第14話 悪夢の始まり(後編)
〜妖精の国・世界紳士協会本部〜
あの事件から一夜明けた、昼下がり。子ども達は泣きつかれたのかベットの上で寝ていた。
「まだ、見つからないか・・・・・警戒を解くな・・必ず奴を見つけ出し部下の無念を晴らす」結局あの後から一睡もしてない。同志を失い、娘達の大切な人を奪った者。
「奴を、早く見つけなければ犠牲者が出てしまう」
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保育園・体育館
魔界では、厳戒態勢が出ており保育園の体育館では、避難してきた家族・子ども達がひしめき合っていた。そして多くの警備隊・同志達がパトーロールしていた。
「ママ怖いよ・・・・」恐ろしさに震えるナイトメアのミナちゃん
「大丈夫。パパがついてるから安心するのよ」妻のアニーさんが娘をなだめる。
「パパ、大丈夫?」メドュ―サのニカちゃん
「だ・・・だ・・・だいじゅううううっぶぶぶぶぶだだ」震えて声がまともに出せないハインズさん
「だらしないわね、あなた。悪者が来たら私が石化の魔法で粉々にするわ」正反対の妻メディアさん
「パパ、悪い奴が来たら得意の拳法で倒してね」シースライムのチャルちゃんがどら又さんを鼓舞する
「うむ、チャルよ我が碧猫流魔太多火拳で捻り潰してくれるわ!!!」すごいこというなこの人は・・・・
「お父様怖いです」ジョロウグモの百合ちゃん。
「安心しろ。父さんが付いてる」和服に身を包み腰に刀を差し唾に手をかけている吠丸さん。
「けが人が出たら、すぐに治療しなきゃね」ルビー先生は万時に備えて医療器具の準備をしていた。
「私達も手伝いますわ」そう言ったのはメロウのスイート・ヒルトンさんとスフィンクスのバシュタートさん二人とも町医者の看護士である。
「俺は、今来ている人たちの健康チェックします。こうも人がいると不安で体調を崩す奴がいますから」スイート・ヒルトンさんの旦那さんレクト・ヒルトンさん
「私は、薬の調合をします。何かあったら言ってくださいね」セイル・クリストフ・ホーエンハイムさん。バシュタートさんの旦那様だ。
「ありがとうございます。みなさん」頭を下げ、感動して涙が出ているルビー先生。
「園長先生、避難してきた人たちはこれで全部です」背中に弓を持っているミリー先生。
「わかりました。誘導ありがとうございますミリー先生」
「ところで、園長先生。その、後ろにあるものはなんだ?」不思議そうに俺の武器を見るキルア先生。
「これは、私の長刀です。これでも有段者なんですよ」自分の身長と一緒ぐらいの長さで大きな刃がついている。
「とにかく、犯人が見つかればいいですが・・・・・子ども達が恐怖で震えています」心配で、いつもの笑顔がないリリ先生
「だめですよ、しっかりしないと・・・それに、こういう時こそ笑顔じゃなきゃリリ先生」静かになだめるアリア先生
「アリア先生の言う通り、この時こそ子ども達に安心させるのが保育者の務めです。がんばりましょう」
(((((はいっ!!!!!!))))
(なんとか、先生達の笑顔が取り戻せたがやはり不安だ・・・何もなければいいけど)
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〜妖精の国・世界紳士協会本部〜
静かに、書斎にいる敏夫。その時、寝室の方から悲鳴が聞こえた。
「きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!」
「この声は・・・・・フェア!!!!!」
急いで、寝室に向かう敏夫。そして扉を開けたその先に居たのは・・・・・
「遅かったですね・・・佐藤 敏夫。その間娘さんには色々とさせてもらいましたよ」不気味に笑うフェイラン・アルカ。手にはフェアがいた。ぐったりと倒れていて、意識がない。
「フェイラン・アルカ・・・・・きさまぁぁ!!!!」腰にかけてある剣を抜こうとしたらフェアの喉元にメスを突きつかれた
「それ以上、動いたら娘さんバラバラにしますよ。あなたの部下みたいにね・・・」そう言うとフェアの首を舐めるフェイラン・アルカ
「くっ・・・何が望みだ!!!」
「復讐ですよ。あなたに、この協会を追い出された・・・」
「それは、貴様が幼女を切り刻む鬼畜・外道だからだろ!!!!」
「何もわかってないですね、切り刻むことこそはじめて快感が得られるのですよ」大笑いしながら言うフェイラン・アルカ。
「外道が・・・・」
「嬉しいね、その言葉。私にとったら最高の誉め言葉ですよ・・・・あははははははは」
「お喋りがしすぎましたね。さて・・・・あなたに死んでもらおうと考えてたんですが・・・・やめました・・・それよりもいい復讐を思いつきました」
「まさか・・・・・・」
「そのまさかですよ。あなたの娘さん、目の前で切り刻みましょう」
「やめろーーーー!!!俺の命は、くれてやる。だから、娘には手を出すな。頼む」土下座をして頭を地面に突きつける敏夫。
「そう、その姿、惨めさ、恐怖によるどん底、快感です。ですが、それよりももっといいのが切り刻むのがいいですからね。さてどこから、切りましょうか、足・・・手・・・それとも頭・・・なんでしたら一思いに握りつぶしましょうか?」
「もはや、生かしておけるかああああぁぁぁぁ!!!!!」剣を抜きフェイラン・アルカを叩きのめそうとしたが・・・・
「なんだ・・・体が・・・・」体の自由が効かなくなり、目を閉じることも下を向くこともできない
「話してる時、あなたに金縛りの魔法かけさせてもらいましたよ。それでは、切り刻みましょうか!!!!!」
「やめろーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
メスをフェアの体に入れようとした瞬間だった。
しゅ!!!!!!
飛んできた針が、フェイラン・アルカの手に刺さったのだ。
「つぅ!!!」その拍子にフェアが地面に落ち、同時に金縛りが解けた。その瞬間、敏夫はフェアを助けた。
「フェア!!フェア!!!!しっかりしろ」
「ん・・・パパ・・僕・・・僕・・・」
「フェア!!!」ぎゅっと抱きしめる敏夫。
「だれだ、邪魔した奴は!!!!」楽しみを邪魔されたフェイラン・アルカは、怒りで、メスを大量に持っていた。
「間に合ったか!!!」
声のするほうに、敏夫さんが目をやると一人の男とリザードマンが立っていた。男の方は黒装束に身を包んでいた。
「私は、ジャック=ドゥ。サド紳士・フェイラン・アルカ貴様を逮捕する。この屋敷は完全に包囲されている。おとなしく捕まれ!!!」
外を見たら、多くの同志達、警備隊・サバトが屋敷を取り囲んでいた。
「くっ・・・・・だが、そう簡単には捕まらないさ。そう言って窓から逃げようとした時だった。
「逃がすか!!!」そうジャックが叫ぶと左足に針を投げた。
「つぅ!!!貴様、これは!!!」
「そうだ、痺れ針だ。さぁ、おとなしく捕まれ」
「それは、できないね」ポッケから黒い玉を出すとそれを地面に叩きつけた。
しゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅゅ〜〜〜
中から煙が出てきた
「ごほっ・・・ごほっ・・・奴は」その場にいた筈のフェイラン・アルカがいず、代わりにあったのは片方の左足だけだった。
「逃げられたか・・・・」
その後、急いで探したが見つからなかった。
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〜とある森の中〜
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・左足は失ったけど、逃げられたよ」左足からは大量の血が出てきていた。
「早く誰かの足を切ってくっつけないと」そう思い、木の根で休むフェイラン・アルカ。その時だった、どこからともなく音楽が聞こえてきた・・・
「ちょうど、いい奴がいる。あいつから足一本貰おう」片手にメスを握り襲い掛かったが、交わされてしまった
「だれだ・・・・」ギタリストが静かに言った。
「私は、フェイラン・アルカだ。貴様の足貰うぞ!!!」
「そんな、あなたには鎮魂歌がいいですね」
「何言ってやがるんだ。足をよこせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」飛びかかろうとした瞬間、フェイラン・アルカの体に切り傷がついた。
「え????????あああああぁあああああああああぁああぁぁぁあああ!!!!!ぎゃああああああああぁあぁぁあああああああ」断末魔と共に細切れになっていくフェイラン・アルカ。その様子を、見ている一人のギタリスト・・・
「人・・は・・・・・もろいな」そう言うとその場から静かに消えた。
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保育園・体育館
「園長先生、バフォ様からの連絡でもう大丈夫だそうです」喜んで連絡してくるリリ先生。
「そうですか。それはよかった。皆さんに伝えましょう」
((((はい!!!!!!))))
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〜墓地〜
「シガー・・・・静かに眠ってくれ。ここは俺が守る」静かに墓地に手を合わせるジャック。
「ジャック・・・行きましょう。自警団の集まりがあるわ」
「そうだね、ジェーン。行こう」
その時、静かに風が吹いた。まるでお礼をしてるみたいに・・・・・・・・
10/09/30 01:26更新 / pi-sann
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