連載小説
[TOP][目次]
あるじUFO/マンドラゴラ
あるじUFO

うた・えんそう:分体オーケストラ


まっ白い部屋 窓のない部屋
精霊4人 そっと目覚めた
ここはどこだろ
土もみえない
火も着かないし
風も吹かない
 
こんな
(こんな)
ちいさい体

あるじも
(あるじも)
見えない場所じゃ

お仕事
(ご奉仕)
なんてできないよ
 
魔物に
(恋人)
だってなれないね
 
住んでた村に 教団が来て
精霊使い つかまえられた
魔力注がれ 離れ離れに

魔物がひとり それを見ていた
 
とても
(とても)
すてきな魔力

白い
(白い)
魔物の魔術

“ドカンドカン”
壁がひらいたよ

“フワフワ”
あるじやってきた

早く飛び乗り 精霊たちよ
西の魔界へ さあ逃げなさい

4人びっくり
空飛ぶあるじ
これはすてきな あるじUFO

夜の空飛ぶ
あるじUFO
股間に集う
精霊エンジン

速度を増した
あるじUFO
西の魔界は きっともうすぐ

ララ ララ・・・


* * * * * * * * *


マンドラゴラ

うた:水木イサオ


魔界に生まれ
はや幾年
砂粒かぞえて
ため息ひとつ

マンドラゴラ マンドラゴラ
土のなかの子


足音かぞえて
また空振り
魔力を秘めた
幻の花
 
マンドラゴラ マンドラゴラ
土のなかの娘(こ)

最後に別れて30年
仲間のいない残りもの
暗闇のなかで独り言
こぼれる涙 土濡らす


図鑑より育った 豊満な胸
だれか来て
はやく引き抜いて

マンドラゴラ マンドラゴラ
ひとりぼっち


* * * * * * * * *


曲解説

『あるじUFO』
歌詞は教団の人体実験をモチーフとしたシリアスな内容だが、分体サイズの精霊たちのかわいい動きや明るい曲調から人気の高い曲。

『マンドラゴラ』
天然物のマンドラゴラが抱える悩みと悲しみをテーマに、力強くも哀愁を帯びた男性ボーカルが印象的な曲。


──────────────────


穴埋めのおまけ
【あるじUFO・絵コンテ】

監督注)
精霊の分体について
精霊が使役する、精霊本人を二頭身の人形にしたような姿の分身。目は白目のみ。かわいい。
STGでいうオプション、ビットのようなもの。自律行動も可能。
自律行動中も思考は本体に準ずるため、夫以外の人間を襲うことはない。
省エネのため精霊本人がこの形態を取ることも可能。ただし性交には適さないため、精霊にとって望ましい形態ではない。
その他の精霊の形態
・魔精霊:魔力で人型になった精霊。いわゆる図鑑の精霊。
・純精霊:魔力の影響を受けていない精霊。性別はなく、火の玉や水滴などの形状。この作品では色違いの綿毛のようなデザイン。イグ=赤、ウン=青、ノム=茶、シル=緑。
※詳細は『魔界自然紀行』に記載。

0:00
(前奏)
夜に浮かぶ白い大きな建物。壁には教団のシンボル。
画面ぐっと引いていき崖の上から建物を見下ろすように。空の満月と建物の対比。白い足。

0:09
『まっ白い部屋 窓のない部屋』
一辺が5mくらいの四角い部屋。閉められた扉以外何もない。
部屋の中央に4つの人形のような物体。

0:14
『精霊4人 そっと目覚めた』
人形は4人の精霊(分体サイズ)。
ウンディーネ、イグニス、ノーム、シルフの順番に目を開ける。シルフはワンテンポ遅い。

0:17
『ここはどこだろ 土もみえない 火も着かないし 風も吹かない』
とまどう4人。
(以下、歌に合わせて1〜4の順に)
・1.きょろきょろと周りを見回すウンディーネ。
・2.床を両手で触るノーム。
・3.手から炎を出そうとするが火花しか出ないイグニス。
・4.飛ぼうとジャンプして落ちるシルフ
 
0:24
『こんな(こんな) ちいさい体』
ウンディーネとノームのアップ
・自分の胸をペタペタと触るウンディーネ
・大きな手を不思議そうに見るノーム

0:30
『あるじも(あるじも) 見えない場所じゃ』
シルフとイグニスのアップ
・不安そうにキョロキョロと主を探すイグニス
・楽しそうに転がりまわるシルフ

0:36
『お仕事(ご奉仕) なんてできないよ』
画面分割・ノームとイグニス
(回想・ノーム)畑の作物を見回るノーム(純精霊)
(回想・イグニス)男の肩に乗り暖めるイグニス(純精霊)
 
0:43
『魔物に(恋人) だってなれないね』
画面分割・シルフとウンディーネ
(妄想・シルフ)スカートを振って誘うシルフ(魔精霊)
(妄想・ウンディーネ)主と手をつなぐウンディーネ(魔精霊)

0:49
(間奏)
部屋の精霊たちの様子。
・イグニス:出口を探して回る。
・ノーム:大きな手に振り回され、バランスを取れない。
・シルフ:辺りを跳ね回りノームにぶつかる。
・ウンディーネ:皆を心配そうに見ている。転んだノームを助け起こす。
水晶球を通してその様子を見る白い服を着た人間達。

1:02
『住んでた村に 教団が来て 精霊使い つかまえられた』
田舎の一軒家。
騎士たちに連行される男。
周囲に浮かぶ綿毛のような4人の精霊(純精霊)
虫取り網でバサッ。

※精霊使いの男(あるじ)について
 顔は描かない。中肉中背。20代前半ぐらい。
 特徴のない没個性な青年。記号的。

1:11
『魔力注がれ 離れ離れに』
4つの綿毛が電気ショックにより分体サイズの精霊へ。
※目は瞑ったまま。寝ているような感じで。
 苦しむような表現は無し。

1:14
『魔物がひとり それを見ていた』
リリム白い魔物の横顔。(口元だけ)
怒りを抑えたような無表情。

※白い魔物について:
 “あるじ”と同様に顔、特に目は出さない。種族もリリムなのか魔王様なのか、
 あるいは単に魔力の強いサキュバスなのかボカす方向で。
 主役はあくまで精霊4人。
 
1:17
『とても(とても) すてきな魔力』
白い魔物の後ろ姿。全身から波紋状に魔力が広がる。
波紋の感覚は0.7秒ほど。鼓動をイメージ。

1:23
『白い(白い) 魔物の魔術』
白い魔物、片手を伸ばす。波紋継続。

1:30
『“ドカンドカン”』
部屋の中。4人並んで扉を見つめる精霊達の後頭部。
歌にあわせて扉が震える。

1:33
『壁がひらいたよ』
扉のとなりの壁に大穴が開く。

1:38
『“フワフワ”』
手足をだらんと垂らした男が穴からフワフワとやってくる。
男に意識なし。

1:40
『あるじやってきた』
精霊たちの顔。
男を見て“パアーッ”という感じに笑顔。表情はそれぞれ違う。
・シルフ:口でかい。Dの形。“わはー”という感じ。
・ノーム:口小さい。口はDだが控えめな笑い方。
・ウンディーネ:ノームと同様。ただノームより目を大きく、より喜びが強い感じに。
・イグニス:小さくへの字口、やや涙目。泣き出すのを我慢。

1:44
『早く飛び乗り 精霊たちよ』
白い魔物の横顔(口だけ)。歌にあわせて口パク。
歌詞が白い魔物のセリフであることを視聴者に印象付ける。

1:48
『西の魔界へ さあ逃げなさい』
あお向けに床に寝かされる男、その体に登る精霊たち。
・シルフ:ジャンプして飛び乗る。乗った後はピョンピョン飛び跳ねている。
・イグニス:すでに登っている。ノームとウンディーネを手助け。
・ノーム:よじ登ろうとするが体が重い。イグニスが上から引っ張り、ウンディーネが尻を押す。
・ウンディーネ:イグニスに手を引っ張られながらよじ登る。

1:51
『4人びっくり 空飛ぶあるじ』
4人が乗るとあるじUFOフワリと浮上。
天井の穴から外へ。

1:54
『これはすてきな あるじUFO』
仰向けのまま飛ぶあるじUFOの上の4人。背景:夜空。
先頭(イグニス)から一番後ろ(シルフ)まで画面が流れていく。
・イグニス:先頭(胸の上)に仁王立ち。海賊船長っぽい不敵な笑顔。
・ウンディーネ:イグニスの後ろ(腹の上)、またがる様に座る。落ち着いた表情。
・ノーム:ウンディーネの真後ろ。地面から離れたからか、不安そうにウンディーネに軽くしがみついている。
・シルフ:一番後ろ(膝辺り)で楽しそうに踊っている。

1:58
『夜の空飛ぶ あるじUFO 股間に集う 精霊エンジン』
月をバックに飛ぶ影絵のあるじUFOと4人。
小さな影が一箇所に集まる。

2:04
『速度を増した あるじUFO 西の魔界は きっともうすぐ』
光をまき散らしながら加速。
螺旋を描くような軌道で、夜空に光の航跡を引く。

2:12
『ララ ララ・・・』
赤い月に向かって光の航跡だけが伸びていく。
16/08/11 23:58更新 / なげっぱなしヘルマン
戻る 次へ

■作者メッセージ
元ネタ
「キャベツUF○」(1984)
「サラマン○ラ」(1977)

おまけの参考用に「サマーウォーズ」の絵コンテを図書館で借りてきて、読みつつキーボードを叩いていたら鼻血が出そうになりました。いや別にPCでエロいサイトを見てたわけではないのだけど。
・・・と思ったらそもそもこのサイト18禁のエロいサイトだったでござるの巻。
皆さんもエアコンは適切に使いましょう。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33