アマゾネス中
「さて、これからされることは分かっているな？」

　キリエは顔を伏せたまま反応しない。

　怖くなったわけではない。絶望しているわけでもない。ただ見るのも話すのもお断りだという意思表示だった。

「…無視か…ミリア、蕾をもってこい」

「う？」

　ミリアは引きずるように大きな蕾を持ってきた。乾燥し、茶色になっているそれは枯れているようにしか見えない。

　アッシュは牢屋に結界を張り始める。部屋の角に１つずつ。ペンを取り出して壁にも書き始める。

「尋問なんか気にせずに、まずは楽しむといい」

　ミリアを部屋から出し、環境変化の呪文を唱える。

　牢屋の中は浅い水に浸り、ジャングルのような蒸し暑さになった。

　キリエは持ってきた蕾の変化に驚いた。

　枯れたような色だったのに、みるみる緑色になっていく。水を補給し、膨らんでいく。

「これ…は、なんだ！」

「やっと反応したか。これは触手の森から取ってきた蕾だ。わざわざお前のために取ってきたんだ、存分に楽しめ」

　暴れても鎖が鳴るだけで動けない。

　蕾がゆっくりと開いていく。そこにあるのは花ではなく、真っ赤な内蔵のような触手だ。たちまち牢屋の中は甘い匂いでいっぱいになる。

　―――ｺﾌﾟ、ｺﾌﾟ

　トロトロの粘液が触手を中心に広がっていく。

　甘い匂いを嗅ぐだけで、子宮に甘い痺れが走った。

「く、くるな…やめ」

　大小さまざまな触手がキリエに迫っていく。
　
　ピト

　細い触手が足に絡みつきながら昇ってくる。激しい嫌悪の中にある甘い快感。

「触るなあ！」

　膝、太もも、腰、胸と全身を包み込むようにしてくる。キリエの褐色の肌に興奮の赤みが差してくる。

「っひぐぅ…あ」

「ククク…まだ本格的に愛撫もしていないぞ？　そんなんで持つのか？」

「うるさい！」

　螺旋を描くように乳房に巻き、揉みしだいている。沢山のイボがある太い触手が秘所を擦っていく。

　ｸﾁｭ､ｸﾁｭ､ｸﾁｭ…

　愛撫事態激しいものではない。ただ、甘い匂いと体に散布された媚薬がそれを激しいものだと受け取ってしまう。

「あぁあ、あ」

　ミミズのような触手が耳の穴を犯す。耳元どころか、耳の中で鳴り響く猥らな音が興奮を一層高める。






　―――ﾋﾟﾁｬ､ﾋﾟﾁｬ､ｸﾁｭ

　ゆっくりとした愛撫がひたすら続く。

　食いしばっていたはずの口は半開きになり、早くも涎を垂らしている。

「きっひぃぃぃぃ！」

　腰が跳ね、体が軽く反った。

　達したのを見計らうかのように、腕のように太い触手が秘所にあてられた。

「やえ、てへ」

　腰の位置を調整し、触手を迎え入れる格好になっているのは無意識だろう。眼は脂を落としたように濁り、意識は混濁しているようだった。

「まだまだ序の口だぞ」

「らめなのにぃ、いれひゃらめぇ」

　もはやアッシュの存在を忘れているようだった。

　ｸﾞﾌﾟﾌﾟﾌﾟﾌﾟ

「ひゃあああああああ！」

　勢いよく太い触手が入れられる。すんなりと受け入れ、嬌声を上げる。

　快感が強すぎるのか、ﾋｭｯﾋｭと呼吸困難のような音を喉から出す。バタバタと手足を動かし、痙攣しているようにも見えた。

　ミミスのような細さの触手が束になって肛門を蹂躙し始める。

「おひりぃいい！　やあああ！」

　粘液で濡れているので次々に入り込んでいく。

「く、くるひぃ、くるひいいいい！」

　騒ぐのも無理はない。際限なく入り込んでいくので、まるで妊婦のように腹が膨れているのだ。

「ぐ、ゲエぇ」

　胃の中の物が逆流する。吐かれた汚物の中に触手がある。どうやら直腸から貫通してきたようだった。

　快楽だけでも呼吸困難になっていたのに、触手が喉を通っているせいでほぼ呼吸ができなくなった。

　アッシュは小さく呪文を唱え、触手の動きを抑制する。

「ｯﾋｭ……ｯﾋｭ…」

　口から出ていた触手は胃の中に引っ込み、子宮まで抉っていたモノも動きを止める。

「さて、尋問を開始しよう。お前らの計画、全て語ってもらうぞ」

「ｯﾋｭ…ｯﾋｭ…ｸ、クソ…喰らえ…」

「そうこなくては面白くない」

　予想通りの反応にほくそ笑む。また呪文を唱え、触手の動きを活性化させる。

「あああ！　ひゃうああ！　　…ｹﾞｪ」

　時たま、胃の中の触手が出てくる。呼吸を制限し、苦痛と快楽を交互に与える。1歩間違えれば死んでしまう方法だった。

「ひっぐぅ、ああ、　…ｹﾞｪ　　　っはぁ！　　あはぁああああ！」

　視界が白くなっていく。

　苦しいのか、気持ちいいのかもわからなくなっていく。

「ああ、あ、・・・・・・・・ああああああああああああ！」



　白目をむき、盛大に潮を吹いて気絶してしまった。

「ッチ」

　呪文を唱え、触手を元の蕾に戻す。

　牢屋に入って行き、キリエの頭を掴んで持ち上げる。

　膣も肛門も開きっぱなしになり、触手の粘液の匂いが立ち込めている。

　アッシュは懐から注射器を取り出し、キリエに打った。

「さて、何時間もつかな？　…ｸｸｸ　　おい、ミリア、後始末をしておけ。気が付いたら呼びに来い」

「あい」



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


「…あ？」

　目が覚めると、キリエはベッドに拘束されていた。手足を縛られている。

「…外道め」

　敵にあられもない痴態を見せてしまったことが悔しかった。

「……ンア、な、なんだ？」

　目が覚めたばかりだというのに、股間が濡れている。粗相をしたわけではない。

　体は拭かれている。ということは、寝ている間に濡れてしまったのだろう。

「はぁ、はぁ。　ぁぁぁ」

　―――疼く。

「どうしてだ？」

　モジモジと太ももを擦り合わせるが、そんなことでは抑えようの無い火照りだった。

「どうした？」

「！！！？」

　いつの間にかアッシュが牢屋に入ってきていた。虫を観察するような眼で見つめている。

「火照るんだろう？」

　指先で肩から鎖骨を撫でる。ナメクジが這うようなゆっくりとした速度。

「はあぁんっく、さ、わる、な！」

　胸骨を通り、鳩尾を過ぎ、へその周りを何周もする。

「抗議が止んだな？　触ってほしいんだろう？」

　一番触ってほしい場所を通り過ぎ、太ももに行ってしまう。

　残念そうな顔になったのをアッシュは見逃さない。

「いらない！　触れるな！」

「欲しいというまで、与えんぞ？」

　手のひらで膝を撫でる。全身をマッサージするように、だが、大事なところは一切触らない。それだけでも強い快楽が走り、喘ぎ声を抑えるのに必死になる。

「ど、どうせ犯すんだろう！　犯せ！」

「それが人に物を乞う態度か？」

　耳の裏筋を触られ、ビクビクと反応する。

　キリエの脳裏に、仲間たちの顔が浮かんでは消える。

「抱いても、いい」

「聞こえないな」

　ポロポロと泣き出し、小さく誰かに謝った。

―――ゴメンナサイ


　









「主人主人」

　ワーウルフのカーミルは、地下の掃除を終えたらしく、モップを持っていた。

「なんだ？」

「あのアマゾネスは？　私が見たところなかなか壊れないと思ってたけど？」

「あぁ、正式な依頼だったからな。早く吐かせるために麻薬を使っただけだ」

「うわぁ〜、主人は外道。で、殺しちゃったの？」

「触手の森に捨ててきた」

　カーミルは小さくため息を吐いた。

「私が言うことでもない気がするけど……最低」

「……よく言われるな」

　アッシュは自嘲するように笑い、部屋に戻って行った。

■作者メッセージ
執筆速度が遅くでごめんなさい！

途中でダレてごめんなさい！


いや、触手攻めを目指したものの、自分自身に触手属性がないことが判明。

淫妖蟲とか、姫巫女とか、ジブリールとかを購入してやったんだけどねぇ。

快楽よりも拷問で痛めつけるほうがすｋ…なんでもないです。

次の作品はなるべく早く出します。