連載小説
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第四話 授業参観日
 
今日の、保育園は一段とにぎやか。それは、待ちに待った授業参観日なのだから。その日のために買ったビデオカメラや服などを着てきたり持ってきたり、保育園は保護者で埋め尽くされていた。

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               〜ももぐみ〜

 「イディム・・・リヴェリアはどこにいるんだ?」リヴェリアちゃんを探してビデオカメラを動かすヴェスト。

 「ヴェスト・・・あそこだ・・・・楓と椿ちゃんの一つ後ろの席で絵を描いてる」リヴェリアちゃんの場所を小声で言うイディム。

 机に向かって一生懸命絵を描いてるアヌビスのリヴェリアちゃん。

 「可愛いぞ!!楓!椿!あっ!!こっち向いた!!」高性能のデジタルカメラとビデオカメラを両手持って撮っていく浩之。

 「あなた・・・恥ずかしいわよ・・・・」顔を真っ赤にしているカラステングの紅葉。

 その様子を見て手を振るゴーストの椿ちゃんとカラステングの楓ちゃん。

 「さすが娘のニカだ・・・可愛すぎる!!」カメラを片手にメデューサの二カちゃんを撮っていくハインズ。

 「ふふふ・・・あの子緊張してるわね・・・蛇たちが固まっちゃってるわね」微笑みながら言うメディア

 二カちゃんは、あまりの人の多さで体がガチガチその証拠に頭の蛇たちが動いていないのだ。

 「サーナ・・・・パパ応援してるからな!!!」静かにビデオカメラを回すROM。
 
 「ROM・・・・前に行き過ぎ・・・」突込みを入れながらROMさんを後ろの席に連れ戻すマニリ。

 「パパ・・・恥ずかしいよ・・・」エキドナのサーナちゃんがちょっぴり恥ずかしそうに呟いた。

 「百合は、何を描いてるかな?」わくわくしながら百合ちゃんを見ている吠丸。

 「あの子、あたしが教えた水墨画で絵を描いてる」驚く巴。

 黙々と絵を描いていく子ども達。今日の絵のテーマはパパとママの似顔絵。どんな絵ができるのか楽しみですね。

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              〜みかんぐみ〜

 ここは、みんなで毛糸で何かを作ってるみたい・・・・・

 「レン・・・・テイル達は何を作っているんだ?」不思議そうに妻のマンドラゴラのレンに声をかける敏夫。

 「さぁ・・・何かしら?」首を傾げて言うレン。

 「パパ達・・考えてる・・・・」シィルちゃんがチラリとパパとママの方を向いて小声で言った。

 「くふふ・・後で驚かすんだ!!」テイルちゃん達は、ひそひそ声で何かを一生懸命作っていた。

 「どこにいる?ジェニア・・・ロベリア・・・・」あたりを見渡すジル。その様子を見て一緒に妹たちは探すアベリアちゃん・・・・・・

 「パパ!!いたよ!!あそこ」

 「おぉ・・・・一生懸命にお人形さんを作ってるな。ジェニアは」そこには、一生懸命に毛糸でお人形さんを作っているハーピーのジェニアちゃんの姿があった。

 「ロベリアったら足に毛糸が絡まってるじゃないの・・・」ビデオカメラを持ちながら微笑むエキドナのメネシア。そして、スキュラのロベリアちゃんの絡まった姿を見て心配そうに見るジル。

 「ラジーナは毛糸の枕か・・・・」

 「あの子らしいわね」

 毛糸で枕を作るラジーナちゃん。その姿を見守るトップとボトリア。

 「これぐらいで良いかな?この大きさならパパやママと一緒に眠れる♪♪♪」

 虹色で大きな毛糸の枕はとてもフカフカしていた。

 「ミリネは器用に蔓を使って毛糸を編んでいくな・・・・しかし長いマフラーだな・・・・」自分の所まで来ているマフラーを見て驚く桃膝。

 「くふふ・・・あの子ったらこんなに長いマフラーをどうするのかしら?」妻のポピーが微笑みながら言った。どうも、このマフラーの使い道を知っているみたい。

 次々と毛糸で色んな物を作っていく子ども達。その様子を見守るパパさんやママさん。

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            〜りんごぐみ・運動場〜

 「さぁ!!!今から模擬試合だ!!全力で自分達が成長した所を先生にみせるんだ!!!」

      「「「「「「「おおおおおおおおお」」」」」」」」

 「キルア先生!!覚悟ぉぉぉぉ」セイレーンのレンちゃんが父から教わった急降下キックを繰り出したが、キルア先生はすばやく交わしおでこにデコピンを食らわした。

 「あのキックを交わしただと!!!!」驚くジュンヤを尻目に次々と子ども達の攻撃を交わしていくキルア先生。

 「さすがキルア先生だ。隙がない」

 「そうね。保育園の先生には勿体無いくらいだわ」タイラント夫妻はそう言うと持っていた自分たちの武器を手にとりキルア先生の前に出てきた。

 「ん・・・・すまないが。いま、決闘なら後にしてくれないか・・・フィリちゃんのパパさんママさん」

 「すまないが、団員達が怪我をしていて模擬訓練が出来ないんだ・・・・」剣を抜くミリューム。

 「その通り、すまないが今ここでやらせてもらうぞ!!!」自慢の槍をキルア先生の方に構えるアルドラド。

 そう言った瞬間、子供たちは自分のパパやママの所に行った。フィリちゃんは、そのまま立ち尽くしていた。

 「フィリちゃん!!危ないから私と一緒にいましょうね」声をかけてきたのは、リリアちゃんのお父さん(オカマ)アルフさん。

 「うん・・・」アルフに連れられてその場から離れるフィリちゃん。

 「さて・・・・はじめるか!!!!!」そう言った瞬間、アルとミリュームが同時に攻撃を仕掛けてきたが、キルア先生は二人の攻撃を交わし、腰につけていた剣を抜いた。

 「ほぅ・・・さすが、敵の軍勢を打ち破っただけあるな・・・私も、楽しみになってきたよ!!!!」キルア先生が避けながら言った。

 激しい、剣と槍との打ち合い。最強の夫妻でも互角にやり合っているキルア先生がすごいと思う。

 この戦いを近くで見てる親達は皆口々に言った。

 「立っているのが辛いぐらいの覇気だったと・・・・・・」

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              〜ぶどうぐみ〜

 ぶどうぐみでは、みんなでお遊戯をしていた。

 「は〜い。今からパパやママと一緒にみんなで踊ります」ミリー先生の一声で子ども達と一緒に踊りだすお父さんやお母さん。

 「お父様・・・・こうですわ」そう言ってその場で踊りを教えるヴァンパイアのムーメちゃん。

 「ムーメ・・・父さんにはこれは難しいな・・・・」足が絡まってそのまま倒れるルーフェス。

 「ほら、あなた頑張って!!!」妻のメサイアに応援されながら頑張って踊るルーフェス。

 「あはは!!パパすごい上手」手を取り合って一緒に踊る稲荷の鏡華ちゃんと戒士。

 「この日のために、毎日保育園に来ていたんだぞ!!」

 「ほぅ。それで最近、いないわけだな」青筋立てながら引きつった笑いをしている裕華。

 「ゆ・・・・ゆ・・・・裕華・・・・今日は来れないんじゃ・・・・」

 「早く、終わったから来たのよ・・・・・さて・・・あなたちょっとお話が・・・・」

 「ちょ・・・ちょっと、裕華!!痛い!!!痛いイイイイイ!!!!!耳は・・・耳は引っ張らないで!!!!!!」そう言うと教室から出て行く緋須深夫妻。その後から悲鳴にも似た声が聞こえてきた。

 「パパ!!!かっこいい!!!!!」ワーラビットのリシアちゃんがノリノリで踊るレオンを見て目をキラキラさせながら見ていた。

 「パパ・・・すごい」スケルトンのアマンダちゃんが驚いた様子で見ていた。

 「素敵・・・・」エルフのメリルちゃんが尊敬の眼差しでレオンを見ている。

 「すごいだろ!!!これは、父さんが好きな踊りなんだ!!」そう言うと足を交互にしたり、逆立ちして色んなポーズをして最後は頭で回っている。

 「すごすぎです!!!レオンさん!!!」驚いて見ていたミリー先生。

 ぶどうぐみでは、拍手が鳴り止まなかった。

 そんな、授業参観日も終わりを告げた。多くの親子たちが帰っていく。その様子をじっと見つめる先生達。キルア先生は所々切り傷があるが気にしない・・・・いつものことだから。
 
10/11/22 23:34更新 / pi-sann
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■作者メッセージ
 〜先生達の、その後〜

 「はぁ〜キルア先生・・・・お願いですからあんまり無茶しないでください・・・これじゃあ薬草が足りないですよ・・・・」ため息をつくヴァンパイアのルビー先生

 「む・・・・すまない」

 「アリア先生。ご苦労様。特製クリームシチューですよ」そう言って羽村さんが持ってきたシチューを喜んでもらうアラクネのアリア先生

 「ありがとう!!!羽村先生!!!おいしそう!!!いただきま〜〜〜す」

 「リリ先生・・・・何してるんですか?」

 「ん・・・これは、マッドさん特製バイブですよ!!!使いますか?」

 「いえ・・・・大丈夫です」顔が真赤になるミリー先生

 「ふぅ〜〜今日は疲れたな・・・・しかし、レオンさんがあそこまで踊りがうまいなんて・・・最後は一人で踊ってたな」

 「園長・・・・思い出に浸ってる所申し訳ありません。この書類を早急に見てください」ドサッと自分の前に置く大量の書類。

 「ゴブ先生・・・さすがに苦しいね・・・」苦笑いしながらゴブリンのゴブ先生が持ってきた書類に目を通す。



 授業参観・・・・それは、親たちや子ども達にとったら一番の行事。その影では先生達も奮闘してます。お忘れなく・・・・さて、次回のお話もお楽しみに感想お待ちしてます

 

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