連載小説
[TOP][目次]
ネリスが語る 秘密の情事(エロあり)
あ、どうも今日は。
ランスさんのところから歩いていらしたんですか? 結構遠いと思いますけど……
テリュンさんはクロードさんにお呼ばれして領主館です、なんでも創立祭が近いからできるだけ働いてほしいみたいで。
えっと、今度は私が話す番なんですよね? そのあとお母さんに話を聞いたらこの企画は終わり。じゃあ私は最後から二番目ですか………緊張しますね。
えっとそれじゃあ、六年くらい前のことをお話しします、みんなには秘密で、テリュンさんだってこのことは知りません。
私が初めて外界調査に行った日のことでした。



「危なくなったらすぐにこの通行証から連絡するのよ。一瞬でそっちに行くから。」
お母さんは通行証を右手で持って私に示しながら、三十と八回目になるその注意の言葉を口にしました。なんていうか……心配性ですよね、お母さん。
私たちはクルツと外界を分ける城壁に向かっていました、お母さんがそこまで送ると言って聞かなかったからです。
「お母さんは心配しすぎですよ、近くの村をちょっと見てくるだけなんですから、そんなに危ないことにはならないはずです。」
そうです、外界調査なんて言ってもまだ子供の私にやっていいのはクルツを出て一番近くの村まで行って、それからその町で何かお買い物をして帰るだけの話です。
主にこれは適性審査のようなもので、ハロルドさんも同じくらいの時には同じようなことをしたと聞きました。クロードさんの時には表に出られる人員が今以上に本当に限られていたこともあってぶっつけ本番だったようですが、私の時はこうでした。
お母さんが過保護だった可能性もあります。
「外界の人間なんて言うのは、クルツにいるような優しい人間ばっかりじゃないのよ? 魔物のことをハメるオナホールと同じくらいにしか思ってないやつなんかたくさんいるんだから。」
「そんな人だけじゃないんでしょう?」
そんな人しかいない国なら、お母さんだってこうやって自治領まで作ってこの国を変えようとは思わなかったはずですから。それに、クロードさんからも外界にだって話の分かる人間はいるし行き場を失った人間も魔物もたくさんいるって聞かされました。
クロードさんはお母さんより性的ではない知識にたけた人です。
「それはそうよ、でも危ないものは危ないの!」
「大丈夫ですったら、危なくなったらすぐ逃げてきますから安心してください。」
そう言って、後ろで「絶対よ! 絶対無事に帰ってくるのよ!!」と念を押すお母さんに見送られながら、私はクルツの城門をくぐりました。
クルツには非正規の侵入ルートがいくつかありますけど、正規の通行ルートは今のところこの城門を通るもの一つだけです、そしてここを守っているのが、マリアさんです。
「あらネリスさん、何か御用ですか?」
「はい、これから外界に行くので通してほしいんですけど……」
お母さんから受け取った通行証をマリアさんに示すと、マリアさんは数秒それを見つめてから「よろしいです、お通り下さい。」と言って道を開けてくれます。
「ネリス、気をつけて。」「お土産を期待」「婚約者を連れてくるとなおグッドだよ!」「美味しいお酒の作り方ならブリジットが喜ぶ」「お気をつけて。」
マリアさんを構成する体、意識は合わせて二十人、明るい人冷たい人優しい人、その人たちがいろんな意見を交わすから、いつも賑やかです。
「じゃあ、行ってきます。」
マリアさんの下をくぐってから、大きくお辞儀をした後に歩き出します。
城門を通り抜けて前を見るとそこには崖に挟まれた道があります、そこを通ってその先にある森を抜けるとようやく外界で一番近い村です。このころの私の足では歩いて二日以上かかる道のりです。
「どきどきします………」
緊張して心臓の鼓動が早くなります、ちょっとだけ汗もかいてきて、不安になります。
けれど、立ち止まっていたら何も始まりません、覚悟を決めて先に進みます。


そして二日が経ちました、停泊所を通過して、いよいよ私は人里近くの森まで来ました。
クルツの外界調査員を除けば地元の猟師しか入らない森を抜けると、そこにクルツから一番近いマリノス村があります。
年に一回か二回、クルツを侵攻する騎士の部隊がマリノスの近くで停留することはありますがそれ以外は分かりやすいくらいの田舎で、特に特産品もなければ珍しいところもない村と言えます。
その村に向かって、私がゆっくり近づいていた時のことでした。
がさっ
「えぇえええええっ!!?」
何かが動く音がしたと思ったら、足に縄が絡み付いて宙吊りにされました。
「あっちゃぁ、だいじょう………ぶ……?」
草をかき分けて姿を見せたのは、私と同じくらいの年の男の子でした。
あまり長くない明るい茶髪、ワインの色と血の色を足して二で割ったような色合いの大きな瞳。その幼いながら端正な容姿に私は一瞬だけ見とれました。
そしてそれは、その男の子も同じだったようです。
お互いに何も言わずに少しの間だけ見つめ合って、そして先に我に返ったのは私でした。
「あの………下ろしてください。」
「あ! うん、ごめん。」
男の子はあわてて罠を解いて私を解放してくれました。
しっかり地面に降ろしてもらい、すぐに男の子から距離を取ります。
修業を積んで亀背に敏感になった人間や魔物に近しい存在は魔物に近づいただけでも察知できる、とりわけ私のように未熟な魔物なら一般人でも見抜かれることがある。
お母さんから教えられたとおり、いつでも動けるよう警戒。
しかし男の子は私の反応を怖がってると解釈したみたいで、
「あ、大丈夫だよ、別に怖いことしようと思ってるわけじゃないんだ。」
その言葉に「まだ魔物だと気づかれていない」と判断した私は、「あ、はい。すみません」と謝ってから立とうとしました。
けれど、突然足が痛んでその場にへたり込んでしまいます、たぶんさっき罠にかかった時に捻ってしまったんでしょう、立とうとしても立てませんでした。
「大丈夫?」
「はい………」
詰め寄られて顔が赤くなります、男の子は私の反応を全然不審に思うことなくこちらを見つめて、少したってからいきなり私の体に触れると、
「よい、しょっ!」
掛け声と一緒に、私の体を持ち上げました。
「うひゃぁ!?」
いきなり触られあまつさえ持ち上げられて、私は驚いて暴れました。
どこに連れて行かれるのかわからない怖さから、いつも以上の力が出たと思います。
けれど男の子はそんな私に気を遣ったのか、
「大丈夫だよ、僕の家で足の手当てするだけだから。」
そう言って、男の子は私を軽々と家まで運びます。
運ばれていくうちに村に入ります、静かで、人気のない村でした。
「人……少ないんですね。」
「ああうん、村の男手が徴兵されちゃって、女の人がその分働かないといけないから皆仕事に行ってるんだよ、僕も後で狩りに戻らないと……」
「徴兵……戦争ですか?」
「僕もよくわからないけど、魔物と手を結んだ異教徒を成敗するって話だったよ。」
男の子は大したこともなさそうにそんなことを言いました。
徴税遅れの街を異教徒として征伐する、本当に親魔物またはそれに類する集落、ただの山賊行為の言い訳。いろいろとパターンは想定できますが、それは誰かの血が流れることです。
「貴方のご家族は……大丈夫なのですか?」
「心配してくれてるんだ、けど大丈夫だよ、お父さんもお母さんもいないから、僕も戦に出るのはまだ早いしね。」
「いない………?」
男の子の口調は明るいものでした、だけどその目は少し寂しそうで、悲しかったのをよく覚えています。
「うん、しばらく前の戦争で徴兵されたきり、帰ってこなかった。」
ローディアナ王国は内戦の多い国です。
貴族同士の領土争い、圧政に対する国民の造反。「正当化する理由を得られるたびに戦争している」なんて言われるくらい、ギスギスした関係の国家だから、戦争に巻き込まれて亡くなる人も相当多かったと聞かされています。
「寂しくないですか?」
「そりゃ寂しいよ、けど生活のためにも働かないと。貴族は僕たち一般市民の面倒なんか見てくれないんだから。」
そう言いながら、男の子は私を家の中に運び込みました。
そして部屋のベッドの上に私を座らせると、慣れた手つきで手当てを始めました。
男の子の手当てが終わるまで少しだけ待って、そしてあることに気付きました。
私は、男の子の名前をまだ聞いていませんでした。
「あの……お名前なんて言うんですか? あ、私はネリスです。ネリス・ドットマン」
人間のふりをして名乗るときは、お父さんの苗字だったドットマンを名乗るように教えられたので、私はしっかりそう名乗りました。
「僕は、テリュン、テリュン・マグノース。」
男の子も名前を名乗りました。
「テリュンさん……ですね、覚えました。」
私は自慢じゃないけれど物覚えはいい方です。
「お礼、しますね。」
そう言って、私はテリュンさんにキスをします。
腕を回して頭を抑えて逃げられないようにして、唇を奪い舌を滑り込ませ、テリュンさんの舌に絡めます、そうやって唾液を交換した後唇を放すと、テリュンさんのものは大きくなっていました。
「んちゅ、ちゅくちゅっ……ちゅろ…ちゅぅ………」
何度も何度もテリュンさんのお口に唾液を送り込むように濃厚なキスを繰り返します。
そのうち、わけがわからず抵抗しようとした腕の動きも収まって、テリュンさんは私に自分を委ねてくれました。
スカートをたくし上げ、下着をずらして私のエッチなところをテリュンさんに見せます。
大きくなったテリュンさんのものを魔法で服から脱出させて、その上に腰を持っていき、私はゆっくりテリュンさんのものを飲み込みました。
それだけでもものすごく気持ちよかったのに、
「ああ゙っ何かでるっ!」
びゅくっびゅくくくっ!
「ふあぁああああああん!!」
いきなり中にたくさん出されて、思わず私は喘ぎながらイってしまいました。
「あは……全くテリュンさんは早漏なんですねぇ……♪」
私はそんな風に言いながら、テリュンさんの上で腰を振ります。
ずちゅぐちゅぷぢゅずちゅぬちゅ
どうやら私とテリュンさんは性器のサイズや癖がすごく相性がいいようで、ただ腰を上下させるだけでも非常に気持ちよくなれます。
そのうち、テリュンさんの腰もかくかく動き始めました。まだ慣れてないからすごく下手ですけれど、気持ちよくなりたくて一生懸命なことがわかります。
「んっ、もっと腰を私にぶつけるみたいにしてください。 あと、腰を手で抑えて。」
そうやって私が指示すると、テリュンさんは頷いてその通りにしてくれます。
ぱんっぱぱんっ! ずにゅずぶずちゅっ
「あんっ! ふふっ、ちょっと上手になりましたね。もうちょっと、横にも捻ってください。そうそうっああんっ♪」
私がエッチなことを教えるたびに、テリュンさんはしっかりそこから学習して私を気持ちよくしてくれて、それにすごく気持ちよくなってくれています。それがすごく嬉しくて気持ち良くて、
「あはっ! おちんちんビクビクしてますっ! せーえき出そうですか!?」
「うんっ! 出させて、ネリスの中にたくさん出させてっ!!」
テリュンさんが可愛くおねだりしてくれると、私はそれにもっと興奮します。
「いいですよ、むしろ出してください、私のエッチなおマンコにテリュンさんの精液いっぱいご馳走してください!!」
そう言って、私がおまんこを今までよりさらに強く締めた瞬間でした、
びゅぐぅううううううううううう
テリュンさんのおちんちんから、精液がどくどく流れ込んできたんです。
「ふぁああああああああん♪ 来ましたァ―――――――――――っ!!」
熱くてどろどろの新鮮な精液を、私はおまんこに直接ご馳走してもらったんです。
本格的な射精は初めてだったのか、テリュンさんの射精はしばらく続きました。
「はぁン……あったかい……お腹いっぱい、幸せですぅ…」
「僕もすごく……幸せだよ。」
テリュンさんは間違いなくそう言ってくれました。
「ありがとうございます。」
そう言って、私は魔法を使いました。
催眠魔法、かかればそこそこの術師でもあっさり眠りに落ちるような、強いものです。
それでテリュンさんが眠ったのを確認してから、私は次の魔法を使います。
眠っている対象から任意の記憶を失わせる魔法です、これで、テリュンさんに私にあったこと、セックス……したこと…忘れてもらいます、ちょっと寂しいけどテリュンさんに害が及ばないようにするにはこうした方が良かったからです。
クルツに連れて帰ることも確かにできたんですけど、このときはただの勢いで、本心からテリュンさんが私を想ってくれるか自信がなかったんです。
「さようなら、また会うときは初対面で……」
そう言って、私はテリュンさんの家を出ました。
一滴だけ涙がこぼれたのを、なぜか覚えています。


そのあと私は村でお買い物をして、クルツに帰りました。
あ、はい、このお話に出てきた「テリュンさん」は今の私の旦那様のテリュンさんですよ。
うふふ、今日も朝から一杯可愛がってもらいました。
四回も中に出してもらって、すっごく気持ち良くてあれ?
あ、もう行ってしまわれるんですか? 惚気は聞きたくない?

12/04/07 17:11更新 / なるつき
戻る 次へ

■作者メッセージ
ネリス プロフィール
ローディアナ王国クルツ自治領出身 魔物:サキュバス 職業:役人
魔物の領主ルミネの娘でラギオンの双子や猫姉妹とは幼馴染。恋人であるテリュンと同じ職場で働くクルツには珍しい女性。サキュバスらしく高位の魔法も使える。
気が小さく臆病、しかし規則に厳しく意思を曲げない頑固者。マゾ気質

テリュン・マグノース プロフィール
ローディアナ王国マリノス村出身 人間 職業:役人(元猟師)
ネリスの恋人、外界では猟師をしており、物理的に一番クルツの近くに住む外界の人間だった。彼の一家の狩場にはほとんど人は踏み込まない。
明るく朗らか、しかし怒ると豹変する。多分天性のS

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33