伏魔都市クロスボール 〜樹霊の願いと、露天風呂T〜
クロスボール邸にて振る舞われた晩餐は、とっても美味しかった。
ふわふわの白パンやサーモンのマリネも絶品だったけど、シチューが格別だった。
僕はシチューが大好きだ。でも、クリームシチューというのは初めて食べたよ。シェーペール産の羊肉や旬のお野菜が柔らかく煮込まれ舌触りも良かったけれど、味も香りも今まで食べた物と一線を画していた。なんでも〈ホルスタウロス〉という魔物のお乳から作られたクリームが入っていたみたい。とにかく風味豊かで、とりわけ味が濃厚だったんだ! ほっぺたが落っこちそうになったよ。
それから、食後にコーヒーという飲み物も頂いた。大陸の南方にしか育たない、特別な木の実から抽出するんだって。甘い香りに誘われて一口飲んだら、とっても苦くてビックリだった。クロシュさんは笑いながらミルクと蜂蜜を入れてくれて……。そうしたら僕でも飲めたよ。
サーラとアシュリーはストレートで飲んでいたけれど。凄いなぁ。
食後、アシュリーは前もっての言葉通り、二品の件で管理人さんとなった二人の元へ行った。
僕とサーラは、クロシュさんの『我が家自慢の風呂をお楽しみ下さい』という言葉に従い、胸を弾ませ入浴場へと向かったのだった。
「わぁ……!」
いつかのような、満天の星空の下。
館の屋上に広がるのは、壁も天井もなく、眼下に夜の森を臨む、泳げそうなくらい大きなお風呂だった。
露天風呂、って言うんだって。
湯気が風に流れ、素肌を撫でていく。
その温かなヴェールを透かし見れば、月も木々も、霧の中にあるみたいで。
なんだか夢の世界だ。ふわふわする。
奇妙な興奮が胸にある。
こういった露天風呂というのも大きな原因の一つだけど、そもそも、一人でお風呂に入ること自体が生まれて初めてのことだったんだ。
王宮にいた頃は、側仕えの侍女達が身の回りの世話をしてくれた。お風呂の介添えもその一つ。
王宮を出てからは……その……サーラやアシュリーが常に一緒で、何くれとなく助けてくれるから。それはとっても嬉しくて、贅沢なほどありがたいことなんだけれど。
実は、ちょっとだけ――ほんのちょっとだけ、不満だったんだ。
けれど、今はこうして僕一人。
脱衣所の前で、サーラとは別れた。
今は、唯一視界を遮る塀の向こう側。女湯の方に――。
キィ……。
背後で微かな音がした。
振り向けば、僕が通ってきた回転扉――とっても珍しいよね。室内の暖気が外に漏れにくいんだって――の前に、バスタオル一枚のサーラが立っていた。
「え……?」
一瞬頭が働かなかったけど、慌てて後ろを向く。
女性の素肌を見るなんて良くないことだし、それに……今は、僕も見せられないから。
「サーラ、こっちは男湯だよ? 女湯はあっち」
指をさして教えてあげる。
「うん、知ってる」
サーラはおかしな返事をして――長い足で僕との距離を縮めた。
「ひゃあ?」
後ろから抱きしめられてしまう。
「リーフィ、体を洗うね? いつもみたいに」
耳元で告げられた言葉には、湯気のような熱気がこもっていて。
「き、今日は僕一人で――」
「だめ」
有無を言わさず洗い場へ運ばれてしまった……。
「痛くない?」
「うん」
サーラは自分の手が『硬い』って言うけれど、そんなことはないと思う。むしろ、繊細で、張り付いてくるみたいで、気持ちいい。こうして頭を洗って貰うと、なんだか撫でられてるみたいで、眠くなる……いつもだったら。
「流すね?」
「うん」
お湯が注がれ、白い泡が洗い流される。けれど、茉莉花(ジャスミン)の香りは髪に残り、その芳香を留めてくれる。
「次は体ね」
「えと、お願い」
もう、こうなったサーラを止めるのは無理だ。無駄な抵抗をするよりも、厚意に甘えることにした。
けれど。
「ふわぁ、なにっ?」
梔子(クチナシ)の甘い香りが漂ったかと思ったら、泡まみれの腕が背後から伸び、しなやかな腕の中にすっぽりと包まれてしまう。
むにゅう♪
背に、柔らかく温かな感触。二つの大きなふくらみは、その中心にコロコロした粒を備えていて。
「さ、サーラっ、ここじゃダメ!」
ジェドゥーナチャッハ城にいる時も、そのぅ、こういうことはされたことがある。だから、この先に起こることも分かる。
「だめじゃないの。お風呂では体を洗うものなの。リーフィの体で汚いところなんて一つもないけど、一応、洗って入浴するのが礼儀だから」
「そ、そうだけど。洗い方が!」
ぬるり。
「ひぃんっ?」
サーラの指が僕の股間に伸びて、思わず腰が跳ねた。
「ふふ、やっぱり。おちんちん大きくなってる」
耳元に、熱い吐息。
「今朝、初めてここを訪れた時くらいから、ずぅっとエッチな匂いがしてたもん。ここ、おっきしてたのかな? ん?」
泡だらけの手でヌルヌルと扱かれれば、腰を中心にゾワゾワと耐え難い快感が走り、情けない声を堪えるために手で口を塞ぐしかない。
サーラの言う通り、僕はここを訪れた時――正確には、トーィルさんが舐める蜜の匂いを嗅いでから、しばらくの間は変だった。胸はモヤモヤ、股間はムズムズしてしかたなかったんだ。
いつの間にか落ち着いたんだけど、夕食を頂いた後くらいから、またムズムズしてきて……。いつもいやらしいことばかりしてるから、そういう体質になっちゃったのかなぁ? 恥ずかしい。
「ここも、キレイキレイしようね〜♪」
右手が陰茎を包み込み、ユルユルと竿を扱き。人差し指と親指の輪っかでカリ首を引っかけ気味に擦り上げ。亀頭を、まるで頭を撫でるみたいに掌で撫で回す。
左手はそっと陰嚢を捧げ持ち、やわやわと揉んだり、猫のノドを撫でるみたいに指を動かされる。
「ぅ〜〜〜っ!」
ここはいつものお城じゃない、クロシュさんの家だ。それに誰も居ないとはいえ、お月様には見られちゃってる。情交の声を漏らすなんて恥ずかしすぎる。
だから必死に声を抑えているのに。
「もう。我慢したらダメでしょう?」
背中に、サーラの大きなおっぱいがムニュムニュ擦りつけられ、弾力抜群の肉の粒が、まるで字を書くみたいに行き来する。
手の動きはとても優しく丁寧で――何よりねちっこい。カリ首をしつこく指の輪で擦り立て、亀頭を余すところなく包み込んでじっくり磨いてくる。
その上。
「あぁむ♪」
「ふっ? んぅ!」
僕の首筋にサーラがかぶりつき、はむはむと優しく噛んでくる。傷付けないように慎重に……それでいて歯ごたえを楽しむみたいに。
「くっうぅ……食べないでぇ」
「んふふ♪ ちゅうっ♥」
「わわっ、す、吸っちゃだめ!」
ちゅう♪ ちゅう♪ ちゅっぱぁ♪
「えへへ♥……上手くできた、キスマーク♪」
「ふぇ? きすまーく?」
「そう。リーフィがわたしのものだっていう、証なの。わたしの大切な宝物。わたしだけのご主人様。それなのに」
「んひいぃんっ!?」
急に手の動きが速くなった。決して乱暴ではなく、指と手首を柔らかく使った繊細で慎重な……巧みな動き。
背後からより強く抱きしめられ、陰茎ともども密着感が増す。サーラの全身で包み込まれているような。――ドラゴンの住む洞窟に閉じ込められたような。
獲物をいたぶる手の動きは、優しく、優しく、丁寧でありながら獰猛で。
「んっ、くっ、はぁう、んんッ」
「賢者だかなんだか知らないけれど、あんな牛女を家来にするなんて。……おっぱいがいいの? わたしもおっぱい、結構大きいよ? わたしのにしとこ? ね? わたしで我慢して? リーフィの気持ちいいこと、いっぱいしてあげるから。ね? 毎日いっぱいご奉仕するから。ね?」
「ちがうっ、ひぃん? ちがっ、別にそんな理由で、うわわっ? だめだめっ、て、とめてぇ!!」
「ん? ここ? ここ気持ちいい? ここしつこくしたら良い?」
「しつこくしたらぁッ、だめーーーッ!!」
でちゃう。そう思った瞬間。
クルリ。
僕の体は後ろ向きにされて、
びゅぅーーー!!
股間の前に顔を持ってきたサーラは、放たれた精液を、あーんと開けた口で受け止めたのだった。
びゅるっ、びゅっ、びゅぅ、びゅ……。
吐精の全てをウットリ顔で口内に収めたサーラは、味わうように舌で転がした後、
ごくり♪
白いネバネバを飲み下してしまった。
急激に高められた快感で、心臓の鼓動が治まってくれず、はぁはぁと喘いでしまう。
そんな僕をサーラは抱きしめ、呼吸が落ち着くまで背をなで続けてくれた。
「ごめんね? リーフィごめん。わたしどうかしてた。怒らないで?」
「怒ってないよ。だいじょうぶだから、ね?」
さっきからずぅっとこんな状態。
興奮状態から覚めたと思ったら、サーラは僕にすがりついて謝罪を始めた。そんな幼なじみを僕も抱きしめ返し、頭を撫でる。
赤い髪は月明かりと湯気の中しっとりと潤って、手にも見た目にも柔らかい。強くて、凜々しくて、いつも気丈で恰好良いサーラが、なんだか幼く見えてしまう。
「お酒も飲んでないのに、ちょっと変なサーラだったけど、でも怒ってないよ。サーラのことは昔も今もずっと大切だから」
「リーフィ……」
僕を見上げる碧眼は、水底から浮き上がる蒼玉みたいに耀きを増し。陰りを帯びた深い青は、いつからか幻妖な光が灯っている。
「サーラ?」
つい、不安になって呼びかければ、
「ねえ、リーフィ?」
さっきまでの、どこか幼さすら感じられた相貌が、妖麗なものへと変わっていて。
「わたし、さっきはとても悪い事をしたわ。だから、償いたいの」
「償う? そんなのしなくていいよ。僕たちの間に、そんな――」
「ううん、償わないと。悪い事をしたら、きちんと罰されないと。わたしの気が済まない」
それは、言葉だけを聞けば生真面目な女の子が言いそうな内容ではあった。けれど、言葉に垣間見える雰囲気というか、声にもし表情なんてものがあるなら、そう、表情がいつもと違ったんだ。
「えと……ねえサーラ? なんだか、その……だいじょうぶ?」
「何が?」
「なにがって、その……」
「それよりリーフィ? わたし、お願いがあるの」
「お願い? うん、なぁに?」
サーラが僕にお願いだなんて、とっても珍しい。もしかしたら初めてかも。いつも助けられてばっかりだから、僕にできることなら……ううん、できないことでも何とか頑張って叶えてあげたい。
「うん、あのね……」
サーラは息を吸い、言った。
「わたしに“お仕置き”して欲しいの」
「……え、なに?」
なんて言ったの?
「お仕置きして? 悪い臣下に、ご主人様がお仕置きするの。お願い」
「そ、そんなのダメだよ!」
僕は慌てて言った。サーラをお仕置きだなんて、絶対にしたくないよ。
「どうして? リーフィにお仕置きしてもらったら、わたし、さっきの自分を許せる。リーフィがいくら言葉で許してくれても、お仕置きされないとダメなの。わたしを助けると思って、ね?」
「うぅ……」
そんな……そんなこと言わないで欲しい。でも、サーラは潤んだ瞳で僕を見上げ、ジッと返事を待ってる。
「……お仕置きって言っても……どうするの? 叱るの? それともオヤツ抜き?」
躊躇いがちに問い返せば、サーラの瞳がとろりと潤んだ気がした。
「本当に……本当にしないと、ダメ?」
僕は――サーラのお尻を見ながら尋ねた。
僕の幼なじみは……僕よりずっと背が高くて、剣術も体術も強くて、お話しに聞くヴァルキリーみたいに気高い、最高の騎士なんだ。
それなのに今は、お風呂場で四つん這いになって、僕の方へお尻を突き出している。
それから、ドラゴンの翼だけ出し、自分も裸だというのに、僕を案じて風よけのために僕の両側へ衝立みたいに張り出してくれてる。
「しないとダメなの。お願い、ね?」
「……うん……わかったよ」
きっとサーラも恥ずかしい。けれど、真面目だからこうでもしないと気が済まないんだ。早くして、早く終わらせるのが、きっと一番良いんだ。
だから。
僕は、手を振り上げて、
ぺちん。
サーラのお尻を叩いた。
「あん、リーフィ」
サーラが僕を振り向く。
「い、痛かった? ごめんね?」
叩いた部分を慌てて撫で、それがとっても破廉恥なことだと気付き、手を引っ込める。
それを見たサーラは頬をゆるめると、こう言った。
「違うの。もっと強くしないと、全然ダメだよ。もっときつく、うんと酷くして?」
「え、もっときつく?」
「そう。お願いだから、わたしを助けると思って」
『お願い』
『助ける』
そう言われてしまえば、もう僕には抵抗する力は残されない。
「サーラ、ごめんなさい!」
手を振りかぶり、振り下ろす。
パチン。
「もっと。もっともっと強くして?」
「うぅ」
バッチーン!
「ひゃあん!?」
「サーラ!?」
「ダメ! やめたらダメ!」
「うぅっ」
バッチーン!
「あうっ」
バッチーン!
「くぅっ」
バッチーン!
「あっはぁ」
鍛えられた、でも女の子らしい丸いお尻。筋肉の弾力と、脂肪の柔らかさが掌の表面に弾ける。
「サーラ、もう」
「まだ全然ダメ! わたしドラゴンだから、もっと強く、もっと沢山しないとお仕置きにならないの。して。ね? もっともっと、折檻してぇ」
媚びを含んだ声でお仕置きをねだるサーラは、いつもの……その……エッチなことをしてる時とも違うような気がする。
振り向き、潤んだ目で僕を見上げ、『早く早く』と促すみたいに、お尻をフリフリする。
「うぅっ、うぅぅ〜〜〜!」
僕は唇を噛みしめ、手を振り上げた。
バッチーーーン!!
「きゃぁうぅんッ♥」
サーラの、どこか艶を帯びた声が上がる。
バッチーーーン!!
「ヒッ、いぃん!♥」
バッチーーーン!!
「ふぉっ、オォゥンッ♥」
掌を打ち付ける度、丸いお尻に手形が付く。
一打ちごとに、ブルリと震える感触が手に伝わる。
お尻を叩くと、
バッチーーーン!!
「あっはぁぁぁぁぁぁんッ♥」
まるでサーラは喜んでるみたいな甘い声を上げる。
バッチーーーン!!
「っくうぅぅぅ〜〜〜ん!♥」
悲鳴のような、飼い主に撫でられた仔犬みたいな声。
いつのまにか――僕の股間では陰茎が屹立しきり、ピッタリお腹まで反り返っている。
(神様っ、恥知らずな僕をお許し下さい)
バッチーーーン!!
「いぃんッ♥ はあぁぁぁ〜〜〜」
汗が滲んでる。
僕の手か、サーラのお尻か。それとも両方か。
僕は、また手を振り上げ――。
「九十七……っ」
バッチーーーン!!
「ふおぉッ、おぉぉぉンッ!♥」
二人とも、まだ入浴を済ませてもいないのに、全身汗みずく。
僕の掌は真っ赤になってて。
サーラのお尻も、左右ともに無残な紅葉が咲き乱れている。
汗でぬらつき、てらてらと月光を照り返すお尻に向かって、
「九十八ぃ!」
バッチーーーン!!
「あっひぃぃぃ〜〜〜〜〜〜んンッ!!♥」
背を弓なりに反らし、赤毛を振り乱す年上の女の子。腹ペコの犬みたいに舌を垂らし、口の端からは涎が滴り落ちる。
そして、高々と掲げたお尻の間からは、決壊しそうな堤防みたいに、お肉の裂け目からトロトロの愛液が滴り落ち、水たまりを作っている。
「九十九ぅ!」
バッチーーーン!!
「ひっひっひいぃぃぃんんんッッ!♥」
僕の大切な幼なじみが。
僕の頼りになる騎士が。
地上最強のドラゴンが。
発情した牝馬の、出来損ないみたいな嬌声を上げている。
……僕の手で。
「百ぅッッ!!」
バッチーーーーーーンッ!!
「あっひゃあッ!?♥ いっきゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅんンンッ!!!♥」
イったのは、今回だけじゃない。途中、何度も気を遣ってる。お尻を叩かれ気を遣り、崩れそうな手足を、平手打ちで気付けをする。まるで、疲れた馬に鞭を打つみたいに。
眼前には、支える力を失って顔を伏し、お尻だけ高々と突き上げたサーラの姿がある。
お風呂上がりみたいに全身から湯気が上がり、汗をいっぱいに吹き出したヌルヌルの体。お尻は可哀想なくらいに真っ赤で、太腿の内側と床は、イヤらしい湧き水でビショビショ。
それでも。
夜風から僕を守る為、深紅の翼は僕の左右を覆っている。
こんなにも酷いことをした僕を。
痛いほど陰茎を勃起させた、浅ましい僕を。
「サーラ?」
そっと、僕は呼びかけてみる。
「……ぅ……ふぃ♥ りーふぃぃぃ♥」
気怠げに背後へ向けられた顔は――汗と、涙と、涎とでグチャグチャで……蕩けきった表情の中、ユラユラと彷徨う碧眼が、辛うじて僕に焦点を合わせた。
刹那。
びゅん。
汗だくの腰から深紅が迸り、太く逞し尾が鞭のしなやかさと絹布の柔らかさで、僕の腰に巻き付いた。
「わわっ?」
瞬く間に僕は引き寄せられ。背後に回されたサーラの手によって、僕の陰茎はトロントロンの蜜壺へと収められる。
じゅぶるぅっっっ♪
「くぅっ!?」
「んッほおおおぉぉぉン!!?♥」
ただ挿れただけ。
たったそれだけで、サーラはイってしまった。
あまりに呆気ない。
けれど、それは仕方のないこと。
サーラは無敵のドラゴンで、槍が降ろうが、大岩の下敷きになろうが、雷に打たれようがピンピンしてるけど、一つだけ弱点がある。
僕だけにさらけ出される弱点。
膣の中にびっしり密生した、陰核の群れ。
鱗のように生え揃った、逆鱗(クリトリス)。
それを今、僕の陰茎で、それも凄い速さで擦り立てられたのだから、ひとたまりもなかったんだろう。
「あ♥ ……へひぇ♥ きひぃ……♥」
舌をだらしなく垂れさせたまま、突っ伏してる。
全身弛緩しきり、それでもなんとか膝は踏ん張りお尻を持ち上げ、風よけの翼は広げたまま。
そして、膣の中だけは、
きゅっ♥ きゅん♥ きゅう♥
入り口も、中ほども、奥の方も全てが貪欲に蠕動し、弱点おまんこで必死のご奉仕。勿論、そんなことそすれば、
「あひゃあぁっ♥ らめぇ〜♥」
馬鹿みたいな快感が一斉に襲いかかり、サーラを責め苛む。
それから、
ちゅっ♪ ちゅうっ♪ ちゅっぱぁ♥
膣奥では、もうとっくに降りてきてた子宮口が、肉食魚じみた貪欲さで亀頭に吸い付き、
『ちょうだい♥ ちょうだい♥ 精液ちょうだい♥』
と鈴口にキスの嵐。
サーラってば、本当にイヤらしすぎると思う。
「……ぁ……り……ぅ、りーぃふぃぃぃ……」
息も絶え絶えのサーラが、顔を突っ伏したままかろうじて片目で僕を捉え、何か訴えてくる。
「どうしたの、サーラ?」
「……ほ……び……し、て」
「え、なぁに? なんて言ったの?」
サーラの背中に覆い被さり、顔を近付け耳を澄ませる。
「ごほうび……こんどは、ごほうびほしいぃ。うしろから、パンパン♪ってぇ……パンパンって、ちゅ、つきながら、おしりペンペンしてぇ〜♥」
ううっ、うぅぅっ〜〜〜!
「サーラのエッチ!」
パン♪ パン♪ パン♪ パン♪
僕は、もう頭に血が上ってしまって。後背位? っていう姿勢から、猛然と腰を振り始めた。
「きっひいいいぃぃぃん!?♥ きたぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ンッ♥」
途端に嬌声を上げ出すサーラ。
膣内では、脆弱な密生クリトリスが四方八方から陰茎に絡みつき、擦り立て、あるいは逆にカリ首でゾリゾリと削られ、責め手と受け手双方に尋常ではない摩擦刺激を与える。
そこへ。
バッチーーーン!!
「あっひゃあああぁぁぁ〜〜〜んッッッ!?♥」
イきっぱなしでブルブル震える尻肉に、ご褒美の平手打ちを喰らわせる。
きゅきゅっ♪ きゅっ♪ きゅっきゅうぅ〜ん♪
主人に褒められた仔犬のように、淫らな肉洞窟は収縮して陰茎にまとわりつき。
チュッ♥ チュッパ♥ ブッチュッバァ♥
飢えた子宮口は、エサを丸呑みにする雛鳥より意地汚く、子宮に引き込みかねない勢いで亀頭を貪る。
だから勿論、僕がそんな刺激に耐えられる訳もなく。
ぶびゅるぶびゅびゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!
盛大に、膣内射精をしてしまった。
「んくぅっ」
「あはぁ♥ りーふぃの赤ちゃんのもとぉ〜♪」
胎内で精液が弾ける感覚、温度なんかを楽しんでるサーラだけれど、僕の腰は止まらない。
パンパンパンパン♪ パンパンパンパン♪
「おっ♥ ほっ♥ ヒッ♥ ンはぁんッ♥」
「サーラのエッチ! お仕置きとかっ、ご褒美とかっ、本当はたんに気持ちいいことしたいだけなんでしょ!?」
「ちがっ♥ いっひぃん♥ ちがうのぉッ♥ ちがうのっほォん!♥」
「何が違うのっ?」
バッチーーーン!!
「ぎッ? ひぃぃぃ〜〜〜んッ♥」
殺到する逆鱗クリトリスを、必死に振り切って腰を前後させ、か弱いツブツブ達を陰茎で薙ぎ倒し、亀頭の一突きで子宮口を打ち鳴らす。
ジュボッ! ジュボッ! ジュッボォッ! ジュボボ!!
パン♪ パン♪ パン♪ パン♪
バッチーーーン!!
「んお゛ッ♥ らめ♥ ちがうン゛♥ いっひぃ♥ わた、わたしィん♥ わ゛たしィィィン♥」
「なにっ?」
ジュッボッ! ジュボォッ! ジュッボォッ! ジュボボ!!
パン♪ パン♪ パァン♪ パン♪
バッチーーーーーーンッ!!
「ほかのッほぉっ♥ ほかのおんなに゛とら゛れりゅのぉッ? ぎひぃん♥ ヤなのぉ!」
僕は、腰の動きを止めた。
「サーラ?」
「わたし……アストライアみたいに美人じゃないし。パイチェほど胸も大きくないし……。二人みたく頭も良くないし、……役立たずだし」
僕は……凄く驚いた。
サーラがそんな風に思ってたなんて。
あのサーラが。強くて格好いいサーラが。僕とは全然違うサーラが、こんなにも弱々しい一面があったなんて。
「リーフィに捨てられたらどうしようって……。リーフィがわたしの全てなのに、飽きられちゃったら、もう、どうしていいかわからないの……」
「……だから、こんなことをしたの?」
サーラはこくんと頷いた。
「せめて、いっぱいいっぱいご奉仕して、少しでも『気持ちいい女』だって思ってもらえたら、ずっと側に置いて貰えるって思って」
「サーラ、そんな僕は――」
「お妾さんでもいいから。だから、ずっと側に置いて? いっぱいご奉仕するし、たくさん戦うから」
僕は、サーラのお尻から離れた。
「あ……」
何を思ったのか、サーラの目から涙が溢れる。
僕は構わず彼女の正面に回り込み、その、僕より随分長身な体を、そっと抱き上げた。
「ぁ……リーフィ?」
少女を膝の上に乗せ、ぎゅっと抱きしめる。――身長差のあまり、僕の顔は彼女の胸辺りにきてしまい、全く格好が付かないけれど。
でも、インキュバスで良かった。女性一人くらい、軽々と抱えられるんだから。
手を伸ばし、汗ばんだ背を撫でる。
何度も。
何度も。
「サーラは僕にとってたった一人の幼なじみで。凄く頼りになる護持騎士で。その……美人だとか、体つきだとかはよく判らないけれど、いつでも、ずっとずっと側にいて欲しい、大切な女の子だよ? 僕の方が捨てられやしないか、いつもビクビクしてるのに」
「リーフィを捨てるだなんて、天地がひっくり返ってもありえないわ!」
「そう? ありがとう。でも、きちんと言葉に出して言うね? サーラ、僕の側にずっといて下さい。未熟な僕を助けてね。いつかきっと、サーラに見合う男になるから」
「リーフィぃ……」
サーラの顔が近づき、僕も顔を傾ける。
今までしたキスの中で、一番慎ましやかなもの。
快楽を求めない、純粋な口付け。
やがて。
お互いそっと顔を離し、静かに見つめ合う。
「あ、あのぅ……リーフィ? わたしね」
「うん、わかってる」
恥じらうサーラは、そっと腰を持ち上げ、僕の物に位置を合わせる。そして、ゆっくりと腰を下ろし――。
「くぅぅぅぅぅぅッん!♥」
呆気なく、イってしまった。
「ふふ、とってもエッチな顔だね」
「やらぁ♥ 見ちゃダメぇ♥」
蕩けきった幼なじみの顔。
でもそれが、
「ッ!?」
瞬時に緊張の色へと染まった。
「どうしたの?」
「シッ。……誰か、来るわ」
「え?」
つながったままの僕たち。
屋外だけど、色んな体液が飛び散って、きっと、その……臭うはず。
ど、ど、どうしよう!?
「大丈夫。わたしにまかせて?」
サーラの言葉に頷くと、僕たちは――。
ふわふわの白パンやサーモンのマリネも絶品だったけど、シチューが格別だった。
僕はシチューが大好きだ。でも、クリームシチューというのは初めて食べたよ。シェーペール産の羊肉や旬のお野菜が柔らかく煮込まれ舌触りも良かったけれど、味も香りも今まで食べた物と一線を画していた。なんでも〈ホルスタウロス〉という魔物のお乳から作られたクリームが入っていたみたい。とにかく風味豊かで、とりわけ味が濃厚だったんだ! ほっぺたが落っこちそうになったよ。
それから、食後にコーヒーという飲み物も頂いた。大陸の南方にしか育たない、特別な木の実から抽出するんだって。甘い香りに誘われて一口飲んだら、とっても苦くてビックリだった。クロシュさんは笑いながらミルクと蜂蜜を入れてくれて……。そうしたら僕でも飲めたよ。
サーラとアシュリーはストレートで飲んでいたけれど。凄いなぁ。
食後、アシュリーは前もっての言葉通り、二品の件で管理人さんとなった二人の元へ行った。
僕とサーラは、クロシュさんの『我が家自慢の風呂をお楽しみ下さい』という言葉に従い、胸を弾ませ入浴場へと向かったのだった。
「わぁ……!」
いつかのような、満天の星空の下。
館の屋上に広がるのは、壁も天井もなく、眼下に夜の森を臨む、泳げそうなくらい大きなお風呂だった。
露天風呂、って言うんだって。
湯気が風に流れ、素肌を撫でていく。
その温かなヴェールを透かし見れば、月も木々も、霧の中にあるみたいで。
なんだか夢の世界だ。ふわふわする。
奇妙な興奮が胸にある。
こういった露天風呂というのも大きな原因の一つだけど、そもそも、一人でお風呂に入ること自体が生まれて初めてのことだったんだ。
王宮にいた頃は、側仕えの侍女達が身の回りの世話をしてくれた。お風呂の介添えもその一つ。
王宮を出てからは……その……サーラやアシュリーが常に一緒で、何くれとなく助けてくれるから。それはとっても嬉しくて、贅沢なほどありがたいことなんだけれど。
実は、ちょっとだけ――ほんのちょっとだけ、不満だったんだ。
けれど、今はこうして僕一人。
脱衣所の前で、サーラとは別れた。
今は、唯一視界を遮る塀の向こう側。女湯の方に――。
キィ……。
背後で微かな音がした。
振り向けば、僕が通ってきた回転扉――とっても珍しいよね。室内の暖気が外に漏れにくいんだって――の前に、バスタオル一枚のサーラが立っていた。
「え……?」
一瞬頭が働かなかったけど、慌てて後ろを向く。
女性の素肌を見るなんて良くないことだし、それに……今は、僕も見せられないから。
「サーラ、こっちは男湯だよ? 女湯はあっち」
指をさして教えてあげる。
「うん、知ってる」
サーラはおかしな返事をして――長い足で僕との距離を縮めた。
「ひゃあ?」
後ろから抱きしめられてしまう。
「リーフィ、体を洗うね? いつもみたいに」
耳元で告げられた言葉には、湯気のような熱気がこもっていて。
「き、今日は僕一人で――」
「だめ」
有無を言わさず洗い場へ運ばれてしまった……。
「痛くない?」
「うん」
サーラは自分の手が『硬い』って言うけれど、そんなことはないと思う。むしろ、繊細で、張り付いてくるみたいで、気持ちいい。こうして頭を洗って貰うと、なんだか撫でられてるみたいで、眠くなる……いつもだったら。
「流すね?」
「うん」
お湯が注がれ、白い泡が洗い流される。けれど、茉莉花(ジャスミン)の香りは髪に残り、その芳香を留めてくれる。
「次は体ね」
「えと、お願い」
もう、こうなったサーラを止めるのは無理だ。無駄な抵抗をするよりも、厚意に甘えることにした。
けれど。
「ふわぁ、なにっ?」
梔子(クチナシ)の甘い香りが漂ったかと思ったら、泡まみれの腕が背後から伸び、しなやかな腕の中にすっぽりと包まれてしまう。
むにゅう♪
背に、柔らかく温かな感触。二つの大きなふくらみは、その中心にコロコロした粒を備えていて。
「さ、サーラっ、ここじゃダメ!」
ジェドゥーナチャッハ城にいる時も、そのぅ、こういうことはされたことがある。だから、この先に起こることも分かる。
「だめじゃないの。お風呂では体を洗うものなの。リーフィの体で汚いところなんて一つもないけど、一応、洗って入浴するのが礼儀だから」
「そ、そうだけど。洗い方が!」
ぬるり。
「ひぃんっ?」
サーラの指が僕の股間に伸びて、思わず腰が跳ねた。
「ふふ、やっぱり。おちんちん大きくなってる」
耳元に、熱い吐息。
「今朝、初めてここを訪れた時くらいから、ずぅっとエッチな匂いがしてたもん。ここ、おっきしてたのかな? ん?」
泡だらけの手でヌルヌルと扱かれれば、腰を中心にゾワゾワと耐え難い快感が走り、情けない声を堪えるために手で口を塞ぐしかない。
サーラの言う通り、僕はここを訪れた時――正確には、トーィルさんが舐める蜜の匂いを嗅いでから、しばらくの間は変だった。胸はモヤモヤ、股間はムズムズしてしかたなかったんだ。
いつの間にか落ち着いたんだけど、夕食を頂いた後くらいから、またムズムズしてきて……。いつもいやらしいことばかりしてるから、そういう体質になっちゃったのかなぁ? 恥ずかしい。
「ここも、キレイキレイしようね〜♪」
右手が陰茎を包み込み、ユルユルと竿を扱き。人差し指と親指の輪っかでカリ首を引っかけ気味に擦り上げ。亀頭を、まるで頭を撫でるみたいに掌で撫で回す。
左手はそっと陰嚢を捧げ持ち、やわやわと揉んだり、猫のノドを撫でるみたいに指を動かされる。
「ぅ〜〜〜っ!」
ここはいつものお城じゃない、クロシュさんの家だ。それに誰も居ないとはいえ、お月様には見られちゃってる。情交の声を漏らすなんて恥ずかしすぎる。
だから必死に声を抑えているのに。
「もう。我慢したらダメでしょう?」
背中に、サーラの大きなおっぱいがムニュムニュ擦りつけられ、弾力抜群の肉の粒が、まるで字を書くみたいに行き来する。
手の動きはとても優しく丁寧で――何よりねちっこい。カリ首をしつこく指の輪で擦り立て、亀頭を余すところなく包み込んでじっくり磨いてくる。
その上。
「あぁむ♪」
「ふっ? んぅ!」
僕の首筋にサーラがかぶりつき、はむはむと優しく噛んでくる。傷付けないように慎重に……それでいて歯ごたえを楽しむみたいに。
「くっうぅ……食べないでぇ」
「んふふ♪ ちゅうっ♥」
「わわっ、す、吸っちゃだめ!」
ちゅう♪ ちゅう♪ ちゅっぱぁ♪
「えへへ♥……上手くできた、キスマーク♪」
「ふぇ? きすまーく?」
「そう。リーフィがわたしのものだっていう、証なの。わたしの大切な宝物。わたしだけのご主人様。それなのに」
「んひいぃんっ!?」
急に手の動きが速くなった。決して乱暴ではなく、指と手首を柔らかく使った繊細で慎重な……巧みな動き。
背後からより強く抱きしめられ、陰茎ともども密着感が増す。サーラの全身で包み込まれているような。――ドラゴンの住む洞窟に閉じ込められたような。
獲物をいたぶる手の動きは、優しく、優しく、丁寧でありながら獰猛で。
「んっ、くっ、はぁう、んんッ」
「賢者だかなんだか知らないけれど、あんな牛女を家来にするなんて。……おっぱいがいいの? わたしもおっぱい、結構大きいよ? わたしのにしとこ? ね? わたしで我慢して? リーフィの気持ちいいこと、いっぱいしてあげるから。ね? 毎日いっぱいご奉仕するから。ね?」
「ちがうっ、ひぃん? ちがっ、別にそんな理由で、うわわっ? だめだめっ、て、とめてぇ!!」
「ん? ここ? ここ気持ちいい? ここしつこくしたら良い?」
「しつこくしたらぁッ、だめーーーッ!!」
でちゃう。そう思った瞬間。
クルリ。
僕の体は後ろ向きにされて、
びゅぅーーー!!
股間の前に顔を持ってきたサーラは、放たれた精液を、あーんと開けた口で受け止めたのだった。
びゅるっ、びゅっ、びゅぅ、びゅ……。
吐精の全てをウットリ顔で口内に収めたサーラは、味わうように舌で転がした後、
ごくり♪
白いネバネバを飲み下してしまった。
急激に高められた快感で、心臓の鼓動が治まってくれず、はぁはぁと喘いでしまう。
そんな僕をサーラは抱きしめ、呼吸が落ち着くまで背をなで続けてくれた。
「ごめんね? リーフィごめん。わたしどうかしてた。怒らないで?」
「怒ってないよ。だいじょうぶだから、ね?」
さっきからずぅっとこんな状態。
興奮状態から覚めたと思ったら、サーラは僕にすがりついて謝罪を始めた。そんな幼なじみを僕も抱きしめ返し、頭を撫でる。
赤い髪は月明かりと湯気の中しっとりと潤って、手にも見た目にも柔らかい。強くて、凜々しくて、いつも気丈で恰好良いサーラが、なんだか幼く見えてしまう。
「お酒も飲んでないのに、ちょっと変なサーラだったけど、でも怒ってないよ。サーラのことは昔も今もずっと大切だから」
「リーフィ……」
僕を見上げる碧眼は、水底から浮き上がる蒼玉みたいに耀きを増し。陰りを帯びた深い青は、いつからか幻妖な光が灯っている。
「サーラ?」
つい、不安になって呼びかければ、
「ねえ、リーフィ?」
さっきまでの、どこか幼さすら感じられた相貌が、妖麗なものへと変わっていて。
「わたし、さっきはとても悪い事をしたわ。だから、償いたいの」
「償う? そんなのしなくていいよ。僕たちの間に、そんな――」
「ううん、償わないと。悪い事をしたら、きちんと罰されないと。わたしの気が済まない」
それは、言葉だけを聞けば生真面目な女の子が言いそうな内容ではあった。けれど、言葉に垣間見える雰囲気というか、声にもし表情なんてものがあるなら、そう、表情がいつもと違ったんだ。
「えと……ねえサーラ? なんだか、その……だいじょうぶ?」
「何が?」
「なにがって、その……」
「それよりリーフィ? わたし、お願いがあるの」
「お願い? うん、なぁに?」
サーラが僕にお願いだなんて、とっても珍しい。もしかしたら初めてかも。いつも助けられてばっかりだから、僕にできることなら……ううん、できないことでも何とか頑張って叶えてあげたい。
「うん、あのね……」
サーラは息を吸い、言った。
「わたしに“お仕置き”して欲しいの」
「……え、なに?」
なんて言ったの?
「お仕置きして? 悪い臣下に、ご主人様がお仕置きするの。お願い」
「そ、そんなのダメだよ!」
僕は慌てて言った。サーラをお仕置きだなんて、絶対にしたくないよ。
「どうして? リーフィにお仕置きしてもらったら、わたし、さっきの自分を許せる。リーフィがいくら言葉で許してくれても、お仕置きされないとダメなの。わたしを助けると思って、ね?」
「うぅ……」
そんな……そんなこと言わないで欲しい。でも、サーラは潤んだ瞳で僕を見上げ、ジッと返事を待ってる。
「……お仕置きって言っても……どうするの? 叱るの? それともオヤツ抜き?」
躊躇いがちに問い返せば、サーラの瞳がとろりと潤んだ気がした。
「本当に……本当にしないと、ダメ?」
僕は――サーラのお尻を見ながら尋ねた。
僕の幼なじみは……僕よりずっと背が高くて、剣術も体術も強くて、お話しに聞くヴァルキリーみたいに気高い、最高の騎士なんだ。
それなのに今は、お風呂場で四つん這いになって、僕の方へお尻を突き出している。
それから、ドラゴンの翼だけ出し、自分も裸だというのに、僕を案じて風よけのために僕の両側へ衝立みたいに張り出してくれてる。
「しないとダメなの。お願い、ね?」
「……うん……わかったよ」
きっとサーラも恥ずかしい。けれど、真面目だからこうでもしないと気が済まないんだ。早くして、早く終わらせるのが、きっと一番良いんだ。
だから。
僕は、手を振り上げて、
ぺちん。
サーラのお尻を叩いた。
「あん、リーフィ」
サーラが僕を振り向く。
「い、痛かった? ごめんね?」
叩いた部分を慌てて撫で、それがとっても破廉恥なことだと気付き、手を引っ込める。
それを見たサーラは頬をゆるめると、こう言った。
「違うの。もっと強くしないと、全然ダメだよ。もっときつく、うんと酷くして?」
「え、もっときつく?」
「そう。お願いだから、わたしを助けると思って」
『お願い』
『助ける』
そう言われてしまえば、もう僕には抵抗する力は残されない。
「サーラ、ごめんなさい!」
手を振りかぶり、振り下ろす。
パチン。
「もっと。もっともっと強くして?」
「うぅ」
バッチーン!
「ひゃあん!?」
「サーラ!?」
「ダメ! やめたらダメ!」
「うぅっ」
バッチーン!
「あうっ」
バッチーン!
「くぅっ」
バッチーン!
「あっはぁ」
鍛えられた、でも女の子らしい丸いお尻。筋肉の弾力と、脂肪の柔らかさが掌の表面に弾ける。
「サーラ、もう」
「まだ全然ダメ! わたしドラゴンだから、もっと強く、もっと沢山しないとお仕置きにならないの。して。ね? もっともっと、折檻してぇ」
媚びを含んだ声でお仕置きをねだるサーラは、いつもの……その……エッチなことをしてる時とも違うような気がする。
振り向き、潤んだ目で僕を見上げ、『早く早く』と促すみたいに、お尻をフリフリする。
「うぅっ、うぅぅ〜〜〜!」
僕は唇を噛みしめ、手を振り上げた。
バッチーーーン!!
「きゃぁうぅんッ♥」
サーラの、どこか艶を帯びた声が上がる。
バッチーーーン!!
「ヒッ、いぃん!♥」
バッチーーーン!!
「ふぉっ、オォゥンッ♥」
掌を打ち付ける度、丸いお尻に手形が付く。
一打ちごとに、ブルリと震える感触が手に伝わる。
お尻を叩くと、
バッチーーーン!!
「あっはぁぁぁぁぁぁんッ♥」
まるでサーラは喜んでるみたいな甘い声を上げる。
バッチーーーン!!
「っくうぅぅぅ〜〜〜ん!♥」
悲鳴のような、飼い主に撫でられた仔犬みたいな声。
いつのまにか――僕の股間では陰茎が屹立しきり、ピッタリお腹まで反り返っている。
(神様っ、恥知らずな僕をお許し下さい)
バッチーーーン!!
「いぃんッ♥ はあぁぁぁ〜〜〜」
汗が滲んでる。
僕の手か、サーラのお尻か。それとも両方か。
僕は、また手を振り上げ――。
「九十七……っ」
バッチーーーン!!
「ふおぉッ、おぉぉぉンッ!♥」
二人とも、まだ入浴を済ませてもいないのに、全身汗みずく。
僕の掌は真っ赤になってて。
サーラのお尻も、左右ともに無残な紅葉が咲き乱れている。
汗でぬらつき、てらてらと月光を照り返すお尻に向かって、
「九十八ぃ!」
バッチーーーン!!
「あっひぃぃぃ〜〜〜〜〜〜んンッ!!♥」
背を弓なりに反らし、赤毛を振り乱す年上の女の子。腹ペコの犬みたいに舌を垂らし、口の端からは涎が滴り落ちる。
そして、高々と掲げたお尻の間からは、決壊しそうな堤防みたいに、お肉の裂け目からトロトロの愛液が滴り落ち、水たまりを作っている。
「九十九ぅ!」
バッチーーーン!!
「ひっひっひいぃぃぃんんんッッ!♥」
僕の大切な幼なじみが。
僕の頼りになる騎士が。
地上最強のドラゴンが。
発情した牝馬の、出来損ないみたいな嬌声を上げている。
……僕の手で。
「百ぅッッ!!」
バッチーーーーーーンッ!!
「あっひゃあッ!?♥ いっきゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅんンンッ!!!♥」
イったのは、今回だけじゃない。途中、何度も気を遣ってる。お尻を叩かれ気を遣り、崩れそうな手足を、平手打ちで気付けをする。まるで、疲れた馬に鞭を打つみたいに。
眼前には、支える力を失って顔を伏し、お尻だけ高々と突き上げたサーラの姿がある。
お風呂上がりみたいに全身から湯気が上がり、汗をいっぱいに吹き出したヌルヌルの体。お尻は可哀想なくらいに真っ赤で、太腿の内側と床は、イヤらしい湧き水でビショビショ。
それでも。
夜風から僕を守る為、深紅の翼は僕の左右を覆っている。
こんなにも酷いことをした僕を。
痛いほど陰茎を勃起させた、浅ましい僕を。
「サーラ?」
そっと、僕は呼びかけてみる。
「……ぅ……ふぃ♥ りーふぃぃぃ♥」
気怠げに背後へ向けられた顔は――汗と、涙と、涎とでグチャグチャで……蕩けきった表情の中、ユラユラと彷徨う碧眼が、辛うじて僕に焦点を合わせた。
刹那。
びゅん。
汗だくの腰から深紅が迸り、太く逞し尾が鞭のしなやかさと絹布の柔らかさで、僕の腰に巻き付いた。
「わわっ?」
瞬く間に僕は引き寄せられ。背後に回されたサーラの手によって、僕の陰茎はトロントロンの蜜壺へと収められる。
じゅぶるぅっっっ♪
「くぅっ!?」
「んッほおおおぉぉぉン!!?♥」
ただ挿れただけ。
たったそれだけで、サーラはイってしまった。
あまりに呆気ない。
けれど、それは仕方のないこと。
サーラは無敵のドラゴンで、槍が降ろうが、大岩の下敷きになろうが、雷に打たれようがピンピンしてるけど、一つだけ弱点がある。
僕だけにさらけ出される弱点。
膣の中にびっしり密生した、陰核の群れ。
鱗のように生え揃った、逆鱗(クリトリス)。
それを今、僕の陰茎で、それも凄い速さで擦り立てられたのだから、ひとたまりもなかったんだろう。
「あ♥ ……へひぇ♥ きひぃ……♥」
舌をだらしなく垂れさせたまま、突っ伏してる。
全身弛緩しきり、それでもなんとか膝は踏ん張りお尻を持ち上げ、風よけの翼は広げたまま。
そして、膣の中だけは、
きゅっ♥ きゅん♥ きゅう♥
入り口も、中ほども、奥の方も全てが貪欲に蠕動し、弱点おまんこで必死のご奉仕。勿論、そんなことそすれば、
「あひゃあぁっ♥ らめぇ〜♥」
馬鹿みたいな快感が一斉に襲いかかり、サーラを責め苛む。
それから、
ちゅっ♪ ちゅうっ♪ ちゅっぱぁ♥
膣奥では、もうとっくに降りてきてた子宮口が、肉食魚じみた貪欲さで亀頭に吸い付き、
『ちょうだい♥ ちょうだい♥ 精液ちょうだい♥』
と鈴口にキスの嵐。
サーラってば、本当にイヤらしすぎると思う。
「……ぁ……り……ぅ、りーぃふぃぃぃ……」
息も絶え絶えのサーラが、顔を突っ伏したままかろうじて片目で僕を捉え、何か訴えてくる。
「どうしたの、サーラ?」
「……ほ……び……し、て」
「え、なぁに? なんて言ったの?」
サーラの背中に覆い被さり、顔を近付け耳を澄ませる。
「ごほうび……こんどは、ごほうびほしいぃ。うしろから、パンパン♪ってぇ……パンパンって、ちゅ、つきながら、おしりペンペンしてぇ〜♥」
ううっ、うぅぅっ〜〜〜!
「サーラのエッチ!」
パン♪ パン♪ パン♪ パン♪
僕は、もう頭に血が上ってしまって。後背位? っていう姿勢から、猛然と腰を振り始めた。
「きっひいいいぃぃぃん!?♥ きたぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ンッ♥」
途端に嬌声を上げ出すサーラ。
膣内では、脆弱な密生クリトリスが四方八方から陰茎に絡みつき、擦り立て、あるいは逆にカリ首でゾリゾリと削られ、責め手と受け手双方に尋常ではない摩擦刺激を与える。
そこへ。
バッチーーーン!!
「あっひゃあああぁぁぁ〜〜〜んッッッ!?♥」
イきっぱなしでブルブル震える尻肉に、ご褒美の平手打ちを喰らわせる。
きゅきゅっ♪ きゅっ♪ きゅっきゅうぅ〜ん♪
主人に褒められた仔犬のように、淫らな肉洞窟は収縮して陰茎にまとわりつき。
チュッ♥ チュッパ♥ ブッチュッバァ♥
飢えた子宮口は、エサを丸呑みにする雛鳥より意地汚く、子宮に引き込みかねない勢いで亀頭を貪る。
だから勿論、僕がそんな刺激に耐えられる訳もなく。
ぶびゅるぶびゅびゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!
盛大に、膣内射精をしてしまった。
「んくぅっ」
「あはぁ♥ りーふぃの赤ちゃんのもとぉ〜♪」
胎内で精液が弾ける感覚、温度なんかを楽しんでるサーラだけれど、僕の腰は止まらない。
パンパンパンパン♪ パンパンパンパン♪
「おっ♥ ほっ♥ ヒッ♥ ンはぁんッ♥」
「サーラのエッチ! お仕置きとかっ、ご褒美とかっ、本当はたんに気持ちいいことしたいだけなんでしょ!?」
「ちがっ♥ いっひぃん♥ ちがうのぉッ♥ ちがうのっほォん!♥」
「何が違うのっ?」
バッチーーーン!!
「ぎッ? ひぃぃぃ〜〜〜んッ♥」
殺到する逆鱗クリトリスを、必死に振り切って腰を前後させ、か弱いツブツブ達を陰茎で薙ぎ倒し、亀頭の一突きで子宮口を打ち鳴らす。
ジュボッ! ジュボッ! ジュッボォッ! ジュボボ!!
パン♪ パン♪ パン♪ パン♪
バッチーーーン!!
「んお゛ッ♥ らめ♥ ちがうン゛♥ いっひぃ♥ わた、わたしィん♥ わ゛たしィィィン♥」
「なにっ?」
ジュッボッ! ジュボォッ! ジュッボォッ! ジュボボ!!
パン♪ パン♪ パァン♪ パン♪
バッチーーーーーーンッ!!
「ほかのッほぉっ♥ ほかのおんなに゛とら゛れりゅのぉッ? ぎひぃん♥ ヤなのぉ!」
僕は、腰の動きを止めた。
「サーラ?」
「わたし……アストライアみたいに美人じゃないし。パイチェほど胸も大きくないし……。二人みたく頭も良くないし、……役立たずだし」
僕は……凄く驚いた。
サーラがそんな風に思ってたなんて。
あのサーラが。強くて格好いいサーラが。僕とは全然違うサーラが、こんなにも弱々しい一面があったなんて。
「リーフィに捨てられたらどうしようって……。リーフィがわたしの全てなのに、飽きられちゃったら、もう、どうしていいかわからないの……」
「……だから、こんなことをしたの?」
サーラはこくんと頷いた。
「せめて、いっぱいいっぱいご奉仕して、少しでも『気持ちいい女』だって思ってもらえたら、ずっと側に置いて貰えるって思って」
「サーラ、そんな僕は――」
「お妾さんでもいいから。だから、ずっと側に置いて? いっぱいご奉仕するし、たくさん戦うから」
僕は、サーラのお尻から離れた。
「あ……」
何を思ったのか、サーラの目から涙が溢れる。
僕は構わず彼女の正面に回り込み、その、僕より随分長身な体を、そっと抱き上げた。
「ぁ……リーフィ?」
少女を膝の上に乗せ、ぎゅっと抱きしめる。――身長差のあまり、僕の顔は彼女の胸辺りにきてしまい、全く格好が付かないけれど。
でも、インキュバスで良かった。女性一人くらい、軽々と抱えられるんだから。
手を伸ばし、汗ばんだ背を撫でる。
何度も。
何度も。
「サーラは僕にとってたった一人の幼なじみで。凄く頼りになる護持騎士で。その……美人だとか、体つきだとかはよく判らないけれど、いつでも、ずっとずっと側にいて欲しい、大切な女の子だよ? 僕の方が捨てられやしないか、いつもビクビクしてるのに」
「リーフィを捨てるだなんて、天地がひっくり返ってもありえないわ!」
「そう? ありがとう。でも、きちんと言葉に出して言うね? サーラ、僕の側にずっといて下さい。未熟な僕を助けてね。いつかきっと、サーラに見合う男になるから」
「リーフィぃ……」
サーラの顔が近づき、僕も顔を傾ける。
今までしたキスの中で、一番慎ましやかなもの。
快楽を求めない、純粋な口付け。
やがて。
お互いそっと顔を離し、静かに見つめ合う。
「あ、あのぅ……リーフィ? わたしね」
「うん、わかってる」
恥じらうサーラは、そっと腰を持ち上げ、僕の物に位置を合わせる。そして、ゆっくりと腰を下ろし――。
「くぅぅぅぅぅぅッん!♥」
呆気なく、イってしまった。
「ふふ、とってもエッチな顔だね」
「やらぁ♥ 見ちゃダメぇ♥」
蕩けきった幼なじみの顔。
でもそれが、
「ッ!?」
瞬時に緊張の色へと染まった。
「どうしたの?」
「シッ。……誰か、来るわ」
「え?」
つながったままの僕たち。
屋外だけど、色んな体液が飛び散って、きっと、その……臭うはず。
ど、ど、どうしよう!?
「大丈夫。わたしにまかせて?」
サーラの言葉に頷くと、僕たちは――。
16/05/13 22:50更新 / 赤いツバメと、緑の淑女。
戻る
次へ