肝試し大会
蒸し暑い夜が続く今日この頃
この土地は比較的涼しい部類に入るのですが、やはり夏の夜は暑いです
”アッチー、ダリ―”
店の中も風通しのよい作りにはなっていますが、この暑さだけはどうにもなりませんね
暑い夜、手っとり早く涼しくなる方法は何があるでしょうか？
そうです
もちろん、肝試しですよね
今日はこの町で肝試し大会が行われます
肝試しと言っても、カップルでキャッキャッとイチャつきながら夜道を行くのとは訳が違いますよ？
下手をすればマミーやゾンビにお持ち帰りされちゃったり、ゴーストを憑けたままお持ち帰りしちゃったり
もちろん、僕は参加しません
正直、かなりの危険を伴いますが参加者は減ることなく、毎年開催されているこの町特有の奇祭です
ギルドの若手が伝統的に強制参加させられたり、個人経営のハンターが名を売るために参加したり、魔物娘目当てで参加する一般の方も・・・
意外と多いんですよね
そういう一般の方・・・
”この「キング・オブ・チキンハート（西方全敗）」の称号を持つ俺には到底理解できない話だがな”
カランカラン
こんにちは
今日はどんな御用時で？
ええ、今夜この町で肝試し大会が行われますよ
参加ご希望ですか？
”噂をすれば何とやら・・・”
ええ
構いませんが・・・いくつか条件があります
それを承諾していただかないと、この祭りに参加できませんがよろしいですか？
まず、こちらのエントリー用紙に必要事項を記入後、役場まで行き、正式な遺書を書いて下さい
それらの証明がないと参加を認められませんから
”くだらない行事であふれているこの町で、中でも肝試しが奇祭と言われる所以はここにあってな
正式な遺書を残すことにより肝試しへの己の決意を観客に示し、帰って来た時に自分で自分の遺書を裂く、というちょっとした出演と自演が混じった内容となっている
毎年必ず２，３人はいるのだが、帰ってこれなかった場合はその遺書が本当に家族に届く
そんな冗談みたいな洒落にならない行事なんだ”
このエントリー用紙は大会本部まで提出し、エントリーカードを受け取ってください
え？
大会中に魔物との遭遇があるかって？
もちろん、ありますよ
ああ、そうでしたか
アンデット系の魔物娘さんと出会いたい、ということですね
どのような魔物娘さんにお会いしたいですか？
まだ未定ですか、分かりました
では、肝騙し大会のコースの説明とともに魔物娘さんの遭遇ポイントも教えますね
”アンデット系をご希望とは、この客、かなり肝が据わってんな”
大会のコースを見ていただければ分かりますが、大会のコースは大きく４つのエリアに分かれていて、それぞれの場所で魔物娘と遭遇することがあります
まず一つ目のエリアに出てくる主な魔物は、マミーですね
包帯で巻き付いて逃がさないようにしてから襲いかかります
動けなくなるまで包帯が巻かれたら、マミーに気に入られた証拠です
素直にあきらめて下さい
”え？そんなテキト―な説明でいいのか！？”
対処法としては、マミーの包帯をはぎ取って素肌に触れてください
マミーたちは素肌がとても弱いので、触るだけでも動けなくなるらしいです
土の中から突然出てくる事もあるらしいので、警戒しながら進む事をお勧めします
彼女達は精を補給することでいったん落ち着きを取り戻しますが、直ぐに精が足りなくなったり、仲間がたくさん来たりと、なかなか離してくれません
そのまま包帯に巻かれてお持ち帰りされることも多いそうです
また、アヌビスが管轄に置いているマミーは勝手な行動を取ることなく、軍隊のように迫ってくるとか・・・
”ただでさえ、無気力なマミーが統一されて向かってくる光景はかなり危機感を感じさせるものがあるな”
二つ目のエリアに出てくる主な魔物は、スケルトン、ゾンビですね
スケルトンは魔力をもった骨、つまりゴーレムです
野生のゴーレム種は魔力の供給がままならない為、動きも鈍く力も弱い個体が多いですが、誰かに飼われているゴーレム種は動きや力が野生のそれとは違います
近くにネクロマンシーが潜んでいることも多いですね
ネクロマンシーを倒せばゴーレムの動きも弱くなりますが、よほど腕に自信がない限り逃げるのが得策でしょう
”ここで肝試しに参加しようと考えてる新米ハンター達に、テイマー（魔族使い）の基本的な知識を教えてやる
たまに、召喚、使役特化のテイマー達の弱点は本体そのものと思う新人ハンターがいるようだが、そんなことは決してない
テイマーと使い魔の関係は主従ではなく、服従
つまり、使い魔よりもテイマーの方が強いんだ
ネクロマンシーともなれば、摂理と倫理に逆らった死者の復活を平然と行う
そんな奴らに常識が通用するとは思わない方が良い
もしそんな奴に遭遇したら、逃げろ”
スケルトンは物理攻撃が効きません
崩しても再構築しますから
精を要求されたら素直に向こうの言うとおりにした方が良いでしょう
彼女達も立派な魔物娘ですからね
男性側がやさしく接すれば、必ず彼女達は好意を持って接してくれるはずです
また、野生のスケルトンだった場合、精を提供後についてくる事もあります
”昔、野生のスケルトンと遭遇した時は焦ったな
剣で切ってもばらばらに崩れて元通りになるのにビビって逃げた事がある
俺が魔法を極めようと決めたのも、たしかこの時だったかな”
つづいて、ゾンビですね
ゾンビも対処法は似ていますが、スケルトンほど危惧する必要もないでしょうが、集団のゾンビに遭遇したら全力で逃げて下さい
彼女達は手加減を知りませんから
運が良ければ逃げ切れるでしょう
もし集団の彼女達に捕まったら黄泉の国へご招待されるでしょうね
”おい、この店主！
ヤバい事をジョークみたいに言うんじゃない！！”
彼女達は常に体に飢えを感じ、ただ貪欲に体を求めてきます
貴方が望んでいなくても、そんなことはお構いなしです
ちなみに、彼女達が動くファクター（要因）をご存知ですか？
野生のゾンビでも、２種類のファクターがあるらしいです
魔力で動く個体と、ウイルスで動く個体がいると、同業者ではまことしやかに言われています
（ちなみに、ここだけの話なんですけどね・・・
”何か面白い話でもあるのか？”
（これも同業者から聞いたんですけどね・・・
どこかの町で、ゾンビが人工的に生み出されたらしいんです・・・
”なんだと？”
（その町は科学が非常に発達している街だったみたいです
それこそ魔力なしで鉄の塊がものすごく速く動いたり、どんなに重いものでも簡単に持ち上げられたり出来るほど発展していたとか・・・
”魔力なしで鉄の塊が動く！？そんな話、聞いたことも無い。どうせデマだろうに”
（そして、その町に人工的に魔物娘を作ろうとした科学者がいたそうです
倫理的な問題で生命を生み出す事が禁じられていたため、死者を魔物娘として蘇生させることにした
科学者はゾンビ達を動かしている魔力が理解できなかったらしく、魔力の代用を発明したらしく
それが、ウイルス、病原菌だった
その科学者は歓喜した
ですが、その喜びも永くは続かなかった
ウイルスは時間とともに変化し、環境に適応する
そのウイルスもまた、例外ではなかった
そのウイルスはまず、繁殖、増殖に適応しようとする
しかし、死者の体では繁殖は不可能
よって、感染という手段で増殖しようとした
その科学者が気付いた時には、そのウイルスは空気感染出来るようになっていた
あわてて研究施設を凍結させた時には既に時遅く、研究者の家族にまで感染していた
ゾンビ化した家族に徹底的に絞られ、その研究者は命を落とした
また、そのウイルスは町中に広がり、ゾンビの楽園となった
そのゾンビ化を止める薬はまだ凍結された研究所の最深部に存在する
その町は外交が無くなり、忘れ去られながらも、今もなお存在する
そんな町が存在するそうです
そして野生のゾンビのファクターがウイルスであることがささやかれている事を考慮すると・・・・・
まぁ、聞いた話なんですけどね
”・・・・やけにリアルだな
ゾンビ、科学者、ウイルス・・・ちょっとググってみるか”
ちょっとしたホラーはさておき、次の説明へ行きましょう
次のエリアはいよいよ「忘れられた洋館」の別館中へと入っていきます
このエリア、非常に広いので気を付けて下さい
主に出現するのはゴースト、ナイトメアですね
どちらも現実ではそれほど脅威ではありませんが、無意識ではかなり危険な存在となりえるので、油断しないように
特に、幻影の罠には十分にお気をつけください
幻影、つまり夢を見ているのと同じ状態になるわけです
これだけでも、彼女達が非常に危険である事が分かりますね
”ナイトメアやゴーストは夢や幻影の中で本領を発揮する
ゴーストは頭に送り込むはずの淫乱な妄想をそのまま再現でき、ナイトメアは強気な美女として相手を襲えるからな”
さてナイトメアですが、基本的には気に入った男にしか夜這いをかけません
毎晩、夢で美女に侵されたらナイトメアの仕業だと思ってください
ですが、彼女達は夢の中では強気な女性ですが、現実では非常に臆病で弱気です
もし、ナイトメアの仕業だと思ったら、一晩寝てるふりをしてください
彼女が枕元に来た時、起き上がれば逃げてしまいます
そうしたら、もう彼女に悩まされることはないはずです
また、ナイトメアが逃げる前に捕獲すれば抵抗しなくなります
逃げる事も無くなるそうですね
”弱気で臆病な魔物娘か・・・
捕まえたら勢いで押し倒したくなるよな”
次はゴーストです
彼女達は常に妄想しています
妄想することしかできないんです
魔力の弱い個体は対象に触れる事すらできませんから、相手を妄想の中に送り込みます
その妄想の中で少しずつ精を吸収していき、最終的にはゴーストが実体化して妄想を現実にしようとするらしいです
”まぁ、ようするにふじょｓ・・・・
いや、なんでも無い
今、脳内に「やらないか？」って響いたのは気にしないでおこう”
彼女達が現実化したら、それはもう大変らしいですね
かなりアブノーマルな世界に引き込まれるとか・・・
”おい・・・冗談だろ？
どうしたらこんなカップリングがあり得るんだ？
剣と鞘って・・・どういうことなの？
poke（偽名）の頭に送られてくる妄想～
剣「今日は君の為に鍛えてもらってきたんだ・・・」
鞘「そ、そんなおっきいの・・・私、壊れちゃう」
剣「じゃあ、入るよ・・・」
鞘「やぁ、やめて！私、ガバガバになっちゃうのぉ！！！」
剣「奥まで入ったよ」
鞘「つ、繋がってるぅ！！おっきくて、堅い・・・」
剣「フフフ・・・
・・・・・・・・
いい加減にしろぉ！！！
いつまで意味のわからん茶番を見させるつもりだよ！？
出てこい！！
いるんだろ、ゴーストぉ！！！”
彼女達を払うには成仏するしかありませんが、彼女達を自然に成仏させるには願いをかなえてやらねばなりません
その願いが「好きな人と一緒にいる」という事なので、自然に成仏するときはその人も一緒なわけです
教会で強引に払う事も出来ますが・・・あまりお勧めはしません
彼女達も元は人間
意外と素直な面も多く、そこまでフリーダムに妄想を送り込んでくる訳ではないようですね
”ふざけた真似をしやがって・・・
少しお灸を据えてやんないといけないようだな
「キャハハハハハ♪ 実態を消している状態の貴方がアタシに敵うとでも思ってるの？
それにアンタ、キング・オブ・チキンハートの持ち主でしょ？
ゴーストのアタシが怖くないのぉ？」
どうやらよほど成仏という名の天国への超特急、片道切符が欲しいらしいな・・・
あいにくだが、頭に送られてくる妄想が激しすぎて、犯人がゴーストであることがばれてるんだよ！！
正体が分かっている物におびえるほど幼稚ではない！！
「じゃあ、これなんかどうかなぁ♪」
上等だ！！どっからでもかかってこい！！！
「「「「「「やらないか」」」」」」
なっ！？数６、こいつら・・・・
「キャハハハ！！！食べられちゃえぇ♪」
「「「「「「俺はノンケだって構わず食っちまうんだぜ？」」」」」」
止めろ！！く、来るな！！！
「「「「「「良い事思いついた。お前、俺のｋ（ｒｙ」」」」」」
アッ―――――――――――！！！！”
そして、最後のエリアは洋館内の本館です
ここにはデュラハンとバンパイアがいるそうです
しかし、どちらも個体数は少ないそうで、遭遇率は少ないかと
まずはデュラハンですね
彼女たちは非常に強気ですが、自分達から襲う事はありません
その辺は魔物娘の中でも珍しいですね
よって、危険な所はあまりないでしょう
しかし、一度攻撃を仕掛けてしまうと彼女達は襲いかかってきます
彼女達は魔界の騎士団に所属しており、騎士としても精鋭です
正々堂々とした闘い方は力への傲慢さではなく、騎士道を重んじた結果
それほど彼女達は強力です
ところで、彼女達の異名をご存じですか？
「首なし騎士」です
その名のごとく、頭が取れます
アンデットですから
それくらいは普通なのです
彼女達は頭が取れると、頭がついてる状態とは打って変わって非常に好色になります
自分を抑え込んでいた蓋がとれるとでも言いましょうか
男性に襲いかかり、精を取ろうとします
”前の決闘大会では散々な目にあったしな”
最後に、ヴァンパイアですね
そうですね
数多くの物語にも登場する、あのヴァンパイアです
彼女達も非常に強気です
もし男性が気に入られた場合、召使いとして連れさらわれるそうです
その後は食事と召使いの扱いを受けるそうですね
食事の度に魔力が流れ込むので、体がインキュバスになるそうです
インキュバスとなったら、彼女達はその男性を食糧としてではなく、貴族として扱うそうです
そうなると、それまで強気だった彼女達も態度を変えるようですね
彼女たちは魔物娘にはめずらく、血を精として摂取します
彼女達は個体が非常に強力です
魔力はもちろんの事、その細い腕では考えられないほどの怪力、すさまじいまでの治癒力を持ちます
さまざまな物語で語られるほど強力なヴァンパイアですが、他の魔物娘に比べると弱点も多く有ります
太陽の光を浴びると少女のようになり、能力も普通の少女のようになります
ニンニクを使うと一時的に魔力を失いますが、同時に理性も飛ぶので、サキュバスの本能のまま興奮した獣人型の様に襲いかかってきますので、ご注意を
また、銀のナイフは彼女の体にダメージを与える事のできる数少ない武器ですが、彼女の激昂に触れるだけなので止めた方が得策です
そのほかについては・・・ちょっと分からないんです
ええ、ヴァンパイアは殆ど魔界にしかいないうえ、個体数もかなり少ないのです
「忘れられた洋館」にすら、いると言われているだけで、目撃したという確信的な証拠はありません
ですから、今出回ってる図鑑での情報しか提供できないんです
すみません・・・
”ふむ・・・
店主が珍しく困っているな・・・”
以上が魔物娘、およびコースの説明です
いかかだったでしょうか
彼女達、アンデット系の娘達に関する情報はかなり少なく、入手も困難です
また、彼女達は基本的に感情が稀薄なので、性格に関する内容は省略させていただきました
また、食事はみな人間の精だけなので、これもまた個別の説明からは省略させていただきました
彼女達は生前の記憶を持っている場合があります
美しい記憶ならば良いのですが、トラウマだったりすることもしばしばあります
出会ってから直ぐは、彼女達を刺激しない方が得策でしょう
”アンデット種はこの世に未練が残った物に魔力が加わり動きだしている
その未練がトラウマや心の傷を映していることも多い
彼女達は鈍感見えて、意外と繊細なんだ”
これからどちらに？
大会本部へ？
ここを出て、左側に見える大きな時計塔を目指してください
そこで参加受付をしているそうです
”ああ、道端で除霊アイテムとか言って売ってる物は買わない方がいい
もし除霊アイテムが欲しければ、魔女のアイテムショップへ行く事をすすめる”
では、またのご来店お待ちしていません
では、お幸せに
”お幸せに～”
さて、僕も今日は町を歩こうかな
せっかくのお祭りだし
”おや、珍しいな・・・まぁたまには姿をさらして町を歩くか”
町の中央部にて～
え～っと、そこのリンゴを２つください
１Ｐですね
どうも
お祭りでも見てこようかなぁ・・・
”まぁ、店主は姿をさらした俺に気付く訳ないがな”
「あぁーー！やっと見つけました、探してたんですぅ！！！」
”魔女？何の用だ？”
「貴方、現在キング・オブ・チキンハート（西方全敗）の称号を持つ、poke（偽名）さんですよね！？」
”確かに、俺はキング・オブ・チキンハート（西方全敗）の称号を持っているが？”
「よかったぁー！！この似顔絵だけだと不安だったんですけど、見つかってよかったです！！」
”この犯罪者の指名手配みたいな似顔絵があってたまるか
んで、魔女が何の用だ？”
「貴方に、肝試し大会に参加してほしいのです！！」
”全力で、断る！！大体、なぜ俺が！？”
「大会をより盛り上げるために、貴方の存在が必要なんですぅ！！」
”そうか、サバトは運営に直接かかわっているのか・・・
しかし、なぜ、キング・オブ・チキンハート（西方全敗）の俺がわざわざ肝試しになど出なくてはならないのだ？”
「貴方の宇宙クラスのビビりをみなさんも期待しているんです
観客も、参加者がただ淡々と魔物と罠を回避して帰ってくるだけでは面白くないでしょう？
やはり、楽しませるにはリアクションのエースである、貴方の力が必要なのです！！」
”俺は今晩の夕飯のメニュー決定で忙しい。帰れ”
「うぅ、そんな～（グスッ・・・」
”悪いがキング・オブ・チキンハートにそんな技は通用しない！”
「ならば、最終手段です！！
もし来てくれないというならば、私、ここで脱ぎます！！
そして貴方を指さして、変体！！！って叫びます
ついでに私達にお持ち帰りされて、あんな目や、こんな目に合わせます」
”ハァ！？”
「来て・・・・くれないんですか？
そうですか・・・仕方ないですね・・・」
”おい、待て！！
服のボタンを外すな！！！
スカートを脱ぐな！！！
おい！！！”
「だって・・・貴方が脱げと・・・私に（グスン」
（変態だ！！！）
（変態がいるぞ！！！）
（ヤダ、あんな小さい女の子を脱がしてる・・・）
（サイテー）
（人として恥ずかしくないのかしら？）
（通報しますた！！（ビシッ）
”分かった！わかったよ！！
行くよ！行けばいいんだろ！
だからさっさと服を着てくれぇ！！！”
「やっと、分かってくれたんですね？」
”ああ、良くわかった！！”
「ありがとうございます（ニコッ」
『警察だ！！！そこを動くな！！』
”すまないな、貴様のせいで肝試しには出られないみたいだ・・・
いや～、全く残念だよ、ゴメンネ、お嬢ちゃん（肝試しに出るくらいだったら、人間の警察の相手の方が何倍もマシだぜ！！悪いな、今回は俺の計略勝ちだ！！！）”
「そんなことないですよ！！お兄ちゃんは悪くないです！！一緒に肝試し行くって約束したじゃん・・・（そうはさせません！！！）」
『今さっき、通報があった。事情は分かっているだろうから、そこの男には署に来てもらう』
”ええ、喜んで
１日と言わずに２日３日と話に付き合いますから（イヤッホォォォウ）”
「ヤダー、ねぇ！警察のお兄ちゃん、この人を連れていかないで！！」
『ごめんね、お嬢ちゃん。おじさんはこの青年を警察署まで連れて行かなくちゃいけないんだ』
”・・・・・ｼｮﾎﾞｰﾝ（無駄だ！！抗うか！？何を言おうが今更ぁ！！！これが貴様の選んだ道だよ！！貴様が選ぶべくしてなぁ！！！）”
「ヤダヤダヤダヤダ！！！！（絶対に行かせないんだから！）」
『じゃ、行くぞ！』
”はい・・・（ハァ―ハッハッハッハッハッハァ！！！！）”
「もぉ～！！！！
おじちゃん、私の目をみて話してよ！！！」
”目を見て・・・・・待て、この娘の目を見て話すな！！！！”
『全く、何度も言っているだろぅ？
おじさんは・・・・』
「おじさんは通報なんて受けなかった・・・・そうでしょう？
今日は何にも事件が起きてないの・・・・」
『わ、私は・・・』
”おい、しっかりしろ！！おい！！！クソッ！！！！”
「どうして私のお兄ちゃんを連れて行こうとするの？」
『どうして・・・・だろうな？』
「そうでしょ？
なら早くお兄ちゃんを離してよ！！！」
『そうだな・・・すまなかったな、青年
私は・・・勘違いしていたようだ・・・』
”暗示の魔法を使われたんだよ、アンタは！！俺を署まで連れていくんじゃないのか！？”
『躍起になるのも分からなくもない。だが、今回は私の判断ミスだったようだ・・・素直に謝ろう・・・すまなかったな、青年よ、そこのかわいいお嬢ちゃんと祭りを楽しんでいってくれ』
「じゃ、お兄ちゃん、行きましょ♪」
”おい、やめ・・・誰か・・・助けて・・・・”
「だいじょーぶ、貴方がお持ち帰りされそうになったらサバトのみんなが全力で助けてあげるからぁ♪」
”い、遺書・・・・これで、いいか？”
「はーい、一名様、ごあんな～い♪！！」
夜、肝試し開始時刻～
今宵、ここにあつまった方々には極上の恐怖を体験していただきます
みなさんも、この暑さを吹き飛ばす勢いで怯えていってください！
では、肝試し大会の開始をここに宣言します！！
では、まず肝試し開催本部実行部長、バフォメット様よりお言葉を頂きたいと思います
どうじゃ、暑いじゃろぅ？
じゃがの、帰る頃には心も冷え切っておろうぞ
あんまり冷えてしもうた場合は、心行くまでワシらが温めてやろうぞ
では、ワシがあんまり長話しても面白くないからの
さっさと初めようかの
では、これより、第２３４回、肝試し大会を始める！！
パチパチパチ・・・・
ではルール説明です
この森をぬけた洋館にある自分の名前の書かれたお札を取って戻ってくるだけの簡単な内容です
ではさっそく、一人目のチャレンジャーの紹介を始めたいと思います
今回はなんと、かの有名な（西方全敗 ジャクシャ―・アジア）キング・オブ・チキンハートの称号の伝承者、poke（偽名）が参加しております！！
おぉぉぉおおおおぉぉぉぉおおおおお！！！！
それでは、感想をお聞きしましょう
「スタート前の感想をどうぞ！！」
”もうやだ帰りたい”
ワァァァァアアアァァァ！！！！！（かっこいいぞぉ！！キャージャクシャーアジアサーン！！もっとやれ―！！！）
流石はジャクシャーアジア！早くも弱気になってるようですね・・・これはこの先、期待大ですね！！
では、さっそく出発してもらいます！！
”い、嫌じゃー―――ぁ！！！”
この土地は比較的涼しい部類に入るのですが、やはり夏の夜は暑いです
”アッチー、ダリ―”
店の中も風通しのよい作りにはなっていますが、この暑さだけはどうにもなりませんね
暑い夜、手っとり早く涼しくなる方法は何があるでしょうか？
そうです
もちろん、肝試しですよね
今日はこの町で肝試し大会が行われます
肝試しと言っても、カップルでキャッキャッとイチャつきながら夜道を行くのとは訳が違いますよ？
下手をすればマミーやゾンビにお持ち帰りされちゃったり、ゴーストを憑けたままお持ち帰りしちゃったり
もちろん、僕は参加しません
正直、かなりの危険を伴いますが参加者は減ることなく、毎年開催されているこの町特有の奇祭です
ギルドの若手が伝統的に強制参加させられたり、個人経営のハンターが名を売るために参加したり、魔物娘目当てで参加する一般の方も・・・
意外と多いんですよね
そういう一般の方・・・
”この「キング・オブ・チキンハート（西方全敗）」の称号を持つ俺には到底理解できない話だがな”
カランカラン
こんにちは
今日はどんな御用時で？
ええ、今夜この町で肝試し大会が行われますよ
参加ご希望ですか？
”噂をすれば何とやら・・・”
ええ
構いませんが・・・いくつか条件があります
それを承諾していただかないと、この祭りに参加できませんがよろしいですか？
まず、こちらのエントリー用紙に必要事項を記入後、役場まで行き、正式な遺書を書いて下さい
それらの証明がないと参加を認められませんから
”くだらない行事であふれているこの町で、中でも肝試しが奇祭と言われる所以はここにあってな
正式な遺書を残すことにより肝試しへの己の決意を観客に示し、帰って来た時に自分で自分の遺書を裂く、というちょっとした出演と自演が混じった内容となっている
毎年必ず２，３人はいるのだが、帰ってこれなかった場合はその遺書が本当に家族に届く
そんな冗談みたいな洒落にならない行事なんだ”
このエントリー用紙は大会本部まで提出し、エントリーカードを受け取ってください
え？
大会中に魔物との遭遇があるかって？
もちろん、ありますよ
ああ、そうでしたか
アンデット系の魔物娘さんと出会いたい、ということですね
どのような魔物娘さんにお会いしたいですか？
まだ未定ですか、分かりました
では、肝騙し大会のコースの説明とともに魔物娘さんの遭遇ポイントも教えますね
”アンデット系をご希望とは、この客、かなり肝が据わってんな”
大会のコースを見ていただければ分かりますが、大会のコースは大きく４つのエリアに分かれていて、それぞれの場所で魔物娘と遭遇することがあります
まず一つ目のエリアに出てくる主な魔物は、マミーですね
包帯で巻き付いて逃がさないようにしてから襲いかかります
動けなくなるまで包帯が巻かれたら、マミーに気に入られた証拠です
素直にあきらめて下さい
”え？そんなテキト―な説明でいいのか！？”
対処法としては、マミーの包帯をはぎ取って素肌に触れてください
マミーたちは素肌がとても弱いので、触るだけでも動けなくなるらしいです
土の中から突然出てくる事もあるらしいので、警戒しながら進む事をお勧めします
彼女達は精を補給することでいったん落ち着きを取り戻しますが、直ぐに精が足りなくなったり、仲間がたくさん来たりと、なかなか離してくれません
そのまま包帯に巻かれてお持ち帰りされることも多いそうです
また、アヌビスが管轄に置いているマミーは勝手な行動を取ることなく、軍隊のように迫ってくるとか・・・
”ただでさえ、無気力なマミーが統一されて向かってくる光景はかなり危機感を感じさせるものがあるな”
二つ目のエリアに出てくる主な魔物は、スケルトン、ゾンビですね
スケルトンは魔力をもった骨、つまりゴーレムです
野生のゴーレム種は魔力の供給がままならない為、動きも鈍く力も弱い個体が多いですが、誰かに飼われているゴーレム種は動きや力が野生のそれとは違います
近くにネクロマンシーが潜んでいることも多いですね
ネクロマンシーを倒せばゴーレムの動きも弱くなりますが、よほど腕に自信がない限り逃げるのが得策でしょう
”ここで肝試しに参加しようと考えてる新米ハンター達に、テイマー（魔族使い）の基本的な知識を教えてやる
たまに、召喚、使役特化のテイマー達の弱点は本体そのものと思う新人ハンターがいるようだが、そんなことは決してない
テイマーと使い魔の関係は主従ではなく、服従
つまり、使い魔よりもテイマーの方が強いんだ
ネクロマンシーともなれば、摂理と倫理に逆らった死者の復活を平然と行う
そんな奴らに常識が通用するとは思わない方が良い
もしそんな奴に遭遇したら、逃げろ”
スケルトンは物理攻撃が効きません
崩しても再構築しますから
精を要求されたら素直に向こうの言うとおりにした方が良いでしょう
彼女達も立派な魔物娘ですからね
男性側がやさしく接すれば、必ず彼女達は好意を持って接してくれるはずです
また、野生のスケルトンだった場合、精を提供後についてくる事もあります
”昔、野生のスケルトンと遭遇した時は焦ったな
剣で切ってもばらばらに崩れて元通りになるのにビビって逃げた事がある
俺が魔法を極めようと決めたのも、たしかこの時だったかな”
つづいて、ゾンビですね
ゾンビも対処法は似ていますが、スケルトンほど危惧する必要もないでしょうが、集団のゾンビに遭遇したら全力で逃げて下さい
彼女達は手加減を知りませんから
運が良ければ逃げ切れるでしょう
もし集団の彼女達に捕まったら黄泉の国へご招待されるでしょうね
”おい、この店主！
ヤバい事をジョークみたいに言うんじゃない！！”
彼女達は常に体に飢えを感じ、ただ貪欲に体を求めてきます
貴方が望んでいなくても、そんなことはお構いなしです
ちなみに、彼女達が動くファクター（要因）をご存知ですか？
野生のゾンビでも、２種類のファクターがあるらしいです
魔力で動く個体と、ウイルスで動く個体がいると、同業者ではまことしやかに言われています
（ちなみに、ここだけの話なんですけどね・・・
”何か面白い話でもあるのか？”
（これも同業者から聞いたんですけどね・・・
どこかの町で、ゾンビが人工的に生み出されたらしいんです・・・
”なんだと？”
（その町は科学が非常に発達している街だったみたいです
それこそ魔力なしで鉄の塊がものすごく速く動いたり、どんなに重いものでも簡単に持ち上げられたり出来るほど発展していたとか・・・
”魔力なしで鉄の塊が動く！？そんな話、聞いたことも無い。どうせデマだろうに”
（そして、その町に人工的に魔物娘を作ろうとした科学者がいたそうです
倫理的な問題で生命を生み出す事が禁じられていたため、死者を魔物娘として蘇生させることにした
科学者はゾンビ達を動かしている魔力が理解できなかったらしく、魔力の代用を発明したらしく
それが、ウイルス、病原菌だった
その科学者は歓喜した
ですが、その喜びも永くは続かなかった
ウイルスは時間とともに変化し、環境に適応する
そのウイルスもまた、例外ではなかった
そのウイルスはまず、繁殖、増殖に適応しようとする
しかし、死者の体では繁殖は不可能
よって、感染という手段で増殖しようとした
その科学者が気付いた時には、そのウイルスは空気感染出来るようになっていた
あわてて研究施設を凍結させた時には既に時遅く、研究者の家族にまで感染していた
ゾンビ化した家族に徹底的に絞られ、その研究者は命を落とした
また、そのウイルスは町中に広がり、ゾンビの楽園となった
そのゾンビ化を止める薬はまだ凍結された研究所の最深部に存在する
その町は外交が無くなり、忘れ去られながらも、今もなお存在する
そんな町が存在するそうです
そして野生のゾンビのファクターがウイルスであることがささやかれている事を考慮すると・・・・・
まぁ、聞いた話なんですけどね
”・・・・やけにリアルだな
ゾンビ、科学者、ウイルス・・・ちょっとググってみるか”
ちょっとしたホラーはさておき、次の説明へ行きましょう
次のエリアはいよいよ「忘れられた洋館」の別館中へと入っていきます
このエリア、非常に広いので気を付けて下さい
主に出現するのはゴースト、ナイトメアですね
どちらも現実ではそれほど脅威ではありませんが、無意識ではかなり危険な存在となりえるので、油断しないように
特に、幻影の罠には十分にお気をつけください
幻影、つまり夢を見ているのと同じ状態になるわけです
これだけでも、彼女達が非常に危険である事が分かりますね
”ナイトメアやゴーストは夢や幻影の中で本領を発揮する
ゴーストは頭に送り込むはずの淫乱な妄想をそのまま再現でき、ナイトメアは強気な美女として相手を襲えるからな”
さてナイトメアですが、基本的には気に入った男にしか夜這いをかけません
毎晩、夢で美女に侵されたらナイトメアの仕業だと思ってください
ですが、彼女達は夢の中では強気な女性ですが、現実では非常に臆病で弱気です
もし、ナイトメアの仕業だと思ったら、一晩寝てるふりをしてください
彼女が枕元に来た時、起き上がれば逃げてしまいます
そうしたら、もう彼女に悩まされることはないはずです
また、ナイトメアが逃げる前に捕獲すれば抵抗しなくなります
逃げる事も無くなるそうですね
”弱気で臆病な魔物娘か・・・
捕まえたら勢いで押し倒したくなるよな”
次はゴーストです
彼女達は常に妄想しています
妄想することしかできないんです
魔力の弱い個体は対象に触れる事すらできませんから、相手を妄想の中に送り込みます
その妄想の中で少しずつ精を吸収していき、最終的にはゴーストが実体化して妄想を現実にしようとするらしいです
”まぁ、ようするにふじょｓ・・・・
いや、なんでも無い
今、脳内に「やらないか？」って響いたのは気にしないでおこう”
彼女達が現実化したら、それはもう大変らしいですね
かなりアブノーマルな世界に引き込まれるとか・・・
”おい・・・冗談だろ？
どうしたらこんなカップリングがあり得るんだ？
剣と鞘って・・・どういうことなの？
poke（偽名）の頭に送られてくる妄想～
剣「今日は君の為に鍛えてもらってきたんだ・・・」
鞘「そ、そんなおっきいの・・・私、壊れちゃう」
剣「じゃあ、入るよ・・・」
鞘「やぁ、やめて！私、ガバガバになっちゃうのぉ！！！」
剣「奥まで入ったよ」
鞘「つ、繋がってるぅ！！おっきくて、堅い・・・」
剣「フフフ・・・
・・・・・・・・
いい加減にしろぉ！！！
いつまで意味のわからん茶番を見させるつもりだよ！？
出てこい！！
いるんだろ、ゴーストぉ！！！”
彼女達を払うには成仏するしかありませんが、彼女達を自然に成仏させるには願いをかなえてやらねばなりません
その願いが「好きな人と一緒にいる」という事なので、自然に成仏するときはその人も一緒なわけです
教会で強引に払う事も出来ますが・・・あまりお勧めはしません
彼女達も元は人間
意外と素直な面も多く、そこまでフリーダムに妄想を送り込んでくる訳ではないようですね
”ふざけた真似をしやがって・・・
少しお灸を据えてやんないといけないようだな
「キャハハハハハ♪ 実態を消している状態の貴方がアタシに敵うとでも思ってるの？
それにアンタ、キング・オブ・チキンハートの持ち主でしょ？
ゴーストのアタシが怖くないのぉ？」
どうやらよほど成仏という名の天国への超特急、片道切符が欲しいらしいな・・・
あいにくだが、頭に送られてくる妄想が激しすぎて、犯人がゴーストであることがばれてるんだよ！！
正体が分かっている物におびえるほど幼稚ではない！！
「じゃあ、これなんかどうかなぁ♪」
上等だ！！どっからでもかかってこい！！！
「「「「「「やらないか」」」」」」
なっ！？数６、こいつら・・・・
「キャハハハ！！！食べられちゃえぇ♪」
「「「「「「俺はノンケだって構わず食っちまうんだぜ？」」」」」」
止めろ！！く、来るな！！！
「「「「「「良い事思いついた。お前、俺のｋ（ｒｙ」」」」」」
アッ―――――――――――！！！！”
そして、最後のエリアは洋館内の本館です
ここにはデュラハンとバンパイアがいるそうです
しかし、どちらも個体数は少ないそうで、遭遇率は少ないかと
まずはデュラハンですね
彼女たちは非常に強気ですが、自分達から襲う事はありません
その辺は魔物娘の中でも珍しいですね
よって、危険な所はあまりないでしょう
しかし、一度攻撃を仕掛けてしまうと彼女達は襲いかかってきます
彼女達は魔界の騎士団に所属しており、騎士としても精鋭です
正々堂々とした闘い方は力への傲慢さではなく、騎士道を重んじた結果
それほど彼女達は強力です
ところで、彼女達の異名をご存じですか？
「首なし騎士」です
その名のごとく、頭が取れます
アンデットですから
それくらいは普通なのです
彼女達は頭が取れると、頭がついてる状態とは打って変わって非常に好色になります
自分を抑え込んでいた蓋がとれるとでも言いましょうか
男性に襲いかかり、精を取ろうとします
”前の決闘大会では散々な目にあったしな”
最後に、ヴァンパイアですね
そうですね
数多くの物語にも登場する、あのヴァンパイアです
彼女達も非常に強気です
もし男性が気に入られた場合、召使いとして連れさらわれるそうです
その後は食事と召使いの扱いを受けるそうですね
食事の度に魔力が流れ込むので、体がインキュバスになるそうです
インキュバスとなったら、彼女達はその男性を食糧としてではなく、貴族として扱うそうです
そうなると、それまで強気だった彼女達も態度を変えるようですね
彼女たちは魔物娘にはめずらく、血を精として摂取します
彼女達は個体が非常に強力です
魔力はもちろんの事、その細い腕では考えられないほどの怪力、すさまじいまでの治癒力を持ちます
さまざまな物語で語られるほど強力なヴァンパイアですが、他の魔物娘に比べると弱点も多く有ります
太陽の光を浴びると少女のようになり、能力も普通の少女のようになります
ニンニクを使うと一時的に魔力を失いますが、同時に理性も飛ぶので、サキュバスの本能のまま興奮した獣人型の様に襲いかかってきますので、ご注意を
また、銀のナイフは彼女の体にダメージを与える事のできる数少ない武器ですが、彼女の激昂に触れるだけなので止めた方が得策です
そのほかについては・・・ちょっと分からないんです
ええ、ヴァンパイアは殆ど魔界にしかいないうえ、個体数もかなり少ないのです
「忘れられた洋館」にすら、いると言われているだけで、目撃したという確信的な証拠はありません
ですから、今出回ってる図鑑での情報しか提供できないんです
すみません・・・
”ふむ・・・
店主が珍しく困っているな・・・”
以上が魔物娘、およびコースの説明です
いかかだったでしょうか
彼女達、アンデット系の娘達に関する情報はかなり少なく、入手も困難です
また、彼女達は基本的に感情が稀薄なので、性格に関する内容は省略させていただきました
また、食事はみな人間の精だけなので、これもまた個別の説明からは省略させていただきました
彼女達は生前の記憶を持っている場合があります
美しい記憶ならば良いのですが、トラウマだったりすることもしばしばあります
出会ってから直ぐは、彼女達を刺激しない方が得策でしょう
”アンデット種はこの世に未練が残った物に魔力が加わり動きだしている
その未練がトラウマや心の傷を映していることも多い
彼女達は鈍感見えて、意外と繊細なんだ”
これからどちらに？
大会本部へ？
ここを出て、左側に見える大きな時計塔を目指してください
そこで参加受付をしているそうです
”ああ、道端で除霊アイテムとか言って売ってる物は買わない方がいい
もし除霊アイテムが欲しければ、魔女のアイテムショップへ行く事をすすめる”
では、またのご来店お待ちしていません
では、お幸せに
”お幸せに～”
さて、僕も今日は町を歩こうかな
せっかくのお祭りだし
”おや、珍しいな・・・まぁたまには姿をさらして町を歩くか”
町の中央部にて～
え～っと、そこのリンゴを２つください
１Ｐですね
どうも
お祭りでも見てこようかなぁ・・・
”まぁ、店主は姿をさらした俺に気付く訳ないがな”
「あぁーー！やっと見つけました、探してたんですぅ！！！」
”魔女？何の用だ？”
「貴方、現在キング・オブ・チキンハート（西方全敗）の称号を持つ、poke（偽名）さんですよね！？」
”確かに、俺はキング・オブ・チキンハート（西方全敗）の称号を持っているが？”
「よかったぁー！！この似顔絵だけだと不安だったんですけど、見つかってよかったです！！」
”この犯罪者の指名手配みたいな似顔絵があってたまるか
んで、魔女が何の用だ？”
「貴方に、肝試し大会に参加してほしいのです！！」
”全力で、断る！！大体、なぜ俺が！？”
「大会をより盛り上げるために、貴方の存在が必要なんですぅ！！」
”そうか、サバトは運営に直接かかわっているのか・・・
しかし、なぜ、キング・オブ・チキンハート（西方全敗）の俺がわざわざ肝試しになど出なくてはならないのだ？”
「貴方の宇宙クラスのビビりをみなさんも期待しているんです
観客も、参加者がただ淡々と魔物と罠を回避して帰ってくるだけでは面白くないでしょう？
やはり、楽しませるにはリアクションのエースである、貴方の力が必要なのです！！」
”俺は今晩の夕飯のメニュー決定で忙しい。帰れ”
「うぅ、そんな～（グスッ・・・」
”悪いがキング・オブ・チキンハートにそんな技は通用しない！”
「ならば、最終手段です！！
もし来てくれないというならば、私、ここで脱ぎます！！
そして貴方を指さして、変体！！！って叫びます
ついでに私達にお持ち帰りされて、あんな目や、こんな目に合わせます」
”ハァ！？”
「来て・・・・くれないんですか？
そうですか・・・仕方ないですね・・・」
”おい、待て！！
服のボタンを外すな！！！
スカートを脱ぐな！！！
おい！！！”
「だって・・・貴方が脱げと・・・私に（グスン」
（変態だ！！！）
（変態がいるぞ！！！）
（ヤダ、あんな小さい女の子を脱がしてる・・・）
（サイテー）
（人として恥ずかしくないのかしら？）
（通報しますた！！（ビシッ）
”分かった！わかったよ！！
行くよ！行けばいいんだろ！
だからさっさと服を着てくれぇ！！！”
「やっと、分かってくれたんですね？」
”ああ、良くわかった！！”
「ありがとうございます（ニコッ」
『警察だ！！！そこを動くな！！』
”すまないな、貴様のせいで肝試しには出られないみたいだ・・・
いや～、全く残念だよ、ゴメンネ、お嬢ちゃん（肝試しに出るくらいだったら、人間の警察の相手の方が何倍もマシだぜ！！悪いな、今回は俺の計略勝ちだ！！！）”
「そんなことないですよ！！お兄ちゃんは悪くないです！！一緒に肝試し行くって約束したじゃん・・・（そうはさせません！！！）」
『今さっき、通報があった。事情は分かっているだろうから、そこの男には署に来てもらう』
”ええ、喜んで
１日と言わずに２日３日と話に付き合いますから（イヤッホォォォウ）”
「ヤダー、ねぇ！警察のお兄ちゃん、この人を連れていかないで！！」
『ごめんね、お嬢ちゃん。おじさんはこの青年を警察署まで連れて行かなくちゃいけないんだ』
”・・・・・ｼｮﾎﾞｰﾝ（無駄だ！！抗うか！？何を言おうが今更ぁ！！！これが貴様の選んだ道だよ！！貴様が選ぶべくしてなぁ！！！）”
「ヤダヤダヤダヤダ！！！！（絶対に行かせないんだから！）」
『じゃ、行くぞ！』
”はい・・・（ハァ―ハッハッハッハッハッハァ！！！！）”
「もぉ～！！！！
おじちゃん、私の目をみて話してよ！！！」
”目を見て・・・・・待て、この娘の目を見て話すな！！！！”
『全く、何度も言っているだろぅ？
おじさんは・・・・』
「おじさんは通報なんて受けなかった・・・・そうでしょう？
今日は何にも事件が起きてないの・・・・」
『わ、私は・・・』
”おい、しっかりしろ！！おい！！！クソッ！！！！”
「どうして私のお兄ちゃんを連れて行こうとするの？」
『どうして・・・・だろうな？』
「そうでしょ？
なら早くお兄ちゃんを離してよ！！！」
『そうだな・・・すまなかったな、青年
私は・・・勘違いしていたようだ・・・』
”暗示の魔法を使われたんだよ、アンタは！！俺を署まで連れていくんじゃないのか！？”
『躍起になるのも分からなくもない。だが、今回は私の判断ミスだったようだ・・・素直に謝ろう・・・すまなかったな、青年よ、そこのかわいいお嬢ちゃんと祭りを楽しんでいってくれ』
「じゃ、お兄ちゃん、行きましょ♪」
”おい、やめ・・・誰か・・・助けて・・・・”
「だいじょーぶ、貴方がお持ち帰りされそうになったらサバトのみんなが全力で助けてあげるからぁ♪」
”い、遺書・・・・これで、いいか？”
「はーい、一名様、ごあんな～い♪！！」
夜、肝試し開始時刻～
今宵、ここにあつまった方々には極上の恐怖を体験していただきます
みなさんも、この暑さを吹き飛ばす勢いで怯えていってください！
では、肝試し大会の開始をここに宣言します！！
では、まず肝試し開催本部実行部長、バフォメット様よりお言葉を頂きたいと思います
どうじゃ、暑いじゃろぅ？
じゃがの、帰る頃には心も冷え切っておろうぞ
あんまり冷えてしもうた場合は、心行くまでワシらが温めてやろうぞ
では、ワシがあんまり長話しても面白くないからの
さっさと初めようかの
では、これより、第２３４回、肝試し大会を始める！！
パチパチパチ・・・・
ではルール説明です
この森をぬけた洋館にある自分の名前の書かれたお札を取って戻ってくるだけの簡単な内容です
ではさっそく、一人目のチャレンジャーの紹介を始めたいと思います
今回はなんと、かの有名な（西方全敗 ジャクシャ―・アジア）キング・オブ・チキンハートの称号の伝承者、poke（偽名）が参加しております！！
おぉぉぉおおおおぉぉぉぉおおおおお！！！！
それでは、感想をお聞きしましょう
「スタート前の感想をどうぞ！！」
”もうやだ帰りたい”
ワァァァァアアアァァァ！！！！！（かっこいいぞぉ！！キャージャクシャーアジアサーン！！もっとやれ―！！！）
流石はジャクシャーアジア！早くも弱気になってるようですね・・・これはこの先、期待大ですね！！
では、さっそく出発してもらいます！！
”い、嫌じゃー―――ぁ！！！”
10/06/20 13:30更新 / poke
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