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第六話 キャラバン『カガリビ』 【後編】
買った荷物類を纏め終え、寝具入れが丁度物入れになりそうだったのでそこに入れることにした。
このジパング式の寝具というか部屋はなんとも合理的で素直にすごいと思ってしまった。
ベッドがこの部屋に置いてあると間違いなくそれだけで埋まってしまいじりじりと横歩きしないと移動なんて出来ないはずだ。
ふと思えばこの床、畳がベッドの様に脚が有ると潰れてしまうからこのように布団になっているのでは無いだろうか?
想像するだけでも楽しくなってくる。
この旅が終わったら一度ジパングへ行ってみたいものだ。
直に寝転び、座り、立てるというのも良い・・・自分の家を建てる時は玄関で靴を脱ぐようにしようか等と近いか遠いか分からない未来に思いを馳せてみた。

時間は日も落ち、月明かりとキャラバンの魔法光による街灯の明るさが窓から入ってくる程度。
遠くには酒場やフードコートから微かに聞こえてくる喧騒。
だが、それも俺達には関係のない事だ。
窓の光よけの板を全て塞がない程度に取り付け、光を調整する。
後ろから聞こえてくる布がこすれる音。
俺も下着だけ残して衣服を脱ぐ。

「準備、いいよ」

「こっち向いてほしいんだよ」

ゆっくりと振り返ると一糸纏わず大事な所を腕で隠している二人が熱い視線を俺に向けながら布団の上に立っていた。
普段はうしろ髪を肩の高さから二つに分けて纏めていたティナが下ろしていて、逆にニミュがサラサラとした赤毛混じりの黒髪をうなじら辺で一纏めにしていた。
ニミュも目隠しを取り、その金色の瞳を見せてくれている。
僅かに震えているティナに声をかける。

「ティナ、寒くないか?」

「すっげー寒いんだよ...早く温まりたいんだよ...」

「私はいいから先にティナを抱きしめてあげて」

ニミュはそう言うが、本当は自分を一番に抱きしめて欲しいはずだ。
それならと思い、俺はティナを前から抱きしめる。
俺に触れた途端震えていた体がピタリと震えが止まり、安心しきった鳴き声をか細くあげる。
人間の少女と一切の違いが無いその姿、柔らかい肌が俺の身体に張り付き、離れそうになっても拒むかのように吸い付く
俺の腰に腕を回し、とにかくほんの僅かでも多く俺と触れたいという気持ちが伝わってくるほど密着してくる。。
そんなティナの頭を撫でながら空いている手でニミュにこっちに来るよう合図を出す。

「え・・・?」

「後ろから抱きつけるだろ?」

言いたいことを理解したニミュは俺を覆うように抱きしめてくる。
フワフワとした両腕の毛がくすぐったく、けれども離したくない愛しさをくれる。
ティナには無い豊満な双丘は俺の背中に押し付けられ、潰れながらも先端がコリコリと刺激を与えてくれる。
本来なら今すぐにでも揉みしだきたいがその欲求を押さえつける。
上半身だけでは足りなくなったのか俺とティナの足に自分の足を絡み付けてくるニミュ。
そのもさもさとした獣の足を受け入れ、更にから見つけようとするティナ。
左手で前のティナの頭を、右手で後ろのニミュの頭を撫でる。
ティナはすりすりと額を俺の胸板にこすり付け、力いっぱい腕に力を込める、離したくないと言うように。
ニミュは胸を離したり押し付けたり、俺やティナを両手で撫でてきて心地よくさせてくれる。
・・・アレが俺の臀部に擦り付けられてるのは愛情表現と受け取っておこう、微妙に背筋が寒いが気のせいなはずだ。

「あったかいんだよぉ...」

「私も...」

「なんか、このままでもいい感じがするな」

「「なんか言った?」」

「何でもないです、はい」

むろん、このままスルーするなど俺には出来ないというか男なら不可能だ。
前方に美少女、背中に美女。
計ったつもりはないが、この状況実に良い・・・。
今度から毎回これやってもらうのいいかもな、と思った所で二人が動き出す。

「ふふ、数日・・・正確には4日近く溜めておいたからどれだけ出してくれるか楽しみなんだよ」

「しっかり無駄撃ちはシないでくれていたみたい♪」

「うおっ...くぅっ...自慰なんてやったらお前ら怒るだろっ」

二人がかりで前後から下着越しに俺のモノに触れてくる。
打ち合わせでもしていたのかと言いたくなるようなコンビネーション、ティナがパンツの中で膨らんでいるモノの先端を撫でれば後ろから腕を全部使って玉ごと竿を撫でまわしてくる獣の腕。

「気持ちいい...って聞かなくてもすっごく良さそうな顔をしてくれているんだよ」

「サービスしてあげないとね...」

ニミュの言葉で責め方がガラリと変わる。
ティナの腕が肉棒から俺の尻をもみ出すようになり、舌でちろちろと胸板を舐めだす。
気持いいかと言われたら微妙な所だが、何故か興奮してしまう。
更にニミュが両手で俺の乳首を責めだす。
初めはつんつんとつついたり指の腹の肉球で触れてくる程度だったのが次第に弾いたり摘んだり転がしてきたり。
こっちも同じだ、気持ちいいかと言われたら微妙と言える。だが行為がエロい!
更に追い打ちをかけるようにニミュの尻尾(アッチの方ではない)が俺の股を潜り、スリスリと弄ぶ。
先程までの腕とはまた違うもふもふとしていながらもコリコリとした棒が撫で回してくる。
段々息が荒くなり、いつの間にか上を見上げていた。
自分の両腕はティナをしっかりと抱きしめていた。

「んちゅっ...れろ...ちろちろ...んふふ、スコッドのパンツに染みが出来てきたんだよ。ニミュ、我慢できる?」

「ティナが我慢できるなら...うふふ、乳首こりこりでかわいい♪」

本当なら今すぐ押し倒して二人の内どちらかに今にも暴発しそうな一物をねじ込みたかったが、初めての快楽にこのまま身を委ねたいと思って踏みとどまる自分が居た。
二人とそれぞれしていた時には攻めだったものだから合わせての逆襲に白旗を上げかけていた。
次の瞬間、じゅるっと言う音が耳に直に聞こえてきた。
背筋がゾクゾクと来る歪な気持ちよさに思わず身を捩る。

「スコッドの弱点発見しちゃった♪」

「えー?この前あむってした時はなんともなかったよ」

二人は前後の位置から左右に移動して抱きしめてくる。
ティナが舐めやすいように立膝の状態にされ、両腕は抱きしめられたり掴まれたりして動けない。
正直に言おうこの二人、力が強すぎてはがせねぇ!!!

じゅぶ、じゅるっ

「じゅるっ、れろ...ん〜♪」

両耳に舌を入れられ舐め回されるとゾワゾワと体が震え、力が抜けてしまう。
いやらしい水音が直に脳を揺さぶり脳を犯されているかのような錯覚を感じる。
情けない声が意思と関係なく漏れでてしまう。
数分程経ったと思う所で二人共舐めるのをやめた。

「んふふ...スコッドがこんな風になるなんてねぇ」

「...うっせぇ」

「さて、そろそろ脱いでくれる?」

言われるがまま下着を脱ぐと二人は餓死寸前の肉食獣の前に肉が置かれたような目で見てくる。
・・・考えればたとえそのままだった。

「ど、どうするんだいニミュ?」

「私...入れるの後でいいから、咥えたい」

「じゃぁそれで」

二ミュが俺の前で四つん這いになり、俺のモノを愛おしそうに握ったり舐めたりしてくる。
さっきまでの行為で自分でも痛いほどに熱り立った物にこの刺激はヤバすぎる。
匂いを楽しみたいのか唇と亀頭が触れるか触れないかの所で細く息を吸い込み、吹きかけてくるのもヤバイ。

「ニ、ニミュ...我慢出来そうにない」

俺の言葉を待っていたかのように口を開け、いきなり根本まで飲み込むニミュ。
唾液でドロドロになった口内は熱く、柔らかく俺を包む。
いきなり暴発してしまいそうになるが歯を食いしばって何とか耐える。
そんな俺に対してお構いなしで身体を動かししごき続ける。
唇を萎め、引きぬいたかと思えば亀頭までを咥え、舌で責め立てる。
ついに耐え切れなくなりニミュの中に白濁液を吐き出す。
幾ら4日近く出していなかったからとはいえ、信じられないほど長時間吐き出し続けた。
10回以上は余裕で吐き出し続け、ニミュは漏らさないように唇を萎めて引き抜く。

「ん〜〜〜〜、んーっ♪♪♪」

まるでリスのように頬を膨らませ、何をしているのかは分からないがとにかくモゴモゴと動かしている。
そして何度も体が痙攣し、涙も鼻水も垂れ流しのまま視点の合わない目を俺に向ける。

「私にも欲しいんだよっ」

しびれを切らしたティナがニミュに襲いかかり、強引にキスをしてニミュの口の中にある精液を奪い取る。
初めは渡さないとジタバタ動いていたニミュだったがしばらくすると二人共おとなしくなり、キスをしたままお互いを愛撫し始めた。

「んくっ...ごくっ...はぁはぁ...すっっごい濃さと量なんだよぉ♪」

「二人で分けて丁度いいなんて♪ぷちぷちゼリーがすっごい良い♪...ほら、スコッドぉ♪」

二人は抱き合ったまま寝転がり、ニミュが下になってその上にティナがうつ伏せで寝ている状態になる。
ティナの肉壷の入り口に先端をあてがいクチュクチュとこすり付ける。

「ううっ...焦らさないで入れて欲しいんだよ...」

これ以上は焦らすのはかわいそうだったり反撃が恐ろしいのでティナの腰骨辺りをしっかりと掴み、ゆっくりと感触を楽しむように挿入する。
中はこれまでの行為で興奮したのか今までのセックスの中で一番ドロドロになっているし、ヒダの一つ一つが俺を歓迎して腰を動かさなくても奥へと進んでしまいそうな錯覚すら感じる。

「おっ...おぉぉぉ♪スコッドのがぁ...入ってくるんだよぉ♪」

根本まで入り込み、ティナの尻肉と俺の腰が当たった所でゆっくりと引き抜くのだが俺自身にもとんでもない快楽が襲い掛かる。
こんなじれったい感じではなく獣のように打ち付けたいという欲望が腹の底から滲み出してくる。
だが、もう少し...もう少しの我慢だ。

「ニミュ、ティナはどんな顔してる?」

「...ティナってこんな顔するのね、私の時とはぜんぜん違う...かわいい」

我ながら度量の狭い男だと思う。
ちんこのデカさで負けているからって女の悦ぶ顔を魅せつけてニミュに抵抗しているのだから。
もちろんニミュの事も好きだ、本気で好きだ。
でもな...男の子には負けられない戦いがあるんですよぉ!

「足りないよぉ...もっとバンバンって突いてぇ...」

うるうると涙を溜まり、自分からぐりぐりと腰を動かすその状態を見て理性がブチ切れた。
先程までのゆったりとしたピストンではなく、全力で、だが今までの性交で分かっている限りのティナの好きな所を責め立てる。

「おうっ!?んふぅ....、きもちっ、いいんだよぉ...っ!激しくされりゅとっ、あたまがぁ♪あたまがびりびりぃってぇ♪」

まだ言葉を言えるということは余裕の現れだと判断した俺はティナの腰ではなく尻肉を掴んでピストンを続ける。
更にニミュにティナを責めるよう頼む。

「お゛うっ!?おっ♪おっ...おぅぅっ!?」

いい声が出始めてきた。

「かわいい...ほら、ぱふぱふ♪」

二ミュが自分の胸でティナの顔を挟み込み、もみもみと練り込む。
すると膣の締りが更にすごいことになりビクンビクンと痙攣を始めた。

「おっぱいぃ...やわらかいんだよぉ♪」

・・・おのれおっぱい。
こうなったら全力でつき続けるだけだ。
みっちりと閉じた膣肉が抜かせないと言いたげに肉棒に絡みついて半ば捲れかけている光景が何処までも興奮させてくる。

「あうっ♪お゛うぅぅぅっ♪いぐぅぅ、お゛う゛ぅぅぅぅっ♪♪♪」

ティナがビクンビクンと跳ねながら絶頂しようと関係なしに突き続ける。
さっきの耳責めのお返しだ、やられっぱなしは好きではない。
俺が限界を迎えそうになった頃、ティナは最早おうおうとしか言わなくなっていた。
端からすれば下品な声とか可笑しい喘ぎ声とか言われるかもしれないが、このティナが俺達は大ッ好きだ。
顔が見えなくてもニミュの興奮している顔を見ればティナがどんな顔をしているのか想像はできる。
前にニミュにやり過ぎた時も俺がさっきやられた時もそうだが、俺達三人は似た者同士なんだ。

可愛すぎて、やりすぎてしまう、イジワルしたくなる。

だからその時標的になった一人が残り二人に限りなくヤられてしまう。

最期は根本の根本までねじ込み、子宮口に鈴口が密着しているはずと感じながら子種汁とティナの子袋に流し込む。
二度目だというのに一度目より長い射精時間。
口でしてもらうのも好きだが、やはりこれが一番気持ちいいしティナを感じることができる。
ずるりと抜き出した肉棒は未だ反り返っており、次の花園への準備はできていると意思表示していた。
薄々感づいてはいたが人間寄りの魔物って感じに片足の指をつっこみ始めて居るようだ。
上等だ、只の人間で魔物娘二人を満足させることができるなどと考えては居ない。
何処までも転がり落ちてくれる。

「スコッド...おねがいします」

「おうぅぅ♪」

くるりと器用にティナを抱えたまま上下を回転して入れ替えたニミュはティナに挿入しながら自分の穴を獣の手で広げ、俺を誘惑する。
頭がクラクラとしてくる雌の匂い。
俺は誘われるがまま魔の洞窟へ入り込むのだった。

結局の所、責め受けをそれぞれ入れ替えながら何度も俺達は肌を重ねドロドロになり、気がつけば朝になっていた。
これで腰が痛くならんのだから魔物娘の魔力のエロ方面に対する万能性が伺える。







これほど心が安らぐ状態でお昼ご飯を食べたことがなかったんだよ。
いやーすごかったんだよぉ♪私のオマンコを二人が取り合って二人の肉棒が交互に私の中に入ってきたり、ニミュのドロドロとスコッドのドロドロがブレンドされて私に塗りたくられたりごくごく飲んだり♪
想像以上のド変態エロスで大満足なんだよ〜〜〜♪
後半というか始めっから私おうおうしか言ってなかった気がするけどまぁいいか♪

もぐもぐもぐ。

「はふぅ〜」

「...こら、ご飯粒ついてるわよ...んっ...くちゅ...」

「ありがと...んんっ...ちゅっ、ちゅう」

何度かエッチしたからかニミュも私とスキンシップするのに抵抗とかが無くなっていて、こうして楽しく時間を過ごすことができる。
魔物娘とのエッチは栄養にも何にもならないただの遊びでしか無いけれども、スコッドの匂いが染み付いた者同士なら少しは意味がある。
何と言うか・・・美味しい!

んで、今は何をしているかというと。
スコッドが昔の友人さんとお話しているんだよ。
私だと見上げないと顔を見ることも出来ないほど、ニミュでさえ顔を上げないと目を合わせられないほどおっきな人。
私なりに表現するなら筋肉のデカイ壁!名前はアルって言うんだって。
スコッドの親友で、昔事故で死んじゃったって話だったんだけど、実はこのキャラバンの人に助けられてそのまま奥さんも出来て、今は私達が食べているこの食堂「マルメシ」の店長さんなんだって。
奥さんはぬれおなごってスライム系の魔物娘で、霞さん。
旧友との再開って事で他の店員さんがアルと霞さんに休憩って事で私達と話す時間をくれたんだよ。
掘りごたつって言う変わったテーブルでスコッドとアルが向い合って、私と霞さんが向い合って、私の横にニミュが座ってるんだよ。
会話自体は男達と魔物娘側で分かれてる感じ。

「まったく...生きているなら連絡しろっての」

「そうしたかったのはやまやまだったんだけど・・・」

「まぁ無理だよなぁ、こんな魔物娘だらけのキャラバンに居たら」

「分かってもらえて助かるよ」

「国を出てなきゃ、魔物が女でこんな感じのばっかだなんて分からんさ。実際あそこに居たままで今のお前と会ってたらどうしてるか分からん」

スコッド達がいた国はばりばりの反魔物国家だったらしいし、手紙なんて出しても届くかどうかアレだよね。
それにしてもこの御飯は美味しいんだよ〜昨日スコッドが食べてた豚丼ってご飯と違って天丼って奴なんだけど、エビさんが乗ってるんだよぉ♪
こんな陸地で食べれるとは夢にも思っていなかったんだよ〜。

あむあむっ♪

「美味しいですか?」

優しい笑顔をくれながら霞さんが聞いてくる。
スライム系なだけあって同じようにぬるぬるっって感じはするんだけど・・・こう、しっかりしてるというかそこに居るっていうか・・・とにかく不思議な感じ。
そういえばなんで私霞さんをさん付けなんだろ?ま、いいか。

「うん!とっても美味しいんだよ!」

「よかった、人魚の方に食べていただくことってあまりありませんから...お口に合うみたいで良かったです」

「むふ〜♪」

うーむ、お淑やかとはこういう人を言うんだね。私やニミュとは本当になんか違う。
食器の持ち方とかあの箸っていう棒の使い方も・・・あれだよ、達人なんだよ!
そしてニミュの目隠しとかに質問とかしない所も・・・んと、気を配れるというんだっけ、とにかくそれなんだよ。
さり気なくアルのコップが空になりそうになったらそっと継ぎ足すとかうーむ、すごい。
スコッドにもそういうのを・・・やめておこう、こういう言うのはただ真似したら失敗して大変になるだけだろうし。

「ニミュさんお箸の扱い、お上手ですね。ジパングにお越しになられた事でも?」

「そういうのじゃないですよ、本で箸の事を知って暇つぶしに独学で・・・」

「それでも立派だと思います、佇まいもしっかりとされていて...いい奥様ですね」

「そんな...私なんてまだスコッドと出会って10日程で...ティナの方がスコッドの事をよく知っています」

むむむ、なんだこの雰囲気は!?
入れない、入れないんだよ!
こ、こここ、これが優雅な奥様方のお茶会の空気なのかい!?

「ティナちゃん、デザートはいる?」

「うん!」

あ、お馬鹿〜・・・
なに本能に正直になってるんだよぉー。
ちなみに出てきたお菓子はもちもちしていながらスッキリとした食後に最高なものだったんだよ。
スコッドもアルと沢山お話出来たみたいで満足そうだったんだよ。
と、思ったらなんか変な空気になってるっぽい。

「・・・そうか、まぁ使わせてもらうとするかな」

「この世は俺みたいに何があるか分からん、使える力ならいつでも使えるようにしておいた方がいい、ルルーに言えばわかるはずだ」

「了解、この後行ってみるわ」

「あぁ、そうだ。今日は夜に時間はあるか?」

スコッドがちらっとこっちを見る。
本当は今日もしたいけど、男の友情優先させなよ♪
さむずーあっぷ♪

「大丈夫だ、俺達は6番の宿だからその時になったら声を掛けてくれ」

終わったみたいなんだよ。
うむ、男同士の友情と言うのはよくわからないけど友達っていうのはいいものだよね!



その後はスコッドに連れられて一番初めに出会ったルルーの店に向かったんだよ。
金属を叩く音が中から聞こえてくるお店で剣とか武器関係以外にも包丁とか鍋とか金属関係が売ってるんだよ。
子供のドワーフが店番をしていたんだよ。
うむ、大人のドワーフとあんまり変わらない見た目なんだよ。

「いらっしゃいー」

「ルルーはいるかい?」

「母ちゃんなら今作業中だよ。要件は?」

「アルから頼まれていた物を出してくれ、って言えばわかるとアルが言っていた。俺はあいつの旧友なんだ」

「あいさー、アルさんね」

そういうとトットコとお店の中に入っていき、少ししたらルルーが来たんだよ。
手には布に包まれている棒みたいなものを持ってた。

「やぁやぁ、いやー兄ちゃんがアルの友人だったのかー。ほい、コイツがその品さ」

スコッドはルルーから渡されたものの包を解く。
中には黒い弓が入っていた。
指先で弦を弾き確認なのかな?とにかくやってる。

「・・・なるほど、良い物だな、鍛冶師をしている者とは思えない上質な弓だ」

「褒めてもらって嬉しいねぇ、そいつは普通の矢を射ることはもちろん魔力で矢を作るアシストもしてくれる」

「魔力で矢を?」

「そうさ、魔法を飛ばすって言えばわかりやすいかな。インキュバスになったりアンタの奥さんから魔力を貰えば、簡単な話相手を発情させて行動不能にするとか、魔物娘化させる事ができるし衝撃波とかで吹き飛ばすのも可能さ」

「非殺傷か・・・今の俺にはありがたい」

「ただねぇ、重さがないから射線が普通の矢と違うのが難点かな・・・」

「そいつは厄介だな...だが、殺さなくて済むことと武器が有るか無いかでは雲泥の差だ。大事に使わせてもらうよ」

「んじゃお代は慣れてきた時にまた会ったら感想を聞かせてもらうことかな。そうだ、良い人知ってるんだよ」

「良い人?」

「そっちの娘っ子達にも関係有ることさ」

「ほえ?」

「私達にもですか?」

いきなり話を振られたから変な声出ちゃったんだよ。

「おうさ、こっから南南西にミルリアって城壁とか城を作ったら国になりそうってレベルのデカイ街があってね、そこから西に行くと・・・すまん名前忘れちまったけどとにかく小さめな町があるんだ。そこにこの大陸を管轄してるリリム様が異世界から連れてきたって夫婦が居るんだけどさ、これの夫が強いのなんの、下手すりゃ勇者が数人がかりで戦っても無傷で蹴散らせそうな強さの人なんだよ!その奥さんがね色んなエンチャントを付けたアクセサリーとか作ってんのさ!」

長い、すんごい長さの言葉をこっちがツッコむ間もなく言い続けるんだよ。

「私としても負けは認めたくないんだけどさ、あの奥さんのセンスというか腕前は異世界人だからこそ!って感じなんだよね!」

まだ続く。

「なんでも異世界の獣人だかで魔物娘化したら狼なんだけどクノイチって面白いことになっててね、この奥さんもべらぼうに強いし美人だし、ほんとにもぐほぉっ!?」

そこまで続いた所でさっきまでお店番をしていたルルーの娘さんがルルーに飛び蹴りをしたんだよっ!?
ずささぁとお店の外まで顔面スライディングして危うく歩いてた人に踏まれかけるルルー。

「母ちゃん話長すぎ」

あ、うん、代わりに言ってくれてありがとう。

「あいててて、親に飛び蹴りするかい普通・・・まぁとにかくなんだ、結婚指輪とかそういうのはその人に任せたらいいって話さ」

・・・そういう話をしたかったのね。

「所で兄ちゃん達はなんか修理するもの無いかい?包丁でも鍋でもナイフでもいいよ、母ちゃんたちが最高の状態にしちゃうよ」

この子のこういう商魂逞しい所はきっと未来で大物になれるってのを言っているような感じなんだよ。

「いや、今のところはないかな」

「んじゃ、なんか出来たら言ってくれ」

んで、スコッド達がちょいと進んだ所で私はルルーにある物を渡して修理してもらうことにしたんだよー。
むふー♪







昨日の今頃は肌を重ね合い始めた頃だと思う。
俺は死んだと思っていた親友のアルとキャラバン内にあるバーに来ていた。
個人的には喧しい酒場のほうが好みだが、こういう時だゆっくりと話したい。
再開した親友は威圧感のある見た目だから誤解されないように柔らかな口調をしていたのだが、今は素の話し方になっていた。
それだけ魔物娘が見た目だけで判断せず、心を見て受け入れてくれる存在なのがわかる。
あの頃よりなんというか、のびのびしていた。

話自体も他愛のない物だ、今までお互いどうしていたか昼の話の続きとパートナーのこと。
霞さんとは出会ってすぐに結婚したらしくすでに5周年を超えたらしい。

このバーの酒が美味く、更に食う方のツマミも話のツマミも山の様に有ることから、いつの間にやら久々に酔ってると自覚する所まで酒が進んでいた。

「スコッドの方はどうなんだ?可愛い嫁さん二人も連れやがって」

「どうもこうもねぇよ、8つ下のアザラシ娘と二つ上の狼姉さん。しかも狼の方はちんこついてるし」

「え゛」

「おぅっと、初回は許すが次から嫁の体のことで引いたらぶとっばーす」

「す、すまん・・・というかソレ聞いたら誰だって驚くぞ?」

「まぁ、俺だって驚いたけどさ...可愛いんだよ、これが」

「ほぅ?」

「どうしても背が高かったり目隠ししてたりするせいで初めての奴には驚くってーかビビられるけどさ、すげー量の本読んでるから博識で、見た目と違って乙女っつーかお姉さんなんだけど女の子でもあるんだよ。アザラシの方も嫁っつーか妹みたいでわんぱくだったり魔物娘らしくエロかったり...」

言ってるこっちが恥ずかしくなってテーブルに突っ伏し、ちらりとアルを見る。
このやろう、ニヤニヤしやがって。

「んだよ」

「いや...恋愛事に首をツッコむ事はあったが、スコッドがここまで長々と女の事を話すのを見ていて魔物娘の凄さを改めて感じてな」

「ほんと、もっと早く出会いたかったもんだ」

もっと早く出会えていれば、騎士にならなくても済んだのかね・・・いや、それはないか。

「というか、そういうおめーの嫁さんはどうなんだよ」

「俺が惚気けだすと夜が明けるぞ」

「ちきしょう、釘刺しやがって」

そろそろ聞いていいかと思い出す。
アルが持ってきている布で包まれた棒状の物。

「なぁ、それなんだ?」

「あぁそうだそうだ」

思い出したかのようにソレを俺に手渡すアル。
包を解くと2本の黒いロッドが出てきた、一番特徴的なのはその形状。
F字といえばわかるだろうか、80cm程の棒の先端部と拳一つ半程離した所にもう一本突起になる棒が付いている、それが2本。
俺達の中でこんなものを使うのは世界に一人だけ。
もう一人の親友、ハイド。
大方、俺が貰った弓と同じでアルがルルーに作ってもらったんだろう。
・・・この飲み代だけでも俺が出すか。

しかも材質から見てご丁寧に魔界銀を鋼と合わせた魔界鋼製ときた、鋼のはずなのに妙に軽い。
魔界銀というか魔物娘の鍛練マジック恐るべし。

「なんでこんなもんを俺に渡す」

俺達は南に向かっているんだ、あいつが居る海を超えた先の北の大陸なんて行くわけがない。
あるとすればあいつがこっちの大陸に来るかもってことだ。
・・・ないわ、嫌気が差した俺と違って乗っ取られた的な国に忠義で残ったあいつが来るわけない。
外れたらニミュの手を1分だけもふもふする権利をやろう。

「このキャラバンの占い師やってる子がお前のほうが早く遭うってさ」

「占いねぇ・・・わかった、持っておく」

ま、いざとなれば棒だしティナが扱えるか。

といった所でお互いの嫁の事が気になってきたので一度戻ることにした。
たしか俺達が止まってる部屋に霞さんも行ってるはずだ。

「旦那様のモノは・・・コノくらいです」

「でっかー!本当にそんなの入るの!?」

「こんな物を打ち込まれたら...考えただけでイキそう...」

「うふふ、インキュバスになれば少なくとも人間の時の1,5倍にはなるらしいですよ」

「うひぃ、今でも子宮ぐりぐりなのに...」

「楽しみね...(アナルに突っ込まれるのが...)」

ずいぶんと姦しいと思い、窓から覗きこんでみればモノの見事にガールズトークの真っ最中。
魔物娘らしく夜のアレが話題らしい、しかも霞さんは自分の腕をアルのアレの形にしている。
うっそーん、昔でも風呂場でデカかったのは知ってると言うか有名だったけど今あんなデカさなのー?俺の腕よりでかくねー?
そして気づく、彼女たちの側には酒瓶が両手で数えきれないほど転がっている事に。

「・・・もう1件飲むか?」

「おぅよ親友、俺も同じこと考えていた」

余りにも入りづらいその雰囲気から逃げ出すように俺達はまた酒場へと向かった、あそこで見つかったら俺達二人が何されるか分からん。
アルとの話の結果、このまま次の町までこのキャラバンに乗せて行ってもらってそこで別れることにした。
なんでも塩を補給するために西に向かって塩で有名な町に行くらしい。
ティナも半月程海を見ていないだろうからこのまま南に行くよりもいいだろう。
いざとなればそのままキャラバンに同行するのもラクかもしれない。

まぁ、結果を言ってしまえばそんな風に事は楽に運ばないというのが現実なのだが。




つづく

15/05/17 09:44更新 / ホシニク
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■作者メッセージ
【スコッドの弓】
 漆黒色の弓でスコッドの戦闘スタイルに合わせ、一般兵の弓より短いロングボウとショートボウの中間くらいの長さになっている。
特徴としては使用者の魔力を矢に形成し射るサポートをする魔法が付けられていること。
 血を流させたくないと思い弓を捨てたスコッドにとって、非殺傷性能があるという事と守りたいものが出来たと言うことから再び弓を持つことを決めさせた。
(魔物娘の弓使いはごく自然に自分の魔力を矢にしているのだがやったことのない人間にいきなり扱うのは難しいので言ってしまえばビギナー用)

【ハイドのロッド】
 長さ80cm、F字の形状をした魔界銀と鋼の合金『魔界鋼』で出来た棒。
 殴る、突く、関節を決める、ハンドガード付きのナックル、形状を変化させてトンファーに・・・と言った具合に掴む場所や振り方によって色々変わる。
 連結させることで長い棒にもなり使用者の練度とセンスによって見た目からは想像もできないほど色々できる武器。
 使用者の元に届くことはあるのだろうか・・・?


タグにふたなりを前回追加しましたので、今後ふたなり関係の描写について注意書きを書かないようにします。

次回:塩田の町

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