてあたしは、その激しさに今までにないほど感じ入っていた。
今までのセックスがマンネリだったわけじゃなく、ただ受け入れられるギリギリの快感を受け入れることがこれほど気持ちいいとようやく気付いただけ。
「これっキモチイイのっ♪」
正直な感想が口から洩れると、体はより快感に素直になる。
「天満っ 姉さんっ!!」
昊はあたしの体を抱きしめると、おっぱいにむしゃぶりついて乳首をぺろぺろ舐めまわしてから、音を立てそうな強さで吸って来た、まるで母乳を求める赤ちゃんみたいだ。
「ちゅく……ぺちゃ…れろれろ…ちゅぅうう。 かりっ」
たまに歯を立てられたり、舌の上で転がされるとおっぱいの奥まで熱くなってくる。
「昊……お願いがあるの。」
「ちゅぱっ。何? 今更もう甘えちゃダメとか言わないでよ?」
「言わないって……逆で、これからはエッチの時あたしにもっと甘えていいよ? いつもちょっと遠慮してるでしょ? だから、なんか足りないって思うこともあってさ……」
うまく言えないけど、もっと欲望に素直になってくれた方があたしも昊も楽しめると思う。
それともう一つ。
「母乳、今はまだ出ないけどさ、そのうち子供ができたら出るようになると思うんだよね、そしたら一番に飲んでくれる? あの……それだけ。」
ちょっと恥ずかしいこと言ったけど、子供が欲しいのも、母乳を昊に最初に飲んでほしいのもあたしの本音、だから頼んでおく。
「わかった、二つとも約束する。 じゃあとりあえず、まず妊娠しないとね。」
ずぱん! ずぢゅんずぢゅんずぷんずぐっずぐっずぐっずぐっ!
そう言ってあたしを押し倒し、ピストンがまた始まる。
内臓全部犯されてるみたいな激しいセックスはたまらなく心地よく、頭の中が溶けて耳から流れ出ちゃいそうだ。
ずっくずっちゅずちゅずちゅぬっぷっ
数度にわたるピストンの後、おちんちんが子宮口に当たったまま止まり、痙攣する。
「出すよ、天満っ!!」
どぶっどぷどぷどぷぅううううううううううううううううううううう!
あたしの予想通り、昊は一番奥に山ほど射精してくれた。
沢山の精子が子宮に流れ込んであたしの中をしっちゃかめっちゃかに犯しまくる。
「ふあ゙ぁあああああああああああっ!! お腹が昊でいっぱいになるぅううううう!!」
溜まらずあたしもイきながら、子宮を満たす勢いで流し込まれる美味しすぎる精液の味を楽しむ。体が勝手にビクビク痙攣して、目の前でピンク色の火花が散る。
一分か二分かそれとももっとか、あたしはお腹が膨らむほど中出しされて、昊と抱き合ったまま息を切らせていた。
あたしは今この世界に来れて、すごく幸せだ。
明日からも、この幸せを毎日噛みしめていたいから、あたしも戦う。昊と一緒にこの戦いに勝って、そして幸せな未来を勝ち取ってやる。
あたしは昊のほっぺにキスをして、眠りについた。

12/08/09 23:25更新 / なるつき
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■作者メッセージ
何かを得るために何かを捨てなくてはいけないなら、思う存分悩みましょう。
きっと答えなどなくて、後悔だってするでしょう。
けど、最後に笑えると信じましょう。

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