連載小説
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4.交尾しよう★
静寂に包まれた、古めかしい寝室。
窓から差す月明かりが、床へ、淡い影絵を描く。

いつもの僕なら、もう眠っている時間。
こうしてベッドに腰掛けてはおらず、毛布の中でグッスリ。
これが先日までならば、お母さんに叱られていたことだろう。

…胸が、異様にドキドキする。
お母さんがいないのをいいことに、眠る時間を破っているからだろうか。
でも、このドキドキは、どこか違う気がする。うまくは言えないけれど。
悪戯をしたときや、嘘を吐いたときのドキドキとは、違うように思える。

このドキドキはなんだろう。
部屋の中は限りなく静かなのに、鼓動は、全身へ響き渡るほど。
暑くもないのに、手汗がひどい。顕著なまでの緊張のサイン。
僕はいったい、何に対して、こんなにも緊張しているのだろう。

……………。

ちらりと、窓の外を見やる。
近いようで遠い山々。背景に望む、満天の星。丸い月。
それらを見つめながら、自らを落ち着かせるように、深呼吸をひとつ。
胸に手を当て息吐く姿を、影も真似して、僕をからかう。

…分かっている。何に緊張しているか、は。
でも、それを意識してしまうと、今の状態が余計に酷くなる。
言いだしっぺは僕だけれど。恥ずかしいのも僕の方で。
せめて、彼女を誘った手前、みっともない姿は見せたくない。

……………。

…僕は、彼女のことが好きだ。
だから、頼られたいとも思うし、優しくしたいとも思う。
そして何より、愛していることを、ちゃんと伝えたい。
とても恥ずかしいことだけれど、とても大事なことだと思うから。

それにあたって、もう、他のことは深く考えないようにしようと決めている。
いずれ呪いが解けて、彼女が元の牛の姿に戻るかもしれないということ。
そうでなくても、1年後、お婆ちゃんが退院し、僕らの別れの日が来ること。
そんなことを考えていたら、弱い僕は、不安に押し潰されてしまうのがオチだ。
だから、今はまだ、未来のことは考えない。まずは目の前のことから。

つまりは、告白から。
僕が、彼女のことを愛しているといこと。
それを言葉にして、彼女へ届けたい。

……………。

ももは今、牛小屋の方へ戻っている。
寝床を整理すると言っていた。それと、今日からは僕と一緒に寝る、とも。
この家にあるベッドは、ひとつだけ。必然的に、肩を並べて寝ることになる。
毛布の取り合いになることはないだろうけれど…色々と心配だ。

……………。

…正直に言えば。今、僕の心は。
彼女とエッチなことをしたいという想いで、いっぱいだ。
同じベッドで寝ることを許可したのも、つまりは、そういうことで。
ただ、下心は彼女に見せず、あまつさえ、僕の方が恥ずかしがって。
こういうのを、むっつりスケベ…っていうんだろう。卑怯者な僕。

我ながら、卑しいとは思う。
もしかしたら僕は、エッチをしたいがために、彼女に告白するのかもしれない。
エッチをするのは愛し合っているからだ、なんて…逃げ道が欲しくて。

……………。

…僕が、彼女を好きに思う理由。
そのひとつには、彼女が、そんな我が侭な僕を許してくれるから…
というのも、含まれているのかもしれない。甘えさせてくれる人。
そうすれば僕は、罪悪感に縛られず、さっきの食事の時みたいに、
自分の欲望をそのまま伝えることができる。いくら恥ずかしくとも。
辛い未来も、その時だけは、みんな忘れて。都合の良い考えだけを残して。

思えば、あの言葉は自分に矛盾している。
優しくしたい、頼られたいと思っているのに、出てくるのは甘えた言葉。
何してほしい、許してほしい…。昼間から、そんな考えや発言ばっかりだ。

今のところ、僕が彼女にしてあげられたことって、何かあるだろうか。
身体を洗ってあげるのも当たり前。食事を作ってあげるのも当たり前。
当たり前のことしかやっていない。僕は、彼女に何もしてあげられていない。

……………。

…やっぱり、意識するべきじゃなかった。
自分の悪いところが、どんどん浮き彫りになって見えてくる。
緊張どころか、不安な気持ちまで湧いてきた。気分が落ち込む。
こんな状態で彼女に会ったら、僕はまた、甘えてしまうだろう。
それはいけないことなのに。それは逆であるべきなのに…。

―コン、コンッ

不意に、ノックの音。心臓が口から飛び出そうになる。
彼女だ。ももが、寝床の整理を終えて戻ってきたんだ。

「…ご主人様〜? 入ってもいいですか〜?」

…ゴクリと、固い唾を飲み込む。
今の僕に、ちゃんと伝えられるだろうか。
彼女のことをどう思っているのか、胸を張って…。

いや、どちらにしろ、まずは彼女を部屋に迎え入れよう。
廊下に立ちんぼで待たせるなんて、それこそやっちゃいけない。

僕は、小さく震える身体を抑え…どうぞ、と…返事を返した。

「失礼します〜♪」

軋む音と共に、ドアがゆっくりと開き。
隙間から、にこやかに寝室へと入ってくるもも。

「えへへ…♥」

いつも通り、笑顔の彼女。
悩みなんて無いかのように、嬉しそうで、幸せそうな…。

そんな彼女の姿を見て、いっそう激しさを増す、鼓動の高鳴り。
囁く悪魔。すぐにでも、彼女を押し倒して、犯してしまえと。
どうせ彼女は許してくれる。彼女だって、エッチなことを望んでいる。
何も悪いことはない。誰も悲しむ人などいない。それなら…。

咄嗟に、下唇を噛み締めて、邪念を振り払う。
鈍い痛みと共に、戻ってくる理性。黒染めの欠片を残して。

心の中で、自分とせめぎ合う僕。
それを彼女に悟られぬよう、懸命に隠しながら、
手を、こちらへと差しだして、隣へ座るよう促す。

「はい〜♥」

彼女は蹄を鳴らしながら、トコトコと近寄ってきて…ベッドに腰を下ろした。
その位置、肩から腕、太腿がくっつく距離。僕と彼女、ゼロ距離密着。

その行動により、湧き上がる、言い様もない恥ずかしさ。
同時に、エッチな考えも。触れる肌の柔らかさに、意識が向いてしまう。
取り乱しちゃダメだという想いと、このまま襲いたいという想いの交差。
僕は、再び下唇を噛んで…強く噛み締めて、なんとか平静を保とうする。

「…♥」

何も言わず、僕を見つめるもも。
僕も、同じように彼女を見つめる。

…潤んでいるようにも見える、彼女の瞳。
頬はほんのり、紅く染まって。緩やかに口角を上げて。
月の光が、その表情を幻想的に、妖しく彩りゆく。
まるで、彼女自身が、月が映したマボロシであるかのように。

「…ご主人様〜…♪」

いつしか…ゆっくりと。
彼女が、僕の頭を撫で始める。

髪を滑る、優しい指先。温かな手のひら。
呼び起こされる、甘えん坊な心。蕩ける思考。

全身の力が抜け、唇を噛む力も解けてしまい……。

「…あっ♥」

…ダメだ。ここで、この場面で堕ちちゃダメだ。

僕は彼女に抱き付き、必死に言葉を出そうとした。
このまま身を委ねれば、いずれ僕は彼女に甘えてしまう。
意志の弱い僕。でも、でもこれだけは、その前に伝えたい。
ハッキリとした僕のままで。罪の意識を持った僕のままで。
好きであることを告白したい。下心があることを謝りたい。

ももへ、僕の想いを…!

「っ…♥」

紡ぐ…か細く、掠れた声。

もものことが、好き。愛してる。誰よりも好き。
友達よりも、お母さんやお父さん、お婆ちゃんよりも…。
でも、エッチなことも考えていて…。ごめん…、ごめんね、もも。
エッチなこと、いっぱいしたい。でも、嫌だったら、ちゃんと言って。
教えて。ももが嫌だと思うことは、したくない。そこは優しくしないで。
ももがしてほしいこと、してあげたい。なんでも、なんでもしてあげるから…。

「…ご主人様…♥」

お願い…。教えて、もも。僕ばかり、甘えたくない。
ももを、甘えさせてあげたい。教えて。もも、教えて……。

「ぁ…♥ ぁぁ…っ♥」

不安、緊張、そして恥ずかしさ。
その全てが、咽奥で言葉をつっかえさせながらも、
僕は嗚咽を押して、震える声で、心の内を吐き出した。
取り留めもなく、ただ言葉を並べただけの、へたっぴな告白。
でも、残さず全部、伝えることができた。僕の想い。彼女に、全て…。

「ご主人様〜っ♥♥♥」

ぼふんっ、と。
言い終えた僕へ、ももが、心底嬉しそうな声と共に、胸からタックル。
その衝撃で、背中からベッドに押し倒される僕。軋む、お古の寝床。
突然のことで、混乱する僕の目に映るのは、興奮した様子で見下ろす、彼女の姿。

「ももは、嫌なんかじゃないです〜♥ すっごくしたかったんです〜♥」

「しましょう、ご主人様〜っ♥ いっぱい、いっぱい、い〜〜〜っぱい〜っ♥」

そのまま身体を屈め、僕の顔へ、柔らかダブルパンチのラッシュ。
ムニムニと押し付けられる胸は、気持ちよくも、凶悪な密着性。
息を吸うことも、吐くこともできない。酸素を求め、必死にもがく。

「…あっ。ご、ごめんなさい〜…。つい、嬉しくって〜…♥」

気付き、身体を持ち上げるもも。
解放と同時に、大きく深呼吸をして、生きていることを実感する。
よく物語で、『最後は恋する人の胸の中で〜』なんてフレーズがあるけれど、
さすがにこんな死に方はしたくない。いくらなんでも、情けなさ過ぎる。

「えへへ…♥ ご主人様〜♥」

呼吸が整ってきた僕の首に腕を回し、愛でる様に頬擦りする彼女。
まるで、犬や猫の匂い付けのように。鼻先を撫でる彼女の髪が、こそばゆい。

僕は、彼女が満足するまで待った後…一旦、身体を離した。
そして、俯きながら…もうひとつ大切なことを、彼女へと告白する。
それは夜に鳴く虫達の声よりも小さく。ぽつり、ぽつりと…。

その言葉に、最初は驚いた様子を見せた彼女。
でも、うんうんと頷きながら…親身になって聞いてくれた。
僕がまた泣いてしまわないように、背筋を撫でながら。
その時の彼女の表情は…どこか、喜んでいるようにも見えた。

「…なるほど〜。大丈夫ですよ、ご主人様〜♥」

「ももが教えてあげますから〜、安心してください〜♥」

「初めての交尾…、一緒に愉しみましょう〜♥」

……………

………



今がもし、夜の暗がりでなかったとしても。
僕はそれを、白昼夢だと思うだろう。

「お待たせしました〜、ご主人様〜♥」

だぼついたズボンを脱いで、一糸纏わぬ姿になったもも。
いや、カウベルだけは残して。豊満な胸、毛に覆われた秘部を顕わに…。

その姿はもう、僕の持つ言葉じゃ、とても表現しきれない。
女神様だって霞むほど、綺麗で、可愛くて、エッチで…。
彼女みたいな存在が居ることが、とても信じられないほどだった。

「あらあら〜…、ご主人様ってば、もう〜…♥」

そんな彼女が、僕の姿を見て、呆れたような声を洩らす。
僕の姿も、今は彼女と同じ、生まれたままの姿。裸ん坊だ。
身体の肉付きが引き締まっていないことに、呆れたのだろうか。
それとも、これから行うことに、怯えているように見えて…?

違う。僕が、自慰に耽っていたからだ。
彼女の裸を見て、耐えられなくなった僕は、勃起したモノを激しく扱いていた。
それは、自慰を愉しもうというものではなく、射精だけを考えた乱暴な動き。
クチュクチュと音を立てて、雁首を重点的に、必死になってオチンチンを弄くった。

「ダメですよ〜、ご主人様〜♥ 慌てちゃ、めーっです〜♥」

逸る僕の口元に、指先を当てて戒めながら、上に覆い被さる彼女。
湧き上がる、恥辱と反省の念。なのに、オチンチンを擦る手は止まらない。
彼女もそれを止める気はないようで、ちらりと見た後、再びこちらに視線を戻した。

「最初は〜、キスからですよ〜♥」

そう言って。
気付けば、目と鼻の先まで迫った、ももの顔。

「…んっ♥」

触れ合う、唇。

「ん…♥ んふっ…♥ ちゅっ…、ん…♥」

重なり、彼女は微笑んで。
そのまま、ゆったりと口を動かし始めた。

味わい、食べる様にして、僕の口を唇が撫でる。
まるでゼリーのように、瑞々しく艶やかな触感。
その刺激は脳にまで届いて、全身に快感を伝えていく。
たちまち魅了され、とろんと蕩け落ちる、僕の瞳…。

「ちゅ…♥ ご主人様の唇…はむ、はむ…♥ プニプニです〜♥ ぺろっ…♥」

啄むだけでは飽き足らず、這いずる舌。
唾液を多く含んだそれは、僕の口をベトベトに汚しながら、糸と快感を残して…。
そして、僅かな隙間から口内に滑り込み…怯える僕の舌に絡んで、
優しく撫でる様に…くすぐりイジめる様にして、ねっとりと犯し尽くしてきた。

「ちゅるっ…♥ おいひぃ…♥ ちゅっ、ちゅぅぅ…♥ ぺろ…、れろ…っ♥」

両手を頬に添え、逃がさぬようにして、僕をねぶるもも。

快感を感じているのは、口ばかりじゃない。
タプタプのオッパイや、ムチムチした太腿…。彼女の肌に触れる全てが…。
もちろん、それはオチンチンにも。濡れた先端を、稀に小突く彼女のお腹。
口付けに熱が入るに連れて、艶めかしく身体が動き、その頻度は増して…。
その度に、僕のモノは暴発しそうな刺激に襲われ、悶えうった。

「ちゅぅ…っ♥ はむ…♥ んふふ…♥ ぺろっ、ちゅ…♥」

不意に、ももが僕の舌先を甘噛み、引っぱり出す。
限界まで伸び出た舌を、ぱくんと咥えて。擦ったり、舐めたり…。
まるでそれが愛しい何かであるように。口での丹念な奉仕。

伸び切った舌のせいで…また、身に走る甘い刺激のせいで、
言いたいことも言えず、されるがままの僕。小鹿のように震えて。
舌は、神経が剥き出しになってしまったのか、過敏に反応し。
それは身体中に響き渡って…アソコにも、波が届いて……。

「ちゅぅぅぅぅっ…♥ ……あっ…♥」

僕は……あっけなく、射精を迎えてしまった…。

「くすっ…♥ もう〜、ダメって言ったじゃないですかぁ〜♥」

意地悪に笑い、精液を吐き出すソレの頭を撫でる彼女。
ニチャニチャと淫靡な音が、小さな空間に響き、僕の恥辱を誘う。

僕は、顔を真っ赤にして…心から申し訳無く思い、彼女に謝った。
本番を前にして、キスだけであっけなく達してしまったこと。
それはきっと、とても惨めなことだと思う。堪え性がない証拠。
彼女のことも気持ちよくしてあげなきゃいけないのに。僕ばかり…。

「いいんですよ〜♥ ご主人様は、はじめてなんですから〜♥」

もも…。

「でも〜…悪い子には、オシオキです〜っ♥」

ふと、彼女が視界から消えて。

次の瞬間。
アソコを襲う、稲妻のような衝撃。

僕は女の子みたいな声を上げて、身を襲う快感に全身を震わせた。
シーツを裏手に握り締め、千切れんばかりに引き寄せるも、
僅かな抵抗にさえならず…ただ、怯える子犬のように鳴き続けて…。
例えるなら、沸騰したヤカンに触れたままでいるような辛さ。
でも、今感じているのは痛みではなく、どうしようもないほどの…。

「えへへ…♥ オチンチン、かくれんぼしちゃいました〜♥」

見ると…股間に、でんっと置かれたお乳。
僕のモノにすっぽりと覆い被さって、我が物顔で鎮座している。
焼きたてのパンよりも柔らかく、モチモチとしたオッパイ。
その中は竃みたいに熱くて、包まれた僕のオチンチンは
熱湯を浴びた氷みたいに、どんどんと溶けて無くなっていく…。

「…あっ…♥ ご主人様の…胸の中で、ピクン、ピクンッて〜…♥」

腕で胸を挟み込みながら、その中で蠢く塊を感じ、ご満悦のもも。
うっとりとした表情で、埋まっているオチンチンを見つめている。

慈愛に満ちた彼女。満ち過ぎた奉仕。狂うほど。
僕はもう、下半身の感覚がおぼろげになりつつあった。
今だ明瞭なのは、熱と、心地良さだけ。そのふたつは、逆に眩いほど。
ジンジンと身体中に沁みて…まるで僕の身体が、埋まるそれになったかのように…。

「もものオッパイ、気持ちいいですか〜?♥」

上目遣いに、彼女が尋ねる。無邪気に。いじらしく。
僕が必死に首を振ると、ゆったりとした、嬉しそうな声が返ってきた。
それは親に褒められた子供のような、とてもエッチの最中とは思えない声。
彼女にとっては、これでもまだ序の口ということなのだろうか…。

不安に感じる僕をよそに、普段と同じ、鼻歌を歌う彼女。
喘ぐ僕の様子を愉しみながら…ふと、何かを思いついた顔。

「…♥ ご主人様〜…♥」

妖しげな表情と共に、彼女がのっそりと身体を持ち上げる。
それに合わせ、別れを惜しむかのように、オチンチンを一撫でしていくオッパイ。
刺激に、きゃんっ、と鳴いてしまう僕。それを見て、彼女はくすくすと笑った。

オッパイとオチンチンを繋ぐ、愛液のアーチ。次第に崩れ落ちてゆき…。
僕はそれを、ガラス越しの風景を見るように、ぼんやりと眺めていた…。

「私も〜…そろそろ〜…♥」

が、その目はすぐに覚まされる。

彼女は、くるりと振り返ったかと思えば、片足を上げ、
僕の身体を跨いで…お尻を、僕の目の前までもってきたのだ。
白と黒の毛の中に混じる、ピンク色の、濡れそぼったお肉。
ヒクヒクと動いて、愛液を垂らすそれは…ももの、女の子の部分。

目を丸くし、口を、ぽかん…と開けて。
僕は最初、それが何なのか、さっぱり分からなかった。

「…もものお願い、聞いてもらってもいいですか〜…?♥」

お願い…。

「もものアソコ…、ご主人様に、ペロペロしてほしいです〜…♥」

…その言葉に、僕はやっと、目の前にあるものの正体を理解した。

どっ、と噴き出る汗。心臓が、破裂しそうなまでに脈打つ。
呼吸も忘れ、彼女の秘部を喰い入るように見つめる。獣のように。

これが…。これが、ももの……。

「…♥」

フリフリと、雄を誘惑するように動くお尻。
それに逆らえず、僕は…彼女のお尻に、恐る恐る手を添えて…。

震える舌先で………ちょん、と……。

「ひゃんっ♥」

途端、びくりと震えあがる彼女の身体。
驚いて、舌を離す僕。つぅっ…と愛液が糸を引く。

何かまずいことをしてしまったのかと思った僕は、慌てて彼女の顔を見た。
が、そうではなかった。彼女の表情は、今までとは一転していたものの。
それはまるで…さっきまでの僕。快楽に溺れ、刺激に身を震わせていた…。

「ご主人様〜…♥ 今の、もっと〜…♥」

彼女のおねだりに、ハッと我に返って、改めて口を近付ける。

ぴちゃり…と水音を立て、僕の舌を濡らす、彼女の愛液。
しょっぱいような…でも、ほんの少しだけ甘いような、不思議な味。
匂いも独特で、良い例えが思い付かない。彼女だけの味と匂い。

ただ、その蜜の性質は、食虫植物のそれに似ている。
僕の鼻と舌に、ピリピリとした刺激を残して、それに誘発され、
何度も舐めたくなってしまう衝動に駆られる。舐めれば、舐めるほど。
最初こそ、表面の湿りを拭うようにして、遠慮がちに舐めていたのが…
気が付けば…彼女のナカに舌を挿し込んで、内壁の蜜を舐めるまでに。

僕は、口元が唾液と愛液で汚れるのも構わず。
奥深くまで舌を這わせては、執拗なまでに蜜たる愛液を啜った。

「ひぁ…ぁっ♥ やっ…♥ きもちっ…♥ きもちいいですぅ〜っ…♥」

啜っても、啜っても。
啜りきれないほどの愛液が溢れ、僕の身体や、シーツに垂れ落ちていく。

快感に打ち震えながら、エッチな声を洩らすもも。
大きなオッパイをプルプル震わせて。玉粒の汗をこぼして。
一人の女性が、僕の目の前で、淫らな姿を晒している。

「ふぁぁっ…♥ ご主人様っ…♥ ごしゅじんさまぁ〜っ…♥ きゃうっ♥」

…嬉しい。
僕が…、僕が彼女に、快感を与えている。嬉しい。すごく嬉しい。
初めて彼女のためにしてあげられたこと。喜ばせてあげられたこと。

あぁ…、もも、ももっ。
好き…。誰よりも、好き。もっと喜ばせてあげたい。エッチな姿を見せて。
いっぱいペロペロしてあげる。だから、もっと。エッチな言葉も聞かせて。
オチンチンも弄ってほしい。オッパイで、もう一回。オチンチン…。
ももっ。オチンチン、ももに挿れたいっ。交尾したいっ。ももっ、ももっ…!

ももっ…!!

「ひゃんっ!?」

頭から前に倒れ込む彼女。僕が上半身を立てたことで。
そのまま僕は彼女の下から抜け出し、倒れる背中へ覆い被さった。
驚き、振り返るもも。一瞬交差する視線。ほんの僅かな空白。

「ぁ…♥」

…腰を、前へ。
力の限り、ぐいっと押しやった。

「っ!? ご、ご主人様っ! そっちは……ゃっ、ひああぁぁぁぁっ♥♥♥」

にゅるりと…絡み付く肉の感触。

「ぁ…っ♥ ひぁ……ぁっ…♥」

…とうとう…彼女に……。

「っ…ご…、ごしゅじん、さまぁ〜…っ♥ そっちは……おし…♥」

………ぅ…ぁ……っ!

「ぇ…? …きゃひぃんっ!?♥♥♥♥♥ やっ♥ だめっ♥ だめぇぇっ♥」

……………。

…ドクドクと音を立て…尿道をはち切らんばかりに溢れ出る精液。
鉄砲水のように、凄まじい勢いで流れて。痛みさえ感じる射精。
それに伴い、きつく締まり上がる、彼女のナカ。搾り取るように。
その刺激が、更に射精を誘発する。何度となく…萎み切るまで……。

「っふぅ〜っ…♥ っふぅぅ〜っ…♥」

突っ伏し、腕に口を当てて、深い吐息を洩らすもも。
きっと、気持ちよかったのかもしれない。あんなに息を乱して。

よかった…。なんとか、うまくいって…。

「…ごしゅじ…さま……♥」

もも…。ごめんね、すぐに出しちゃって。
次は、僕、もっと頑張るから…。

「そっちは……おしり…、ですぅ〜…♥」

……………。

………え?

「ひゃうんっ♥」

小さくなったオチンチンを引き抜くと…ドロリと、白濁した液が垂れ落ちた。
少し黄みがかっていて、臭いがキツイ。それが、痙攣した彼女の穴から…。

…お尻の穴から、流れ出ていた…。

「はぁっ…♥ はぁ…♥ …ご主人様〜、慌てん坊です〜…♥」

……………。

「…♥ ご主人様〜っ♥」

あっ…。

「気にしないでください〜♥ 気持ちよかったし、大丈夫ですよ〜♥」

……でも……。

「…まだ、できますよね…?♥」

彼女のその一言に、顔を上げる僕。
そこには、ももの…僕の大好きな、ももの笑顔。

彼女は、僕の方に向き直って、励ますように抱き締めながら、
萎んでしまったオチンチンを掴み、クニクニと揉み始めた。
刺激に、ピクリと反応するそれ。優しい指の動きが心地良い。

でも…僕のアソコは、反応はするものの、
ちっとも大きくなりそうな気配がなかった。
あれだけ出してしまったんだ。やっぱり、もう…。

「ご主人様〜、はいっ♥」

と、にこやかに。
彼女は、持ち前の豊かな胸を、僕の口元に差し出した。

…どういうことだろう…。

「私のミルクを飲めば〜、きっと、元気百倍ですよ〜♥」

………ミルク、って…。

ももの……母乳…?

「さ…、ご主人様〜…♥」

…もも、の…ミルク……。

……もものっ…!

「きゃんっ♥」

その意味を理解した途端。

僕の中に、再びエッチな気持ちが湧き上がった。

「ひゃうっ…♥ そ、そんなにがっつかなくても、逃げませんよぉ〜…♥」

がむしゃらになって、彼女の乳首を口に含み、吸い上げる。
すると、ピュッ…と噴き出てくる、温かい液体。ミルクだ。

僕は、一心不乱に彼女のオッパイを吸った。
唇で乳首を押さえ、軽く吸い込むと、飛び出てくるミルク。
甘く噛むと、少しだけ勢い良く。舌で転がすと、もっと勢い良く。
刺激に反応して、彼女の母乳は口いっぱいに溢れてきた。

咽を鳴らし、ゴクゴクと飲み干しては、愛撫して。
敏感に反応する彼女。ミルクの勢いは、更に増してゆく…。

「ふぁっ…♥ あっ…♥ ご主人様…、赤ちゃんみたいです〜…♥」

僕の頭を撫でるもも。赤ん坊をあやすのと同じ。

…彼女のミルクの効果か、気付けば、僕のオチンチンは大きく、硬くなっていた。
お乳から口を離し、彼女の顔を見る。心掻き乱される、淫靡で、可愛い表情…。

「…ご主人様〜…♥」

ころん、と仰向けに寝転がり、ももがオチンチンを手に取る。
誘うように、引き寄せて…。僕はそれに従い、腰を動かす。

「……ココ、です…♥」

…そして、つぷりと…先端があてがわれる。
彼女の秘部。今度こそ間違いない。後は、腰を前に出すだけ。

「…♥」

…もも…。

僕は、やっぱり今回も甘えっぱなしだったと思う。
ごめんね。でも、次は。次こそは、僕がリードしてあげるから。
ももがしてほしいこと、いっぱいしてあげるから。いっぱい…。

「…♥」

ももが好きなこと、見つけてみせるから。やってみせるから。
どれだけできるか分からないけれど。全部してあげたい。
喜んでくれること、どんなことでも、僕はしてあげたい…。

「…ご主人様〜…♥ 早くぅ〜…♥」

もも。愛してる。
世界中の誰よりも。

こんな僕だけれど。
精一杯、キミのことを愛してみせる。

一生…。

「……ぁ…っ♥」

もも…っ!

「ふああぁぁぁっ♥♥♥」

…一気に腰を突き入れ…彼女の最奥を叩く。
結合部から、愛液と共に流れ落ちる、真紅の液体…。

ガクガクと身体を震わせて、僕の身体にしがみつくもも。
僕は彼女の腰を掴み…深呼吸の後、ゆっくりとストロークを開始した。

「ひぁっ…♥ あっ…♥ ご主人様っ…♥ 繋がってる…♥ 繋がってますっ…♥」

消え入りそうな声で、幸せを紡ぎ。カラカラと鳴るカウベル。
僕も、同じ想いを噛み締めながら、徐々に腰の動きを速めていく。

「ふぁぁっ…♥ 好き…っ♥ 好きですっ…♥ ごしゅじんさまぁっ…♥」

彼女のナカは、まるで彼女自身を体現しているかのように。
ふわふわと、僕のモノを優しく包み込んで癒してくれる。
オチンチンを通して、身体中にじんわり広がる、彼女の愛。
先程までの激しさはないものの、心地良さはそれ以上。
病み付きになる刺激。快感。何度と腰を突き入れて、堪能する。

「もっとっ…♥ んっ…♥ もっと突いてくださいっ…♥ あぁっ…♥」

…次第に、彼女の表情が、喜びから別のものへと変わっていく。
僕しか知らない一面。彼女の、何よりもエッチな顔。僕のための表情。
奥を突く度に、いやらしく。仕草も。声も。全て。彼女の全て…。

「そこっ…♥ そこ、きもちっ…♥ ひゃぅっ…♥ ひぁぁっ♥」

欲しい。彼女の全てが、欲しい。全部、僕のものにしたい。
ももの全てを。全部。ぜんぶ。ぜんぶ、ぜんぶ、ぜんぶっ…!

「ごしゅじんさまぁっ♥ あかちゃんっ♥ あかちゃんっ…ほしいですぅっ♥

作ろう。赤ちゃん、作ろう。僕の全部をあげる。
受け取って、もも。それで、赤ちゃんを作ろう。ふたりの赤ちゃん…。

「だしてっ♥ なかっ♥ ごしゅじんさまのぉっ♥ ぜんぶっ♥ ぜんぶぅっ♥」

あかちゃん…。

「ひぁっ♥ あっ♥ あかちゃんっ♥ あっ♥ ごしゅじんさまっ♥ なかっ♥ あぁっ♥」

もも…。

「あっ♥ ひゃっ♥ あっ♥ あっ♥ なかっ♥ あっ♥ ふぁっ♥ あっ♥」

もも…っ!

「あっ♥ あっ♥ ぁ……っ、ふああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っっっ♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥」

っ……っ…ぁ……。

「ふぁっ…ぁぁ〜…っ♥ おく……たねづけ、してますぅ…♥」

「ごしゅじんさまのが…ももを、ニンシンさせようと…っ♥」

………っ……。

「ふぁぁ…ぁ…♥ いっぱいぃ〜…♥」

……………。

「…へにゃ…♥」

……………。

………ねぇ、もも…。

「ふぁい…?♥」

…もう一回…。

「ふぇっ…!?♥」

オチンチン…舐めて…。

ももに、舐めてほしい…。

「っ…♥ ごしゅじんさまぁ〜…っ♥」

もものも、舐めるから…。

そうしたら…もう一回……。

「はいっ…♥ はい〜っ…♥」

もも…。

「ごしゅじんさま〜…♥」

……………

………

12/07/13 01:28更新 / コジコジ
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