(62)オーク
とある町の一見の小さな家に、一体のオークが住んでいた。
乳や尻はもちろん、腹や太腿、二の腕に背中に腰回りにと、いろいろなところに程良くお肉が付いた年頃のオークだ。
彼女は野生のオークの群で育ったわけではなく、この町のオークと人間の両親に育てられた。
しかし、両親の愛を一杯受けて育った彼女は今、愛の鞭の一環で一人暮らしをさせられているのだった。
一通りの家事は出来るものの、それでも一人で何もかもをやらねばならないと言うのは辛く、忙しい。
彼女は毎日、目の回るような思いで洗濯や掃除をこなしていた。
「ふー、お洗濯おしまい･･･」
物干し竿で揺れる自分の寝間着や普段着を見上げ、彼女は額に浮かぶ汗を拭った。しかし汗は次から次へと浮かび、額を流れ落ちていく。
「あつーい･･･」
シャツの襟を摘んで動かし、服の内側に空気を取り込む。同時に髪の間から覗く、折れ曲がった耳をぱたぱたと動かし、彼女は涼を求めた。
気温はそう高くなく、むしろ涼しいぐらいである。しかし、掃除や洗濯などの全身運動で高まった体温は、気温をものともしなかった。
多少家事をさぼれば、ここまで辛くはないのだろうが、それでは両親の抜き打ちチェックが恐ろしい。
家事をしたくない、と言うわけではないが、せめて手伝ってくれる人が一人ほしい。
それが彼女の気持ちだった。
「ちょっと体拭いて、それからお買い物に行こうかな･･･」
店が開くまで、もう少し時間がある。その時間の活用について考えながら、彼女は家に戻った。
そして、桶を手にすると、体を拭うための水を汲むため、共用の井戸にむかった。
家を出て少し歩くと、すぐに近隣の住民が使っている井戸に着いた。彼女は桶を井戸の傍らに置き、ロープの付いたバケツを、石組の縦穴に降ろしていった。するとロープを伝わってバケツが水に触れる感触が、彼女の手に伝わった。
「よいしょ･･･と」
ロープを引き上げ、水の入ったバケツを持ち上げる。結構力のいる作業であったが、オークの彼女にしてみればそう辛いものではなく、何より井戸の底から吹き上げてくる冷たい風が心地よかった。
「よい、しょ･･･あ〜ちめたい」
井戸の縁まで引き上げたバケツを、石組の縁の上に置くと、彼女は水に触れてそう呟いた。
このまま頭から水を被りたい気分だったが、一応ここは外だし、せっかく汲み上げた水が一瞬でなくなってしまう。
「いったん帰って、体拭いてすっきりして、お買い物〜♪」
言葉に調子をつけながら、彼女は桶に水を注ぐと、井戸を離れた。
冷えた地下水は、こうして持っているだけでも彼女に涼を与えてくれた。早く家に戻って、その恩恵に与らねば。
「ん〜る〜るる〜♪･･･ん？」
ふと、オークの耳がぴくんと動き、彼女は足を止めて振り返った。
一瞬人の気配と視線を感じたのだが、気のせいだったのか通りの向こうを歩く人影ぐらいしか見えない。
「･･･？」
彼女は首を傾げてから正面を向き、家に向かって歩いていった。
やがて彼女は家に戻り、玄関から部屋に入っていった。台所の流し台に桶を置くと、彼女はタオルを二枚と着替えを出した。
そして、汗に濡れて肌に張り付くシャツや、腰回りの汗で濡れたショートパンツを脱ぎ捨てる。
肉が付いて少しだけ垂れた腹の下に食い込む白いパンツと、カップに乳房を詰め込まれて背中にひもを食い込ませるブラジャーが露わになった。
「ふ〜」
衣服を脱いだことで、多少の不快感はなくなった。
後は肌にへばりつく汗を濡らしたタオルで拭い、乾いたタオルで水分を拭き取れば完璧だ。
彼女はタオルを一枚とると、桶の水にジャブジャブと浸した。
「ん･･･？」
再び、うなじの辺りを駆け抜けた感覚に、彼女は顔を上げた。
誰かに見られている気がする。しかし、ここは家の中だ。自分の他には誰もいない。
「･･････っ！」
彼女は少し考えてから、勢いよく台所を離れ、まっすぐに玄関に向かってドアを開いた。
すると、ちょうどドアの前に少年が一人、屈み込んだ姿勢で彼女を見上げ、目を丸くしていた。
どうやら、ドアの鍵穴から家の中を覗き込んでいたらしい。
「あ･･･」
「見ーつけた。知ってる？覗きは犯罪よ」
オークの一言に、少年の目元にジワリと涙が浮かぶ。
「まあ、私も鬼じゃないから、町の警備隊に突き出しはしないけど、次やったら･･･」
「ご、ごめんなさい･･･オークさん、ごめんなさい･･･」
「ちょ、ちょっと何泣いてるの･･･」
今回は許してやる、というオークの言葉にも関わらず、ぼろぼろと涙をこぼし始めた少年に、彼女は慌てた。
「覗いてたわけじゃなくて･･･オークさんを待ってたら、いつ出てくるか気になって･･･」
「結局覗いてるわよね、それ･･･」
少年の涙ながらの言い訳を聞く内、彼女はふと少年が手に何かを握りしめているのか気が付いた。
それは、道ばたや野原に生えていそうな野草の花を数種類まとめた、『花束』だった。
「落ち着いた？」
とりあえず下着の上にシャツを羽織った彼女の問いかけに、食卓のイスに腰掛けた少年が、無言で頷いた。
「それで、簡単にまとめると･･･私にどの花が好きか聞こうと思ったら、家に入った。それで出てくるまで待つつもりだったけど、いつ出てくるのか気になってしまって、鍵穴から中を見た･･･ということ？」
食卓テーブルを挟んで向かいの席に座るオークがそう尋ねると、再び少年が頷く。
「･･･んー･･･花束を贈ろうとしてくれた、っていうのは少し嬉しいけど･･･」
小さな花瓶にいけられた『花束』を見ながら、彼女はため息を挟んで続けた。
「君に覗かれたのは、ちょっといやだなー、って気分」
「･･･ごめんなさい･･･」
うつむいたまま、少年は小さい声で謝った。
どうやら少年は、根は素直なようだ。ただ、少々オークへの気持ちが暴走してしまっただけなのだろう。
「まあ、謝ってくれたんだから、許してあげるわ」
「ほ、本当ですか･･･？」
少年はおどおどとした様子でオークを見上げ、不安げに問いかけた。
「ん？許してほしくなかったの？」
少年の言葉に混ざる不安に、彼女はそう問いかけた。
「だって、オークさんがいやな思いをしたのに、謝るだけでいいなんて･･･」
「反省して、謝って、二度としないって約束出来るわよね？それで十分よ」
「でも･･･」
「あーん、もー･･･分かったわ、今日からしばらく、家に来ていくつか私のお手伝いをする。それなら気が済むでしょ？」
少年の顔にわずかな明るさが差した。もともと、花束を携えて告白するつもりだった彼にしてみれば、お仕置きどころかご褒美なのだろう。
「あ、ありがとうございます･･･」
「お礼は言わないでいいわよ･･･もともと無罪放免のつもりだったんだから･･･」
でも、これでしばらくは家事が楽になるかもしれない。
そう思ったところで、彼女はふと少年がもじもじとしているのに気が付いた。両手を両足の間に寄せ、テーブルの下で膝の辺りを擦り合わせている。
「どうしたの？おしっこ？」
「っ･･･いや、そういう訳じゃ･･･」
「でも、様子が･･･」
「違うんです･･･その、夜にオークさんのことを考えると胸の辺りがもやもやするんですけど･･･それと同じことが、今･･･」
少年は自分の状態について説明すると、再び膝小僧を擦り合わせ、うつむいた。
「それって･･･ああ」
オークは少年の言葉から、彼がどうなっているのかを悟り、にぃと笑った。
「実は胸だけじゃなくて、おちんちんもむずむずするんでしょ？」
オークの口から出た、おちんちんという言葉に少年は一瞬肩をふるわせたが、顔を赤らめながら一つ頷いた。
「ということは、こんなことしたら･･･どうなるのかしら？」
オークはどこか楽しげに羽織っているシャツに手をかけると、無造作に脱いだ。
布一枚とはいえ、少年の目から遮られていた彼女の肩や首もと、ブラジャーに押し込められていた乳房が露わになる。
「わ･･･！」
少年は顔を少しだけ上げて、ちらちらとオークの胸の辺りを見た。
「ふふ･･･」
少年の羞恥心と好奇心と自制心のせめぎ合いを楽しむように、彼女は低く微笑んだ。
「気になるの？」
少年は一瞬動きを止め、彼女の問いかけに小さく頭を左右に振った。
「正直に答えなさい」
少年に問いただすと、彼は観念したように一つ頷いた。
「だったら、顔を上げてちゃんと見て･･･」
オークの言葉に、少年はおずおずと顔を上げ、テーブルの向こうの彼女の体に視線を這わせた。
小動物のような少年の物腰や、肌を這う彼の視線は、オークにゾクゾクするような興奮をもたらした。
オークの、弱者に対してはどこまでも強いという特性が、今まさに発露しているのだ。
「そういえばさっき、夜に私のことを考えるともやもやする、って言っていたわよね？」
少年でもう少し楽しみたい、という衝動のままに、彼女はそう彼に問いかけた。
だが、少年の返答は彼女が欲していたものとは違った。
「･･･枕をぎゅーってして･･･そのまま寝ます･･･」
「えーと、他にもほら、何かやることあるんじゃない？その、ええと･･･」
「？」
オークが何とか聞き出そうとするが、少年はきょとんとしているばかりだ。
どうやら、枕を抱きしめるぐらいしかしておらず、自慰も知らないらしい。
「分かったわ。だったら来なさい」
オークはイスを引いて食卓テーブルから離れると、少年を招いた。
「ほら、枕の代わりに私をぎゅーってしていいのよ？」
「！」
彼女の申し出に、少年が目を見開いた。
少年は常日頃、ベッドの中でオークの服の上からでも分かるぷよぷよのお腹や大きな胸を想像しながら枕を抱きしめていたのだ。それが今、現実のものに触れられる。
少年はイスから立ち上がると、熱に浮かされたようにふらふらとオークの方へと歩いていった。
「はい、おいで」
近づいてくる少年に向けて、彼女は軽く両腕を開いた。すると少年は、ほぼ彼女の太腿に飛び乗るようにして、オークの体にしがみついてきた。
「あああああっ、オークさんっ、オークさんっ！」
少年が声を上げながらブラジャーによって作られた乳房の隙間に顔をねじ込み、柔らかく膨れた腹に体を押しつける。
すると、オークの想像通り彼女のへその辺りに何やら固いものが押し当てられていた。
彼は両腕をオークの体に、両足を彼女の腰に回し、全身でズボンの下の肉棒を彼女の体に押し付けている。
そう、自慰を知らずとも、肉体がどうすれば気持ちよくなるか知っているのだ。ならばこうして、肉体の欲するがままに振る舞わせれば、少年に自慰を教えることなど簡単だ。
「ふふふ、かわいい･･･」
胸の間に半分以上埋まった少年の頭を見下ろしながら、オークは微笑んだ。衣服越しとはいえ、彼の屹立が腹を圧迫するのも心地よく、程良く彼女の心を満たしていた。
しばらく、少年の好きなようにさせてやってから、ベッドに連れ込んでこの豊満な体で押しつぶすように抱きしめてやれば、オークの虜になるだろう。
「ふふ･･･ねえ、今どんな気分･･･？」
一生懸命に全身でオークの体を味わう少年に向け、彼女はそう問いかけた。
「オークさんの･･･においで･･････！」
「･･････ぁ･･･」
少年の返答に、オークはようやく自分がまだ体を拭いていないことを思い出した。つまり、自分は汗塗れのままで、とても汗くさい。
瞬間、彼女の顔に朱が差した。
「あぁぁ･･･オークさんの、におい･･･オークさんの、におい･･･！」
オークが羞恥を覚えている一方で、少年はかまうことなく彼女の乳房の間で深呼吸を繰り返し、震え声でそう呟き続けた。
その声は興奮と感動に彩られており、少年が喜んでいる様子がよく分かる。
しかし彼が喜んでいようといまいと、オークが汗くさいことに代わりはなかった。
「ちょ、ちょっと･･･ひゃい！？」
少年を引き剥がそうとした瞬間、彼女の乳房の間を何か濡れたものが這う感触が襲った。
「あぁぁ･･･オークさんの、味ぃ･･･！」
「な、舐めない、で･･･ひゃぁ！」
オークがそう求めるが、少年は二度三度と彼女の乳房の谷間に舌を這わせた。
「おいしいよぉ･･･しょっぱくて、おいしい･･･！」
「や、やぁ･･･！」
しょっぱいとはすなわち汗の味。少年に汗塗れの肌の味を告げられ、オークは羞恥に顔をゆがめた。
右の胸に左の胸、そして乳と乳の間の肌。味がしなくなれば、顔を少し動かしてそこを舐める。
少年は、オークの味を楽しみながら、ひたすらに舌を這わせ続けた。
一方オークは少年の舌の感触と、彼の紡ぐ言葉に肌と耳を苛まれながら、身悶えしていた。
つい先ほどまでの、少年を口先で弄んでいた時の余裕はなく、羞恥に赤らめた顔に涙を浮かべ、いやいやと顔を左右に動かすほか、何も出来なかった。
「オークさん･･･オークさん･･･！」
不意に少年が乳房の谷間から顔を離し、彼女の乳房を押し込めたブラジャーに手をかけた。
知識がないためか、興奮しきっているためか、彼が掴んだのは紐や留め金ではなく、カップ部分だった。
「や、やめて･･･」
オークが弱々しく言うが、彼は気にすることもなく彼女のブラジャーをめちゃくちゃに動かし、外そうとした。しかし紐が肉に食い込んでいるためか、ほとんど動く様子がなかった。
「乱暴にしないで･･･外す、外すから･･･」
少年の動きに彼女はそう言うと、背中に手を回して留め金を外した。
直後、紐がゆるみ彼女の胸からブラジャーがはずれる。
針金で補強された布の器に押し込められていた肉の塊が解放され、重力に従い少しだけ垂れた。
「オークさんの、おっぱい･･･！」
少年はブラジャーを投げ捨てると、彼女の乳房に猛然としゃぶり付いた。
口を大きく開き、やや広めの乳輪ごと乳首を咥える。そして思い切り吸い立てながら、彼はもう片方の乳房を掴んだ。
「や･･･あんっ･･･！」
拒絶の言葉もむなしく、少年の口の中で乳首は舌に弄ばれ、もう片方には指が食い込んだ。
乳首への刺激と、乳房を鈍い痛みが襲うが、不思議なことに彼女はその二つの刺激に背筋がゾクゾクするのを感じた。
まるで、それが心地よいと言うかのように。
「んふーっ、んふーっ」
少年は鼻息も荒く、むちゃくちゃに汗の味しかしないはずの乳を吸い、汗に塗れて微妙にべたつく乳房を揉み続けた。
少年の指に貼り付く自身の肌に、オークは自分がどれほど汗に塗れていたのかを見せつけられているかのようだった。
「うぅ･･･」
彼女が羞恥に涙をぽろぽろとこぼしていると、不意に少年が乳房から口を離した。唾液に濡れ、てらてらと光を照り返す彼女の乳頭は小指の先ほどにまで膨れており、彼女の肉体の高ぶりを示していた。
「はぁっ、はぁっ･･･！」
少年は興奮に荒く息を吐きながら、猛然ともう一方の乳房に吸い付き、舐めしゃぶった。
「あぁ･･･！」
もう一方の乳房の先端はすでに勃起しており、少年の汗の味を求める舌の蠢きを受けて、オークへ鋭い刺激と甘い快感を与えた。
そして、自分の唾液に塗れたもう一方の乳房も、彼は気にすることなく揉んだ。
「んんぅ･･･！」
オークは仰け反り、天井を仰ぎながら少年の舌と指に耐えた。
（おっぱいさえ我慢すれば･･･！）
そう思い、必死に少年がもたらす快感をこらえていた。
すでに彼女の下腹は疼き始めており、下着は汗とは異なる湿り気を帯びつつあった。気を緩めれば流されてしまい、腹に押し当てられる少年の屹立をねだってしまうだろう。
そうなってしまえば、彼女は少年を主と認めたに等しい。年端も行かない少年は、彼女という下僕を抱えていかなければならなくなるのだ。
（がまん、しないと･･･！）
そう、前途ある少年の未来を守るためにも、堪えなければ。ただ、彼のような子供に達せられてしまうのが悔しいからではない。
歯を食いしばり、時折耳や尻尾をピクピク震わせながら、快感の波に耐えていると、ついに少年が乳首から口を離した。
「はぁ、はぁ、はぁ･･･！」
どこか呆然とした様子で、とろんとした瞳で虚空を見つめる少年の体からは、精の匂いが立ち上っていた。生まれてからおそらく射精したこともないであろう彼の体が、ため込んだ精の匂いを汗とともに放っているのだろうか。
下腹が疼き、涎が溢れてくる香りに、彼女は衝き動かされそうになった
「おなか･･･」
「へ？」
不意に少年が漏らした一言に、オークは虚を突かれた。
一瞬動きを止める彼女から、少年は体を離すと、床の上にひざを付き、オークの腿の上に胸を当てながら、オークの腹に顔を押し付けた。
「ひゃぁぁぁっ！？」
「んぶっ！んもっ！ふぉなはぁ！」
肉が付き、乳房に負けぬほど膨れたぷよぷよの腹部に、少年は顔を押し当て、声を漏らしながら肌を舐め、吸った。
「や、やめてぇ･･･！」
同世代の魔物と比べても豊満すぎる肉体のうち、出来れば最も引っ込めたい部分を責められ、彼女は声を上げた。しかし少年に止まる気配はなく、むしろ勢いが増していくばかりだった。
「んっ！んもっ！んぶっ！んっ！」
「や･･･！おへそ、舐めないで･･･！」
腹肉に埋もれた窪みを掘り当てられ、柔らかな舌にくすぐられる感触に身悶えしながら、彼女は声を上げた。
すると少年は、彼女の言葉に従うように舌をへそから離した。
オークは内心、ほっと胸をなで下ろすが、直後少年の吸い付いた場所に戦慄した。へその下の下腹だったからだ。
それどころか、彼はちゅっちゅとキスのように腹肉に吸い付きながら、徐々に下へ下へと顔を下ろしていく。このままでは、下腹を通り抜け、下着に達してしまう。そうなればただの布製のパンツなど、興奮した少年はたちどころに剥ぎ取り、その先に進んでしまうだろう。
「･･･」
内心の予想と少年の熱烈な接吻に、彼女の喉が鳴り、下腹が疼いた。
「い、いけない･･･！」
すんでのところで、彼女は我に返り、顔を勢いよく振った。気を強く持たねば。
しかし、少年の唇はすでに彼女の子宮の真上に達しており、分厚い脂肪を隔てているというのに、彼女の腹の奥の空虚を強く感じさせた。
少年の唇が下腹に触れ、舌先が肌をくすぐり、離れるだけで、まるで子宮口に直接キスされたような気分になる。
そして、少年の顔が下がるにつれ、オークの両足が自然と開いていった。
やがて、少年の顔がムッチリとした太腿の間に埋まり、肉に食い込む柔らかな布が脇によけられ、少年の眼前に女陰が晒された。
「･･･！」
少年は言葉もなく、ただ荒い吐息でもって己の高ぶりを語り、オークのそこへ食いついていった。
「ひゃぁぅぅうううぅぅ･･･！」
体の中で最も敏感な、最も秘すべき箇所への刺激に、彼女は声を上げた。
少年は舌で柔らかな亀裂を押し開き、蜜を啜り上げながら、顔を彼女の太腿の間に押し付けた。
鼻や唇が、彼女の女陰を擦り、出入りする熱い吐息が肌を撫でた。
「ひぅっ、ひゃ、あうぅ！」
断続的に股間から伝わる刺激に、彼女は身悶えした。
少年の頭に手を伸ばし、しっかり掴んで剥がそうとする。しかし彼女の太腿は少年を逃すまいと、彼の頭を左右から挟み込み、軟らかい肉でもってがっちり捕らえていた。
「･･･！」
「ひぅ！」
顔を挟み込む柔らかな太腿の感触に興奮したのか、少年の舌がひときわ強く彼女の亀裂を擦り、オークが全身を震わせた。
必然的に彼女の太腿にも力がこもり、彼の頭はぐりぐりと股間に押し付けられていく。
すると、少年は舌や唇を震わせ、頭全体を細かく動かして、彼女の秘裂を刺激した。
「あぁ･･･あぁ･･･！」
体内で高まっていく心臓の脈動に、彼女は自身の限界を、意識のどこかで悟った。
しかしもはや彼女には、快感に耐えようとする意志も気力も、残ってはいなかった。
「あぁふぅぅぅぅうううんっ！」
喘ぎ声と嬌声と吐息。それらが一体となった声が彼女の口から溢れだし、全身の痙攣に彼女の肉が震えた。
そしてしばしの間をおいて、一瞬視界を白く塗りつぶす絶頂から、彼女は気だるさと疲労感に満ちた肉の体へ、意識を引き戻した。
「はぁ、ふぅ、はぁ、ふぅ･･･」
いくら呼吸を重ねても、落ち着く気配のないほど乱れた呼吸に身を任せながら、彼女は太腿から力を抜いた。
しかし、少年は彼女の股間に顔を当てたまま、ぴくりとも動く気配がなかった。
「はぁ、はぁ･･･あれ･･･？」
いつまでも動かない少年に、彼女が異常を感じて、手を伸ばす。
そして、彼女は少年の顔を離して、事態を理解した。
少年は、オークの肉に溺れて、窒息していたのだった。
「ちょ、ちょっと！大丈夫！？」
彼女が慌てるが、既に若干遅かった。
乳や尻はもちろん、腹や太腿、二の腕に背中に腰回りにと、いろいろなところに程良くお肉が付いた年頃のオークだ。
彼女は野生のオークの群で育ったわけではなく、この町のオークと人間の両親に育てられた。
しかし、両親の愛を一杯受けて育った彼女は今、愛の鞭の一環で一人暮らしをさせられているのだった。
一通りの家事は出来るものの、それでも一人で何もかもをやらねばならないと言うのは辛く、忙しい。
彼女は毎日、目の回るような思いで洗濯や掃除をこなしていた。
「ふー、お洗濯おしまい･･･」
物干し竿で揺れる自分の寝間着や普段着を見上げ、彼女は額に浮かぶ汗を拭った。しかし汗は次から次へと浮かび、額を流れ落ちていく。
「あつーい･･･」
シャツの襟を摘んで動かし、服の内側に空気を取り込む。同時に髪の間から覗く、折れ曲がった耳をぱたぱたと動かし、彼女は涼を求めた。
気温はそう高くなく、むしろ涼しいぐらいである。しかし、掃除や洗濯などの全身運動で高まった体温は、気温をものともしなかった。
多少家事をさぼれば、ここまで辛くはないのだろうが、それでは両親の抜き打ちチェックが恐ろしい。
家事をしたくない、と言うわけではないが、せめて手伝ってくれる人が一人ほしい。
それが彼女の気持ちだった。
「ちょっと体拭いて、それからお買い物に行こうかな･･･」
店が開くまで、もう少し時間がある。その時間の活用について考えながら、彼女は家に戻った。
そして、桶を手にすると、体を拭うための水を汲むため、共用の井戸にむかった。
家を出て少し歩くと、すぐに近隣の住民が使っている井戸に着いた。彼女は桶を井戸の傍らに置き、ロープの付いたバケツを、石組の縦穴に降ろしていった。するとロープを伝わってバケツが水に触れる感触が、彼女の手に伝わった。
「よいしょ･･･と」
ロープを引き上げ、水の入ったバケツを持ち上げる。結構力のいる作業であったが、オークの彼女にしてみればそう辛いものではなく、何より井戸の底から吹き上げてくる冷たい風が心地よかった。
「よい、しょ･･･あ〜ちめたい」
井戸の縁まで引き上げたバケツを、石組の縁の上に置くと、彼女は水に触れてそう呟いた。
このまま頭から水を被りたい気分だったが、一応ここは外だし、せっかく汲み上げた水が一瞬でなくなってしまう。
「いったん帰って、体拭いてすっきりして、お買い物〜♪」
言葉に調子をつけながら、彼女は桶に水を注ぐと、井戸を離れた。
冷えた地下水は、こうして持っているだけでも彼女に涼を与えてくれた。早く家に戻って、その恩恵に与らねば。
「ん〜る〜るる〜♪･･･ん？」
ふと、オークの耳がぴくんと動き、彼女は足を止めて振り返った。
一瞬人の気配と視線を感じたのだが、気のせいだったのか通りの向こうを歩く人影ぐらいしか見えない。
「･･･？」
彼女は首を傾げてから正面を向き、家に向かって歩いていった。
やがて彼女は家に戻り、玄関から部屋に入っていった。台所の流し台に桶を置くと、彼女はタオルを二枚と着替えを出した。
そして、汗に濡れて肌に張り付くシャツや、腰回りの汗で濡れたショートパンツを脱ぎ捨てる。
肉が付いて少しだけ垂れた腹の下に食い込む白いパンツと、カップに乳房を詰め込まれて背中にひもを食い込ませるブラジャーが露わになった。
「ふ〜」
衣服を脱いだことで、多少の不快感はなくなった。
後は肌にへばりつく汗を濡らしたタオルで拭い、乾いたタオルで水分を拭き取れば完璧だ。
彼女はタオルを一枚とると、桶の水にジャブジャブと浸した。
「ん･･･？」
再び、うなじの辺りを駆け抜けた感覚に、彼女は顔を上げた。
誰かに見られている気がする。しかし、ここは家の中だ。自分の他には誰もいない。
「･･････っ！」
彼女は少し考えてから、勢いよく台所を離れ、まっすぐに玄関に向かってドアを開いた。
すると、ちょうどドアの前に少年が一人、屈み込んだ姿勢で彼女を見上げ、目を丸くしていた。
どうやら、ドアの鍵穴から家の中を覗き込んでいたらしい。
「あ･･･」
「見ーつけた。知ってる？覗きは犯罪よ」
オークの一言に、少年の目元にジワリと涙が浮かぶ。
「まあ、私も鬼じゃないから、町の警備隊に突き出しはしないけど、次やったら･･･」
「ご、ごめんなさい･･･オークさん、ごめんなさい･･･」
「ちょ、ちょっと何泣いてるの･･･」
今回は許してやる、というオークの言葉にも関わらず、ぼろぼろと涙をこぼし始めた少年に、彼女は慌てた。
「覗いてたわけじゃなくて･･･オークさんを待ってたら、いつ出てくるか気になって･･･」
「結局覗いてるわよね、それ･･･」
少年の涙ながらの言い訳を聞く内、彼女はふと少年が手に何かを握りしめているのか気が付いた。
それは、道ばたや野原に生えていそうな野草の花を数種類まとめた、『花束』だった。
「落ち着いた？」
とりあえず下着の上にシャツを羽織った彼女の問いかけに、食卓のイスに腰掛けた少年が、無言で頷いた。
「それで、簡単にまとめると･･･私にどの花が好きか聞こうと思ったら、家に入った。それで出てくるまで待つつもりだったけど、いつ出てくるのか気になってしまって、鍵穴から中を見た･･･ということ？」
食卓テーブルを挟んで向かいの席に座るオークがそう尋ねると、再び少年が頷く。
「･･･んー･･･花束を贈ろうとしてくれた、っていうのは少し嬉しいけど･･･」
小さな花瓶にいけられた『花束』を見ながら、彼女はため息を挟んで続けた。
「君に覗かれたのは、ちょっといやだなー、って気分」
「･･･ごめんなさい･･･」
うつむいたまま、少年は小さい声で謝った。
どうやら少年は、根は素直なようだ。ただ、少々オークへの気持ちが暴走してしまっただけなのだろう。
「まあ、謝ってくれたんだから、許してあげるわ」
「ほ、本当ですか･･･？」
少年はおどおどとした様子でオークを見上げ、不安げに問いかけた。
「ん？許してほしくなかったの？」
少年の言葉に混ざる不安に、彼女はそう問いかけた。
「だって、オークさんがいやな思いをしたのに、謝るだけでいいなんて･･･」
「反省して、謝って、二度としないって約束出来るわよね？それで十分よ」
「でも･･･」
「あーん、もー･･･分かったわ、今日からしばらく、家に来ていくつか私のお手伝いをする。それなら気が済むでしょ？」
少年の顔にわずかな明るさが差した。もともと、花束を携えて告白するつもりだった彼にしてみれば、お仕置きどころかご褒美なのだろう。
「あ、ありがとうございます･･･」
「お礼は言わないでいいわよ･･･もともと無罪放免のつもりだったんだから･･･」
でも、これでしばらくは家事が楽になるかもしれない。
そう思ったところで、彼女はふと少年がもじもじとしているのに気が付いた。両手を両足の間に寄せ、テーブルの下で膝の辺りを擦り合わせている。
「どうしたの？おしっこ？」
「っ･･･いや、そういう訳じゃ･･･」
「でも、様子が･･･」
「違うんです･･･その、夜にオークさんのことを考えると胸の辺りがもやもやするんですけど･･･それと同じことが、今･･･」
少年は自分の状態について説明すると、再び膝小僧を擦り合わせ、うつむいた。
「それって･･･ああ」
オークは少年の言葉から、彼がどうなっているのかを悟り、にぃと笑った。
「実は胸だけじゃなくて、おちんちんもむずむずするんでしょ？」
オークの口から出た、おちんちんという言葉に少年は一瞬肩をふるわせたが、顔を赤らめながら一つ頷いた。
「ということは、こんなことしたら･･･どうなるのかしら？」
オークはどこか楽しげに羽織っているシャツに手をかけると、無造作に脱いだ。
布一枚とはいえ、少年の目から遮られていた彼女の肩や首もと、ブラジャーに押し込められていた乳房が露わになる。
「わ･･･！」
少年は顔を少しだけ上げて、ちらちらとオークの胸の辺りを見た。
「ふふ･･･」
少年の羞恥心と好奇心と自制心のせめぎ合いを楽しむように、彼女は低く微笑んだ。
「気になるの？」
少年は一瞬動きを止め、彼女の問いかけに小さく頭を左右に振った。
「正直に答えなさい」
少年に問いただすと、彼は観念したように一つ頷いた。
「だったら、顔を上げてちゃんと見て･･･」
オークの言葉に、少年はおずおずと顔を上げ、テーブルの向こうの彼女の体に視線を這わせた。
小動物のような少年の物腰や、肌を這う彼の視線は、オークにゾクゾクするような興奮をもたらした。
オークの、弱者に対してはどこまでも強いという特性が、今まさに発露しているのだ。
「そういえばさっき、夜に私のことを考えるともやもやする、って言っていたわよね？」
少年でもう少し楽しみたい、という衝動のままに、彼女はそう彼に問いかけた。
だが、少年の返答は彼女が欲していたものとは違った。
「･･･枕をぎゅーってして･･･そのまま寝ます･･･」
「えーと、他にもほら、何かやることあるんじゃない？その、ええと･･･」
「？」
オークが何とか聞き出そうとするが、少年はきょとんとしているばかりだ。
どうやら、枕を抱きしめるぐらいしかしておらず、自慰も知らないらしい。
「分かったわ。だったら来なさい」
オークはイスを引いて食卓テーブルから離れると、少年を招いた。
「ほら、枕の代わりに私をぎゅーってしていいのよ？」
「！」
彼女の申し出に、少年が目を見開いた。
少年は常日頃、ベッドの中でオークの服の上からでも分かるぷよぷよのお腹や大きな胸を想像しながら枕を抱きしめていたのだ。それが今、現実のものに触れられる。
少年はイスから立ち上がると、熱に浮かされたようにふらふらとオークの方へと歩いていった。
「はい、おいで」
近づいてくる少年に向けて、彼女は軽く両腕を開いた。すると少年は、ほぼ彼女の太腿に飛び乗るようにして、オークの体にしがみついてきた。
「あああああっ、オークさんっ、オークさんっ！」
少年が声を上げながらブラジャーによって作られた乳房の隙間に顔をねじ込み、柔らかく膨れた腹に体を押しつける。
すると、オークの想像通り彼女のへその辺りに何やら固いものが押し当てられていた。
彼は両腕をオークの体に、両足を彼女の腰に回し、全身でズボンの下の肉棒を彼女の体に押し付けている。
そう、自慰を知らずとも、肉体がどうすれば気持ちよくなるか知っているのだ。ならばこうして、肉体の欲するがままに振る舞わせれば、少年に自慰を教えることなど簡単だ。
「ふふふ、かわいい･･･」
胸の間に半分以上埋まった少年の頭を見下ろしながら、オークは微笑んだ。衣服越しとはいえ、彼の屹立が腹を圧迫するのも心地よく、程良く彼女の心を満たしていた。
しばらく、少年の好きなようにさせてやってから、ベッドに連れ込んでこの豊満な体で押しつぶすように抱きしめてやれば、オークの虜になるだろう。
「ふふ･･･ねえ、今どんな気分･･･？」
一生懸命に全身でオークの体を味わう少年に向け、彼女はそう問いかけた。
「オークさんの･･･においで･･････！」
「･･････ぁ･･･」
少年の返答に、オークはようやく自分がまだ体を拭いていないことを思い出した。つまり、自分は汗塗れのままで、とても汗くさい。
瞬間、彼女の顔に朱が差した。
「あぁぁ･･･オークさんの、におい･･･オークさんの、におい･･･！」
オークが羞恥を覚えている一方で、少年はかまうことなく彼女の乳房の間で深呼吸を繰り返し、震え声でそう呟き続けた。
その声は興奮と感動に彩られており、少年が喜んでいる様子がよく分かる。
しかし彼が喜んでいようといまいと、オークが汗くさいことに代わりはなかった。
「ちょ、ちょっと･･･ひゃい！？」
少年を引き剥がそうとした瞬間、彼女の乳房の間を何か濡れたものが這う感触が襲った。
「あぁぁ･･･オークさんの、味ぃ･･･！」
「な、舐めない、で･･･ひゃぁ！」
オークがそう求めるが、少年は二度三度と彼女の乳房の谷間に舌を這わせた。
「おいしいよぉ･･･しょっぱくて、おいしい･･･！」
「や、やぁ･･･！」
しょっぱいとはすなわち汗の味。少年に汗塗れの肌の味を告げられ、オークは羞恥に顔をゆがめた。
右の胸に左の胸、そして乳と乳の間の肌。味がしなくなれば、顔を少し動かしてそこを舐める。
少年は、オークの味を楽しみながら、ひたすらに舌を這わせ続けた。
一方オークは少年の舌の感触と、彼の紡ぐ言葉に肌と耳を苛まれながら、身悶えしていた。
つい先ほどまでの、少年を口先で弄んでいた時の余裕はなく、羞恥に赤らめた顔に涙を浮かべ、いやいやと顔を左右に動かすほか、何も出来なかった。
「オークさん･･･オークさん･･･！」
不意に少年が乳房の谷間から顔を離し、彼女の乳房を押し込めたブラジャーに手をかけた。
知識がないためか、興奮しきっているためか、彼が掴んだのは紐や留め金ではなく、カップ部分だった。
「や、やめて･･･」
オークが弱々しく言うが、彼は気にすることもなく彼女のブラジャーをめちゃくちゃに動かし、外そうとした。しかし紐が肉に食い込んでいるためか、ほとんど動く様子がなかった。
「乱暴にしないで･･･外す、外すから･･･」
少年の動きに彼女はそう言うと、背中に手を回して留め金を外した。
直後、紐がゆるみ彼女の胸からブラジャーがはずれる。
針金で補強された布の器に押し込められていた肉の塊が解放され、重力に従い少しだけ垂れた。
「オークさんの、おっぱい･･･！」
少年はブラジャーを投げ捨てると、彼女の乳房に猛然としゃぶり付いた。
口を大きく開き、やや広めの乳輪ごと乳首を咥える。そして思い切り吸い立てながら、彼はもう片方の乳房を掴んだ。
「や･･･あんっ･･･！」
拒絶の言葉もむなしく、少年の口の中で乳首は舌に弄ばれ、もう片方には指が食い込んだ。
乳首への刺激と、乳房を鈍い痛みが襲うが、不思議なことに彼女はその二つの刺激に背筋がゾクゾクするのを感じた。
まるで、それが心地よいと言うかのように。
「んふーっ、んふーっ」
少年は鼻息も荒く、むちゃくちゃに汗の味しかしないはずの乳を吸い、汗に塗れて微妙にべたつく乳房を揉み続けた。
少年の指に貼り付く自身の肌に、オークは自分がどれほど汗に塗れていたのかを見せつけられているかのようだった。
「うぅ･･･」
彼女が羞恥に涙をぽろぽろとこぼしていると、不意に少年が乳房から口を離した。唾液に濡れ、てらてらと光を照り返す彼女の乳頭は小指の先ほどにまで膨れており、彼女の肉体の高ぶりを示していた。
「はぁっ、はぁっ･･･！」
少年は興奮に荒く息を吐きながら、猛然ともう一方の乳房に吸い付き、舐めしゃぶった。
「あぁ･･･！」
もう一方の乳房の先端はすでに勃起しており、少年の汗の味を求める舌の蠢きを受けて、オークへ鋭い刺激と甘い快感を与えた。
そして、自分の唾液に塗れたもう一方の乳房も、彼は気にすることなく揉んだ。
「んんぅ･･･！」
オークは仰け反り、天井を仰ぎながら少年の舌と指に耐えた。
（おっぱいさえ我慢すれば･･･！）
そう思い、必死に少年がもたらす快感をこらえていた。
すでに彼女の下腹は疼き始めており、下着は汗とは異なる湿り気を帯びつつあった。気を緩めれば流されてしまい、腹に押し当てられる少年の屹立をねだってしまうだろう。
そうなってしまえば、彼女は少年を主と認めたに等しい。年端も行かない少年は、彼女という下僕を抱えていかなければならなくなるのだ。
（がまん、しないと･･･！）
そう、前途ある少年の未来を守るためにも、堪えなければ。ただ、彼のような子供に達せられてしまうのが悔しいからではない。
歯を食いしばり、時折耳や尻尾をピクピク震わせながら、快感の波に耐えていると、ついに少年が乳首から口を離した。
「はぁ、はぁ、はぁ･･･！」
どこか呆然とした様子で、とろんとした瞳で虚空を見つめる少年の体からは、精の匂いが立ち上っていた。生まれてからおそらく射精したこともないであろう彼の体が、ため込んだ精の匂いを汗とともに放っているのだろうか。
下腹が疼き、涎が溢れてくる香りに、彼女は衝き動かされそうになった
「おなか･･･」
「へ？」
不意に少年が漏らした一言に、オークは虚を突かれた。
一瞬動きを止める彼女から、少年は体を離すと、床の上にひざを付き、オークの腿の上に胸を当てながら、オークの腹に顔を押し付けた。
「ひゃぁぁぁっ！？」
「んぶっ！んもっ！ふぉなはぁ！」
肉が付き、乳房に負けぬほど膨れたぷよぷよの腹部に、少年は顔を押し当て、声を漏らしながら肌を舐め、吸った。
「や、やめてぇ･･･！」
同世代の魔物と比べても豊満すぎる肉体のうち、出来れば最も引っ込めたい部分を責められ、彼女は声を上げた。しかし少年に止まる気配はなく、むしろ勢いが増していくばかりだった。
「んっ！んもっ！んぶっ！んっ！」
「や･･･！おへそ、舐めないで･･･！」
腹肉に埋もれた窪みを掘り当てられ、柔らかな舌にくすぐられる感触に身悶えしながら、彼女は声を上げた。
すると少年は、彼女の言葉に従うように舌をへそから離した。
オークは内心、ほっと胸をなで下ろすが、直後少年の吸い付いた場所に戦慄した。へその下の下腹だったからだ。
それどころか、彼はちゅっちゅとキスのように腹肉に吸い付きながら、徐々に下へ下へと顔を下ろしていく。このままでは、下腹を通り抜け、下着に達してしまう。そうなればただの布製のパンツなど、興奮した少年はたちどころに剥ぎ取り、その先に進んでしまうだろう。
「･･･」
内心の予想と少年の熱烈な接吻に、彼女の喉が鳴り、下腹が疼いた。
「い、いけない･･･！」
すんでのところで、彼女は我に返り、顔を勢いよく振った。気を強く持たねば。
しかし、少年の唇はすでに彼女の子宮の真上に達しており、分厚い脂肪を隔てているというのに、彼女の腹の奥の空虚を強く感じさせた。
少年の唇が下腹に触れ、舌先が肌をくすぐり、離れるだけで、まるで子宮口に直接キスされたような気分になる。
そして、少年の顔が下がるにつれ、オークの両足が自然と開いていった。
やがて、少年の顔がムッチリとした太腿の間に埋まり、肉に食い込む柔らかな布が脇によけられ、少年の眼前に女陰が晒された。
「･･･！」
少年は言葉もなく、ただ荒い吐息でもって己の高ぶりを語り、オークのそこへ食いついていった。
「ひゃぁぅぅうううぅぅ･･･！」
体の中で最も敏感な、最も秘すべき箇所への刺激に、彼女は声を上げた。
少年は舌で柔らかな亀裂を押し開き、蜜を啜り上げながら、顔を彼女の太腿の間に押し付けた。
鼻や唇が、彼女の女陰を擦り、出入りする熱い吐息が肌を撫でた。
「ひぅっ、ひゃ、あうぅ！」
断続的に股間から伝わる刺激に、彼女は身悶えした。
少年の頭に手を伸ばし、しっかり掴んで剥がそうとする。しかし彼女の太腿は少年を逃すまいと、彼の頭を左右から挟み込み、軟らかい肉でもってがっちり捕らえていた。
「･･･！」
「ひぅ！」
顔を挟み込む柔らかな太腿の感触に興奮したのか、少年の舌がひときわ強く彼女の亀裂を擦り、オークが全身を震わせた。
必然的に彼女の太腿にも力がこもり、彼の頭はぐりぐりと股間に押し付けられていく。
すると、少年は舌や唇を震わせ、頭全体を細かく動かして、彼女の秘裂を刺激した。
「あぁ･･･あぁ･･･！」
体内で高まっていく心臓の脈動に、彼女は自身の限界を、意識のどこかで悟った。
しかしもはや彼女には、快感に耐えようとする意志も気力も、残ってはいなかった。
「あぁふぅぅぅぅうううんっ！」
喘ぎ声と嬌声と吐息。それらが一体となった声が彼女の口から溢れだし、全身の痙攣に彼女の肉が震えた。
そしてしばしの間をおいて、一瞬視界を白く塗りつぶす絶頂から、彼女は気だるさと疲労感に満ちた肉の体へ、意識を引き戻した。
「はぁ、ふぅ、はぁ、ふぅ･･･」
いくら呼吸を重ねても、落ち着く気配のないほど乱れた呼吸に身を任せながら、彼女は太腿から力を抜いた。
しかし、少年は彼女の股間に顔を当てたまま、ぴくりとも動く気配がなかった。
「はぁ、はぁ･･･あれ･･･？」
いつまでも動かない少年に、彼女が異常を感じて、手を伸ばす。
そして、彼女は少年の顔を離して、事態を理解した。
少年は、オークの肉に溺れて、窒息していたのだった。
「ちょ、ちょっと！大丈夫！？」
彼女が慌てるが、既に若干遅かった。
12/10/25 21:20更新 / 十二屋月蝕
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