連載小説
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もしも、こんな車内販売員がいたら・・・
出張や家族旅行などで利用する新幹線。


その車内では、販売員が商品と共に、各車両を回り、利用客へ販売しています。


と言うわけで、お馴染み悪乗りもしもシリーズ。


3回目は“もしも、こんな車内販売員がいたら・・・”





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〜CASE1〜 バフォメット





「東京まで2時間かぁ、遠いな〜・・・」




ガラガラ・・・ピタッ・・・


(販売員がワゴンを押して、男の横で止まった)




「・・・・・・・・」(じぃ〜〜〜〜っ)



「・・・・・・?」



「・・・・・・・・・!?」(ビクッ!)



「あの〜、何か用ですか?」



「な、何か、買ってくれんかの・・・?」



「あぁ・・・車内販売か〜。・・・何があります?」



「色々、あるのぢゃ。ホレ、見てみるのぢゃ」



「え〜っと、そうだなぁ〜・・・あ、そのリンゴ貰えます?」



「150円なのぢゃ!」



(チャリ〜ン♪男はお金を払った!)



「ありがとうなのぢゃ♪」



(そう言って、販売員はリンゴを手に持った。しかし、何を思ったのか、そのリンゴを“自分で”むしゃむしゃと食べてしまった!)




「モグモグモグ・・・・」



「・・・・・・・・・・・え!?」



「はぁぁ〜♪・・・リンゴ、買って貰っちゃったのぢゃ〜♪」




(そして、何事も無かったかのように、販売員はワゴンを押して去っていった・・・)





「何か買ってくれんかの〜・・・何か、買ってくれんかのぉ〜・・・・」






「・・・・・・だめだ、こりゃ ><;」







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〜CASE2〜 ボブゴブリン




「あぁ〜、何か腹減ったな〜。販売員が来たら、弁当と茶を買うか〜・・・」



ガラガラ・・・


(販売員がワゴンを押してやってきた)





「え〜、“賞味期限の切れた”お弁当、“生ぬるい”お茶、“溶けかけの”アイスはいかがですか〜?」




(ズルッ!男は座席からずり落ちた!)



「あらら〜?どうしたんですか、お客様?」



「どうしたんですか、じゃないよ!!何だよ、今のは!?」



「何って、私、車内販売員ですよ〜?」



「いや、そうじゃなくって、なんてモン売ってんだよアンタは!?」



「え?お弁当と〜、お茶と〜、アイスですよ〜?」



「さっきと言ってた事違うよねッ!?」



「え?い、嫌だなぁ〜、お客様。そんな訳無いじゃないですか〜?」



「・・・まぁ、いいや。ビールは無いの?」



「あ、ビールですか?ありますよ〜?」



「じゃあ、それ頂戴」



「300円で〜す♪」


(チャリーン♪男はお金を払った!)



「それじゃ、いただk『あ、しまった忘れてた!!』」



(ブシャ〜〜〜〜!!)



「ぶふぅ!?」



(ビールが勢いよく缶から噴きだした!!)



「それ〜、さっきジュースと間違えて〜、思いっきり振っちゃったから〜、気を付けてくださいね〜・・・って、もう遅かったみたい、テヘッ♪」








「ゲホッ、ゲホッ・・・・・・・・だめだ、こりゃ ><;」




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〜CASE3〜 ホルスタウロス




「・・・・・・・」


(ぼんやり外を眺める男)



ガラガラ・・・





「失礼いたします。お客様、車内販売でございますが、何かご入用はありませんか?」



「え?あ、あぁ、すみません・・・それじゃあ、お弁当とお茶を下さい」



「560円になります」



(チャリ〜ン♪男はお金を払った!)



「ありがとうございます。・・・ところで、お客様。今日はどちらへ行かれるんですか?」



「これから出張で新宿へ行くんですよ」




「へぇ〜、そうだったんですかぁ〜?大変ですねぇ〜」




「いえいえ、出張なんていつもの事ですから・・・」




「それではまた何かありましたら・・・・って、あ、そうだ♪」



(パン!と両手を鳴らす販売員)



「・・・?どうしました?」



「実は、今日お客様に是非ともお勧めしたいものがあるんですが、いかがいたしましょう?」




「お勧めしたいもの?」




「ええ。疲れも取れる栄養のある飲み物なんですが・・・」





「・・・何ですか?」





「えっと・・・////」



(急に顔が赤くなる販売員)




「・・・・・ミルク・・・です」




「・・・は?」




「で、ですから、ミルクですよ・・・いりますか?」




「あの・・・なんか顔が赤いんですが、どうかしました?」




「い、いえ!何でもないんです!ち、ちょっと車内が暑くって・・・あ、あはは・・・で、どうですか?」




「ん〜、折角だし、貰おうかな?幾らなの?」



「あ、代金はサービスします♪・・・では、少々お待ちくださいね・・・」



(急に後ろ向きで服を脱ぎだし、上半身裸になって男の方に向き直った!)




「さ、さぁ!ど・・・どうぞ!あ、あの・・・セ、セルフサービスなので、ミ・・・ミルクは、お客様で絞ってください・・・あ、ちなみに、飲み放題ですから・・・ね♪////」



(ここにトンデモナイ車内販売員がいた!!)






「・・・・だ、だめだ、こりゃ ><;」




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〜CASE4〜 アカオニ



「ふむふむ・・・」



(新聞を読む男)



ガラガラ・・・



「え〜、おべんとにおちゃ、おさけはいかがれすかぁ〜あっはは〜〜♪・・・ヒック!」



ガシャン!



(販売員はよろめいて、商品を載せたワゴンを座席にぶつけてしまった!)



ガンッ!



「〜〜〜〜〜ッ!?」




(何故か男の頭に“空の一斗缶”が落ちてきた!)




「あれぇ〜?ろうしたんれすかぁ〜?・・・ヒック!」




「いったいなぁ〜もぅ!どうしたんですか?じゃないよ、アンタ!しかも何で酔っ払ってるんだよ!?」




「え〜?わらし、酔ってなんかないれすよ〜?・・・・ヒック!」




「酔ってる人は皆そう言うの!ったく・・・」




「ところで、何かいりませんかぁ〜?・・・ヒック!」




「アンタ、ホントに大丈夫なの?ったくもぅ〜・・・・それじゃ、お酒貰おうかな」




「100円れ〜す」


「あ・・・細かいの無いや。1000円からね」


(チャリ〜ン♪男は1000円渡した!)




「はい、毎度どうも〜。それじゃ、お酒をどうぞ〜♪・・・ヒック!・・・それじゃ〜失礼しますね〜♪」



(そのまま去ろうとする販売員)



「ちょっと待った!」



(販売員の服を掴む)



「ふぇ?・・・なんれすかぁ〜?」



「お釣り、お釣り返してよ!」



「あらら?わらし、返してませんれしたかぁ〜?」



「そうだよ!900円返して貰ってないよ!」



「あれ?でもわらし1000円受け取ったんれすよ?」



「じゃあ、このお酒幾らよ?」



「100円れすよ?」



「じゃあ、おかしいでしょうよ!なんで、高くなってんですか!?・・・アンタ絶対酔ってるでしょ!?



「酔ってませんってば〜!わらし、お医者様に止められてるんれすよ〜」



「じゃあ、なんでお金の計算がでk・・・・・」















(トンネル通過中・・・)

















「・・・るんれすから、わらしは飲んでませんっていうより飲めないんれすよ?」




「とにかくお釣り返して・・・・・って、あ〜〜〜ッ!?」




「な、なんれすか〜?」



「アンタ、飲んだでしょ!コレ!?」



「飲んでないれすよ?」




「さっきより、減ってるんだけど!?というか、蓋も知らないうちに開いてるし!」





「自分で、飲んじゃったんじゃないんれすかぁ〜?」




「いや、だから蓋を開けた覚えが無いんだって!!」




「んもぅ〜、わらしがお客様のお酒、勝手に飲むわけg・・・・・・」














(トンネル通過中・・・)













「とにかくさっさと釣りを・・・・・・って、あ〜〜〜〜〜ッ!?」





「今度は何れすか〜?」




「アンタ、また飲んだでしょ!?」




「だから、わらしお医者様に飲んじゃいけないって言われてるんれすから、飲めないんれすってば〜・・・ヒック!」




「だいぶ減ってるんだけど!?・・・・あ、またトンネルだ」









(しかし、その先にトンネルなど無かった!)







「・・・・ゴク・・・ゴク・・・」




「やっぱり、飲んでるんじゃないよ!?」




「ぷはぁ〜♪・・・・・・あ〜、何だか眠くなってきちゃった〜・・・ヒック!・・・・・オヤスミなさ〜い・・・・・・Zzz・・・・」




(販売員は空いていた席に座ると、すぐに眠り始めてしまうのであった・・・・・・)







「・・・・・・だめだ、こりゃ ><;」




12/09/16 14:21更新 / 四爺麓参
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■作者メッセージ
こんな販売員は・・・流石にいないかな(笑)


リクエスト作品は現在執筆中ですので、もうしばらくお待ちください。

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