35.それがオーガ
「エトナさん、呪文は・・・?」
「どーいう訳か、全然。
もしかして、シロも内心ヤられたいんじゃねーの?」
シロは、明確に恐怖を覚えていた。
今のエトナは、いつものエトナじゃない。
見開かれた目、歪ませた口元、背筋が凍るような雰囲気・・・
それら全て、魔物娘、そしてオーガの象徴たるもの。
『目の前にいる男を(性的な意味で)喰らい尽くす』
呪文がかけられていなければ、出会ったその時にこうなっていた。
これは、普段の交わりではない。
「覚悟しろよ・・・無茶苦茶に犯してやる!」
「ひいぃっ!」
押し倒され、その勢いのまま、唇を奪われた。
「怖い・・・怖い・・・!」
「とか言いながら、こっちはギンギンじゃねーか。身体は正直だな」
生命の危機を感じ、種を残そうとする生物本能に従い、屹立した一物。
インキュバスになったシロのそれは、意に反して臨戦態勢となっていた。
「へへっ、シロは何にも考えなくていい。ただキモチヨクなってればいい。
イリスのことも何もかも忘れるまで搾り取ってやるから」
エトナは完全に、気がふれていた。
余程、イリスにシロが犯されたことが腹に据えかねていたらしい。
しかし、それを考慮しても、放つ狂気は尋常ではなかった。
ずっと、目だけ笑っていない。息は荒い。
そして何より。
(怖い・・・怖いよぉ・・・!)
涙を目に浮かべ、明らかに恐怖を感じている表情のシロを前にして、一切の躊躇が無い。
脳はただ一つ『シロを犯す』ということ全てに塗られ、正常さを蝕まれた。
「気に入らねぇな、その顔。・・・一発抜けば大人しくなるか」
出てくる台詞も、様変わりしていた。
魔物娘の本能を抑える気は、微塵も無いらしい。
「とりあえず・・・フェラしとくか・・・んんんっ!!!」
「ひひゃぁっ!?」
シロの陰茎が目の前に来る位置まで移動したかと思えば、自身の喉奥に一気に突き刺した。
亀頭が口腔内に殆ど触れぬまま、喉責めを受けることとなり、唐突すぎる刺激に声が上がる。
何も考えていない。シロはおろか、自分もどうなろうと知ったこっちゃ無いと思ったのか。
長さも太さも普通の男の比ではない一物を、全て飲み込んだ。
「んぐっ! うげっ! んぐぐーっ!!!!!」
「ひぎぃっ!? ぎゃっ、うぎゃあああっ!!!!!」
いかにエトナが魔物娘とはいえ、インキュバス化したシロの巨根をいきなり飲み込むのは、
無茶や無理ですらない。無謀以外の何物でもない。
にも関わらず、誤嚥による反射すら無理矢理に押し込め、そのまま頭を前後に激しく振った。
本来は男側が強制する行為だが、エトナは自ら、イラマチオのような喉姦をシロに強いた。
(何で? 何でエトナさん、こんなになってまで・・・?)
泣きながら、シロは恐怖に苛まれていた。
陰茎を噛みちぎられると錯覚するほどに激しく、喉の中でのピストン運動を強制させる。
擦れ合う粘膜が生む気持ちよさで、無理矢理恐怖心を破壊しようとしているのか、
それともリミッターが解除され、自分をイカせるのが生命維持より優先度を上回ったか。
いずれにしても、異常でしかない。
それでも、エトナのディープスロートは最高に気持ちいい。
唯一口に入っていない陰嚢は固く引き締まり、放出の時を今か今かと待ち侘びている。
弱いところを責める、というものではない。『全てを責めている』のだ。
「エっ、エトナさん! 僕、もう・・・!」
「んぐうっ! んぢゅっ、・・・ぷはっ。・・・うん、イけ」
息が続かなくなり、口を離したのもつかの間。
再度、喉に肉棒を突っ込み、顔面をシロの腰に打ち付けるようにして・・・
「んんんっ!!!?」
「あぁっ、あっ、ああああああああああああああああ!!!!!!!!}
神経線維まで持ってかれるような、強い吸引を交えながらの搾精。
奥深く、深くに亀頭が埋もれこんでいる為、口内射精ではなく、喉内射精となった。
「んぐっ・・・んぐっ・・・!」
微かに震えるエトナの喉が、ドロドロの精液を嚥下していることを証明している。
『シロの身体から出たものを飲み込む』ことは、何も考えなくてもできることとなっていた。
「・・・あぁぁ・・・ふあ・・・」
「・・・んっ。ボーっとしてる暇はねぇぞ」
放出された精液を飲み干すと、今度はおもむろに立ち上がった。
力が抜けて仰向けに寝転んだままのシロを見下ろし、エトナが取った行動は。
「そもそもとして、こいつが諸悪の根源なんだよな・・・余計なこと考えさせて」
見つめるのはシロの股間。その玉袋の辺り。
インキュバス化したシロは、精液生産能力も人間を逸している。
その玉袋に、エトナは。
「・・・潰すか♪」
ゆっくりと、足を乗せた。
「ひぃっ!?」
「去勢しちまえば、気の迷いは起こらないしな」
「え・・・ほ・・・本気で・・・?」
「あーでも、アタシが搾れなくなるのは嫌だなー。どうしよ」
「あう・・・あぁ・・・」
生殺与奪を、完全に握られた・・・というより、踏まれた。
シロの睾丸の行く先は、エトナの気持ちと足次第。
「そーだなー。シロはどうするー?」
「つ・・・つぶさ・・・ないで・・・」
「んー? 潰してくれー?」
「いや、違・・・!」
「何言ってんのかわかんねーぞー♪」
白々しい口調で、いかにも楽しげに。
陰嚢を爪先で器用に転がしつつ、時折裏筋を撫でながら。
当人は、潰す気など更々無い。しかし、シロからはそのことは分かるはずも無い。
何せ、男の最大の急所を弄ばれ、一瞬で破壊されてしまいかねない状況なのだから。
「ひぃぃ・・・・・・」
「いい顔になってきたじゃねーか♪ さて、どうしよっかなー♪」
「あう・・・あうぅ・・・」
比較的自由の利く親指と人さし指の間に挟んで上下に扱いたり、土踏まずで踏みつけたり。
徐々に変化した動きを感じ取って、シロもここに来て何となく感づいた。
(・・・あれ、エトナさん、何か・・・うん?)
既に、エトナは殆どシロの玉袋を責めていない。
足が触れているのは、ほぼ竿本体。
それも、踏みつけて潰すような動きでもないし、負荷もかかっていない。
困惑していると、エトナが腰を下ろし、
「あー、なんか片足だとやりにくいなー。両足使うかー」
とだけ、棒読み全開で言うと、両方の足の裏でシロのペニスを挟み。
「・・・そらっ!」
「んあっ!?」
そのまま、激しく上下に動かした。
「あれー? 何でシロ、顔ぐちゃってるんだー?」
手より固い上、細かな動きはできない。
その分、やたらと力はかかるのだが。
(・・・あう♥)
やり方は、何一つ間違っていない。
手でする時と何ら変わりない、快感を高め、射精へと導く刺激。
(これが・・・足コキ・・・♥)
相変わらず、エトナの瞳にはハイライトが無い。
むしろ、淀みがさらに酷くなったようにすら見える。
だが、やってることはマニアックかつハードだが、普段と大差ない。
「足裏でチンポごしごしされてよがり倒すってどんだけ変態なんだよ?
変態。マゾ。ド変態のマゾ豚野郎!」
「はぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♥♥♥」
激しい足コキ責めに、苛烈な言葉責めまで絡む。
「アタシがその気になれば、いつでも玉潰せるってのに、足蹴にされて悦んでんだな?
足が気持ちよすぎて何にも考えられないんだよな? 変態だから、シロは変態だから、
足でも何でも、チンポ気持ちよくなっちまうド変態のマゾ豚なんだよな?
豚なら豚らしく鳴いてみろよ、シロ!」
「ひぎっ! ぶ、ぷひぃっ! ぶひぃぃぃっ!」
豚の鳴き真似をすることに、シロは何の抵抗も無かった。
人間の尊厳なんていらない。エトナの足で責められるなら、豚でも虫でも、何でもいい。
「ははっ! 本当にやりやがった! 豚! マゾの変態雄豚!
シロ、お前豚に成り下がってんだぞ? それでいいのか?」
「そんなの・・・もう・・・」
「誰が人間の言葉話して言いっつたんだオラ!」
「ぎぃっ! ぶひぃぃぃっ!」
陰茎を強く踏まれ、乱暴に扱かれる。
遂にシロは、自分を完全に『豚』として認識するに至った。
「ぶひぃぃぃっ! ぶひっ、ぶぴぃぃぃぃぃ!!!」
「このド変態のマゾ豚が! ほらイケよ、マゾ豚の臭っせぇザーメン、盛大にブチ撒けろ!」
「ぶひ・・・・・・ぶびぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!」
エトナの足がシロの肉棒をギチギチに締め付け、擦り上げた瞬間、シロは絶頂した。
銃撃のように飛び出た精液が散らばり、二人の間に降り注ぐ。
桁違いの量を放出したが、エトナの足はまだ止まらない。
「休んでる暇なんてねぇぞ! オラ、もっと出せやこの変態マゾ豚クソ野郎!」
射精するのも、踏まれるのも、家畜扱いされるのも、どれもこれも気持ちいい。
エトナにしてもらえる行為全てが、多幸感を生じる脳内物質の分泌を促す。
脳を焼かれながらも、「気持ちいい」だけははっきりと感じていた。
一向に萎えないシロの一物は、精密な動きのしづらい足でも容易に扱ける、固さを保ったまま。
精液でぬめりが増しても、より気持ちよくなるだけで、送られてくる刺激は的確。
シロの頭の中は、豚の知能すら下回るレベルにまで、快楽で塗りつぶされていた。
「はひぃ・・・ふぁ・・・」
豚の鳴き真似をし過ぎて、声が枯れた。
それでもまだ鳴き声を上げようとしているが、声帯が僅かに震えるだけ。
「・・・うわ・・・・・・えっと・・・」
ここに至って、エトナはようやく落ち着いて、自分が何をしたか、それを考え始めた。
どう考えても、自分がシロを滅茶苦茶に蹂躙したという事実は揺るがない。
そして、シロが明確な恐怖を感じていたことを認識していた、ということも間違いない。
(・・・でも)
それでも、それら全てを認めた上で。
「・・・・・・ふぇ?」
朦朧としていた意識が戻りつつある中、シロは顔に何かが落ちてくるのを感じた。
ポタリ、ポタリと、断続的に落ちてくる、感触的には、何かの液体。
「・・・エトナ、さん?」
その源は、真上に位置する、エトナの目から。
つまり、落ちてきたものの正体は。
「・・・ぐすっ」
「泣いて・・・る・・・?」
エトナの、涙だった。
「シロ」
「・・・?」
「シロが、悪い」
「・・・え?」
「アタシは悪くない。シロが可愛すぎるのが悪い」
「・・・・・・・・・・?」
まるで子供のような、エトナの呟き。
その意味を測りかねていると。
「・・・イリスとアタシ、どっちがよかった?」
最初の問いに、戻った。
しかし、返答を挟む間も無く、言葉は続く。
「この際、どっちでもいい。・・・けど」
目を閉じ、すぅっ、と大きく、息を吸い込んで。
「シロは、アタシだけのものだーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
大粒の涙を零しながら、全身全霊を込めて叫んだ。
「分かってるんだよ! あいつだって魔物娘なんだから、シロを気持ちよくさせられることぐらい!
でも悔しいんだよ! シロがアタシ以外の女にいいようにされてイカされたことが!
全部、全部シロのせいだ! シロがこんなにめちゃくちゃにしてやりたいくらい可愛いからだ!
うわああああああああああん!!!!!!!!!!」
感情を剥き出しにし、シロの薄い胸板に顔を埋め、大声で泣き喚くエトナ。
事の壮絶さのあまり、シロは頭がうまく働かない。
「えっ・・・? えぇっと・・・」
どういう行動をし、どんな言葉をかければいいか。その答えが見つからない。
今分かることは、エトナがこんなに無茶苦茶になっていることは、過去には無かったということだけ。
「・・・・・・ご」
ごめんなさい、と言おうと思った所で、言葉は喉で止まる。
多分、それは相応しい回答じゃない。エトナが求めているのは、別の何か。
色々、考えた。
それでも、何も言えなかった。
だから。
「・・・・・・・・・・んっ」
自分の胸で泣きじゃくるエトナの頭に手を乗せ、ゆっくりと、撫でた。
(・・・分からないけど、こういうこと、じゃないかな)
何となく、そう思った。
エトナの心は今、認めざるを得ないことを認めたくなくて、ぐちゃぐちゃになっている。
その状態ではどんな言葉をかけても、届くことは無い。
なら、感情の全てを吐き出させよう。
初めてエトナと自分が出会った時、自分がエトナの胸で泣いたのと同じように。
「・・・エトナさん」
「うぐっ、うあああん・・・・・・」
髪を手櫛で梳いたりもしながら、頭を撫でる。
その間に、シロはエトナの言葉を反芻した。
(『アタシだけのもの』か。・・・あはは。僕、本当にエトナさんに好かれてるんだな。
好かれてるというか・・・あ、愛されてると言うか・・・)
思い返しながら、気恥ずかしくなる。
自分はエトナに好いてもらっている。そして、愛されている。
(泣かせちゃって、ごめんなさい。僕もエトナさんが大好きです。
僕はエトナさんだけのものですし・・・エトナさんは、僕だけのものですから)
撫で続けることしばらく。
震えが止まり、顔が見えた。
「泣いてないからな!」
「・・・あはは」
無茶苦茶すぎる強がり。
どこをどうしたって、目からこぼれているのは涙だし、シロの胸と周辺はびしょ濡れ。
それでも、シロの抱いた感情は、『なんか、嬉しい』だった。
(らしいというか、何と言うか)
こんなエトナが見られたなら、豚になった甲斐もあった。
気持ちよかったし、愛されていることもしっかり認識できた。
そして、勿論忘れていない。
「エトナさんが好きです。イリスさんじゃなくて、エトナさんが大好きです」
問いの回答は、これでいいはず。
自分が好きなのは、エトナただ一人であることの証明。
「許さねぇ」
静寂。
緊迫。
焦燥。
どうやら事態は、シロが思っていたほど、気楽なものではなかったらしい。
「アタシは怒ってない。ただ、すげぇムカついてる」
このパターンは、予想していなかった。
しかし、それはこの場の空気の流れ等が作用した結果の、錯覚。
よくよく考えてみれば、当然の帰結。
真顔から、ニヤリとした笑みに変わるのを見て、覚悟と言う名の諦めも完了し。
(・・・うん)
シロは静かに、目を閉じて。
「また、腰痛めても知らないですからね?」
「望むところだ!」
少しだけ強がって、勝負に乗った。
「どーいう訳か、全然。
もしかして、シロも内心ヤられたいんじゃねーの?」
シロは、明確に恐怖を覚えていた。
今のエトナは、いつものエトナじゃない。
見開かれた目、歪ませた口元、背筋が凍るような雰囲気・・・
それら全て、魔物娘、そしてオーガの象徴たるもの。
『目の前にいる男を(性的な意味で)喰らい尽くす』
呪文がかけられていなければ、出会ったその時にこうなっていた。
これは、普段の交わりではない。
「覚悟しろよ・・・無茶苦茶に犯してやる!」
「ひいぃっ!」
押し倒され、その勢いのまま、唇を奪われた。
「怖い・・・怖い・・・!」
「とか言いながら、こっちはギンギンじゃねーか。身体は正直だな」
生命の危機を感じ、種を残そうとする生物本能に従い、屹立した一物。
インキュバスになったシロのそれは、意に反して臨戦態勢となっていた。
「へへっ、シロは何にも考えなくていい。ただキモチヨクなってればいい。
イリスのことも何もかも忘れるまで搾り取ってやるから」
エトナは完全に、気がふれていた。
余程、イリスにシロが犯されたことが腹に据えかねていたらしい。
しかし、それを考慮しても、放つ狂気は尋常ではなかった。
ずっと、目だけ笑っていない。息は荒い。
そして何より。
(怖い・・・怖いよぉ・・・!)
涙を目に浮かべ、明らかに恐怖を感じている表情のシロを前にして、一切の躊躇が無い。
脳はただ一つ『シロを犯す』ということ全てに塗られ、正常さを蝕まれた。
「気に入らねぇな、その顔。・・・一発抜けば大人しくなるか」
出てくる台詞も、様変わりしていた。
魔物娘の本能を抑える気は、微塵も無いらしい。
「とりあえず・・・フェラしとくか・・・んんんっ!!!」
「ひひゃぁっ!?」
シロの陰茎が目の前に来る位置まで移動したかと思えば、自身の喉奥に一気に突き刺した。
亀頭が口腔内に殆ど触れぬまま、喉責めを受けることとなり、唐突すぎる刺激に声が上がる。
何も考えていない。シロはおろか、自分もどうなろうと知ったこっちゃ無いと思ったのか。
長さも太さも普通の男の比ではない一物を、全て飲み込んだ。
「んぐっ! うげっ! んぐぐーっ!!!!!」
「ひぎぃっ!? ぎゃっ、うぎゃあああっ!!!!!」
いかにエトナが魔物娘とはいえ、インキュバス化したシロの巨根をいきなり飲み込むのは、
無茶や無理ですらない。無謀以外の何物でもない。
にも関わらず、誤嚥による反射すら無理矢理に押し込め、そのまま頭を前後に激しく振った。
本来は男側が強制する行為だが、エトナは自ら、イラマチオのような喉姦をシロに強いた。
(何で? 何でエトナさん、こんなになってまで・・・?)
泣きながら、シロは恐怖に苛まれていた。
陰茎を噛みちぎられると錯覚するほどに激しく、喉の中でのピストン運動を強制させる。
擦れ合う粘膜が生む気持ちよさで、無理矢理恐怖心を破壊しようとしているのか、
それともリミッターが解除され、自分をイカせるのが生命維持より優先度を上回ったか。
いずれにしても、異常でしかない。
それでも、エトナのディープスロートは最高に気持ちいい。
唯一口に入っていない陰嚢は固く引き締まり、放出の時を今か今かと待ち侘びている。
弱いところを責める、というものではない。『全てを責めている』のだ。
「エっ、エトナさん! 僕、もう・・・!」
「んぐうっ! んぢゅっ、・・・ぷはっ。・・・うん、イけ」
息が続かなくなり、口を離したのもつかの間。
再度、喉に肉棒を突っ込み、顔面をシロの腰に打ち付けるようにして・・・
「んんんっ!!!?」
「あぁっ、あっ、ああああああああああああああああ!!!!!!!!}
神経線維まで持ってかれるような、強い吸引を交えながらの搾精。
奥深く、深くに亀頭が埋もれこんでいる為、口内射精ではなく、喉内射精となった。
「んぐっ・・・んぐっ・・・!」
微かに震えるエトナの喉が、ドロドロの精液を嚥下していることを証明している。
『シロの身体から出たものを飲み込む』ことは、何も考えなくてもできることとなっていた。
「・・・あぁぁ・・・ふあ・・・」
「・・・んっ。ボーっとしてる暇はねぇぞ」
放出された精液を飲み干すと、今度はおもむろに立ち上がった。
力が抜けて仰向けに寝転んだままのシロを見下ろし、エトナが取った行動は。
「そもそもとして、こいつが諸悪の根源なんだよな・・・余計なこと考えさせて」
見つめるのはシロの股間。その玉袋の辺り。
インキュバス化したシロは、精液生産能力も人間を逸している。
その玉袋に、エトナは。
「・・・潰すか♪」
ゆっくりと、足を乗せた。
「ひぃっ!?」
「去勢しちまえば、気の迷いは起こらないしな」
「え・・・ほ・・・本気で・・・?」
「あーでも、アタシが搾れなくなるのは嫌だなー。どうしよ」
「あう・・・あぁ・・・」
生殺与奪を、完全に握られた・・・というより、踏まれた。
シロの睾丸の行く先は、エトナの気持ちと足次第。
「そーだなー。シロはどうするー?」
「つ・・・つぶさ・・・ないで・・・」
「んー? 潰してくれー?」
「いや、違・・・!」
「何言ってんのかわかんねーぞー♪」
白々しい口調で、いかにも楽しげに。
陰嚢を爪先で器用に転がしつつ、時折裏筋を撫でながら。
当人は、潰す気など更々無い。しかし、シロからはそのことは分かるはずも無い。
何せ、男の最大の急所を弄ばれ、一瞬で破壊されてしまいかねない状況なのだから。
「ひぃぃ・・・・・・」
「いい顔になってきたじゃねーか♪ さて、どうしよっかなー♪」
「あう・・・あうぅ・・・」
比較的自由の利く親指と人さし指の間に挟んで上下に扱いたり、土踏まずで踏みつけたり。
徐々に変化した動きを感じ取って、シロもここに来て何となく感づいた。
(・・・あれ、エトナさん、何か・・・うん?)
既に、エトナは殆どシロの玉袋を責めていない。
足が触れているのは、ほぼ竿本体。
それも、踏みつけて潰すような動きでもないし、負荷もかかっていない。
困惑していると、エトナが腰を下ろし、
「あー、なんか片足だとやりにくいなー。両足使うかー」
とだけ、棒読み全開で言うと、両方の足の裏でシロのペニスを挟み。
「・・・そらっ!」
「んあっ!?」
そのまま、激しく上下に動かした。
「あれー? 何でシロ、顔ぐちゃってるんだー?」
手より固い上、細かな動きはできない。
その分、やたらと力はかかるのだが。
(・・・あう♥)
やり方は、何一つ間違っていない。
手でする時と何ら変わりない、快感を高め、射精へと導く刺激。
(これが・・・足コキ・・・♥)
相変わらず、エトナの瞳にはハイライトが無い。
むしろ、淀みがさらに酷くなったようにすら見える。
だが、やってることはマニアックかつハードだが、普段と大差ない。
「足裏でチンポごしごしされてよがり倒すってどんだけ変態なんだよ?
変態。マゾ。ド変態のマゾ豚野郎!」
「はぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♥♥♥」
激しい足コキ責めに、苛烈な言葉責めまで絡む。
「アタシがその気になれば、いつでも玉潰せるってのに、足蹴にされて悦んでんだな?
足が気持ちよすぎて何にも考えられないんだよな? 変態だから、シロは変態だから、
足でも何でも、チンポ気持ちよくなっちまうド変態のマゾ豚なんだよな?
豚なら豚らしく鳴いてみろよ、シロ!」
「ひぎっ! ぶ、ぷひぃっ! ぶひぃぃぃっ!」
豚の鳴き真似をすることに、シロは何の抵抗も無かった。
人間の尊厳なんていらない。エトナの足で責められるなら、豚でも虫でも、何でもいい。
「ははっ! 本当にやりやがった! 豚! マゾの変態雄豚!
シロ、お前豚に成り下がってんだぞ? それでいいのか?」
「そんなの・・・もう・・・」
「誰が人間の言葉話して言いっつたんだオラ!」
「ぎぃっ! ぶひぃぃぃっ!」
陰茎を強く踏まれ、乱暴に扱かれる。
遂にシロは、自分を完全に『豚』として認識するに至った。
「ぶひぃぃぃっ! ぶひっ、ぶぴぃぃぃぃぃ!!!」
「このド変態のマゾ豚が! ほらイケよ、マゾ豚の臭っせぇザーメン、盛大にブチ撒けろ!」
「ぶひ・・・・・・ぶびぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!」
エトナの足がシロの肉棒をギチギチに締め付け、擦り上げた瞬間、シロは絶頂した。
銃撃のように飛び出た精液が散らばり、二人の間に降り注ぐ。
桁違いの量を放出したが、エトナの足はまだ止まらない。
「休んでる暇なんてねぇぞ! オラ、もっと出せやこの変態マゾ豚クソ野郎!」
射精するのも、踏まれるのも、家畜扱いされるのも、どれもこれも気持ちいい。
エトナにしてもらえる行為全てが、多幸感を生じる脳内物質の分泌を促す。
脳を焼かれながらも、「気持ちいい」だけははっきりと感じていた。
一向に萎えないシロの一物は、精密な動きのしづらい足でも容易に扱ける、固さを保ったまま。
精液でぬめりが増しても、より気持ちよくなるだけで、送られてくる刺激は的確。
シロの頭の中は、豚の知能すら下回るレベルにまで、快楽で塗りつぶされていた。
「はひぃ・・・ふぁ・・・」
豚の鳴き真似をし過ぎて、声が枯れた。
それでもまだ鳴き声を上げようとしているが、声帯が僅かに震えるだけ。
「・・・うわ・・・・・・えっと・・・」
ここに至って、エトナはようやく落ち着いて、自分が何をしたか、それを考え始めた。
どう考えても、自分がシロを滅茶苦茶に蹂躙したという事実は揺るがない。
そして、シロが明確な恐怖を感じていたことを認識していた、ということも間違いない。
(・・・でも)
それでも、それら全てを認めた上で。
「・・・・・・ふぇ?」
朦朧としていた意識が戻りつつある中、シロは顔に何かが落ちてくるのを感じた。
ポタリ、ポタリと、断続的に落ちてくる、感触的には、何かの液体。
「・・・エトナ、さん?」
その源は、真上に位置する、エトナの目から。
つまり、落ちてきたものの正体は。
「・・・ぐすっ」
「泣いて・・・る・・・?」
エトナの、涙だった。
「シロ」
「・・・?」
「シロが、悪い」
「・・・え?」
「アタシは悪くない。シロが可愛すぎるのが悪い」
「・・・・・・・・・・?」
まるで子供のような、エトナの呟き。
その意味を測りかねていると。
「・・・イリスとアタシ、どっちがよかった?」
最初の問いに、戻った。
しかし、返答を挟む間も無く、言葉は続く。
「この際、どっちでもいい。・・・けど」
目を閉じ、すぅっ、と大きく、息を吸い込んで。
「シロは、アタシだけのものだーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
大粒の涙を零しながら、全身全霊を込めて叫んだ。
「分かってるんだよ! あいつだって魔物娘なんだから、シロを気持ちよくさせられることぐらい!
でも悔しいんだよ! シロがアタシ以外の女にいいようにされてイカされたことが!
全部、全部シロのせいだ! シロがこんなにめちゃくちゃにしてやりたいくらい可愛いからだ!
うわああああああああああん!!!!!!!!!!」
感情を剥き出しにし、シロの薄い胸板に顔を埋め、大声で泣き喚くエトナ。
事の壮絶さのあまり、シロは頭がうまく働かない。
「えっ・・・? えぇっと・・・」
どういう行動をし、どんな言葉をかければいいか。その答えが見つからない。
今分かることは、エトナがこんなに無茶苦茶になっていることは、過去には無かったということだけ。
「・・・・・・ご」
ごめんなさい、と言おうと思った所で、言葉は喉で止まる。
多分、それは相応しい回答じゃない。エトナが求めているのは、別の何か。
色々、考えた。
それでも、何も言えなかった。
だから。
「・・・・・・・・・・んっ」
自分の胸で泣きじゃくるエトナの頭に手を乗せ、ゆっくりと、撫でた。
(・・・分からないけど、こういうこと、じゃないかな)
何となく、そう思った。
エトナの心は今、認めざるを得ないことを認めたくなくて、ぐちゃぐちゃになっている。
その状態ではどんな言葉をかけても、届くことは無い。
なら、感情の全てを吐き出させよう。
初めてエトナと自分が出会った時、自分がエトナの胸で泣いたのと同じように。
「・・・エトナさん」
「うぐっ、うあああん・・・・・・」
髪を手櫛で梳いたりもしながら、頭を撫でる。
その間に、シロはエトナの言葉を反芻した。
(『アタシだけのもの』か。・・・あはは。僕、本当にエトナさんに好かれてるんだな。
好かれてるというか・・・あ、愛されてると言うか・・・)
思い返しながら、気恥ずかしくなる。
自分はエトナに好いてもらっている。そして、愛されている。
(泣かせちゃって、ごめんなさい。僕もエトナさんが大好きです。
僕はエトナさんだけのものですし・・・エトナさんは、僕だけのものですから)
撫で続けることしばらく。
震えが止まり、顔が見えた。
「泣いてないからな!」
「・・・あはは」
無茶苦茶すぎる強がり。
どこをどうしたって、目からこぼれているのは涙だし、シロの胸と周辺はびしょ濡れ。
それでも、シロの抱いた感情は、『なんか、嬉しい』だった。
(らしいというか、何と言うか)
こんなエトナが見られたなら、豚になった甲斐もあった。
気持ちよかったし、愛されていることもしっかり認識できた。
そして、勿論忘れていない。
「エトナさんが好きです。イリスさんじゃなくて、エトナさんが大好きです」
問いの回答は、これでいいはず。
自分が好きなのは、エトナただ一人であることの証明。
「許さねぇ」
静寂。
緊迫。
焦燥。
どうやら事態は、シロが思っていたほど、気楽なものではなかったらしい。
「アタシは怒ってない。ただ、すげぇムカついてる」
このパターンは、予想していなかった。
しかし、それはこの場の空気の流れ等が作用した結果の、錯覚。
よくよく考えてみれば、当然の帰結。
真顔から、ニヤリとした笑みに変わるのを見て、覚悟と言う名の諦めも完了し。
(・・・うん)
シロは静かに、目を閉じて。
「また、腰痛めても知らないですからね?」
「望むところだ!」
少しだけ強がって、勝負に乗った。
16/04/23 17:29更新 / 星空木陰
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