連載小説
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初遭遇・・・・・・・・
{予想外な事に対処するには常に無意識でいること}
                
                      ザバサの教訓


「ん・・・ああ・・・・・お!・・・・・・・・・おお!」

(たしか・・・俺は・・・・・・うん間違えない・・・・・)

時刻の詳細は不明・・・しかし切り株と太陽の位置から夕方と判断・・・・・

ここは見た感じ広い森・・・・少し先に道らしきものが見えた・・・・・・・

薄くはなっていたが車輪の様な跡が見えた・・・・・

(しかし・・・・なぜAT-4を打った瞬間に?
           まさかAT-4には次元を曲げる装置が!?・・・)

「しかし・・・まあ発射した瞬間は見えた!きっと・・・・・成功している」

私はある部隊ごと私を消そうとした権力を過信している馬鹿どもに鉄槌と

特別切符を渡そうとしてやった奴らが集まる専用の建物に攻撃した

96式装輪装甲車で突撃して壁を壊して96式自動てき弾銃を乱発し

殲滅、かろうじて逃げた者ををAT-4で仕留めようと撃った瞬間

一瞬でこんな所に飛ばされた、と言うわけだ、

何故だか装甲車と発射済みのAT-4のチューブも一緒にある

(AT-4のチューブ!?・・・・・
         弾頭が無いから少なくとも発射はしたか・・・・・・・)

「で・・・・まあ・・・あれだ・・・物凄く怒った時に何処ぞに飛んでしまうのがまた起きただけだ・・・・うん!きっとそのはずだ・・・・・・・」

そう思い私はこのような事が起こった時のためあらかじめ持っていたGPSで

位置を特定して迎えに来てもらおうとしたが、

(ん・・・不明・・・GPSが?・・・・まさか・・・・いやそうだ・・・・ついに別次元に・・・・・・・・まあ部隊の奴に言われていたが・・・・・・まさかついに起こるとは・・・・まあ言われていたから対策はある・・・・・色々書いてあるノートがあるし・・・不幸中の幸いと言うべきか後ろには装甲車もある・・・・)

「しかたない・・・・・とりあえず武器と装備を出すか・・・・」

そう言うと私は装甲車の中に入っていた武器、
{89式・M72・ベネリM4・銃剣・・・・そして愛用のジャッジと日本刀}

それらとサバイバルキットや予備弾薬などを持ってとりあえず道に出た

(車輪の跡・・・・しかし細いな・・・・・二輪系の乗り物だろうか・・・・
・・・とりあえず人の居る所に行こう・・・・)

そう思い近くの木に登って双眼鏡であたりを見渡した

道をたどっていくと約数十キロの所に村?らしきものが見えた

「良し・・でもあの村なんか変なのが居るな・・・・何だ?あの大きな鳥?
・・・・お!なんか悪魔見たいな奴が・・・・・ん?あれは・・・・・・・・
ラミア?・・・・・本で見たのと似ているような・・・・・まさかな・・・」
                         
                   ※本=幻獣図鑑

それが私が初めて見た魔物だった

木を降りた私は装甲車に乗り込み村の方向に走って行った

(まあ・・・装甲車は少し驚くと思うが・・・・まあ問題ないか)

しかし、その時私は勘違いしていた

道の車輪の跡を動燃付きの乗り物だと、勘違いしてしまった

二時間後・・・・・・

村に着いた私は物凄い目で見られた、村人達に槍やら弓を構えられている

無理もない…どうやらこの世界は文明レベルは中世ヨーロッパレベル

用は道の車輪の跡は馬車の跡(なぜ気がつかなかった…)

(とりあえず敵意が無いことを伝えなくてはな、)

「まあ・・・落ち着け・・あやしい者ではない・・・
          アイ・フロム・ジャパン・・・・言葉分かる?・・・」

すると村人の一人が.......

「ジパングの言葉は分かる・・・だが・・・あやしい!・・・・・・・・・」

言葉の問題は無かったが、(つーか日本語で、私は不覚にも笑いそうに……)

あやしいと言う事実は変わらなかった、(まあそりゃそうだ)

まあ結局そんな感じの初接触だったが、グリーンベレーの知り合いから

聞いた現地人の懐柔の方法を聞いていたおかげで何とか敵意は無いことを理解

してもらい村に受け入れてもらえた

そこで、村人にとりあえず状況説明と軽い自己紹介をした

「で・・・と言うわけです・・・・まあ変だと思いますけど・・・・・・」

私はとりあえずここに来た経緯を話した、まあ信じてもらえない前提だったの

だが

しかし村人たちは

「ずいぶんと高等な魔法が使えるのですね?・・・ザバサさん・・・
      ジパングにはそのような方がたくさんいらっしゃるのですか?」

予想外の反応だった、逆にこっちの方があせった、

「は?・・・・・魔法?・・・ジパング?・・・どう言うことで?・・・・」

「御冗談を場所移動の魔法の中で最上級の次元移動を使えるとは・・・・・」

(え・・魔法のある世界?・・・・うわぁマジ中二の世界だ)

「ええ・・・まあ・・・・ジパングでもあまりいないですよ・・・・
こんな最上級魔法を使える人・・・・・まあ・・・・私は体質で使えるだけですがね・・・・・なのでそれ以外の魔法は駄目なんです・・・・・」

私はこの時これ以上傷口を広げないようにした、嘘は言っていない

「変わったお方だ・・・・まあ村にはたくさん空き家があります・・・・・・そこでゆっくりしていってください・・・・・・・」

「すみませんお手数おかけします・・・・・・・」

そう言うと私は村人の案内のもと装甲車で空き家に向かった

移動中、村人達は珍しそうに装甲車を見ていた

「ジパングの人間だって・・・・」

「あれ・・どういう魔法かな・・・・・・」

「たぶんすげえ魔法だぜ……何せ鉄の塊を動かしているからな」

そのような事を口々に言っていた

(この世界について少し知りたいな)

そう思い私は空き家に案内してくれている村人に聞いた

「なあ?頼みごとがあるのだが、聞いてくれるか?」

「はい何でしょう? ザバサさん?」

「すまないが、この世界に関する本か何かあったら貸してくれないか?」

少しでも情報が欲しかった私は最低限の知識は身につけようと思った

「いいですよ、すぐそこに家があるので取ってきますから少し待っていてください」

「すまない……それともう一つ……」

「はい? 何でしょう?」

私は村を見つけた時にこの村に居た変な奴らについても聞こうと思った

(もしかしたら重要な存在かもしれないからな)

「さっき遠くから村を見たとき大きな鳥や悪魔の様な人あと
     下半身が蛇の人を見かけたのだが? あれは気のせいか?」

すると村人は驚いた顔をして

「ザバサさん……魔物を知らないのですか?ジパングにもいますよね?」

(しまった! 地雷を踏んでしまったか!?)

とっさに頭の中に浮かんだ幻獣図鑑……

「い、いやあ……ラミアについては聞いたことはあるのだが、そのほかの魔物については詳しくないのだよ」

とっさにそう言った、少なくとも下半身が蛇なのはラミアだと書いてあっ

たきがしたので、一か八でそう答えた

すると村人は

「そうですか、こっちの魔物はジパングでは珍しいですものね……
          そうだ! ついでにこっちの魔物の図鑑も貸しますよ」

(どうやらあやしまれずに済んだな、ついでに図鑑も貸してもらえるようだ
終わり良ければ良しとしよう)

村人は本を取りに行ってくれた

村人が居ない間、私は考え事をしていた

(ふう…魔物と魔法の世界、何だか楽しそうな世界だな……)

そう思いながら私は面白そう!と言う好奇心とどうやって生きていこう?

と言う恐怖が入り混じっていた、

しかし私がそう考えている間に村人が返ってきた

「お待たせしました…世界の政治・歴史・地理・魔法に関する本と魔物図鑑です。ジパングの文字で翻訳も書かれているので大丈夫ですよ」

「すまないな、2〜3日位借りて問題ないか?」

「大丈夫ですよ、魔物についての知識がないと危険ですから」

(危険? 何故?……)

そう思った私だが、下手に聞くとまた地雷を踏む可能性があるし情報源も

あるので自分で調べようと思った、そして、そんな感じのやり取りをしている

間に空き家に着いた

「ここです」

そう村人が指差した家がここだ、

平屋・横十メートル弱・奥行き約5メートル・キッチンっ代わりの竃完備!

少し汚いがダブルベット・近くには井戸......

(お! 結構いい感じだな♪……)

「案内助かったよ」

「いえいえお安いご用です
       それでザバサさん、夕食はお食べになりますか?」

親切な村人だ

「いや、今日は借りた本を読むから大丈夫だ」

「そうですか、何かあったら村の入り口に
  何時でも誰かしらいますから困った時にはお気軽に」

「ありがとう、それでは」

「はい、それではまた明日」

そう村人を見送って、ザバサは装甲車から降りて家に入った

(さてと…しばらくここで暮らすことになる、
             あらかじめ対策を練っていたのが功を奏したな)

そう……私のあの能力の事は部隊員には知られていた、いつもどこかに飛んで

は迎えに来てもらう…そんな感じだったが、今回は違う……

別次元の世界に来てしまった……用は自分で帰るしかない

まあ…部隊員たちにいつか別世界に逝ってしまいますよ!? アハハハと

目が笑っていない笑いで、言われていた為、備えていたのだが、

(まさか本当にその時が……)

何度も思うがいまいち実感がわかない、実際自分自身でもこの能力に

ついては良く知らない

(と言うか…最上級魔法とか言っていたな? 俺の能力のこと……
     もしかして何かしら帰るための解決策になるかもしれないな)

私はその時そのような考えと共に他の考えも浮かんできた

(もしやこの能力も魔法の一種? そうかもしれない! )

魔法と言えばあっちの世界では胡散臭い文献しか無い、しかし! 

こっちの世界には確かそうな物がある! 目の前の本がそれだ!

そう思うと私は急いで本を開いた、

(ほう…文字は少し古いが日本語だ……良し!)

(目次♪目次♪・・・・・どれどれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・最上級魔法・・・次元移動について・・・・・・・・・・・・・・)

「良しこれだ!」

その目次を見つけた時は喜んだ、しかし・・・・・・

「何だ?・・・・・精力と魔力の配分?魔法式?・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんじゃこりゃ?」

この時私は魔法とは科学的なものと思ってしまうほど複雑な物だった

そしてあっちの世界の知識では到底理解できなかったし文字も読めなかった

試しに私は簡単な魔法のページも開いたが・・・・・・

(最低級魔法・・・念力・・・・・・)

しかし、それも……

「駄目だ・・・やはり謎の魔法式とやらが書いてある・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・そして文字も読めない・・・・・・・・」

その時ばかりは私も少し落胆した、

(ふう、やはり向こうとこちらでは違うのだな)

そのような考えで自分を納得させた私は次に世界の政治・地理・歴史を見た、

(ほう・・・・・世界地図は似ているな・・・・・・親魔物領・敵対領・・・
・・・・・親族・魔族・人間・妖精・エルフ・・・・・今の魔物昔の魔物・・
風習・・・・・・魔物の習性・・勇者・教会・・・魔王・魔界・・・・・・)

一通り読んだ私はふと思った、

「中世ヨーロッパと似ているな・・・・・・まあ少し違うが・・・・・
教会が異端者とか言って人間を襲うようなまねしない分危険は下がったが・・
そのぶん魔物が危険だな・・・・欲(性欲)に忠実とは・・・・しかも強いと
・・・・・・・まあ常に戦えるようにはするか・・・・・・・・・・・・・・
貞操は死守したい・・・・(戦いに影響するからな・・・・)」

そう思い私は魔物図鑑を開く前に武器・装備品を整えることにした

「護身のため最低限の武装はしておきたい、
 {ジャッジ・ガスマスク・日本刀・音響閃光弾}は常備しておこう……」

そう言うと装甲車からガスマスクの入ったポーチを取って、装備し......

音響閃光弾を3個取ってベルトに吊るした、

「これくらいの装備なら多少は戦えるかな?」

正直私はその時魔物の戦闘力を把握していなかった

村人たちが弓や槍で戦うことは分かった、しかしいくら装甲車を知らなくても

どう見ても鉄の物に対して、普通弓や槍はあり得ないだろう?

……そんな感じなので本を参考にしたが、偉く強そうだったので恐怖を

私はその時感じた、

そう・・・貞操の危機に・・・・・・・・・・・・・・・・

(せめて一矢報いること位はしないとな)

「この村の規模なら狙撃で大体はカバー出来るな」

私は屋根に登ってそう思いながら辺りを見回した、

「この家は村の端・・・一番遠くの家まで・・・約500〜600m・・・・・
それより先は畑か・・・・まあ畑から堂々と攻め込むバカはいないだろう・
・・・・・まあ民家までのカバーには・・・・・そうだな・・・・・・・・
ドラグノフがあるからそれにしよう・・・・・装弾数もちょうど良い・・・」

そう思いドラグノフを装甲車から取ってきて屋根裏に弾薬と共に置いといた、

ドラグノフは猟銃として持っていたため装弾数が5発と少ないが、無論簡単な

改造を施せばすぐに20発装弾出来るようになる

「良し! 後は白兵戦になった際の装備か……」

一番なっては欲しくないが、なってしまったら戦うしか方法は無い

「常に備えよ…そして常に備えよ…まあ・・・・・・
{89式・M870マリンマグナム・グレネード・音響閃光弾・銃剣}ぐらい
あれば良いか、後は防弾防刃ベストとヘルメットを準備・・・・・・
良し! これは整理して装甲車の中に隠しておこう……家はさほど強くなさそうだからな」

そう準備をしているうちに私は思った、

(本来ならグレネードとAT-4で装備は物足りたのにな、そして、今頃は奴らを消した事で祝杯をあげていたはずだが、まさかこんな所に飛ばされて貞操の危機に脅えるなんて・・・・・・まあ・・・余分に持ってきた武器が不幸中の幸いか…)

そんな事を思いながら準備をしていた私は段々と恐怖を覚えてきた、

(もし長期・・・あるいは永久にここで暮らすとしたら・・・・・・・・・・
部隊員たちにも再会できない・・・弾薬も無くなる・・・武器も経年劣化を
起こす・・・そしたら・・・・・・)

そのような恐怖に私は駆られた、魔法などがある世界……到底科学技術など発

達はしていないだろう、何せこの家の明かりはロウソク、科学技術は皆無であ


 
(まあ・・・悪いことばかりでは無い・・・副隊長に別世界に逝った場合の対策として色々書いてあるノートがある)

「良し! 準備完了! 非常時の為の・・・・・・も準備完了!」

準備の完了した私は少し不安が残りながらも武器のある状態に安心した、

(まあ・・・魔物と言えども生き物・・・魔力で守られいくら体が頑丈
でも銃弾をくらえば少しはダメージになるだろう)

そう思いながら外に出ると辺りはすっかり暗くなっていた、月の位置からして

夜の9時くらいだ、

(時計を合わせとくかな・・・大体9時・・・・・・と)

「よ〜し! 何も来ないことを祈って今日は魔物図鑑よ読んで寝よう!」

そう思い私は家に入りベットで魔物図鑑を読んだ

(まず・・危ない奴から・・・ってどれだ?・・・まあ適当で良いか・・・)

「ん〜これが好色なサキュバス・・・獣系・・・・ミノタウロス・・・・・・
ケンタウロス・・・・・虫系?・・・・植物系?・・・・・・・・・・・・・
変わった奴が多いいな・・・・しかし全員男性の精を糧とし好色なんだよな・
・・・・・それ以外は種族によって色々個性がある・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・ん?蛍?・・・いやデビルバグ・・・・・・・・・・」

その項目を見た私はすぐに装甲車から虫よけ剤を持ってきて家じゅうに撒いた

(さてと、あらかた読んだし寝るとしますか?)

私はそう思い眠りに着いた、

(明日から…どうやって生計を立てていこう?……まっ明日考えれば良いか)

色々ありすぎて珍しくへばったのかすぐに眠れた


午前2時位・・・・・・

「ドンドン!!!!!!!!」

「ザバサさん起きてください!!!」

「んん・・ああ・・・何だ?・・・・・・・」

ドアを開けるとそこに居たのは先ほど本を貸してくれた親切な村人である・・

(安眠妨害の風習でもあるのかな?)

「どうしたのか? えらく慌てて?」

理由を尋ねると村人は

「盗賊です! ミノタウロスの! 食糧と男性が奪われています」

「なんだって!? 」

それを聞いた瞬間一瞬恐怖に飲み込まれそうだったが、理性がうちかってくれ

た、

(よりによって初日から……こりゃ、不幸中の幸いの後の不幸だな)

屋根に村人と私が登ると村の所々で火が見えた、

「戦っていないのか?」

そう村人に私が聞くと村人は

「戦ってはいますよ! ですが、奴らが強すぎて、どうにも……」

良く見ると火に照らされて弓や槍でけなげに戦っている村人達が居た

「魔法は使わないのか? 図鑑で見ただけだがミノタウロスは腕は立つが
頭が多少弱く魔法もあまり得意ではないと書いてあったぞ? 魔法で対抗すれば良いではないか?」

そう聞いた私に村人の返答は

「村で攻撃魔法が使えるのは村で唯一のサキュバスのミランダさんとラミアの
ミリアさんだけですよ、それ以外の人は生活で必要最低限の念力と医療魔法しか使えないんです…たぶんミランダさんとミリアさんは自分の夫を守るのが限界でしょう、今回は相手が多すぎです……」

「そう・・なのか・・・・・・・」

私は何故かこのまま逃げたくなった、大勢のミノタウロスの盗賊に脅えたのだ

ろう

(逃げたい・・未知の魔物から・・・・・・・)

しかしそれではこのあやしい自分を受け入れてくれた村人達に

申し訳が立たない、

(ん? まてよ・・恐怖は無意識から・・・・・・・)

そう思った私は横で呆然と立っている村人に聞いた

「なあ? ミノタウロスって弓や槍が当たれば倒せるのか?」

ストレートに馬鹿げた事を私は聞いた

「は? それはそうでしょ! いくら頑丈なミノタウロスでも生き物ですよ!
弓や槍が当たればそりゃやられますよ」

(あれ? もしかして結構倒せるんじゃないか疑惑……)

そう思うと急いで私は屋根裏に隠しておいたドラグノフをとってきた、

「なんですか? それは?」

村人は珍しそうな顔で覗き込む......

「おいおい銃口を覗くな! で、これは銃だ……知らないのか?」

「いいえ」

村人は首を横に振った、

「じゃあ似たような形の物は?」

「いいえ、そんな筒の様な武器吹き矢しか知りませんよ」

「本当か!?」

(そう言えば本には銃の事なんて載っていなかったな)

「まあこの武器はこれを引くだけで高速に
           そして正確に鉄の球を打ち出す武器だ!」

「魔法を使わないのですか?」

「ああ…必要なのは火薬と鉄だ」

「へえ〜、ですが効くのですか? あのミノタウロスに?」

「今からそれを確かめる」

そう言うと私はドラグノフを撃つ準備をした、

「カチッ・・・ガシャ・・・・・カ・・チャキッ・・・・・・・・」

ドラグノフを組み立て弾装を3つわきに置いて・・・準備ができた、

ドラグノフを覗く私…心配そうに見る村人……

「良し・・火のおかげで明るい・・・イケる!」

(索敵・・・良し グループを発見・・・・・・)

「すぅ〜......」

私は息を軽く吐き止めた、

(敵確認・・フォイア・・・・)

私はトリガーを引いた、

「ぱひゅん・・・・・・・・ぁぁぁぁ」

乾いた音のすぐ後に遠くの方で悲鳴が聞こえた

(やったぞ!・・銃が通用する!・・・・)

「おお〜......」

隣に居た村人は口を開けている

「次!」

「ぱひゅん・・・ぱひゅん・・・・・」

乾いた音が断続的に続いた・・・・私の覗いているスコープの先には

仲間がいつの間にか攻撃されている事によりパニックに陥っている

(普通狙撃は撃ったら見つからないようにすぐ移動するのが鉄則だが…
 狙撃を知らない奴らに見つかることは無いだろう……)

「ぱひゅん・・・ぱひゅん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カキンッ」

(撃ち尽くしたか・・全弾命中・・・・・・)

私は移動することなくミノタウロス達にドラグノフの銃弾をお見舞いし

倒れていくミノタウロスを見て不謹慎ながら希望が見えてきた、

(魔物に対抗できる…しばらくは何とかなりそうだな……)

「良し、狙撃はこれくらいにして白兵戦と行くか!」

「え? はくへいせん? どういう意味ですか?」

そう聞いてきた村人に私は

「用はあの戦火の中に飛び込むのさ!」

・・・・・・と答えた・・・・・

「そんな無茶苦茶な!? いくら銃とやらが強くても一斉にかかられたら対応 しきれませんよ!」

「たしかにこの銃では駄目だ、しかし連射出来れば文句は無いだろう?」

「まあ確かにそうですが...」

そう心配そうに見る村人を他所に私は屋根から飛び降り装甲車に飛び乗った

「家の中にでも隠れていてくれ! 俺は盗賊に灸をすえに行ってくる!」

「ああ! そんな…無謀ですって……」

村人の制止を振り切り私はミノタウロス達を倒しに行った、

「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ.........」

装甲車に乗って私は村の入り口に向かっていった、

道中・・道端にさっき狙撃したミノタウロス達がヒイヒイ言いながら逃げて

いるのが見えた、(誰も死んでないようだな…良かった……)

私は無駄な殺傷は好まない、ミノタウロス達が頑丈だった事に今は喜びを感じ

ていた、

(ミノタウロスの本隊らしき集団を発見・・殲滅に取り掛かるか? さてと
 ならば装甲車はやりすぎだから、ここで降りとくか、)

私は無駄な戦闘を避けるため装甲車から降りて白兵戦モードに入った

(まずは・・奴らの気を引くか・・・・)

そう思い私は

「うらうらうらうら!!!・・・雑魚ミノタウロスども!私は諸君らの仲間をたくさん倒してやったぞ!今頃はヒイヒイ泣き言を言ってるだろうよ!・・・
・・・悔しかったたら私を倒して見ろ!・・・・・・」

そんなことを堂々とミノタウロスの大群の前で言ってやった

(あ〜あ言っちゃった・・・・・・)

無論大勢のミノタウロスがいきなり襲いかかってきた、

「よくも我らの仲間を〜」

「貴様を種抜きにしてやるわ〜」

(うわぁ・・・よく考えもせずに突撃してきた・・・・脳がないな、)

そのような事を考えつつも大勢に対して威嚇兼制圧目的の

「音響閃光弾! 投合!」

「バァァァァン......」

すざましい音と光がミノタウロスの大群を混乱に陥れた、

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「はぁ〜目が・・目がぁぁぁぁ........」

(面白いほどに良く効いたな、)

※私はガスマスクのスモークグラスとイヤーパッドを装備しているから大丈夫

そうミノタウロス達が混乱に陥っている間に、

(殲滅開始......)

そう思うと私は安全装置を外し......

「ボラボラボラボラボラボラボラ!!!!!!!」

89式に火を噴かせ・・・・・・

「アツアツのグレネードをごちそうだ!!!!」

と一言いいグレネードをまだ混乱に陥っているミノタウロス達に投げ、

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「げふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっぅぅ」

そう言って倒されていくミノタウロス達・・・・・・

(どうやらこっちの世界でも…やっていけそうだな……)

倒れていくミノタウロス達を見ていてそう思った時だった、

「どうしたお前たち!!!!」

混乱を斬るように力強い声がした、ふと私は声の主を見ると、そこには他の

ミノタウロスと比べて、体格の良いミノタウロスが居た、

(あいつがボスかな?)

そう思った私は銃口を彼女に向ながら言った、

「私はザバサ! この村の用心棒だ! 私は無駄な争いは好まない! 
今すぐに盗った物を返して村から出ていくのなら誰も捕えはしない! 皆逃が
してやる!」

そう言った私に対しての彼女からの返答は

「これだけ仲間を倒して言える口か! しかし、これだけやられてはな・・」

「お頭! ここは条件をのみましょう! これだけの仲間を一人でやるやつです! 強いに決まってます!」

「やられた奴を捕虜に取られたらあたしたちの仲間が足りなくなります!」

そう、わめく部下を見てお頭と呼ばれるミノタウロスは

「分かった、お前の条件を飲もう・・・クソッ・・」

そう言いながらミノタウロス達はしぶしぶと盗んだ食糧と男たちを帰した、

(ずいぶんと盗って行ったんだな・・)

そう私が思っている間に

「これで全部だ・・約束通り仲間は連れていくぞ」

そう言うとお頭のミノタウロスは倒れている仲間たちを引きずって帰って行っ

た、

(ずいぶんと聞き分けがいいんだな、気持ち悪いくらいだ)

そう思いながらもただただ彼女らが盗んだものの多さに呆然としていた

「ザバサさ〜ん」

その時村人の声がした

「ん! おお! 大丈夫か? とりあえず盗まれたものは取り返して置いたぞ!」

「ほんとですか!」

村人は驚きとうれしさを交えた顔をしていた、

「ほれ・・あそこにあるのが盗られたもの」

「良かった〜食糧が盗られると大変ですからね」

そう二人で談笑していると続々と村人達が集まってきた

「あんた・・一人であいつらを?・・・・・・」

「どうやってか知らないが・・すごいのう・・・・・」

「強えーな兄ちゃん!」

口ぐちにそのような事を言われた、そして彼女たちが去った村に朝日が登った


時刻は約7時・・・・・・

村人達はいつものように畑仕事をしているらしい、昨晩は私がミノタウロスの

盗賊を撃退して感謝された、そして今はその時に使った銃を村人たちが欲しが

ったので銃を作るため鉄鉱石や他の材料を集めてもらっている所だ、

採集方法は・・あっちの世界から持ってきた色々書いてあるノートを見れば

問題はないし鉄鉱石位ならたくさんあるらしい・・・・・・

そして裏に見える山は火山である

(材料は豊富だな...)

「ふう、まさか銃がこの世界に存在しないとは・・・」

そう私は言いながらある心配事をしていた、

戦争に使われないか・・鉛汚染が起きないか・・・などである

(まあ・・弾頭は鉄などで作れば良いし・・・銃も護身用として
ボルトアクションライフルとショットガン位で良いだろう)

「そして…あまり有名にしなければ大丈夫……」

そう私は考えていた・・・・


時刻は約10時・・・・・・

「ザバサさん! 言われたものを採ってきました」

そう言うと村人は硫黄やら硝酸やら信管の材料を持ってきた、

「おっ! ありがとさん!」

「お安いご用です」

「そう言えば溶鉱炉はどうなった?」

「もうすぐ火入れを行うらしいですよ」

「そうか・・銃からあらかじめ型を取っているからな・・・後は溶かした鉄を流し込めば良いからな、」

(ボルトアクションライフルはすぐに出来そうだな)

私は手始めにボルトアクションライフルを作ることにした、

なにせ構造がAKよりも単純であるからすぐに出来る

「分かりました、それとザバサさん、先程村長が呼んでいましたよ?」

「そうか、分かった、すぐに行く」

村長とはサキュバスのミランダさんのことあのミノタウロス達の襲撃の際にも

最前線で戦っていた人だ

(まあ、自分の夫ばかり守っていたが、仕方ないだろう)

そう思った私だった、

「さてと・・村長の所に行くとしますか・・・・」

村長の家は村の入り口付近にある、しかし家は全然普通の家だった

「失礼します! ザバサです只今伺いました」

「どうぞお入りになって」

「失礼します」

サキュバスのミランダさん・・この村の村長・・・以上・・・・・・

それ以外に説明するところがない普通すぎるサキュバスだ

「……で、呼ばれた理由を聞かされていないのですが?」

そう私が聞くと

「まあまあ落ち着いて、まあお茶でも飲んで・・・ふふふ......」

「はあ・・ではいただきます」

(何か今一瞬寒気がしたような・・・・?)

そう思いながら私はお茶をすすっていた

「で要件と言うのはですね」

「はい」

「あなたは昨晩ミノタウロスを撃退していただきましてまずは感謝します
 そしてその時使った武器についてですが……」

「はあ・・危険だから使用禁止とか破棄とかですか?」

「いえいえ・・そういうわけではなく・・・実は困っていることが」

私は深刻な顔をしたミランダさんに事の重大さを感じた

「困っていること?」

「実は・・この村に最近ホーネット達がやってきて村の男性をさらっていくのです」

(ホーネットか・・まあ簡単に言えばスズメバチの擬人化か)

「しかしホーネットが男性をさらうことは日常茶飯事では?」

「そうなんですが・・最近新たな巣が出来たらしく数が増えて、大変なことになってしまっているのです」

私は彼女が用はホーネットを黙らせてほしいということだと確信した

(たぶん夫のがさらわれる心配をしているんだな)

「要件は大体分かりました、つまりホーネット達から村を守る武器をご所望と?」

そう私が言うと彼女は明るくなり

「そうですの! 頼めますか?」

「任せてください! とりあえず威嚇用の武器から」

「派手な感じなのをお願いしますね♪」

「了解しました」

そう言うと私はミランダさんの家から出て、家に向かった、

しかしその後ろで・・・・・・

「う〜ん・・あの童貞君・・・お茶に入れた媚薬に反応しなかったわね・・・ つれない子ね?」

そうとんでもない事をささやくミランダさんの姿があった・・・・

(んん? 体が少し暑い・・疲れているのかな?)

私にはその程度の反応だったので気がつかなかった、


時刻は約11時・・・・・・

溶鉱炉の調子を私は見ていた、

「んで・・鉄はもう溶ける?」

そう聞いた私にここの担当は

「何時でもOKです」

「そうか、でさ・・・さっきミランダさんから頼まれたものでな、先にこっちの作成を頼む」

「え? これですか? 別に大丈夫ですけど」

「じゃあ頼んだぞ」

そう言うと私は立ち去って行った、まあ、え? と言うのも無理はない
 
私が頼んだものは9本のパイプとわずかなパーツだった、

少し前・・私は装甲車に置いてあったノートのWWUのドイツ軍の項目を

開いていた・・{ルフトファウスト}・・・・これだ!

ホーネット達に威嚇するには機銃では派手さがなく駄目だ・・と言って、

ミサイルを作れるほどの設備もない

(派手じゃないと威嚇にならないからな)

なのでロケット弾系統の物を探した結果・・・・・・

{ルフトファウスト}に行きついた、

{ルフトファウスト}は150cmの9本の鉄パイプから2cmのロケットを

発射する兵器である、当時のドイツ軍がレシプロ(プロペラ機)を

落とすために作った兵器である

「ロケット弾もクリップ装填で、素早く行えるし・・・なんたって連射可能
 ってのが良いな♪」

私はホーネット対策を優先して、溶鉱炉を動かさせた・・・・


時刻は12時・・・・・・

「ザバサさん! ロケット弾が出来ました!」

そう私のところに村人が報告に来た、

鉄パイプを流用して作ったロケット弾......

まあ問題はないであろう

「そうか・・で発射機の方は?」

「出来あがっているようです」

「……と言うと、遂に{ルフトファウスト}が完成したと言うことか……」

村で作った第一号の武器が完成したことに私は喜びと不安を覚えたが・・・

とりあえずは喜ぶことにした、

「どれくらいのペースで出来るかな?」

そう私が尋ねると

「一日に5〜6が今の規模での限界ですかね、弾薬の数との兼ね合い的にも」

「そうか・・でホーネット達はいつも何時頃襲撃してくるのだ?」

「主に真昼間に襲撃してきますね・・特に暑い時間帯、数は少ない時で2〜3人多い時で7〜80人くらいですかね・・・」

「ずいぶんと差があるな」

そう言いながらも、もう襲撃してくるであろう時間になっていた、

「さて・・{ルフトファウスト}の試験と行くか」

そう私は思い出来たての{ルフトファウスト}とロケット弾のセットを3つ

持って行った、

「気を付けてください! 彼女たちの槍には麻痺毒がありますよ!」

「分かった・・気を付けるよ」

そう言うと私は見晴らしの良い畑に装甲車で向かうことにした

(飛んでいる奴は見晴らしが良ければすぐに見つかるからな)


時刻は約13時・・・・・・

私は昼飯としてもらったパンをかじっている

ふと空を見上げる・・すると黒い影が・・・・・・

(んん・・ああ・・・ハーピーか・・・・・・・)

この村には一人だけハーピーのレオナがいる

しかし近くの村同士をつなぐ連絡手段となっているため日中は村にはいない

事が多い・・が何故か今は村の上空を旋回している

{ルフトファウスト}の餌食にされたいのかな?

そう冗談を言っているうちにレオナは地平線に消えていった・・・・

「ふぁ〜あ、平和だな」

ホーネットは現れない・・・・・・


時刻は約14時・・・・・・

一番気温が温かい時だ

(ホーネットは魔物と言えども虫の習性は少なからずあるだろう)

そう思っていると山の向こうから大きな蜂の姿をした女性が現れた、

私は急いで、双眼鏡を覗いた......

(ハニービーでは無いよな?)

私は念を押して観察した

「良し! ホーネットと確認! これよりこれより警告を開始する」

距離200mに接近・・もう声も届くはずだろう

「あ〜もしもし・・そこ行くホーネットのみなさん? 本日は村にどのようなご用件で?」

(数は・・約40人と言うところか・・・)

私はあくまで丁寧に対応した

もしかしたら別の用事で来ているのかもしれないからだ、しかし・・案の定

そのようなことは無かった、

「アタシ達は女王様の夫探しさ! それなんで村の男をさらうつもりだよ!」

(まあ・・敵意と言うか何というか・・・村を襲うことには変わりないな)

その言動に対し私は

「頼むからさらう事は勘弁してくれないか? こっちも迷惑している」
          
そう私が言うとリーダー格と思われるホーネットが

「うるさいね! ほう・・良く見ればイイ男・・・あんたも夫候補としてさらってやるわ!」

そう言うと私めがけて襲いかかってきた

(すごいな・・まるでスズメバチ・・・・)

「そうか・・穏便に済ませたかったが・・・仕方ない・・・・」

「貴様一人で何ができる!」

(わあぉ! 見事なフォーメーション・・・)

そう思いながら私は出来たての{ルフトファウスト}を取り出して

襲いかかってくる彼女達に向かって発射した

「ひゅん・・ひゅん・・ひゅん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

9発のロケット弾が彼女たちのフォーメーションを乱す・・・・

「何だこれは!!!!! ぐわぁぁぁぁぁ......」

「何これ!? 熱! あ・・ああ・・・火! 火!っっっっっ」

そんなことを言いながらパニックに陥っている彼女達・・・・

(効果抜群・・警告兵器として問題無し・・・)

しかし流石ホーネット、攻撃的な性格から戦いが得意なのか別動隊が私の後方

から襲いかかってきた

「くらいな!!!!!!」

そう言うと一人のホーネットが槍で突いてきた

(いかん・・あぶないあぶないあぶないあぶないあぶない.....あーーーー)

そう間一髪避けた私だが、すかさず{ルフトファウスト}を再装填して別動隊

に向かって発射した・・・

(装填が楽で良いな)

「ひゅん・・ひゅん・・ひゅん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

またもや9発のロケット弾が彼女たちのフォーメーションを乱す・・・・・

「がああああああああああ......」

「クソッこんなもの・・ひいいいいい......」

効果はてき面だった・・・

気の弱いものはこの時点で逃げていた・・が、それでも20人位は残っている

「よくもコケにしてくれたね!」

怒っている・・そりゃそうか・・・・・・・

「早く女王の元に帰ったらどうだ?」

そう提案した私だが・・結果彼女たちの闘争心に火を付ける結果になった

「皆! 奴を挟み撃ちにしろ! そうすれば対応しきれまい!」

(ほお〜考えたな・・確かにこの武器1つでは対応しきれないな)

そう思うと彼女達は私めがけて挟撃を仕掛けてきた・・・

「これで終わりだ!!!!!」

彼女たちが槍で私を突こうとした瞬間・・・・・

「バァァァァン......」

(困った時の音響閃光弾♪)

「がああああああああ目が......」

「何が・・何・・・が・・・・・・」

※何度も言うようですが私は大丈夫です♪

ホーネット達は闇雲の飛び回り・・仲間同士ぶつかったりして地面に落ちた

「クソッ・・一回引け!!!! 体制を立て直す!」

そうリーダー格の一人が言うと一斉に山の方に飛んで行った・・・・

(体勢を立て直す・・又来る気か・・・・ならば追撃!)

そう思った私はおもむろに背中に挿してあったM870マリンマグナムを構え

逃げるホーネット達に散弾をお見舞いしてやった

「はぁぁぁんんんんんん・・・・・あっ・・あ・・・・・・・・・あぁぁぁ」

「はう・・・あっ・・・・・・・・あっ・・・・・・はああああああああ」

「クソッあのやろ!・・・・あっあぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

(尻で感じるのか! 変態どもめ!)

そのような色っぽい声を上げながら尻を押さえていた

(ショットガンの効果も抜群・・害鳥駆除の気持ちだな)

「さてと・・とどめは景気良くこいつを使うか!」

そう言って私は装甲車から{携SAM}を取り出した

{携SAM}は用は日本製の{スティンガー}見たいなもの

(まあ・・ここで作るのは無理そうだけど)

赤外線誘導以外に画像識別での誘導もできるため、ジェット放熱の無い物体も

攻撃できる

※もちろんザバサが改造してあります

(あのリーダー格を落とせば少しはおとなしくなるかな?)

私は{携SAM}を構えた・・・・

(視界良好・・画像識別問題なし・・目標捕捉・・・フォイア!)

「ダン・・・・・シュパ・・・・・・・・・・・・」

撃ちだしたミサイルケースからミサイル飛び出し目標を捕捉し・・・・・・

リーダー格のホーネットに飛んでいく

「ホーネットにスティンガー(毒針)か・・皮肉だな・・・・」

そう私が言った瞬間ミサイルが直撃した、かすかに悲鳴は聞こえたものの

詳しくは分からない

「まあ・・死んではいないな・・・魔物だし」

(任務完了・・ミランダさんに報告に行くとするか)

そう思いながら私は{携SAM}のミサイルケースを拾ってから

装甲車を村に向けて走らせた・・・・・・


時刻は約15時・・・・・・・

「さすがはザバサさん♪ 助かりました」

そう言う村長のミランダさんの家でホーネットへの威嚇攻撃の結果を

私は報告していた・・・・

「いやいや・・村の人達がこんなにも早く材料をそろえてくれたおかげです」

そう言う私にミランダさんは

「私たちはあんな簡単な手伝いだけで、もう皆あなたのおかげですよ♪」

「そう言ってもらえるとうれしいです」

そんな感じでミランダさんと談笑していた私だった、

「それで、あなたのその武器を村の産業にしたいのですが」

その言葉を聞いた私は言った・・・

「その事ですが、私はこの武器が戦争の道具に使われるのが嫌なのです・・・ 恐ろしい戦争の道具に・・・・・・」

そう私が言い終わらないうちにミランダさんが言った

「大丈夫ですよ、私はあくまで近くの村の護身と生活の為に、と・・・言うわけです」

(悪魔があくまでって言っているよ)

そしてすかさず私は言った

「ですが、横流しなどが……」

「大丈夫ですよ、この大陸では戦争は無いですから」

そう言うミランダさんに私は

「そうなんですか? 信頼して良いのですね?」

そう聞いた私の対しての解答は

「はい♪ 村を助けてくれた恩人に村長の私がウソは付きませんよ!」

その言葉を聞いて私は安心した

「ならちょうど生計をどうやって立てようか悩んでいましたから…」

「そうですか、それでは村の空き家を工房として使ってください」

「分かりました、村人数人とまず護身ようの武器を作ります」

「よろしくお願いしますね♪」

そうミランダさんと話しを付けると私は外に出た

「……どうやら楽しく暮らせそうだな・・しばらくは・・・・・・」

そう言って私は・・・家に戻り今後の作成計画を練った・・・・・・・・・・



それから約半年・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私はこの村で武器(主に銃)の製造で生計を立てていた・・・・

武器に関しては狩猟用のボルトアクションライフルかショットガンしか

製造しなかった、用はそれで事が足りるからだ・・・・

弾頭も鉛ではなく真鍮と鉄を使った、鉛汚染の心配は無くなった

{ルフトファウスト}については特別な事情がない限り製造しなかった


武器製造以外には・・・・・・

ガスマスクや防刃ベストなどの防具や装備品を作って売っている

まあ需要がないのか装備品の方はあまり売れないが・・・・


製造関係以外には・・・・・・

私の持っている技能と装備を生かして特殊な依頼を受けたりしていた

色々な依頼の中でも大変だったのは他の村からマタンゴが村の女性を仲間に

取り込んで大変なことになっているから助けてくれと依頼を受けて、

NBC装備(対核・生物・科学兵器装備)と装甲車を使って、

マタンゴとマタンゴに毒された人たちを山奥に強制移動させ、村を一回お手製

の小型のサーモバリスティック爆弾(用は高温高圧の爆弾)で、村ごと浄化し

た事がある・・何が怖かったかと言うとマタンゴ達は動けなくとも胞子で男性

は食糧係に女性は同族にしてしまう為、村に赤いキノコ人間がたくさん立って

男性がそれに向かって性交をしている・・・・

そんな光景なんて普通の人間が見ても怖いのに私はその時・・まだ童貞だった

キノコに腰を振っている男性を見て別の方向に物凄い恐怖を覚えた、

まあ・・村に漂っていた胞子は焼き払ったし、この一件のおかげで

ガスマスクを村の人たちが買ってくれたのは思わぬ誤算で、嬉しかった

今では平和に暮らしているそうだ・・・・・・

「ああ〜今日も良く働いたな……」

そう言いながら私は装甲車の上で大きなあくびをした

(この装甲車も良く働いてくれたな・・)

そう思いながら車体をなでた・・この世界に一緒に来た相棒・・・・・・

さすがに燃料の石油は取ることが面倒だったため

環境に優しいバイオマスエタノールで走るように改造を施した

(さてと・・夕方になったし家に帰るとしますか?)

そう思うと私は装甲車を家に走らした・・・・・・

「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ.........」

装甲車に揺られながら私は思っていた・・・・

(ここにきて約半年…生計は立てられている……しかし帰る手掛かりはつかめていない・・まさか魔法がな・・・・・・)

そう・・私は帰るために次元移動の魔法が使える者を探したが・・・・・・

次元移動の魔法は尋常じゃないほど難しくこの大陸では使える者はいないと

言われてしまった・・しかも仮に居たとしてもとても強力な魔物しかいない

だろうと言い切られてしまった

(強力な魔物って…どんな奴だ?)

まあこの世界に来た時には永遠に帰れないと覚悟していたので

極度の悲観にはならなかったが・・やはり悲観に走ってしまう・・・・

(この世界が嫌なわけではない・・いやむしろこっちの世界の方が良い!
 だがな・・・あっちの世界には残して来てしまった隊員たちがいる・・・
 あの腐った世界においてきぼりにして自分だけこんな良い世界に
 居るわけにいかない......)

そう思っていた私だが、帰るための何の手がかりもつかめていない・・・・

試しに能力の発動要因と考えられる{心の底から物凄い勢いで怒ってみる}

など試してみたが、無駄に終わった・・・・・

魔法について勉強もしてみたが、この世界の人間で無い所為か簡単な魔法すら

使えない・・まあそんな試行錯誤ばかりの日々を約半年続けてきた・・・・

「まあ・・あいつらは俺が居なくとも上手くやっているだろう……っとお・・到着......」

そう考えに更けている内に家に戻ってきた

(今日の武器の製造はスムーズだったな♪〜)

「ん? 机の上にに張り紙が……」


【仕事から帰ってきたら私の家まで来てください】       
                  
                    ミランダより・・・・    


(ミランダさんから? 張り紙とは珍しい)

そう少し不思議に私は思ったが私はミランダさんの所に行くことにした

「ミランダさん? ザバサですが?」

「どうぞお入りになって」

「失礼します」

「まあ、おかけになって」

そう言われたので私は椅子に腰掛けた、そして一瞬何かの気配を感じた・・・

(何なんだ? 今の気配・・蛇に睨まれた蛙の様な感じだ)

「あの・・要件とは?」

「ええ・・要件と言うのはねですね・・・来て大丈夫よ」

そうミランダさんは家の奥に向かって呼びかけた・・すると・・・・・・

「キィィィィィ......」

扉の音と共に一人の十代後半の美しい女性が入ってきた

(身なりからして・・冒険者か何かかな?)

そう私が思っている内に少女はミランダの横に座った

「あの・・そちらの方は?」

そう聞いた私にミランダさんは

「彼女は私の友人です♪」

そうニッコリと答えた・・・・

(ああ・・間違いなく何か企んでいるな・・・あの笑顔・・・・)

「ペコリ..」

そう礼儀正しく頭を下げた少女だったが、何も喋らない・・・・

(何か不思議な子だな……)

「……その…ご友人を紹介して何か?」

「はい・・実は彼女の友人としてあなたに依頼があるのですが・・・・・・」

ミランダさんは事情を話した・・・・・【説明中】・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「友人としての依頼がそれですか?」

そう説明を聞いて困った顔をした私に対してミランダさんが続けた・・・・

「そうですの♪ 彼女の受けた依頼を頼りになるあなたに頼みたいのです」

「はあ・・・」

ミランダさんの言った内容はこうだ・・・・

このミランダさんのご友人(名前は何故か教えてくれない)が受けた依頼

が物凄く強い魔物の討伐らしくそれを知らずに依頼を受けてしまって

困っているので代わりに私に依頼内容を遂行してほしいと言う事だった・・・

「用は倒せないから代わりに倒してくれ・・と言う事ですね?」

そう考えて言った私にミランダさんは

「はい♪ 依頼を途中でやめると信頼に傷がつきますし・・・」

「まあ・・私は構いませんが・・・ご友人の方は良いのですか?」

「コクン..」

そう首を縦に振った・・・

確かに私はこの半年位で様々な武器を作り特殊な依頼(無茶な依頼)を

数多くこなしてきて、この辺りでは{異次元の勇者}なんて呼び名がついた位

皆に頼りにされてきたのだが・・・・・・

「そう言うことで・・お願いしますね?」

そうミランダさんが言った

(こんな感じの依頼は初めてだ・・無茶な依頼の代理なんて・・・・)

「分かりました・・では・・・その討伐対象の居場所を・・・・・・」

※・・・・【説明中】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「そんな感じです♪」

これまたミランダさんからの説明によるとその討伐対象は

この村から半日位で行ける所にある洞窟らしく中に居る魔物もかなり強い

とのこと・・とりあえず成功報酬は全額いただけると言ってきた

「分かりました・・では明日には出発します」

そう私が言うとミランダさんが口を割ってきた・・・・

「あの〜期限の兼ね合いで出来たらすぐに出発していただきたいのですが?」

「え? すぐにですか?」

私はその時驚いたが頼まれたら断れないのが私だった

「分かりました・・すぐに準備します」

「すみませんね♪」

「では・・・」

そう言って私はミランダさんの家を出た・・・

(……しかし妙にしっくりこないんだよな? 同族の討伐を頼むかな?)

ミランダさんの行動に疑心暗鬼に抱きつつも私は出撃の準備をした、

そしてその私の予感は当たっていた・・なにせ・・・・・・

ミランダさんの家の中では・・・・

「ふふふ・・第一段階成功ね♪」

そう怪しくほほ笑むミランダさんが居たらしい

「まあ・・貴女のもとに差し向けるだけで良いわね?」

そうミランダさんは友人に話しかけていた、しかし・・そうとは知らずにその

時私は準備に追われてい

(物凄く強い? どれくらいだ?)

その様な謎と対峙していた・・・・・・

「まあ・・装甲車はあるが・・・洞窟だろ?」

その様な事を言いながら武器と装備を考えていた・・・・

(強いとなると・・小口径の弾では駄目かな?)

「んん〜こっそり作っていた武器をだすか・・報酬額はかなりあるし・・・」

そう言うと私は村人達には秘密に作っていた兵器を装甲車から取り出した

「ええと・・たしかここに・・・おっ! あったあった!」

{カールくん・AT-4・パンツァーファウスト3・M72・M82バレット}

                 どれも対物兵器ばかりである・・・・

「これらと・・・・・・
{M870マリンマグナム・89式・ジャッジ・日本刀・音響閃光爆弾・煙幕弾}                ・・があれば武器は大丈夫かな?・・・・」

(念のためLMT.308MWSを持っていくか・・・・)

※LMT.308MWSは308口径を20発装填できるオートライフルです

(装備品は・・洞窟か・・・・)

洞窟と言う特殊な環境を私は想定しながら装備を考えていた・・・・・・

「とりあえず・・・
    白兵戦装備一式に防寒対策を施し暗視装置を持っていくか・・・・」

あらかた準備を終えた私はとりあえずミランダさんの所に行くことにした

「失礼します、ミランダさん、ザバサです」

「どうぞお入りになって」

そう言って私はドアを開けてすぐに言った・・・・

「準備が出来たのでご所望どおりすぐに出発します」

「ちょっと待ってください・・少しお話を・・・・」

「はあ・・構いませんが」

(すぐにと言っていたのに話とは?)

そう少し不思議に思ったが私は話を聞くことにした

「仕事の方はどうなのかしら?」

「は?」

いきなりの質問に私は驚いた・・・・・・

「いやですから・・仕事の方は・・武器の製造の調子とかは?」

「はあ・・まあ武器の製造については私がいなくとも皆良くやってくれていますよ」

「そうですか・・それは良かった・・・・」

(何が聞きたいんだ? この人?)

そう思った私だがその時は気にしていられなかった・・何故なら・・・・・・

「んん? おお! ミランダさんのご友人!?」

そう言う私の真横に何時の間にかくっついているミランダさんの友人が居た

(何時の間に!? 気がつかけなかった・・・・)

しかしその様子を落ち着いた顔で見るミランダさんだった

私はさすがに少し焦り対応に困っていた・・・・

「あの・・ミランダさんのご友人? 近いのですが・・・・」

名前を知らないだけあって妙に気まずい

(つーか普通に気まずい)

しかしそう私が言った瞬間・・すぐに離れて奥の部屋に行ってしまった

(何だったんだ?)

そう私が思っているとミランダさんが澄ました顔で

「ザバサさん、それでは依頼の件よろしくお願いします」

「はい・・お任せください」

私は取り乱してないように答えた

「そうだった! これを・・・・」

いきなりそう言うとミランダさんは小さな木箱を渡してくれた

「これは?」

そう私が聞くとミランダさんは・・・・

「あなたが大変になった時にこの木箱の中身を使ってください・・・・
 いいですか!・・大変になった時に開けるんですよ!」

その様なことを言うミランダさんの顔は珍しく真剣だった・・・・

(本当に何だろう?)

「分かりました・・では出撃してまいります」

そう一言敬礼と共に言うと私は装甲車に乗るため外に出た

(しかし・・何だろう・・・この物凄い違和感……)

そう・・やはり私の予感・・・いや、直感は的中していた・・・・・・・・・

ミランダさんの家の中では・・・・・・

「んもう!・・我慢できなかったのかしら? いきなりべったりと・・・・
 まあ気に入ったのね?・・・安心して♪・・・・・・
 楽しみが台無しにならないように……を持たせたから♪」

その様な完璧に危ない内容の会話がされていたっぽい・・・・

しかし・・そんな事を知らなかった私は装甲車に乗ろうとした

「ほう・・こんな時間に何処行くんだい?」

そう声をかけてきたのはラミアのミリアさんだった・・・・

(散歩か何かだろうか?)

「まあ・・気まぐれで少し遠くに……ですかね」

私は本当のことを言うのは得策ではないと考え少し分かりずらく言った

「そうかい・・でさ・・この辺りでラミアを見かけなかったかい?」

ミリアさんはいきなりそんな事を私に聞いてきた・・・・

「どうしてですか? ラミアはミリアさんしかこの村に居ないでしょう?」

そう答えた私にミリアさんは

「そうなんだよ・・だけどラミアの気配がしてね・・・・
 久しぶりに同族に会えると思ったんだけど・・アタシの勘違いかね?」

「勘違いなんて良くあることですよ・・・・
           勘違いなんて・・勘違いと分かれば問題ないですよ」

「そうだな・・中々良いこと言うじゃないか・・・・まあ・・気を付けていきなよ!」

「ご心配どうも・・では行ってきます」

「ん!」

そう手を振るミリアさんを後に私は装甲車を目的地に走らせた・・・・・・・




{直感は素晴らしい・・・どのようなレーダーより素晴らしい・・・・
          
     ・・・・・何故なら直感に対する対策は無いのだから・・・・・}
                  
                       ザバサ戦闘中の迷言

10/08/31 21:10更新 / クロニカル
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■作者メッセージ
Z部隊食堂にて・・・・

「で・・この後まあ監査長と戦うわけだ」

「艦長! 質問があります!」

「なんだヘレーナ?」

「カールくんって誰ですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「艦長?……」

「84ミリ無反動砲くんのことだ」

「は?」

「話をつづけるぞ!」


***********************************
いやあ・・・・長くなりましたね・・・・・・・

続きますよ!

ここで終わりではないですよ・・・・・・




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