連載小説
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『Torch』
雪のコテージで
今夜も貴方を待っています
セピアに褪せた
風景(場所)に色を塗りながら

灯火は何処にも点る
腕に、胸に、唇にも
一時の熱病も
解かしてしまえば
永遠になるのでしょう

あれから幾度の雪を眺めて
手に残る熱を確かめたでしょう
あれから幾度の鴬の声
去る北風を惜しんだでしょう

あと幾度か雪を眺めて
吹雪の気配を感じたら
待つことを止めに致します
心のトーチの導くままに
10/05/25 17:18更新 / 初ヶ瀬マキナ
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■作者メッセージ
「……まぁ純愛だな。待つのを止めにする辺りが怖いが」
「雪女って、小さな頃は雪童の姿で人間と交流するんでしょ?」
「ああ。とは言っても、ジパング語が流暢なぐらいだ。ラーヴェル、見たことあるんだろ?」
「ううん。私が居たのは南の暖かい地方で、雪が全く積もらない場所だったから」
「……島一つとっても環境がかなり違うんだな、ジパング。俺が行った場所は普通に雪が降ってたぞ」
「『大陸』の北と南みたいなものね」
「……成る程な」

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