デート?
こ…腰が痛い……
流石に一日中ヤリっぱなしはきつかったな……
二人は既に自宅へ帰っているようで、散らかったままの僕の部屋には腰を痛めてもぞもぞしている僕だけだ
朝食に関してはおそらく母さんが準備してくれているであろうから大丈夫だとおもう
確か台所の棚に湿布がしまってあったはずなので、朝食をとりに行くついでに拝借しよう
僕は腰の激痛に耐えながら台所に向かった
台所で母さんに特製の湿布(肩こりだろうが腰痛だろうが半日で治るすごいやつ)をもらい、父さんと共に朝食を食べる事になった
「……おまえも昨日は大変そうだったな」
久しぶりに見た父の顔はとてつもなく眠そうだった
母さんがいやにつやつやしてることから理由は察せる
「お互い大変だね」
「……久しぶりの休日だし今日は一日のんびりしたい」
のんびり、という単語に母さんが反応したが、父さんは『流石に今は勘弁してくれ』と言って食器を流し台に置いてから台所から出て行った
僕は自分の両親が何の仕事をしているかは知らないけれど休日ぐらいはしっかり休んで欲しいと思う
部屋を片付け、母さんと協力して家事を終わらせ、少し昼寝をした
目が覚めると、腰痛は綺麗に治っており、時間も甲が迎えに来る時間の少し前ぐらいになっていた
玄関に出て、彼を待っていると、10分ほどで例のバイクのようなものが近づいてきた
「待たせたな護よ」
……やはりこれはバイクをベースにした装甲車じゃないのだろうか?
まぁいいや
考えるのを諦めて、彼の乗り物に乗り込もうとすると
「遅かったな」
「……♪(むぎゅっ)」
なぜかアイとぎんも乗っていた
「この二人が仲間にして欲しそうにこちらを見てきたので連れてきたのであります」
……別にこの二人を連れて行くのは構わないけれども、この二人はゲーセンで何をするのだろうか?
おそらくは単純に僕と居たいだけかもしれないけどね
まぁ僕がいつもやってるやつのやり方を教えて一緒にやろうかな
僕らがいつも行っているゲーセンはクレーンキャッチャー以外はかなり充実している方だと思う
格ゲー、音ゲー、STG、カードゲー、その他諸々かなりの数がある
そういうわけで僕達はここを結構気に入っている
「小管と軍曹はイクサバノキズナをやりに行くので格ゲーコーナーで合流しよう」
そういって二人は某ロボットのコックピットに似せた筐体の中にそれぞれ入って行った
あの二人はこれをやり始めると結構な時間やるので、僕らも別のものをしよう
とりあえずアイとぎんがどんなものがやりたいのか聞いてみよう
「二人ともどういうのがやりたい?」
「私はよく分からんからお前に任せる」
「………護が好きなものでいい」
ですよねー
とりあえずは音ゲーかな?
いつも僕がやっているからやるだけなんだけどね
一口に音ゲーといっても色々ある
楽器を似せたものやホッケーのようなもの、光るパネルをタッチするものや某歌姫のPVにあわせてボタンを押すものがある
しかし、僕は迷うことなく一つのものに向かって歩いていく
筐体に繋がっている小さなステージのようなものの上に4方向の矢印が描いてあるパネルがあるものだ
曲と難易度によってはかなり体を動かすので(ものによっては後ろについているポールを使わないと無理ゲー)、これは夏場にやると色々つらいものがある
しかし、やり方は簡単なので慣れれば二人とも上手くなれるだろう
「じゃあ、コレをやろうか」
「……(ぴょん)」
僕がそのステージの上に乗って振り返ると、ぎんが2P側のところに飛び乗ってきた
一応、アイもやりたいかどうか確認すると
「ぎんがやりたいのならべつにいい」
とのことだったのでぎんと僕とでやる事にした
「一応やり方を説明するね」
「矢印が判定エァリアに重なるタァーイミングで、足元のパァーノゥを踏むッ!!」
「……わかった」
のりのりでチュートリアルの人の真似をしてみたけどスルーされた
……とりあえずやろうか
自分のICカードを読み込ませてから、二人分の代金を入れる
曲や難易度をを自分で選ぶモードにして、ぎんに聞く
「色んな曲があるけど、どれがいい?」
「……蝶々」
そう言って緑色の背景にでかでかと蝶が移っているジャケットを指差す
この曲はこのゲームの中でも結構有名(僕はそう思っている)だし、気に入っている曲なので、それなりにできる
とりあえず自分のできるレベル(足マーク8つ)にカーソルを合わせてる
「難易度はどれぐらいにする?とりあえず初めてだから低めのが良いと思うけど」
「……一番難しいの」
……え?
変な言葉が聞こえたけれど、まぁ気のせいかな
「OKOK、一番簡単なやつね」
「……一番難しいの」
そう言ってぎんは迷わずカーソルを一番下へ動かす
……絶対無理だろうけど、彼女の言うとおりにしよう
一応僕のほうも失敗しない限り閉店(ゲームオーバー)にはならないんだし
で、始めてみると
「ほっ…はっ…」
僕はいつも通りのペースでクリアできそうだけれど
「……あいあいあー♪」
なぜかぎんは歌いながらノリノリで踊っている
とてもかわいい
そんな様子なのでクリアは出来そうに無いとは思いがちだが、足元はダカダカと音を立てながらしっかりと踏めている
ていうかもはやフルコンできそうなレベルである
でもとりあえずとてもかわいい、大事な事だから二回言いました
結局彼女は初見なのにもかかわらずフルコンしてしまった
その後も彼女は、『彼女は俺の嫁』『桜嵐』とノリノリで踊りながらクリアし、最終的には黒いアイツの例の曲までフルコンしてしまっていた……
……本当は初めてじゃなくて相当やりこんでいたんじゃないのだろうか?
しかし
「……楽しかった♪」
軽く汗を流しながらも笑顔になっている彼女を見た途端そんなことはどうでもよくなった
僕?僕は途中で閉店余裕でした
その後、ぎんと色んな音ゲーをして(どれも僕以上に上手だった)格ゲーのコーナーに向かった
甲達がまだ来てなかったようなので、アイと格ゲーをすることになったのだが……
「これがやってみたい」
アイがそう言って指を指したのは某世紀末バスケだった
僕自身、格ゲーはそこまで得意ではないので(せいぜいwikiに載っている簡単なコンボぐらいしか出来ない)普通にやってもまぁそれなりの勝負になると思い、2P側に座ったのだけれども
ジョインジョイントキィ
不吉な音が向かい側から聞こえてきた
さっきのぎんのこともあったので不安も感じつつもいつも通り本ゲーム中最弱とも言われたりもする兄貴様を選択する
魔法戦士になれるような実力でもないので少々マズイ
結果
テンプレコンボで敗北余裕でした
本人曰く『適当にやってみたら上手く出来た』らしい
もはやつっこむまい
今日は初心者(?)に負けてばっかりな気がする
まぁそういう日なのだろう
その後、甲と合流して少し対戦した後、帰ることになった
のだが
「いよぉwかわいこちゃん達wそんなやつらほっといて俺たちと遊ぼうぜぇww」
「おいおいお前、魔物なんかナンパすんじゃねーよw」
「大丈夫だって、俺たちがこの魔物を『浄化』してあげるんだからもんだいねーよw」
変なのに絡まれた
おそらく教団(時代遅れの反魔物思想の宗教)に属しているDQNだろう
一人や二人だったら無視してバイクに乗り込めば良いのだけれども、なぜかやたらと人数が多い上に囲まれてしまっていので、そこまでたどり着くことが出来ない
「あ〜もしもし、俺だけど、今から魔物を『浄化』すっからこっちに来てくんない?」
「何この蜥蜴女wヘルメット被ってやんの、ちょ〜ウケるw」
「つ〜か、こいつもだっせぇ眼帯とかww伊達政宗かよwww」
まだまだ来るようだ
はっきり言って僕はこういう奴らが大嫌いだ
自分のことしか考えず、周りのことなんて気にもしない姿勢に腹が立つ
いつもなら放っておくけれど、なんだか今日はそんな気分じゃない
「護、手伝ってくれるか?」
「俺はともかく詩織を馬鹿にしたのが許せん」
甲も同じ気持ちらしい
「俺、このヒョロいのテレビでみたことあるぜww最年少で主夫検定特級を取ったってニュースでやってたwww」
「主夫(笑)魔物の奴隷乙www」
……ウザイなぁ
「甲、今何を持ってきてる?」
「ヒールペインの魔法がかかってあるバールのようなものが1本と自作のハンドガンが2丁だな」
「対DQN戦闘用に作ったやつで、反動は少々でかいがその分威力はある、弾丸は専用のヒールペインの魔法をかけてあるから気にせずぶち込めるようになっている、装弾数は6発だ」
「OK、じゃあそのハンドガンを貸して」
僕がそういうと甲は無言で2丁のハンドガンと予備弾薬のカートリッジを手渡してきた
ヒールペインの魔法(痛みだけを擬似的に与える魔法、当たったときに怪我を瞬時に治すが代わりに痛みを倍増させる仕組らしい)がかかっているらしいので気にしないでボコれるね
「おwなんだその銃wwエアガンなんかで俺らに勝てるとでも思ってんのwww」
まぁ普通に見たらエアガンかもしれないね
僕はこいつらの言葉を無視しながら2丁の銃をトンファーのように持つ
隣では甲が懐からバールのようなものを取り出し(どうやって入っていたかは気にしない)詩織に向かって言った
「詩織、小管達はちょっとこいつらボコってから行くから、ぎんとアイをつれて先に帰っていてくれ」
「わかったのであります」
そう言って詩織はぎんとアイの手を引いて歩き出す
「おいおい、行かせるわけねーだろwイかせるつもりだけどwww」
詩織達の前に立った男を、甲は容赦なくバールのようなものを頭に振り落とした
ガツン、と痛々しい音をたてて男はうつぶせに倒れた
「その醜い姿を俺の詩織に見せるな下種が」
「多分もう聞こえてないよ」
一応倒れた男を確認してみたけど意識を失っているだけみたい、流石はヒールペイン
しばらく他の男たちは唖然としていたが、僕と甲の方を向いて
「何すんだよゴルァァァァ」
襲い掛かってきた
どうせ襲われるならアイかぎんに襲われたいね、意味が違うけど
とりあえず僕はグリップをしっかり握り、小指で引き金を引く
ダァンと音が響いてものすごい反動が伝わってくる
が、僕はその反動と勢いを逆に利用して、腕を前に突き出す
バキィと良い音をたてて僕の方に向かってきた男の一人に当たる
そいつは後ろの何人かを巻き込んで倒れた
コレで二人っと
ていうかこのハンドガンかなり反動がデカイ
まぁ僕にとっては反動は強いほうが良いけどね
まぁこれであいつらの注意力は完全に僕達の方に向かれたので、詩織達はバイクのところにたどり着いたようで、ここから離れていった
「貴様らは時代遅れなんだよ、神様を崇拝するのは勝手だが、人様魔物様に迷惑かけるな」
「ンだとてめぇ!主神様ディスってんのか!!!」
「信じる者は救われるって言葉しらねぇのかよ!!」
「信じるものを間違えてるなら足元を掬われるけどね」
僕達の言葉に馬鹿達は完全にキレたようで、色々叫びながらナイフや木刀などそれぞれ武器を取り出した
おそらくそれぞれ全ての武器が加護を受けているものなのか薄っすら光っている
まぁ使い手が残念なら意味は無いけどね
僕達も背中合わせになるように動き、得物を構える
「いつぞやの勇者と戦ったときよりずっと楽だな、小管のエクスカリバールで叩きのめしてやる、ミニガンがあればもっと良いのだがな」
「僕の銃拳流も絶好調だよ」
使うのは久しぶりだけどね、と付け足す
今度は軽く持ち、引き金を引く
銃弾は甲に襲い掛かろうとした奴に当たる
が、ハンドガンそのものは軽く握っているので反動で吹っ飛んでいった
手が凄く痛いです
じゃなくて
吹っ飛んだハンドガンはそのまま僕の前に立っていた奴の頭部に当たる
狙い通り、これで更に二人減ったね
「あんまり手荒に扱うなよ、一応まだ調整中だからな」
「僕にそれを言うのもどうかと思うけどね」
甲はナイフを構えている奴に一気に近づき、手に持っているバールのようなもので
そいつの股間を殴った
思わずその場に居た全員が自分の股間を押さえる
マジで痛そう
やられた奴、泡吹いて倒れてるし
「流石にそれはえげつないよ……」
「どうせこいつらには不要なものだ、いっそのこと去勢すればいい」
と…とりあえずこれで5人、大体半分だね
ふぅ…これで全員かな
さっきの電話で増援がくるはずなんだけども、なぜかまだ来ない
とりあえず甲が自販機でコーヒーを二人分買ってきてくれたので、二人で飲みながら待機する
「まったく、これだから数で攻めるしか能の無い奴は嫌いだ、本来ならこんな缶コーヒーじゃなくて詩織の淹れてくれたコーヒーを飲んでいるはずなのにな」
「本当だね、家事は母さんがやってくれているだろうからまだいいけど、早く帰ってゲームがしたいよ、最近ぎんとアイに襲われて出来なかったし」
そんな会話をしていると、聞きなれた駆動音が近づいてきた
心配して迎えに来てくれたのかな?
バイクから降りて、近づいてきた詩織は甲に敬礼した
「お疲れ様であります、増援と思われるやつらは潰しておいたので帰るのであります」
「………(がしっ)」
「大した事ではなかったな、護、さっさと帰って昨日の続きだ」
……帰るように行ったのにね
まぁこのバイクがあれば大丈夫なんだろうけど
でも、迎えに来てくれたのは嬉しいね
流石に一日中ヤリっぱなしはきつかったな……
二人は既に自宅へ帰っているようで、散らかったままの僕の部屋には腰を痛めてもぞもぞしている僕だけだ
朝食に関してはおそらく母さんが準備してくれているであろうから大丈夫だとおもう
確か台所の棚に湿布がしまってあったはずなので、朝食をとりに行くついでに拝借しよう
僕は腰の激痛に耐えながら台所に向かった
台所で母さんに特製の湿布(肩こりだろうが腰痛だろうが半日で治るすごいやつ)をもらい、父さんと共に朝食を食べる事になった
「……おまえも昨日は大変そうだったな」
久しぶりに見た父の顔はとてつもなく眠そうだった
母さんがいやにつやつやしてることから理由は察せる
「お互い大変だね」
「……久しぶりの休日だし今日は一日のんびりしたい」
のんびり、という単語に母さんが反応したが、父さんは『流石に今は勘弁してくれ』と言って食器を流し台に置いてから台所から出て行った
僕は自分の両親が何の仕事をしているかは知らないけれど休日ぐらいはしっかり休んで欲しいと思う
部屋を片付け、母さんと協力して家事を終わらせ、少し昼寝をした
目が覚めると、腰痛は綺麗に治っており、時間も甲が迎えに来る時間の少し前ぐらいになっていた
玄関に出て、彼を待っていると、10分ほどで例のバイクのようなものが近づいてきた
「待たせたな護よ」
……やはりこれはバイクをベースにした装甲車じゃないのだろうか?
まぁいいや
考えるのを諦めて、彼の乗り物に乗り込もうとすると
「遅かったな」
「……♪(むぎゅっ)」
なぜかアイとぎんも乗っていた
「この二人が仲間にして欲しそうにこちらを見てきたので連れてきたのであります」
……別にこの二人を連れて行くのは構わないけれども、この二人はゲーセンで何をするのだろうか?
おそらくは単純に僕と居たいだけかもしれないけどね
まぁ僕がいつもやってるやつのやり方を教えて一緒にやろうかな
僕らがいつも行っているゲーセンはクレーンキャッチャー以外はかなり充実している方だと思う
格ゲー、音ゲー、STG、カードゲー、その他諸々かなりの数がある
そういうわけで僕達はここを結構気に入っている
「小管と軍曹はイクサバノキズナをやりに行くので格ゲーコーナーで合流しよう」
そういって二人は某ロボットのコックピットに似せた筐体の中にそれぞれ入って行った
あの二人はこれをやり始めると結構な時間やるので、僕らも別のものをしよう
とりあえずアイとぎんがどんなものがやりたいのか聞いてみよう
「二人ともどういうのがやりたい?」
「私はよく分からんからお前に任せる」
「………護が好きなものでいい」
ですよねー
とりあえずは音ゲーかな?
いつも僕がやっているからやるだけなんだけどね
一口に音ゲーといっても色々ある
楽器を似せたものやホッケーのようなもの、光るパネルをタッチするものや某歌姫のPVにあわせてボタンを押すものがある
しかし、僕は迷うことなく一つのものに向かって歩いていく
筐体に繋がっている小さなステージのようなものの上に4方向の矢印が描いてあるパネルがあるものだ
曲と難易度によってはかなり体を動かすので(ものによっては後ろについているポールを使わないと無理ゲー)、これは夏場にやると色々つらいものがある
しかし、やり方は簡単なので慣れれば二人とも上手くなれるだろう
「じゃあ、コレをやろうか」
「……(ぴょん)」
僕がそのステージの上に乗って振り返ると、ぎんが2P側のところに飛び乗ってきた
一応、アイもやりたいかどうか確認すると
「ぎんがやりたいのならべつにいい」
とのことだったのでぎんと僕とでやる事にした
「一応やり方を説明するね」
「矢印が判定エァリアに重なるタァーイミングで、足元のパァーノゥを踏むッ!!」
「……わかった」
のりのりでチュートリアルの人の真似をしてみたけどスルーされた
……とりあえずやろうか
自分のICカードを読み込ませてから、二人分の代金を入れる
曲や難易度をを自分で選ぶモードにして、ぎんに聞く
「色んな曲があるけど、どれがいい?」
「……蝶々」
そう言って緑色の背景にでかでかと蝶が移っているジャケットを指差す
この曲はこのゲームの中でも結構有名(僕はそう思っている)だし、気に入っている曲なので、それなりにできる
とりあえず自分のできるレベル(足マーク8つ)にカーソルを合わせてる
「難易度はどれぐらいにする?とりあえず初めてだから低めのが良いと思うけど」
「……一番難しいの」
……え?
変な言葉が聞こえたけれど、まぁ気のせいかな
「OKOK、一番簡単なやつね」
「……一番難しいの」
そう言ってぎんは迷わずカーソルを一番下へ動かす
……絶対無理だろうけど、彼女の言うとおりにしよう
一応僕のほうも失敗しない限り閉店(ゲームオーバー)にはならないんだし
で、始めてみると
「ほっ…はっ…」
僕はいつも通りのペースでクリアできそうだけれど
「……あいあいあー♪」
なぜかぎんは歌いながらノリノリで踊っている
とてもかわいい
そんな様子なのでクリアは出来そうに無いとは思いがちだが、足元はダカダカと音を立てながらしっかりと踏めている
ていうかもはやフルコンできそうなレベルである
でもとりあえずとてもかわいい、大事な事だから二回言いました
結局彼女は初見なのにもかかわらずフルコンしてしまった
その後も彼女は、『彼女は俺の嫁』『桜嵐』とノリノリで踊りながらクリアし、最終的には黒いアイツの例の曲までフルコンしてしまっていた……
……本当は初めてじゃなくて相当やりこんでいたんじゃないのだろうか?
しかし
「……楽しかった♪」
軽く汗を流しながらも笑顔になっている彼女を見た途端そんなことはどうでもよくなった
僕?僕は途中で閉店余裕でした
その後、ぎんと色んな音ゲーをして(どれも僕以上に上手だった)格ゲーのコーナーに向かった
甲達がまだ来てなかったようなので、アイと格ゲーをすることになったのだが……
「これがやってみたい」
アイがそう言って指を指したのは某世紀末バスケだった
僕自身、格ゲーはそこまで得意ではないので(せいぜいwikiに載っている簡単なコンボぐらいしか出来ない)普通にやってもまぁそれなりの勝負になると思い、2P側に座ったのだけれども
ジョインジョイントキィ
不吉な音が向かい側から聞こえてきた
さっきのぎんのこともあったので不安も感じつつもいつも通り本ゲーム中最弱とも言われたりもする兄貴様を選択する
魔法戦士になれるような実力でもないので少々マズイ
結果
テンプレコンボで敗北余裕でした
本人曰く『適当にやってみたら上手く出来た』らしい
もはやつっこむまい
今日は初心者(?)に負けてばっかりな気がする
まぁそういう日なのだろう
その後、甲と合流して少し対戦した後、帰ることになった
のだが
「いよぉwかわいこちゃん達wそんなやつらほっといて俺たちと遊ぼうぜぇww」
「おいおいお前、魔物なんかナンパすんじゃねーよw」
「大丈夫だって、俺たちがこの魔物を『浄化』してあげるんだからもんだいねーよw」
変なのに絡まれた
おそらく教団(時代遅れの反魔物思想の宗教)に属しているDQNだろう
一人や二人だったら無視してバイクに乗り込めば良いのだけれども、なぜかやたらと人数が多い上に囲まれてしまっていので、そこまでたどり着くことが出来ない
「あ〜もしもし、俺だけど、今から魔物を『浄化』すっからこっちに来てくんない?」
「何この蜥蜴女wヘルメット被ってやんの、ちょ〜ウケるw」
「つ〜か、こいつもだっせぇ眼帯とかww伊達政宗かよwww」
まだまだ来るようだ
はっきり言って僕はこういう奴らが大嫌いだ
自分のことしか考えず、周りのことなんて気にもしない姿勢に腹が立つ
いつもなら放っておくけれど、なんだか今日はそんな気分じゃない
「護、手伝ってくれるか?」
「俺はともかく詩織を馬鹿にしたのが許せん」
甲も同じ気持ちらしい
「俺、このヒョロいのテレビでみたことあるぜww最年少で主夫検定特級を取ったってニュースでやってたwww」
「主夫(笑)魔物の奴隷乙www」
……ウザイなぁ
「甲、今何を持ってきてる?」
「ヒールペインの魔法がかかってあるバールのようなものが1本と自作のハンドガンが2丁だな」
「対DQN戦闘用に作ったやつで、反動は少々でかいがその分威力はある、弾丸は専用のヒールペインの魔法をかけてあるから気にせずぶち込めるようになっている、装弾数は6発だ」
「OK、じゃあそのハンドガンを貸して」
僕がそういうと甲は無言で2丁のハンドガンと予備弾薬のカートリッジを手渡してきた
ヒールペインの魔法(痛みだけを擬似的に与える魔法、当たったときに怪我を瞬時に治すが代わりに痛みを倍増させる仕組らしい)がかかっているらしいので気にしないでボコれるね
「おwなんだその銃wwエアガンなんかで俺らに勝てるとでも思ってんのwww」
まぁ普通に見たらエアガンかもしれないね
僕はこいつらの言葉を無視しながら2丁の銃をトンファーのように持つ
隣では甲が懐からバールのようなものを取り出し(どうやって入っていたかは気にしない)詩織に向かって言った
「詩織、小管達はちょっとこいつらボコってから行くから、ぎんとアイをつれて先に帰っていてくれ」
「わかったのであります」
そう言って詩織はぎんとアイの手を引いて歩き出す
「おいおい、行かせるわけねーだろwイかせるつもりだけどwww」
詩織達の前に立った男を、甲は容赦なくバールのようなものを頭に振り落とした
ガツン、と痛々しい音をたてて男はうつぶせに倒れた
「その醜い姿を俺の詩織に見せるな下種が」
「多分もう聞こえてないよ」
一応倒れた男を確認してみたけど意識を失っているだけみたい、流石はヒールペイン
しばらく他の男たちは唖然としていたが、僕と甲の方を向いて
「何すんだよゴルァァァァ」
襲い掛かってきた
どうせ襲われるならアイかぎんに襲われたいね、意味が違うけど
とりあえず僕はグリップをしっかり握り、小指で引き金を引く
ダァンと音が響いてものすごい反動が伝わってくる
が、僕はその反動と勢いを逆に利用して、腕を前に突き出す
バキィと良い音をたてて僕の方に向かってきた男の一人に当たる
そいつは後ろの何人かを巻き込んで倒れた
コレで二人っと
ていうかこのハンドガンかなり反動がデカイ
まぁ僕にとっては反動は強いほうが良いけどね
まぁこれであいつらの注意力は完全に僕達の方に向かれたので、詩織達はバイクのところにたどり着いたようで、ここから離れていった
「貴様らは時代遅れなんだよ、神様を崇拝するのは勝手だが、人様魔物様に迷惑かけるな」
「ンだとてめぇ!主神様ディスってんのか!!!」
「信じる者は救われるって言葉しらねぇのかよ!!」
「信じるものを間違えてるなら足元を掬われるけどね」
僕達の言葉に馬鹿達は完全にキレたようで、色々叫びながらナイフや木刀などそれぞれ武器を取り出した
おそらくそれぞれ全ての武器が加護を受けているものなのか薄っすら光っている
まぁ使い手が残念なら意味は無いけどね
僕達も背中合わせになるように動き、得物を構える
「いつぞやの勇者と戦ったときよりずっと楽だな、小管のエクスカリバールで叩きのめしてやる、ミニガンがあればもっと良いのだがな」
「僕の銃拳流も絶好調だよ」
使うのは久しぶりだけどね、と付け足す
今度は軽く持ち、引き金を引く
銃弾は甲に襲い掛かろうとした奴に当たる
が、ハンドガンそのものは軽く握っているので反動で吹っ飛んでいった
手が凄く痛いです
じゃなくて
吹っ飛んだハンドガンはそのまま僕の前に立っていた奴の頭部に当たる
狙い通り、これで更に二人減ったね
「あんまり手荒に扱うなよ、一応まだ調整中だからな」
「僕にそれを言うのもどうかと思うけどね」
甲はナイフを構えている奴に一気に近づき、手に持っているバールのようなもので
そいつの股間を殴った
思わずその場に居た全員が自分の股間を押さえる
マジで痛そう
やられた奴、泡吹いて倒れてるし
「流石にそれはえげつないよ……」
「どうせこいつらには不要なものだ、いっそのこと去勢すればいい」
と…とりあえずこれで5人、大体半分だね
ふぅ…これで全員かな
さっきの電話で増援がくるはずなんだけども、なぜかまだ来ない
とりあえず甲が自販機でコーヒーを二人分買ってきてくれたので、二人で飲みながら待機する
「まったく、これだから数で攻めるしか能の無い奴は嫌いだ、本来ならこんな缶コーヒーじゃなくて詩織の淹れてくれたコーヒーを飲んでいるはずなのにな」
「本当だね、家事は母さんがやってくれているだろうからまだいいけど、早く帰ってゲームがしたいよ、最近ぎんとアイに襲われて出来なかったし」
そんな会話をしていると、聞きなれた駆動音が近づいてきた
心配して迎えに来てくれたのかな?
バイクから降りて、近づいてきた詩織は甲に敬礼した
「お疲れ様であります、増援と思われるやつらは潰しておいたので帰るのであります」
「………(がしっ)」
「大した事ではなかったな、護、さっさと帰って昨日の続きだ」
……帰るように行ったのにね
まぁこのバイクがあれば大丈夫なんだろうけど
でも、迎えに来てくれたのは嬉しいね
11/06/07 22:31更新 / 錆鐚鎌足
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