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その手に告げる事無かれ


NURIKABEさんから頂きました!ありがとうございます!








スヴェン=グリューネヴァルト

嘗て、南洋において大量虐殺の罪で投獄された、ある男の名である

彼は暗い牢獄の中で一人、手の届かぬ格子窓から空に浮かぶ月を眺めていた……

……

冷たい空気が薄い布を貫いて肌を刺す

「どうして……

不意に口を突いて出る言葉。それを飲み込んで、男はまた月を眺める

   どうして……こうなってしまったのだろうか)

見上げる月に目で問う姿は、大罪を背負う暴虐さを漂わせず、只自身の痛みに慟哭しているかのように、冷たい壁に影として映るのみだった
(09/12/25 23:54)
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