連載小説
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救出作戦
 ーーとある山奥・奴隷商人達のアジトーー

「うわぁぁぁぁん!! ウチに帰してよう!」
「助けてお母さーん! お父さーん!」
「そんなに叫んだって誰も来ねぇぜここ。すっげぇ山奥だからさ」

 悪名高き奴隷商人チキンレッグ・カルパス。各国を股にかける人身売買組織を率いて今まで数多くの少年を攫い、男色好きの貴族や金持ちに売り飛ばしたという極悪人である。
 そして、彼の悪名をさらに高めているのは、彼もまた男色家(ガチホモ)で、特に気に入った好みの少年達を売却前に『つまみ食い』するところにあった。

「お前達は今日からここの商品! 近い内に変態どもに売り飛ばされるのさ!」
「嫌だよー! ここから出してよー!」
「うっそだろお前!? バカじゃねぇ! おい! 笑っちゃうぜ!」

 泣き叫ぶ少年達を見て、下卑た笑みを浮かべて哄笑するチキンレッグ。

「そうだな……まずは、まずはおっお前からだ」
「触んないでよおじさん!」
「おじさんだと!? ふざけんじゃねぇよお前! お兄さんだろぉ!?」
「ぎゃあ!!」

 まず味見をしようとチキンレッグは少年の一人に触れるものの、案の定拒絶され激昂。おじさん呼ばわりに怒りを感じたのもあって早速体に鞭をくれてやる。

「従順になるまでやるからな、オイ!」
「うわああああ!」
「痛いよぉぉぉぉ!!」
「やめでえぇぇぇ」
「ぎゃああああああ」
「こんなことぐらいで泣き叫んでんじゃねぇ! お前らは今日からここの商品なんだ!
 例え鞭で叩かれようがお客様の言うことには絶対服従なんだよ! お手って言われたら犬みてぇにお手をするんだよ! 分かったか!!」

 そして連帯責任とばかりに他の少年達も鞭で叩きまくる。

「はぁ……お前らオレのことナメてんだろ?」

 怒りのままに少年達に鞭を振るったチキンレッグだが、やがて何か思いついたのか狂気の笑み(マジキチスマイル)を浮かべる。

「売り飛ばす前に、お前らにお仕置きしてやるからなぁ?」

 鞭で叩かれ、恐怖に怯えていた少年達の顔がさらに青ざめた。





 それからは目を覆うような凄惨な光景が繰り広げられた。

「ヴォエ!!」
「ほら、オレの靴嗅がせてやるよ。すっげぇクセェだろオラァ〜〜」
「やめでぇよぉぉおお」
「おぉ〜、何かソフトクリームみてぇじゃん!」
「ひっく、ぐす………見ないでぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「お前マジシャンみてぇだな!」
「ギャッ!」
「暴れると痛いぞ〜」
「あっつ!」
「悪いなぁ〜。熱かったかぁ? 火傷するところだったなぁ」
「おぼっ、溺れるっ!」
「自分から入ってくのか……(困惑)」

 チキンレッグは己の歪んだ自尊心と性欲を満たすべく、裸の少年達に思い思いの方法で虐待を加える。そうして、その惨劇は彼が飽きるまで続くかと思われた。

「さ〜て、ではそろそろお前らの初物ショタケツマンコに、オレの極太カルパスをごちそうしてやるよ!」
「グワッ(ウルトラマン風)」
「なっ何だぁ!?」

 だが、そこで地下室の扉が蹴破られた。

「そこまでだ!」

 数々の陵辱・変態行為により鼻が曲がりそうな異臭の満ちた地下室に突如カチこんできた女。見れば、扉の前では手下達が倒れている。

「な、なにも、何者だテメェ!」
「魔王軍だ! チキンレッグ・カルパス! お前達を人身売買その他諸々の罪で逮捕する!」

 女は容姿こそ整った、スタイルの良い美女だが、確かに人間ではない。ボロ布のような服は胸部と臀部しか覆っていないという露出度の高い服装に目が行きがちだが、耳は長く、そして尖り、背骨のように小さな骨が連なって構成された赤い尻尾を生やしている。ウェーブがかった腰まである銀髪に隠れているが腰からは翼も生え、入れ墨か全身に独特の紋様が刻まれている。
 しかし、チキンレッグはお楽しみ寸前で襲撃されたので彼女の容姿に感心する余裕はない。素っ裸で臨戦態勢(フルボッキ)であったところを慌ててパンツを履き、再び鞭を握るのが精一杯だった。

「なっなんで魔王軍に逮捕され、されなきゃな、なんねぇんだ!」
「そんなこと言っても本当は分かっているのだろう? だが抵抗はしない方がいい。そんなヒョロヒョロの下半身では私に勝てない」
「テメェよくも人が気にしてることを!! 死ぬ寸前まで痛めつけてやるからな〜〜!!」

 女に自分のコンプレックスであるアンバランスな体型を指摘され、チキンレッグはさらに激昂。ついに鞭を持って女に襲いかかる。

「愚かな…」

 そんな体型では、年端も行かぬ少年は痛めつけられても、歴戦の魔王軍の戦士と戦えるはずもない。
 所詮は素人、振るった鞭は女の持っていたクォータースタッフに絡め取られて奪われる。あっさり丸腰となり恐怖を感じたチキンレッグは少年達を見捨てて部屋の奥の窓から逃げようと背を向けた。

「ふんっ!」
「ア゛ッー!!!!」

 逃げるチキンレッグの背後から女はスタッフを投げつけるが、なんと奴隷商人のパンツを貫通。そのまま肛門に綺麗に突き刺さり、野獣のような甲高く汚い絶叫を上げて倒れてしまう。

「なんだお前。バリタチだって聞いてたのにガバガバじゃないか」
「オォン! アォン!」

 チキンレッグは悶絶してはいるが、それでも想像以上にすんなり棒を呑み込んだのを見て女は嘲笑を浮かべる。

「【螺旋棒】!!」

 そしてドS丸出しに笑いながら、とどめとばかりに女が両手で独特の印を結ぶと、魔力が迸る。

「ああああああああああああああああイグウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ」

 すると、アナルに突き刺さったスタッフが高速で振動・回転し始め、激痛と相反する快感により絶頂。クソきったない嬌声がこだまする。

「堕ちたな…」

 そう確信し、女は奴隷商人が汚らしく絶頂し崩れ落ちるのを感慨深そうに眺めたのだった。
 こうして、魔王軍の一隊による突入の末、奴隷商人チキンレッグ・カルパス一味は逮捕され、誘拐されていた少年達は全て解放された。首領であるチキンレッグも隊長であるアマゾネスのヒナ・シードによって成敗されたのである。











「うわああああああん!!!!」
「ごわかったよぉぉぉぉ!!!!」
「おう、よしよし。もう大丈夫だからな」

 奴隷商人と手下達が魔王軍によって連行された後、解放された少年達は泣きながらヒナに抱きつき、わんわん泣いた。

「ぐすっ、ひっく」
「ほらほら、男の子がそんなに泣くな」

 泣き止まぬ少年の一人に穏やかに微笑み、涙をハンカチで拭ってやる。先ほどのアマゾネスらしい苛烈な一面とは全く異なる、とても慈愛に満ちた姿だった。

「隊長、終わりました!」
「奴らは全員縛って荷車に乗せました!」
「おう、そうか。それといいところに来てくれたな、この子達の着替えを手伝ってやってくれないか」
「はい」

 そこへ、下手人達の捕縛を終えた魔物娘達がぞろぞろ地下室に入ってきた。角や翼の生えた者、あるいは獣のような下肢を持つ者など、反魔物領から攫われてきた彼等には初めて見る者達。しかし彼女等は皆とても美しく、そして彼等を虐げた最低の下衆どもと違い、穏やかで友好的な印象を受けた。

「はーい、バンザイしてね」
「ひどいわ……こんなに叩くなんて」
「もう怖い人はいないよ。安心してね」

 魔物娘達は少年達の汚れた体を濡れタオルで拭いてやり、それぞれに見合った下着と服を着させてやった。
 チキンレッグの虐待という名のSMプレイは性交を好む淫乱な魔物娘から見ても常軌を逸していた。鞭で叩かれただけでなく、火のついた蝋燭、リコーダー、ウナギ、さらにはローションを塗ったカラーコーンまで肛門にぶちこもうとするなど、SMに耐性のない者からすれば地獄そのもののプレイを強要されたのである。深刻なトラウマ及び裂肛になる前に救い出せたのはまさに幸運であろう。

「皆着替え終わったな」
「はい隊長。さぁ皆、さっさとこんな所から出ましょうね」

 ヒナと魔物娘達は子ども達と手を繋ぎながら、この建物から連れ出したのだった。





「スースー」
「ママ……パパ……」
「お尻に………ウナギを入れ……ないでぇ………」

 逮捕した奴隷商人達及び救い出された子ども達はそれぞれ、ヒナ達が用意した魔王軍の大型馬車に乗せられた。もっとも、馬車といっても牽くのはゾウ並に大きい魔界豚であり、それだけに馬車も数十人が乗ることの出来るかなり巨大で頑丈なものであった。
 物々しい姿に子ども達は初めこそ怯えたものの、馬車が走り出した後は虐待のショックと疲れから皆すぐに中で眠ってしまった。その様は微笑ましいが、中には悲しい寝言を漏らす子もいた。

「………………」
「うふふ」
「えへへ」

 そして、同乗した魔物娘達はそんな彼等を眺めていたが、先ほどと違い不穏な雰囲気を見せていた。そう、まるで目の前に置かれた美味そうな肉を見つめる肉食獣のような、そんな危うさがあった。

「ここらが魔界だったらポータルが使えたんだがなぁ」
「仕方ありませんよ隊長。まぁ、子ども達の可愛い寝顔が見れるからいいじゃないですか」

 馬車の前面で御者の部下の隣に座るヒナ。魔王軍の勢力圏ではポータルで一気に移動出来るため、それを考えると正直馬車での移動は時間がかかるし不便である。

「そうだな。この後が愉しみだ……♥」
「隊長、顔がにやけてますよ♥」

 しかし、その苦労が吹き飛ぶ“お愉しみ”がこの後待っている。

「でも、誰かに取られちゃうかもしれませんよ?」
「そんな事はさせない。あの子は私のものだ。誰にも渡さんよ」
「ということは、競りにかけないんですね?」
「当たり前だ。あの子はか弱すぎる。だから私が生涯をかけて守り、そして愛を育むべき男なんだ。
 断じて誰にも渡さん。男でも女でも、“変態ども”には絶対にな」

 ヒナは御者に対し、神妙な顔で語る。

「も〜〜、その変態達は良いお客さんなんですからね」
「分かってる。しかし魔物娘なのだから、気に入った男はその辺で見つければよかろうに」
「少年趣味の魔物娘は相手を見つけるのが案外難しかったりするんですよ。隊長だって今日初めてお眼鏡にかなう子を見つけたんでしょ?」
「うっ…まぁな」
「羨ましいなぁ。私はまだなんですよ」
「なぁに、お前は少年趣味じゃないんだろ? だったら、そこまで難しくないさ」

 隊長と御者はそんな風に楽しくお喋りしていたが、中では飢えた魔物娘達が理性と本能の狭間で苦しみながら、皆淫らに自慰をしていた。無垢なる子ども達はそんな目の前の痴態も、まだ自分達に待ち受ける運命も知らず、馬車に揺られ心地良く眠り続けている。





「そろそろ着きそうですね」
「ああ。顧客達もお待ちかねのようだな」
「……あの子達は良い女(ひと)に巡り会えるでしょうか?」
「案ずるな。魔物娘が男を選ぶ目に間違いはない。生涯睦まじく暮らせる最高の伴侶となれるはずだ」

 ヒナの馬車がやがて辿り着いたのは、かなり大きな建物だった。それこそ数百人もの人数を収容出来そうなほどに大きく、王侯貴族が建てたとしか思えないほどの規模だ。

「ここはどこ?」
「楽しい所よ」
「えっ、ほんとう!?」
「えぇ、私達はあいつらと違って嘘はつかないわ♥」

 そう子ども達に説明する女の顔はどこか興奮を隠しきれない、妙に艶っぽい顔であった。
20/11/10 17:57更新 / フルメタル・ミサイル
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■作者メッセージ
登場人物紹介

・チキンレッグ・カルパス(♂、年齢不詳)

 悪名高き奴隷商人で、反魔物領で暗躍する人身売買組織の首領。この度魔王軍の手入れをくらって組織は壊滅、商品であった子ども達は救出され、逮捕された彼と手下達の身柄は王魔界の留置場に送られた。
 ロン毛の中年男性で男色家(ガチホモ)、全身に多数の傷がある。しかしそれは戦闘による負傷や誘拐児の抵抗によるものでなく、単にドMだから(ピアスやSMプレイによるものらしい)。滑舌が悪くよく言葉を噛む上、年齢を気にしているのかお兄さんと呼ばないと怒る。また体を鍛えてはいるが、上半身はムキムキなのに下半身は並以下というアンバランスな体型。
 捕らえたヒナ曰く「バリタチという噂だったが、実際はガバガバアナル」。

・ヒナ・シード(♀、24歳)

 魔王軍所属のアマゾネス。魔物娘の中でも特に男を守るべきとして扱うアマゾネスらしい性格と見た目で、庇護欲が強いが、心の根底にはドSな攻撃性を抱えている。ショタコンかつ面食いでもあり、そんな彼女が(好みでない)チキンレッグの少年達への変態行為を見て怒るのは当然のことで、クォータースタッフによる制裁を加えた。

・子ども達

 全員男児であり、ヒナ達が確認したところ12〜14歳ぐらいとのこと。出自は様々で天涯孤独の孤児、貧困から両親に口減らしで売り飛ばされた者の他、中には割と裕福な家庭の子が誘拐された場合もあった。
 顧客達の趣味なのか、華奢で中性的、そしてわりと美形の者が揃えられていた。あるいは、チキンレッグがそういう趣味なのかもしれない。

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