連載小説
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ピクシー救済作戦1
私には好きな人がいる。
この森で狩人をやっているロディンだ。
弓の名手で、ケンタウルスやエルフの手練にも引けを取らない腕だろう。
そんなロディンと私は幼馴染で、幼いころは良くふたりで冒険ごっこをしたものだ。
あるとき、冒険ごっこをしているときに私が大きなマムシに襲われたことがあった。
そのとき彼は太い棒切れでマムシの頭を叩き潰して私を助けてくれた。
しかし代わりに彼が噛まれてしまった。
すぐに村の人の助けを借りることができて何とかなったが、あの時はどうなることかと思ったものだ。
そのときから私の中でロディンは特別な人となった。
近づいて攻撃しなくてもいいように、と弓の練習を始め、血のにじむような努力をしているところも見てきた。
初めて狩に出たときも、初めて兎を仕留めたときも、初めて鹿を仕留めたときも、初めて暴れ猪を仕留めたときも、みんな見ていた。
そう、私はずっとあなたのそばで、ずっとあなたを見ていた・・・
なのに・・・なのに!
どうして森のフェアリーや街のリャナンシーやインプとかとも仲良くするのよっ!?
どうして・・・どうして・・・?
私だってあいつらと同じ妖精よ?
それとも・・・私に飽きたの?
そんなことないわよね・・・だって、あいつらだってロリじゃん。
同じロリでも、魅力では負けはしないわ。
そして、ぜったい、あいつらなんかよりあなたを知っているわ。
なぜ・・・なぜなの・・・なぜなのよっ!!??


そうよ・・・あいつらがいるからいけないんだわ・・・
あいつらなんか消えてしまえばいいんだ・・・
ロディンが私しか見ないように、キャラが被らないように・・・



「すと〜〜っぷ!! だからって殺しちゃだめだよ!」
出刃包丁を逆手に持っているピクシーに男がタックルで組み付いて止める。
「む〜・・・! せっかく他のキャラと差をつけるいいチャンスだと思っていたのに〜!」
「だからってヤンデレ系に走るのはともかく、殺しちゃダメ! ってか、せっかくいい感じにヤンデレに仕上がっていたのに、最後本音出ちゃったし・・・」
「・・・てへっw」
「そこで可愛い子ぶったってダメです」
「え〜〜ん! あんたに何か私の気持ちなんか分かるものか〜! こうなったら豆腐の角に頭をぶつけて死んでやる〜!」
「あ〜もう! 泣くな! 喚くな! 死ぬな! キャラが被っていて辛い気持ちも分かる!」
「ハッキリ言わないでよ! ってか、同情しているの?」
「同情・・・う〜ん・・・」
「同情するなら精をくれ!」
「おい、結局そんな方向に持っていくのか!? ちょ・・・やめ・・・アッーーー!」
10/09/26 00:25更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)
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■作者メッセージ
ククク・・・時代はヤンデレよ!
そんなわけでキャラが被って不憫なピクシーちゃんをヤンデレで差をつけてみた・・・失敗した。
リアルに、わざとだよ? グハッ←ピクシーに雷を食らいました
なんて言ったってココはギャグの短編集だし・・・
ちなみに現在ウンディーネでヤンデレっぽいシリアスな話も書いております。

さて、ピクシー救済作戦1とタイトルをつけましたが、次回は2に行ってみます。
効果的かどうかはともかく・・・一つばかり案があります。

てか、最後のピクシーのセリフ・・・元ネタは15年以上も前になるのか・・・(汗)

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