連載小説
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第三十二話〜WIND MILL〜
〜???〜

新しいツールや武器、アーツ(技)などは95%近くが閃きで出来るものだ。
大昔の天才曰く「発明は99%の努力と1%の閃きである」と言っていたが、実際は無駄な努力をいくら積み重ねたところで自分の天賦以上の事はできないし、ほんのすこし閃いた所でそれを生かせる状況でなければそれは机上の空論でしかない。

では閃く確率を意図的に増やす方法はあるのか、というと実はある。
それは物事を適切に観察し、それに対する対処法を見つけるという事だ。
この時点で勘の良い奴ならピンと来ると言うわけだ。
まぁ新しい事をポンポン発見出来る奴も天才で、閃く確率が高い奴も天才な訳だから結果的に凡人には新しい事を発見することが極めて難しいという結論に達するわけだが。
それでも何もしないよりは何かしたほうが確率は上がるのだが。
それを考えると昔の偉人の考えたこともあながち間違い無いのではないか〜と自己理論の矛盾点を発見したりする。

「で、なんでこの最先端科学が行き届いている時代に手動でマガジンに弾を詰めなきゃならないんだ。」
『コスト的に考えれば機械のローダーを導入するより手動の方が安上がりで済む場合もあります。今回がそれです。』

なぜ前半であんなうんちくを垂れたのかというと、ただ単にマガジンの弾込めが面倒だったからだったりする。
セットすればスイッチ一つで自動でロードをしてくれる優れものが存在する中、手動でチマチマと弾を込める姿は一種の哀愁ただよう光景に見えるはずだ。

「なんつーかさ。こう細かい作業をカチカチカチカチやっていると眠くなってくるよな。」
『寝たら大尉のゲンコツが飛んできますよ。』

それは勘弁願いたい。ただでさえ義体のパワーというのは通常の人体よりも強力なのだ。
その拳で本気で殴られた日には頭蓋骨陥没じゃ済まない。

「なんかいい方法はねぇかなぁ……ん?」

その時俺が見つけたのは、プラスチックのペンケースだ。ちなみに俺の私物。
今時は脳内チップの中のメモツールでメモを取ることが多いので普通は持ち歩かないのだが、荷物などの受領や箱に直接中身を書き記すときには今も物理的な記述方法が使われている。

「このペンケース……7.56と幅や厚みがほとんど同じだよな……」

じっとペンケースを見つめる俺、すると天啓が舞い降りる。


「(これでクイックローダーを作れば楽なんじゃないか?)」


俺はすぐさま中身を取り出し、鵺から単分子カッターを展開すると工作に取り掛かった。
箱と蓋の両端を切り取り、また組み合わせて放置されていたダクトテープでぐるぐる巻きにする。
ペンを2,3本平行にダクトテープで縛り付け、押し棒にすれば完成だ。
下側から弾をローダーの中に押しこみ、ある程度貯まったらマガジンの口を下に押し当てて上から押し棒で突き込む。
ジャカジャカと連続した音が鳴り、見事に弾が装填されていく。

「お〜……できた。」

同じように次々とマガジンに弾を装填していく。
これは早いし、楽だし、便利だ。我ながら大発明なんじゃないか?
装填したマガジンが10本を超えた辺りで、
『マスター、報告します。』
「ん?なんだ?」

ラプラスが少し言いよどんだ感じで(ダイアログの文字だけなので表示が数瞬遅れただけだが)俺に絶望の一言を突きつける。

『そのクイックローダーで装填したマガジンのスプリングがすべて曲がっています。やり直しです。』
「オウマイガッ!?」

結局全て手作業で入れることになった。



〜旅館『迷い家』 葛の葉の間〜

「ぁ”〜……ぅ”〜……」

ミイラかゾンビかといううめき声をあげながら起床する。
疲れが抜けない。特に腰がだるく、足元も若干おぼつかない。
結構響いているな、こりゃ。

『次の街の宿でしっかりと休息を取ることを推奨します。このままでは戦闘に支障が出ますから。』
「そうする……ついでに馬車の中でも寝ておくか……。」

枕元に置いてあった服に袖を通す。
服はきちんと洗濯され、乾かされていた。

「いつの間に……。」

着替えている途中に式神がやって来て、布団を片付け始める。
まだグースカ寝ていたメイは、布団ごとしまわれ……。

「って待て待て待て待て!」

慌ててメイを救出する事になった。



「お〜いメイ、起きろ〜」

ペチペチと頬を叩いても反応がない。仕方無しに着替えさせるために彼女の浴衣を解く。
まぁ当然のごとくというかなんというか、履いてないし付けていない。
超重量級のバストが両脇にひしゃげながらでろんと垂れている。
これはこれで見ごたえがあるのだが、何時までも眺めている訳にはいくまい。
畳んで置いてあった彼女の服を着せていると、襖の外から知世の声が。

「アルテアはん?入りますぇ。」
「おぅ、どうぞ〜。」

知世が式神と一緒にお盆を持って入ってくる。
匂いからして味噌汁と焼き魚か。

「あらまぁ、朝からお盛んやなぁ。」
「そうだな、コイツを着替えさせちまうから朝飯は少し待っていてくれ。」

こういう手合いは動揺したほうが負けだ。うろたえたが最後、精神ポイントが0になるまで追撃を食らうことになる。

「おもろないなぁ……も少し可愛げがあってもええやないの。」
「生憎と何でもない時に人を喜ばせる為に生きている訳じゃないんでな。」

ショーツとブラを付け、胸当てを付けてズボンを履かせれば完了だ。
妙に手馴れているのはこの際気にしないでおこう。

「くぅ〜……すぅ……」
「こいつ……ここまで周りが騒がしいってのに一向に起きる気配がねぇ……。」

試しに鼻を摘まんで口をふさいでみる。

「……んぐ……ん……ん〜〜〜〜〜〜!」

だんだん顔が赤くなってきた。

「ふぁあ!?なに、なに!?」
「よう、起きたか?」

耐え切れなくなってメイが目を覚ます。
何が起きているのかわからず、やたらめったらに辺りを見回す。
知世もその様子をみてクスクスと笑っていた。

「朝餉やでぇ。たんとおあがりなぁ。」

式神がもう一体来て、ちゃぶ台を部屋の真ん中へ。知世と先に来ていた式神がその上に朝食の乗ったお盆を置く。

「味噌汁に玉子焼きに焼き鮭……あぁ、涙出てきた。」

ホカホカと湯気が立ち上る味噌汁に輝かんばかりに黄色の玉子焼き、ふんわりと炊き上げられた白米。
鮭は箸を入れると脂がしたたるほどに脂が乗っていた。
昨日に続いて今日も和食である。これで泣かずしてどこで泣こうというのだ。

「大げさやねぇ。ジパングなら当たり前の献立やないの。」
「今猛烈にジパングに移住したくなったぞ。」

こんな食事を毎日食べられるというのなら全部捨てて考えても……。

『そういう事は任務が全て終わってから考えてください。』
「わかってるよ……。んじゃ、頂きまーす!」
「ま〜す」

(食事中……手抜き乙)

「ごちそうさま!いやぁ美味かったよ。やっぱ和食だよな。うん。」
「お粗末さまどした。大陸の人みたいやのにジパングの人みたいやねぇ。」

式神がお盆を纏めて持っていく。いつも思うが器用だよなぁ……あれ。

「育ての親がジパングの人だからね。どうしても言動がジパングっぽくなっちまうんだ。」
「そうどすかぁ。まぁ喜んでくれてなによりやわぁ。」

彼女はクスクスと笑っている。

「アルテアはんはこれからどちらへ行きはるん?」
「アタゴニアって所まで。ベルン山脈の調査にね。」

そう言うと、彼女はほんの少しの間目を瞑る。

「そうどすか。ほな、支度が終わったら玄関までおいでやす。」

彼女は立ち上がると、部屋の外へ。

「支度っつっても大した物は持っていないからなぁ。あっという間だと思うんだが。」

俺はバックパックを背負い、鵺を担ぐとメイと部屋を後にする。



〜旅館『迷い家』エントランス〜

「世話になったな。疲れは抜けていないけど……まぁ楽しかったよ。」
「おふろまたいきたい〜」

俺達が口々に感想を言うと、彼女は微笑んで頷いている。

「道中きぃつけなはれ。『山道は険しい』さかい。」
「……ん?まだシルヴァリアから馬車に乗るのに山道?」

彼女はいたずらっぽく笑い、戸に手を掛ける。

「いうたやろ?ここはいろんな人が来はるって。」

彼女が戸を開け放つとそこは……。

「シルヴァリアじゃ……無い?」

この宿に入ったときの光景とは全く違っていた。遠くには雪を被った山が見える。

「ここはどこでもあってどこでもないんよ。迷い込めばいつでもどこでも来れんねんけどな。さがそうと思うても見つからん場所なんや。あんさんには簡単にみつこうてまうようやけどなぁ。」

一歩踏み出すと、雪山から吹き降ろしてくる冷風が体を冷やす。

「ほんまなら大抵の人は一回入ったらおしまいなんやけど……あんさんは特別やぁ。いつでもきてぇな?」

振り返ると、宿は既に無く、壁のみが目の前に立っている。

「狐につままれた……ってのは正にこの事を言うんだろうな。」
『空間の歪はまだ消えていません。彼女の言う通り、恐らくどの街からでも入れるのでしょう。』

逆を言えばどの街からでも出られるということだ。

「旅の館涙目だな……。あれって1回金貨3枚だっけ。」

1泊しなければならないとしても、銀貨40枚である。この差は大きい。

「今度からは複数人数の遠出の時に使わせてもらうか。」

一回泊まるならば迷惑がられる事はないだろう。泊まるたびに絞られそうだが。
そして俺は恐ろしく、かつ致命的な事に気がついてしまった。

「これ、休む暇ねぇよな……。」



〜天空都市アタゴニア〜

このアタゴニアという都市は天空と名が付いているが、所在地は山の麓だ。
では何故天空都市なのかというと……。

「空気が薄い……!」

標高約2500メートル。浮遊都市以外では最も高い位置にある都として有名だ。

「くらくらする〜……」

こんな場所では激しく動けばその分酸欠になるのも早いし疲れやすい。

「ま、先ずは道具屋だ。何か行動が楽になる道具があるかもしれん。」



〜道具屋『世界一高い店』〜

「いろんな意味で高いな、これは。」

その道具屋は『世界一高い場所にある』という意味と、『世界一平均物価が高い道具屋』というのを掛けているらしい。

「なにせここまでの荷物運搬が高く付くからねぇ。旅の館で荷物を送るなんて言語道断だし、馬車でも割高になっちまう。」

値札を見るとどの道具もモイライの倍ぐらいする。

「店主、こいつは何だ?空気飴って。」
「ここに来る冒険者向けの品だな。そいつを先に舐めておくと1日は高山で動きまわっても平気って品だ。」

金額は……。

「金貨……一枚……。」

恐ろしく高かった。

「この山で動きまわるんならそいつは必須だよ。金貨一枚で命が助かるなら安いもんだと思うけどな。」

俺は悩む。確かに酸素が薄いこの状況で酸欠は厳しい物がある。
かといって金貨一枚の出費は……痛い。赤字になりかねない。

「あに〜」
「何だ?いい方法でも思いついたのか?」

しかし彼女は首を横に振る。

「これ〜。」

彼女は一枚の手紙を俺に差し出す。

「こいつは?」
「みーあにわたせっていわれた〜」
「……忘れていたのか。」
「えへへ」

呆れ返る俺。照れ隠しに頭を掻くメイ。
中身を見てみる。

『この手紙を見ているということはもうアタゴニアに着いた頃かしらね。この子ぼーっとしているから多分この手紙を渡す頃には丁度いい頃合いになっているはずよ。
この街の冒険者ギルドに行ってミミック通信網で届いた物を使って頂戴。
貴方がベルン山脈に行くってエルファに言ったら空気飴を作るって言っていたから。1日もあれば出来るはずだからもう届いて保管されているはずよ。
それじゃ、頑張りなさい。
ミリア』
「なんだ、エルファが作っていてくれたのか。」

よく見れば空気飴の瓶にはモイライ魔術ギルドと書いてある。
瓶を元に戻して店を後にする。店主が悔しそうな顔をしていたが、無視だ。



〜冒険者ギルド アタゴニア支部〜

「邪魔するぞ。俺宛の荷物は届いて無いか?」

奥の事務所で作業をしていた人に声を掛ける。
俺の声に気づくと、事務員はカウンターまで近づいてきた。

「え〜と、どちら様でしょうか?」
「アルテア=ブレイナーだ。ミミック通信網で荷物が届いているはずなんだが……。」
「いえ、特には来ていませんが……。」
あれ?

「こんにちはー!お届け物でーす!」

宝箱がいきなり開いてミミックが出てきた。

「おう、シアか。俺への荷物か?」
「あれ?アルテアさんもう着いていたんですか?ま、いいや。これ、エルファさんからのお届け物です。あ、あと……」

シアはさらにもう一つ箱を取り出すと俺に渡してきた。
箱の材質を見て俺は驚愕する。プラスチックだ。

「なんでも異世界から来た人達が支援物資にってアルテアさん当てに送ってきた物なんだって。送り主は確かエスタって人だよ。」

エスタ……確か以前仮想空間のシミュレーターで模擬戦闘の招待状を送ってきた人物だ。
あれはひどい目に遭った……。
ケースを開けると、中には注射器とライフルの弾を足して二で割ったような弾が入っていた。

『麻酔弾の弾頭のようですね。幸い規格もこちらの所持する兵装に合うようです。』
「銃弾は補充が利かないから有難いな。遠慮無く使わせてもらおう。」

『それじゃ!ボクはこれで〜。またのご利用おまちしてま〜す!』
俺が荷物を仕舞うのを見届けると、シアは宝箱の中へ消えて行った。

「用事は済んだ。邪魔したな。」
「いえ、いつでもどうぞ。」

ギルドを後にしようとすると、話し声が。

<なんだか最近地震が多くないか?>
<確かにな。噂じゃベルン山脈が噴火するんじゃないかとか言われているし。>
<まさか、休火山になってもう数百年になるんだぞ?>
<それがよ、山頂の火口付近の雪が溶けかけているなんてハーピー達が言っているんだよ。最近の山頂の霧もそれが原因じゃねぇかってさ。>

「……」
『マスター。』
「わかってるよ。流石に大自然相手じゃ俺だって手が出せない。」

〜アタゴニア大通り〜

アタゴニアには山から吹き下ろす風を利用した風車が多く設置してある。
ざっと見回すだけで10基はあるだろうか。

「人間の考える事は変わらんね。どこも。」

かつて訪れたシルクを思い出す光景だった。あそこに雪はなかったが。


〜アタゴニア北口〜
「しかし寒いな……。メイは寒くないのか?」

山から吹き下ろす風はよく冷やされていて、ヘタをすると風邪をぶり返しそうになる。

「だいじょうぶ〜」

寒くてもピンピンしてやがる。
子供は風の子というが、あながち間違いではないらしい。

「ありえねぇ……肩出しへそ出しでその元気はありえねぇ……。」
『フェンリルのジャケットには特殊な防寒機能があります。襟を立ててください。』

防寒機能?そんなものあっただろうか?
半信半疑でジャケットの襟を立てる。非常に格好が悪い……。

「っと、立てたぞ。」
『嘘です。』

<ピキ>

「メイ、ちょっと棍棒作ってこい。こいつ叩き潰す。」
「あ〜い」



〜ベルン山登山道〜

「雪が残ってるな……。もう夏だってのに。」
『標高が高いと気温が低く、雪が残りやすいですから。』

だからといって寒いのはいただけない。

「さっさと溶けて地下水なりなんなりになってくれねぇかな。」
『私としてはかき氷が年中食べ放題というのも魅力的だと思いますが?』

何言ってやがるんだこのAIは。

「お前最近変だぞ。冗談飛ばしすぎじゃないか?」
『学習の成果です。第一マスターの周囲の環境であれば嫌でもこういう性格になると思いますが。』

変人だらけの知り合いに心底落胆した瞬間だった。



『警告。前方上空300メートルに反応3。現在こちらに接近中。』

登山道を登っている最中に発せられるアラート。

「危険は?」

俺は上の方を見て飛来する影に意識を集中する。望遠モードが起動し、飛来する人影が鮮明に映し出される。

『図鑑検索…完了。鳥人型ハーピー種ハーピー。人間に対して友好的な種族。もしかしたら何か情報を聞くことができるかもしれません。』
「そうだな。折角だから巨人がどんなもんか訊いてみるか。」

飛来するハーピーが徐々にこちらへ近づく。しかし……。

「……何か様子が変だぞ?」

望遠モードに映るその表情はどこか切羽詰っているというか……。

「どう見ても獲物を見つけたって顔しているんですけどぉ!?」
『どうやら発情期のようですね。問答無用で巣に連れ去られるので注意してください。』

はて、どうしたものか。

「ラプラス、BAGブレイドは重力制御無しの状態での重量はいくらだ?」
『約1トンです。重力制御時では鵺込みで5キログラム程度になりますが。』

BAGブレイド展開していた時のほうが軽いってどうなのよ。

「よし、BAGブレイド展開。」
『了解。E-Weapon<BAGブレイド>展開。』

後部から持ち手が出てくるのでそれを掴み、後方へ水平に構える。
先端が割れ、長大な斬艦刀が伸びていく。その長さは10メートル。
丁度展開し終わった時にハーピーが飛んできた。

「いい男見〜つけた♪」
「あんたには悪いけどこの人貰っていくね〜」
「早く行こうよ!もう待ちきれない!」

俺の肩やら背中やらを足の爪で掴んで持ち上げるハーピー達。
そのまま天高くへと持ち上がる。
BAGブレイドは展開したまま、その先端を下へと向けていく。

「あに〜〜〜〜〜!」
「危ないから離れていろー!怪我するぞー!」

高度が10メートルを過ぎ、ブレイドの先端が真下を向く。

「ラプラス、もういいぞ。」
『了解。重力制御解除。』

今まで両手剣程度の重さしか無かった斬艦刀が一気にその重量を増す。

「え!?」
「わぁ!?」
「なにこれぇ!?」

当然俺を掴んでいる彼女達はそれに釣られて落下。
ブレイドは地面に深々と突き刺さる。

「さて、根競べと行こうか。あんたらが諦めるのが先か、俺が力尽きるのが先かをな。結構タフだぜ?俺は。」

柄を掴んで体を固定しながらニヤリと笑ってやる。

「ぐぐぐぐ……」
「う〜……」
「ふふ……♪」

二匹は悔しがっていたが、1匹はなぜか余裕の表情だ。

「別に構わないわよ?あなたの握力以上の力で引っ張ってあげればいいんだから。」
気付かれたか。
「そうか!ラス姉頭いい!」
「荷物運びの方が重いよねぇ、絶対。」
「さ、そうと決まったら引き剥がすわよ!」

そう言うと三人は一斉に羽ばたき始めた。こりゃマズイ。咄嗟に鵺のベルトを自分の腕に巻き付ける。
自分の体に掛かる浮力が一気に増し、腕が引き伸ばされる。

「ぐ……ぅぅぅぅううう!」

カラビナの耐久力もそれを取り付けているアタッチメントも人の重量を余裕で支えきれる強度を有しているが……。

「(このままじゃ……腕が引きちぎられる……!?)」

俺の腕は生身の人間だ。そんなに強力な力に耐えられるようには出来ていない。

「待て待て待て待て!千切れる!腕が切れる!」

あまりの痛みに制止をかける。

「もう少しよ!頑張りなさい!」
「んん〜〜〜〜〜!」
「早く……離しなさい!」

しかしその制止を全く聞かず、彼女たちは尚も俺を引っ張り続ける。
と、下の方から何かが風を切って飛んでくる。
そして、飛来した何かが鈍い音と共にハーピーの一匹に当たった。
彼女は錐揉みしながら森の中へと落下していく。

「あああぁぁぁぁぁぁ…」


「……岩?」
そう、岩だ。直径50センチはあろうかという岩が10メートル上空のハーピーに当たったのだ。

「ラス姉!?」
「ラス姉が落とされたぁ!」

体に掛かる負荷も一気に減る。
下の方を見るとメイが何事かを叫んでいる

「あにぃをもってくな〜!」

メイの奴が落ちていた岩を持ち上げてこちらへ放ってくる。

「ってあぶねぇ!俺もいるんだぞ!?こら、当たる、痛てぇ!」

飛んできた岩が俺の頭を掠るように当たる。地味に痛い。

「ラプラス!ブレイドしまえ!このままじゃ俺まで頭がかち割れる!」
『了解。BAGブレイド格納。』

ブレイドが光の粒子と共に消え去り、負荷が一気に無くなる。

「お前らもさっさと高度を下げろ!撃ち落されたいのか!」

自身と上の二人の安全の為に指示を飛ばす。
このまま岩にぶち当たって撃墜は洒落にならない。

「わ、わかった!」
「こ、こわいよぉ……」

ほぼ急降下とも言える速度で高度を下げるハーピー。
内蔵が浮く感覚に腹の底が冷える。
なんとか足からの着地。足の裏に強い衝撃が加わり、激痛が走る。

「〜〜〜〜〜〜〜っ!?」

幸い骨も折れなかったようなのでよしとしよう。

「もう一人はどうなった……?」
『後方3メートル上空。木に引っかかっています。』

ラプラスの言う通り樹の枝に引っかかっていた。

「う……うぅ?ってわわわ!何かに引っかかってる!」

ジタバタと暴れて何かが切れた音と同時に落下した。
彼女は起き上がって腰をさすっている。
すると、彼女の胸元からなにかがひらひらと舞い落ちた。

「あたたた……。ん?みんなどうしたの?」
「ラス姉……下、下。」
「あわわ……。」

彼女が下の方に目線を移す。
胸当てがなくなっていた。先程の音の正体はそれか。

「ちっパイ」
『貧乳』
「ない〜」

二人+1機がそれぞれ感想を漏らす。

「い……いやあああああああああああああああああああああ!?」



「何で俺が補修をせにゃならんのだ……。」
「うるさい。さっさとやりなさい。」

俺は自前のソーイングセットで胸当ての補修をしている。
この世界の荒事に巻き込まれるうちに傷ついた服を補修するスキルまで上がってしまったのだ。
ちなみに長女は俺のジャケットを上から羽織っている。
着ているものがTシャツだけなので地味に寒い。
メイと彼女の妹たちは仲良く携帯食料を齧っている。
彼女たちは発情期だというのに、あまりの事態で落ち着いてしまったようだ。

「そういや最初はお前らに聞きたいことがあったんだよ。」
「何よ……。」

俺は補修をしながら彼女に聞く。ラス姉とか言ったか。

「山頂の巨人について話を聞きたい。ブロッケン現象かもしれないが、一応俺が追っている奴の内の一つかもしれないからな。」
「ブロッケン現象?」
『太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱され、見る人の影の周りに、虹と似た光の輪となって現れる大気現象です。影が巨大に見えるため、ブロッケンの妖怪とも言われています。』
「たいきげんしょう……?ひかりがさんらん……?」

また科学の知識にオーバーヒートする奴が。

「今はその原理とかは理解しなくてもいい。問題は巨人が本当にいるかどうかだ。」
「あぁ、それなら確かにいるよ。巨人……っていうか旧世代のミノタウロスみたいなのが。でもあれって明らかに大きさが違うのよね……。」
ビンゴだ。

「ミリアさんの読みが当たったな。後はそいつを倒すだけだ。」
「ねぇ、そいつって一体何なの?みんな危ないからって近寄らないんだけど。」

俺はどこまで話していいものか思案する。ある程度言うことを纏め、口を開く。

「とある危険な物質が体内に入って突然変異を起こした魔物だ。恐らく元はお前が言っていたミノタウロス。俺はその原因物質を回収しに来た。」

そこで一旦話を切る。
彼女はどこか納得したような感じで首肯している。

「じゃああれって本当に魔物だったんだ……。でもそんなに危険なら近づかない方がいいんじゃない?」
「そうも行かないんだ。あの物質は俺にしか回収できないし、教会にあれが捕まっても……可能性は低いだろうけど、マズい。その物質には莫大なエネルギーが蓄積されていてな。勇者とかの武器にそれが使われると……厄介なことになる。魔物自体はプロパガンダに使われるかもしれないしな。」

沈黙が流れる。

「もしかしてさ、その武器って今の魔王も倒せたりする?」
「可能性は……否定できないな。現魔王がどれだけの力を持っているか分からないが、正直あれは危険だ。それに……。」

俺は今までの経験から推測を立てる。

「あれは感情……正も負も問わずに反応している気がする。もし勇者がその武器を持ったとしたら、例えそれが強い憎しみであれ正義感であれ、危険なことには変りない。」

人間には寄生しないとはいえ、感情に反応するという部分が否定しきれない。
今まで使ってきたE-Weaponも俺の感情が強く昂っているときは強力な力を発揮した。

「そっか……それじゃあ協力しない訳にはいかないよね……。」

彼女が呟く。何を協力すると言うのだろうか。

「あなたを山頂まで送り届けるわ。私達自身に戦いは出来ないけど、あなたの足ぐらいにはなってあげられる。」

不機嫌そうな雰囲気が一転、真剣な表情になる。

「もし、可能性が低いとしても……今の魔王が倒されるのは、嫌。あの人が倒されたら私達は元の魔物に戻っちゃうかもしれないんでしょ?」

その辺は学者でも意見が別れていると思うが。

「そうしたら、恋もできないじゃない……。好きな人とも結ばれなくなっちゃう。そんなの、嫌。」



話しながら作業をしていたら思いの外早く出来上がった。
我ながら会心の出来だ。

「ほら、できたぞ。」

それを彼女に差し出すが……。

「あ、出来れば付けてくれないかな?私の手ってこんなのだから仲間とかに付けてもらっているの。」

確かに鉤爪こそ付いているものの、後ろ側に自分の手が回りそうもない。
俺は彼女の後ろに回り込み、胸当てを付けてやる。

「これでいいか?」
「ん、ありがと♪」

どことなく嬉しそうなのは気のせいだろうか。

「(ラス姉私達以外には絶対に触らせないのに……。)」
「(恋……だね。)」



「高いな……股がスースーする感じがする。」

現在ズボンのベルトを掴まれて絶賛空中散歩中だ。バランスの関係上鵺は腰辺りにぶら下げられている。
メイも運んでもらっているのだが……。

「なんでアイツが二人で俺はお前一人なんだよ。どう見てもこっちが二人だろうが。」
「私はそれなりに力が強いからいいの!黙って運ばれなさい!」

大人一人+鵺って結構重いと思うのだが……。

「(ラス姉って私達と大して運ぶ力変わらないと思うんだけど……。)」
「(恋だね。)」
「たかい〜」

山頂が見えてきた。確かに霧の中に何か大きな人影が見える。

「ってマジででか……。」

10メートル近くはあるかもしれない。特筆すべきはその手に持っている得物だ。
巨大な鉄塊とでも言おうか。隕石のようなボコボコとした鉄の塊を棒に付けただけのようなハンマーだった。

「目の前に降ろすと危険だから少し離れた場所に降ろすわよ。」
「あぁ、頼む。」

奴の目視範囲から抜け出たところで下ろされる。



〜ベルン山 山頂〜

「さて……どうしたものか。一応突っついてみるか?」
『バリアフィールドの強度を確かめる意味でも最初の1撃は可能な限り強打を与える必要があります。』
となると……。

「ジャベリン行ってみるか。これで傷つかないようなら対策考えないとな。」
『了解。ジャベリン展開。』

射出モードをランチャーモードへ。肩に担ぎ、照準を合わせる。

「それじゃ、私たちは逃げるから、頑張ってね。」
「おう、有難うな。」

後方から羽ばたきの音が聞こえ、遠ざかっていく。

「霧のせいで良く見えないが……。」

サーモスキャンに切り替え。ミノタウロスの部分のみが赤く浮かび上がる。

「別に赤外線が出ないって訳じゃない。目視の手段なんていくらでもあるって事だ。」

ロックオンしてトリガーを引く。地対地ミサイルが白尾を引いて飛び、着弾、炸裂。
爆炎が上がる。
爆発の余波の熱風がこちらまで届いてきた。

「どうよ?少しは効いたか?」
『どうやら無傷のようです。筋肉アーマーは伊達ではありません。』

某元州知事でもミサイル直撃はマズいと言うのに。

「おい、今ので気づいてこっちに来てるぞ。」
『迎撃しましょう。E-Weapon<BAGブレイド>展開。』

鵺の後部から出てきた柄を手に取り、ブレイドを展開する。
それを掴んで体の後方へ先端を向けるが……

「飛び道具の方がいいんじゃないか?」

さすがにあのハンマーの直撃は貰いたくない。

『敵上空より接近。迎撃してください。』

視線を戻すと既にミノタウロスの姿はない。代わりに辺りを影が覆う。

「上空って……。いぃ!?」

<BMMMMMMMMOOOOOOOOOO!!>

天高くジャンプしたミノタウロスが大きくハンマーを振りかぶる所だった。
慌ててブレイドのブースト込みの斬撃でハンマーを弾く。俺の側面3メートル程度の場所に重低音と共にハンマーがめり込む。
慌ててハンマーから距離を取るが……

『警告。横方向薙ぎ払いが来ます。』
「食らって……たまるかぁぁぁあああああ!」

ブレイドを横薙ぎの軌道に無理やり滑りこませ、俺の上を通るようにブレイドでレールを作ってやる。
ハンマーは綺麗にレールに沿って俺の上を通り過ぎた。反動でミノタウロスがよろける。

「お返し……だ!」

レールのように寝かせたブレイドを背後に振り、ブースターと重力制御を使った唐竹割りを叩き込む。

<ガキン!>

「ウソォ!?」

なんと角で受け止められた。咄嗟に動きの取れない俺に向かってローキックが放たれる。ローキックと言っても巨大な丸太ほどもある足でのだが。

「あにぃ!」

メイがキックの軌道に割り込み、受け止める。

「助かった!一回距離を取るぞ!」

俺はバックステップをしながら距離を取る。重力制御が聞いているのか一歩一歩の結構滞空時間が長い。

「(とはいえ……あの跳躍力だ……。距離なんてあっという間に縮められる。)」

予想通りメイには目もくれず、奴が再跳躍。俺へと肉薄する。

「別に剣は切るだけの物じゃねぇ!」

ハンマーの落下地点を予測し、回避。ブレイドの柄を地面に突き立て、切っ先を飛んでくるミノタウロスに向ける。

<ドンッ>

当たった。が、刺さらない。ミノタウロスが剣に弾き飛ばされて数歩後ろへたたらを踏む。

「かってぇ……。」
『筋肉装甲が相手では分が悪いですね。』

ハダカアーマーで防御が上がるってどうなんだよ。
突き立てたブレイドを抜き取り、ヒットでのけぞっているミノタウロスに唐竹割りを食らわす。先ほどの一撃は重かったのか、大きく仰け反っている。

「外しはしない!」

背後まで振り上げたブレイドを振り下ろす。
しかし、渾身の一撃ですら表皮に傷ひとつ付かない。

「っく!まだ切れないのか!」
『表皮が分厚すぎるようです。普通に斬った程度ではダメージが通りません。』

よほど強力な斬撃を食らわせないと駄目らしい。

「んなこと言ったってこれが限界だ!これ以上振り上げる事なんて……。」

〜山から吹き下ろす風を利用した風車が多く設置してある。〜

「……そうか、風車。」
『何か思いついたのですか?』

確かにこれを使えば振り下ろす距離と強度はなんとかなる……。
俺は近寄ってきたメイを抱え上げ、再び距離を取る。

「メイ、あのハンマーを受け止めて動きを止められるか?」

ダメ元で訊いてみる。あの大岩を止めたメイならば……!

「やる〜」
「できるじゃなくやる……か。信じているぜ?」
「あ〜い♪」

これから危険な事を頼むと言うのにえらく脳天気だ。
少し距離を取ると、やはり跳躍して打ち下ろし攻撃を放ってくる。

「こいつじゃない。一回避けて……。」

軌道を見切って打ち下ろされたハンマーの少し前方に着地する。
外したと見やいなやもう一度振りかぶるミノタウロス。

「今だ!受け止めろ!」

振り下ろされたハンマーの真下にメイが割り込む。
俺はブレイドを振りあげて上空へ。

<ズンッ>

「うぐぅ〜〜〜〜〜〜!」

メイがハンマーを受け止め、掴んで固定する。
小さな足ごと彼女の体が火山灰の地面へとめり込む。

「ラプラス!重力とブースターの制御は任せるぞ!」
『マスターの考えていることは大体わかりました。重力制御開始。ブースター点火。』

ブレイドが俺を軸にして円を描くように回り始める。落下するにつれその勢いは早くなり……。

「斬艦刀!大車輪斬り!」

回転する刃が吸い込まれるようにミノタウロスの肩口へ。

「チェストォォオオオオオ!」

ミノタウロスの肩口から腹までをバッサリと切り捨てる。
衝撃でミノタウロスの体が後方へ吹き飛ばされ、轟音を立てて倒れこむ。

『エクセルシアを目視で確認。HHシステム起動。』

BAGブレイドが格納され、鵺の中から純白の杭が出てくる。

『フィールド干渉率100%。コード<HELL -AND-HEAVEN>発動。』
「メイ!俺をアイツの上に投げろ!」

体を投げ出すように後ろへ。メイはハンマーを放り投げて俺を両手で捕まえる。

「あ〜い♪」

かわいい声とは裏腹に、俺はその怪力で上空高くへと打ち上げられる。
仰向けになったミノタウロスの胸部に光るものが。エクセルシアだ。

「ロック!」
『ロックオン、発射準備完了。You have control。いつでもどうぞ。』

ラプラスが発射準備の完了を告げる。さぁ、仕上げだ!

「アイハブ!これで終わりだ!」

トリガーを引き、アンカーを射出する。杭は吸い込まれるようにエクセルシアへ。
着弾と同時に硬質な音が響き渡る。固定完了だ。

『着弾確認。アンカー巻き取り開始。衝撃にご注意下さい。』

アンカーの巻き取りが始まると同時に一気に体が引き寄せられる。
着地体勢を整え、ミノタウロスの胸部に着地。鵺本体に杭を接続し、固定する。

「だりゃぁぁぁああああああ!」

烈昂の叫びと共にエクセルシアを引きぬく。

<GOOOOOOOOOOOAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!>

ミノタウロスの断末魔が響き渡る。
大量の血液と共に引き抜いたそれの色は、全てを覆い隠すが如き灰色。
俺はミノタウロスの上から飛び降りる。

『エクセルシアの回収を確認。格納を行います。』
「おう、やってくれ。」

恐らくはまたあの空間に放り込まれるのだろう。しかし、不安はない。
俺はまたあの空間で一人の心を救うのだ。
開いていた砲身がエクセルシアごと閉じていく。

『格納用空間に挿入完了。任務の第一段階、フェーズ1を終――――』

今度は最後のほうが表示されなくなった。

『――――――――――ケテ――――――――――タ―――――――――――スケテ―――――――――』

文字化けの代わりに表示されたのは、微かな懇願の声。

「……っ!今……行く……ぐぅぅぅううううう!」

莫大な量の情報が頭の中に流れこみ、意識が途絶する。



―――――――――――――――タスケテ―――――――――――――――

11/07/31 01:36更新 / テラー
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■作者メッセージ
〜あとがき〜
やっとこさバトルまで漕ぎ着けた……
今回は巨大な武器がぶつかり合う、被弾=即死のような戦いにしてみました。
それにしても食事の描写は夜中に書く物じゃありませんね。お腹すいた……

それにしてもビューの進み具合が予想以上に早いこと早いこと。
嬉しい反面1万ごとの記念SS作成に追われることに。それも楽しいんですけどね。

恒例の感想返信。この場を借りてお礼申し上げます。

>>ネームレスさん
もげろは褒め言葉。
とはいえ一体何人食べる(食べられる)のか、この主人公は……。

>>白澤さん
和風旅館の女将は誰がいい?と浮かんだのが稲荷(京言葉ver)でした。
もしかしたら女郎蜘蛛でもよかったかもしれませんが、くものおやどよりきつねのおやどの方がゴロがよかったのでこちらに。どうでもいいですね……。

>>錆鐚鎌足さん
実はそういう展開もIFストーリーで書いてあったりします。
最終話の展開を完全にぼかしてあるので先に読んでも安心!

>>タカカさん
メインメンバーを全員幼女化ですか……
アルテア君の精神消耗率が虚数を通り越して異次元突破しそうな勢いになりそうです。
「小僧ができることなんてたかがしれているだろ……」
「わぁから見たら坊ややもんねぇ」

>>チェチェさん
もげろいただきました〜
彼は身体スペックそのものは一般的な兵士と変わりませんが、体力だけは割とある方……だと思います。意外とタフガイ。
「おかしいんだよな……俺の体力が削られると周りにいる奴が元気になっていくんだよ。」
『何か吸い取られているのでは無いですか?生命力的な物が。』
「ちぃすうたろ……」
「あんたは狐だろ」

>>『エックス』さん
移動に馬車を使っていたら移動の話だけで3,4話使ってしまうので、裏技的なワープ法で時間短縮……ちょっとズルいですかね。
実は出すキャラの人気順位はあまり気にしていません。
どこにどのキャラを持っていけば合理的な話を作ることができるか〜を念頭に置いていたりします。
「なんだか悪いな、いつもいつも貰ってばかりで……ラプラス、何をしているんだ?」
『ネルガル製の戦艦に温泉付きの物が存在していましたから、エンジンの排熱を利用して浴室を作る事を思いついたのですが……設計段階で相手方の戦艦の設計図が無いことに気づきました。これではどこに作っていいものかわかりません。』
「いや、普通に軍事機密だろ……。」

次回は来週土曜日。アルテア君がそろそろ本気出す?
お楽しみに。

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