連載小説
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ゲイザーちゃんとしりとりしよう!
とある休日。俺とゲイザーちゃんはダラダラとしていた。
ベッドに寝転んでスマホをいじる俺。
対してゲイザーちゃんは俺の頭上にぷかぷか浮かびながら、お気に入りの少女漫画を読んでいた。
特に何をするでも無いまったりとした時間。
そんな時間も急に終わりを告げる。ゲイザーちゃんは漫画をパタン、と閉じると俺に話しかけて来る。

「あー、ヒマだ。なぁ、何かして遊ぼうぜ?
なんかこう……パンチの効いた遊びがしたいぞー、私は」

また訳の分からない事を……
じゃあしりとりでもする?

「えーっ、しりとりぃっ?」

あからさまに難色を示すゲイザーちゃん。ジト目で俺を睨みつけて来る。彼女の背面から生えている触手アイ達も目を細めてこちらを見て来る。可愛い。

しりとり、嫌?

「だって絶対つまんないだろ、そんなの」

まあまあとりあえずやってみようよ。つまらなかったら、また他の遊び考えよう。

「うーん……まぁいっか。どうせヒマだし。じゃあ始めはしりとりの『り』からな? りんご!」

何だかんだ言って乗り気なゲイザーちゃん、可愛い……
そんな感じで始まった俺とゲイザーちゃんのしりとり。
適当に時間潰せたら良いや、くらいに考えてたんだけど……
俺に「げ」が回って来た時、事件が起きる……!

「く……くらげ!」

げ……? 俺にとって「げ」で始まる言葉なんて一つしか思いつかない。
それは勿論……ゲイザーちゃん!
いかん、「ん」で終わっちゃった! このままじゃ負けちゃう!
俺は咄嗟に言葉を繋ぐ……!

ゲイザーちゃん……大好き!

「……はぁ⁉︎」

大きな単眼を見開いて驚くゲイザーちゃん。
あっ、今の顔めっちゃ可愛い……

「おまっ、お前なぁっ! いつも言ってるだろ⁉︎ そう言うこと、いきなり言うなって!」

ゲイザーちゃんはプンスカ怒って、ポカポカと叩いてくる。触手アイも一緒になってペチペチと叩いて来る。

ご、ごめんよゲイザーちゃん……
でも俺にとって、ゲイザーちゃんの後に続く言葉って「大好き」しか思いつかなくて……

「なっ、う、うぅぅぅぅっ……」

顔真っ赤にしてモジモジし出すゲイザーちゃん。超可愛い……
しばらく俯いてたゲイザーちゃんは、ゆっくり顔を上げると俺との距離を一気に詰めて、

チュッ……❤️

へっ……?今唇に感じた感触ってまさか……!

「『キス』、だ……❤️
しりとり、『き』で終わってただろ……
いきなりあんな事言った仕返しだ❤️ ……ザマーミロ♪」

そう言って、ペロリと舌を出すゲイザーちゃん……!
うわぁぁぁぁぁぁぁっ!
ゲイザーちゃん、可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い過ぎいぃぃぃぃっ!
俺は辛抱たまらなくなってゲイザーちゃんを抱きしめてブチュー、とキスしちゃう。

『好き!』
はい、次ゲイザーちゃんの番だよ!

「こ、このぉっ❤️ お返しだ、もう一回『キス』❤️ んちゅっ❤️」

やったなぁ!じゃあ俺からも『好き』チュッ!

お互いに『キス』と『好き』を繰り返す俺たち。もはやしりとりのルールとか関係ない。
いつしか2人の唇は強く結びつき……濃厚なディープキスを楽しんでいた。

「んちゅっ❤️ れろっ、じゅるるぅっ……❤️ はむっ、はむ❤️」

ギザ歯で舌をハムハム甘噛みされる感触が気持ちいい。
ああ……間近で見るゲイザーちゃんの瞳、ホントに綺麗だ……
宝石みたいに輝いてて……
ずっと見ていたいな、大好きな女の子の一番可愛いトコ……
そんな風に俺が思ってると、彼女の瞳が怪しく輝き始める……!
これこそ彼女達ゲイザー最大の種族特性、魔眼……!

ゲイザーちゃんが俺に魔眼使う時は、エッチな事がしたい場合が殆ど! つまりゲイザーちゃんと今からエッチ出来る! やったぜ!
ああ……今日はどんなエロエロな魔法をかけてくれるのか、楽しみでたまらない……! 彼女の瞳の光が一際強くなった瞬間、俺は意識を失った……

    ◇

アレ……? 俺何してたんだっけ?
目の前にはゲイザーちゃん。何か顔真っ赤にして、ウキウキした表情してる。

「ホラ、次お前の番だぞ♪
『げ』だぞ『げ』❤️」

ああ……思い出した。しりとりしてたんだっけ。
げ……? 俺にとって「げ」で始まる言葉なんて一つしか思いつかない。
それは勿論……
ゲイザーちゃん!
いかん、「ん」で終わっちゃった!このままじゃ負けちゃう!
俺は咄嗟に言葉を繋ぐ……!

ゲイザーちゃん……大好き!

俺の言葉を聞いたゲイザーちゃんは、

「〜〜〜〜〜〜っ❤️」

何か空中で身悶えし始める。触手アイもハート目になってクネクネ動いてる。
よくわかんないけど、今のゲイザーちゃんめっちゃ可愛い。

「キスぅっ❤️ キスキス、キスぅぅぅぅ〜っ❤️」

俺に飛びかかって来るゲイザーちゃん。ブチューってキスされる!
何度も、何度も……!
彼女と至近距離で見つめ合うと、その瞳が怪しく輝き……俺は意識を失った。
……アレ、俺何してたんだっけ?

    ◇

……どうも様子がおかしい。
目の前には完全に発情した表情のゲイザーちゃん。お互いの唇はヨダレでベトベト、後俺のちんちんもフル勃起。何なんだ、この状況……?
確かしりとりの途中だったと思うのだが……
しりとりしてて、こんな事になるか……?
……ははーん、読めたぞ。
さてはゲイザーちゃん、魔眼で俺の記憶弄ったな?
確か直近の記憶は……しりとりしてて、「げ」で俺の番。
ここから予想される次の俺の行動は……
俺の事だ、ゲイザーちゃん大好き! とか言っちゃうんだろう。
そう言われて嬉しかったゲイザーちゃんはその時の記憶を消して、何度も同じ事を繰り返してるんだろう。
んもう、可愛いなぁゲイザーちゃんは!
大好きって言って欲しいなら、何千回でも何万回でも言ってあげるのに!
こんな風に手の込んだ事しなくてもさぁ!
でも、そんなトコも可愛いよゲイザーちゃん……
普通なら自分の記憶を弄られるとか怖いだろう。
でも俺は全然怖くない。だってゲイザーちゃんが俺に酷いことする筈無いしね。
……しかし、今のゲイザーちゃんエロ可愛いなぁ。ヨダレ垂らして舌舐めずりしてさぁ。また俺に大好きって言って貰えると信じてるんだろうなぁ。
……何かちょっとイタズラ心が湧いて来ちゃった。たまには俺も意地悪したい時があるのだ。

「ホラ、次お前『げ』だぞ❤️ 早くしろ、ホラホラ❤️」

オッケー、分かったよ。ゲイザーちゃん!
あっ、しまった!「ん」で終わっちゃった。あちゃー、俺の負けだね。

「ふえっ⁉︎ 何で⁉︎ だって今までずっと……!」

んー? 今までずっと何?
おかしなゲイザーちゃん。
何でそんな事言えるのかなぁ?

俺はニヤニヤしながら、彼女を見つめる。

「う、うぅぅぅぅぅぅっ……!」

ゲイザーちゃんはイタズラを咎められた子供みたいに俯いてしまう。イカン、やり過ぎたか……!
からかい過ぎて泣かせでもしたら、罪悪感が半端ない。俺がゲイザーちゃんに謝ろうとした瞬間——

「ま、まだ続けるモン!」

とかよく分からない事を言い出す。

えっ……続けるって何を?

「ん……んで始まる言葉……!」

しりとりまだ続ける気なんだ……!
でも「ん」で始まる言葉なんてあるか?

「んっ……んんんんんっ❤️」

ゲイザーちゃんはそのまま俺にブチューってキスして来る。
そのまま押し倒されて、何度もキスされる。
あー、ゲイザーちゃん可愛い……
そんなめちゃくちゃな所も大好きだよ。
これからもいっぱい色んな遊びしようね?
ゲイザーちゃんと一緒なら何やっても絶対楽しいからさ。
愛してるよ、ゲイザーちゃん……大好き!!!
23/02/08 05:04更新 / H.H
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■作者メッセージ
ウチのゲイザーちゃんの名前は「ルカ」ちゃんです。
由来は英語の「look at」から。
ルカって名前は海外では男性の名前で使われる事がほとんどらしいけど、日本では創作作品を中心に女性名で使われる事もあるみたいだし良いかなぁ、って。

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