連載小説
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TAKE18.94 BIGなTISTがBOINGBOING
「っ! っっく! ぉっ! っはあっ!」
「んあっ♥ ひゃっ♥ ああっ♥ んっぁああっ♥」

 白昼堂々浜辺にて交わる、一組の人魔(だんじょ)。

「ふおっ! おおっ! づぅっふぅっ♥」
「ひゃひっ♥ んっ♥ らっっ♥ ぁぁっっ♥」

 対面座位で抱き合うように絡み合い、互いの肌と性欲をぶつけ合う二者こそは"乳牛女優"ことホルスタウロスの小田井真希奈と、"怪物俳優"こと志賀雄喜の二人に他ならない。

(なっ♥ あっっ♥ すごっ♥ これ、やばぁっ♥
 ユウさんの、おちんっ、ちんがっ♥ 私の膣内(なか)っ♥ 突きまくっ、てっっっ♥)
(ああ、駄目だ……駄目だなあ、こんな有様ではっ……♥)

 まさに"獣(けだもの)"の如き激しい交わりの最中、役者たちは快感に酔いつつ思考を巡らせる。
 特に、ただ快感に酔いしれるばかりの乳牛とは対照的に、男優は状況を受け入れつつも内心自身の行動を悔いてもいた。

(彼女らには未来があって、僕には余命(さき)がなくて……
 だから僕は彼女らに手出しをしないように……戯れ程度の行為に及びこそすれ、純潔だけは奪わぬようにと、誓っていた筈なのになぁっ……♥)

 『こういうのを「後悔先に立たず」とか「後の祭り」なんて言うんだろうな』と自嘲しながらも、雄喜は腰を振り続ける。

(もうここまで来てしまった以上、身を委ねるしかない……
 そう、委ねるしかないんだ――ぉほぅぅっ♥」

 独白を遮って走る快感に、青年は思わず声を漏らす。

(ああ、全く……こんなことになってしまうなんて、どうしようもなく情けないな、僕はっ……♥)

 得も言われぬ快楽と幸福感に身を委ねつつ、男はひたすら腰を振る。

(まあいいさ、構うものか。
 どうせ死ぬんだし、せめて派手に生き抜いて散ってやるっ♥️)

 浜辺の砂より熱い二人の交わりは、まだ始まったばかりであった……


「んあっっ♥️ むもっ♥️ んもっほおおおおっ♥️」
「ぬっ、く……うおおおおおっ♥️」



 さて、ここから先は前回終盤から今回冒頭へ至るまでの流れについて描写・説明させて頂きたく思う。
 察するに『そんなんどうでもええわエロだけ書かんかい!』と憤慨なさる読者諸兄姉も一定数居られようが何卒ご了承願いたい。


「んもー、勘弁して下さいよ本当にっ!
 目が覚めてタラーさんから話聞いたとき、私がどれだけ心配したかわかってるんですか!?」
「……」
「わかってるんですかあああああああ!?」
「……申し訳ありません」
「いや"申し訳ありません"じゃないでしょう、"申し訳ありません"じゃっ!
 質問にしっかり答えてくださいよ!」

 不良警官エールを撃破後、ベン・タラーの手引きで浜辺に辿り着いた雄喜。
 疲労困憊乍ら得も言われぬ達成感に満ちていた彼を待っていたのは、不安と心配から軽めのヒステリーを起こした真希奈による説教であった。

「なんかもうユウさんっていっつもそうですよね!
 厄介事が起きてもロクに相談せずに一人で解決しに行くばっかりで私たちの事なんて頼りもしない!
 遊園地でブタに喧嘩吹っ掛けた時も! 博物館でロボットが暴れ出した時もそう!
 挙句の果てには今回だって、最後の最後になって一人であのトカゲしばきに行っちゃうし!」
「……返す言葉もございません」

 温厚なホルスタウロスとは思えぬほどの剣幕で怒鳴り散らす真希奈に対し、雄喜は一切反論せずただただ平身低頭といった様子で謝り倒す。
 発言に多少の粗があったり不満を感じようとも、言い返したりはしない。あの場ではああせざるを得なかったとは言え、それでも自分が彼女を蔑ろにし、心配をかけさせてしまったのは事実であるからだ。

(そうだ。反省だ。反省しなければ……)

 怒鳴る乳牛と謝る青年。
 第三者の介入も許さぬ程に凄絶を極めたその光景は延々と、やがて感極まった真希奈が泣き出し、泣き疲れるまで続き……

「ぅっ、く……ぅぅっ……」
「……申し訳ございませんでした、マキさん。
 貴女の気持ちも理解せず、独断で突っ走ってしまって……」
「いえ、私こそすみません……ユウさんの気も知らず、感情的になっちゃって……」

 程なくしてあっさり仲直りと相成ったのであった。


『え〜〜お二方とも、落ち着かれましたようで……
 ほンならば小生としちゃ、諸々について改めて説明させて頂きてェんでごぜェますがァ〜』
「が、どうしたんだ?」
「何か問題でも?」
『ああいえ、問題ってんじゃないんです。寧ろその逆で……
 到着なさったんですワ、小生より"その辺の話"をすんのに相応しいお方がねェ〜』

 タラーが声高に宣うが早いか、困惑する二人の眼前に虚空より何者かが姿を現した。

「……」

 音もなく現れたのは、厚手の白スーツという聊か浜辺に似つかわしくない身なりをした、謎めいた女。
 褐色の肌を持ち美しい長髪を棚引かせたその女は長身でスタイルがよく、かつ圧倒的な美貌の持ち主でもあった。
 その美貌はまさしく"人間離れしたかのよう"であり、身体の各所に配された数々の身体的特徴からも魔物娘であるのは間違いない。
 背に備わる翼、頭に生えた角、ヒレ状の耳に爬虫類を思わせる尾……丁度先程雄喜が海に沈めた相手と同じ"ドラゴン属"であるのは間違いない。
 但し対面する二人は『こいつは実際ドラゴン属でこそあれ断じて"ドラゴン"などではないだろう』と確信していた。
 そして実際……

「お初にお目にかかります。
 私、チヴァナータ・シッターカ・サバトの技術開発局副局長をさせて頂いております、
 "ジャバウォック"の――」

 二人の予想は見事、的中する。
 タラーの関係者である以上かのサバトの者であるのは間違いなく、幼児体型でないのも幼体主義への反発を掲げる同組織の理念を考慮すれば納得であるからだ。

 だが……

「――渡部ユワンと申します。

 以後、お見知り置きを」

「「」」

 直後、淫蕩竜の口から出たまさかの名乗りに、二人は絶句する。


(んなっ……"わた"、"なべ"ッッ……!?)
("ユワン"だとぉっ!?)

 渡部ユワン。
 その名を聞いて脳裏に蘇るのは、眼前の淫蕩竜と同姓の女から度々聞かされていた、ほんの些細な"思い出話"。


 ――曰く、その女は七人姉妹の五番目だったという。


(まさか、そんな……)


 ――曰く、その女の二つ下の妹は手間のかかるろくでなしだったという。


(バカな、つまりこの女は……!)


 ――曰く、その妹は変な思いつきで騒ぎばかり起こすふざけた奴だったという。


(こいつが……この如何にも怪しいジャバウォックが……)


 ――曰く、その妹は紆余曲折を経てアフリカでサバトの要職に就いているという。


(この薄気味悪い、イカレた淫乱トカゲの出来損ないが……)


 ――曰く、その妹は姉に"職場で開発された変身魔法薬"を送り付けて来たという。


(そりゃ確かに『"鰻女郎七人姉妹"の五番目』なんて言っちゃいなかったけど、だとしても……!)
(普通は誰だって予想できんだろ、そんな……)



 ――曰く、その妹の名は"ユワン"であるという。



((こいつが満(ミッチー)さんのだなんてっっっ!!))



 そう、それは全くの予想外……
 どころかいっそ"有り得ない"と断言したくなる程の事柄ではあったが、然し紛れもない事実……

 二人の眼前に佇む"チヴァナータ・シッターカ・サバト技術開発局副局長"のジャバウォックこそは、紛れもなく鰻女郎のプロデューサー"渡部満"の実妹(いもうと)だったのである。


『いンやァァ〜副局長ォッ! よもや直々に此方へお越し頂けようとは夢にも思いませんで!』
「なに、ただ上に立つ者としての務めを果たしに馳せ参じただけのことです。そう大したことでもありますまい」

 姿なき部下と言葉を交わしつつ、スーツ姿の淫蕩竜は未だ困惑する二人に向き直り……

「さてご両人……まずは謝罪させて下さい。
 この度は当サバトの作戦に巻き込んでしまい、大変申し訳ございませんでした」

 深々と、心底申し訳なさそうに頭を下げる。
 彼女曰くエールがKANZAKIを所持していたのも、雄喜と真希奈が不良警官らによって異空間に引き込まれ聖戦を勝ち抜いたのも、全てはこの怪しげな爬虫類の筋書き通りだったというのである。

「一部始終拝見させて頂いておりましたが、
 いやはやあそこまで上手くやって頂けようとは些か予想外でありまして……
 実によい動作テストとなりましたぁ♥️ 改めてご協力感謝しますよお二方ァ♥️」
「……動作」「テスト……?」
「はいっ、動作テストに御座います――"電脳魔法KANZAKI"のねェ♥️
 詳しく話すと長くなります故簡潔に申し上げるならば、一連の出来事は全て我が策略の内ィ♥️
 新たに開発した魔法の動作テストを行いつつ、
 市井の民を苦しめる魔物娘の面汚しを粛正した挙げ句、
 最高峰に素敵過ぎるカップルにドラマチックでエキサイティングな冒険的デート体験を提供……
 これぞ一石二鳥ならぬ一石三鳥といったトコロでしょーかァ♥️」

 意味不明にして理解しがたい妄言を吐き散らすユワンの様子に、役者たちは困惑を隠せない。

(言っちゃなんだけど、こんなのが妹だったらミッチーさん相当苦労してたんだろうなぁ)
(固有種はじめ不思議の国の民が軒並み特定外来生物じみた異常者ばかりなのは今に始まったことじゃないが、
 こいつは奴らとはまた別ベクトルでヤバいヤツだ。多分間違いない。ともすれば……)

 熟考の末、下手に刺激すればろくなことにならないと判断した二人は沈黙し聞き手に徹する。

「――ともあれお二方ァ、ご安心下さいませェ♥
 KANZAKIのデータ破損は思いのほか軽微でありましてェ、その修繕と復旧は予想外にも比較的容易ッ♥
 ゆ、え、にィ〜〜お二方の脱出もまた思いの外早くなるものと思われます♥
 速ければ三十分前後、どれだけ遅くとも四時間以内には全工程が完了することでしょうッ♥」
「あれ? 意外と早いんですね」
「てっきり半日は待たされるものとばかり思っていたが……」
「当方と致しましても予想外の出来事でしてねェ〜♥ 無論、予想外の事態も起こり得るので気は抜けませんがねェ♥
 と、も、あ、れェ〜〜そういったワケで御座いますからしてお二方ァ、もう暫くお時間頂きますことをどうぞご了承頂きたくッ♥」
『待ち時間でも不便なく退屈なさんねーよう小生が手を尽くしますんでご安心を! お望みとあらば何なりとお申しつけ下せぇ!』
「ほう、それは頼もしいな」
「じゃあお言葉に甘えさせて頂いて……」
『ええそりゃもう! 存分に頼って甘えて依存して下せぇってもんで!
 このベン・タラー、お二人にご満足頂く為とあらば如何なる犠牲も厭わねえ次第にごぜーやすッ!』
「ほほーゥ、言うじゃありませんかタラーくん!
 製作者(おや)冥利に尽きる素晴らしい発言ですねェ!
 ともすれば私も負けてはいられないというヤツで……人肌脱がせて頂くとしましょうか♥」

 光沢を放つ紫のストレートロングヘアを意味有り気にふぁさり、とかき上げたユワンは続けて藤色の鱗に覆われた翼と尾をぶるりと震わせる。

「ぬっ……!」

 程なくして腰の辺りから、湿った光沢を放つ太長い二本の触手が顔を出す。

「ぅ、ふはァ……♥」
〔クゥォコガガガガ……〕
〔キィギリリリリリ……〕

 先端から裂けたような大口を持つ、宛ら盲目の蛇か原始の深海魚の如き"それら"は、言語とも鳴き声ともつかない音を立てながら薄気味悪くうねり、隙間無く生え揃った切歯をガチガチと打ち鳴らす。

「さァて、お二方ァ……
 此方は私からのほんの気持ちです故、
 どうぞお受け取り下さいませェ♥️」

 得意気に薄気味悪い笑みを浮かべつつ、ユワンは触手を役者たちの方へ近付けていく。

「は? ちょっとユワンさん、何言ってッ――」
「おい止せ! そんなもん近づけるんじゃ――」

 予想外の出来事に面食らった乳牛と青年は当然その場から逃げようとするも何故か砂に足を取られて思うように動くことができず――

〔シュアアアアアッ〕
〔クホオオオオオッ〕
「う゛っっ!?」
「ぐああっ!?」

 触手らより噴霧した桜色のガスめいた気体を至近距離で浴びせられてしまうのであった。

「んっっ♥️ ぁ……はぁぁっ♥️」
「ぉっ……づ、ぐぅぅっ……♥️」
(ふーむ、これはこれは……効果は抜群といった所でしょうかねぇ♥️)

 触手らの先端より吐き出されるが如く噴霧されし"桜色のガスめいた気体"――もとい、ジャバウォック特有の"桃色のブレス"――をもろに浴びた二人の身体は熱を帯び始め、吐息は荒くなり、その意識は掻き立てられた劣情により淫らに支配されていく。

(くっ、不味いっ……抑えられんっっ!)

 同時に雄喜の逸物は重力に逆らってそそり勃ち、その圧倒的な質量と硬度を以て今にも水着を突き破らんばかりに股座へ卑猥な幕屋(テント)を設営(た)てる。
 馬が如き槍とも鯱が如き砲(おおづつ)とも例えられようそれは或いは、股より頚(くび)出す淫らな大蛇(おろち)。既に獲物を見据えた蛇は、必殺の猛毒を打ち込むべく唾液にて牙を湿らせる。

(やばいやばいやばいっ……こんな、こんな所でっっ……!)

 一方の真希奈も異変は避けられない。股座の花弁、その中枢に座す秘められし雌蕊(めしべ)は今か今かと受粉の時を待ち、それに伴い蜜の滴る様は最早失禁したが如く。
 更に異変は股だけに留まらず、乳牛特有の豊満にして巨大な、たわわに穣(みの)る果実か並び立つ麗峰が如し両乳房に於いても例外ではない。
 脳より卑猥な報せを受けて、峰の頂なる乳頭はぷっくりと硬さを増し、じわりじわり、どくりどくりと内側を脈打たせ、マグマ宛らに熱帯びた母乳を溜め込んでは来るべき噴火を待ち望む。

 乳牛と青年、雌と雄、魔物娘(オンナ)と人間男性(オトコ)……
 熱砂に足を取られて浜辺で向かい合う二人は今まさに、交わり控えし臨戦態勢にあると言えた。

「……ではお二方、あとはごゆるりとお楽しみ下さいませ♥️」

 その様子に満足したらしい白スーツの爬虫類は虚空に姿を消し、直後限界を迎えた乳牛は狂える暴れ牛が如き咆哮と共に青年を押し倒し、二人はそのまま交わりへ突入することとなる。

♥️→♠️

 その後の出来事について、電脳魔法KANZAKIの制御システムのベン・タラーは記録データと共に次のような証言を残している。

『むもおおおおっ♥️』
『っ!? ぬ、うおおっ!?』

――そう、ありゃまるで示し会わせたみてーな、完璧すぎるタイミングでしたねぇ……。
――渡部副局長が転移魔法で作業現場へ向かわれた、その直後、お嬢さんは兄さん目掛けて突進してって、フットボールだかレスリングだかの要領で押し倒しちまったんです。
――一方的と言うのも憚られますわなァ。そん時の兄さんと来たら全く無抵抗、マネキンか縫い包みみてーな有り様でしたんでねェ。

『もっ♥️ んもっ♥️ んふっらえいっ♥️』
『ぬわっ!? あぁっ……♥️』


――ンでまあお嬢さん、狂ってるとは思えねえよーな手際で兄さんの海パンを脱がしちまいましてねェ? ともすりゃ必然、中でギンギンガチガチになってやがったおマタのご子息サマがおタマタマ諸共どぅるりと露わになっちめーワケでしてェ〜
――そらーもゥ、圧巻のサイズ、納得の迫力、余裕の貫禄ってなモンで……いやあ、兄さんが人間離れしたお方だってなァとっくに理解しとりましたが、アッチ方面も程よく化けモン級とは恐れ入りまさァ。

『んは、ぁぁっ♥️ すっご♥️ おっきいっ♥️
 がっちがちでびんっびんのっ、ガマン汁塗れのズルズルおちんちんっっ♥』

――そいつを目の当たりにしたお嬢さんときたら、まさに発情しまくりドスケベモードフルスロットルってな感じでしてねェ。
――そそり立つご子息サマを淫らにガン見しながら『もっと興奮しろ』『いやらしい私をもっと見ろ』とばかりに揺らしたり揉みしだいたり見せつけたりとねェ……
――何を、ですって? そらもー決まっとりましょう、お嬢さんのでっかァ〜い"おパイパイ"にごぜぇますよッ!

『んふふ〜♥ ほらほら見て見てぇ〜♥
 おっぱいゆさゆさ〜♥ ぷるぷる〜ん♥ たゆたゆ〜ん♥』
『っっ……! ぉぉぉ、っっ……!』

――んでまァ必然、そんなお嬢さんの変幻自在やわらかおパイパイに、兄さんの死線は釘付けでしてねェ〜
――そりゃあしょうがねぇってモンです。何せ男ってなァ九割九分九厘ほぼ大抵、別嬪さんのたわわなおパイパイに目がねえってのが世の理、原則的な傾向ってヤツですからねェ。
――如何に不良警官どもをぶちのめした"強靭な狂人"の兄さんであっても、その誘惑にゃ抗えねェってワケですよ!

『んん〜なんか窮屈になってきちゃったなぁ〜……
 そーだぁ♥ もう水着、脱いじゃおーっとぉ♥』
『っっ!?』
『そー、れっ♥』
『ぬううおおおおっ!? おっ、ぱいっ……! おっぱい、がっっ……!』

――それから程なくしてお嬢さんは全裸になり、伴って兄さんの興奮はブチ上がり……

『ん、しょ……っと』
『ぬう、おおっ……ほおぁ……♥』

――お嬢さんは自由になったおパイパイで兄さんのご子息様を挟み込み……要するに"パイズリ"ってヤツですわなァ〜
――汗と我慢汁がローション替わりにでもなってンのか、その動きは滑らかでしてねェ……

『ぉっうっっ♥』
『わひゃっ♥ すっごぉ〜♥ こんなに出るなんてっっ♥』

――兄さんが射精(だ)しちまうのにそう時間はかかりませんでしたよ。
――射精(で)た瞬間お嬢さんが浮かべた表情は、そらあもう嬉しさ満点幸せいっぱいってなトコでしょうなァ。

『んへ、へへへ……ユウ、さぁん♥ 私もぉ、ガマンできなっくってぇ……』
『っっぁ、は……ま、マキさんっ……? 貴女一体、何をっ……!』

――勢いよく射精(だ)した直後だってのにまだガチガチな兄さんのご子息サマ……何なら一層力強く勃(た)ってそーなそいつを見たお嬢さんは兄さんを優しく起こし、お互いの下腹部をじわりじわりと寄せていきましてェ……♥

『んんぁっ♥』
『ぅおはっ♥』

――お嬢さんの下のお口が兄さんのご子息サマを優しく咥え込みました……

『ぁっ、ぉぉ……♥』
『んっふ、んんっ……♥』


――ええそうです。お嬢さんと兄さんは"繋がった"んです。
  ――そんでその"一体化"を経て、お二人はお互いを"捧げ合い"、そして"結ばれた"ワケでごぜぇやす!


『んっ♥ は♥ ぁぁ♥ ユウ、さんっ……♥ 好きっ♥ しゅきぃぃぃっ♥』
『ぁ……ぉぉっ……♥ ま、マキ、さっ……ぼ、くは……なんてッッ……♥』


――ええ、何です? 『そっから先どうなったんだ』ってェ?
――……申し訳ございませんが読者様、そいつぁ説明するまでもねーでしょう。
――愛し合う男女が繋がって一体化、捧げ合って結ばれたってんならそっからの展開なんざ決まってる……
――"愛し合った"んですよぉ、愛と欲望のまま、激しく、熱烈にねェ! それこそ"本編冒頭で描かれたが如く"ってヤツでさァ!


『んもっ♥ んもっほ♥ んもおおおおおおっ♥』
『ぅぉ♥ おお♥ っぐぉおおおおおおぁぁあああっ♥』


――延々と続く"男女の交わり"……そいつぁ実にハートフルで、ない筈の口ん中が甘ったるくなってしょーがねぇなんて、プログラムの分際で思っちまったぐれーでしてねェ。


『っぁっ♥ っはあああっ♥ ゆっ、ゆーさんっ♥ 愛っ♥ 愛してっ♥ もっと愛してぇっ♥』
『ふっ♥ ぐ♥ ぬうぁぉ♥ おおっ♥ ええ、マキさんっ♥ そりゃあもうっ♥ 愛させて下さいよっ♥
 貴女が乳牛(ウシ)なだけに、"モウ"にねッ♥』


――その有様は、ナンて言いましょうか、バチクソ"熱い"の一言で……
――宛ら日差しは根負けし、砂も溶けては硝子と化して、波さえ蒸発するほどの……


――それこそダジャレ如きじゃ冷房にもなんねーような、そんな情熱的なひと時でしたよ……



『んもぅ♥ ほおっ♥ んはあああああっ♥』
『づおあ♥ がは♥ へぇあっははああああっ♥』
22/05/22 21:22更新 / 蠱毒成長中
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