連載小説
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三年と四日目 夜
朝はどうなるかと思ったけど、上手くいって良かった。あのスライムのファインプレーだった。同じ粘液種として感謝状でも送りたい気分だ。

私オリジナルオナホールも渡せたし、期待通り寝る前にも私に黙って使ってくれた。ローションは飲んでくれなかったが……。
粘液の濃度をかなり変えているので、私だと気付かれることはないだろうが、もどかしいものだ。

「さて」

ちーくんは今、私のシャツと私のレギンス、そして昼間に密かに私にしておいたボクサーパンツを身につけている。
ふふ、全てが私だ。

今日はどこを弄ろうか。
ちーくんの乳首から少しずつ私を垂れさせながら、そんなことを思う。
やはり肉棒か。今日は大きな一歩を踏み出した日だ。記念に弄ってもいいだろう。
精子は私にできないが、カウパー液は私にしてもいい。私がちーくんの精子を守るのだ。ふふ。

尿道から私を通して、一対のカウパー腺を切除し、代わりに私の一部を入れて粘液を作るようにする。使いたいのは当然媚薬効果のあるものだ。
毛穴をほじくり返した経験が活きている。
ちーくん専用の神の手だ。

内臓を私にしたくなってきた。
私が内臓の代わりに働き、脳からの指令に従い、そして快感を伝える部位になるのだ。
良い。実に良い。これはやるべきだ。

私はそっとちーくんの頭を膝に乗せた。口を開かせ、だらり、と涎を垂らす。
それは余すところなくちーくんの口に入っていく。私の粘液が。ちーくんを侵食していく。ふふ。ごぽごぽと私が大きく沸き立った。

そして口腔粘膜を私に置き換えながら食道を降りていく。今度食道も私にしよう。食事をするたびに、気持ちよくなれるのはきっと素晴らしい。

気管も私にする。呼吸は大事だ。今すぐ私にして、いらない空気は私が排除しないと。
というか私の吐いた息だけを吸って生きて欲しい。
それ以外はいらない。

私以外がちーくんを侵すのは許せない。肺は急ぐ必要はない。しばらくちーくんのまま、私の吐いた息を吸ってもらおう。

「ここがちーくんの胃……」

分岐を戻って弁を突破すると、胃が侵入者である私に反応して胃液を出し始めた。生意気な。
私はお姉ちゃんだぞ。

だがまずは入り口の弁だ。私はフリーパスでいい。私以外は全部私がチェックする。
そうなるともう胃は必要ない。入ってくる私以外のものは私が全部吸収して、ちーくんには私だけを吸収して生きて貰えばいい。

うん。胃は全部気持ちよくなるためのものにしよう。私がちーくんを気持ちよくするためだけの器官になってもらおう。

「あ、そうだ」

私はちーくんのお尻から侵入して、前立腺を私に置き換えた。気持ちいいように大きくするのと、媚液を垂れ流せるようにだけしてとりあえず放置だ。

そして胃にコピーした前立腺を植え付けていく。これも全てが私だ。
出口の弁も、もう私しか通らないんだし要らないよね。
形だけ残して、キツく、気持ちよくなれるようにだけしておこう。

あとは、いくら胃が要らないといっても、あんまり細くすると満腹感とかか無くなるのは残念だから、元の形のままの方がいいかな。
私をいっぱい植え付けて出来る限り濃い粘液を作れるようにして、それでじわじわと胃を埋め尽くしていくのはどうだろうか。どれだけの快感だろうか。

きっとちーくんも満足してくれる。

これでちーくんに餓死は無くなった。
お腹が空くと、それを察知した私が粘液を放出して大量につけたちーくんの弱点をじわじわと蹂躙する。
満腹感もあるし、普通の食事も出来るから味に飽きることもない。ただ、ゆっくりと染み渡り心を犯す快感が伴うだけだ。

その先は十二指腸だ。もう今後役目を果たすことは二度とない。流れてくる私は消化液に溶かされる必要がないから。
ただ、私を吸収するために頑張っているちーくんは可愛らしかった。

でも邪魔だった。だから私にして、気持ちよくなるための媚薬を生成するようにした。
私を見たら生成するようにして、ちーくんの脳に覚えてもらおう。私を見ることは気持ちいいって。

肝臓から流れてくる液体が邪魔だった。
肝臓も私になった。これでお酒とかも飲める。お酒を飲んだ私も飲める。

小腸から直腸手前まではもう私になっている。
今までちーくんに食べてもらったものは全てここのために利用していた。

あとは直腸だ。
前立腺を増やそう。よりはっきりと、ちーくんが気持ちよくなれるように。前立腺の私を快感を得やすいように増やしていくと、自然と襞のような形になった。面積が広いのはいいことだ。

括約筋も私に変える。流れてくるのは私だから、当然いくらでも長居できるが、ちーくんがどうしたいかを知るための措置だ。

「ちーくん」

ちーくんが寝ている間に、もうちーくんは私がいないとダメな身体になっちゃったよ。
ごめんねちーくん。
でもお姉ちゃんだから。
許してくれるよね。

「ふふ」

高揚感が強い。
落ち着け私。まだやるべきことはある。
ちーくんがどうしたいか、は重要だ。
だが、ちーくんにとって致命的なものは排除しておかなければ。

「でも、ここまでやれば、あとは時間の問題だよね」

こうしている今も、吸収された私が次々と栄養素のフリをして細胞レベルでちーくんになっていく。
でも、脳だけは私にしない。そこはちーくんが望むまでは手をつけない。ちーくんの心だから。望んだら、その時は。

昏い快感が産まれ、私は無音のままちーくんの中で絶頂した。

「……あは」

反応するかのようにちーくんが身をよじる。
身体が揺れて快感が生まれる。脳からの指令で、カウパー腺の私が媚薬を生成し始めたのがわかった。

もう身じろぎするだけで気持ちよくなっちゃうんだね。

「かわい……」

私は媚液を垂れ流す乳首をペロリと舐め上げた。
19/07/28 22:42更新 / けむり
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