第二十四記 -メドゥーサ-
…ここは、断崖絶壁にそびえる自然の牙城。
チョメランマ山の頂上付近。
20メートルにも及ぶ崖…その中にある洞窟が、わたくしの住処。
今居るお部屋は、最も外がよく見える、大きな窓の付いたお部屋。
この窓から、あるものを見つけて…それ以降、こうして一日中、窓際で頬杖。
見つけた日から、そろそろ10日。その間、それを見かけたのは3日だけ。
でも、その3日間は、とても貴重な3日間。わたくしの最高の楽しみ。
それを求めて、今日もこうして、窓際で頬杖。
「メドゥーサさん。最近外ばっかり見てどうしたんですか?」
…振り向く。
スコップを持った、アリさんが一匹。
額の汗を腰のタオルで拭いながら、何が楽しいのか、いつも笑顔。
「…なんでもありませんわ」
「そうですか? 溜め息吐いてましたけど」
「貴女は早く、壁の補修と、石にした人間の処理をなさい」
アリ使いが荒いなぁ、と愚痴を一言。
でも、厭味ったらしくなく言うのが憎いですわ。
…群れからはぐれたあの子を、下僕にしてもう5年。
こき使いに使って、住処の大きさはあの頃の50倍。
食事は石にした牡を適当に。たまに無い日も。3ヶ月無かったことも。
それでも、文句は稀々、嫌な顔一つせず、せっせと働く。
まったく、下僕の鏡ですこと。
「ところで、メドゥーサさん」
…おしゃべりなところが、傷な下僕。
「崖下のオーガさん、旦那さんが見つかったって喜んでましたよ」
「そう」
こうやって、どうでもいいこともいちいち報告してくるところが解せませんわ。
逃がしてあげた人間からの言葉とか、今日会った魔物とのお話とか、いちいち。
そんなもの、お腹の足しにも、心の足しにもなりはしませんのに。
「お祝いに、何か持っていきましょうか?」
「勝手になさい」
…相変わらず、朝から変わり映えのない風景。
遠くでざわめく葦の海。眼下にはお花の湖。たまに飛び交う鳥さんと蝶々。
とうの昔に飽き飽きしてしまったはずのものが、今また、
こうしてわたくしの心に期待と羨望…そして夢を甦らせてくれる。
あの子をまだ、あなたの葦風の踊りで誘えませんの?
あの子をまだ、あなたのお花の匂いで招けませんの?
あの子をまだ、あなたの鳥さんの歌で迎えませんの?
あの子を…。
「あっ…」
…あの子。
お花の湖に入ってくる、あの子の姿。
手にはかご。今日もお花を摘みに来たのですね。
お待ちしていましたわ。100年とも思える2日の間を。
こちらを向いてはくれないのかしら。このお城は目立たない?
わたくしに気付いてほしい。ここから見つめるわたくしの姿に。
そして、互いに手を振り合うの。声が届かない距離だから。
今望むのは、そんな些細な…。
「あ。あの人ですよ、オーガさんの夫」
…今、何とおっしゃって?
「オーガさん、もっとムキムキの人が好きだと思ってたんですけどね」
「…嘘でしょう?」
「いえ。腹筋割れてる人とか、力瘤が頭サイズの人がいいって言ってました」
「……そちらでなくて、夫かどうか、という方です」
会話も碌にできない下僕。お人形さん以下。
「それは本当ですよ」
「…あの人間、牡ですの?」
「さあ?」
なんて無知で、役に立たない下僕。底抜けのバケツ以下。
「でも、女の子ですよねぇ…。どう見ても」
「人間の牝は初めて拝見しました」
「あの子はたぶん子供ですよ。可愛いですよね」
牝の子供を夫に迎えるなんて、オーガという種族は脳みそまで筋肉なのかしら。
汗臭いですし、粗暴ですし、下品ですし、本当に訳のわからない種族。
「何をしているんでしょう?」
「お花を摘んでいるのですわ」
「そういえば、最近オーガさん、花の首飾りとか、頭飾りとか付けてますね」
…あのオーガが? 花を? 着飾る?
………とても想像できませんわ…。
「…もしかして、メドゥーサさん、あの子を見ていたんですか?」
「っ!? ち、違いますわ! どうしてわたくしが、人間の牝なんか!」
「メドゥーサさん、可愛いの好きじゃないですか。人形とか」
「あ、あれは部屋を栄えさせるために飾っているにすぎませんわ!」
「またまた〜」
なんて下僕かしら。主をからかうなんて!
下僕とはもっと、従順であり、謙虚であることを知らないの?
このアリさんには、後で鞭撻が必要ですわ。
「恥ずかしいのなら、私が会いに行って、ここに招いてみましょうか?」
「!」
「ぱっと見、人懐っこそうな子ですし、きっとOKしてくれますよ」
「………」
「………」
「…こほん。いいこと? よく聞きなさい」
「はい」
「知人の新郎に、挨拶と祝福の言葉を送るのは当然の務めですわ」
「そうですね」
「そのために、今回わたくしのお城へ招待するだけなのです」
「普通は相手の家に行くんですけどね」
「………」
「………」
「………」
「……え? 終わり?」
「ど、どういう意味ですか! これ以上の理由がありまして!?」
「うーん…。まぁ、いっか。行ってきますね」
踵を返し、部屋を出ていく無礼なアリさん。
…ともあれ、これであのコが、このお部屋まで来てくれますわね。
………このお部屋まで…?
やだ! ここ、寝室と違って全然綺麗じゃありませんわ!
花瓶に挿した枯れかけのお花や、錆びた蝋燭台、食べかけのジャムの瓶まで!
ああ、もう! どうしてあのアリさんはお部屋を掃除しておきませんの!?
アリさんはどこ!? アリさんは………えっ!?
も、もうあのコとお話してる!? 出入り口は上だけの筈でしょう!?
ああ、もう、もう、もうっ! わたくしは何も知りませんのよ!?
来客用のお茶セットは、あなたしか置き場所を知らないでしょう!
その子をこんな汚いお部屋に、もてなしも無く招き入れるつもり!?
おバカ! 底抜けのおバカさん! 早くこっちに戻ってきなさい!!
嫌! もう嫌ですわ! 第一印象が最悪になってしまいますわ!
夢ならどんなにいいことか…! 夢なら覚めて! 今すぐ!
ああ、もう、もう、もう、もう、もうっ!!!!
「…ソファーに顔埋めて、何してるんですか?」
「ぇ…」
顔を上げ、振り向く。
…あの子と、アリさん。
………世界なんて、滅びてしまえばいいのに………。
……………
………
…
「ソラ…ですか。可愛いお名前ですわね」
白いテーブルクロスの上に置かれた紅茶を飲みながら、おはなし。
「わたくしはメディ。宜しくお願い致しますわ、ソラ」
ニコニコしながら、挨拶を返すソラ。
…なんて可愛いのかしら。わたくしの持つ、どのお人形さんよりも。
一挙一動、どれも可愛らしい。特に、笑った顔は何よりも可愛らしい。
人間の牝の子供は、皆こんなに可愛いのかしら…。だとしたら、素敵…。
「ソラさんって、オーガさんの旦那さんなんですよね?」
図々しくも話に入ってくる下僕。
でも、そんな愚かしい相手にも、耳をくすぐるような声で応えるソラ。
なんて優しいのでしょう。このアリさんとは大違い。
「やっぱり。ソラさんとオーガさんとの馴れ初めって、どんなだったんですか?」
………あぁ、ソラ。いいのですわ。そんな嘘を吐かなくても。
脅されたのでしょう? 暴力で、手酷く。あの方なら平気でやりそうですもの。
こんな愛しい子の珠の肌を傷付けるなんて、脳みそ腐ってますわ。
脳みそが筋肉な上、腐っているなんて、哀れな魔物ですわね。
「へぇ〜。あのオーガさんにも、そんな優しい一面が…。それで、研究っていうのは?」
……ちょっとお待ちになって。
どうして先程から、あなたばっかりソラとお話しているの?
何故、私の方が除け者のようなの? 除け者はあなたでしょう?
あなたはわたくし達の談笑の横で、お茶を淹れていればいいのよ?
「羨ましいなぁ…。好きな人とラブラブな毎日…。ね、メドゥーサさん」
「ふぇっ!?」
だからって、急に振るんじゃありませんわ!
「今、すごい声出ましたね」
あなたのせいでしょう! あなたのせいでしょうに!
…あぁ…ソラに笑われてしまいましたわ…。死にたい…。
「でも、ソラさんが男の子だったなんて驚きです」
…本当に無粋なアリさんですわね。
牝に見えるのだから、牝でいいのですわ。ソラは牝の子。
ほら、御覧なさい。ソラが困ってしまっているじゃ……。
「…え?」
…え?
「両方、って…。つまり…男の子でも、女の子でもあるんですか?」
え? え? ど、どういうことですの?
「………あの…。触ってみても、いいですか?」
え? 触る? ちょっとあなた、触るって何を…。
「……じゃあ…」
あ。ちょっ。あっ。
「…うわ……。ほんとだ、ふにふにしてるけど…下の方は何も…」
あああああああああああああ!!?!?
「あ、あ、あなたぁっ!!!」
「うわっ、びっくりした!?」
「こっ、あっ、そのっ、手っ、かわっ、ちがっ、だからっ…!!」
「いや、あの…、とりあえず、座りましょう?」
「っ〜〜〜〜〜〜もうっ!!」
「どうしたんですか、急に…」
どうしたもこうしたもありませんわ!
あなた、どこを触ったか分かってますの!?
ソラの一番大切な場所ですわよ!? 乙女の大事な場所ですわよ!?
あなたも経験無いって言ってましたし、どれくらい大事か分かるでしょう!?
あなたまで脳みそ腐ってますの!? 腐り落ちてますの!? 詰めときなさい!!
「いや、でも、本当でしたよ。メドゥーサさんも、触らせてもらったらどうですか?」
………え?
「…ほら。ソラさんも、こう言ってくれてますし」
……………。
……か、確認は必要ですわよね、うん。
もしかしたら、付いているのは偽物で、本当は牝の子かもしれませんし。
そう、これは確証を得るためには、仕方のないことなのですわ。
どこかのアリさんみたいに、無計画かつ無節操な考え方とは違って。
ちゃんとした目的を持つ者の行動は、何であれ讃えられるべきものなのです。
「……で、では………失礼しますわ……」
………わ……。
本当に…ふにふにしたものがありますわ…。
牡のそれは、見たことはありますけれど……こんな形でしたかしら…。
こんな……細くて……短くて……柔らかくて……可愛らしい……。
そういえば、おタマは付いてないみたいですわ…。すべすべ。
…少し布地が喰い込んでいますし……ここが、牝のそれですわね…。
おタマが付いているのならば、ふくらみがある筈ですもの。
「………あの、メドゥーサさん…」
…ソラは、もう毛は生えているのでしょうか…。
いえ、きっとまだですわ。わたくしの勘がそう告げています。
無毛で…つるつるの、ぷっくり膨れた形が、ソラのそれですわ。
そうでないと、いけませんわ。
「頭の蛇たちが、ソラさんのこと、すっごく嗅いでるんですが…」
…よくよく見れば、なんてお似合いな下穿き。
身も心も潔白なソラを表しているかのよう。純白の無地。
でも、このワンポイントのリボンも欠かせませんわ。まさに紅一点。
乙女の服装とはどうあるべきかを、ちゃあんと分かっていますわ。
「…メドゥーサさーんっ?」
…あら?
気のせいかしら、今…。………あっ、また…。
ソラの牡が…今確かに、ぴくんってしましたわ。
……ほら、また…。わたくしの手の中で、脈打って…。
少しずつですけれど……大きくなって……。
「あのー…、ソラさん、とっても恥ずかしがってますよー?」
……あぁ……本当にここだけは…牡ですのね……。
ソラ。下穿きに、あなたの愛が滲んでいますわよ…?
わたくしに発情してしまいましたか…? 構いませんのよ…。
あなたはわたくしの…はじめての、お友達になるのですから…。
ずっと、わたくしの目に適うお友達が…お話し相手が、欲しかったのです…。
大切なお人形さん達は、お話には答えてくれませんもの。
近くに住む魔物達は、従順さや可愛さがないんですもの。
あなたは、違う。あなただけは…。
「………えっと……、ソラさん、大丈夫ですか…?」
……素直ですわね、ソラ…。こんなに素直…♥
わたくしの指は、布越しでも、そんなに心地良いものなのですか?
ほら、もう、こんなに……触れれば、糸を引くほどに…染み溜まり…。
あぁ、ごめんなさい、わたくし、ソラに合う下穿きは持ち合わせていませんの。
この汚れてしまった下穿きはどうしましょう? 困りましたわ。
お洋服なら、いくつかあるのですが…。
「め、メドゥーサさんっ。ソラさん、やめてって言ってますよ? やめましょう?」
ドレス…は少し、ソラには煌びやか過ぎますわね…。
ワンピースならば、どうかしら? ……うん…とても似合いますわ…♥
ワンピースを来たソラと、紅茶と甘いお菓子を添えて、お話しますの…。
笑って……驚いて……照れて……そんなソラを、わたくしは微笑みながら見つめて…。
とっても幸せな…一時を過ごしますの…♥
「え? 出るって…」
ソラ。あなたは、どう思っていますの?
わたくしとお話したい? したいから、来てくれたんですのよね?
こうして、ここを触れさせているのも、そうしてほしいからですのよね?
わたくしに…わたくしに、どうにかしてほしいからですのよね?
お友達の、わたくしに………。
「あっ」
……あぁ…♥ ソラ…♥
「……うわ…ぁ…」
…いっぱい…滲み出てきていますわ…♥
あなたを満足させられたのですね…♥ 嬉しいですわ…♥
ソラのはしたないものを、こんなにわたくしの前に…♥
わたくしのことを、それほどまでに信頼してくれているのですわね…♥
ソラ…♥
「…め、メドゥーサさんっ!」
「ふぇっ!?」
ハッ…。わ、わたくしは、何を…?
「何してるんですか! 」
「っ…ち、違いますわ! わたくしは普通に触れていただけですわ!」
「触れすぎですよ! 5分は触ってましたよ!?」
「そ、それは………あなたと違って、じっくり観察していただけですわ!」
「どうでもいいから、まずソラさんに謝りましょうよ!」
「そうでしたわ! ソラッ! 御身体は大丈……夫………」
………ソラ…?
なんですの、その……なんですの……?
その……食べてしまいたくなるような……可愛い表情は、なんですの…?
「………え? えっ!? ちょ、メドゥーサさん!?」
…ソラ…♥ あなたが、そうやってわたくしを誘うのならば…♥
「なんでソラさんの脚、石化させてるんですか!? 動けなくなっちゃうじゃないですか!」
わたくしは……それに従いますわ…♥♥♥
「ソラさん、逃げてくださいっ! メドゥーサさん、おかしくなっちゃってます!」
いいえ…、逃がしませんわ…♥
あなたはずっと…わたくしと、一緒…♥
ずっと……ずっと……ずっと……♥
「……あぁ…巻き付かれちゃった…」
うふふ…♥ ソラ…♥ あなたの温もりを感じますわ…♥
「ソラさん…ごめんなさい…。そうなっちゃったら、もう、ダメです…」
さぁ、お洋服、脱がしてさしあげますわ…♥
着飾った可愛いソラを見れなくなってしまうのは寂しいですけれど、
その代わり、生まれたままの可愛いソラが見れるのは、とっても嬉しい…♥
「……どうしよう……」
……まぁ…♥
珠のお肌とは、こんな身体を言うのですわね…♥
こんな宝石のような肌を、石にしてしまったなんて…
わたくしはなんて愚かしいことをしてしまったのでしょう。
ごめんなさい、今、脚の石化を解いてさしあげますわ♥
「………」
…これであなたは…本当に、生まれたままの姿…♥
やっぱり、毛は生えていませんでしたわね…♥ 安心しましたわ♥
「…あっ、ご、ごめんなさい。むこう向いてます」
まずは……そうですわね、この控えめな胸から…♥
「………」
……なんてもちもちした手触り…♥
わたくしの豊かな胸の感触とは、また違う……別の牝の身体…。
感じ方も違うのでしょうか…。ソラ、教えてくださらない?
わたくし、恥ずかしくて、声に出して訊くなんてできませんわ♥
察しては頂けませんの? ソラ…♥
「………」
…教えて頂けませんのね…♥ 意地悪ですわ♥
でも、教えて頂けなくても、全部お見通しですのよ♥
そんなに可愛い声を上げて…。涎も垂れていますわ…。頬は真っ赤…。
目を細めて…潤ませて…。息を乱して…。身体を震わせて…。
牡を勃起させて…。股を濡らして…。
…ほぉら…♥ しこしこ、硬くなってきましたわよ…?♥
「……ごくっ…」
あら…。蛇たちも、愉しみたいって…♥
うふふ…、大丈夫ですわよ。この子たちは、とても大人しい子達ですの♥
もしソラにひどいことをする子がいたら、その子は引き千切ってあげますわ。
安心して…。ほら、この子はソラの乳首を気持ちよくしてくれるって…♥
「………ぅゎ……」
……どうですか…? 痛くないでしょう?
こっちと、こっちの子は、ソラの胸を揉んでくれるそうですわ♥
その子は…おへそ。そちらの子は……腸骨? うふふっ♥ 変わった子…♥
「……メドゥーサさん、ずっと黙ってるせいか……迫力がすごい…」
それでは、わたくしは……ソラの一番綺麗な部分を…♥
「…わっ…。ソラさんの……まるみえ……」
…いただきますわ……♥♥♥
「うわわわわ……」
……あぁ…♥ これがソラの…♥♥
………っ!?
「…あれ? なんか驚いてる…?」
………い、今のっ……。
「……わっ、わっ…。あんなに広げて…」
…本当…? 本当に…? ソラ…。
「……ソラさんの……あんな風に、なってるんだ…」
本当に……乙女でしたのね…♥♥ ソラ…♥♥♥
「………あっ…」
嬉しいっ…♥♥ 嬉しいですわ…♥♥
わたくしのことを、本当に、本当に分かってくれるお友達…♥♥
やっと出会えましたわ…♥♥ わたくしの全部を分かってくれるお友達…♥♥
オーガの夫と聞いた時、望みを失っていましたけれど…。
あの方には、やっぱりそこまでの嗜みはなかったのですわっ♥♥
良かった…♥♥ ソラ、良かったですわ…♥♥ 乙女のままでいてくれて…♥♥
「……あんなに…。メドゥーサさんの舌…あんなに、ソラさんの中を…」
…あのね…ソラ…。わたくしも……まだ、乙女ですの…。
こんなことが知れたら、皆、笑って馬鹿にするに決まっていますわ。
わたくしだって、好きでこうしている訳ではないんですのに…。
このわたくしに見合う男性が、早く現れないのが悪いんですのに…。
節操無しな皆さんと違って、わたくしは夫にしか純潔を捧げないと決めていますの。
その日を夢見て、微妙な牡を相手に…技術を、知識を磨いて…餌にして…。
「……すごい乱れ方…。…そんなに……気持ちいいのかな…」
ソラなら、わたくしの気持ち、分かってくれますわよね…?
わたくしは間違っていないって、言ってくれますわよね…?
「………あっ……♥ んっ…♥ …っ……♥」
…ソラ…♥ 膜を舐められるって、どんな感じですの…?♥
次は、わたくしにもしてくださらない…? 同じように…♥
あ…ソラの舌だと、届かないかもしれませんわね…♥
なら、指でもいいですわ♥ あるいは……牡のそれでも…♥♥
「……ぁ…♥ ソラさん…♥ イッちゃうん……ですか…?♥」
……あっ…♥
小さなお豆さん…♥ 触ってほしくて、出てきたのですか…?♥
うふふっ…♥ ほら…、あなたの相手は、この子がしてくれるそうですわ…♥
お豆さんのお友達は、今日から、この子ですのよ♥ 明日も、明後日も…♥
いっぱい、心ゆくまで愛し合いましょう…♥ 大切なお友達として…♥
「…はぁっ…♥ はっ…♥ んくっ…♥」
あなただけじゃありませんわ…♥
髪も…爪も…踵も…、全部にお友達を紹介してさしあげますわ…♥
みんなで愛し合いましょう…♥ でも一番は、ソラとわたくしですわ♥
何の考えもなく、いつも気持ち良さそうに笑っているオーガでもなくて。
余計な事ばかり、でもすることはキチンとしてくれるアリさんでもなくて。
ソラと……わたくしですわ……♥♥♥♥
「…ぁ………」
…♥♥♥♥♥
……いけませんわ…♥ 乙女が、他人の目の前で粗相なんて…♥♥
わたくしが、全部飲んで隠してさしあげます…♥
「…ゎ…。………咽、あんなに鳴らして……」
………うふふ…♥♥ まだ恥ずかしそうですわね…♥♥
粗相は全部…わたくしのお腹の中にありますのに…♥♥
…でも、そのお顔……とっても乙女チック…♥♥♥
「……ソラ…さん……」
…続きは、わたくしの寝室でよろしいですわよね…?♥♥
今、お部屋を整えてきますわ♥ ほんの少しだけ、お待ちになって♥
「………」
「……行っちゃった…」
「………」
「………」
「………」
「……ごめんなさい…、メドゥーサさん……オーガさん……」
……………
………
…
チョメランマ山の頂上付近。
20メートルにも及ぶ崖…その中にある洞窟が、わたくしの住処。
今居るお部屋は、最も外がよく見える、大きな窓の付いたお部屋。
この窓から、あるものを見つけて…それ以降、こうして一日中、窓際で頬杖。
見つけた日から、そろそろ10日。その間、それを見かけたのは3日だけ。
でも、その3日間は、とても貴重な3日間。わたくしの最高の楽しみ。
それを求めて、今日もこうして、窓際で頬杖。
「メドゥーサさん。最近外ばっかり見てどうしたんですか?」
…振り向く。
スコップを持った、アリさんが一匹。
額の汗を腰のタオルで拭いながら、何が楽しいのか、いつも笑顔。
「…なんでもありませんわ」
「そうですか? 溜め息吐いてましたけど」
「貴女は早く、壁の補修と、石にした人間の処理をなさい」
アリ使いが荒いなぁ、と愚痴を一言。
でも、厭味ったらしくなく言うのが憎いですわ。
…群れからはぐれたあの子を、下僕にしてもう5年。
こき使いに使って、住処の大きさはあの頃の50倍。
食事は石にした牡を適当に。たまに無い日も。3ヶ月無かったことも。
それでも、文句は稀々、嫌な顔一つせず、せっせと働く。
まったく、下僕の鏡ですこと。
「ところで、メドゥーサさん」
…おしゃべりなところが、傷な下僕。
「崖下のオーガさん、旦那さんが見つかったって喜んでましたよ」
「そう」
こうやって、どうでもいいこともいちいち報告してくるところが解せませんわ。
逃がしてあげた人間からの言葉とか、今日会った魔物とのお話とか、いちいち。
そんなもの、お腹の足しにも、心の足しにもなりはしませんのに。
「お祝いに、何か持っていきましょうか?」
「勝手になさい」
…相変わらず、朝から変わり映えのない風景。
遠くでざわめく葦の海。眼下にはお花の湖。たまに飛び交う鳥さんと蝶々。
とうの昔に飽き飽きしてしまったはずのものが、今また、
こうしてわたくしの心に期待と羨望…そして夢を甦らせてくれる。
あの子をまだ、あなたの葦風の踊りで誘えませんの?
あの子をまだ、あなたのお花の匂いで招けませんの?
あの子をまだ、あなたの鳥さんの歌で迎えませんの?
あの子を…。
「あっ…」
…あの子。
お花の湖に入ってくる、あの子の姿。
手にはかご。今日もお花を摘みに来たのですね。
お待ちしていましたわ。100年とも思える2日の間を。
こちらを向いてはくれないのかしら。このお城は目立たない?
わたくしに気付いてほしい。ここから見つめるわたくしの姿に。
そして、互いに手を振り合うの。声が届かない距離だから。
今望むのは、そんな些細な…。
「あ。あの人ですよ、オーガさんの夫」
…今、何とおっしゃって?
「オーガさん、もっとムキムキの人が好きだと思ってたんですけどね」
「…嘘でしょう?」
「いえ。腹筋割れてる人とか、力瘤が頭サイズの人がいいって言ってました」
「……そちらでなくて、夫かどうか、という方です」
会話も碌にできない下僕。お人形さん以下。
「それは本当ですよ」
「…あの人間、牡ですの?」
「さあ?」
なんて無知で、役に立たない下僕。底抜けのバケツ以下。
「でも、女の子ですよねぇ…。どう見ても」
「人間の牝は初めて拝見しました」
「あの子はたぶん子供ですよ。可愛いですよね」
牝の子供を夫に迎えるなんて、オーガという種族は脳みそまで筋肉なのかしら。
汗臭いですし、粗暴ですし、下品ですし、本当に訳のわからない種族。
「何をしているんでしょう?」
「お花を摘んでいるのですわ」
「そういえば、最近オーガさん、花の首飾りとか、頭飾りとか付けてますね」
…あのオーガが? 花を? 着飾る?
………とても想像できませんわ…。
「…もしかして、メドゥーサさん、あの子を見ていたんですか?」
「っ!? ち、違いますわ! どうしてわたくしが、人間の牝なんか!」
「メドゥーサさん、可愛いの好きじゃないですか。人形とか」
「あ、あれは部屋を栄えさせるために飾っているにすぎませんわ!」
「またまた〜」
なんて下僕かしら。主をからかうなんて!
下僕とはもっと、従順であり、謙虚であることを知らないの?
このアリさんには、後で鞭撻が必要ですわ。
「恥ずかしいのなら、私が会いに行って、ここに招いてみましょうか?」
「!」
「ぱっと見、人懐っこそうな子ですし、きっとOKしてくれますよ」
「………」
「………」
「…こほん。いいこと? よく聞きなさい」
「はい」
「知人の新郎に、挨拶と祝福の言葉を送るのは当然の務めですわ」
「そうですね」
「そのために、今回わたくしのお城へ招待するだけなのです」
「普通は相手の家に行くんですけどね」
「………」
「………」
「………」
「……え? 終わり?」
「ど、どういう意味ですか! これ以上の理由がありまして!?」
「うーん…。まぁ、いっか。行ってきますね」
踵を返し、部屋を出ていく無礼なアリさん。
…ともあれ、これであのコが、このお部屋まで来てくれますわね。
………このお部屋まで…?
やだ! ここ、寝室と違って全然綺麗じゃありませんわ!
花瓶に挿した枯れかけのお花や、錆びた蝋燭台、食べかけのジャムの瓶まで!
ああ、もう! どうしてあのアリさんはお部屋を掃除しておきませんの!?
アリさんはどこ!? アリさんは………えっ!?
も、もうあのコとお話してる!? 出入り口は上だけの筈でしょう!?
ああ、もう、もう、もうっ! わたくしは何も知りませんのよ!?
来客用のお茶セットは、あなたしか置き場所を知らないでしょう!
その子をこんな汚いお部屋に、もてなしも無く招き入れるつもり!?
おバカ! 底抜けのおバカさん! 早くこっちに戻ってきなさい!!
嫌! もう嫌ですわ! 第一印象が最悪になってしまいますわ!
夢ならどんなにいいことか…! 夢なら覚めて! 今すぐ!
ああ、もう、もう、もう、もう、もうっ!!!!
「…ソファーに顔埋めて、何してるんですか?」
「ぇ…」
顔を上げ、振り向く。
…あの子と、アリさん。
………世界なんて、滅びてしまえばいいのに………。
……………
………
…
「ソラ…ですか。可愛いお名前ですわね」
白いテーブルクロスの上に置かれた紅茶を飲みながら、おはなし。
「わたくしはメディ。宜しくお願い致しますわ、ソラ」
ニコニコしながら、挨拶を返すソラ。
…なんて可愛いのかしら。わたくしの持つ、どのお人形さんよりも。
一挙一動、どれも可愛らしい。特に、笑った顔は何よりも可愛らしい。
人間の牝の子供は、皆こんなに可愛いのかしら…。だとしたら、素敵…。
「ソラさんって、オーガさんの旦那さんなんですよね?」
図々しくも話に入ってくる下僕。
でも、そんな愚かしい相手にも、耳をくすぐるような声で応えるソラ。
なんて優しいのでしょう。このアリさんとは大違い。
「やっぱり。ソラさんとオーガさんとの馴れ初めって、どんなだったんですか?」
………あぁ、ソラ。いいのですわ。そんな嘘を吐かなくても。
脅されたのでしょう? 暴力で、手酷く。あの方なら平気でやりそうですもの。
こんな愛しい子の珠の肌を傷付けるなんて、脳みそ腐ってますわ。
脳みそが筋肉な上、腐っているなんて、哀れな魔物ですわね。
「へぇ〜。あのオーガさんにも、そんな優しい一面が…。それで、研究っていうのは?」
……ちょっとお待ちになって。
どうして先程から、あなたばっかりソラとお話しているの?
何故、私の方が除け者のようなの? 除け者はあなたでしょう?
あなたはわたくし達の談笑の横で、お茶を淹れていればいいのよ?
「羨ましいなぁ…。好きな人とラブラブな毎日…。ね、メドゥーサさん」
「ふぇっ!?」
だからって、急に振るんじゃありませんわ!
「今、すごい声出ましたね」
あなたのせいでしょう! あなたのせいでしょうに!
…あぁ…ソラに笑われてしまいましたわ…。死にたい…。
「でも、ソラさんが男の子だったなんて驚きです」
…本当に無粋なアリさんですわね。
牝に見えるのだから、牝でいいのですわ。ソラは牝の子。
ほら、御覧なさい。ソラが困ってしまっているじゃ……。
「…え?」
…え?
「両方、って…。つまり…男の子でも、女の子でもあるんですか?」
え? え? ど、どういうことですの?
「………あの…。触ってみても、いいですか?」
え? 触る? ちょっとあなた、触るって何を…。
「……じゃあ…」
あ。ちょっ。あっ。
「…うわ……。ほんとだ、ふにふにしてるけど…下の方は何も…」
あああああああああああああ!!?!?
「あ、あ、あなたぁっ!!!」
「うわっ、びっくりした!?」
「こっ、あっ、そのっ、手っ、かわっ、ちがっ、だからっ…!!」
「いや、あの…、とりあえず、座りましょう?」
「っ〜〜〜〜〜〜もうっ!!」
「どうしたんですか、急に…」
どうしたもこうしたもありませんわ!
あなた、どこを触ったか分かってますの!?
ソラの一番大切な場所ですわよ!? 乙女の大事な場所ですわよ!?
あなたも経験無いって言ってましたし、どれくらい大事か分かるでしょう!?
あなたまで脳みそ腐ってますの!? 腐り落ちてますの!? 詰めときなさい!!
「いや、でも、本当でしたよ。メドゥーサさんも、触らせてもらったらどうですか?」
………え?
「…ほら。ソラさんも、こう言ってくれてますし」
……………。
……か、確認は必要ですわよね、うん。
もしかしたら、付いているのは偽物で、本当は牝の子かもしれませんし。
そう、これは確証を得るためには、仕方のないことなのですわ。
どこかのアリさんみたいに、無計画かつ無節操な考え方とは違って。
ちゃんとした目的を持つ者の行動は、何であれ讃えられるべきものなのです。
「……で、では………失礼しますわ……」
………わ……。
本当に…ふにふにしたものがありますわ…。
牡のそれは、見たことはありますけれど……こんな形でしたかしら…。
こんな……細くて……短くて……柔らかくて……可愛らしい……。
そういえば、おタマは付いてないみたいですわ…。すべすべ。
…少し布地が喰い込んでいますし……ここが、牝のそれですわね…。
おタマが付いているのならば、ふくらみがある筈ですもの。
「………あの、メドゥーサさん…」
…ソラは、もう毛は生えているのでしょうか…。
いえ、きっとまだですわ。わたくしの勘がそう告げています。
無毛で…つるつるの、ぷっくり膨れた形が、ソラのそれですわ。
そうでないと、いけませんわ。
「頭の蛇たちが、ソラさんのこと、すっごく嗅いでるんですが…」
…よくよく見れば、なんてお似合いな下穿き。
身も心も潔白なソラを表しているかのよう。純白の無地。
でも、このワンポイントのリボンも欠かせませんわ。まさに紅一点。
乙女の服装とはどうあるべきかを、ちゃあんと分かっていますわ。
「…メドゥーサさーんっ?」
…あら?
気のせいかしら、今…。………あっ、また…。
ソラの牡が…今確かに、ぴくんってしましたわ。
……ほら、また…。わたくしの手の中で、脈打って…。
少しずつですけれど……大きくなって……。
「あのー…、ソラさん、とっても恥ずかしがってますよー?」
……あぁ……本当にここだけは…牡ですのね……。
ソラ。下穿きに、あなたの愛が滲んでいますわよ…?
わたくしに発情してしまいましたか…? 構いませんのよ…。
あなたはわたくしの…はじめての、お友達になるのですから…。
ずっと、わたくしの目に適うお友達が…お話し相手が、欲しかったのです…。
大切なお人形さん達は、お話には答えてくれませんもの。
近くに住む魔物達は、従順さや可愛さがないんですもの。
あなたは、違う。あなただけは…。
「………えっと……、ソラさん、大丈夫ですか…?」
……素直ですわね、ソラ…。こんなに素直…♥
わたくしの指は、布越しでも、そんなに心地良いものなのですか?
ほら、もう、こんなに……触れれば、糸を引くほどに…染み溜まり…。
あぁ、ごめんなさい、わたくし、ソラに合う下穿きは持ち合わせていませんの。
この汚れてしまった下穿きはどうしましょう? 困りましたわ。
お洋服なら、いくつかあるのですが…。
「め、メドゥーサさんっ。ソラさん、やめてって言ってますよ? やめましょう?」
ドレス…は少し、ソラには煌びやか過ぎますわね…。
ワンピースならば、どうかしら? ……うん…とても似合いますわ…♥
ワンピースを来たソラと、紅茶と甘いお菓子を添えて、お話しますの…。
笑って……驚いて……照れて……そんなソラを、わたくしは微笑みながら見つめて…。
とっても幸せな…一時を過ごしますの…♥
「え? 出るって…」
ソラ。あなたは、どう思っていますの?
わたくしとお話したい? したいから、来てくれたんですのよね?
こうして、ここを触れさせているのも、そうしてほしいからですのよね?
わたくしに…わたくしに、どうにかしてほしいからですのよね?
お友達の、わたくしに………。
「あっ」
……あぁ…♥ ソラ…♥
「……うわ…ぁ…」
…いっぱい…滲み出てきていますわ…♥
あなたを満足させられたのですね…♥ 嬉しいですわ…♥
ソラのはしたないものを、こんなにわたくしの前に…♥
わたくしのことを、それほどまでに信頼してくれているのですわね…♥
ソラ…♥
「…め、メドゥーサさんっ!」
「ふぇっ!?」
ハッ…。わ、わたくしは、何を…?
「何してるんですか! 」
「っ…ち、違いますわ! わたくしは普通に触れていただけですわ!」
「触れすぎですよ! 5分は触ってましたよ!?」
「そ、それは………あなたと違って、じっくり観察していただけですわ!」
「どうでもいいから、まずソラさんに謝りましょうよ!」
「そうでしたわ! ソラッ! 御身体は大丈……夫………」
………ソラ…?
なんですの、その……なんですの……?
その……食べてしまいたくなるような……可愛い表情は、なんですの…?
「………え? えっ!? ちょ、メドゥーサさん!?」
…ソラ…♥ あなたが、そうやってわたくしを誘うのならば…♥
「なんでソラさんの脚、石化させてるんですか!? 動けなくなっちゃうじゃないですか!」
わたくしは……それに従いますわ…♥♥♥
「ソラさん、逃げてくださいっ! メドゥーサさん、おかしくなっちゃってます!」
いいえ…、逃がしませんわ…♥
あなたはずっと…わたくしと、一緒…♥
ずっと……ずっと……ずっと……♥
「……あぁ…巻き付かれちゃった…」
うふふ…♥ ソラ…♥ あなたの温もりを感じますわ…♥
「ソラさん…ごめんなさい…。そうなっちゃったら、もう、ダメです…」
さぁ、お洋服、脱がしてさしあげますわ…♥
着飾った可愛いソラを見れなくなってしまうのは寂しいですけれど、
その代わり、生まれたままの可愛いソラが見れるのは、とっても嬉しい…♥
「……どうしよう……」
……まぁ…♥
珠のお肌とは、こんな身体を言うのですわね…♥
こんな宝石のような肌を、石にしてしまったなんて…
わたくしはなんて愚かしいことをしてしまったのでしょう。
ごめんなさい、今、脚の石化を解いてさしあげますわ♥
「………」
…これであなたは…本当に、生まれたままの姿…♥
やっぱり、毛は生えていませんでしたわね…♥ 安心しましたわ♥
「…あっ、ご、ごめんなさい。むこう向いてます」
まずは……そうですわね、この控えめな胸から…♥
「………」
……なんてもちもちした手触り…♥
わたくしの豊かな胸の感触とは、また違う……別の牝の身体…。
感じ方も違うのでしょうか…。ソラ、教えてくださらない?
わたくし、恥ずかしくて、声に出して訊くなんてできませんわ♥
察しては頂けませんの? ソラ…♥
「………」
…教えて頂けませんのね…♥ 意地悪ですわ♥
でも、教えて頂けなくても、全部お見通しですのよ♥
そんなに可愛い声を上げて…。涎も垂れていますわ…。頬は真っ赤…。
目を細めて…潤ませて…。息を乱して…。身体を震わせて…。
牡を勃起させて…。股を濡らして…。
…ほぉら…♥ しこしこ、硬くなってきましたわよ…?♥
「……ごくっ…」
あら…。蛇たちも、愉しみたいって…♥
うふふ…、大丈夫ですわよ。この子たちは、とても大人しい子達ですの♥
もしソラにひどいことをする子がいたら、その子は引き千切ってあげますわ。
安心して…。ほら、この子はソラの乳首を気持ちよくしてくれるって…♥
「………ぅゎ……」
……どうですか…? 痛くないでしょう?
こっちと、こっちの子は、ソラの胸を揉んでくれるそうですわ♥
その子は…おへそ。そちらの子は……腸骨? うふふっ♥ 変わった子…♥
「……メドゥーサさん、ずっと黙ってるせいか……迫力がすごい…」
それでは、わたくしは……ソラの一番綺麗な部分を…♥
「…わっ…。ソラさんの……まるみえ……」
…いただきますわ……♥♥♥
「うわわわわ……」
……あぁ…♥ これがソラの…♥♥
………っ!?
「…あれ? なんか驚いてる…?」
………い、今のっ……。
「……わっ、わっ…。あんなに広げて…」
…本当…? 本当に…? ソラ…。
「……ソラさんの……あんな風に、なってるんだ…」
本当に……乙女でしたのね…♥♥ ソラ…♥♥♥
「………あっ…」
嬉しいっ…♥♥ 嬉しいですわ…♥♥
わたくしのことを、本当に、本当に分かってくれるお友達…♥♥
やっと出会えましたわ…♥♥ わたくしの全部を分かってくれるお友達…♥♥
オーガの夫と聞いた時、望みを失っていましたけれど…。
あの方には、やっぱりそこまでの嗜みはなかったのですわっ♥♥
良かった…♥♥ ソラ、良かったですわ…♥♥ 乙女のままでいてくれて…♥♥
「……あんなに…。メドゥーサさんの舌…あんなに、ソラさんの中を…」
…あのね…ソラ…。わたくしも……まだ、乙女ですの…。
こんなことが知れたら、皆、笑って馬鹿にするに決まっていますわ。
わたくしだって、好きでこうしている訳ではないんですのに…。
このわたくしに見合う男性が、早く現れないのが悪いんですのに…。
節操無しな皆さんと違って、わたくしは夫にしか純潔を捧げないと決めていますの。
その日を夢見て、微妙な牡を相手に…技術を、知識を磨いて…餌にして…。
「……すごい乱れ方…。…そんなに……気持ちいいのかな…」
ソラなら、わたくしの気持ち、分かってくれますわよね…?
わたくしは間違っていないって、言ってくれますわよね…?
「………あっ……♥ んっ…♥ …っ……♥」
…ソラ…♥ 膜を舐められるって、どんな感じですの…?♥
次は、わたくしにもしてくださらない…? 同じように…♥
あ…ソラの舌だと、届かないかもしれませんわね…♥
なら、指でもいいですわ♥ あるいは……牡のそれでも…♥♥
「……ぁ…♥ ソラさん…♥ イッちゃうん……ですか…?♥」
……あっ…♥
小さなお豆さん…♥ 触ってほしくて、出てきたのですか…?♥
うふふっ…♥ ほら…、あなたの相手は、この子がしてくれるそうですわ…♥
お豆さんのお友達は、今日から、この子ですのよ♥ 明日も、明後日も…♥
いっぱい、心ゆくまで愛し合いましょう…♥ 大切なお友達として…♥
「…はぁっ…♥ はっ…♥ んくっ…♥」
あなただけじゃありませんわ…♥
髪も…爪も…踵も…、全部にお友達を紹介してさしあげますわ…♥
みんなで愛し合いましょう…♥ でも一番は、ソラとわたくしですわ♥
何の考えもなく、いつも気持ち良さそうに笑っているオーガでもなくて。
余計な事ばかり、でもすることはキチンとしてくれるアリさんでもなくて。
ソラと……わたくしですわ……♥♥♥♥
「…ぁ………」
…♥♥♥♥♥
……いけませんわ…♥ 乙女が、他人の目の前で粗相なんて…♥♥
わたくしが、全部飲んで隠してさしあげます…♥
「…ゎ…。………咽、あんなに鳴らして……」
………うふふ…♥♥ まだ恥ずかしそうですわね…♥♥
粗相は全部…わたくしのお腹の中にありますのに…♥♥
…でも、そのお顔……とっても乙女チック…♥♥♥
「……ソラ…さん……」
…続きは、わたくしの寝室でよろしいですわよね…?♥♥
今、お部屋を整えてきますわ♥ ほんの少しだけ、お待ちになって♥
「………」
「……行っちゃった…」
「………」
「………」
「………」
「……ごめんなさい…、メドゥーサさん……オーガさん……」
……………
………
…
12/03/24 00:00更新 / コジコジ
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