連載小説
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隣の情事
「なぁ、今夜もいいだろう?」
あ、姉さん……また義兄さんを誘っている……
「今夜もか? 昨日もしたじゃないか」
戸惑い気味な義兄さん……だがそのまま押し切られて、姉さんと交わるに違いない。




私と姉さんは親から離れてとある街で、二人で暮らしている。
そこで自警団などで働きつつ、婿を探していた。
あるとき、姉さんが男を連れてきた。
どうやら彼と決闘して負けたらしい。
一見、ふわふわした頼りなさそうな優男だ。
だが、いざ槍を持たせると勇猛果敢でかつ試合運びは冷静、技も磨き抜かれているという素晴らしい戦士であった。
父も母も彼を認め、彼は姉さんの婿となる。
そこまでは良かった。
彼は私たちの家に住むことになり、姉さんの部屋で寝るのだが……
「んっ、あんっ! そ、そんなに胸を揉まないで……! 気持ちよくなっちゃう……!」
「いいじゃないか。気持ちいいんでしょう?」
二人の情事の声や音が筒抜けなのだ。
それも隣の部屋にいる私の眠りを妨げるほどの大きさで。
『人の迷惑も考えずに……』
私は軽く顔をしかめる。
睡眠不足になるのは翌日の稽古や仕事に響くので、かなりの問題だ。
だが、問題はもうひとつある。
「あ、んんっ! はぁはぁ……いやぁ」
姉が嬌声を上げている。
普段、きりりと髪を束ね、剣と同じくらい鋭い目で相手を見据える、あの凛々しい姉さんとは思えないくらい甘えた声だ。
そんな声を聞かされ……
「はぁ、はぁ……あぅう……」
私の身体が火照り始めた。
これがもうひとつの問題……姉さんと義兄さんの情事の様子が耳に入る度に私も発情してしまうことだ。
「んん、はぅう……人の迷惑も考えずに……」
今度は文句を口に出して言う。
だがこの声は向こうには聞こえていないだろう。
聞こえていたとしても、二人は二人の世界に入り込んでいて気づかないかもしれない。
今も姉さんはいやらしい声を上げ続けている。
『姉さん、こんな風に胸を揉まれているのかな……』
自分の胸に手を伸ばし、むにゅっと揉んでみた。
じんわりと、鈍い快感が胸から全身へと駆け巡る。
普段は胸を触ってもくすぐったい程度なのに、発情しているとこんなに気持ちよく感じられるのが不思議だ。
荒い息をつきながら私はパジャマの上から自分の胸を揉み続ける。
だが、それだけでは物足りなくなってきた。
パジャマのボタンを全て外し、直接胸を愛撫する。
指でコリコリと、立ち上がっている乳首を転がすのも忘れない。
「あっ、ああっ……ん、んふぅ……!」
思わず声を漏らしてしまったが、口を閉じて静かにする。
隣の姉さんや義兄さんに聞かれるのはさすがに恥ずかしい。
聞かれなかったか耳をそば立ててみると、隣の部屋の情事は進行していた。
「ん、れる、じゅる……ん、ふぁあ……らめぇ、しっぽをそんなにしちゃ、いやぁ……」
ああ、きっと姉さん……義兄さんのおちんちんを銜えながら尻尾をしごかれているんだわ……
私は尻尾を股の間から通し、自分の手元に尾先を持ってくる。
そしてそれを右手でしごいた。
「んっ! んんん!」
身体がビクビクと震え、快感の刺激が尾から脊髄を通って脳に伝わる。
リザードマンをはじめとする爬虫類型の魔物にとって尾は拳や脚と同じ武器でもある。
だけど、まさか性感帯でもあったなんて……姉さんの情事の声を聞かなかったら、私はこのことを知らなかっただろう。
それが分かったら……ここから先は自分で編み出した。
「んっ、あむっ! じゅるる、はむ……れろれろ、んちゅう」
私は自分の尾を銜えた。
それが男の人のペニスでもあるかのように……舌を這わせ、涎を擦り付け、頭を上下に動かしてくちびるでしごき抜く。
「んっ! んんんっ! んっ、はう……あむっ、んん……んくっ」
フェラチオの練習にもなり、かつ自分も気持ちいい……我ながらよく思いついたものだと思う。
夢中で私は自分の尻尾をしゃぶり、自分の口内を蹂躙した。
「やああっ! そんな! 同時にいじっちゃ、らめぇえ!」
姉さんはどうやら尻尾をしごかれながらアソコを掻き回されているのだろう。
そんなことをされたらたまらないはずだ。
案の定、姉さんはすぐに白旗を上げた。
「らめっ! らめらってばぁ! イクッ、イッちゃううう!」
あの姉さんがと思うほどのはしたない声を上げ、姉さんは達した。
少しの間だけ、隣の部屋が静かになる。
「はうう……イッちゃった……」
「ずいぶん大きな声だったな……隣の妹さんに聞こえたんじゃないか?」
「たぶん大丈夫だと思う……あのコは一度寝たら、音ではなかなか起きないから……」
そう、『寝たら』ね。
寝る前にそんな横でアンアン喘がれたら寝ようにも寝られないですよ〜だ。
心の中で私は姉さんに舌を出す。
だが、一方で「早く続きをやれ!」と煽っている私もいる。
その煽りに乗るかのように、姉さんと義兄さんの動きが再開した。
「ふふふ、よくも私をイカせてくれたな……ただでは済まさないぞ?」
この様子だと、今夜は姉さんが上になって積極的に腰を動かすらしい。
「あぁ……あっ、あっ……私、あなたとひとつになっている……! 私のおく、で……ふあああっ! やっぱり大きくて、かた……いっ……!」
ああ、今、姉さんが跨って義兄さんのおちんちんをアソコに納めたのね……
私はもちろん男を受け入れた経験はないし、初めてがおちんちんじゃないのもイヤだから指も尻尾もアソコに入れたことはないけど……姉さんの声からすると、初めては痛くてもやはり気持ちいいらしい。
正直、憧れる。
「くっ、そんなに腰を動かされると……ううっ」
義兄さんの声が聞こえる。
でもベッドが軋む音がそんなにしないところからすると、姉さんは腰を上下ではなく、うねらせるように動かしているみたいだ。
きっと、こんな風に……
「ん、んふっ、んんぅう!」
尻尾を口に銜えたまま、私は右手の中指をアソコにあてがい、腰をくいくいと前後に動かした。
アソコの入口が、そしてクリトリスが、指と擦れて気持ちいい。
一度気持ちよくなると腰がビクビクと痙攣し、自分で動かそうとしなくても勝手に腰が動く。
突然、がくんと大きな音がした。
直後に姉さんが大きな嬌声を上げる。
「あっ!? あああっ! きゅ、急に突き上げてくるなんて……あひぅ! あへっ、んはぁ! ず、ずるいぃ! あぁん!」
どうやら義兄さんが腰を突き上げたらしい。
それを機にどうやら姉さんは腰の動きを変えたようだ。
ぱんぱんと肉同士がぶつかりあう音が響き、ベッドがギシギシと激しく軋む音がする。
もうそろそろ二人はイクらしい。
終わりが近いと体位に関係なく二人の動きと姉さんの声は激しくなるのだ。
そして私もそろそろイキそうになっていた。
指をあてがうだけから、クリトリスを転がすような動きを加える。
「んふぁあ……あ、あんっ、ん、んむううう!」
大きな声が出そうになるが、隣の姉さんと義兄さんに聞かれる訳にはいかないので、必死に尻尾で口を塞ぐ。
姉さんの獣じみた嬌声、義兄さんの荒い息、ベッドが激しく軋む音、そして自分のくぐもった声と、くちゅくちゅと自分で立てている股間からの音が私の耳を打つ。
「ヤバい……出るっ、出そうだ!」
「んああっ! 出してっ! 中に出して! 私を孕ませてぇ! ああん、私も……イクッ、またイッちゃううう!!」
私の部屋どころか、周囲の家にまで聞こえるんじゃないかと思うくらい、姉さんが叫ぶ。
『私も、私も……!』
二人に続いてすぐに私も達した。
アソコと尻尾からの快感が弾ける。
その衝撃に意識が身体からはじき出されたのように感じた。
「んふうううううっ!?」
身体の筋肉がぎゅぅっと収縮し、肩や腰を始め身体がガクガクと痙攣する。
それに対し、意識はふわふわと宙を漂っている気分だ。
やがて身体の痙攣が収まっていく。
私は糸が切れた人形のようにだらりと四肢と尾を投げ出した。
だが、意識はまだぼんやりとしている。
そんな私に、隣室から声が聞こえた。
「汗かいちゃったね……シャワー浴びようか」
「ええ、そうね。そして……ね?」
この様子だと二人は風呂場でもエッチを始めるに違いない。
それまで聞かされてはたまらない。
二人の情事が再開する前に私は絶頂後の余韻に身を任せ、甘い眠りの世界に逃げ込んだ。
12/07/09 19:02更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)
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■作者メッセージ
この自慰もそろそろ折り返し地点!
真ん中を締めて下さるのは皆大好き、リザ子!
勝手な妄想ですが、真面目系な魔物娘の中では子沢山そうなリザ子。
きっと親や姉妹のエッチも覗き見たり今回のように盗み聞きしたりして「自分もいつかは、自分より強い男と……」と考えるのでしょう。
そんなリザ子はきっとオナマスだと思うんだ!(殴

他人の情事って気になりますよね!
私も、最近隣のアパートに住んでいるあんちゃんに彼女ができたらしく、時々あんあん喘ぎ声が聞こえ、ちょっと耳を立てたりしています(おい

さてさて、この自慰も折り返し地点。
次は誰が来るのでしょうか?
頑張りまする。

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