行方不明になってた幼馴染みが帰ってきたと思ったら…
「はぁ……駄目だ…やっぱ集中出来ねぇ…」 高校3年生の夏休み…それは、大学受験に向けて必死に勉強しなければいけない期間…というかしないといろいろマズい期間。 だけど俺はここ一週間、全く勉強に集中出来ていなかった。 「サキのやつ…無事なのかなぁ……」 何故集中出来ていないのか…それは…… 「サキが行方不明になってから…もうそろそろ一週間か……」 幼馴染みのサキが、およそ一週間前から行方不明になってしまったからだ。 当日の昼間では高校に居た事は確認されているのだが、そこから家には帰ってこなかったらしい… 家出とかするような奴じゃない…というかサキの家族は皆とても仲が良いので家出は無い… 事件に巻き込まれたのか、誘拐されたのか、神隠しにでもあったのか…… どういう理由かはわからないが、とにかくサキは行方がわからなくなっていた。 「本当に…どこに居るんだよサキ……」 幼馴染みが行方不明になったんだ…不安で仕方が無い。 考えたくは無くても…俺の脳裏には最悪のパターンが浮かんでしまう…… 「帰ってきてくれよ……頼むから……」 俺のボソッと呟いた独り言は…… ピンポーン♪ 何者かの訪問を知らせる呼び鈴の音で掻き消された… 「…誰だよこんな時間に……」 今は夜の9時過ぎだ…一人暮らししている俺の家に来るやつはそう居ないと思うが…宗教の勧誘だろうか? 「はーい、今出まーす」 とりあえず何であれ出たほうが良いと思って、玄関の扉を開いたら… 「どなたd……!?」 「へへっ、久しぶり!ちょっとお邪魔するね!!」 |
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