――鹿茸大補湯。

　十七種類の生薬で構成され、気力・活力を大きく補う。十七味中、中核を成す二味、即ち薬方名にも冠される〈鹿茸（ろくじょう）〉と、もう一つ〈肉蓯蓉（にくじゅよう）〉。
　その二つが手元にないとのことで、ミリシュフィーン達はとある場所を訪れていた。



「肉蓯蓉はね、寄生植物の一種なんだよ、宿り木みたいな」
　見渡す限りの大草原。ちらほらと生えた立ち木と、遠くには森。
「強壮作用が強く、腎虚に適し、今回の調合には絶対に欠かせないんだよ」
　大きな岩陰に身を潜ませながら、僕たちはシェーファの話を聞く。
「けどね、とても珍しい物で、『野生馬の精液が地に滴り落ち、そこから生ずる』と云われてる、非常に希少性が高く高価な物なんだよ」
　辺りを包む草の香りが、なんだか懐かしい。
　ここは僕の祖国、シェーペール。クロスボール中立都市から一っ飛びでやって来たよ。僕はアシュリーに、シェーファはサーラに抱えられて、空をすいすいと。数日かけた道程が瞬く間で。目的が『旅すること』自体でなければ、どんな場所にもあっと言う間なんだろうね。
「で、こうしてここまで飛んで来させたのは、野生馬の集まりそうな場所を探すため、という訳か？」
「そうだよ」
　サーラの問いに賢者は頷き、ずり落ちかけた眼鏡を中指で押し上げる。
「成る程ね。……おや？　そうこうする間に噂の主が……と、あれは、馬は馬でも」
「ケンタウロス、か」
　引き継がれた言葉の続きは、僕でも聞き覚えのある魔物の名だった。サーラの視線の先へ、僕も岩陰から目を凝らす。
　だんだん近付いてくる影は、馬体に女性の上半身がくっついた姿で。それから、その背にも人影が見えた。
「よし、上手い具合に番いだよ。……しかも、とっくに発情してるよ」
　その、ケンタウロスさんだけど、なんだか様子がおかしいような？　足取りがフラフラしてるというか……。彼らは、一本の木に歩み寄って――。



　　　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊



　ここに来るまで、背後からファイムの乳を散々揉みまくってやった。横乳と脇が丸見えなエロい服なんて着てるからこうなるんだよ。今日も徹底的にハメ倒してやるからな、覚悟しとけよ。
「おいファイム、もう息が上がってるじゃないか。ご自慢の健脚はどうしたんだ？」
「う、うるさい！　お前がっ、お前が子供っぽいイタズラばっかりするから走るのに集中できないんだ！」
　いかにも勝ち気そうな顔を羞恥に染め、睨み付ける目許には涙の粒が光る。
「へえ？　イタズラって、こういうのか？」
　両脇から突っ込みっ放しの手をワキワキさせ、服の下で美乳を思うさま揉みしだく。
「ぅあぁッ？　ン！　やめっ、やめろ！」
「やめねー。だって俺が勝ち取った正当な権利だかんな」
「な、何が正当かっ、いけしゃあしゃあと！　正々堂々、狩りで勝負だというのに、弓ではなく罠を仕掛けて獲るとは！」
「勝負の内容は『どっちが多く獲ったか』であって、手段に関しちゃ決めてねーんだから、弓にこだわらなくたっていーんだよ」
「クソォ！」
「まあそう怒るなよ。堅苦しいのはナシ。リラックスリラックス」
「私がいつもこうなるのはっ――」
　皆まで言わせず、硬い小粒の乳首をキュッと摘まんでやる。
「ヒィンッ！？」
　強すぎる刺激に驚いてか、ファイムの馬体が竿立ちになった。
「うおっ？」
　とっさに胸を握り締め、指の間で乳首を挟む。
「ぅあぁぁぁん♥」
　前足を着地したは良いが、四肢はガクガクと震え、膝を折りそうになってる。
「どうした、可愛い声だして？」
「しらっ、知らない！」
　思わず漏らした嬌声を恥じたのか、ファイムはプイッと顔を逸らし、もうこっちを振り向いてくれない。
　栗毛と同じ艶やかなポニーテールが目の前で揺れ、甘い汗の匂いを振りまく。
　俺のチンポはもうとっくにギンギンだが、メスの体臭を嗅いでしまうと頭がクラクラし、ジクジクと先走りが滲んでしまう。
　ガチガチの肉棒を彼女のウエストに擦りつけながら、男を狂わせる匂いの発生源へと鼻を寄せ、首筋の汗を舐め取りながら胸一杯に甘い香りを吸い込んだ。
「んひゃあ！？　こ、この変態！　舐めるな気色悪い！　んひッ？　こ、腰に粗末な物を擦りつけるなァ！！」
「その粗末な物でいつもヒィヒィよがってるのは、一体どちら様ですかねぇ？」
「ちがうちがう！　よがってなんてない！！」
　言葉の上では激しく抵抗し、否定してるのに、俺を振り払ったり、ましてや振り落としたりなんて決してしない。モミモミと胸を揉ませ、コリコリと乳首を弄らせ、蜜のような体臭と汗を滲ませながらそれを俺に与え、擦りつけられるチンポを甘んじて受け容れてくれる。
「ほら、機嫌直せよ？　そこの、いつもの木がゴールだ。あそこまで行ったら可愛がってやるからよ」
「お前に可愛がって欲しくなどない！」
「ここ、ビショビショなのにか？」
　チュニックの裾から手を差し入れ、もうグッショグショのマンコを軽くイジってやる。
「んあぁぁぁンッ♥　やめろぉ！！」
「ほれ頑張れ、あともう少しだ」
　抗議の声は無視して、乳首をコロコロ転がしてやりながら、むけかけたクリトリスの包皮をそっとめくり、敏感なお豆をチョンチョン触る。
「ヒッ？　ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃッン！！？♥」
　雌馬らしくいなないて見せたファイムは、服の裾から愛液を垂らしながらも、ガクガク震える膝を叱り付け、一歩一歩とゴールへ進む。
　俺はもう、そのいじらしい姿に胸を打たれ、応援の意味もかねてますます手の動きに熱を入れてやる。更に、プルプル小刻みに震えてる彼女の耳――人とは違う、小ぶりな馬耳を口に含み、甘噛みしてやった。
「いひゃっ！？　ンアァァァ〜〜〜ンッッッ♥♥」
　最後の数歩は前へ倒れかけながらではあったが、ファイムは意地で歩を進め、目当ての木にすがり付いた。
「一度も膝を屈さずに、見事ゴールに辿り着いたな。偉いぞ、ファイム。さすがはケンタウロス」
　荒い息をつきながら何とか呼吸を整えようとしてる彼女は、緩慢に振り返りながら俺を睨み付け――てるつもりの蕩け顔で、言った。
「はあ、はあ、んくっ、はぁ……ば、はかに、ふぅ……、ケンタウロスを馬鹿に、するなぁ！」
「すまんすまん。じゃ、お待ちかねのご褒美タイムだ！」
　馬の背から飛び降り、彼女の背後へ回る。
　毛量豊かなフサフサ尻尾をペロンとめくれば、馬体の方にも備わる馬マンコは大洪水でビッショリだった。
「いくぜ、ファイム！」
　返答を待たず、濡れそぼった発情マンコにガチガチの肉槍を突き入れる。
「ッきゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜んぅ！！？♥」
　今か今かと待ち構えてたんだろう、馬肉マンマンは凄まじい勢いでチンポを締め上げ、一秒でも早い射精を急かす。

　ファイムの膣は二カ所ある。
　一つは最初に弄ってた人体部分の下腹部にある。
　もう一つは、いま俺が突っ込んでる馬体部分のマンコ。
　馬体の方にあるだけあって、筋肉のカタマリというか、締め付ける力が半端ない。インキュバスになる前は、この狂暴マンコに突っ込んだ瞬間に呆気なく射精して、ファイムから馬鹿にされてたもんだ。
　だが今はこうやって、肉竿を食いしばる貪欲マンコを振り切り、再び豪快に突き入れて、
「オラァ！」

　ズパンッ♪

　馬尻に、思いっきり腰を打ち付けてやる。すると、
「あっひゃあぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ンンンッ！？♥♥」
　膣壁をヒクヒク痙攣させながら、堪える素振りも見せずにファイムはイってしまった。
「おらァッ、オラオラ！　気持ちいいかっ、ファイム！？」

　パァン♪　パァン♪　ズッパァン♪　ズパーン♪

「ヒッ♥　ヒッ♥　ヒィッ♥　ヒヒィィィィィィンッッッ♥」

「気持ちいいみてーだな！？　しこたまイけよ！！」

　ズパン♪　ズッパン♪　ズパン♪　ジュッパーンッ♪

「しゅっ♥　スゴッ♥　リャイスぅっ♥　リャイスーーーぅん♥」

　――リャイス。
　ファイムが、俺の名を呼びながらヨガリ声を上げる。
　いつもは武張った堅苦しい女が、獣みたいに理性をかなぐり捨てて交尾に興じる。
　まったく、これだから魔物娘は最高だぜ！！！

「そろそろ出すぞ！　馬肉マンマンでしっかりうけとめろよ！？」
「うけっ♥　んひッ♥　うけとめりゅ！♥　愛しい旦那しゃまのッホォ！？♥　子種汁うけとめるぅ〜〜〜ン！！♥」
「オラァァァッ！！」
　渾身の一突きを繰り出し、馬尻に腰を叩き付けた。

　どびゅるるるぅぅぅ〜〜〜ッッッ♪

　肉筒から精液が迸り、馬胎に気持ち良くぶちまけてやる。
「ひっヒィィィィィィィィィッッッン♥　きった〜〜〜〜〜〜〜〜〜んン♥」
　射精に喜ぶファイム。
　だが俺は、射精の余韻なんかにゃ浸ってるつもりはない。
「続きイクぜ！！」
　未だ吐精の途中だが、お構いなしに腰振りを再開する。
「ヒッ♥　ヒッ♥　ヒッ♥　ヒッィィィン♥」
　イってる最中に痙攣マンコを擦り立てられ、ヨガリ泣きしながら木の幹にしがみついて耐えるファイム。その姿が凄まじく嗜虐心を煽り、俺はますます腰を打ち付けてしまうのだった――。



　あれから更に三発、バックから馬肉マンコに種付けしてやった。
　が、それで終わる訳ない。
　木に背を預けあぐらをかく俺に、馬脚をブルブル振るわせながら、ファイムが腰を落としてくる。
　屹立する肉棒へ狙いを定め、お次は人体マンコでファイムの方から腰を振ってくれるって訳だ。
　しとどに濡れそぼった肉の裂け目が、天を向く剛直に生け贄を差し出すように、そろそろと近付いて、
　ズッチュン♪
「おひッ？♥」
　何が起こったのか解らないといった風のファイムは、だがしっかりとイキ顔晒してマン肉を痙攣させている。
　腰が落ちきるのを待たず、下から突き上げてやったのだ。
　それまで辛うじて力を振り絞って耐えていた膝は砕け、体は自由落下を始め――人間マンコに深々と肉槍が突き刺さる。
　更には、まだ挿入もしていないのに早々と降りてきてた子宮は、人体と馬体の合計体重を亀頭に打ち付けてしまい、子宮口の一点で受け止めてしまったのだ。
「――ッカ、ハッ♥　〜〜〜ッ、〜〜〜はっヒッ、ひっ、〜〜〜ッッッ♥」
　体を貫く快感が強烈すぎて、呼吸さえままならない様子のファイムは、背をのけぞらせてのどを晒す。
　いわゆる、仰け反り絶頂というヤツだ。
　喘ぐ動作に合わせ、膣内も激しく痙攣し、絶え間なくチンポを締め上げる。
　やがて。
「ふ、は、ふ、はぁ、ふっうぅ、はぁーーー、は〜〜〜〜〜〜……」
　やっと絶頂から解放され、ぐったり弛緩した体を俺に預けながら、呼吸を整えている。
　髪や、首筋や、胸元から匂い立つ女の体臭は、彼女がケンタウロスだからだろうか？　えらくハッキリしたもので――フェロモンというんだったか？　臭いというのとは違う、強烈に男を惹き付ける匂いだった。
　俺はファイムを抱きしめ、弓取りの賜か、形の良い胸に顔を埋め深呼吸し、あるいは栗毛の髪を嗅ぎ、それから首筋に舌を這わせて汗を舐めしゃぶる。
　俺はどうやら匂いフェチのようなのだ。
　お上品で化粧の匂いを振りまく都会女より、ファイムのような野趣あふれる女が好ましい。

　汗の玉を一つ一つ丁寧に舐め取っていると、完全に呼吸の整ったファイムが、上気した顔でこう問いかけた。
「あ……あの、いつもみたいに、その……」
　もじもじして、そこから先が言えずにいる。
　可愛い女だ。普段のつんけんしたのも良いが、睦事にさらけ出す女の顔も、またそそる。
「腕を上げて、脇を晒せ」
「う、うん」
　言われた通り、細く引き締まった腕を持ち上げる。

　鼻腔に、むせ返るような女の匂いが立ち込める。
　汗びっしょりで、陽光に光る健康的な素肌。光に当たりにくく、他の肌より白味が強く、薄く柔らかな皮膚がさらけ出される。
　俺のために差し出された、俺の大好物。
　勿論、遠慮なく齧り付いた。
「ひゃあん！？♥」
　敏感な柔肌に吸い付かれ、舐めしゃぶられる感覚に、ケンタウロスの女戦士は可愛らしい悲鳴を上げる。
　野良犬みたいにがっついて、彼女の腰を抱きしめながら脇に鼻を埋めていると、ファイムがゆるゆると腰を上下し始めた。

　馬体の、ひたすら強烈だった締め付けとまた違い、人体マンコは穏やかな締め具合だ。が、ユルいという訳じゃない。ネットリ包み込んでくるような、やわ肉で抱きしめてくるような感じがする。それに、こっちのマン肉の方が動きが繊細で、色々変化を付けてうねらせてくる。
　肉竿に絡みつき、ヌルヌルと張り付いてきたり。
　ヒダヒダの一枚一枚が別々に蠢いて変化を付けたり。
　入り口を締め付けたと思ったら、カリ首を締め上げてエラを引っ掻いたり。
　一部ざらついた膣壁部分を、亀頭に擦りつけたり。
　騎乗位の時のファイムは、まさに『ご奉仕』という言葉がよく似合った。

　が、それも途中まで。

　次第に腰の動きが速く、荒々しくなり、弾みを付けて上下運動を繰り返す。
　体温が上がり、ますます汗ばみ、メスの体臭を撒き散らしながら玉の雫が弾け飛ぶ。
　俺はそんな暴れ馬にしがみつき、必死に脇肉に食らい付く。

　やがて。

　高まった射精感に促され、じゃじゃ馬マンコに精液を吹き上げた。

　びゅびゅびゅ〜〜〜〜〜〜ぅッッッ♪

　人胎子宮にザーメンを注ぎ、こっちも腹いっぱいにしてやる。
「あぁん！　すきぃ♥　リャイスだ〜いすきぃぃぃ♥」
　感極まったファイムは、俺の体にしっかと抱きつく。
　俺はその間、脇汗を舐めしゃぶるのに必死で、だが彼女の美乳もしっかりこね回し、しこりきった乳首もいじめ抜いてやるのは忘れない。
　そうやって、こっちのマン肉での一発目が終わると、体力に物を言わせて二発目へと挑んでいくのであった――。



　身ごしらえを整えた俺達は、来た時みたくファイムの馬上に俺がまたがるという形になる。
　当然、俺の両手は脇から侵入し、ケンタウロスおっぱいを手綱代わりにわし掴む。
　汗が乾ききっておらず、しっとり濡れた肉丘は、手に張り付いてくる。
　まだ硬さを失っていない乳首を転がしながら、彼女の耳元へ囁く。
「んじゃ、そろそろ帰るか」
　耳にかかる息と、胸をいじくられる感触に背筋をゾワゾワ粟立たせながら、ファイムは一度唇を噛みしめて言う。
「ん♥　も、もうリャイスったらぁ〜♪　そんなにしたら、またシたくなっちゃうよぉ♥」
　鼻にかかる、甘えきった声。媚びの色を隠そうともしない。
「ん〜、じゃ、遠回りして帰るか？　北西に四キロ行ったところの岩場。あそこまで膝をつかずに我慢してたどり着けたら、ご褒美やるよ」
　話している最中も、しつこく乳首をキュッ♪　と摘まみ、ぐにぐに引っ張り、コロコロ転がし、カリカリ爪で引っ掻く。
　鼻っ面は首筋に埋め、たっぷりと甘い体臭を吸い込み。
　愛しい彼女を急かすように、その背にチンポをなすり付ける。
「くっ♥　う、うん♪　約束だよ？　がまんできたら、またいっぱいシテね？♥」
　返事の代わりに、可愛らしい馬耳にしゃぶりつき、両方の乳首をひねり潰してやった。
「んぎッ？　ひひぃぃぃぃぃぃんン♥」
　スケベないななき声を高らかに上げると、ファイムはギャロップ（全速力）で駆け出したのだった……。



　　　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊



　ケンタウロスの夫婦は去った。
　僕とサーラは、真っ赤な顔で動けない。
　アストライアは涼しい顔で彼らを見送り、
　シェーファはというと……。
「――おお、あったあった」
　彼らが居た辺りをしばらくジロジロ見てたと思ったら、彼女の腰より少し高いくらいで、茎の太い植物を掘り起こし、大事そうに持ち上げていた。
「それが例の？」
「肉蓯蓉だよ。さあ、目的は達した。〈白切〉に一旦戻るよ」
　そう何事もなく、僕らに告げたのだった。

■作者メッセージ
変態にも人権はある！　愛と同意があれば許される！