連載小説
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にげろインキュバくん/イタチ三姉妹
にげろインキュバくん

うた:サイモン&カークランド


まいにち まいにち ぼくらはまもむすの
うえで こしふり イヤんなっちゃうよ
ある日 ぼくは うちのよめさんと
ケンカして そとにとびだしたのさ

はじめてあるいた うちのそと
とってもきもちがいいもんだ
まもののしせんがこわいけど
そらはひろいぜ こころがはずむ
ももいろまんげつ ほほえんで
ぼくのゆくてを てらしていたよ


みぎも ひだりも めをひくものばかり
まかいも いろいろ あるもんだ
ときどきまものに くどかれるけど
そんなときゃ そうさ にげるのさ

いちにちあるいて クタクタさ
あしもガクガクしてきちゃう
こしのうんどうはとくいでも
ほかのうんどうは ひさしぶりさ
くらい ろじから つかまれた
それは おんなの ほそうでだった

どんなにもがいて あばれても
まものの ちからにゃ かなわない
まっかな なみだめ よめさんが
ぼくをつかまえ だきしめていた


やっぱりぼくは インキュバス
かのじょせんようの インキュバス
よめさん つばを のみこんで
ぼくを うまそに たべたのさ


* * * * * * * * *


イタチ三姉妹

うた:8代目うたうおにいさん
   71代目うたう魔物おねえさん


風に吹かれてイタチ(イタチ)
三人並んでイタチ(イタチ)
鎌を光らせイタチ(イタチ)
カマイタチ三姉妹

一番前は 長女(長女)
一番後ろは 三女(三女)
前から後から 次女(次女)
カマイタチ三姉妹

妹思いの 長女(長女)
姉さん思いの 三女(三女)
彼氏が一番 みんな(みんな)
カマイタチ三姉妹


こんど生まれてくるときも
願いはそろって同じ種族
できれば今度は しとやかな
三輪咲きの リリラウネ(ラウネ)

ある日姉妹で けんか(けんか)
おとめサイズで けんか(けんか)
ちちくらべして イタチ(イタチ)
でも もんでなかなおり

今日はみんなで 遠出(遠出)
雷獣さんの ライブ(ライブ)
おなじイタチで四姉妹――
断られました


一人のときは ひとり(ひとり)
二人のときも ひとり(ひとり)
三人そろって ひとり身の
カマイタチ三姉妹

イタチ(イタチ)
 イタチ(イタチ)
カマイタチ三姉妹
 カマイタチ三姉妹
  カマイタチ三姉妹

おしまい!


* * * * * * * * *


曲解説

『にげろインキュバくん』
もともと子供向けに作られた歌だが空前の大ヒットを記録し、親世代、特に父親達インキュバスがこぞって買い求めたという。
ヒットの理由として発売当時は先の戦争により大勢の捕虜として魔界に連行された教国民故郷を戦火で追われ魔界に移住してきた魔物が大好きな男の人達と彼らを捕まえた魔王軍除隊者彼らを温かく迎え入れた優しい奥さん達との間に次期魔王軍の主力かわいい愛の結晶が生まれて子育て世代となっており、歌のなかのインキュバスと自分達を重ね合わせる父親達が多かったからとも言われている。


『カマイタチ三姉妹』
MHK「おとうさんといっしょ♪」より。
童謡としてだけではなく魔界で販売された歌の中でも大ヒットした曲。
余談:
カマイタチはジパング固有種族で「稲荷」や「龍」ほどの知名度はなかったが、この曲の大ヒットによりジパング外でも大人気となり、「カマイタチ・ツアー」と称するジパングへの旅行が激増することとなった。
なおカマイタチの生態がキチンと伝わらなかったためか三人一組でツアーを組まれることが多く、そのほとんどはカマイタチ達とは縁を結ぶ事なく帰っていったといわれる。

〜当時空港でよく交わされた会話〜
「Sightseeing?(観光ですか?)」
「No...Scythe seen!(カマイタチに会いにさ!)」


──────────────────


〜とある国〜

マタンゴ マタンゴ
たっぷり マタンゴ
マタンゴ マタンゴたっぷり
マタンゴが やってくる


大臣「王様、大変です! マタンゴの大群が、わが国めがけて進んできます!」
王様「なんだと! 北の森のマタンゴは皆大人しかったはず、一体なぜ!?」
大臣「わかりません、今から調査に向かわせます。というわけで頼むぞ」
魔物家臣「ハッ!逝って参ります!」


〜城下町〜

―マ、マタンゴが来るぞー!―
―キャー!―
―ワー!―
子供「みんな、マタンゴになっちゃうの?」
老人「それがさだめならね・・・」


〜郊外〜

マタンゴ マタンゴ
ぷにぷに マタンゴ


魔物家臣「マ・マタンゴー!」
マタンゴ「マ・マタンゴー!」
魔物家臣「マ・マタンゴ?」
マタンゴ「マ、マ、マ・タンゴー!」
魔物家臣「マ・マタンゴ・・・?」
マタンゴ「ママ、マ・タンゴ!」
魔物家臣「マテンゴ」
マタンゴ「マ」


〜城内〜

王様「どうだった!?」
魔物家臣「マ・マタンゴー!」
大臣「おい、大丈夫か?」
魔物家臣「失礼しました。どうやらマタンゴたちは“黒猫〇タンゴ”や“だんご〇兄弟”のメインキャストに選ばれなかったことを怒っているようです」
王様「そんな事で?」
魔物家臣「私もそう申しましたら、“最近マッドハッターやマイコニドなどのマイルドキノコたちに取って代わられ、タンゴ系童謡は私達に残された最後の希望だった”と強く反論されました」
王様「ううむ・・・ならば、国中の詩人、作曲家、小説家、その他もろもろに至急マタンゴを主題にした歌をつくるよう触れを出すのだ!」
大臣・魔物家臣「ハハアッ!」


〜とある家〜

つぼをはいたリャナンシー
「王宮から至急マタンゴをテーマに創作しろとお触れが出てますよ」
とある男
「無茶言うな。そんなポンポン次の作品ができるかっての」
つぼをはいたリャナンシー
「あなたの場合歌詞をチョチョイといじってるだけじゃないですか・・・」

マタンゴ マタンゴ おにときけ




マタンゴノタンゴ

うた:たくましいお姉さんがだいすきなお兄さん


(オシイレパンツニサルマタケ?)
(コンダケアナタニクビッタケ!)

マタンゴノタンゴ
コノタンゴママタンゴ
マタンゴノタンゴ
モリノマタンゴ

森のマタンゴ おおきくのびて
お空に胞子をとばします

フンフンパララ フンパララ
フンフンパララ フンパララ
ドラゴンにはナイショのはなしだよ


マタンゴノタンゴ
コノタンゴママタンゴ
マタンゴノタンゴ
タニマタンゴ

おおきなマタンゴ 調子にのって
風に胞子をとばします

ピューピューパララ ピューパララ
ピューピューパララ ピューパララ
シルフにゃナイショの話だよ


マタンゴノタンゴ
マタキテマタンゴ
マタンゴノタンゴ
キミノマタンゴ

恋するマタンゴ さみしくなって
街まで胞子をとばします

ウンウンパララ ウンパララ
ウンウンパララ ウンパララ
だれにもナイショの話だよ


マタンゴノタンゴ
コノタンゴママタンゴ
マタンゴノタンゴ
モリノマタンゴ

マタンゴノタンゴ
コノタンゴママタンゴ
マタンゴノタンゴ
タニマタンゴ

マタンゴノタンゴ
マタキテマタンゴ
マタンゴノタンゴ
キミノマタンゴ

マタンゴノタンゴ
アシタモマタンゴ
マタンゴノタンゴ
タンゴマタンゴ

アナタとふたりのヒミツだよ♪





〜城門前〜

マタンゴノタンゴ
コノタンゴママタンゴ
マタンゴノタンゴ


老人「おお、なんという博愛と友愛・・・マタンゴ達が帰ってゆく・・・」
子供「マタンゴたち、夕日をあびてまるで金色に光ってるみたい」


〜とある家〜

マタンゴノタンゴ
アシタモマタンゴ
マタンゴノタンゴ


つぼをはいたリャナンシー
「マ・マタンゴー!(な、なんとか帰っていきましたね)」
ある男
「マ・マタンゴー!(あいつらまっすぐウチに突っ込んで来たぞ・・・)」
つ「マ・マタンゴー!(部屋が胞子で真っ白です)」
男「マ・マタンゴー!(とりあえず掃除しよう)」
 ・
 ・
 ・
つ「やっときれいになりました(マ・マタンゴー!)」
男「おいおいつぼンシー君、まだ頭にキノコがのっかってるぞ(マ・マタンゴー!)」









おまけの解説?
※タイトルはタンゴだけどタンゴじゃない罠。
つ「タンゴ系童謡といえば『赤鬼と青鬼〇タンゴ』で作れば良かったんじゃないですか? みんな〇うただし」
男「書き終わるまですっかり忘れてた」
つ「おっふ」

Q:マタンゴといえば?
1.円谷ホラー
2.バルタン星人
3.聖剣伝説
4.ろれろホゲェ!
20/04/27 12:46更新 / なげっぱなしヘルマン
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■作者メッセージ
元ネタ
「およげ!た〇やきくん」(1975)
ひらけ〇ポンキッキより。
国内シングル売り上げ枚数歴代1位。(457万枚)
なおだんご〇兄弟は4位(291万枚)

「だ〇ご3兄弟」(1999)
「ドコノコ〇キノコ」(2010)
N〇K「お〇あさんといっしょ」より。
わしは『おかあ〇んといっしょ』の歌はあまりチェックしていなかったんじゃが、「ド〇ノコノキノコ」とか「ひみつ〇パレード」とか、イカしたナイスな曲がけっこうあるもんじゃのう。

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