三年と五日目 朝
身体が妙に重い。
心当たりはある。
昨日、あまりにも射精しすぎたということだ。
「ちょ、ちーくん? 大丈夫?」
若干ふらついていたようで、姉さんが肩を支えてくれた。昨日のことを思い出してか、お腹がかあっと熱くなる。
「ちょっと、身体が重くて……」
「学校休む?」
連絡するけど、とスマホを手に取る姉さん。
「風呂入ってから決める」
「ん、わかった」
そういうことになった。
風呂はいつもと変わらない暖かさで俺を受け入れる。風呂に浮くと、少し身体が楽になる。お湯のとろみに、オナホールの粘液を思い出し股間が反応した。
元気すぎる息子は勘違いに気がつかずにそそり立っている。日々成長してないか? 面倒見てらんねえや。
それにしても。
似ている。風呂の水とあの粘液。ローションの質に詳しいわけでもないから、ただ単に区別がつかないだけなんだろうけど。
「全部姉さんならいいのに」
そんな妄想が口をついて出た。
この風呂の水が全部姉さんで、あのオナホールも本当は姉さんで。
「なんてな」
それがただの妄言であることは理解している。姉さんの重い粘液と、この軽い水では違いすぎる。
ただ、風呂の水が、昨日の情事の時に感じた、どろどろと重い姉さんの粘液だったらと思うと、勘違いしたままの肉棒がぴくりと反応した。
ちーくんの体調が悪い。
流石に一気に進め過ぎたか? 麻酔の量ミスったのかな? そんなことないと思うんだけど。
身体に負担は無いはずだけど、身体が重いってことは。
あぁ、そうか。私の組織自体が重いのだ。解決するにはちーくんの足の骨と筋肉をなんとかしないといけない。
支えられないことはないだろうけど、慣れてないからバランスが悪いのだろう。
そんなことを考えていると、風呂の水の私が、とんでもない言葉を聞き取った。
『全部姉さんならいいのに……』
どろりと粘液が広がった。
待て。私。今は深夜じゃない。
でもちーくんが全部私ならと言ったのだ。全部私にするのが筋ではないか?
脳内の私が叫んだ。
今すぐセックスしたい! しなければならない!
その時の私は処女の魔物娘の悪いところが完全に出ていた。
風呂の水の私が全身全霊でちーくんを陵辱する準備を完了した。
ちーくんが口を開く。
『なんてな』
ああーそうだよね! よかったぁー!
私は残念な気持ちと安心感に包まれて放尿した。というか放液した。ちょっと涙も出た。
カウパー腺の私もちょろっと泣き出してしまったのは秘密だ。
風呂の中で脚を揉んだからか、重かった身体はある程度マシになっていた。
バスタオルの肌触りの良さが、姉さんの服の感触に似ている気がして息子が反応した。
なんなんだこいつは。
姉さんに言うか?
朝から?
でも、明らかに隠せないくらいに大きくなっている。
昨日の夜、一人でした時の罪悪感を思い出した。あんな話をしていてすぐに裏切ってしまったのだ。
よし、言おう。昨日、一人でしたことも謝ろう。
「あ、ちーくん。大丈……夫……」
姉さんの視線は股間に釘付けだった。身体が嘘のように熱い。
言うまでもなかった。
それでも俺は言った。
「朝からごめん、姉さん。抜いてほしい。あと昨日の夜、一人でしちゃった。ごめん」
「えっ!? いや、それはいいんだけど……」
姉さんは目に見えて動揺していた。
当然だろう。
「えと、じゃあ。ご飯食べてからにする? それとも先にシちゃう?」
「先にシたい」
言葉だけはまるで仕事帰りの新婚夫婦のようなやり取りだ。
実際は風呂上がりに弟が姉に射精をお願いしているのだから救いがない。
「じゃ、じゃあ。ここ座って」
ソファに移動して、下半身をどろどろの粘液にした姉さんの上に座り込む。俺は全裸で、姉さんの熱が直接伝わって来ていた。
姉さんが手を伸ばす。
「うわぁ……」
ビキビキと張り詰め、赤黒い先端からだらだらと先走りを溢すそれに姉さんの手が触れた。
待ち侘びた粘度の高い姉さんの粘液が、コーティングするように塗りつけられる。
どろどろと広がったそれが、昨日と同じように下半身を包み込む。
「ちーくん、疲れてるみたいだから脚揉みながらするね」
姉さんはどろりと重たい粘液で脚を圧迫しながら手を動かし始めた。
くちゅくちゅと液が混ざりあう。
姉さんの熱が直接怒張に伝わってくる。
それを認識した途端俺は射精していた。
「ぐっ!?」
いつになく量の多い射精。びゅるびゅると途切れることなく出続ける白い液体が、びちゃびちゃと姉さんの手に、粘液に降り注ぐ。
しかしそれでも落ち着かない俺の様子に、姉さんは再び手を動かし始めた。
「ちょっと、リラックスしよっか」
そしてどろどろとした粘液が精巣を、アナルを、下腹部を押すように纏わり付いてくる。
俺は息をするので精一杯で、ぐったりと姉さんにもたれ掛かっていた。
「息を吸ってー」
姉さんの言う通り呼吸をする。
姉さんの圧迫が緩む。
もう空気が伝う感触すら気持ちいい。
姉さんの細い手が、俺の太い肉棒の上で軽やかに踊る。
「吐いてー」
ふうっと息を吐き出す。
圧迫が強まる。
下腹部が凹まされ、精巣が揉み潰され、アナルを周囲ごと押し込まれる。じわじわと痺れるような快感が全身に伝わった。
姉さんが手の締め付けをきつくする。
気がつけば射精していた。
びちゃびちゃと飛び散ったそれを、姉さんの粘液が回収する。
「吸ってー」
反対側の耳を粘液で塞がれ、姉さんの声以外聞こえない。
快感に潰れた身体が膨らんでいく。
呆けた頭がはっきりしていく。
空気の冷たさが身体中に満ちるのが気持ちよくて、こぽりと小さく射精した。姉さんがそれを塗り広げる。
「吐いてー」
冷たい空気が全身から抜けていく。
熱という快感だけが残った身体に、姉さんの粘液が過剰な快感を伝えてくる。
姉さんは肉棒から右手を離し、ぐっと下腹部を押していた。燃えるような快感が全身を焦がした。
射精。姉さんの粘液が全て受け止める。
「吸ってー」
身体の熱が嘘のように引いていく。
姉さんの香りが全身に満ちる。
頭が覚め、急に空腹感を覚えた。
全身が軽くなっているのを感じた。
「落ち着いた?」
見ると、あれだけ元気だった息子が首を垂れていた。
軽くなった身体に力を入れると、姉さんがするすると粘液を戻した。
「助かったよ姉さん。いやホント」
「気にしないで、私もちーくんにしてあげたいから」
そんなことを言われるとまた息子が起きるんじゃないかと不安だったが、とりあえず満足したのか息子はゆっくり眠っていた。
姉さんは照れくさそうに言った。
「じゃ、ご飯食べてね」
先にこれでもかと空腹感を覚えたからか、今日の朝食は実に美味かった。じわじわと幸福感と快楽が胃袋から全身に伝わっていくのを感じれるほどだ。
姉さんは嫁入り修行中だ。
俺が結婚してぇな。心からそう思った。
学校に着くや否や、隣の席の水谷さんが言った。
「おっ、上手くいったみたいだねえ」
俺はふふんと笑って言った。「わかるのか?」
「そりゃわかるよ」
水谷さんは続ける。
「すっごい匂いしてるよ。魔物娘の匂い」
「あ、そういうのわかるんだ」
「そりゃわかるよ。香水つけてたらはっきりとわかるでしょ? そんな感じ」
なるほどね。俺はふんふん頷いた。
「助かったよ、ありがとう」
「いいのいいのー」水谷さんは口の端を歪めた。「で、お姉さんって何の魔物娘なの?」
「なんか、ショゴス? とかいうらしいけど、調べてもあんまり分からないんだよね」
「ショゴッ……!」
水谷さんが硬直した。
俺が「知ってるのか?」と聞くと、水谷さんは大きくため息を吐いた。
「うーん、まあ確かに調べてもあんまり出ないかもね。それにしてもスゴいのがお姉さんになったもんだね」
「どんな魔物娘なんだ? 教えてくれ」
俺はワクワクして尋ねた。
水谷さんはしばらく悩み込んだあと、「私もあんまり良くは知らないんだけど」と、前置きし落ち着かなさそうにキョロキョロしながら話し始めた。
まず、ショゴスは粘液系の魔物娘の中でもかなり強力な方らしい。そして思考がエロい、と水谷さんは付け加えた。そこ重要よ。
で、擬態が恐ろしく上手いと。俺は頷いた。それは俺も良く知るところである。
「で、一番これが重要なとこ。一途なのよ。すっごい一途」
「良いことじゃないの? というか、魔物娘って大体一途だよね」
犬飼が口を挟んだ。
水谷さんはわかってないなとでも言うように首を振った。
「レベルが違うのよ。そりゃ私も一途よ? でもショゴスとは比べものになんないわ。というか大体の魔物娘は比べものになんない。奉仕種族って言うぐらいだから」
「良くわからんのだが」
俺が言うと、水谷さんは「例えば」と俺に指を突きつけた。
「千秋くんは喉が渇きました。どうしますか」
「そりゃ水飲むだろ」俺は答えた。
「ぶっぶー、外れ。正解は、お姉さんを飲むでした。お姉さんに水を飲ませてもらう、でもギリアウトかな? 多分口移しならOK」
考えがエロいから、と水谷さんは締めた。
「えぇ……でも、姉さんそういうとこ一切見せたこと無いぞ?」
水谷さんは笑顔で言った。
「そりゃ一途だからね。相手の望まないことはしたくない、ってのがあるから。それだけ大事にされてるってことだよ。この幸せ者めー!」
俺は今までの姉さんの姿を思い出していた。確かに姉さんは何かを頼むと、大抵それを叶えてくれる。でも、姉さんから何か言ってきたことは無かった。
あったのは、エッチなこと絡みの時だけ。
俺は水谷さんに尋ねた。
「何か好きなこととかって無いのか? エロいこと以外で」
「んー、細かいところで個人差は激しいけど」水谷さんは悪戯っぽく笑った。「身体の一部を食べるか飲む。これ鉄板ね。粘液系の魔物娘でこれ嫌いなのいないから」
俺はううむと考え込んだ。何かが腑に落ちた気がした。
カウパー腺で媚薬粘液を作るのは、エンドレスになるからちーくんしんどいかな、なんて考えていると。
ちーくんが出かけて。
ふふ。
私はどうしようもなく高揚していた。
ついに。ついにちーくんから直接精液を貰えたのだ。
これは結婚なのでは?
確実に結婚だわ。
いいや焦るな私。ねっとりじっくり距離を縮めた三年間を捨てる気か。
ちーくんはその辺疎いから、踏み込みすぎると引かれるぞ。
脳内私会議は紛糾した。
とりあえずやることをやらなければ。
私は分身を作って自分の学校に送り込み、ちーくんと肌を重ねた場所を念入りに掃除する。
精液の一滴も逃さんと目を皿にしていると、ちーくんがまたあのスライムと会話しているのが聞こえてくる。むむっ。そちらに意識を向ける。
その一部始終をちーくんの髪の毛から見た私は水谷さんに感謝しきりだった。
ただのスライムから水谷さんに大幅に格上げした。
私たちショゴスのコアな部分を一切話に出さず、好むものを伝えて、私とちーくんを持ち上げ、かつテンションのままにちーくんに触れたりしていない。
人間できているなぁ、と素直に思った。
こうしてはいられない。水谷さんがこちらに寄越したパスを私が活かさないと、恐らくちーくんは身を引いてしまうだろう。ちーくんは優しいのだ。そして私に興味を持っている。嬉しい。
しかしあまりおおっぴらにすると私の盗み聞きがバレる。ほどほどにしなければ。
私は自分を戒めるように言い聞かせるのだった。
「姉さん、ちょっと話があるんだけど」
俺は晩飯の用意をする姉さんに声をかけた。
「ん? 何ー? かしこまっちゃって」
「その」俺は言葉を選んだ。「飲み物のことなんだけど」
くそう。ただ「姉さんが飲みたい」って言うだけなのになぜこんなにも難しいのか。当たり前か。どんなワードだ。
姉さんは手を止めずに聞いてくる。
「あ、なんか気に入ったのあった? なんなら買ってくるけど」
「いや」俺は腹を決めた。じわり、と思いに応えるように熱くなる。「姉さんの、粘液が飲みたい」
空気が硬直した。姉さんの薄紫色の顔が真っ赤になっていて、その口元は確かに笑みを形作っていた。「へ?」気の抜けた音がした。
俺は畳み掛けた。
「姉さんの粘液を飲んでみたいんだよ」
なんとか調子を取り戻した姉さんが、ようやく言葉を絞り出す。
「わっ、わかった。準備しとくね」
「うん」俺は続けた。「よろしく」
俺の心は歴戦の戦士のように落ち着いていた。もう少しすれば、準備も完了するだろう。
戦いの日は近い。
スゴいよ水谷さん!
私は狂喜乱舞したかったがそれを全力で押さえた。
やっとの事で言葉は捻り出したが、心は混乱していた。
どっちだ?
私はあくまで姉として動くべきか。
それとも魔物娘として動くべきか。
どう動いても私は嬉しいし、ちーくんは私を受け入れてくれるだろう。
だからこそ、ちーくんはどっちを望んでいるか、それが問題だ。
朝からずっと考えて、未だに答えの出ない難問だ。
ちーくんは私が好きだ。そして私もちーくんが好きだ。
そして、ちーくんは姉が好きで、私も弟が好きでもある。
どちらの態度を優先すべきか。
私の一存で決められることではない。
だが、決めなければならない。
あと十分もあれば料理の支度は完了するだろう。
踏み込むべきか否か。
いや。私は思った。私は踏み込めるのか?
私が思考に没頭していても手は勝手に動く。
す、と思考が冷めた。
そもそも私はちーくんに対して、恋人として要求することができるのか?
それではいつまで経っても私は。
私は、どうするべきなのだろう。
料理が机に並べられるのを、俺は椅子に座って見ていた。
コトリ、コトリと皿が置かれ。
最後の一つ。
姉さんが注がれたグラスが置かれた。
ワインのようにも見える色合い。薄く光を通すそれは、濃い女の、姉さんの匂いを発していた。
心臓が高鳴る。身体が熱くなる。
姉さんが向かいの机に座った。
その顔からは僅かに苦悩が見て取れた。
「頂きます」
いつになく重苦しい食事だった。
味はいつもと変わらず、胃は幸福感を伝えて来ているのに、脳がそれを拒んでいるかのように感じた。
黙々と食べ進めて、いよいよ手をつけていないグラス以外が空になる。
グラスを手に取る。食事中にずっと嗅いでいた匂いが強まった。
姉さん。姉さんのどこか悲しそうな顔が目に入った。三年間見続けた顔。微細な変化だってわかる。
俺は言った。
「姉さん」
「な、なに?」
何かに恐怖したように震えた声だ。
俺はグラスを置いて目を閉じた。
そして軽く上を向いて口を開ける。目元は手で隠す。
どう転ぶかはわからない。だが、姉さんがそんな顔をしているのを黙って見てられはいないのだ。
「これで俺は何も見えないから」
続ける。
「姉さんの好きなように」言い切った。「飲ませて」
腰が震えた。興奮か、恐怖か。その両方か。
しっかりと手で目を覆ったちーくんからは、本当に何も見えないだろう。
「はぁっ、はぁっ」
自分の荒い息遣いだけがリビングに響いた。
グラスで飲ませるつもりはない。
ならば口移しか、とちーくんも知ってる解答が頭をよぎる。
しかし。
『姉さんの好きなように』
ちーくんは自分で目を隠してる。見て見ぬふりをしてくれる。
それは、私がちーくんに強要したも同じ、私の甘えに過ぎない。
私が本当にやりたいこと。
それはなんだ。
口移しで粘液を飲ませたい。
それは間違いない。
だがそれが一番やりたいことか?
この期に及んで妥協は許されない。
ちーくんは許してくれるだろう。恋人として受け入れてくれるだろう。
だが。
ちーくんが許しても、ちーくんに許させてしまった自分が許せない。
私は。
ぎし、と机が軋んだ。
粘液を支えに浮かび上がった私の身体が、ちーくんを跨ぐ。
こんなことちーくんが目を隠していなければ絶対にできない。
泣きたいほどに妥協はない。
ちーくんは、きっと今、恐ろしいほどに濃い女の、私の匂いを嗅ぎ取っているだろう。
それを想像すると。
こぽり、りと泡だった粘液が。
私の秘部から垂れ落ちた。
「はっ、はぁっ、ぁっ」
ちーくんが私の粘液を。
ちーくんの口に。
ちーくんが起きている時に。
ちーくんが望んで。
こぷりこぷり。次から次へと垂れてくる粘液を、柔らかく動く舌で執拗に味わった後で胃へとゆっくり流し込んでいく。
「ぎっ、イっ、はぁっ」
ちーくんが私を飲んでいる事実でイく。ちーくんの甘い息遣いでイく。ちーくんが私を味わっている。イく。
ぷし、と絶頂で飛んだ粘液を、ちーくんの舌が舐めとる。
私の身体が少しずつ下がっていく。
蠢く舌に、息遣いに惹かれるように。
ちーくんが。ちーくんの。舌が。唇が。
欲望を煮詰めたようなどろどろとした粘液が垂れる。もう意識しても止められない。
ちーくんの息遣いが荒い。ちーくんも興奮している。嬉しい。粘液が漏れる。
ぴとり、と唇が。
私の下の唇と。
触れた。
「あ゛ぁっ!」
私は堪らずちーくんの頭を掴んで腰を押し付けていた。放ったものが溢れないように。
頭に走った電流に支えにしていた粘液が崩れ、私の体重がちーくんの頭にかかる。
それを防ぐために太ももをちーくんの肩にかける。
更に密着する。
私は獣のような声を上げてイった。
強すぎる絶頂に腰が引ける。ちーくんが離れる。嫌だ。
ちーくんの顔を股間に押し付ける。秘裂が全て、ちーくんの口に入るように。
歯が当たる。
イく。
荒い鼻息が当たる。
イく。
どろどろと身体が粘液に戻っていく。それでもちーくんが触れている場所だけは絶対に崩さない。
ちーくんが更に大きく口を開けたのがわかった。すかさず私のシロップが流れ込む。
何をしようとしているかがわかる。期待と恐怖に身がすくむ。
「はぁっ、やっ、やめっーー!」
ベロリ、と。
肉厚な舌が陰唇に沿って舐め上げた。
プシッと潮が飛んだ。ちーくんの顔についたそばから崩れ落ちた粘液がそれを舐めとる。
舐められ、ほじられ、甘く唇で噛まれ、圧されて。
崩れた身体がちーくんの興奮を捉えた瞬間、床に広がっていた私がちーくんに殺到した。
パンツが私に戻る。
ちーくんが私を舐めている。私を味わっている。
喉を超えてなお余るであろう、胃まで犯す期待の持てる剛直が目の前にそそり立っている。
私も味わいたい。舐めたい。
私は躊躇いなく奥まで呑み込んだ。
心当たりはある。
昨日、あまりにも射精しすぎたということだ。
「ちょ、ちーくん? 大丈夫?」
若干ふらついていたようで、姉さんが肩を支えてくれた。昨日のことを思い出してか、お腹がかあっと熱くなる。
「ちょっと、身体が重くて……」
「学校休む?」
連絡するけど、とスマホを手に取る姉さん。
「風呂入ってから決める」
「ん、わかった」
そういうことになった。
風呂はいつもと変わらない暖かさで俺を受け入れる。風呂に浮くと、少し身体が楽になる。お湯のとろみに、オナホールの粘液を思い出し股間が反応した。
元気すぎる息子は勘違いに気がつかずにそそり立っている。日々成長してないか? 面倒見てらんねえや。
それにしても。
似ている。風呂の水とあの粘液。ローションの質に詳しいわけでもないから、ただ単に区別がつかないだけなんだろうけど。
「全部姉さんならいいのに」
そんな妄想が口をついて出た。
この風呂の水が全部姉さんで、あのオナホールも本当は姉さんで。
「なんてな」
それがただの妄言であることは理解している。姉さんの重い粘液と、この軽い水では違いすぎる。
ただ、風呂の水が、昨日の情事の時に感じた、どろどろと重い姉さんの粘液だったらと思うと、勘違いしたままの肉棒がぴくりと反応した。
ちーくんの体調が悪い。
流石に一気に進め過ぎたか? 麻酔の量ミスったのかな? そんなことないと思うんだけど。
身体に負担は無いはずだけど、身体が重いってことは。
あぁ、そうか。私の組織自体が重いのだ。解決するにはちーくんの足の骨と筋肉をなんとかしないといけない。
支えられないことはないだろうけど、慣れてないからバランスが悪いのだろう。
そんなことを考えていると、風呂の水の私が、とんでもない言葉を聞き取った。
『全部姉さんならいいのに……』
どろりと粘液が広がった。
待て。私。今は深夜じゃない。
でもちーくんが全部私ならと言ったのだ。全部私にするのが筋ではないか?
脳内の私が叫んだ。
今すぐセックスしたい! しなければならない!
その時の私は処女の魔物娘の悪いところが完全に出ていた。
風呂の水の私が全身全霊でちーくんを陵辱する準備を完了した。
ちーくんが口を開く。
『なんてな』
ああーそうだよね! よかったぁー!
私は残念な気持ちと安心感に包まれて放尿した。というか放液した。ちょっと涙も出た。
カウパー腺の私もちょろっと泣き出してしまったのは秘密だ。
風呂の中で脚を揉んだからか、重かった身体はある程度マシになっていた。
バスタオルの肌触りの良さが、姉さんの服の感触に似ている気がして息子が反応した。
なんなんだこいつは。
姉さんに言うか?
朝から?
でも、明らかに隠せないくらいに大きくなっている。
昨日の夜、一人でした時の罪悪感を思い出した。あんな話をしていてすぐに裏切ってしまったのだ。
よし、言おう。昨日、一人でしたことも謝ろう。
「あ、ちーくん。大丈……夫……」
姉さんの視線は股間に釘付けだった。身体が嘘のように熱い。
言うまでもなかった。
それでも俺は言った。
「朝からごめん、姉さん。抜いてほしい。あと昨日の夜、一人でしちゃった。ごめん」
「えっ!? いや、それはいいんだけど……」
姉さんは目に見えて動揺していた。
当然だろう。
「えと、じゃあ。ご飯食べてからにする? それとも先にシちゃう?」
「先にシたい」
言葉だけはまるで仕事帰りの新婚夫婦のようなやり取りだ。
実際は風呂上がりに弟が姉に射精をお願いしているのだから救いがない。
「じゃ、じゃあ。ここ座って」
ソファに移動して、下半身をどろどろの粘液にした姉さんの上に座り込む。俺は全裸で、姉さんの熱が直接伝わって来ていた。
姉さんが手を伸ばす。
「うわぁ……」
ビキビキと張り詰め、赤黒い先端からだらだらと先走りを溢すそれに姉さんの手が触れた。
待ち侘びた粘度の高い姉さんの粘液が、コーティングするように塗りつけられる。
どろどろと広がったそれが、昨日と同じように下半身を包み込む。
「ちーくん、疲れてるみたいだから脚揉みながらするね」
姉さんはどろりと重たい粘液で脚を圧迫しながら手を動かし始めた。
くちゅくちゅと液が混ざりあう。
姉さんの熱が直接怒張に伝わってくる。
それを認識した途端俺は射精していた。
「ぐっ!?」
いつになく量の多い射精。びゅるびゅると途切れることなく出続ける白い液体が、びちゃびちゃと姉さんの手に、粘液に降り注ぐ。
しかしそれでも落ち着かない俺の様子に、姉さんは再び手を動かし始めた。
「ちょっと、リラックスしよっか」
そしてどろどろとした粘液が精巣を、アナルを、下腹部を押すように纏わり付いてくる。
俺は息をするので精一杯で、ぐったりと姉さんにもたれ掛かっていた。
「息を吸ってー」
姉さんの言う通り呼吸をする。
姉さんの圧迫が緩む。
もう空気が伝う感触すら気持ちいい。
姉さんの細い手が、俺の太い肉棒の上で軽やかに踊る。
「吐いてー」
ふうっと息を吐き出す。
圧迫が強まる。
下腹部が凹まされ、精巣が揉み潰され、アナルを周囲ごと押し込まれる。じわじわと痺れるような快感が全身に伝わった。
姉さんが手の締め付けをきつくする。
気がつけば射精していた。
びちゃびちゃと飛び散ったそれを、姉さんの粘液が回収する。
「吸ってー」
反対側の耳を粘液で塞がれ、姉さんの声以外聞こえない。
快感に潰れた身体が膨らんでいく。
呆けた頭がはっきりしていく。
空気の冷たさが身体中に満ちるのが気持ちよくて、こぽりと小さく射精した。姉さんがそれを塗り広げる。
「吐いてー」
冷たい空気が全身から抜けていく。
熱という快感だけが残った身体に、姉さんの粘液が過剰な快感を伝えてくる。
姉さんは肉棒から右手を離し、ぐっと下腹部を押していた。燃えるような快感が全身を焦がした。
射精。姉さんの粘液が全て受け止める。
「吸ってー」
身体の熱が嘘のように引いていく。
姉さんの香りが全身に満ちる。
頭が覚め、急に空腹感を覚えた。
全身が軽くなっているのを感じた。
「落ち着いた?」
見ると、あれだけ元気だった息子が首を垂れていた。
軽くなった身体に力を入れると、姉さんがするすると粘液を戻した。
「助かったよ姉さん。いやホント」
「気にしないで、私もちーくんにしてあげたいから」
そんなことを言われるとまた息子が起きるんじゃないかと不安だったが、とりあえず満足したのか息子はゆっくり眠っていた。
姉さんは照れくさそうに言った。
「じゃ、ご飯食べてね」
先にこれでもかと空腹感を覚えたからか、今日の朝食は実に美味かった。じわじわと幸福感と快楽が胃袋から全身に伝わっていくのを感じれるほどだ。
姉さんは嫁入り修行中だ。
俺が結婚してぇな。心からそう思った。
学校に着くや否や、隣の席の水谷さんが言った。
「おっ、上手くいったみたいだねえ」
俺はふふんと笑って言った。「わかるのか?」
「そりゃわかるよ」
水谷さんは続ける。
「すっごい匂いしてるよ。魔物娘の匂い」
「あ、そういうのわかるんだ」
「そりゃわかるよ。香水つけてたらはっきりとわかるでしょ? そんな感じ」
なるほどね。俺はふんふん頷いた。
「助かったよ、ありがとう」
「いいのいいのー」水谷さんは口の端を歪めた。「で、お姉さんって何の魔物娘なの?」
「なんか、ショゴス? とかいうらしいけど、調べてもあんまり分からないんだよね」
「ショゴッ……!」
水谷さんが硬直した。
俺が「知ってるのか?」と聞くと、水谷さんは大きくため息を吐いた。
「うーん、まあ確かに調べてもあんまり出ないかもね。それにしてもスゴいのがお姉さんになったもんだね」
「どんな魔物娘なんだ? 教えてくれ」
俺はワクワクして尋ねた。
水谷さんはしばらく悩み込んだあと、「私もあんまり良くは知らないんだけど」と、前置きし落ち着かなさそうにキョロキョロしながら話し始めた。
まず、ショゴスは粘液系の魔物娘の中でもかなり強力な方らしい。そして思考がエロい、と水谷さんは付け加えた。そこ重要よ。
で、擬態が恐ろしく上手いと。俺は頷いた。それは俺も良く知るところである。
「で、一番これが重要なとこ。一途なのよ。すっごい一途」
「良いことじゃないの? というか、魔物娘って大体一途だよね」
犬飼が口を挟んだ。
水谷さんはわかってないなとでも言うように首を振った。
「レベルが違うのよ。そりゃ私も一途よ? でもショゴスとは比べものになんないわ。というか大体の魔物娘は比べものになんない。奉仕種族って言うぐらいだから」
「良くわからんのだが」
俺が言うと、水谷さんは「例えば」と俺に指を突きつけた。
「千秋くんは喉が渇きました。どうしますか」
「そりゃ水飲むだろ」俺は答えた。
「ぶっぶー、外れ。正解は、お姉さんを飲むでした。お姉さんに水を飲ませてもらう、でもギリアウトかな? 多分口移しならOK」
考えがエロいから、と水谷さんは締めた。
「えぇ……でも、姉さんそういうとこ一切見せたこと無いぞ?」
水谷さんは笑顔で言った。
「そりゃ一途だからね。相手の望まないことはしたくない、ってのがあるから。それだけ大事にされてるってことだよ。この幸せ者めー!」
俺は今までの姉さんの姿を思い出していた。確かに姉さんは何かを頼むと、大抵それを叶えてくれる。でも、姉さんから何か言ってきたことは無かった。
あったのは、エッチなこと絡みの時だけ。
俺は水谷さんに尋ねた。
「何か好きなこととかって無いのか? エロいこと以外で」
「んー、細かいところで個人差は激しいけど」水谷さんは悪戯っぽく笑った。「身体の一部を食べるか飲む。これ鉄板ね。粘液系の魔物娘でこれ嫌いなのいないから」
俺はううむと考え込んだ。何かが腑に落ちた気がした。
カウパー腺で媚薬粘液を作るのは、エンドレスになるからちーくんしんどいかな、なんて考えていると。
ちーくんが出かけて。
ふふ。
私はどうしようもなく高揚していた。
ついに。ついにちーくんから直接精液を貰えたのだ。
これは結婚なのでは?
確実に結婚だわ。
いいや焦るな私。ねっとりじっくり距離を縮めた三年間を捨てる気か。
ちーくんはその辺疎いから、踏み込みすぎると引かれるぞ。
脳内私会議は紛糾した。
とりあえずやることをやらなければ。
私は分身を作って自分の学校に送り込み、ちーくんと肌を重ねた場所を念入りに掃除する。
精液の一滴も逃さんと目を皿にしていると、ちーくんがまたあのスライムと会話しているのが聞こえてくる。むむっ。そちらに意識を向ける。
その一部始終をちーくんの髪の毛から見た私は水谷さんに感謝しきりだった。
ただのスライムから水谷さんに大幅に格上げした。
私たちショゴスのコアな部分を一切話に出さず、好むものを伝えて、私とちーくんを持ち上げ、かつテンションのままにちーくんに触れたりしていない。
人間できているなぁ、と素直に思った。
こうしてはいられない。水谷さんがこちらに寄越したパスを私が活かさないと、恐らくちーくんは身を引いてしまうだろう。ちーくんは優しいのだ。そして私に興味を持っている。嬉しい。
しかしあまりおおっぴらにすると私の盗み聞きがバレる。ほどほどにしなければ。
私は自分を戒めるように言い聞かせるのだった。
「姉さん、ちょっと話があるんだけど」
俺は晩飯の用意をする姉さんに声をかけた。
「ん? 何ー? かしこまっちゃって」
「その」俺は言葉を選んだ。「飲み物のことなんだけど」
くそう。ただ「姉さんが飲みたい」って言うだけなのになぜこんなにも難しいのか。当たり前か。どんなワードだ。
姉さんは手を止めずに聞いてくる。
「あ、なんか気に入ったのあった? なんなら買ってくるけど」
「いや」俺は腹を決めた。じわり、と思いに応えるように熱くなる。「姉さんの、粘液が飲みたい」
空気が硬直した。姉さんの薄紫色の顔が真っ赤になっていて、その口元は確かに笑みを形作っていた。「へ?」気の抜けた音がした。
俺は畳み掛けた。
「姉さんの粘液を飲んでみたいんだよ」
なんとか調子を取り戻した姉さんが、ようやく言葉を絞り出す。
「わっ、わかった。準備しとくね」
「うん」俺は続けた。「よろしく」
俺の心は歴戦の戦士のように落ち着いていた。もう少しすれば、準備も完了するだろう。
戦いの日は近い。
スゴいよ水谷さん!
私は狂喜乱舞したかったがそれを全力で押さえた。
やっとの事で言葉は捻り出したが、心は混乱していた。
どっちだ?
私はあくまで姉として動くべきか。
それとも魔物娘として動くべきか。
どう動いても私は嬉しいし、ちーくんは私を受け入れてくれるだろう。
だからこそ、ちーくんはどっちを望んでいるか、それが問題だ。
朝からずっと考えて、未だに答えの出ない難問だ。
ちーくんは私が好きだ。そして私もちーくんが好きだ。
そして、ちーくんは姉が好きで、私も弟が好きでもある。
どちらの態度を優先すべきか。
私の一存で決められることではない。
だが、決めなければならない。
あと十分もあれば料理の支度は完了するだろう。
踏み込むべきか否か。
いや。私は思った。私は踏み込めるのか?
私が思考に没頭していても手は勝手に動く。
す、と思考が冷めた。
そもそも私はちーくんに対して、恋人として要求することができるのか?
それではいつまで経っても私は。
私は、どうするべきなのだろう。
料理が机に並べられるのを、俺は椅子に座って見ていた。
コトリ、コトリと皿が置かれ。
最後の一つ。
姉さんが注がれたグラスが置かれた。
ワインのようにも見える色合い。薄く光を通すそれは、濃い女の、姉さんの匂いを発していた。
心臓が高鳴る。身体が熱くなる。
姉さんが向かいの机に座った。
その顔からは僅かに苦悩が見て取れた。
「頂きます」
いつになく重苦しい食事だった。
味はいつもと変わらず、胃は幸福感を伝えて来ているのに、脳がそれを拒んでいるかのように感じた。
黙々と食べ進めて、いよいよ手をつけていないグラス以外が空になる。
グラスを手に取る。食事中にずっと嗅いでいた匂いが強まった。
姉さん。姉さんのどこか悲しそうな顔が目に入った。三年間見続けた顔。微細な変化だってわかる。
俺は言った。
「姉さん」
「な、なに?」
何かに恐怖したように震えた声だ。
俺はグラスを置いて目を閉じた。
そして軽く上を向いて口を開ける。目元は手で隠す。
どう転ぶかはわからない。だが、姉さんがそんな顔をしているのを黙って見てられはいないのだ。
「これで俺は何も見えないから」
続ける。
「姉さんの好きなように」言い切った。「飲ませて」
腰が震えた。興奮か、恐怖か。その両方か。
しっかりと手で目を覆ったちーくんからは、本当に何も見えないだろう。
「はぁっ、はぁっ」
自分の荒い息遣いだけがリビングに響いた。
グラスで飲ませるつもりはない。
ならば口移しか、とちーくんも知ってる解答が頭をよぎる。
しかし。
『姉さんの好きなように』
ちーくんは自分で目を隠してる。見て見ぬふりをしてくれる。
それは、私がちーくんに強要したも同じ、私の甘えに過ぎない。
私が本当にやりたいこと。
それはなんだ。
口移しで粘液を飲ませたい。
それは間違いない。
だがそれが一番やりたいことか?
この期に及んで妥協は許されない。
ちーくんは許してくれるだろう。恋人として受け入れてくれるだろう。
だが。
ちーくんが許しても、ちーくんに許させてしまった自分が許せない。
私は。
ぎし、と机が軋んだ。
粘液を支えに浮かび上がった私の身体が、ちーくんを跨ぐ。
こんなことちーくんが目を隠していなければ絶対にできない。
泣きたいほどに妥協はない。
ちーくんは、きっと今、恐ろしいほどに濃い女の、私の匂いを嗅ぎ取っているだろう。
それを想像すると。
こぽり、りと泡だった粘液が。
私の秘部から垂れ落ちた。
「はっ、はぁっ、ぁっ」
ちーくんが私の粘液を。
ちーくんの口に。
ちーくんが起きている時に。
ちーくんが望んで。
こぷりこぷり。次から次へと垂れてくる粘液を、柔らかく動く舌で執拗に味わった後で胃へとゆっくり流し込んでいく。
「ぎっ、イっ、はぁっ」
ちーくんが私を飲んでいる事実でイく。ちーくんの甘い息遣いでイく。ちーくんが私を味わっている。イく。
ぷし、と絶頂で飛んだ粘液を、ちーくんの舌が舐めとる。
私の身体が少しずつ下がっていく。
蠢く舌に、息遣いに惹かれるように。
ちーくんが。ちーくんの。舌が。唇が。
欲望を煮詰めたようなどろどろとした粘液が垂れる。もう意識しても止められない。
ちーくんの息遣いが荒い。ちーくんも興奮している。嬉しい。粘液が漏れる。
ぴとり、と唇が。
私の下の唇と。
触れた。
「あ゛ぁっ!」
私は堪らずちーくんの頭を掴んで腰を押し付けていた。放ったものが溢れないように。
頭に走った電流に支えにしていた粘液が崩れ、私の体重がちーくんの頭にかかる。
それを防ぐために太ももをちーくんの肩にかける。
更に密着する。
私は獣のような声を上げてイった。
強すぎる絶頂に腰が引ける。ちーくんが離れる。嫌だ。
ちーくんの顔を股間に押し付ける。秘裂が全て、ちーくんの口に入るように。
歯が当たる。
イく。
荒い鼻息が当たる。
イく。
どろどろと身体が粘液に戻っていく。それでもちーくんが触れている場所だけは絶対に崩さない。
ちーくんが更に大きく口を開けたのがわかった。すかさず私のシロップが流れ込む。
何をしようとしているかがわかる。期待と恐怖に身がすくむ。
「はぁっ、やっ、やめっーー!」
ベロリ、と。
肉厚な舌が陰唇に沿って舐め上げた。
プシッと潮が飛んだ。ちーくんの顔についたそばから崩れ落ちた粘液がそれを舐めとる。
舐められ、ほじられ、甘く唇で噛まれ、圧されて。
崩れた身体がちーくんの興奮を捉えた瞬間、床に広がっていた私がちーくんに殺到した。
パンツが私に戻る。
ちーくんが私を舐めている。私を味わっている。
喉を超えてなお余るであろう、胃まで犯す期待の持てる剛直が目の前にそそり立っている。
私も味わいたい。舐めたい。
私は躊躇いなく奥まで呑み込んだ。
19/07/28 22:43更新 / けむり
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