一匹目。〜龍の喉笛に噛み付きし蛇〜後編
ーーー少し昔話をしようーーー
力を求め、道に迷い
蛇に出会ってしまった
ある一人の男の話だ
『オマエ。力が欲しくないか?』
その日からオレは蛇となった
オレは九人目らしい。
その集団はとても特殊だった
その中でも特に
他とは比較できないくらい
ヤバいオーラを放つ奴がいた
間違いない。アイツがボスなんだ。
オレは奴に力を与えられた。
他の七人もアイツに力を与えられているみたいだ。
アイツの『匂い』が他の奴等からもしたからだ。
そしてオレ達は、世界を敵に回した。
「懐かしい夢だなァ」
「おいッ!」
「またアンタか、マジでしつけーなぁ」
「いや、その...少し話をしないか?」
「あ〜?何?悩み事?
ごめんオレ暇じゃないんだわ」
「...ッ!そこをなんとか!」
「・・・、はぁ...しょうがねぇな」
「ありがとう...!」
ーーーー木陰にてーーーー
「なぁ、オマエ教団の騎士なのか?」
「?。なにそれ?」
「いや、知らないならいいんだ」
「ふ〜ん。ま、いいや
こっちもちょっと聞きたい事がある」
「あぁ、答えられる事は答えよう」
「じゃあ、オマエさ。
『蛇狩り』なんだろ?」
「・・・」
「ふ〜ん。で、どう?
オレの事、殺せそう?」
「!?。いや、わからない」
「オレを殺しにきたんだよな?」
「あぁ、そのつもりだった
だが、今はわからないんだ」
「最初の気迫はどうしたんだよ」
「我はわからなくなってしまった
オマエは倒すべき敵だ
全力で向かうべき相手だ
だが、オマエはいつも
とてもつまらなさそうだ」
「当然じゃん
弱すぎて本気なんて出せやしない
そんな相手にくっつかれてみろよ」
「・・・グスン」
「あ?泣いてんの?
気高き竜ともあろうお方が...
こんな弱いなんて
オレが泣きたいわ〜」
「...ッ!!!」
「あ〜、探してた龍
じゃあないけど、もういいや。」
「グスン・・・?」
グランは剣先をメリスに向ける
「これ以上がっかりさせられるのも
もうウンザリだしガマンも
ここまでにさせてもらおうかな」
アンタ。オレの為に倒されてくれ
ーーとある居酒屋ーー
「ってな事があったのよ」
「へ〜大変だったんですねぇ」
「そういつオマエは?」
「アナタとだいたい同じですよ」
「『ペテン師』でも気に入ってくれる奴がいるなんてな」
「アナタに言われたくありません『竜巻』」
「じゃあ、オレもう行くわ〜」
「しばらくはこの辺りに
いるのでしょう?」
「そうだな、他の連中も
ここに来るだろうしな」
「えぇおそらく
それではまた会いましょう」
「じゃあな〜」
Bar.UROBOROS
ここは変わり者が寄ってくる
バーである
「またのご来店をお待ちしております」
「また来るよ、『団長』」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「グラン!またバーに
行っただろう!
我という者がおりながら...」
「情報収集って奴だ
女遊びじゃねーから、な?」
「本当か?」
「嘘だと思うならこの場で
叫んでやろうか?
コイツはオレのモンだー!って」
「...ッ///」
「あ〜疲れたから
早く宿で休みたいな〜」
「そう...だな、行こう」
「マジで眠ぃ」
「寝かさないぞ...♥」
「はぁ...」
〜〜〜あの日あの時あの場所で〜〜〜
「アンタ、オレのために倒されてくれ」
「いいだろう」
「随分と潔いな?」
「もう我に誇りなどない
キサマとの戦いで
敗北が続いてるという事が
上に広まってしまった」
「上って?『蛇狩り』の
上層部ってコトかい?」
「あぁ、そして次また負けるようなら
もう帰って来なくてよいと」
「なるほどねぇ」
「だからやるなら早くやってくれ
我にはもう失う物は何も無い」
「その為にわざわざオレの前に来たっての?」
「そうだ」
「なら、遠慮はいらないよなぁ?」
そう言ってグランは
ーーー剣を地面に突き刺したーーー
「どういうつもりだ?」
「オマエは今日から
オレと一緒に来てもらう
そんでいつかオレと
肩を並べられるようになりな?」
「...」
「それも嫌ならあとは知らね〜
どこへなりとも行けよ」
「一緒に...行かせて欲しい」
「なら決まりだな!
よろしく頼むぜ〜」
「ふっ、いつか必ずオマエに
我の力を思い知らせてやる」
「その日が早く来るといいな」
「あぁ。」
16/02/26 21:44更新 / 紫酔染香*・ω・)ゞ
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