千変万化の紅茶と千差万別の猛犬
Μラピッドタウン・お菓子のカフェΜ
Μ満知子視点Μ
「こちらにお座りください」
チェシャ猫のウェイトレスに屋外席へと案内されたアタシ達。
「満知子、この椅子はフレークで出来てるんだな」
「へーくん、アタシのはラムネで出来てるわよ」
「見て、ヘンゼル様よ」
「既婚じゃ無ければテイクアウトなのに」
見た目は好青年なウェイターがアタシとへーくんが座る席へと向かう。
「いらっしゃいませ、満知子様と平也様。いつも当店にご来店いただき誠にありがとうございます」
「ヘンゼルさん、いつもの日替わりタルトセットを二つと、タイムティーを二杯」
「畏まりました、満知子様。紅茶は食前と食後、どちらに致しましょうか?」
「食後で」
「畏まりました」
「本日のタルトは、ソーンファームのドーマウス四姉弟自家製のチーズ味,トリックストリート産のカボチャ味,そしてキョウシュウマウンテンの教習所で収穫された特産品となっております」
「ぬわにぃ、あの教習所から収穫されただとぉ!」
「あそこって芋を栽培してたかしら?」
「自然に生えた変種で、処分という形で教官から譲り受けました」
「処分って、大丈夫なのそれ?」
「グレー……店長によれば刺激的な味なので、食べる際はくれぐれも注意してくださいとのことです」
「ふーん、あれ?隣の席に来店者が来たようね」
「お席はこちらです」
マーチヘアのウェイトレスに案内された男が隣席に座る。さっきとは別の討伐隊だ。
「飯を食わせてくれ、金ならある」
「ご注文は?」
「そうだな、日替りタルトセットとは何だ?」
「まかいものタルトでして、三種類のタルトが味わえます。媚薬成分は一切無く、来訪者の方々にもオススメです」
「この値段なら安いな、タルトセットを一つ」
「畏まりました、お飲み物としてタイムティーは如何ですか?無料ですよ」
「……それも貰おう」
「ご注文は以上で宜しかったでしょうか?」
「ああ」
「畏まりました」
マーチヘアのウェイトレスは厨房へと向かう。
その足取りはウキウキしながらであることにアタシは見逃さなかった。
「満知子、教習所といえば、雑貨屋のフルーフ夫妻もキョウシュウマウンテンで免許をとったのかな?」
「バイクだからあの山にある教習所で免許を所得したと見て間違いないわね」
「だよな、魔界豚やスクーターならソーンファームにある教習所で充分だからな」
「この国でも運転免許が必要とはね」
「仕方ないさ、不思議の国は男女があらゆる場所で交わる事が出来る理想郷」
「確かに道路の真ん中や、建物裏で平然と交わっても不思議じゃないわ」
「んー♪」
「チュッチュ促
「向かいで熱い接吻をする夫婦がいても不思議じゃないよね♪」
「情事の最中に、騎乗による接触で雰囲気を壊さないためにも、運転技術が必要なのよね」
「それに〜各所ではワープ系の仕掛けが多くて〜口付けしたり〜相手の部位を刺激しあうことで目的地にワープ出来るから〜騎乗による移動手段なんて不要だよね〜ハートの女王様〜素晴らしい仕掛けを生み出してくれてありがと〜」
「そうね、移動手段としては便利ね」
「……」
「どうしたの、へーくん」
「さっきからオレ達、まともな会話しかしてないと思ってさ」
「今は交わりに帰結する会話をする気はないわよ(^^)」
「ショボーン」
「お待たせしました、ご注文のタルトセットでございます」
「へーくん、話はここまでにして食事にしましょ」
「……そだね」
「ではごゆっくりとお召し上がりーーください」
シュシュシュ
「あーっ、大人化ケーキの効力が切れちゃったー!」
「きゃー、ヘンゼル様の子供姿よ」
「あの姿も可愛くて、庇護欲を掻き立てるわー」
「グレーテル〜大人化ケーキ頂戴〜」
「妹に縋りつくヘンゼル様も可愛い〜」
「私もここでバイトしようかしら」
「働きながら、夫捜しをしてもいいし」
「私は稼いだ給与で、香水を買って旦那様をメロメロにしたいわ」
「あの兄妹も大変ね」
「店長が常に接客係を募集するのも無理ないな」
「へーくん、早速いただきましょう」
「先ずはチーズ味からと」
「ぱくっ」
「ムシャムシャ……こ、この芋は!」
「また始まった」
「先ずは香り、発酵した乳製品の香りは眠気を覚まし、齧ればトロリと柔らかく溶け、その感触を舌で確かめるために目を瞑り、舌で甘く広がるチーズの味が夢と現実の狭間で脳へ伝わる。正に眠りのサイクルといえる三重奏」
「ドーマウスはほぼ眠ってばかりだけどね」
Μ
「次はカボチャ味ね」
「毎日がハロウィンの街で栽培された芋か……果たして」
「はむっ」
「ムシャムシャ…………普通のカボチャだな」
「そうね、でも美味しいわよ」
「そうだ、生産者が明確ではない普通のカボチャだ。だがそれは多くの子供達が種から育て上げたからこそだ。見えるぞ、街の一角にある畑で子供達が自由に種を植え、水を注ぎ、協力して芋づるを引っ張りあげる姿が」
「そうやって子供達は作物を育てる苦労と喜びを学ぶのね」
「おや、満知子も乗ってきたねぇ」
「勘違いしないで、子供達が一所懸命作ったことに共感しただけだからね!」
「はいはい」
Μ
「最後はキョウシュウマウンテンのまかいもね」
「見た目は白くて、普通のジャガイモっぽいな」
「でもヘンゼルさんは注意して食べるようにと言ってたし」
「イクぞ、満知子」
「うん、パクっ」
「ムシャムシャ……美味い」
「何だ……大したことない……ヒック!」
「どうした、満知子っ!」
「はぁはぁ……あーびっくりした」
「急に味が変質したからびっくりしたぞ」
「今の心境を例えると、アタシとへーくんが仲良く手を繋いで歩いていたら、不意に植物が飛び出し、びっくりして腰が抜けた感じだわ」
「デートの雰囲気を打ち壊すハプニングだったな」
「これが教習所だったら、まず判子は押せないでしょうね」
Μ
「食後のタイムティーです」
「落ち着くために紅茶を飲みましょう」
「そうだな満知子、こくっと」
「ゴクっと。ふぅー、もう十二時二十五分か」
「あと五分だな」
「その前に、ティーカップを頂きましょう」
「あぁ、ムシャムシャ」
「パキッ、ポリポリ」
「満知子、取っ手から食うの好きだな〜」
「いいじゃん、へーくんも鯛焼きを尻尾から食べるタイプでしょ」
「お前ら、何故カップを食ってる?」
先程の討伐隊の男が問い掛けてきた。
「そりゃ、紅茶を飲み終えたからだよ」
「へーくん、それじゃ解らないわよ。この店の家財や食器は全部お菓子で出来ているの」
「お菓子だと?」
「ここの店長兼パティシエのグレーテルさんは、あらゆるお菓子を作り出す魔術を得意としてるのさ」
「細工の技術も絶品で、ティーカップや皿,テーブル,椅子,更には店そのものもお菓子で作られているのよ」
「試しに食ってみなよ」
「……」
「大丈夫よ、媚薬成分は一切入っていないから」
「なら、椅子の背もたれから……美味い、クッキーで出来ているのか」
「だろ?カップの殆どは飴で出来てるけど、それ以外の家財は様々な菓子で出来てるんだぜ」
「クッションはスポンジケーキ,テーブルはビスケットとチョコバーで出来てるのか、どんどん食欲が進む」
「豪快な食べっぷり、相当腹ペコだったんだな」
「あの〜お客様」
男を席へと案内したマーチヘアのウェイトレスが男に声をかける。
「すまん、腹が減ったから備品を食べてしまって」
ウェイトレスは男にトレーを差出した。
「私のトレーも食べてください」
「いいのか?」
「はい、どんどん食べてくださいね♪」
「遠慮なく、パリパリ、これは薄いチップスか?」
「せんべいで出来たトレーです」
「こんなに美味しいお菓子、俺の帝国には無かった……美味かった、ありがとう」
「えっ、は、はい、こちらこそ」
「おーっ、ウェイトレスさんが照れてるぞ、これはフラグが立ったか?」
「どのような形で話が曲解するのかしらね」
キンコンカンコーン
『十二時半になりました。タイムサービスを開始します。お客様は何が起こっても、とりあえず愛する人とスキンシップをとってください』
「もう五分経ったのね」
「……」
「へーくん?」
「ウッ!」
「あの、お客様、どうなさいました?」
「身体が、急に熱クナッテ」
「ワッワォーン!」
「ワンワン、ワンワン」
「クゥーン」
「きゃーっ、あたしの夫がブルドックに」
「あの席の男が巨大プードルに!?」
「いやーん、チワワなのにおっきいわぁ」
アタシは驚いた、客席の男達が、巨大な犬に変化し始めたからだ。
「ああん、そんな巨大な性器を見せ付けないで」
「プードルが隣の魔物娘を犯しはじめたぞ!」
「いやーん、可愛い顔して大胆ね」
身体は犬でも男性器はそのままで、そそりたつ剛直で、妻や魔物娘に交尾を始める。
「お客様、ダックスフントの姿でハァハァしながら私を凝視して、ナニを考えてるのですか?」
「ワオッ!」
隣席の討伐隊もダックスフントになって、ウェイトレスを襲う。
「アン、スカートの中に顔を突っ込まないで」
「これは不思議の国で発生するポピュラーなハプニングの一つ、男が巨大な犬になり発情し魔物娘を襲うんだよね?へーくん」
「ハッハッハッ」
へーくんも犬化していた。中ぐらいの長さの垂れ耳,常に高い位置に保つ垂れ尾,ハウンドカラーの毛色
品種名はハーリア
野うさぎを狩る犬
「ワオッ!」
「アタシを狩るつもりね、ならこの吹き込メガホンでーーキャッ、しまったメガホンがっ」ペロペロペロペロ「顔を舐めないで、まだお昼休み中よ!」
「ハッハッハッ!」
「一回だけでいいからヤらせろって?冗談じゃないわ」ペロペロペロ「やめてったら胸をペロペロしないでよ」
「クルルル…」
「ズボンからいやらしい匂いがするって?ちょっと、ズボンを脱がないでっ、いゃぁぁぁ!」
身も心も猛犬と化したへーくんがアタシのオマンコに種付けを始める。
いつもと違う、へーくんのオチンポの感触。
生殖本能に従う獣のようなピストン運動。
犬に狩られる兎ってこんな感じなのかな?
「アンアン、お客様、ここは喫茶店ですよ、そんな事して、責任とってくれますか?」
「ワン!ワン!」
「勿論オッケー?結婚しよう?本当にいいの?」
「ワォン!」
「不思議、鳴き声なのにあなたの言葉が理解できるわ♪」
「討伐隊とウェイトレスは交尾の真っ最中……急ぐのよアタシ、このメガホンさえ届けば……届いた!よし」
アタシはへーくんに命令する。
『へーくん、そんな乱暴にしちゃダメ、優しくシ・テ早x
「ワオ!、ワオ!、ワオ!、ワオ!」
『そう、その調子よ、へーくん、リズムよく、リズムよーく♪』
そうよ、これがいつものへーくんよ。
普段はお調子者だけど、アタシとエッチするときは優しいへーくん。
アタシを狂わせることなく、リズムよく犯し、次の朝を気持ちよく迎える。
『感じるよ、へーくんの精液が、へーくんの優しさが、もっと楽しみましょ』
アタシは休憩時間を過ぎてもへーくんに犯され続けた。
参ったわ巣Iチンポには勝てなかったよ
Μその夜Μ
Μ飛脚運送Μ
「只今戻りました」
参ったわ。へーくんを止めるつもりが、逆に火が点き、自ら犯されることを選び、気付けば夜の八時。
ブルーグさんはアタシ達の姿を見て、理由を察したようで追究はしなかった。
ただ、土気衛門さんはしかめっ面で、お菓子を詰め合わせた大籠をアタシ達に押し付けてきて……
「さっきタマゴの里の住民か連絡があってなぁ、パーティー用のお菓子一式を里に届けて欲しいそうだ」
「この量をですか?」
「今こちとら手が離せねえんだ、てめえら二人でとっとと運びやがれぇ!」
「「はいっ!」」
「そしてハツタってガキに渡せぃ!」
「……わかりました、ちゃんと指定された相手に渡します。行こう、へーくん」
「おう!」
※ブルーグ視点※
「兄上殿は優しいのう」
「てやんでぃ、あっしは頼まれた依頼をあいつらに押しつけただけでぃ」
「満知子に平也よ、友達を大切にね……」
Μ満知子視点Μ
アタシとへーくんは、軽快な足取りへ里へ迎う。
小さな宝箱に大量の菓子と無量の飲料を詰めて。
今日はどんなパーティーが行われるのかな。
Μ続くΜ
Μ満知子視点Μ
「こちらにお座りください」
チェシャ猫のウェイトレスに屋外席へと案内されたアタシ達。
「満知子、この椅子はフレークで出来てるんだな」
「へーくん、アタシのはラムネで出来てるわよ」
「見て、ヘンゼル様よ」
「既婚じゃ無ければテイクアウトなのに」
見た目は好青年なウェイターがアタシとへーくんが座る席へと向かう。
「いらっしゃいませ、満知子様と平也様。いつも当店にご来店いただき誠にありがとうございます」
「ヘンゼルさん、いつもの日替わりタルトセットを二つと、タイムティーを二杯」
「畏まりました、満知子様。紅茶は食前と食後、どちらに致しましょうか?」
「食後で」
「畏まりました」
「本日のタルトは、ソーンファームのドーマウス四姉弟自家製のチーズ味,トリックストリート産のカボチャ味,そしてキョウシュウマウンテンの教習所で収穫された特産品となっております」
「ぬわにぃ、あの教習所から収穫されただとぉ!」
「あそこって芋を栽培してたかしら?」
「自然に生えた変種で、処分という形で教官から譲り受けました」
「処分って、大丈夫なのそれ?」
「グレー……店長によれば刺激的な味なので、食べる際はくれぐれも注意してくださいとのことです」
「ふーん、あれ?隣の席に来店者が来たようね」
「お席はこちらです」
マーチヘアのウェイトレスに案内された男が隣席に座る。さっきとは別の討伐隊だ。
「飯を食わせてくれ、金ならある」
「ご注文は?」
「そうだな、日替りタルトセットとは何だ?」
「まかいものタルトでして、三種類のタルトが味わえます。媚薬成分は一切無く、来訪者の方々にもオススメです」
「この値段なら安いな、タルトセットを一つ」
「畏まりました、お飲み物としてタイムティーは如何ですか?無料ですよ」
「……それも貰おう」
「ご注文は以上で宜しかったでしょうか?」
「ああ」
「畏まりました」
マーチヘアのウェイトレスは厨房へと向かう。
その足取りはウキウキしながらであることにアタシは見逃さなかった。
「満知子、教習所といえば、雑貨屋のフルーフ夫妻もキョウシュウマウンテンで免許をとったのかな?」
「バイクだからあの山にある教習所で免許を所得したと見て間違いないわね」
「だよな、魔界豚やスクーターならソーンファームにある教習所で充分だからな」
「この国でも運転免許が必要とはね」
「仕方ないさ、不思議の国は男女があらゆる場所で交わる事が出来る理想郷」
「確かに道路の真ん中や、建物裏で平然と交わっても不思議じゃないわ」
「んー♪」
「チュッチュ促
「向かいで熱い接吻をする夫婦がいても不思議じゃないよね♪」
「情事の最中に、騎乗による接触で雰囲気を壊さないためにも、運転技術が必要なのよね」
「それに〜各所ではワープ系の仕掛けが多くて〜口付けしたり〜相手の部位を刺激しあうことで目的地にワープ出来るから〜騎乗による移動手段なんて不要だよね〜ハートの女王様〜素晴らしい仕掛けを生み出してくれてありがと〜」
「そうね、移動手段としては便利ね」
「……」
「どうしたの、へーくん」
「さっきからオレ達、まともな会話しかしてないと思ってさ」
「今は交わりに帰結する会話をする気はないわよ(^^)」
「ショボーン」
「お待たせしました、ご注文のタルトセットでございます」
「へーくん、話はここまでにして食事にしましょ」
「……そだね」
「ではごゆっくりとお召し上がりーーください」
シュシュシュ
「あーっ、大人化ケーキの効力が切れちゃったー!」
「きゃー、ヘンゼル様の子供姿よ」
「あの姿も可愛くて、庇護欲を掻き立てるわー」
「グレーテル〜大人化ケーキ頂戴〜」
「妹に縋りつくヘンゼル様も可愛い〜」
「私もここでバイトしようかしら」
「働きながら、夫捜しをしてもいいし」
「私は稼いだ給与で、香水を買って旦那様をメロメロにしたいわ」
「あの兄妹も大変ね」
「店長が常に接客係を募集するのも無理ないな」
「へーくん、早速いただきましょう」
「先ずはチーズ味からと」
「ぱくっ」
「ムシャムシャ……こ、この芋は!」
「また始まった」
「先ずは香り、発酵した乳製品の香りは眠気を覚まし、齧ればトロリと柔らかく溶け、その感触を舌で確かめるために目を瞑り、舌で甘く広がるチーズの味が夢と現実の狭間で脳へ伝わる。正に眠りのサイクルといえる三重奏」
「ドーマウスはほぼ眠ってばかりだけどね」
Μ
「次はカボチャ味ね」
「毎日がハロウィンの街で栽培された芋か……果たして」
「はむっ」
「ムシャムシャ…………普通のカボチャだな」
「そうね、でも美味しいわよ」
「そうだ、生産者が明確ではない普通のカボチャだ。だがそれは多くの子供達が種から育て上げたからこそだ。見えるぞ、街の一角にある畑で子供達が自由に種を植え、水を注ぎ、協力して芋づるを引っ張りあげる姿が」
「そうやって子供達は作物を育てる苦労と喜びを学ぶのね」
「おや、満知子も乗ってきたねぇ」
「勘違いしないで、子供達が一所懸命作ったことに共感しただけだからね!」
「はいはい」
Μ
「最後はキョウシュウマウンテンのまかいもね」
「見た目は白くて、普通のジャガイモっぽいな」
「でもヘンゼルさんは注意して食べるようにと言ってたし」
「イクぞ、満知子」
「うん、パクっ」
「ムシャムシャ……美味い」
「何だ……大したことない……ヒック!」
「どうした、満知子っ!」
「はぁはぁ……あーびっくりした」
「急に味が変質したからびっくりしたぞ」
「今の心境を例えると、アタシとへーくんが仲良く手を繋いで歩いていたら、不意に植物が飛び出し、びっくりして腰が抜けた感じだわ」
「デートの雰囲気を打ち壊すハプニングだったな」
「これが教習所だったら、まず判子は押せないでしょうね」
Μ
「食後のタイムティーです」
「落ち着くために紅茶を飲みましょう」
「そうだな満知子、こくっと」
「ゴクっと。ふぅー、もう十二時二十五分か」
「あと五分だな」
「その前に、ティーカップを頂きましょう」
「あぁ、ムシャムシャ」
「パキッ、ポリポリ」
「満知子、取っ手から食うの好きだな〜」
「いいじゃん、へーくんも鯛焼きを尻尾から食べるタイプでしょ」
「お前ら、何故カップを食ってる?」
先程の討伐隊の男が問い掛けてきた。
「そりゃ、紅茶を飲み終えたからだよ」
「へーくん、それじゃ解らないわよ。この店の家財や食器は全部お菓子で出来ているの」
「お菓子だと?」
「ここの店長兼パティシエのグレーテルさんは、あらゆるお菓子を作り出す魔術を得意としてるのさ」
「細工の技術も絶品で、ティーカップや皿,テーブル,椅子,更には店そのものもお菓子で作られているのよ」
「試しに食ってみなよ」
「……」
「大丈夫よ、媚薬成分は一切入っていないから」
「なら、椅子の背もたれから……美味い、クッキーで出来ているのか」
「だろ?カップの殆どは飴で出来てるけど、それ以外の家財は様々な菓子で出来てるんだぜ」
「クッションはスポンジケーキ,テーブルはビスケットとチョコバーで出来てるのか、どんどん食欲が進む」
「豪快な食べっぷり、相当腹ペコだったんだな」
「あの〜お客様」
男を席へと案内したマーチヘアのウェイトレスが男に声をかける。
「すまん、腹が減ったから備品を食べてしまって」
ウェイトレスは男にトレーを差出した。
「私のトレーも食べてください」
「いいのか?」
「はい、どんどん食べてくださいね♪」
「遠慮なく、パリパリ、これは薄いチップスか?」
「せんべいで出来たトレーです」
「こんなに美味しいお菓子、俺の帝国には無かった……美味かった、ありがとう」
「えっ、は、はい、こちらこそ」
「おーっ、ウェイトレスさんが照れてるぞ、これはフラグが立ったか?」
「どのような形で話が曲解するのかしらね」
キンコンカンコーン
『十二時半になりました。タイムサービスを開始します。お客様は何が起こっても、とりあえず愛する人とスキンシップをとってください』
「もう五分経ったのね」
「……」
「へーくん?」
「ウッ!」
「あの、お客様、どうなさいました?」
「身体が、急に熱クナッテ」
「ワッワォーン!」
「ワンワン、ワンワン」
「クゥーン」
「きゃーっ、あたしの夫がブルドックに」
「あの席の男が巨大プードルに!?」
「いやーん、チワワなのにおっきいわぁ」
アタシは驚いた、客席の男達が、巨大な犬に変化し始めたからだ。
「ああん、そんな巨大な性器を見せ付けないで」
「プードルが隣の魔物娘を犯しはじめたぞ!」
「いやーん、可愛い顔して大胆ね」
身体は犬でも男性器はそのままで、そそりたつ剛直で、妻や魔物娘に交尾を始める。
「お客様、ダックスフントの姿でハァハァしながら私を凝視して、ナニを考えてるのですか?」
「ワオッ!」
隣席の討伐隊もダックスフントになって、ウェイトレスを襲う。
「アン、スカートの中に顔を突っ込まないで」
「これは不思議の国で発生するポピュラーなハプニングの一つ、男が巨大な犬になり発情し魔物娘を襲うんだよね?へーくん」
「ハッハッハッ」
へーくんも犬化していた。中ぐらいの長さの垂れ耳,常に高い位置に保つ垂れ尾,ハウンドカラーの毛色
品種名はハーリア
野うさぎを狩る犬
「ワオッ!」
「アタシを狩るつもりね、ならこの吹き込メガホンでーーキャッ、しまったメガホンがっ」ペロペロペロペロ「顔を舐めないで、まだお昼休み中よ!」
「ハッハッハッ!」
「一回だけでいいからヤらせろって?冗談じゃないわ」ペロペロペロ「やめてったら胸をペロペロしないでよ」
「クルルル…」
「ズボンからいやらしい匂いがするって?ちょっと、ズボンを脱がないでっ、いゃぁぁぁ!」
身も心も猛犬と化したへーくんがアタシのオマンコに種付けを始める。
いつもと違う、へーくんのオチンポの感触。
生殖本能に従う獣のようなピストン運動。
犬に狩られる兎ってこんな感じなのかな?
「アンアン、お客様、ここは喫茶店ですよ、そんな事して、責任とってくれますか?」
「ワン!ワン!」
「勿論オッケー?結婚しよう?本当にいいの?」
「ワォン!」
「不思議、鳴き声なのにあなたの言葉が理解できるわ♪」
「討伐隊とウェイトレスは交尾の真っ最中……急ぐのよアタシ、このメガホンさえ届けば……届いた!よし」
アタシはへーくんに命令する。
『へーくん、そんな乱暴にしちゃダメ、優しくシ・テ早x
「ワオ!、ワオ!、ワオ!、ワオ!」
『そう、その調子よ、へーくん、リズムよく、リズムよーく♪』
そうよ、これがいつものへーくんよ。
普段はお調子者だけど、アタシとエッチするときは優しいへーくん。
アタシを狂わせることなく、リズムよく犯し、次の朝を気持ちよく迎える。
『感じるよ、へーくんの精液が、へーくんの優しさが、もっと楽しみましょ』
アタシは休憩時間を過ぎてもへーくんに犯され続けた。
参ったわ巣Iチンポには勝てなかったよ
Μその夜Μ
Μ飛脚運送Μ
「只今戻りました」
参ったわ。へーくんを止めるつもりが、逆に火が点き、自ら犯されることを選び、気付けば夜の八時。
ブルーグさんはアタシ達の姿を見て、理由を察したようで追究はしなかった。
ただ、土気衛門さんはしかめっ面で、お菓子を詰め合わせた大籠をアタシ達に押し付けてきて……
「さっきタマゴの里の住民か連絡があってなぁ、パーティー用のお菓子一式を里に届けて欲しいそうだ」
「この量をですか?」
「今こちとら手が離せねえんだ、てめえら二人でとっとと運びやがれぇ!」
「「はいっ!」」
「そしてハツタってガキに渡せぃ!」
「……わかりました、ちゃんと指定された相手に渡します。行こう、へーくん」
「おう!」
※ブルーグ視点※
「兄上殿は優しいのう」
「てやんでぃ、あっしは頼まれた依頼をあいつらに押しつけただけでぃ」
「満知子に平也よ、友達を大切にね……」
Μ満知子視点Μ
アタシとへーくんは、軽快な足取りへ里へ迎う。
小さな宝箱に大量の菓子と無量の飲料を詰めて。
今日はどんなパーティーが行われるのかな。
Μ続くΜ
14/04/13 22:58更新 / ドリルモール
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