連載小説
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龍(リュウ)の項
さあ最後は、ジパングの龍(リュウ)についてだ。
彼女達はドラゴン族の中で恐らく一番の優しい種族だ。
ジパング特有の穏やかさ、それに加えて滲みでる母性・・
特に意識していなくてもついつい甘えたくなってしまう。
そんな我儘さえも優しく包み込んでくれるその様は、
正しく、女神と呼んで差支えの無いものだろう。
見た目においても、龍は美しく胸もかなりの大きさである。
しかもただ美しい訳ではなく、なんというかやはり穏やかさを感じさせる。
何故だろう、と考えた結果他の三人のドラゴン族と比べて違う所が幾つかあった。
では、その違いとは何か。

まず一つ目は、先程も述べたがその気性。
これは手を見比べてみて分かったのだが、
まず他のドラゴン族と同じく手はゴツゴツしている。
なのに、龍のものだけが控えめに感じられるのだ。
勿論、衣服を着ているか否かで変わったりもする。
だが、やはり龍は優しげな手に思えるのだ。
これは龍のジパングの魔物に相応しい、
献身的で穏やかな気性がその雰囲気を作り出しているのだと思う。

次にドラゴン族の特徴の一つである鱗の違いだ。
一般的に彼女達の鱗のイメージとしては、触れれば斬れそうなほどに鋭い、
鍛え上げた剣ですらも通さぬ鉄壁の守り、等があげられる。
事実、ワーム、ドラゴン、ワイバーンの三人はその通りであり、
龍においても先程言った通り、手はゴツゴツとしたものである。
とは言っても、爪付近が丸っぽくなっていたりするが。
しかし明らかに違う点がある・・それは尻尾だ。
尻尾を見てみると、ゴツゴツ、等という表現は失礼に思える。 
(まぁ、女性の手に対してゴツゴツ、という事も失礼な訳だが)
むしろスベスベとか、ツルツルという印象を与えるのだ。
だから、その尻尾に寝転がったりすればとても気持ちが良いだろう。
勿論寝転がり方も自由だ。
彼女の顔を見ながら寝るのも良いし、背中を預けてうつらうつらとするのも良いだろう。

そして最後はなんといっても神々しさだろう。
まぁもともとドラゴン族自体は高位の魔物で神々しさもある。
他の三人は強者、というか力強い方向にその神々しさがあるとすれば
龍は美しい方面に神々しいと言える。
ジパングでは、神と崇められている程なのだ。


ここからは、個人的に龍にしてもらいたいこと、したい事を書いたものである。

まず膝枕。
龍はその体の構造上、膝枕をしてもらう事は難しい。
だがこちらがする分には何ら問題は無い。
ワームとは逆で、いつも甘えさせてくれる彼女達が
べったりと甘えてくる様をじっくりと楽しむと良いだろう。
勿論、巻き付いてくる尻尾を撫でてあげるのも良し。

次に、じーっとして過ごすこと。
何もしないのか、と思うかもしれないが龍と居るのならば、
まぁ、どんな魔物と居る時でもそうだがやはりこれは外せない。
縁側で、または畳の上で、二人揃ってボーっとして。
時たま「ねぇ・・あなた?」と聞いてきた彼女に顔を向けると
「ふふ・・なんでもありません」と言って、
膝に頭を預けてくれたりしたら、幸せである。
そして、頭を撫でてもらう事。
家の中で居眠りをしてしまったとしよう。
目を開けるとそこには、体をこちらが苦しくないように展開し
優しい手つきで頭を撫でてくれている龍が居るのだ。
なんというか・・もう・・堪らん、以外に言葉が見つからない。
それを敢えて書くなら、こんな風か。

「・・・・ぅ・・すぅ・・」
「・・・・ふふ。」

「ん・・?」
「旦那様、お目覚めですか?」
「ぁ・・ごめん・・」
「ふふ、よろしいのですよ?
それどころか、もっと甘えて欲しいくらいですから。」
「・・じゃぁ・・」
「っふふ・・私の体に抱きつきになって・・可愛らしいです。」
「ん・・なぁ・・」
「・・ええ、良いですよ二度寝なさっても。
私も暇ですから、旦那様の寝顔を眺めておくことにします。
それが、一番したいことですから。」

んぅ〜・・実に良いものだ。
穏やかな物腰、包容力。
それでいて、よそよそしさを感じさせない雰囲気。
人気なのも頷ける・・。

・・さて、ここまでその穏やかさ、優しさを書いてきた訳だが。
彼女達も魔物であり、女である以上その性欲は計り知れない。
高位であるドラゴン族であるならば尚の事であろう。
普段はきっと、我慢してくれているだろうがそれでも本能に逆らうのは
とても辛い事だろうと私は思う。
しかも、そう言っても彼女達はきっと
「あ・・大丈夫ですよ、あなた。私は、平気ですから、ね?
あなたがしたいというなら、私はいつでも受け入れますわ。」
と言ってくるだろう。
・・そう、彼女達は自ら求める事を滅多にしないのだ。
しかし言った通り、その奥底にはゆっくりと性欲が溜まってしまう。
だから彼女達の言葉を鵜呑みにしてしまうと、いつか
「ねぇ・・あなたぁ・・もう、我慢、出来ません・・。
酷いですよ、こんなになるまで、放っておくなんて・・。」
となってしまうだろう。
そう言った姿を見たい人も居るだろうが、私は見たくない。
しかし・・彼女達は受け入れる方が多く、求める方は得意ではない。
ではどうするか。
ここで・・逆鱗の出番。
そこを撫でると、恐ろしい快感が流れ性欲で頭がいっぱいになるという。
こんな事は、魔物娘図鑑に載っているのでこんな所で良いとしよう。
私が言いたいのは・・普段とのギャップの素晴らしさだ。

いつもは、お淑やか、優しい。
その姿はしっかりと着物に包まれており、表情はしっかりとしている。
対して、逆鱗を触れられた彼女はどうか。
白く美しかった顔は欲情の赤に染まり、息は荒く乱れている。
着物は激しく身悶えしたが故に着崩れており、
なにより、言葉遣いはいつもの気品のあるものとはかけ離れてしまい
「あなたぁ・・♥そんな所に、触れたという事はそういう事ですよね♥
んふふ・・♥良いですよぉ・・たっぷり愛し合いましょう・・♥」
等と女そのものとなってしまう。
こうなってしまうと、もう彼女から逃れる術は無い。
だが・・普段は攻められるばかりの彼女達が、
こちらに攻める暇すら与えず、ぐちゃぐちゃにしてくる。
その様子は、別の意味での女神と言えるだろう。

彼女と過ごす時。
それは癒しであり、甘えられる。
そして甘えるだけでなく、きちんと甘えられるようにしてあげること。
それも彼女と過ごす時に大事な事だ。
説教臭い事を言ったが、要するにこういう事。
「愛されたら、愛し返す・・倍返しだ!」(もう遅れてるって)
そうすれば、倍々ゲームで愛は愛を大きく育てるだろう。




15/04/27 21:20更新 / GARU
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■作者メッセージ
会話を入れられなかった・・。

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