カチャ……カチャ……
　　　カチャ……カチャ……

　広いホールに陶器が擦れ合う音が響く。いくつものシャンデリアが３階建ての家ほどもある天井から吊るされ、これまた普通の民家が3つは並べられるのではと思えるほど広く長いホール。壁に掛けられた金塗りの燭台や金縁の額にはまった名画たち。ホールに負けないほどの長さのテーブルが中央に置かれいたが、それを利用するものはごく僅かだ。
　そして、そのテーブルの最も端、上座に位置する場所で一人の男が食事に勤しんでいた。

　クチャ……クチャ
　　　ゴクッ……ゴクッ……

　数名のメイドに世話されながら、執事らしき初老の男性を従えて食事は進む。意地汚く、口元からはよだれが垂れるほど貪欲に目の前の料理を口に放り込むが、その動作は洗練された貴族そのものであり、なんとも気色の悪い違和感を周囲に見せつけていた。しかし、男はそんなことには欠片も気を配らず、無造作にワインを煽り、一気に飲み干すとメイドに注がせた。
　気味が悪いのは何も男だけではない。窓からホールに垂れ篭めるどんよりとした日差しは、とても昼に近い時間帯のものとは思えない。外からは小鳥たちの囀りの代わりにギャアギャアと鳥なのか化物なのか解らない叫び声が響いてくる。そんな光景の中でも平然と立ち尽くす執事とメイド達も十分、気味が悪かったが、男が食しているものに比べれば、それを食すと言う行為に比べればまだマシと言えるのかもしれない。
　男が熱心にフォークとナイフを突き立てている物は、恐らくはステーキなのだろうが、見た目は出来損ないの焦げ屑である。真っ黒な肉に真緑のドロッとしたソースがかけられ、それだけでもこれが肉と信じられる者はいないだろう。男がその肉ををナイフで切り分けると、表目とは似ても似つかないほどに真っ赤な断面をしており、かろうじて、そこで肉だと判断できる程の真っ黒度合いである。また、男が飲んでいるワインも普通のワインではない。通常のものよりも赤く、何より不気味に光っているのだ。
　とても人間が食べていい食材ではない。そんなものを平然と、むしろ止まることなく食べているのだから男が気色悪く見えるのも当然である。
　不意に、男は乱暴にフォークとナイフを皿の上に投げ捨てた。あの不気味な肉を完食したのだ。
　ガチャン！と言う甲高い音に執事が眉を潜めるが、男は気にせず、再び発光ワインを飲み干すとこれも若干叩きつけるようにテーブルに置いた。
「お料理がお気に召しませんか、旦那様？料理長は上物の魔界獣の肉を手に入れたと言っておりましたが。」
　執事の質問に恰幅のいい腹から息を吐きだし、不満気に男は答えた。
「肉は旨い。手に入れ辛い高原産の魔界豚だ。不味い訳がない。ソースもいい。領地の魔界農家はとろけの野菜の改良を進めた様だな。何よりも私が集めたワインだぞ？」
　男は、料理を褒めつつも不満気な態度は崩そうとしない。横柄な態度の主人に表情を崩すことなく、執事は話を続ける。
「では、何がお気に召さないのですか？」
　主人はギロリと執事を睨み、怒気を荒げる。
「いつも言っているだろう！今日は、彼女の日だぞ。余計な雑味を持ってくるな！」
「これは異な事。そもそも、今日という日を楽しむ為に１ヶ月もの断食を行われたはどこのどなたでしたでしょうか？奥様をご心配の余りにお泣かせしたり、その奥様に懇願されて、急遽、食材を調達させたのはどこのどちら様でしたでしょうか？」
「あ、あれは、直ぐに伸びると思っていたからだ。多少、見当を間違えただけであって…。」
「十分な栄養補給もなく、その上、心労までおかけしておいて、奥様に責任をお擦りつけるとは…。いやはや、私は執事として悲しい限りであります。」
「ぐっ…。お前、一体、誰の執事なんだ？」
　主人は、如何にも悔しそうに歯ぎしりをして執事を睨んだが、執事は、さも小馬鹿にするように澄ました顔で当然というように答えた。
「私は、このレスカティエに古くから続く、由緒正しいコンデ公の執事であります。ゴルド・ブルボン＝コンデ個人の執事ではありませんので。」
　ゴルドは、さらに何か言い返そうと口を開いたが、見下す執事に何も言えなくなってしまった。彼はゴルドが幼少の時からコンデ公の執事として家に使えてきたのだ。代々からの遺産を使い潰す事しかしてこなかったゴルドに言い負かせるだけの台詞が思いつく訳もなく、結局、黙ったほうが得策と思い止まらせた。
　執事とゴルドのやり取りをクスクス小さく笑っていたメイド達だったが、廊下からなる鈴の音に気づくとゴルド達に近付き、準備が整ったことを伝えた。
「お？どうやら来た様だな。うむ、待ちかねたぞ。」
　ゴルドはそう言うと揺れるビール腹を押さえつつ、椅子から立ち上がり、執事から逃げるように距離を置いた。執事は、ゴルドの年齢に相応しくない子供じみた態度に溜息を漏らしつつ、メイド達に次の料理を運ぶように指示した。



　調理場から続く大きな扉が開けられ、ガチャガチャと台車がに乗せられた大皿が運び込まれる。その大きさは大扉の横幅ギリギリの大きさであり、直径３mはあるだろう。
　大皿がホールに運び込まれるやいなや、甘い香りが部屋中に広がり、そこに居た全員を魅了した。メイドの一人は鼻腔をくすぐる香りに思わず鼻をスンスンさせてしまい、別のメイドから嗜められる程であった。執事の堅い表情ですら若干和らいだものになる程なのに、貪欲なゴルドが我慢などできるはずもなかった。
　膨れた腹に張り裂けそうになっているシャツに手をかけ苦しそうにボタンを外していく。興奮のせいで息遣いは荒くなり、目は血走ってすらいる。どう見ても不審人物である。
　誰も得しないストリップ・ショーを一人で繰り広げながらメイドが用意した足場を一歩一歩踏みしめる。大皿の縁に登る頃には、彼は完全に裸体になっており、そのだらしない体を惜しみなく晒して、大皿の中心で横たわる緑肌の少女と対面した。
「ああ…、ああっ！シャル！シャルロット！この日をどんなに待ち侘びたか！」
　大げさな動作で少女の名を呼ぶと、少女はぐったりとしていた体を起こし、ゴルドに上気した顔を向けた。
　シャルロットと呼ばれた少女は、ただ寝ていたわけではない。その体には、ドロドロとした薄紫の粘液がふんだんにかけられており、大皿の深さもあって水たまりの中で横たわっている様である。また、シャルロットがゴルドを求めるように右手を上げると粘液が幾つもの橋を造り、その粘度の高さを伺わせた。
　だが、その姿のなんと扇情的なことか。シャルロットの緑の肌に薄紫の粘液は実に栄え、透けたヴェールかネグリジェの様にただの裸よりもより一層淫らさに拍車をかけていた。
　頭の花は、満開に咲き誇り、大きな雌しべをふるふると震わせる。歳で言えば10から12ほどであろう幼い顔に粘液を滴らせ、それを指ですくっては口へと運び、口寂しさを我慢するように指ごと舐めしゃぶるのだ。


　そう、彼女は『マンドラゴラ』。

　この世で最も愛おしく、最も可憐な『食材』である。



「ごるどさまぁ、ちゃんとごはんたべましたかぁ？」
　甘える様な声でゴルドに問を投げかけるシャルロット。その目はうるうるしており、体を前かがみにさせて這いずる様にゴルドに近づこうとした。
　それを慌てて止める様にゴルドは、粘液も気にせずに大皿の中に滑り込んでいった。
「ああ、しっかり食べたよ。ほら見てくれ。君に食べてほしくてこんなにも猛っているよ。」
　そう言うとぶよぶよの腹の肉でも隠しきれないイチモツをシャルロットの前に出した。
　血管の浮き出たグロテスクなモノ。その大きさは明らかに少女に対して大きすぎであり、赤黒い亀頭は少女を壊す為にある凶器以外の何者でもない。
　我慢がきかない凶器はびくびくする度に汁を溢し、それをシャルロットが勿体ないとばかりに舌で受けるのだ。
「（美女と野獣とは、よく言ったものですな。）」
　繰り広げられる犯罪的な光景に執事は心の中で独りごちた。
　そんな執事の感想を他所に、シャルロットは醜い肉棒に吸い付き、恍惚とした表情を浮かべる。
　普段からゴルドの体液を吸うのが好きな娘であったが、引き抜いた年齢が年齢な為にいつも行為の初めは恥じらいながらの愛撫だった。
　それがどうだろう。顔を合わせたその瞬間に先走り汁に舌鼓を打ち、今では、その奥に溜まったドロドロのザーメンを舌の上で転がしたくてちゅうちゅうと亀頭を吸い上げる。
　いつもとは一味違うシャルロットの痴態にゴルドは実に満足気に息を漏らした。
「お、おおぉ。い、いいぞ、シャル。ふふ、今日はいつにも増して我慢が足りんようだな。」
「ちゅるゅ、ちゅるるる、じゅっ！ちゅぽっ♥…っんく、んっ、はぁい。がまんできないよぉ。ほしいのぉ。しろくてぇ、どろどろぉ。」
　グフフ、と意地の悪い笑みを浮かべると、ゴルドはシャルロットの頭を掴み、肉棒から遠ざけた。
　まだ舐め足りないシャルロットは、届かない舌を必死で伸ばしたり、頭から伸ばした蔦を竿や玉に巻きつけ、何とか近づけようとし始めた。その仕草にますます興奮したゴルドは、今度はシャルロットの頭を力づくで下げさせ、頭の花、花弁の中央に位置する雌しべにチンポを擦りつけた。
「ふぅぁぁ！ふゅあああああぁあぁぁああぁあ♥」
　シャルロットの頭に付いたベトベトの粘液を右手ですくい、雌しべとチンポの両方を掴んでシゴく。黄色いつぶつぶが集まった雌しべは、ゴルドのチンポをそのつぶつぶで包み、吸い付くように貼り付いてくる。かと思えば、腰を引いて勢い良くこすりあげるとカリや亀頭をぷりっと弾き、腰の奥まで響く快感を弾き出す。例えるなら、膣壁のヒダにチンポをこすりつけている感覚だろうか。
　そして、快楽はゴルドだけでなく、シャルロットにまで及んでいた。
　それもその筈、マンドラゴラは魔物娘なのでその機能は既に失われているが、雌しべとは植物が種子を生み出す部分である。つまり、人間で言えばオマンコであり子宮なのだ。しかも、その位置は下のモノよりもより頭に近い。そんな部分をチンポごとシゴかれるという事は、露出した子宮を直接チンポで突き犯され、手を突っ込まれて指で内壁を弄り回されるに等しい行為である。
　魔物娘を知る者ならそれが彼女にどんな快楽を与えるか、想像することは容易いであろう。
「ほぉあぁ♥お、あぃ、えへあああ…あ…あぁぁぁ…♥」
　蕩けきった頭では体のバランスを保つことが出来ず、ゴルドの為すがままである。徐々に身体は仰向けに倒れ、シャルロットの頭を股間に押し付けるようにゴルドはその上にのしかかかった。シックスナインで女の股間に頭を向けないような体位とも言えるか。
「ふうぅ、ふううう！！いいぞぉ、お前の雌しべは、んふぅぅ！手でシゴいてるのに、ふぅぅ！オマンコに入れてるみたいに、ふぐぅぅ！き、気持ちいいぞおお！！」
＜じゅぷ！ジュプ！じゅぽ！ぐちゅ！じゅちゅ！ジュプ！シュプ！！
「え、えへへ♥あへへへぇ♥あひゃまぁ♥む、むりぃぃぃ♥」
＜ジュッコッ！ジュッコッ！ジュッコッ！
「ぐうううう！！出るぞぉお！出るぞおお！！しっかりっ、受粉ん、し、っろおお！！」

＜ドップ！どっぴゅっ！！ビュグッ！ドプッ！！
「ぐふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！！」
「ほおおおあああああぁぁ♥ぁ♥あっ♥♥あ、ひぃ♥あっ♥」

　右手が黄ばんだ白一色になるほどの大量の精液を吐き出し、それをシャルロットの雌しべにふんだんに塗り込んでいく。ぬるぬると雌しべを上下にシゴくと、その度にシャルロットは海老反りに体を痙攣させ可愛らしい二つの実を天へと仰がせるので、ゴルドは何度もその反応を楽しんだ。