読切小説
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龍さんとショタがちゅっちゅするお話
 
 ―誰だって最初の一歩を踏み出すのは勇気がいるものだと思います。
 
 その先に目的の物が待っているのか、或いは踏み出した先に本当に地面があるのか。踏み出した瞬間、そのまま奈落へと転落していくのではないか。進んだとしても目的の物を得られないのではないか。そんな不安は誰しも頭をよぎるものでしょう。
 
 ―それは魔物娘も人間も変わりません。
 
 魔物娘をまるで超常現象の塊のように口にする人もいます。この辺りでは魔物娘は神として崇められている事も少なくないので、それも仕方がないのでしょう。しかし…魔物娘だって肉を持ち、血を流す生き物です。人と同じように迷うし、苦悩と向き合う事だって少なくはありません。少なくとも私――龍と呼ばれる種族であり、つい数年前に水神として迎え入れられた桜燐という魔物娘にとってそれはとても身近なものでありました。
 
 ―だって…ここ最近はとても酷い日照りが続いていて……。
 
 数十年に一度あるかないかとも言われる長い日照りが続いているのです。もう二ヶ月近くの間、雨が降った所を見たことがありません。普段から水を貯めておく溜池や井戸も残り少なくなり、村人の大事な畑にはひび割れが走っていました。このままでは不作どころか収穫出来るかさえ危うい状態です。
 
 ―そして私には天候を操る力があるのです。
 
 ほんの一時…いえ、一日くらいであれば私は私を水神様と呼んでくれる方々に雨を呼び込む事が出来るでしょう。しかし、天候を操り続けるのは龍である私にとっても負担が大きいのです。一日も雨を呼び込めば、魔力不足で倒れてしまうでしょう。
 
 ―それでも行おうとする私を村人の方々は止めて…。
 
 準備をするからもう少しだけ待ってくれと頭を下げる彼らの要望を私は受け入れました。私だって魔力を枯渇させて動けなくなるのは本意ではありません。魔力を供給してくれる殿方――まぁ、その…魔物娘であるだけにそういう事で…い、一般的には旦那様と言える関係になるのですが……――さえ居れば、ほぼ永続的に天候を操作出来るだけに彼らの準備を待つ方が正しいと思ったのです。
 
 ―…けれど、それから既に一ヶ月が経っても音沙汰がまったくなくて……。
 
 盆地のように周囲を山で囲まれた小さな村。その一際大きな山の中腹に私が暮らす神社がありました。そこには未だに多くの人々が参拝してくれてます。しかし、それらの人々に準備のことを尋ねても曖昧に笑うだけではっきりとした答えを出してはくれません。まるで私に言えない何かがあるように彼らはそそくさと帰っていくのでした。
 
 ―…やっぱり新任の水神なんて信頼がないのかしら…。
 
 私がこの村に水神として受け入れられてからはや数年。しかし、それは神としてはまだまだ若輩な年月に過ぎません。神として豊作や水源の発掘など出来る限りの手助けはしてきましたが、村人たちとの信頼関係が築く事が出来ていなかったのでしょう。そうでなければ、あんなに言いにくそうに…しかも逃げるように神社から去って行かないはずです。
 
 ―…それとも…私が醜い所為なのですかね……。
 
 私も魔物娘の一種に属するだけあって、そこそこの容姿である自信はあります。しかし、同じ魔物娘の中で飛び抜けていると思えるほど美しいかと言われれば否としか言いようがありません。いえ、容姿がどれだけ優れていても私の下半身は人のものとは違い、緑の鱗に覆われた蛇身です。その腕もまた人とは不釣り合いなゴツゴツとした化物のものでした。見るからに硬く、抱き心地が悪そうなそれらはこの辺りに広く生息している稲荷さんたちと比べるべくもありません。
 
 ―…こんなんじゃ…私とつがいになってくれる殿方なんていませんよね…。
 
 「ふぅ……」
 
 ついつい後ろ向きになってしまう思考を中断して私は木造の本殿の中で魔力の結晶体たる玉を撫でました。通気性を重視して作られたこの建物はとてもしっかりしていて、夏の日照りの下でもとても過ごしやすい環境です。私を迎え入れる為に急遽、作られたのでこじんまりとしていますが、私一人が生活する分にはまったく問題はありません。
 
 ―そこの掃除ももう終わってしまいましたし……。
 
 小さな村の中にポツンとあるこの神社には宮司さんはいません。自然、この神社の掃除や衣服の洗濯、料理などは私一人でしなければいけないのです。勿論、一ヶ月に一回は村の人たちが掃除をしに来てくれますが、畑仕事で忙しい人々の手を必要以上に煩わせる訳にはいきません。常日頃から私をお参りし、畑で採れた野菜や川魚などを差し入れしてくださっているだけで十分過ぎるのです。
 
 ―そんな人達に…恩返しをしたいんですが…。
 
 水神様と崇められているにも関わらず、大した手助けが出来ない私を村の方々はこんなにも慕ってくれているのです。その恩を少しでも返したいと思うのは当然のことでしょう。しかし、その唯一の手法は村の人々に止められてしまっているのです。雁字搦めにも似たその状況に私は再びため息を吐きました。
 
 ―カサカサ
 
 「…ん?」
 
 そこまで考えた瞬間、外で微かな物音が聞こえてきました。どうやら誰かが拝殿を超えて、私の住居である本殿にまで足を踏み込んだようです。しかし、外はまだまだ日中。人々は畑仕事に忙しいはずです。それなのに一体、誰がここに足を踏み入れようとしているのか。少し気になった私は蛇腹を立ち上げ、するするとうねるように床を移動するのです。
 
 ―そのまま本殿の扉を開けば、私の目を夏の日差しが焼いて…。
 
 暗い本殿の中から強すぎる天の恵みに私の目は反射的に細くなります。化物のような大きな手も目を日差しから守ろうとそっと上に上がりました。そうして保護された私の瞳がこちらへと足を進める初老の殿方の姿を捉えます。他の村人とは違う藤色に染められた衣服を纏うその殿方は私にとってはとても身近なもので…――
 
 「村長さん」
 「おぉ、これは桜燐様」
 
 名前を呼びながら十段近い階段をスルスルと降りる私に向かって、白ひげを蓄えた村長さんがすっと頭を下げられました。とても丁寧なそれにまだ水神として崇められる事に慣れていない私は困ってしまいます。神様らしく振る舞えば良いのか、それとももっと気安くして欲しいと言えば良いのか。結局、今回も答えが出ないまま、私は曖昧な笑みを浮かべて彼に近づきました。
 
 「いやぁ、今日も暑いですなぁ」
 「そうですね。少しは収まってくれれば良いのですけれど…」
 
 しかし、それが無理なのも私は理解していました。この日照りは恐らくまだまだ続くでしょう。それに確固たる根拠がある訳ではありません。強いて言えば…水神としての勘です。しかし、天気に限って龍の勘は馬鹿にはならず、私は一度だってそれを外した事がないのでした。
 
 「それで…その…この天気を収める為に雨乞いをしたいのですが…目処の方は…」
 
 そのまま世間話を続けるでもなく、私はにそう踏み込みました。それも仕方のない事でしょう。だって、この殿方こそが天候を一人で操ろうとする私を止め、準備が出来るまで待って欲しいと言った方なのですから。その村長さんがこうして私の社にまでわざわざ出向いたという事は…準備が出来たと考えるのが自然でしょう。
 
 「えぇ。ようやく立ちましたよ」
 「ほ、本当ですか!?」
 
 薄く皺が刻まれた顔を笑顔に変えた村長さんの言葉に私ははしたなく大声をあげてしまいます。その醜態に気づいた私は顔を赤く染め、思わず顔を俯かせてしまいました。ですが、それだけ私はその言葉を待ち望んでいたのです。ようやく水神としての責務を果たせ、私を崇める人々に恩返しが出来るのですから当然でしょう。
 
 ―でも……。
 
 「でも…どうしてここまで先延ばしになっていたのですか…?」
 
 雨乞いの儀式はこの日照りの中では必要不可欠なものです。本来であればもっと迅速に行うべきだったでしょう。畑がひび割れるほどの水不足は既に収穫物にも多大な影響を与えているはずなのですから。今から雨を降らした所で今年の収穫量がガクッと減ってしまうのはきっと避けられません。それなのにどうしてここまで準備を先延ばしにしたのか。それを聞かない事には安心出来ません。
 
 ―もし…もし、私とつがうのが嫌だと言う方がばかりだったのであれば…。
 
 私は私の相手をしてくれる方にとても酷い事をしてしまう事になるのです。それは一生をかけて償わなければいけません。私の全てを持ってして、その方を幸せにしてあげなければいけないのです。勿論、それ以外の理由であっても、私が旦那様を幸せにするのは変わりません。変わりませんが…それを知っているかいないかでは心構えはやっぱり違うのです。
 
 「それが…ですね」
 「……」
 
 私の問いに村長さんは答えづらそうに視線を背けました。今までハキハキと答えてくれていた彼の様子に私は自分の疑惑が確信に変わっていくのを感じます。やっぱりこんな化物みたいな女と誰もつがおうとは思わないのだと自虐的な言葉が胸中に浮かび、私の顔が再び俯いていくのでした。
 
 「その…男がおらんかったのです」
 「え?」
 
 その瞬間、私の耳に届いた言葉に私は反射的に顔を上げ、そう聞き返してしまいました。それも当然でしょう。だって、拝殿へと参拝してくれる村人の中には殿方も数多くいたのです。たまに空から村の様子を眺めている時にも畑仕事に精を出す殿方の姿を見て取れました。その詳しい人数は私にはちょっと分かりませんが、いないという訳ではないはずです。
 
 「より正確に言えば…未婚で精通している男子がおらんかったのですよ」
 「あー……」
 
 ―…そう言えば…。
 
 思い返せば拝殿へと足を運ぶ殿方は全て隣に魔物娘を伴っていました。畑仕事に精を出す殿方の傍にも必ず魔物娘の姿があったのです。当時は微笑ましいとしか思っていませんでしたが、アレは一種の警戒心の表れだったのでしょう。村の青年全てが既に魔物娘と結婚しているのであれば、残りの魔物娘はそこに何とか喰い込むしかありません。そうやって隙あらば誘惑しようとする同族を警戒する為に彼女らは夫の傍から滅多に離れようとしなかったのでしょう。
 
 ―そしてそんな彼女たちがいるのに私とつがいになろうとしてくれる殿方などいるはずもなく…。
 
 可愛く、美しく、淫らで…何より嫉妬深い魔物娘と婚姻を結んでいるのに他に目移りする殿方などいるはずがありません。結果、私の要望を簡単に受け入れられるはずはなく、理由が理由だけに私の疑問にも答えられなかったのでしょう。
 
 ―…なんだ…嫌われていた訳じゃなかったんですね…。
 
 蓋を開けてみれば至極簡単で当然な理由。しかし、悶々と思い悩んでいた私にとってそれは意識の外からやってきたにも近いものでした。ですが、今までの経験と人々の反応から考えてもそれは嘘や誤魔化しであるとは思えません。そして、疑惑が収まり、胸の内がスッキリするのを感じるのです。
 
 ―でも、その瞬間、私の胸に新しい疑惑が芽生えて…。
 
 「…あれ?でも、それじゃあ…どうして準備が出来たんですか?」
 
 話を聞いている限り、村の青年は全て売約済みであるのです。彼らの間で立候補者が出ない以上、八方塞がりも良い所でしょう。それなのに村長は私に待ったを掛けて押し留めていたのです。村全体の責任を背負う彼が私を止めたのは、何とか出来る算段があったからでしょう。ですが、こうして話を聞いている限り、その算段が立てられるとは到底、思えなくて……――
 
 「ま、まさか無理矢理、夫婦を引き剥がしたりとか…」
 「幾ら生死が賭かっているとは言え、そんな非道な真似はしませんよ」
 
 私の失礼な言葉に村長は心外そうに首を振って否定します。それに私は安堵の感情を感じました。こうして私を迎え入れてくださった方々を疑いたくはありませんが、人間というのは時として恐ろしいくらいに非道になれる生き物なのです。それなりに長い間、生きてきた龍としてそんな人間の姿を少なからず見ているだけに、嫌な疑惑というのがすぐに芽生えてしまうのでした。
 
 「ごめんなさい…」
 「いえいえ、寧ろそうやって気にされるような優しい桜燐様を水神様として迎え入れられて光栄だと思いますよ」
 
 頭を下げた私に許しの言葉をくれる村長さんの声には不愉快そうなものは一切ありませんでした。きっと本心からそう言ってくださっているのでしょう。それに胸をなで下ろしながら顔をあげれば、何時もどおりの穏やかな彼の顔が目に入りました。
 
 「それより桜燐様へと婿入りする男を紹介したいのですが、宜しいですかな?」
 「え、えぇ!?も、もうですか!?」
 「そりゃそうですとも。紹介までが私の目的ですし」
 
 にこやかな村長さんの言葉は私の耳には殆ど入って来ませんでした。だって、これからずっと共に過ごす殿方との初めての邂逅なのです。服装に乱れはないか、寝癖はないか、鱗はちゃんとツヤツヤとしているか、角はピンと立っているか。それらを確認だけで頭の中が一杯だったのでした。
 
 ―う、うん。よし。大丈夫…なはず…です。
 
 流石に鏡まではないので自信はありませんが、自分の手でちゃんと確認した中では特に問題らしいものは見つかりませんでした。顔もちゃんと毎朝、水で綺麗にしているので涎の跡などはないはずです。本当はそれを確認するために鏡を見に走るべきなのでしょうが、それ以上に早く私の旦那様になる殿方と会いたい気持ちが強かったのでした。
 
 「も、もう大丈夫です」
 「では…おーい!もう良いぞー!」
 
 作務衣のような紺碧の衣服をピッと伸ばして皺を消しながら、私はそう村長さんに返しました。そんな私に彼は微笑ましいものを見るような笑みを向けながら、大声をあげるのです。きっと拝殿の方で私の旦那様――になる予定の殿方――を待たせていたのでしょう。村長さんの声が神社の中へと響き渡った瞬間、こっちへと近づいてくる足音が聞こえてくるのでした。
 
 ―それは何処か硬くて……。
 
 人間よりも幾らか優れている私の聴覚はその足音が硬く、緊張している事までを捉えました。その音を聞いているだけで私の身体も硬くなり、そわそわと落ち着かない気分になってしまいます。しかし、それは決して悪い気分ではありません。そうやって落ち着かない妙な心地も未来の旦那様を待っていると思えば、ドキドキへと変わってしまうのですから。
 
 ―そんな私の視界にそっと黒色の髪が入り込んできました。
 
 「え…?」
 
 黒曜石のように艶のあるその髪は短く切りこまれていました。動き回る時に邪魔にならない程度に切り揃えられたその髪が夏の日差しの下で薄く輝いているようにも思えるのです。まるで若芽のように若さを輝かせているようなその黒髪の下ではクリっとした可愛らしい瞳があるのでした。漆塗の上等な茶碗のような黒い瞳には緊張がはっきりと浮かんでいるのです。
 
 ―それらは私にとっては見覚えのあるものでした。
 
 つい数ヶ月前まで毎日、眺めていた輝き。他の誰よりも熱心にこの神社を訪れてくれるその殿方を私もまた憎からず思っていました。いえ、もっとはっきりと愛していると言っても良いのかもしれません。…ですが、それはその…そういう方向のものではなくて…――
 
 「ほら、権助。挨拶をしなさい」
 「こ、こここ…こんにちは!!ほ、本日はお日柄も良く…」
 「こんにちは。そんなに焦らなくて良いですよ。何時もどおりで結構です」
 
 肩が水平になるくらいに強張らせて、緊張の声をあげるその姿に私の緊張が解れます。いえ、それは寧ろ、一種の意地のようなものだったのかもしれません。この人の前でだけは醜態を見せたくはない。そんな意地が私の緊張を押しつぶし、すり潰したのです。
 
 「…それで…村長さん」
 「はい」
 「……本気ですか?」
 「も、勿論、本気です!!!」
 
 私の問いに答えたのは村長さんの隣に立った殿方でした。ぎゅっと握りしめた拳を解くことなく、必要以上に胸を張るその姿は彼と同年代であれば頼もしいと思えるものなのかもしれません。しかし、私にはその姿が何処か痛ましいようにしか思えなかったのです。それは決して彼に何か落ち度があるなんて事ではありません。ただ…その…私達の間には絶望的な差があって……――
 
 「…権助君は今年何歳になるんでしたっけ?」
 「じゅ、十歳になります!!」
 
 ―…ですよねー…。
 
 この前、拝殿の方でお誕生日を祝ったばかりの権助君の年齢を私が間違えるはずがありません。彼はまごうことなきピチピチの十代なのです。寧ろ私からすれば生まれたてピチピチなのです。世が世であれば犯罪であると後ろ指さされかねないその年齢差は私の倫理観と理性をズキズキと刺激し、頭を抱えたくなってしまうのでした。
 
 「……村長さああああああああん!!!」
 「何か用ですかな?」
 「これって良いんですか?い、いや、良くないですよね!?明らかに問題ありますよね!?」
 「桜燐様は…お、俺じゃ不満ですか…?」
 「あっあぁぁぁっ!ち、違うの!そうじゃ…そうじゃなくってね!!」
 
 私の迂闊な言葉に権助君の肩がそっと落ち、緊張した顔に暗い影が差し込みました。十歳と言えば多感な年齢に片足を突っ込んだくらいの年齢です。そんな彼がこうして私の旦那様候補として紹介されるまでには様々な葛藤があったのでしょう。それを無視して狼狽えてしまった自分に私は少なくない自己嫌悪を感じるのでした。
 
 「つい昨夜、精通を確認しました。問題はありますまい」
 「そういう問題じゃありませんよ!!」
 
 確かにそれは重要です。と言うか私にとって最重要課題であると言っても過言ではないでしょう。しかし、世の中にはそのような理屈だけでどうこうなるものではないのです。それよりももっとこう重要で不可欠な倫理的な問題と言うのがあって……っ!!
 
 「幾ら何でも権助君は若すぎますよ!雨乞いの儀式で何をするか村長さんもご存知でしょう!?」
 「無論ですとも。無論、権助にも伝えてあります」
 「う…ご、権助君にまで伝えたその是非はとりあえずさておくとして…」
 
 私が天候を操っている間、ずっと私と交わり続けなければいけないという儀式。その内容をまだ十歳になったばかりの彼に教える不道徳さを糾弾したくはありますが、それよりも先にしなければいけない事があるのです。私の為ではなく、権助君の為にもそれは譲る訳にはいきません。
 
 「雨乞いの過酷さは分かっているのであれば、彼に負担が大きすぎるのも理解出来るでしょう!?」
 「桜燐様。僭越ながら一つだけ申させてもらえれば…男が男になるのに年齢などあまり関係はありませんよ」
 
 ―私の言葉に村長は飄々として返しました。
 
 殿方としてこの村で一番、経験を積まれてきた村長さんがそう言うのであればそうなのかもしれません。ですが、問題はそこではないのです。彼の小さな身体では雨乞いの儀式による負担に耐え切れないかもしれないのが何より考えなければいけない議題なのですから。その論点を霞ませ、ズラそうとしているような村長の言葉を糾弾しようと私が口を開いた瞬間、私の耳に緊張した言葉が届くのでした。
 
 「お、俺…!頑張りますから!!」
 「…権助君…」
 
 ぎゅっと握り拳を作って、私へと一歩近づく彼の姿は見たことがないくらいに必死でした。普段、境内の中で私と気ままに遊んでいた男の子の姿はそこにはありません。村の期待を一心に背負ってそれに応えようとする一人の殿方の姿があったのです。
 
 「コイツが若輩ながら男なのは面倒を見てきた私が保証しますよ」
 「でも…」
 
 それは権助君の安全を保証する言葉にはなり得ません。成人男性であっても辛いであろう儀式を無事で済ませられるかまったく分からないのです。彼に母性愛に近い感情を抱く私にとって出来れば彼に危険な橋は渡って欲しくはありません。村の中に彼しか適任者がいない事を理解していても、どうしても二の足を踏んでしまうのです。
 
 「それにコイツであれば桜燐様も安心して身を委ねられるでしょう?」
 「それは…そうですが……」
 
 まったく顔も知らない殿方といきなり雨乞いの儀式をするよりは気心の知れた権助君の方が安心できるのは確かです。いえ、この日照りが後数年ほど後であれば、私はきっと彼を相手に希望していた事でしょう。ですが、それはあくまでもしもの話でしかありません。どれだけもしもの話を語っても彼の年齢が私の道徳心を刺激するのは変わらず、どうしても抵抗を覚えてしまうのです。
 
 「ふむ…それではとりあえず今夜を一緒に過ごしてみてはどうですかな?」
 「そ、村長さん!?」
 
 そんな私にもたらされた提案に私は驚きと共に抗議の声をあげました。しかし、百戦錬磨の強者である彼の表情は変わりません。ニコニコと微笑ましい物を見ているような笑顔のままなのです。
 ですが、それとは裏腹に隣の権助君の表情は驚きの色で固まっていました。彼もそんな風に言われるとは聞いていなかったのでしょう。振り返って村長の顔へと視線を向ける彼の表情にも困惑の色が浮かんでいたのです。
 
 「一緒に過ごせばまた見えてくるものもあるでしょう。と言うわけで権助。お前、今日は帰ってくるんじゃないぞ」
 「は、はい」
 「ちょ、ちょっと村長さん!!」
 
 トントン拍子に話を進めようとする村長さんに私は異議の声をあげます。しかし、その時には彼はもう私達に背中を向けて拝殿の方へと向かっていました。パタパタと手を振りながら振り返る様子もないその姿に私と権助君だけがポツンと取り残されてしまうのです。
 
 ―こ、これからどうしましょう…?
 
 境内の向こう側へと見えなくなってしまった村長さんの背中を見つめながら、私は自問の声をあげました。しかし、それに明確な答えを返してくれるものは私の中にはありません。ほんの数分の間にまったく様変わりした状況に呆然とし続けていたのです。
 
 「あ、あの…桜燐様…」
 「ハッ」
 
 そんな私の意識を現実へと引き戻してくれたのはおずおずと紡がれた権助君の声でした。反射的にそちらに目を向ければ、気まずそうに顔を伏せる彼の顔が目に入ります。さっきまでぎゅっと握りしめられていた拳は所在なさげに絡み合い、不安と居心地の悪さを表現しているようでした。
 
 ―…そう…ですね。私などよりも…一番、不安なのは彼の方です。
 
 村長さんは身寄りのない権助君の保護者でもあったのです。そんな人に帰ってくるなと言われて不安なのは決して私ではありません。帰る場所を失ってしまった彼の方なのです。まずはその不安から解いてあげなければいけません。
 
 「大丈夫ですよ。出て行けなんて酷い事は言いません。今日はここに泊まっていきなさい」
 「あ、ありがとうございます!!」
 
 私の言葉に権助君は喜色を浮かべて勢い良く頭を下げました。そこにはさっきまでの緊張は見えません。何時もどおりの元気な姿なのです。それに思わず頬が綻んでしまうのを感じながら、私は右手の人差指を唇に当てるのでした。
 
 「とは言え、タダで泊めてあげるつもりなんてありませんよ。しっかりとこき使わせて頂きますからね」
 「は、はい!何でもやらせて下さい!特に洗濯は俺の仕事だったんで是非、任せていただければ…」
 「あらあら、そんなに私の下着が見たいんですか?」
 
 ―悪戯っぽいその言葉に彼の顔が爆発したように赤くなりました。
 
 きっと想像力豊かな年頃の彼は私の下着を想像したのでしょう。ボッと音が聞こえるような勢いで彼の顔色が変わりました。雨乞いではそれ以上の事を何日にも渡って続けなければいけないというのに、それで大丈夫かという気持ちがない訳ではありません。しかし、私の下着を想像するだけでこんなにも反応してくれる彼の姿が可愛らしく、母性本能を刺激されてしまうのです。
 
 「ふふ…♪冗談ですよ」
 「そ、そうですよね…。し、下着なんてそんな…」
 「えぇ♪そんなもの履いていませんから♪」
 「っ〜〜〜〜っ!」
 
 再びの冗談に少し落ち着いた彼の表情がまた真っ赤に染まってしまいます。コロコロと表情を変えるその姿は何時もの利発そうな――より正確に言えば、必死に大人ぶって背伸びをしようとしている――雰囲気とはまったく違っていました。普段の姿も勿論、とっても可愛いですが、今の姿はまた格別です。思わずぎゅっと抱きしめてなるほどに母性本能が疼くのですから。
 
 ―…まぁ、あんまり苛めてあげるのも可哀想ですよね。
 
 このままずっと彼の反応を楽しんでいたいですが、それは流石に権助君が可哀想です。まだ私の言質を取っただけで彼の立場は宙ぶらりんなままなのですから。こうして権助君で遊ぶよりも先にまずは彼を迎え入れる準備を整えてあげるべきでしょう。
 
 ―そうですね。それじゃあまずは……。
 
 「お昼ごはんから一緒に作りましょうか」
 「は、はい!」
 
 私の言葉に元気よく返事をしてくれる権助君の顔はまだ赤いままです。しかし、私の意図に気づいてくれたのかさっきよりも表情が晴れ晴れとしていました。見ているだけで胸が暖かくなるようなその表情に思わず微笑みを浮かべながら、私は彼と一緒にスルスルと本殿の方へと向かったのでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ―権助君と私が最初に出会ったのはほんの数年前の出来事です。
 
 当時、私はこの小さな村の水神として迎えられてきたばかりでした。水神として人々に求められている仕事を手探りで行なっていたその時期の私にとって息抜きというのはそれなりの重要なものであったのです。勿論、それは彼らの期待が重かったなどという訳ではありません。ただ、慣れない仕事に気疲れというモノを覚えてしまっていたのです。
 
 ―だから、私はその日、気晴らしに出かけました。
 
 拝殿の方へ留守の札を下ろしての久しぶりの外出。魔力を使って空へとふわりと浮き上がりながらの龍の散歩は空の青さの中で踊り、雲と戯れながら、地上を見下ろすのです。久しく行う事の出来なかったそれに私が満足し、帰ろうとした瞬間、私は地上から煙が立ち上っているのに気づきました。
 
 ―勿論、煙など珍しいものではありません。
 
 しかし、その煙は幾筋も纏まり、まるで大きな塊のようであったのです。明らかに何かがおかしい。それを察知した私は地上へと急降下したのです。雲と煙の合間を抜けて視界が回復した私の目の前に赤と黒とで塗りたくられたぐちゃぐちゃの地上絵が広がって……――
 
 ―それは戦争の傷跡でした。
 
 いえ、もっと具体的に言えば、敗残兵となった側が通り道で略奪しながら必死に逃げていった…その跡であったのです。ですが、当時の私にはそう冷静に判断できるような余裕はありませんでした。悲鳴と泣き声の収まらないその惨状を何とかしようとする事で頭の中が一杯であったのです。だからこそ、私は反射的に天候を操る力を使い、地上に雨を降らせたのですが……――
 
 ―しかし、それでも生き残った人々はごく少数でした。
 
 私がもっと煙に気づくのが早ければ…いえ、もっと早くに散歩へと出かけていればもっと多くの人々が救えていたことでしょう。しかし、それはあくまでもしもの話に過ぎません。ただでさえ敗残兵に無残にも殺された人々が多い上、行き掛けの駄賃とばかりに火を点けられたその村で生き残ったのはほんの僅かでした。
 
 ―そしてその中に権助君もいたのです。
 
 彼はその村の庄屋の息子でした。それなりの規模である村の中で土壁に囲まれた彼の家は真っ先に敗残兵たちの矛先が向いたのです。しかし、異変をいち早く察知した父親に頑丈な物置の地下へと隠されたお陰で権助君は死なずに済んだのです。ですが…それが彼にとって幸運であるとは言い切れません。そのお陰で権助君は物置へとなだれ込んだ男たちに父親を殺される瞬間を聞き、そしてその後に火を点けられた物置の中で母親が死ぬ所までも見てしまったのですから。
 
 ―…でも、そのお二人がいなければ権助君は今、この世にはいません。
 
 妻子を物置へと隠した父親は勿論の事、彼の母親もまた焼け落ちる木材から権助君を護ろうと覆いかぶさっていたのです。彼女がいなければ、彼の小さな身体は大火傷を負い、死んでいた事でしょう。そして…焼け落ちた物置の中から私が権助君を発見できたのも彼の母親が身につけていた装飾具が曇り空の下でもキラリと光ったからです。
 
 ―それは…まるでこの子を頼むと言われているようで…。
 
 だから、私は生き残りの人々を村へと連れ帰った後も権助君の事をとても気にしていました。未だに子どものいない村長さんへと引き取られた彼の様子を見に、村長さんの家を訪ねたのは一度や二度ではありません。そんな私に彼も懐いてくれて、畑仕事の手伝いが終わったらすぐに境内へと遊びに来てくれるのです。そんな権助君と戯れるのはまた楽しくて、私はほぼ毎日――とは言っても日照りが始まる前までですが――彼と遊んでいたのでした。
 
 ―それは母性愛に近いもの…だと思うんですけれど…。
 
 このまま彼が成長していけばどうなっていたかは分かりません。…いえ、きっと暗い過去を背負っているにも関わらず、明るさを失わない彼に私は心惹かれていた事でしょう。ですが、今はまだ違います。彼のことは大好きですし、愛していますが、それは権助君が失ってしまった母親代わりとしての側面が強いのですから。
 
 ―…そんな相手と交われ…と言われても…その、やっぱり…。
 
 「そう簡単にはいかないですよね…」
 
 思わず呟いた私の言葉はホタルのような淡い光を浮かばせる本殿の中で虚しく響いていきました。夜の闇が満ちる中、辺りを照らす淡い光はとても幻想的な光景です。ですが、それをぶち壊しにするようにその空間には囲炉裏や布団などが敷かれ、生活感に満ち溢れていました。そんな中で一人布団の上で悶々とする私は苦悩を吐き出すようにため息を吐いたのです。
 
 ―勿論、それを聞く唯一の相手である権助君は居ません。
 
 彼は今、本殿の裏にある温泉へと浸かり、緊張を解しているはずです。そこから上がる水音は魔物娘である私の聴覚にバッチリと捉えられるのでした。だからこそ、私はこれだけ大胆にため息を吐き、独り言を呟く事が出来るのです。
 
 「でも…本当…どうしましょう…」
 
 彼とつがいになる事に倫理観が抵抗を訴える反面、状況がそれしか許してくれないのも私は理解していました。村長さんの言葉が正しければ、村の中にはもう彼以外に未婚の殿方はいないのです。ならば、私とつがいになってくれるのは権助君しかあり得ません。
 
 ―決定を先延ばしにすればまた精通した殿方も出てくるかもしれませんが…。
 
 しかし、そうやって先延ばしにした所で精通した殿方が出てくるとは限りません。その上、ただでさえ先延ばしになっている雨乞いをこれ以上伸ばせば作物に壊滅的な打撃が出かねないのです。仮にも水神として崇められているのにも関わらず、私の我侭で村人たちに迷惑を掛ける訳にはいきません。
 
 ―それに…先延ばしにした所で彼よりも年上の殿方が精通するとは限りませんし…。
 
 私が権助君とつがいになる事を躊躇しているのはその年齡が原因です。その他に至っては何ら問題がないどころか寧ろこちらからお願いしたいくらいなのでした。それにも関わらず二の足を踏み続けた所でその問題点を解決してくれる殿方が出てくれる保証もまったくない。ならば…私が取れる選択肢なんて一つしかありません。
 
 「倫理観なんてなくなってしまえば…いっその事、楽なんですけれどね…」
 
 理屈ではそうするしかないと分かっているのです。感情もこの状況に喜んでいるのは否定出来ません。それに強く反対しているのは私の中にある倫理観ただ一つでした。ウシオニのように、この倫理観さえなくなればこの葛藤も消え去るのです。そう思えば、その倫理観というのが急に邪魔に思えてきて……――
 
 ―そして、私の手は自然と臀部の下へと伸びてしまうのです。
 
 そこには『逆鱗』と呼ばれる龍の弱点が存在するはずです。触れられれば理性を失い、貪欲な本性を剥き出しにして殿方に襲いかかってしまう龍の恥部。そこに触れれば私の中のこの倫理観も吹き飛び、ただ欲望のままに権助君へと襲いかかる事でしょう。
 
 ―でも…それは……。
 
 それは私にとっては楽な事かもしれません。葛藤も苦悩もなくただ貪るだけで良いのですから。しかし、権助君には違います。その剥き出しにされた本性を受け止めるしかない彼には大きな負担を掛けてしまう事でしょう。彼が潰れてしまわないように細心の注意を払って雨乞いをしなければいけないにも関わらず、気遣いも何も出来ない状態になってしまえば本末転倒も良い所でしょう。
 
 ―ちゃぽん…。
 
 「ん…」
 
 出口のない迷宮のような考えを繰り返す私の耳に権助君が温泉から上がってくる音が届きました。そのまま脱衣所へと入り、水分を拭きとっている音も聞こえます。そう遠くない内に彼はここへと戻ってくるでしょう。
 
 ―出来れば…その前に答えを出しておきたかったのですけれど…。
 
 悶々とする姿はあまり権助君には見られたくはありません。だからこそ、私は本殿の中でじっと考え込んでいたのです。しかし、雁字搦めになった葛藤がほんの十数分で解決出来るはずがありません。結果として何も変わっていない現実に私は一つため息を吐いた瞬間、本殿の扉が遠慮しがちにそっと開かれるのです。
 
 「た、ただいま戻りました」
 「えぇ。お帰りなさい」
 
 ホカホカと湯気を立ち上らせて入ってくる権助君の姿は藍色の小さな作務衣を纏っていました。突然、決まった――と言うか決められた――彼のお泊りに際し、寝間着を用意する暇などは勿論ありません。しかし、今までも彼は数回ほど本殿へとお泊りをしていたのです。そんな権助君の為に私が編んだ作務衣を彼は寝間着として使ってくれているのでした。
 
 「明かりの方はどうでした?躓いたりしませんでしたか?」
 「だ、大丈夫です!」
 
 これだけ立派な神社を私のために建ててくれたとは言え、この村は財政的に裕福な訳ではありません。夜の灯となる油を無駄遣いする事など出来ないのです。自然、この神社の中に蓄えられている油の数も少なく、私は日頃、自分の魔力で明かりを灯し、夜を過ごしているのでした。
 
 ―勿論、それを何度もお泊りしている彼は知っています。
 
 特に温泉からこの本殿までの道は念入りに照らしているのです。何度もここで寝泊まりしている彼が躓く事は殆ど無いでしょう。しかし、そうだと分かっていても私は何度もそう尋ねてしまうのです。多感な時期にある権助君にとって小姑のように鬱陶しい行為であろう理解していても、それは中々、止められません。
 
 「それなら良かったです。…ところでどうしてそんな所に立っているのですか?」
 
 ―そう。彼は扉を開いた場所でずっと足を止めていて…。
 
 龍の寝床に足を踏み入れるのが怖いのかと一瞬、思いましたが、これまでも何度となく私と過ごしてきた権助君が今更、そんな事を気にするとは思えません。では女性という壁が立ちふさがっているのかとも思いましたが、その可能性も低いでしょう。だって、私たちは神社の中で一組しか無い布団で同衾した経験もあるのです。今更、そのような遠慮が介在するような仲ではありません。
 
 「あ、は、はい…」
 
 その疑問に答えをくれないまま権助君はぎくしゃくと本殿へと入り、そっと扉を閉めました。扉から入り込んでいた夏のむわっとした熱がなくなり、本殿は寝やすい快適な温度へと戻ります。勿論、普段は気温の操作まではしません。彼がここでお泊りするという特別な日だからこそです。
 
 「ぅ…ぁ…」
 
 そんな事を考える私の前で権助君が緊張の面持ちのまま腰を下ろしました。すっと布団の上で正座をするその顔は赤く、それでいて何かを期待しているようです。しかし、私は彼に何を期待されているのかまったく分かりません。日はとうの昔に落ちて、夕飯も終わってしまった以上、もう寝る事しか出来ないのですから。
 
 ―それは勿論、彼だって分かっているはずなんですけれど…。
 
 他の村から保護されてきたという負い目もあるのでしょう。権助君はこの年頃の子どもにしてはとても聞き分けが良く、彼が我侭を言った所を私は見たことがありません。そんな彼が明かりに魔力を消費している状態で何かをしたいと言い出すとはあまり思えないのです。
 
 ―でも…。
 
 彼は普段から遠慮しがちな子どもです。それは保護者の側としてみれば有り難い事なのかもしれません。ですが、その自分を抑圧する姿は子どもらしくなく、保護者の一人である私は何処か痛ましいものさえ感じていたのでした。そんな権助君の希望は保護者の私が察知しなければ中々、顔を出してはくれません。それは時として言い当てるのに少しばかり時間が掛かるものですが、彼の希望を叶える為であれば多少の魔力などまったく惜しくはありません。
 
 ―そうですね…まずは…。
 
 「じゃあ、二人ともお風呂に入りましたし、そろそろ寝ないといけませんね。それとも権助君はまだやり残した事などはありますか?」
 「ぅ…」
 
 尋ねた私の言葉に権助君は気まずそうにそっと視線を私から背けるのです。勿論、普段の彼はそのような事はしません。私の言葉を真正面から受け止め、嬉しそうにハキハキと答えてくれるのですから。それはやっぱり何かやり残した事があり、私に遠慮しているからなのでしょう。
 
 「まだあるのであれば言って下さいね。私もまだ目が冴えていますし、何でも付き合っちゃいますから」
 
 そんな彼から本音を聞き出そうと私はぎゅっと権助君の前で握り拳を作りました。それに少しは気持ちも晴れたのでしょう。彼の視線が私の方へと少しずつ戻ってくるのでした。しかし、どれだけ待っても権助君の目が私で焦点を合わせる事はありません。まるでチラチラと私の様子を盗み見るようにすぐさま視線を逸らしてしまうのです。
 
 ―もう…本当に遠慮ばっかりなんですから…。
 
 権助君がどう思っているかは分かりませんが、私は彼の母親代わりであるつもりなのです。それなのにそんな風に遠慮されてしまっては、こっちが逆に困ってしまうでしょう。勿論、立場が曖昧な彼の前でそのような事は口が裂けても言えませんが、もっと子どものようにはっきりと甘えて欲しいと思ったのは一度や二度ではありません。
 
 「もう…権助君は良い子過ぎますよ。もっと私に甘えても良いんですからね」
 「っ!!」
 
 権助君の遠慮を解こうと紡いだ私の言葉に彼の表情が硬くなりました。一瞬で強張ったその表情に私が拙い事を言ってしまった事だけがよく分かります。しかし、私は彼を褒めただけに過ぎません。それも別に今日に始まった事ではなく、何時もどおりの言い回しなのです。それがどうしてこれだけ彼に変化を与えたのか。それが分からない私は狼狽と困惑を覚えてしまうのです。
 
 「ど、どうしました…?私…何か変な事…」
 「…い…じゃな…んです…」
 「…え?」
 
 母親――代理ではありますけれど――としての威厳などなく、オロオロと狼狽える私の耳にひねり出すような彼の声が届きました。苦悩と苦渋に溢れたそれは聞いているだけでも胸の奥が痛むようなものです。ですが、権助君の苦しみが混ざり込んだその言葉を私ははっきりと聞きとる事が出来ませんでした。思わず聞き返してしまった自分の失態に内心、落ち込みながら、私は彼の言葉を待つしかなかったのです。
 
 「…俺…全然、良い子なんかじゃないんです」
 「そ、そんな事ありませんよ。権助君はとても良くやっているのは私、知っていますから」
 
 ようやく聞きとれたその言葉は私にとってとても意外なものでした。別にそれは権助君が自分の事を卑下したからではありません。立場の曖昧な彼が自分をそのまま等身大に受け止められていないのは今までの経験から分かります。私にとって意外だったのは、そっちではなく、権助君が良い子ではない事にそれだけ思い悩んでいる事だったのでした。
 
 ―…何かあったのかしら?
 
 普段の彼はそこまで思い悩んでいる訳ではありません。だって、私は幾度となく彼を良い子であると褒めてきたのですから。それを普段の権助君は気恥ずかしそうに否定していましたが、今回のように苦しそうに否定した事は一度だってありません。
 
 ―となれば…少し会わなかった期間に彼に何かがあった…って事なんでしょうけれど……。
 
 日照りが始まって少ししてから会わなくなった彼に何かがあったとは村長さんからも聞いてはいません。ならば、権助君の保護者である彼が知らない何かが権助君にあった…と言う事がまず第一に考えられるでしょう。勿論、村長さんそのものが原因である可能性は否定出来ませんが、あの人の良さそうな殿方が権助君をここまで思い悩ませるような事をするとはあまり思えません。不幸なすれ違いが彼をここまで追い込んだ事は否定できませんが、今日の二人の様子から察するにそれは可能性が低いと思えるのです。
 
 「いえ…でも…お、俺の…俺の所為なんです…」
 「…何が権助君の所為なんですか?」
 
 そこまで考えた瞬間、権助君は震えるほどに拳を握りしめ、搾り出すようにそう言いました。その辛そうな姿に私は思わず彼の傍へと近寄り、権助君の手を私の腕で包み込むのです。その私の行為が少しは功を奏したのでしょう。彼の震えは収まり、少しだけ表情が晴れやかなものになりました。
 しかし、それはあくまで少しだけでしかありません。苦悩そのものが取り除かれた訳では決して無いのです。そんな彼の姿に少なくない痛みを走らせる心のままに私はそっと唇を開くのでした。
 
 「大丈夫…。私は権助君であれば…何だって受け入れてあげますからね。安心して…相談してくれて良いんですよ」
 「…俺…俺は……」
 
 普段よりもさらに努めて優しく言ったその言葉に彼が少しずつ言葉を紡いでくれるのです。とは言え、口を開いては閉じる様子から察するにそれを聞くのにはもう少し時間が掛かるでしょう。しかし、彼は自分の中の葛藤と闘いながら、必死にそれを紡ごうとしてくれているのです。ならば、私はそれを待つしか出来ません。いえ、待つことそのものが正解であるのです。
 
 「俺は……俺が…言ったんです」
 「何を言ったんですか?」
 
 数分の後、彼はゆっくりとではありますが、そう言ってくれました。そこにはもうさっきまでの震えはありません。私にそれを伝える覚悟を決めたようにはっきりとした声音です。それに安堵を感じながら、私は優しく先を促すのでした。
 
 「桜燐様の旦那様になるのは俺が良いって…俺じゃなきゃ嫌なんだって…」
 「………え?」
 
 ―…え?……えぇぇ!?
 
 その言葉は私にとっては意外だなんてものではありませんでした。だって、私は権助君に母親として懐かれているものだとばかり思っていたのです。だからこそ、一人で寝るのを怖がる彼を本殿へと招き、何度となく同衾したのですから。しかし、権助君の言葉が正しければそう思っていたのは私だけだったのでしょう。彼はそんな私を女性としてはっきりと意識してくれていて…そのような我侭を言うほどに思い煩ってくれていたのです。
 
 ―え…?ちょ、ちょっと待って…!ちゃ、ちゃんと整理出来ない…!!
 
 「ほ、本当は…桜燐様に婿入りする男は別に居たんです。その人は既に狐を嫁にしているけれど、相手も…仕方ないって納得してくれているらしくて…村の皆もその人だったら大丈夫だろうって…」
 
 紡がれた言葉を上手く咀嚼する事が出来ない私に権助君はまた新しい真実を突きつけました。それも勿論、私にとっては初耳も良い所です。だって、私の村の状況を教えてくれる村長さんはそんな事を一度だっておくびにも出さなかったのですから。村人たちと普通とは違う形で関係を持つ私がそれを知る事が出来るはずがありません。
 
 「でも…俺、嫌だったんです。そんな仕方ないで旦那様が決められるだなんて……た、耐えられなかったんです。だって…俺…俺……っ!」
 
 そこで権助君は一旦、言葉を区切りました。そして、まるで溢れ出る感情を整理しようとするように大きく深呼吸をするのです。思いっきり胸を膨らませるようなそれを数回繰り返した後、彼はきっと私の瞳を見つめるのでした。ついさっきまでとは違う殿方としての決意に溢れたそれに想わず私の胸が高鳴り、権助君の手に触れる両手にも力が入ってしまうのです。
 
 「俺、ずっと桜燐様の事が好きでしたから!身の程知らずだって分かってます。桜燐様が俺のことをそんな風に見てないって事も分かってます!でも、仕方ないなんて言う奴よりも…いや、誰よりも!世界で一番、桜燐様の事を愛しているのは俺だと思ったから…だからっ!!」
 「ご、権助君……」
 
 あまりにも直接的で力の篭った告白に私の胸がドクドクと鼓動の音を走らせていました。告白などされたのは初めてだからこんなにドキドキしているのでしょうか?…いえ、きっと違います。相手が他でもない彼だからこそ…ずっと傍で見てきた権助君だからこそ、こんなにも胸が熱くなり、頭の中がドロドロになってしまうのです。
 
 ―あぁ…目覚めちゃう…っ♥
 
 本来であれば抑えておかなければいけない『何か』が私の中でむくむくと起き上がり、勢力を広げていくのが分かります。それを抑えようと理性が働きかけますが、それは芳しいとは言えませんでした。元々…抑えられるものではなかったのでしょう。だって、それは私の中の本能に直結する衝動なのです。原初にも近い場所から訴えかけられる叫びなのです。それがはっきりと目覚めた今、私がどう我慢しようとしても抑えられるはずがありません。
 
 ―そして…その衝動のまま心と身体を震わせる私の前で権助君が再び口を開いて……。
 
 「だから…俺、話し合いの場に乱入したんです。そこで大見得切って…我侭ぶちまけて……俺を桜燐様に婿入れさせるって形で村長が決めてくれて…」
 
 この小さな村には集会場のような立派なものはありません。重大な話し合いをする時は比較的、大きな村長さんの家の中でされるのです。そしてその村長さんの家でお世話になっている権助君はたまたまその話し合いを聞いてしまったのでしょう。そのまま我慢出来ずに乱入し、婿入れを認めさせるほどの大立ち回りをして……――
 
 ―殿方にそれだけ想われるって…女冥利につきる話ですよね。
 
 村長さんが「コイツはもう男だ」と言っていた意味が今の私には良く分かります。私を他の誰かに渡さない為に大見得を切るだけでなく、要求まで飲ませた彼は確かにもう立派な殿方と言っても良いでしょう。少なくとも…私はもうさっきまでのように権助君をただの子どもと見てはいません。私の本能が彼を立派な殿方として…いえ、私の旦那様として…認めてしまっているのですから。
 
 「だから…皆、桜燐様に言えなかったんです。だから…ここまで雨乞いが伸びたんです。…それは全部…俺の責任で…だから……すみません」
 
 そう言って、権助君はそっと頭を下げました。私の肩に寄りかかるようなそれにさえ私の胸はドキドキしてしまいます。彼の母親代わりとして頑張っていた頃にはこの程度の接近に心を揺れ動かす事はなかったのに、今の私はどうしてしまったのでしょう。そう疑問を浮かべる頭とは裏腹にそれが当然であると思う心もまた私の中には存在するのです。
 
 ―だって…権助君はもう私の旦那様なのですから。
 
 ずっと抑えてきた気持ち……彼が成長するまで秘めておかねければいけなかった感情。それがもう堰を切ったように飛び出し、私の身体中に満ちていました。私の身体そのものを書き換えるようなそれに抗う事など考えられません。いえ、寧ろ何でもない小さな事でさえドキドキしてしまう身体に私は喜びさえ覚えていたのです。
 
 「もう…。告白して謝る人がいますか」
 「ご、ごめんなさい…」
 
 その喜びを表現しようにも私はまだそれを上手く咀嚼し、整頓する事が出来てはいないのです。今現在も急激に変化していく身体と心を表現できるほどに弁の立つ性格ではありません。自然、私の口から出てくるのは照れ隠しにも近い言葉であり、彼の表情に気まずさを浮かばせてしまうのです。
 
 「許しませんよ。…だから、明日から三日間、私とずぅっとここで交わって貰いますからね」
 
 それを何とか取り繕うと紡がれた私の言葉は痴女にも近いものでした。魔物娘としての本能が顔を出したはしたない言葉に私の顔が思わず赤くなってしまいます。もしかして幻滅されたのではないだろうか、と権助君の顔をそっと覗き見ますが、そこには嫌そうなものは見えません。驚きにこそ固まっていますが、それは寧ろ肯定的なものだったのです。
 
 「そ、それって…その…」
 「あ、雨乞いの儀式もしないといけませんし…それに…権助君は私の旦那様でしょう?」
 
 誤魔化すような私の言葉に権助君の顔はまた赤くなりました。その言葉の意味を権助君もまた理解してくれたのでしょう。真っ赤になった顔には喜色もまた浮かんでいました。しかし、自分を良い子ではなかったとずっと責め続けていた彼がそう簡単に私の言葉を信じてくれるはずがありません。私の瞳へと向けられる視線にはまだ何処か不安なものが混ざっていたのです。
 
 「でも…俺で良いんですか…?」
 「えぇ。もう我慢なんてしません。権助君だから…いいえ…貴方だからこそ…私は傍にいたいのですよ」
 
 ―それは私にとって紛れも無い本心でした。
 
 別にそれは告白されたからなどではありません。私はずっと彼の傍に居たかったのは今も昔も変わっていないのです。何処か放っておけないこの子をずっと傍で支えてあげたいと思ったのは事実なのですから。ただ、その立ち位置が母親代わりからお嫁さんへと変わってしまっただけに過ぎません。
 
 「貴方は自分のことを我侭で悪い子だと思っているのかもしれません。でも、それを受け入れたのは村の総意です。それを受け入れた事によって不利益が生じる責任は貴方だけのものではありません。村全員の…皆のものなんですよ」
 「でも……俺がいなければ…こんな風にはなりませんでした」
 「そうかもしれませんね。…でも、貴方がいなければ私は今、こんなに幸せな気持ちじゃないんですよ」
 「え…?」
 
 再び俯きそうになった旦那様の顔が驚きに跳ね上がった瞬間、私はその手を優しく掴みながらそっと自分の胸元へと導くのです。その谷間までを権助君…いえ、旦那様の目へと晒す淫らな衣装を掻き分け、そのまま心臓の上へと緊張した手を押し当てました。瞬間、ビリリとした感覚が私の背筋を駆け抜け、声を漏らしそうになってしまいます。
 
 ―ん…♪これが…快感なんですね…♥
 
 今までずっと抑えこまれてきた魔物娘の欲望が旦那様と触れ合う事によってムクムクと鎌首をもたげ始めます。貪欲なそれがもっとこの快感を味わいたいと私へと訴えてきました。しかし、今はまだその時期ではありませんし、そうしてあげるべきでもないのです。今は旦那様の不安を解きほぐしてあげるのが最優先であり、自分の欲望をむき出しにするべきではありません。
 
 ―あぁ…でも…っ♪
 
 天候を操るほどの強大な力を持つ龍は魔物娘の中でも特に貪欲で淫らなのです。理性と感情が必死に欲望を抑えこもうとしますが、抵抗が激しく中々、上手くはいきません。子宮にジュンと点った熱も消えず、思わず布団の上でもぞもぞと身悶えしてしまいそうになるのです。旦那様が落ち込んでいるこんな状況でさえ発情してしまう自分に微かな自己嫌悪を感じながら、私はそっと唇を開きました。
 
 「分かりますか…?私の胸がとってもドキドキしているのが…♥」
 「は…い…」
 
 私の言葉に旦那様は呆然としながらもそう答えてくれました。同衾していた時には私の胸に顔を埋めて眠っていたにも関わらず、その顔は驚きと興奮に染まっています。やはり手と顔では感じ方がまったく違うのでしょう。可愛らしいその姿に私の胸がキュンキュンと疼き、今すぐ抱きしめてあげたい気持ちが沸き上がってくるのです。
 
 「これも全部…貴方が居てくれたからなんですよ…♥貴方が居てくれなかったら…きっとこんなにドキドキしていません。…いえ、もしかしたら今頃、不安でビクビクしていたかもしれないんですよ」
 
 本来、私のお婿さんになってくださる予定であった方が一体、誰なのかは私は知りません。しかし、誰であってもこんなに穏やかで嬉しい気持ちにはなっていなかったでしょう。それどころか初めての性行為に不安を隠せず、ガチガチに固まっていたかもしれないのです。それから考えればこうして旦那様が私へと婿入りしてくださった事が私にはとても幸せに思え、胸がドキドキとしてしまうのでした。
 
 「だから、そんな風に仰らないで。そんなに自分だけを責められると…私も辛くなってしまいます」
 「ごめんなさい…」
 「ふふ…♪良いんですよ…♥」
 「わぁ…!」
 
 私の言葉に気落ちしたように肩を落とす旦那様を私はぎゅっと抱き寄せました。その顔を胸に谷間に押し付けるようなそれに旦那様が悲鳴のような声をあげるのです。しかし、それはあくまで悲鳴のようなものであって悲鳴でもなんでもないのでしょう。その証拠に私の胸へと顔を埋める旦那様は興奮に顔を赤くするだけで何の抵抗もせず、私へと身を委ねてくれているのでした。
 
 ―あぁ…っ♥もう…ほんとに可愛いです…♪
 
 その姿は少し前であれば、母性愛を擽られるだけのものであったでしょう。しかし、今の私はもう母性だけで旦那様を愛しく思っている訳ではありません。女として、メスとして、愛しい殿方を求めてしまっているのです。形の違う二つの愛が急速に充足していく感覚に思わず喜悦のため息を漏らしてしまいました。
 
 ―ふわぁ…♪子宮もドキドキしちゃってます…ぅ♥
 
 つい先ほどまで抑えこまれていたメスの欲望。それが再びムクムクと持ち上がり、旦那様へとぶつけたくなってしまうのです。いえ、こうしてめでたく私たちは夫婦になったのですから、初夜へと雪崩込むのが普通でしょう。ですが、私にはそれが実行できない理由もあって……――
 
 ―このまま雨乞いの儀式を始めたら…きっと旦那様が辛いですよね…。
 
 雨乞いの儀式は三日三晩休まず続けて行われるのです。その上、旦那様は儀式の間は一時たりとも私の傍を離れられません。それ故、まだ準備も何もしていないこの状況で儀式を始めれば、旦那様は飲まず食わずで三日間、私を交わり続ける事になるのです。それはただでさえ苛酷な儀式をより苛酷にし、旦那様の発展途上の身体に大きな負担を掛けるでしょう。
 
 ―でも…雨乞い抜きでするには…もう私の熱は限界で…っ♥
 
 今まで長い間、私はずっと魔物娘の本能を抑えこんできたのです。何れ結納をあげて私に婿入れしてくださるお方を夢見て、ずっと貞操を守り続けてきたのです。ようやく手に入れたその御方を前にして自分の欲望を抑えきれる自信がありません。今から始めてしまえばきっと数日は旦那様を離さず、その精液を搾り取ってしまうでしょう。
 
 ―だから…我慢…我慢です…。
 
 そう自分に言い聞かせながらも私の蛇身は旦那様へと絡み付いていきました。それはまるで手に入れた宝物を誰にも渡すまいとするようなはしたない行為です。しかし、私はそれを止める事が出来ません。ツルツルの鱗を旦那様へと押し付け、全身で愛しいお方を感じたくて仕方ないのです。
 
 「あ…あの…桜燐様…?」
 
 そんな私に何かを感じられたのでしょうか。胸の谷間から私の様子を伺いながら旦那様がそう言いました。私の様子を心配するようなその視線に思わず胸の奥が疼いてしまいます。その疼きのまま旦那様の顔を私の胸で一杯にしようと力が入りそうになりますが、私はそれを必死で堪えました。これ以上、強く抱きしめると子宮の疼きが我慢できなくなってしまいそうなのです。欲望のまま旦那様を押し倒してしまった後の事を考えれば、ここは堪えるしかありません。
 
 「どうしたんです…?さぁ、もっと甘えて良いんですよ…♥」
 「い、いや…その…こうやって抱きしめられるのは始めてで…えっと…あの…」
 「ふふ…♥これは旦那様にだけする特別な抱き方ですもの…♥軽々しくやるものではありませんよ…♪」
 
 勿論、胸に顔を埋めさせるような抱き方は――権助君限定ではありますが――今までしてきました。しかし、その上で蛇身を巻きつけるようなはしたない抱きしめ方は一度だってしてこなかったのです。その違いが旦那様にも分かって下さったのでしょう。私の胸の中で旦那様はポッと顔を赤くし、もぞもぞと動いてくださるのです。
 
 「んんっ…♪」
 
 むずがゆそうなその身動ぎに私の鱗が旦那様と擦れ合うのです。それだけで熟れた私の身体は快感を感じ取り、甘い声を漏らしてしまうのでした。巻きついた全身で愛しいお方を感じ、意識してしまうのですから当然と言えば当然でしょう。しかし、明日になるまでは旦那様…いえ、権助君の「母親代わり」でいなければいけない私にとってそれはあまりにも辛い事でした。
 
 「あ、あんまり動かないで下さい…♥そ、そんな風に動かれたら…ドキドキしちゃいます…♥」
 「い、いや…で、でも…」
 
 普段はとても聞き分けの良かった旦那様からの否定の言葉。それに思わず私の身体に緊張が走るのです。もしかしたら何か大きな不興を買うような事をしたのかもしれない。そう思うだけで急に不安になってしまいます。そして、その不安を晴らそうと私の全身は旦那様の小さな身体に縋るようにより強く巻き付いてしまうのでした。
 
 「こ、こんなの俺…俺…我慢出来ません。俺だって…も、もう男なんですよ…!!」
 「ふぁぁ…♥」
 
 ―そ、それって……ぇ♥
 
 気恥ずかしそうに言い切られたその言葉はが私の胸に突き刺さり、内側から蕩けるような熱を広げていくのです。それも当然でしょう。だって、それは旦那様が私に欲情してくださっているという事なのです。他でもない私の身体と密着して、その可愛い男根を硬くしてくれているという事なのですから。自分を抑えこむために意図的に旦那様の肉棒へと触れなかった私にとって、それは欲望を燃え上がらせる燃料にしかなりません。
 
 ―ダメよ…ダメ…絶対にダメなんです…ぅ♪
 
 旦那様も私の身体に興奮してくださっている。その事実に魔物娘の欲望が愛しい殿方を押し倒したくなってしまいます。ですが、それは何度も言うように出来ません。旦那様の負担を考えれば、どうしてもそこは譲れないのです。
 
 ―でも…私の身体は旦那様から離れてくれなくて……。
 
 こうして旦那様が訴えかけてくれた以上、今夜はお互いに触れ合わないように過ごすのが最適です。布団さえ二組あれば別の建物の中で過ごすのが正しいのでしょう。しかし、私の身体はそれを拒否するように旦那様から離れません。貪欲な魔物娘の本能そのままに愛しい殿方を抱きしめ続けているのです。
 
 ―そんな私の肩にご主人様の手が掛かって……ぇ♥
 
 「…これって勘違いじゃない…ですよね?…良いんですよね…?」
 
 そう言いながら私を見上げるその瞳は欲望で少し血走っていました。私の肩を掴む手にも力が入り、旦那様の興奮をはっきりと伝えてくるのです。いえ、それ以上に私の身体を布団の方へと押し倒さそうとしている力だけでも旦那様がどれだけ理性を失っているかが分かるのでした。
 
 ―だ、ダメ…こ、このままじゃ流されちゃう…っ!
 
 本来であればこんな小さな子に押し倒されるような龍ではありません。最高位の魔物と言う称号は伊達ではないのです。しかし、私の身体もまたそれを望んでいるからでしょうか。旦那様の腕によってゆっくりと布団の方へと押されて行ってしまうのです。それに理性が必死の抵抗を続けますが、芳しい結果が得られているとは言えません。
 
 ―だ、だったら…何とか旦那様に止まって貰わないと……!
 
 このままでは私にも旦那様にも不幸な結果しか招かない。ですが、それを止めようにも私はあまりにも無力なのです。一度、火が点いてしまった魔物娘の本能の前で理性なんてものは何の役にも立たないのですから。ならば、ここは欲望の導き手である旦那様自身に静止して貰うしかない。そう心の中で結論づけた私はそっと唇を開きました。
 
 「ま、待って下さい!今日は…今日までは私は貴方の母親代わりで…っ」
 「お、俺は一度だって桜燐様の事を母親だなんて思ったことはありません!ずっと…ずっと天女のように美しいお方だと思ってました!!」
 「て、天女って……」
 
 確かにふわふわと浮き上がる龍の身体は伝説で語られる天女のように見えるかもしれません。しかし、実際の私たちは真逆の存在です。見た目こそ貞淑であれど、一皮むけばケダモノのような貪欲さを発揮する魔物娘なのですから。両親の交わりをずっと間近で見てきた私にとって、それがどれだけ的外れであるかは分かっているのです。
 
 ―分かっている…はずなのにぃ…っ♥
 
 愛しいお方に天女のようだと言われて胸を震えさせないほど私の女は冷たくはありません。じぃぃんと胸を感動に震わせ、愛情が燃え上がるのです。そして、甘く激しいその感情は決して理性の側に組みしてはくれません。ドンドンと勢力を広げる欲望の味方となった感情が抵抗しようとする私の力を奪っていくのでした。
 
 「桜燐様が俺を助けるために…降りてきてくれた時から…ずっと…ずっとお慕いしておりました…!それなのに…それなのに貴女はとても無防備で…!」
 「ふにゅぅ…♥♥」
 
 力強い告白の言葉と共に旦那様の手が私の腰へと回ります。まるで私を逃すまいとするような力強い拘束は私の背中が布団へと触れているからなのでしょう。もう何処にも逃げ場はない。それを自覚させられた私の子宮が疼き、また熱い粘液を吐き出してしまうのが分かります。もうこのまま旦那様に貪られるしかないのだと無力感と共に期待と快感を走らせる子宮を私はもう抑える事が出来ませんでした。
 
 「こうして貴女の胸に抱かれる度にずっと…ずっと我慢してきました…!だから…だからもう…我慢出来ません…!!」
 
 ―あぁ…っ♥嬉しい…♪嬉しいです…っ♥♥
 
 ずっと私を想ってくれていたオスが今、その欲望を叩きつけようとしている。煮えたぎった欲望を私へと送り込み、淫らな結納を行おうとしてくれているのでした。その状況だけで私の胸が疼き、今まで旦那様しか触れたことのない柔肉を旦那様の全てで味わって欲しくなるのです。そんな私の頭の奥がジュンと蕩け、欲望一色へと染まっていくのが分かりました。
 
 「だ、ダメですよ…!あ、明日…明日、準備が出来たら必ずさせてあげますから…っ!」
 「嫌です…!俺…もう我慢できません…っ!
 
 理性が最後の抵抗とばかりに放った言葉も旦那様には届きませんでした。それどころか旦那様の手は私の身体を再び回り、私の胸に谷間に導かれるのです。そのまま旦那様は私の衣服を思いっきり開き、その谷間を晒させるのでした。
 
 「これが…桜燐様の…」
 「い、いや…は、恥ずかしいです……♥」
 
 ゴクリと唾を飲み込んで視線を谷間へと集める旦那様に私はそう返しました。しかし、その実、私の身体はその恥ずかしい事を悦んでいたのです。それも当然でしょう。だって、桜色のふっくらした乳輪から乳首までもを見つめているのは他でもない、私の愛しいお方であるのです。私の欲望も…いいえ、私自身も内心、それを望んでいたのですから厭うはずがありません。
 
 「乳首が…もうこんなに勃って……」
 「いや…そんな恥ずかしい事仰らないで……っ♥♥」
 
 そうは言いつつも私の乳首はピクピクと震えて硬くシコっていくのが分かります。旦那様の視線が、言葉が突き刺さる度に今まで抑えこまれてきた魔物娘の本能が乳首の内側で滾り、疼いていくのでした。その疼きのままゆっくりと突き出す淫らな乳首の姿に私はもう…もう……っ♥――
 
 「ひぅぅぅっ♥」
 
 その瞬間、私の胸を旦那様の両手がぎゅっと鷲掴みにしました。勿論、小さなスイカほどの大きさを持つ私の胸は発展途上な旦那様の手では全てを包み込む事は出来ません。ですが、それでも旦那様によって剥き出しにされた肌は信じられないほど敏感で鷲掴みにされただけで腰がブルリと震えて子宮が熱くなってしまうのです。
 
 「桜燐様の胸…胸…ぇ…!」
 「ふあ…ぁっ♪」
 
 そんな私に構わず、旦那様の手は無遠慮に動いていきます。ぐにぐにと指を埋め込むように動く淫らなそれに私の口から熱い吐息が漏れでてしまいました。まだ私の中で残っている理性がそれを堪えようとしますが、上手くいくはずがありません。まるで旦那様の手を誘っているかのように甘く淫らな息を吐いてしまうのです。
 
 「とっても柔らかくて…凄い気持ち良いです…!」
 「やぁ…♥そ、そんな事言っちゃダメですよ…ぉ♥」
 
 ―だって…そんな事言われたら私も我慢出来なくなっちゃいます…っ♥
 
 こうして押し倒されてしまった以上、もう逃げ場は何処にもないのです。まだ理性が働いてはいますが、それだって何時、蕩けてしまうか分かりません。ですが、それでも自分を抑えないという選択肢が選び取れるほど私は恥知らずな女ではないのです。無駄だと分かっていても旦那様に不必要な負担を加えないために自分を必死に律し続けているのでした。
 
 「こんな凄い所に…俺はずっと挟まれてたんですね…!」
 「くぅぅ…♪」
 
 自分の言葉でその時の興奮を思い出したのでしょうか。旦那様の指先にきゅっと力が入り、私の乳肉をぎゅっと押し込むのです。柔らかく弾力に満ちた乳肉を軽く変形させるようなそれは一瞬ではありました。しかし、その一瞬で私の胸に快楽が刻み込まれてしまったのです。
 
 あぁ…♥もっと…もっとして欲しい…っ♥♥
 
 そして魔物娘の本能が刻み込まれた欲望に反応し、再びその刺激を欲してしまうのです。気を抜けば淫らなオネダリが飛び出してしまいそうな状況に私はきゅっと唇を噤みました。しかし、それはあくまで今の状況に対処するだけのものでしかありません。これから旦那様にもっと胸を弄られてしまえば、私の薄皮のような理性は決壊し、欲望へと飲まれてしまうでしょう。
 
 ―どう…しましょう…っ!このままじゃ……!
 
 まだ諦め切れない理性がそんな言葉を胸に浮かばせました。しかし、それも旦那様の両手が再び動き出した瞬間にドロドロにされてしまうのです。まるで乳肉の大きさを確かめるように表面をすっと撫でるような愛撫に私の胸の奥へと快感が突き刺さるように感じました。
 
 「ひぅ…ぅぅ…っ♪」
 
 その快感にきゅっと噛み締めた歯の間から甘い嬌声が漏れてしまいます。それと同時に理性がドロドロに蕩け、嬌声と共に空へと溶け出しているようにさえ感じるのでした。焦らすような軽い愛撫一回で崩壊へと足を進める理性に私は魔物娘の本能に勝てない事を悟るのです。
 
 「はぁ…!桜燐様のおっぱい…こんなに大きいのに…俺の手の上で跳ねてる……!」
 
 ―い、いや…そんな風に遊ばないで下さいぃ…♥
 
 下乳を包み、乳肉を揺らす旦那様の動きに思わずそんな言葉を浮かばせてしまいます。旦那様の手でゆさゆさと揺らされる度にずっしりとした肉の重みを感じ、柔肉の芯が揺れるのですから。自分の淫らな身体を自覚させられる上に、乳首に直結する芯を揺らされているのです。興奮と共に乳首の先が甘く疼き、今すぐ旦那様に愛して欲しくなるのでした。
 
 「桜燐様のおっぱい…凄い…何時までも触っていたくなります…!」
 「きゅふ…ぅぅ…っ♪♪」
 
 ―触ってぇっ♥旦那様専用のおっぱいを何時までも触って欲しいんですぅ…っ♥思いっきり弄んでくださいぃっっ♪♪
 
 陶酔したような声音の旦那様に思わずそう返したくなるのをギリギリで堪えました。もし、最初から口を噤んでいなければそれは容易に私の口から飛び出し、愛しい殿方を誘惑していた事でしょう。ですが、私の抵抗の意思はまだまだ萎え切ってはいません。このままでは…いえ、どうあがいても魔物娘の本能に勝てないのは確実です。理性も蕩け、旦那様の手で愛撫して頂く度に霧散して消えていっていました。しかし、それでも私にはまだまだ抗おうとする意思が残っていたのです。
 
 ―そう…だから…だから…ぁ…♪
 
 「きゅぅ…っ♥♥」
 
 その瞬間、私の乳肉の外周をゆっくりと回っていた旦那様の手が私の乳輪にそっと触れました。それは爪の先が擦れただけのほんの少しのものでしかありません。ですが、ほんのそれだけの刺激で走った快楽が私の脳がガクンと揺らし、思考が中断させられるのです。
 
 ―そして擦れた乳輪もぉ…っ♪
 
 まるでそこだけ熱病に浮かされたようにジンジンとした甘い熱が走るのです。線状に疼きを走らせるそれは今までのものとは比べ物になりません。やはり想像上の快感と実際に旦那様に触れて頂く快感とではまったく異なるのでしょう。その片鱗を知ってしまった乳輪から耐え切れないほどの疼きが走り抜けるのでした。
 
 ―触って欲しい…っ♥もしくは触りたい……っ♥♥
 
 そのまま放っておけばおかしくなりそうな疼きに胸の先はそう訴えかけてきました。しかし、旦那様はまだ胸の感触を楽しむように揉みしだくだけで乳首にはまったく手を触れて下さいません。それにも関わらず私自身の手が自らを慰め始めれば、なんとはしたない女だと軽蔑されてしまうかもしれないのです。だからこそ、ここは旦那様が自主的に触れて下さるまで我慢を……――
 
 ―…ち、違います…っ!そ、そうじゃなくって……!
 
 何時の間にか触れられる事前提で進んでいる思考を私はそう打ち切りました。しかし、自分の中に受容の言葉が浮かんだという過去を消せる訳ではありません。もう思考すら曖昧になるほど本能に負け始めている。それを自覚させられた私の顔がぽっと熱くなり、胸の奥に疼きが走るのです。
 
 「桜燐様…っ!桜燐様……っ!!」
 「ひあぁぁぁ♥♥」
 
 その瞬間を待ち望んでいたように旦那様の指が私の乳輪をぐっと押し込むのです。乳肉の頂点からぎゅっと鷲掴みにした旦那様の手に乳輪の疼きが充足していくのが分かりました。しかし、それは決してそれだけではありません。ぷっくりとした乳輪からは腰を震わせるような鋭い快楽が走り、私の子宮へと突き刺さるのです。
 
 「ふあ…ぁぁっ♥しゅごぉ…っ♪」
 
 ただ、薄紅色の乳輪に触れてもらっただけ。そう。それだけなのです。しかし、たったそれだけで私の我慢は決壊してしまいました。半開きになった口からは陶酔の言葉が漏れて、蛇身にも震えが走ります。快楽が突き刺さった子宮から愛液と共に欲情が湧き上がり、私の理性を飲み込もうとしているのが分かりました。
 
 「ここ…良いんですね…!桜燐様も…俺の指で感じてくれてるんですね…!」
 
 精通したばかりと言えども旦那様は立派なオスなのでしょう。そんな私の様子に気づき、乳輪にぐっと指を埋め込んでくれるのでした。赤く染まった桜色が旦那様の指に押し込められ、弄ばれる感覚に背筋が浮き上がりそうになってしまうのです。それを反射的に抑えようとした私の蛇身はさらに旦那様の身体へと絡みつき、密着するのでした。
 
 「あぁぁっ♪そ、そうれすぅっ♥♥そこ…しゅごく感じますぅ…♥」
 
 しかし、そんな身体の反応を抑えようとするのが私には精一杯だったのです。半開きになった口を閉じる術を持たない私は口から淫らな言葉を吐き出してしまうのでした。本来であればはしたないと蔑まれてもおかしくない淫らな言葉を口にさせられている。その被虐感に私の蛇身にはまた快楽が走ってしまうのでした。
 
 ―はしたない言葉、気持ち良い…っ♥淫らな言葉が良いのぉっ…♪
 
 はしたない言葉を口にするのはとても気持ち良い。それを学習した魔物娘の本能が私の胸に幾つも淫語を浮かばせるのです。どれも皆、普段であれば決して口に出来ないような淫らなものばかり。しかし、そんな言葉を思い浮かべる事そのものが私をとても興奮させるのです。どんどんと淫らなメスへと変わりつつある自分を自覚させ、子宮を頭の奥をドロリと蕩けさせるのでした。
 
 「もっと…ぉっ♪もっとそこ弄って下さいぃっ♥クリクリぃ…♪こしゅこしゅって弄んでぇっ♥♥」
 「…っ!桜燐様……!!」
 「きゃぅぅぅんっっ♥♥」
 
 私の淫らなオネダリに応え、旦那様の指が私の乳輪に爪を立てて下さるのです。押し込められた桃色のそこに硬い爪の感覚が突き刺さり、胸の芯が被虐的快楽を覚えるのでした。そして、旦那様の爪がクリクリと乳輪に沿うように動く度に被虐的快楽を覚えた胸の奥が震えるのです。
 
 「は…ぁぁっ♪これしゅごいんですぅっ♥クリクリ良いのぉっ♥♥にゅぅりんにだけでぇっ♪もうビクビクってしちゃうんれすよぉっ♥♥」
 
 魔物娘の本能がその感覚を旦那様へと伝えようとすぐさま言葉にするのです。しかし、それはまったく論理的なものにはなっていませんでした。当然でしょう。だって、私の思考の大半はもう欲望に埋め尽くされているのですから。舌も上手く回らず、子どものように舌足らずな言葉を口にしてしまうのです。
 
 「くぅぅ…!」」
 「あはぁっ♥♥」
 
 しかし、そこに込められた欲望は旦那様へとしっかりと伝わったのでしょう。私の甘い訴えを聞いた旦那様は小さく呻きながら、手に力を込めて下さいます。興奮の宿った熱い手で敏感な部分をより強く弄ばれる感覚に私の口から悦びの声が出るのです。そして、媚と欲情をたっぷりと混ぜ込んだその声をあげた瞬間、旦那様の手が私の胸の一番、硬い部分をきゅっと摘まれるのでした。
 
 「ひぅ…っ〜〜〜ぅぅぅぅぅぅっっ♥♥♥」
 
 その瞬間、私の胸の芯がブルブルと震え、背骨まで快楽を伝えてくるのです。そのまま背骨を震えさせながら駆け上がった快楽は私の脳へと突き刺さり、また奥をドロドロにするのでした。勿論、それだけではありません。脳を目指した快楽とは別に背骨を駆け降りた快楽の方は子宮へと到達し、私のお腹の奥にまた淫らな熱を灯すのです。
 
 ―はぁ…ぁっ♥♥震えてるぅ…♪子宮震えてますぅ…っ♥
 
 ドロドロとした熱量蠢く子宮がその淫らな熱にもう我慢出来ないとばかりに震え、愛液を膣肉へと垂れ流すのです。そして子宮の涎のようなそれは膣肉へと絡みつき、そこを熱く疼かせるのでした。今すぐ肉棒を突っ込んでその疼きを止めて欲しい。そう思わせるほどの熱に私の蛇身がもじもじと身動ぎを始めました。
 
 「あぁ…欲しい…っ♥貴方のオチンポ欲しいです…っ♥♥奥まで思いっきり貴方のオチンポでこすりあげて欲しいのぉ…っ♪♪」
 「桜燐様…っ!!」
 
 その大半を欲望へと支配された思考がそんな言葉を私に口にさせるのです。一足飛びに交わりを要求する淫らな言葉。それに旦那様の指にも力が入り、私の乳首をぎゅっと指の間で押しつぶして下さいます。勿論、それはさっきよりも鋭く子宮へと突き刺さり、メスの一番大事な部分を震わせるのでした。そして再び溢れ出た愛液にまた女芯の疼きが強くなっていくのです。
 
 「桜燐様…!そんな…そんな淫らな事を言われたら……!!」
 「はぁ…ぁぁあああぁぁぁっっ♥♥」
 
 欲望が暴走し始めた私と同じく、旦那様も興奮を持て余し始めているのでしょう。私を押し倒すその顔からは熱い吐息が溢れ、興奮と欲情に塗れています。僅かに困惑も浮かばせてはいますが、旦那様の指は決して止まってはいません。私のオネダリに応えて、乳首を摘み、指の間で転がしてくださるのです。
 
 ―しかも…時折、ぎゅっと力を込めて下さって……っ♥♥
 
 ただ指の間で転がされるだけでも腰が浮き上がりそうになるほどに気持ち良いのです。その上、まるで快楽に慣れさせまいとするように乳首を虐められて魔物娘として熟れた身体を持て余していた私が我慢出来るはずがありません。浮かんだ腰の奥から熱が弾け、ドロドロした快楽が身体中へと広がるのが分かります。それは私にとってある種、身近なもので……――
 
 「ふあぁ…ぁっ♪イってりゅぅ♥私、イってるんですぅっ♪♪」
 
 勿論、それは本当の交わりに比べれば、とても軽いものでしょう。私が自分自身の熟れた身体を慰めていた時でさえ味わえるのですから。ですが、身体の中を蕩けさせるようなその熱は私が知る最高の快楽であるのです。それを味わった意識が揺れ、欲望へと大きく傾いていくのが分かります。それに私は少なくない困惑を浮かべてしまうのでした。
 
 ―しょん…なぁっ♥何時もなら…いちゅもなら…これで落ちちゅくはずなのにぃ…っ♥♥
 
 そう。普段、私が自分を慰める時にはこの絶頂で欲情の波は一旦、収まってくれるのです。ですが、今はその気配がまったくありません。寧ろ軽い絶頂へと至る度に魔物娘の本能が欲求不満を訴え、どんどんと疼きが強くなっているようにも感じられるのです。私がずっと抑えてきた感情を開放し、権助君を旦那様へと迎えた事で本能のタガが外れたのでしょうか。気持ち良さを子宮が貪る度にどんどんと身体が貪欲になっているようにも感じるのです。
 
 ―ううん…っ♥違います…ね♪私…戻ってるんですぅ…♥♥
 
 どれだけ水神などと崇められても龍は所詮、魔物娘であるのです。母がそうであったように一度、殿方を手に入れれば龍と言えども本能をむき出しにしてしまうのでしょう。そう。これはあくまで私の本性なのです。旦那様の肉棒を下の口で咥え込み、思いっきり精液を吐き出してもらうまで収まらない淫らなメスが本当の私なのです。
 
 「ふゅぅ…ぅっ♪胸もぉっ♥私のおっぱいももっとグリグリしてくだしゃいっ♥もっと私を…旦那様の指でイかせてくださいいぃっ♥♥」
 
 本当の私を剥き出しにした淫らな言葉に子宮が悦ぶようにきゅっと縮みました。それに合わせるようにしてきゅぅぅぅぅんと激しい疼きが走るのです。背筋を這い上がるその疼きに私の身体を縛り付けていた鎖が音を立てて崩れていくのでした。その後に残るのは剥き出しになった魔物娘の本能だけです。
 
 「ん…あぁぁ…っ♥もっとぉ…♥もっともっともっともっともっとぉぉっ♥♥」
 「うぷっ…!」
 
 その解放された本能が旦那様の顔を再び胸へと押し付けます。しかし、それはさっきのような谷間ではありません。私の胸の頂点で勃起している乳首へ目掛けて旦那様の顔を引きずり込むのです。急に柔肉へと引きずり込まれる感覚に旦那様が驚きの声をあげますが、私は最早、その程度では止まれません。理性という薄皮を剥いた先から現れた欲望のままに私は言葉を紡ぐのです。
 
 「あはぁっ♪乳首舐めても良いんですよ…ぉ♥ううん…舐めて欲しいんです…っ♥貴方のおっぱいだからぁっ♥貴方だけのモノにして欲しいんですよぉ…っ♥♥」
 「んん……っ!」
 「きゅぅぅぅ…っっ〜〜〜♪♪♪」
 
 そんな淫らなオネダリに旦那様はそっと乳首を口に含んで下さるのです。瞬間、私の乳首から生暖かい粘膜に包まれる感覚が広がってくるのでした。それは指で思うがままに弄ばれる被虐的な快楽とは違い、とても優しく暖かい気持ち良さです。温泉へと浸かっている時の心地よさを何倍にも高めたようなそれは私に抵抗すら考えさせないまま全身へと広がっていくのでした。
 
 「ちゅぅ…ぅ」
 
 その上、旦那様はちゅっちゅと私の乳首を吸って下さるのです。うっとりと夢見心地な顔をしながら嬉しそうに吸って下さるその姿だけで胸の芯は疼き、震えてしまいました。その奥ではまた暖かい熱が広がり、私の身体を嬉しさと愛しさで火照らせるのです。何度、味わっても格別なその感覚と未だ旦那様の手によって乳首が弄られている快楽に私は強い喜悦を抱くのでした。
 
 ―あぁ…っ♥可愛い…っ♪私の旦那様はとっても可愛いお方です…っ♥♥
 
 未婚の私は勿論、こうして誰かに乳首を預けた事は一度足りともありません。しかし、母性愛をじくじくと刺激するその光景は未婚の私でさえ赤ん坊を彷彿とさせるのです。まるでメスに刻まれた本能が訴えかけるようなそれに一度は薄れかけた母性愛が再びメラメラと燃え始めるのが分かりました。
 
 ―あはぁ…♥でも…赤ん坊はこんなに淫らな吸い方をしないですよね…♥♥
 
 最初の頃は旦那様もちゅぅちゅぅと吸っているだけであったのです。しかし、段々、吸う事以外にも興味が出てこられたのでしょう。乳輪全てを口に含むように乳房にしゃぶりつき、角度を変えて私の乳首を吸われるのです。それはもうさっきまでのように夢中で母乳を求める赤ん坊のようなとは到底、言えないような姿でした。私の乳肉を弄び、貪ろうとするオスの顔を表し始めていたのです。
 
 「ん…くぅぅぅっ♥♥」
 
 乳輪ごと強引に吸い上げられる乳肉が被虐的な快楽を訴えてくる度に私の中の母性愛はまったく別種のモノへと変容していきます。いえ、まったく別…と言うのは言い過ぎなのかもしれません。だって、その愛を向けられる対象者が旦那様であるという点はまったく同じなのですから。ただ一つ違うのは、そこには母性愛とはまったく関係ないはずの独占欲や性欲が絡んでいるという事だけ。もうこの愛しい殿方を他の誰にも渡したくはないという浅ましい願望が混ざり込んでしまっているのです。
 
 ―でも…でも…良いですよね…っ♥だって…だって、私は旦那様のお嫁さんなのですから…っ♪
 
 まだ私たちは結納もあげていません。いえ、それどころか旦那様の正式な保護者である村長さんにも何の報告も出来てはいないのです。しかし…しかし、それでも旦那様は私に告白し…そしてこうして求めてくださっている。愛しい殿方にそんな事をされているのに結納がどうだとか言えるほど私は冷たい女ではありません。本能に刻み込まれた熟れた肢体の所有者に蛇身をさらに絡みつかせ、愛しい旦那様とさらに密着しようとするのです。
 
 「ひぃぃぃん…っ♥♥」
 
 それが不満だったのでしょうか。旦那様は私の乳首を歯で捕まえ、コリコリと歯の間で刺激されるのです。今までの優しい粘膜の感覚ではなく、硬い歯が襲いかかってくる感覚に私は思わず悲鳴のような声をあげてしまいました。しかし、それは決して悲鳴などではありません。艶と媚の浮かんだそれは間違いなく、被虐的快楽によってもたらされた嬌声です。
 
 「あっ!…ご、ごめんなさい…」
 「あん…♥」
 
 しかし、それがまだ幼い旦那様には分からないのでしょう。押し付けられた頭を乳首から離し、私を気遣って下さるのです。獣欲にその思考の大半を支配されていながらも、私を心配してくれるその姿は勿論、嬉しいものでした。ですが、唐突に中断された快楽は私の胸の芯に残り、ズキズキと疼きを走らせているのです。どんどん膨れ上がるその疼きを解消して貰わなければ、私自身がどうにかなってしまいそうなのでした。
 
 「良いんですよ…♥とっても気持ち良かったんですから…♪」
 「ほ、本当に…?」
 
 そう言う旦那様の顔にはまだ不安の色が残っていました。恐らく勢いでここまでやってしまったものの、私の声で冷静になったのでしょう。これはただの強姦で私は本心では嫌がっているのではないかと思っているのがその表情から見て取れます。
 しかし、私は一度だってこれを強姦だと思った事はありません。妻に性行為を求めるのは夫としての権利であるのです。しかも、今日は私と旦那様が結ばれた最初の夜――つまり初夜であるとも言えるでしょう。それなのに旦那様を拒もうとした最初の私の方が間違っているのだと言わざるを得ません。
 
 ―それに…私ももう…我慢出来ない…っ♪
 
 既に理性などは明後日の方向へと投げ捨てられてしまっていました。私の中で剥き出しになった魔物娘の本能は旦那様との交わりを心行まで乱れ、犯される激しい交尾を望んでいたのです。今までずっと長い間、放置されてきた本能と熟れた身体の前に理性が敗北した以上、それを止める術は私にはありません。我慢など考えられるはずもなく、早く旦那様のオチンポを私の濡れそぼった女陰に挿入し、かき回して欲しくて堪らないのです。
 
 「本当ですよ♥貴方の口の中がとぉっても気持ち良くって…私のおっぱいがとろけちゃいそうでした…♪」
 「…っ!桜燐様…っ!」
 「んあぁん…っ♥♥」
 
 欲望と陶酔を浮かばせた私の言葉に再び性欲が理性を上回ったのでしょう。旦那様は私の乳房へと再び吸いつき、舌を乳首へと絡めてくるのです。ペロペロと飴玉でも舐めるように無遠慮に乳首を転がすその動きに再び性感がムクムクと高められていくのでした。暖かな粘膜と弾力を持つ舌に唾液を塗りたくられるような愛撫に胸の疼きも少しずつ収まっていくのです。
 
 「ひぃ…っ♥ぅぅぅ♥♥」
 
 その瞬間、旦那様の歯が再び私の乳首を捉えました。歯でがっちりと挟みこむようなそれに乳首の逃げ場はありません。そのまま無防備に歯の間で転がされるだけなのです。クリクリ、コリコリと音を立てて愛撫される乳首から伝わる快楽はさっきの比較的優しい愛撫とは比べ物になりません。胸の芯へと突き刺さり、胸全体を震わせるような激しい快楽に私は全身を震わせて夢中になっていたのです。
 
 「ふぅ…っ♪はぁ……ぁっ♥」
 
 そのまま数分ほど歯で愛撫した後、旦那様は再び舌で唾液を塗りこみ始めるのです。まるで激しい愛撫を我慢したご褒美だと言うようなそれに熱を灯した乳首が悦んでしまいます。強すぎる刺激に敏感になった神経をゆっくりと癒してくれるその愛撫に思わず目を閉じて浸ってしまいたくなるほどでした。
 
 「きゃふぅぅぅぅんっ♥♥」
 
 しかし、その瞬間、また旦那様が私の乳首を甘噛みしてくるのです。まるでどちらの快楽にも慣れさせまいとするような旦那様の愛撫に私はあっさりと翻弄されていました。ただ弄ばれ、貪られるしかなかったのです。しかし、私にとってはそれこそが幸せでした。愛しい殿方に求められ、貪られているのですから当然でしょう。
 
 ―あはぁ…っ♥それに…旦那様もとっても悦んでくださってます…ぅっ♪
 
 先の私の言葉でもう理性のタガが外れてしまったのでしょう。全身に抱きついた私へと向かって、旦那様は腰を前後に振るっていたのでした。それは意識的なものなのか、それとも無意識的なものなのかは分かりません。でも、私にとってはどちらでも構わないのです。どちらであっても旦那様が私を求めて、その熱い肉棒を押し付けてくださっているのは変わりがないのですから。
 
 「ふぅ…ぅん♥分かりますかぁ…っ♥私…今、とってもドキドキしてますぅ…っ♪旦那様に胸を食べられて…ぇ♪お腹にオチンポ押し付けられて…胸の奥が弾けそうなくらいなんですよぉ…♥♥」
 「っ!!」
 
 ついついその悦びを表現しようとして口走った淫らな言葉に旦那様の腰の動きが止まりました。恐らくではありますが、オチンポを押し付けられている事を咎められたと思ったのでしょう。ちらりと胸の方に目を向ければ気まずそうな旦那様の顔が目に入りました。キュゥゥゥゥンと胸の奥が締め付けられるように感じるその顔にメラメラと愛しさが沸き上がってくるのです。
 
 「あは…っ♪大丈夫ですよぉ…♥私の身体で気持ち良くなってくれてるんですよね…っ♪オチンポビンビンにして…気持ち良くなりたいんですよね……♥♥」
 
 その言葉と共に私の腕は旦那様の背中からそっと離れ、自分の帯へと掛かるのです。そのままそっと紐を解いてスルスルと脱ぎ去っていくのでした。起用に蛇身を動かして下の方へと帯びを移動させる私の動きに旦那様の口から息を呑む音が聞こえます。これだけの動きでさえ愛しい殿方が感じてくださっている。その悦びを胸に宿しながら、私はそっと自分の作務衣の前を開いたのです。
 
 ―勿論、その下には一糸も纏ってはいません。
 
 下半身が蛇のようになっているという構造上、私達は下に何か纏う事は出来ません。人の間で出回っている下着を身につける事も不可能なのです。勿論、魔力を使えば人の下半身へと変わる事も出来ますが、それはあくまで一時的な措置でしかありません。通常の状態で下着を身につけられない私達にそんな習慣が育つはずもないのです。
 
 ―だから…私の女陰も旦那様と触れていて……っ♥♥
 
 下着がない代わりに普段は鱗で保護されてる私の貪欲な口。そこを保護していた鱗は旦那様に告白された瞬間に開き、その奥のオマンコも愛液を滴らせていたのです。今すぐオチンポが欲しいと言わんばかりにひくつく淫らな肉穴とそこから溢れる愛液が旦那様と擦れる度にクチュクチュと音を立てる感覚はとっても性的で淫らでした。
 
 ―ふふ…これだけでまたイッちゃいそうですぅ…♥
 
 乳首だけじゃなくてオマンコでまで旦那様と触れ合っている。その上、私の愛液は淫らな音を奏で、それが性的なものであると実感させるのです。胸を弄られて敏感になり、快楽を注ぎ込まれてきた身体がその感覚に我慢出来るはずなどありません。また軽い絶頂を迎えそうになっても何らおかしくはないでしょう。
 
 「ほぉら…♥私のココも貴方を…旦那様を求めてもうひくついちゃってるんですよ…♪だから…思いっきり腰を振っても良いんです…♥いえ…寧ろ…ケダモノのように激しく振って下さい…っ♥私を犯して…私で気持ち良くなってください…っ♪♪」
 「…っっ!」
 
 その淫らな言葉に旦那様の腰が堰を切ったように一気に動き始めました。そこにはさっきまで微かに感じられた遠慮のようなものはありません。ただ、私の熟れた肢体にオチンポを擦りつけ、射精しようとするオスの欲望がそこには滾っていたのです。
 
 ―あぁっ♥コスコスって…オチンポ熱いぃ…っ♪♪
 
 その欲望の尖兵たる旦那様のオチンポは褌と作務衣越しでさえはっきりと分かるくらいに熱くなっていました。複数の布に阻まれているにも関わらず、はっきりとその存在を感じられる逞しさに思わず胸の奥が疼いてしまいます。早くこれが欲しい。このオチンポで私のメスに所有印を刻み込んで欲しい。その欲望が激しく燃え上がり、私の胸の内を焦がしているようです。
 
 ―でも…でもぉ…っ♪
 
 しかし、それは出来ません。だって旦那様はまだ作務衣も褌も脱いではいないのです。どれだけ私の熟れた肢体に腰を押し付けた所で挿入する事は出来ません。そう思い浮かべるだけで私の子宮は身悶えするように疼きを走らせ、オスを誘うように大陰唇をひくつかせてしまうのです。
 
 「はぁ…!ちゅぅぅ…っ」
 「ふぅ…ぅぅんっ♥あはぁ…♪良いですよ…っ♥私のおっぱいにももっと甘えて下さって良いんですからね…♥私は全部…ぜぇんぶ…貴方のものなんですからぁ…っ♥♥」
 
 そんな私の子宮に慰めのように乳首から快楽が注ぎ込まれていきます。しかし、私の貪欲なメスの部分はもうそんなものでは満足出来ません。身悶えする子宮の疼きは旦那様のオチンポとその精液でしか癒す事が出来ないのですから。乳首を吸われながら舌で弄ばれ、歯ですり潰されるのはとても気持ち良いですが、それだけでは到底、充足へは至らないのです。
 
 ―そしてそれとは裏腹に私の身体はどんどんと高まっていって……♪
 
 「あはぁ…っ♥波来るぅ…♪おっぱいからじぃんって波が来ちゃいますぅ…っ♥また…まら私イッちゃいますよぉ…♥」
 
 再び私の子宮で高まっていく熱。それに私は絶頂を予感しました。しかし、そこにはもう胸を弄られて二度三度と絶頂してしまう淫らな身体への悦びはありません。その絶頂をどれだけ貪ったとしても私は満足できないという確信とそれに対する不満だけが渦巻いていたのです。
 
 ―こんなんじゃ…こんなんじゃぁ私…ぃ♥♥
 
 かつて私の欲望を唯一、抑えてくれた絶頂。それがとても安っぽく下らないものに堕ちていくのを感じて、私は困惑の声を胸中であげました。しかし、それは火が点いた魔物娘の本能にはまったく届いてはくれません。ひたすらに高まる欲望を、今まで抑えこまれていた欲望を、充足させる事しか考えない私の本性はそれ以上の不満の声をあげ、泣き叫んでいたのです。そしてその不満を少しでも解消しようと私の腕が再び旦那様を抱き寄せた瞬間……――
 
 「う…あぁ…!!」
 
 ビクンと旦那様の腰が跳ねたと思うとそのままビクビクと断続的に震え始めるのです。その震えが一体、何なのかはまったく性的な経験のない私には分かりません。しかし、旦那様の震えや顔はとても気持ち良さそうなのです。ぎゅっと目を瞑って、歯を噛み締める姿は何処か夢見心地のようで……――
 
 ―あぁ…そんな顔見せられたら私…私もぉ……っ♥♥
 
 「ふあぁ…んっ♥♥」
 
 今にも蕩けてしまいそうな可愛らしい表情。それに私の子宮から熱が急速に広がっていきました。まるで波紋のように勢い良く広がるそれに私の神経は粟立ち、蛇身に震えが走るのです。ぎゅっと旦那様を抱きしめた腕の内側にも広がったその波に腕もまた震えるのを感じながら、私はその蕩けるような熱に身を委ねていました。
 
 ―そんな私の鼻に独特の青臭さが漂ってきて…♥♥
 
 ツンと鼻を突く刺激を伴った匂い。それは普通であれば忌避するものなのかもしれません。しかし、私にとっては…いえ、魔物娘にとってはそれはまるで違います。魔物娘にとってはその匂いこそ、最高のご馳走の到来を意味しているのですから。悪い匂いなどと思うはずなどありません。寧ろ胸の内がざわつき、頭がクラリと揺れるのを感じるほど良い匂いなのです。
 
 ―これって…っ♥これって…そういう事なのですね……っ♪
 
 常に母と父が漂わせていた独特の匂い。幸せな夫婦だけが纏う事の出来る最高の匂いに私の子宮が騒ぎ始めるのです。勿論、それは子宮だけではありません。私の思考を司る脳でもドロドロの脳汁が出て、思考を蕩けさせるのです。自分が一体、何を考えているのか。それすら曖昧になった私の手がそっと旦那様の頬を包むように動くのでした。
 
 「ふふ…♪貴方も…イッたんですね…♪精液…出してくれたんですね…♥」
 「は…はい……」
 
 陶酔を浮かべた私の言葉に旦那様は乳首から口を離して気恥ずかしそうにそう返してくれました。やはり擦りつけてイッてしまったというのは殿方にとっては恥ずかしいものなのでしょう。ぽっと顔を赤らめて視線を背けるその姿は堪らなく可愛いです。思わず抱きしめたくなりますが、今はそれ以上に精液が欲しくて堪りません。その褌の中にたぁっぷり残っているであろう射精したての白濁液を味わいたくて仕方ないのです。
 
 「じゃあ…先にキレイキレイしないといけませんね…♥」
 「お、桜燐様…っ!?」
 
 戸惑いの声を上げる旦那様に構わず、私は蛇身で旦那様の身体を持ち上げました。そのまま押し倒されていた身体を起こし、逆に旦那様を布団へと押し倒すのです。そして、布団の上に三角座りをさせるような姿勢で抑え込んだご主人様の両足をそっと開けば……――
 
 「ふあぁ…ぁ♥♥」
 
 そこはむわっとした熱気さえ感じられるほどドロドロになっていました。下着を貫通した精液が作務衣に小さな染みを作っているほどなのですから当然でしょう。若さのままに勢い良く射精された証に思わず私の頬が蕩けて、落ちてしまいそうになるのです。射精の痕跡を見ただけでこんなにも心と身体が悦んでしまう。そんな淫らな本性を私が抑えられる訳がなく、そのまま私の手は旦那様の作務衣を無理矢理、脱がせていくのでした。
 
 「さぁ…下着も作務衣も…全部、脱ぎ脱ぎしちゃいましょうね…♥」
 「う、うぅ…」
 
 私の言葉に旦那様が恥ずかしそうな言葉を紡ぎました。しかし、どれだけ恥ずかしがろうと旦那様はそれに抵抗する事は出来ません。押し倒した時のどさくさに紛れて私の蛇身は旦那様の腕へと巻き付いているのです。関節のない蛇身の特徴を活かした今の私は旦那様の横から顔を出しているような状態でした。
 
 ―ふふ…♪こんな身体で良かったと思えたのは初めて…♥
 
 それは勿論、自分の生まれを呪うほどではありません。母と父がどうやって愛し合い、私が生まれたかを何度も惚気けられた私にとって私の生誕をどれだけ喜んでくれたのかは嫌と言うほど分かっているのですから。しかし、両親が幸せそうであればあるほど、人からかけ離れたこの身体を恨めしく思えたのも事実なのです。こんな化物のような身体ではなく、もっと人に近いものであれば…と暗い考えを浮かばせたのは一度や二度ではありません。
 
 ―でも…今の私はこの身体があるからこそ…こうしていられるんですね…♥
 
 旦那様を自分の身体で拘束し、その上で服を脱がす事が出来る。いえ、さらに言えばこれだけ長い身体だからこそ、それだけ広く旦那様を感じる事が出来るのです。その幸せをようやく自覚した私の心は晴れ渡り、一つ重荷が消え去ったように感じるのでした。そして何処までも飛んでいけそうな心が浮かばせるのは旦那様への愛情と欲望だけなのです。
 
 ―それらを充足させようと私の身体が旦那様から褌を剥ぎとって……♥
 
 「ふわぁぁ…っん…♥♥♥」
 
 真っ白い布が取り浚われた瞬間、肌色の何かが私の視界の中でぴょこんと跳ねるのです。私の小指よりも少し細く、小さいそれの先端にはピンク色の可愛らしい粘膜が顔を出していました。そしてその頂点にはぴったりと閉じた唇のような部分があり…そこには白い液体がまたべったりとこべりついていたのです。
 
 「これが…これが…私の旦那様のオチンポぉ……♥♥」
 
 初めて見るその肉の器官。それは思ったよりも幾分、可愛いものでした。母から惚気けられた時に聞いた逞しくも凶悪なイメージはそこにはまったくなかったのです。しかし、可愛らしくともそれはメスを虜にし、心奪わせる器官なのでしょう。こうして見ているだけでも私の子宮がキュゥゥゥンと反応し、愛液をまた垂れ流してしまうのでした。
 
 「あ、あんまり見ないで下さい…!」
 「こんなに立派なものを見ないなんて…無理ですよ…♥♥」
 
 恥ずかしそうに顔を背ける旦那様へ紡いだ言葉は紛れも無い本心でした。確かに旦那様のオチンポは人並みよりも小さいのかもしれません。しかし、それは私の旦那様がまだまだ発展途上故に仕方のない事なのです。しかし、その一方で旦那様のオチンポは私の子宮を疼かせ、本能を刺激しているのでした。まだ発展途上にも関わらず、立派にオチンポをしている旦那様の男根を立派と称する以外にどう呼べば良いのか。私では分かりません。
 
 「そ、それでも…やっぱり恥ずかしいです…!お、桜燐様だってそうでしょう…?」
 「あら…♪私は旦那様になら何を見られても構いませんよ…♥」
 
 だって、私の全てはもう旦那様のモノなのです。オマンコは勿論の事、口や胸、子宮までもが全て旦那様専用となっているのです。それらを見られた所で気に病む事はまったくありません。恥ずかしくはありますが、わざわざ隠したいとも思わないのです。
 しかし、そのような意図は愛しい殿方にあまり伝わってはいなかったのでしょう。切り返したその言葉を聞いて、旦那様は赤く染まった顔に興奮を混ぜられました。恥部を見られる羞恥と独占欲が充足し、興奮いたオスの両方の顔を見せる旦那様の姿に私の本能がまたザワザワと騒ぎ出すのです。
 
 「ふふ…♥それじゃあ…その証拠を見せてあげますね……♥」
 「う、うわ…っ!」
 
 その言葉と共に私の身体は旦那様を布団へと寝かせ始めます。膝を立て、太ももを開いたまま背中を布団へと押し付けられた愛しい殿方は反射的に抵抗しようとしました。しかし、本能に後押しされた龍の力には敵うはずがありません。バタバタと振るわれていた腕もそれをすぐに悟り、大人しくなるのです。
 
 ―そんな旦那様の上に私は腰を移動させ…♥
 
 「ほら…これが今から旦那様が味わう女のオマンコですよ……♥♥」
 
 旦那様のあどけない顔の前へと移動した女陰からはポトポトと愛液が滴り落ちていました。既に限界近くにまで焦らされているのですから当然でしょう。ですが、これでもまだ大陰唇がぴっちりと閉じているのです。粘膜を保護する大事な部分を開けば、小さな滝のような勢いで旦那様へと振りかかる事でしょう。
 
 ―でも…それは……♥
 
 やってみたくないと言えば嘘になってしまうでしょう。しかし、旦那様はこの交わりが初めてなのです。勿論、それは私も同じですが、性的な行為に特化した魔物娘と人間ではやはりどうしても価値観に違いがあるでしょう。あんまり強引に責めすぎてしまうと旦那様の心の傷になりかねません。それは末永く旦那様と幸せに暮らしていきたい私にとってとても許容出来るものではないのです。
 
 ―だから…ここは……ぁ♪
 
 「私が貴方のオチンポを綺麗にしている間…沢山、ご覧になって下さいね…♥」
 
 その言葉と共に私の頭は旦那様へのオチンポの方へとゆっくり倒れていくのです。プンプンと精の匂いを撒き散らす肉棒に近づくだけで私の秘所が疼き、頭の中がそれ一色になってしまうのでした。嗅覚を伝って脳を犯しているようにも感じる濃厚で若々しい精の匂いに私はもう耐え切れません。口の中一杯に唾液が溢れるのを感じながら、私は旦那様のオチンポへとしゃぶりついたのです。
 
 ―あぁ…っ♥♥美味しい…美味しい…ぃっ♪♪
 
 瞬間、私の口の中に甘い味が広がるのです。匂いからは想像も出来ないくらいに濃厚な甘さ。甘酒をもっと甘くトロトロにしたような味に私の舌は強い喜悦を訴えてきました。いえ、それはもう快感と言っても良いくらいなのかもしれません。今まで味わったどんなものよりも美味しい味は私の欲望を充足させ、背筋にゾクゾクとしたものを走らせているのですから。
 
 ―味だけじゃなくって…匂いもぉ…っ♥♥
 
 少し離れた所から嗅いでいるだけで頭が蕩けてしまいそうな魔性の匂い。それを今、私は至近距離から味わっているのです。しかも、口の中一杯に広がった精の匂いは甘い味とはかけ離れているはずなのに、その味を引き立てるものなのでした。まったく別の美味しいモノを二つ味わっているような不思議な感覚に私の心は一瞬で虜にされてしまったのです。
 
 「あぁぁ…!お、桜燐様…そ、そんな…ぁ!」
 
 そんな私に向かって旦那様はまるで信じられないものを見たような声を紡がれるのです。その顔が一体、どんな色に染まっているのか少し気になりましたが、私の中でこのままオチンポをしゃぶり続けたいという欲望が勝ってしまいました。
 
 ―それに…旦那様の声は興奮が強いものでしたし…♥♥
 
 一瞬、幻滅されているのではとも思いましたが、旦那様の声に混ざっているのは紛れもない興奮と欲情でした。私の淫らで貪欲な姿を見て、愛しい殿方も興奮してくれている。今の私にとってはそれだけが分かれば、十分なのです。そう思考を打ち切って、私は根元まで咥え込んだ愛しい殿方のオチンポにゆっくりと舌を這わせていくのでした。
 
 ―まずは…根元からぁ…♥♥
 
 ねっとりと唾液を纏った私の舌がオチンポの根元に絡みつきます。舌先を巻きつかせるようなそれにまだ陰毛も生えていない旦那様のオチンポはピクピクとひくつき悦んでくださいました。初めて味わうであろう粘膜の刺激に素直な反応を返してくれるオチンポが可愛くて、私の口はくるりと角度を変えるのです。
 
 「んぁ…!」
 
 その先端を頬の粘膜へと押し付けるように変わった角度に旦那様が小さな呻き声を漏らしました。可愛らしいその声に私の胸が高鳴り、鼓動に乗って全身へと興奮が広がっていきます。心地良い火照りを強めた私の身体はもっとそれを味わいたいとばかりにオチンポへと貪欲に舌を絡ませるのでした。
 
 「じゅるぅぅぅ…♥ん…ふぅ…ぅ♪♪」
 
 顔の角度を変えて裏筋までをねっとりと舐め上げる度に私の舌へと精液の甘さがじんわりと広がっていくのです。それは勿論、舐め取る度に少しずつ薄くなっていきました。しかし、そうやって薄れても尚、精液の味は中毒性を持っているのです。もっと欲しい。もっと味わいたい。そんな欲望が止まらず、私は執拗なまでにオチンポを舐め回してしまうのでした。
 
 ―まるで…オチンポに支配されてるみたい…♥♥
 
 精液の虜になったメスの執拗な愛撫。それはオチンポにとってはとても気持ち良いものなのでしょう。精液を舐めとる度にピクピクとオチンポが震えている事からも分かります。そしてオチンポはその愛撫を止めさせない為にその先端から透明な粘液を漏らしてくれるのでした。微かに精の匂いと味のするそれは自然と精液を彷彿とさせ、舐めとるのを中断させません。
 
 ―あはぁ…♥支配されるのって…とっても素敵ぃ……♪
 
 他の殿方のオチンポであればこんな事は決して思わなかったでしょう。しかし、今、私がこうして執拗に舐めているのは愛しい愛しい旦那様なのです。それに虜になってしまうのを一体、誰に恥じる必要があるでしょうか。寧ろ、旦那様のオチンポで虜となる事が妻としての権利であり、義務である。そんな事さえ私は思っていたのです。
 
 ―だからぁ…ぁ♥♥
 
 その愛しいオチンポをゆぅっくりと舐め上げていくのです。血管の一つ一つをねっとりと味わうようなそれに肉棒がまた跳ねて下さいました。今までずっと根元をクチュクチュしていた舌が、いきなり動き出したのが気持ち良かったのでしょう。驚いたように跳ねたオチンポの先端からはまた先走りがじわりと漏れ出るのが分かりました。それがたらりと肉幹を垂れ落ち、私の舌へと触れるのです。
 
 ―あぁ…っ♥♥まだこんなに…精液の味が残ってますぅ…♪♪
 
 もう舐めつくした根元とは違い、血管の浮き出た肉幹にはまだまだ精液の味が残っていました。それを夢中になって舐めとっている間にトロトロの先走りが私の舌へと触れるのです。微かに精の味を感じさせる先走りと精液の残滓。その二つによって私の子宮はまた震え、愛液を漏らしてしまうのです。
 
 「あぁ…お、桜燐様のが…またひくひくって……」
 「んふぅ…ぅっ♥♥」
 
 夢見心地にも近い旦那様の言葉に私の胸がズキンと疼くのが分かりました。勿論、私の女陰がひくついている事なんて私はちゃんと自覚しています。しかし、それをこうして……こうして欲望混じりで旦那様に言われるのはまったく違う感覚なのです。ゴクリと生唾を飲み込みながら言われるのは格別と言って良いほどの快感でした。自然、私の貪欲な子宮が熱くなり、早くひくついたそこへと旦那様のオチンポを咥え込みたいと訴えてくるのです。
 
 ―でも…まだ…まだお掃除は終わってません…っ♪♪
 
 精の味がしなくなるまでねっとりと舐めているだけにお掃除はまだ半分も終わっていないのです。先端の亀頭は勿論の事、広い肉幹の裏筋の部分にはまだまだ精液の残滓が残っている事でしょう。無論、精液が残っていたとしてもガチガチに勃起しているこのオチンポをオマンコに挿入してもなんら問題はありませんが、一度始めたお掃除を途中で中断するのはなんとなくむずむずするのです。
 
 ―それに…もっと…もっと精液舐めたいっていうのも…ありますし…♥♥
 
 私はもう旦那様のオチンポの虜になってしまっているのでした。その精液の味は勿論の事、小さい肉を去勢を張るように反らせる可愛らしい肉棒の事が大好きなのです。それを口から手放すのは中々、決断出来る事ではありません。ずっと私の口の中で可愛がってあげたい。ちゅるちゅると癒すように舐め上げてあげたい。そんな欲望が私の胸の内には確かにあったのです。
 
 「じゅるぅ…♥♥くちゅ…ぅ…♪ふぁぁ…ふぅ……♥」
 「あ…ぐぅ…」
 
 その思いのまま私は再び口の角度を変えて、舌を裏筋へと回すのです。ピンと可愛らしい曲線を描くそこへ舌が触れた瞬間、オチンポがまた跳ねて、旦那様の口からも快楽の声が漏れ出るのでした。今までにない強い反応に私は驚きましたが、それでも愛しい殿方の肉棒を口から離しません。ずぅっと咥え込み、唇をはむはむと蠢かせながら、愛撫し続けていたのです。
 
 ―あぁ…そう言えば……ぁ♪
 
 私は性体験がありません。ですが、それでも性体験の話を耳にした事が今までまったくないかと言えば、決してそうではないのです。両親の元から離れ、独り立ちした後もそれぞれの土地で魔物娘と交流がありました。その時の話題は大抵、旦那様への惚気か自らの性経験が中心であったのです。それを聞きながら、私も未来の旦那様に思いを馳せ、胸をドキドキと高鳴らせて――そして、時には自分を慰めて――いたのは否定出来ません。
 
 ―そして、その中には勿論、殿方の弱点もあって……♥
 
 大体の魔物娘が殿方の弱点は裏筋と先っぽであると言っていたのです。その弱点を今、私の舌が触れてしまったのでしょう。だからこそ、旦那様はあんなにもオチンポを震わせ、気持ち良さそうな声を漏らしてくれたのです。それがとても嬉しくて私の胸は強い喜悦を訴えてくるのでした。
 
 ―もっと…もっとしてあげますからね…♥旦那様のオチンポが綺麗になるまで…もっと…もっとぉ…っ♥♥
 
 自分の欲望と旦那様の快楽。その二つを同時に充足させる方法を見つけた私の舌が今まで以上の熱心さでオチンポへと絡み付いていくのです。限界一杯まで伸ばした舌を左右に動かし、裏筋を舐め上げていく愛撫に愛しい殿方の吐息がまた荒くなりました。まるで全力疾走した後のような断続的な吐息は旦那様が私の愛撫で感じてくれている証左に他なりません。
 
 ―あは…ぁ♥ご奉仕するだけで…こんなに嬉しくってドキドキさせられちゃうなんて…♪♪
 
 勿論、耳年増である私はこれまで出会ってきた魔物娘の口からそんな言葉を聞かされては来ました。愛撫されるのではなく、愛撫している時でさえ胸が蕩け、絶頂してしまいそうになる。そんな体験談を幾つも知っているのです。しかし、それらは魔物娘の私にとっても半信半疑でした。彼女らが嘘を言っていると疑っていた訳ではありませんが、自分がそんな風に乱れる姿をあまり想像出来なかったのです。
 
 ―でも…今は違います…ぅ♥旦那様のオチンポで…私…もうグチョグチョなんですよぉ…♪
 
 そう。その信じられなかった話が今の私には現実として受け止められているのです。旦那様のオチンポを舐め、精液を味わう幸せに絶頂に達してしまいそうな自分がいるのは決して嘘などではありません。そして、それは私が特別に淫らだからなどではないのです。旦那様が愛しいから、その肉棒が可愛いから、その精液も美味しいから……だからこそ、私はこれまで聞いてきた体験談のように乱れ、絶頂へと向かっているのでしょう。
 
 ―全部…全部、旦那様のお陰ですよ…♥旦那様が…旦那様が居てくれたからぁ……っ♥♥
 
 湧き上がる愛しさに感謝の念が混ざるのを感じながら、私の舌は亀頭へと向かうのです。先走りをじわじわと漏らすそこは肉幹以上に熱くなってくれていました。熱くて蕩けそうな亀頭を冷まそうと舌を触れさせた瞬間、肉棒がビクンと逃げるように跳ねるのです。しかし、二度目ともあれば私が驚く事はありません。まして私の貪欲な口がオチンポを逃がすはずもなく、旦那様の腫れあがった亀頭は私の舌にねっとりと舐められるのです。
 
 ―あぁ…っ♥とっても…♪とっても濃いです…ぅっ♥♥
 
 先走りだけではなくて精液も放つ場所だからでしょうか。熱い亀頭の先端には濃い精液がたっぷりと残っていました。肉幹に残っていたものとは比べものにならないくらい特濃の精液に私の頭の奥がまたドロドロと蕩けていくのです。既に欲望一色に染まりきっている頭の中がさらに蕩けていく感覚は私に心地良い酩酊感をもたらすのでした。
 
 ―ふふ…♪身体までドロドロになってきてます…ぅ…♥♥
 
 そしてその酩酊感は私の全身にふわふわとした感覚を与えてくるのです。何処か感覚を鈍らせるようなそれに私の頭がクラリと揺れるのでした。しかし、それは決して私の身体を鈍感にさせている訳ではありません。寧ろ触覚が鈍った分、快楽神経が際立ち、オチンポの感覚が全身に快楽として伝えられていくのです。
 
 「んんっ…♥ひ…ぅぅ……ぅ♥♥」
 
 その快楽にまた自分が絶頂へと一歩進んだのを感じながら、私は皮の間からぴょこんと飛び出た亀頭を舌先でクチュクチュと愛撫していくのです。何度も何度も円を描くようなそれにオチンポもまたとっても悦んでくれているのが分かりました。ですが、私自身がもうそれでは物足りないのです。もっと旦那様を気持ち良くしてあげたい。もっとその肉棒に悦んで欲しい。そんな言葉が絶え間なく胸の中に浮かんでくるのでした。
 
 ―だから…ぁっ♥なりましょうね…♪もっと…♥もぉぉぉっと気持ち良くなれるオチンポに…ぃっ♥
 
 その言葉と共に私の舌はまた亀頭の先端で円を描くのです。しかし、それはさっきまでのような中心を刺激するようなものではありません。その周縁を舌先で回し、ゆっくりと押し広げていくものなのです。しかし、勿論、舌だけで先端を覆う包皮を剥く事は出来ません。どれだけやっても途中ですぐ元に戻ってしまうのです。
 
 ―もう…っ♥頑固で臆病なオチンポなんですから…ぁ♥♥
 
 私がもっと気持ち良くしてあげようとしてるのにうぐ自分の殻に閉じこもろうとしてしまう肉棒に思わずそんな言葉が浮かびます。しかし、それは決して嫌な言葉ではありませんでした。だって、そんな頑固なオチンポにズル剥けの快楽を教え込んであげられるのです。きっと誰の手も触れた事のない部分を私が最初に気持ち良くしてあげられるのです。愛しい殿方の「最初」という世界に一つしかない宝物を手に入れられる悦びに私の胸は強く高鳴っていたのでした。
 
 ―だから…早くそれを下さい…っ♥私に旦那様の初めてになる栄誉を下さい…っ♥♥
 
 その欲望のままに私の右手がそっと旦那様の根元へと触れるのです。先端を舐めとる為に唇から離れたそこは私の唾液でテラテラと光り、先端への刺激にピクピクと震えていました。そこを親指と人差し指で輪を描くように捕まえた私の右手はゆっくりとオチンポの皮を下へと引き下げていくのです。
 
 「んあぁ…!お、桜燐様…ぁ!」
 
 ―ふふ…大丈夫ですよぉ♪全部…私に任せておいて下さいね…♥♥
 
 不安げな声をあげる旦那様に心の中でそう返しながら、私は亀頭を丹念に舐めていきました。保護していた包皮がなくなった所為で生まれたての赤ん坊のように敏感な粘膜が晒されているのです。まずはそこをたっぷりと愛し、祝福してあげなければいけません。
 
 「うあ…ぁ…っ!!」
 
 剥きたてほやほやの粘膜が舌で舐められるのが気持ち良いのでしょう。旦那様はそう声をあげながら足をピーンと張って、腰をガクガクと揺らして下さいます。勿論、その最中もオチンポは大人しくはしてくれていません。ビクビクと芯を震わせながら、私の愛撫に悦んでくれているのです。今まで以上に感じてくださっている旦那様の可愛らしい姿に私は胸の奥がまた熱くなるのを感じながら、舌を艶めかしく動かし、愛しい殿方の処女地に私自身を刻み込んでいくのです。
 
 「ふぅ…ぅ♥♥くちゅ…♪ひ…ふぅ…っ♥」
 
 アリの歩みのようにゆっくりと少しずつ皮を剥き、そこを丹念に唾液をすり込んでからまた皮を剥く。そんな愛撫を数分ほど繰り返した頃にはもう旦那様の亀頭からは完全に皮がなくなり、ズル剥けの大人オチンポへと変わっていたのです。まだ発展途上で可愛らしいカリ首も微かに波打つ粘膜を隠す事なく、恥ずかしそうに震えるオチンポの姿に私の子宮がきゅぅぅぅっと唸るのでした。
 
 ―あぁ…っ♥これが…これが本当の旦那様のオチンポ…っ♪♪
 
 そう思うだけで私の子宮からドロリと熱い粘液が溢れるのです。しかし、今回はそれだけではありませんでした。まるで愛液で一杯になったオマンコを子宮が滑るようにゆっくりと降りていくのです。それはまるで精液を欲して貪欲な子宮が降りてきたようにも思えますが、多分――何の確証もありませんが――違うのでしょう。
 
 ―だって…それは中腹くらいの部分でピタリと止まって…ぇ♥♥
 
 貪欲なメスの本性が現れるオマンコ。その半分ほどでピタリと止まった子宮の位置は丁度、旦那様のオチンポと同じくらいなのです。勿論、それは何の性的な経験を持たない処女の見立てでしかありません。ですが、私もまた魔物娘であるのです。性を持ってして殿方を捕まえる淫らな種族の一員である私の本能がその見立てを正しいと言っているのでした。
 
 ―だから…きっと…きっとそれは……♥♥
 
 私の身体が目の前のズル剥け大人オチンポを旦那様のモノであるとはっきりと認めたのでしょう。だからこそ、その魅力を最大限に味わえるように子宮が滑るように堕ちてきたのです。愛しい殿方のオチンポで子宮を思いっきり叩いて貰えるように私の身体そのものが変わってしまった。その感覚に私の背筋は喜悦に震え、鼻から興奮の息を吐いてしまうのです。
 
 「ふゅ…ぅ…♥ひ…ぅ…っ♪ふゅぅぅ……ぅっ♪♪」
 
 胸を大きく膨らませての吐息に自分がどれだけ興奮しているかを自覚してしまいます。私の身体の内側を焦がす快楽の燃料となったそれに快楽神経がピリピリとした快感を全身へと広げました。それに導かれるようにして舌が旦那様の肉棒へと絡みつきますが、そこにはもう精液の味も匂いも何も残ってはいないのです。オチンポを大人にする為にアレだけねっとりと舐めていたので当然と言えば当然なのでしょう。
 
 ―ん…ん…っ♥もっと…もっと味わいたいのにぃ……♪♪
 
 折角、旦那様のオチンポが私の手でズル剥け大人オチンポになったのです。もっともっとこのオチンポを舐めて味わいたい。そんな欲求が私の中で持ち上がっていました。しかし、旦那様のオチンポにはもう精液は残っていないのです。お掃除という名目で始めたこの愛撫もそろそろ終わりにしないといけないのかもしれません。
 
 ―うぅ…♪うぅ……♥♥…あ……っ♪♪
 
 それに思い悩む私の頭に一つの考えが浮かびました。いえ、それは考えと言えるほど立派なものではありません。ですが、思考すら欲望でドロドロにされた今の私にはそんな事しか思いつかず…そしてそれがとてつもない良い考えのように思えるのです。
 
 「ふゅぅ…♥ん…ちゅぱぁ…♥♥」
 
 その考えに突き動かされるように私の唇がそっと旦那様のオチンポから離れました。久方ぶりに外の外気に触れた肉棒が真っ赤な亀頭を見せつけながら、ピクピクと震えているのです。まるで寒いから早く私の中に挿入れて欲しいと訴えてくるようなその仕草に思わず胸がキュンとしてしまいました。しかし、今はそんなオチンポに構ってあげる訳にはいきません。そう心の中で呟きながら、私はそっと布団の上に投げ捨てられた旦那様の褌へと手を伸ばすのです。
 
 ―そう。そこにはまだべったりと精液が残っていて……♥
 
 旦那様の肉棒を触れ合っていた部分にはぷりぷりの精液がまだべったりと張り付いていました。それはもう幾分、冷めてしまっていますが、精液である事に変わりはありません。それを指の先で念入りに掬い取り、愛しい殿方のオチンポへと擦りつけるのです。
 
 「うぁ…!」
 「ふふ…っ♥またオチンポ汚れちゃいましたね…♪」
 
 勿論、それは私が綺麗にしたオチンポを私自身が穢しただけです。しかし、私に必要なのは「汚れてしまったからまた掃除しなければいけない」という名目だけなのでした。旦那様のオチンポが汚れるのであれば何でも構わない私が、それにもっとも適した精液が褌へと張り付いている事を思い出した時点でこのはしたない行為を止める事など考える事さえ出来なかったのです。
 
 「じゃあ…またキレイキレイしましょうね……♥」
 
 抵抗出来ない旦那様に宣言するようにそう言いながら私は再びオチンポを咥え込みました。瞬間、私の頭に再び精液の味と匂いが突き刺さるのです。冷めても尚、強すぎるその甘さに私はもう我慢出来ません。その味をもっと欲しいとオネダリするように顔を振るい、じゅぼじゅぼとオチンポを口で扱くのです。
 
 ―あぁ…♪美味しい上に…熱くて…硬くってぇ…っ♥♥
 
 淫らな挿入音をかき鳴らしながら激しく上下する唇。そこから伝わってくるオチンポの感覚はどんどんと熱く、そして硬くなっていくのです。さっきまでの舐めとる為の愛撫とは違い、純粋にお互いが楽しむ為の愛撫だからでしょうか。旦那様がガクガクと震えるのに合わせて、私の腰も同じように踊ってしまうのです。
 
 「お…桜燐様…!もっと腰を…こっちへ…!下へ……!」
 
 そんな私の耳に旦那様の声が届きました。しかし、愛撫に頭が一杯になっている私にはそれが一体、どういう意図で紡がれたのかはまったく分かりません。ですが、その切羽詰まった声に愛しい殿方がそれを望んでいる事だけははっきりと伝わってきます。ならば、私がそれを叶えない理由などありません。旦那様の言葉に従い、私の腰はゆっくりと下へ――旦那様の顔の上へと降りてくのです。
 
 「ひゅぅ…っ♥♥♥」
 
 瞬間、私のオマンコに何か生暖かいものが触れました。粘液がべったりとついたそれは柔らかく動き回り、私の秘所をかき回します。くちゅくちゅと淫らな水音をかき鳴らすその刺激に疼きが限界近くにまで高鳴っていたオマンコが堪えられるはずがありません。ぶじゅりと言ういやらしい音と共に愛液を垂れ流してしまうのです。
 
 ―あぁ…♪あぁぁぁぁっ♥♥これって…これってぇ…ぇ♥
 
 その快楽が旦那様の舌によって私のオマンコが舐められているからだと気づいた頃には私の腰はもうガクガクにされてしまっていたのです。焦らされ続けた魔物娘の本能が愛しい殿方の顔の上から逃げる事を許さず、震える腰を旦那様へと押し付けてしまうのでした。それに旦那様も抵抗せず、夢中になったように私のオマンコを舐め回して下さるのです。
 
 ―は…ぁ…っ♪旦那様が…私を舐めてくださっている…っ♥私の…私の秘所を…ぉっ♥♥
 
 勿論、私はちゃんと毎日、そこを綺麗にしています。しかし、それは私本人だからこそ言える事でしかありません。こうしてオチンポを舐めてくださっている旦那様にとって、そこが綺麗かどうかはまったく分からないのです。しかし、それでも私へのお返しだとばかりに旦那様は夢中で私の秘所を舐めてくださっている。愛してくださっている。それが私にとっては途方もなく嬉しく、身悶えしてしまいそうになるのです。
 
 ―私も…私もお返ししないと…ぉっ♥♥
 
 旦那様の舌が動きまわる度に子宮へと突き刺さるような鋭い快楽が駆け抜けるのです。思わず身体を硬直させ、身を任せたくなってしまう快楽に抗いながら、私は必死に唇を上下させるのでした。しかし、私がどれだけオチンポへとご奉仕しても旦那様の唇は止まりません。まるで今までの復讐だとばかりに私の秘所を激しく舐め回して下さるのです。
 
 ―こんな…ぁ♥こんな熱心にペロペロされたら…わ、私…ぃっ♪♪
 
 これがまだ性交を始めたばかりであれば話は別だったのかもしれません。しかし、私はさっきの胸の愛撫で子宮を痛いほどに疼かせていたのです。そこに直接、子宮へと突き刺さるような激しい愛撫をされて無事でいられるはずがありません。ついつい唇を硬直させ、子宮を慰めてくれる優しい快楽に身を委ねたくなってしまうのです。
 
 ―は…ぁ…♪身体が…ぁ♥身体が悦んじゃってるぅ…♪♪
 
 この逞しいオチンポの感覚をより味わいたいが為に始めた延長戦。しかし、それは今、私が旦那様へと貪られるものへと変わっていました。貪欲なメスの口はまだオチンポを手放してないとは言え、唇は止まり、舌も肉幹へと密着するだけで殆ど動いてはいません。あっという間に形勢が逆転してしまった状況に私の心は危機感を訴えてくるのです。しかし、貪るよりも貪られる方が私の本能が好きなのでしょう。どれだけ唇を動かそうとしても、凍りついたように動かないのです。
 
 ―それなのに…私の腕は…ぁ♥
 
 快楽に震え、呻き声をあげる事しかしない私の口とは裏腹に、私の腕はゆっくりと下腹部へと降りていくのです。そのまま旦那様の舌で上下左右に貪られている秘所を両手で広げたのでした。敏感な秘所を護る大陰唇が押し広げられ、晒された桃色の粘膜。そこに愛しい殿方の舌が突き刺さり、膣穴を抉るのです。
 
 「きゅ…っ♥♥ひゅぅ…ぅぅ…っ♪♪」
 
 勿論、旦那様の舌によって攻撃されているのは膣穴だけではありません。その周りでひくひくと蠢いている粘膜にもその寵愛を分けて下さるのでした。そのどちらの快楽も今の私にとっては背筋を震わすほど凄まじいのです。半ばその快楽に屈した私の身体が今更、それに抗えるはずがなく、どんどんと絶頂へと押し上げられていくのでした。
 
 ―ひ…っ♥あぁ…ぁっ♪イくぅ…っ♥私…またイッちゃ……ぁっ♥♥
 
 子宮の奥でドロドロとした熱がぎゅっと圧縮されるのを感じます。それは胸を旦那様へと弄られている時に沸き上がってきたものと似ていました。しかし、それはあくまで似ているだけであるのです。ぎゅっと圧縮されたその熱は胸の時とはまるで比べものになりません。今まで受け取った快楽を纏めて閉じ込めたようなそれはそれを孕んでいる子宮が燃え上がってしまいそうなほどなのですから。
 
 ―い…っくぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♪♪
 
 それに微かな恐怖さえ覚えた瞬間、その熱が爆発したように弾けるのです。内側に取り込んだ熱を身体へと叩きつけるような激しい絶頂は今まで感じたことのないくらいに気持ち良いものでした。全身が快楽に震え、のたうち回っているような感覚に私の心がまたドロリと蕩けてしまいます。しかし、それはまだまだ終わりません。弾けた熱は肌にぶつかって反射しているように再び私の中へと戻ってくるのですから。
 
 ―ひ…っ♥♥ぅぅぅ…♪♪
 
 弾けた熱が身体の中で幾重にも乱反射する度に快楽神経が震え、脳へと快楽を訴えてくるのです。頭の中で淫らな脳汁で一杯になっていくような感覚に絶頂で震える私の心で淫らな熱を燃え上がらせるのでした。もっともっとこの絶頂を味わいたい。ずっとこれに浸っていたい。そんな欲望を灯した心に応えるように私の身体は長く続く絶頂にブルブルと震え続けていたのです。
 
 「…ひゃ……ぁ…ぁ…♥♥」
 
 そんな私がようやく絶頂から抜け出せたのはたっぷり数分ほど経ってからでした。その間、まったく衰えない快楽へと晒された私の身体はとても敏感になり、絶頂の余韻に震えています。それでも何とか旦那様が重くないように蛇身へと力を込めて、倒れこまないようにはしていますが、何時まで続けられるかあまり自信がありません。
 
 ―まさか……オマンコ舐められるのがこんなに良いなんて……ぇ♥♥
 
 まだ私たちは性交していません。まだその前段階の状態で止まっているのです。それにも関わらず、私の身体は動けないほどに感じさせられてしまいました。これで一体、旦那様のオチンポが挿入されたら一体、どんな風になるのか…。まったく想像も出来ません。ただ一つ確かな事は……――
 
 ―それが…おかしくなりそうなくらいに気持ち良いって事…ですよね…♥
 
 そう思った瞬間、私の身体はブルリと震えました。今でさえ、私はおかしくなりそうなくらいに気持ち良いのです。いえ、より正確に言えば…おかしくなってしまうほどに気持ち良くされたのです。もう私の中に理性は残っておらず、ただのメスへと化しているのですから。そんな私がコレ以上の快楽があると思い浮かべて我慢出来るはずがありません。ピクピクと震えを走らせていた蛇身がゆっくりと持ち上がり、旦那様の身体を解放したのです。
 
 「ふふ…っ♥とっても…気持ち良かったですよ…♪貴方があんなに激しくペロペロして下さったお陰で…私…イかされちゃいましたぁ…♥♥」
 
 直接的な私の言葉に旦那様はポッと顔を赤くされました。そこにはさっきまで私の秘所を貪り、絶頂へと押し上げたオスの姿はありません。歳相応の可愛らしい男の子がいるだけなのです。しかし、魔物娘である私の目にはその奥底にまだ欲望がテラテラと妖しく燃えているのを感じ取ったのでした。
 
 「でも…旦那様は射精出来なくて…まだ辛そうですね…♪♪」
 「う…」
 
 私が旦那様の愛撫に屈した所為で、射精出来なかったのです。その内側には抑え切れないほどのオスの欲望が沸き上がっているでしょう。その証拠に旦那様のオチンポはまだまだ硬く、熱いのです。ピンと張った肉棒には衰える気配がなく、快楽を求めているのが分かるのでした。
 
 「だから…今度は二人で気持ち良くなりましょうね……♥♥」
 「あ……」
 
 そう言ってゆっくりとのしかかっていく私の身体に旦那様はまったく抵抗しません。寧ろ自由になった両手を広げて、近づいていく私の肢体を抱きしめて下さるのでした。ぎゅっと真正面から旦那様に抱きしめてもらうと身長差からどうしても私の谷間に愛しい殿方の顔が来てしまうのです。可愛らしいその姿に私の腕がぎゅっと旦那様を抱きしめ、ゆっくりと後ろへと倒れていくのでした。
 
 「さぁ…♥もう…何処に挿入れるかは…分かりますよね…♪」
 「…はい」
 
 ポスンという音と共に布団へと背中を預けた私の上で旦那様は少し自信なさそうにそう返事をしました。さっきまで思うがままに弄ばれていたのですが…もしかしたらアレは無我夢中であっただけなのかもしれません。そう思うとまた無性に旦那様が可愛くなり、腕に力が入ってしまうのです。
 
 ―でも…♪
 
 このまま旦那様を抱きしめているのは大事です。しかし、それ以上に私は快楽を求めていました。それもただの快楽ではなく、本格的な性交の快楽を。その為にはこのまま旦那様を抱きしめ続けている訳にはいきません。初めての挿入がすんなり成功するように私も補助しなければいけないのですから。
 
 ―だから…まずはお手伝い……♥
 
 その言葉と共に私の手は旦那様の背中から離れ、スルスルと下へと降りていくのです。そのまま腰と蛇身の境目でひくひくと蠢く肉の穴をそっと広げました。大陰唇を広げて、その奥の桃色の粘膜を晒すのはやっぱりどうしても恥ずかしいです。しかし、その恥ずかしささえ快楽と受け取ってしまう今の私にはそれはもう足止めにもなりません。ゾクゾクと胸の奥から寒気が湧き上がるのを感じながら、私はそっと旦那様の耳元で囁くのです。
 
 「さぁ…♥旦那様の逞しい肉棒で…私を女にしてくださいませ…っ♪」
 「桜燐様…!」
 
 誘惑するような私の言葉に旦那様の身体に力が入ります。欲望に突き動かされたような旦那様に思わず胸が熱くなった瞬間、私のお腹に熱くて硬いモノが押し当てられるのでした。粘液に塗れているにも関わらず、まるで熱を失わない逞しいオチンポがオマンコの周りをグチュグチュと音と立てて刺激するのです。
 
 「ひぅぅ…っ♪♪」
 
 身体に力が入りすぎている所為でオチンポを挿入するのが難しいのでしょう。旦那様のオチンポは私のオマンコとクチュクチュと擦れ合いながらも中々、私の膣穴に入ってきてはくれませんでした。しかし、それだけでも私は信じられないほど気持ち良いのです。旦那様の舌でオマンコを穿っていただいていたのがまるで児戯にも思えるほどの快楽が湧き上がるのでした。
 
 ―でも…全然…満足出来ない…ぃっ♥♥
 
 勿論、気持ち良いのは気持ち良いのです。こうしてオマンコとオチンポが触れ合う度にまた絶頂へと突き上げられそうになっているのですから。しかし、それはさっきとは違い、子宮を疼かせる効果しか持っていないのです。感じれば感じるほど、気持ち良くなればなるほど、旦那様の肉棒の存在を意識し、早くそれを突っ込んで欲しいと子宮が泣き叫んでいるのでした。
 
 ―あぁ…っ♥欲しいぃっ♥オチンポ欲しいぃっ♥旦那様のオチンポ欲しいのぉぉぉっ♪♪
 
 「ひ……っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ♪♪♪」
 
 私の胸が欲望の声へと埋め尽くされた瞬間、グチュリと今までにない音が私の耳に届いたのです。今までのクチュクチュという断続的な音ではなく一つに繋がった大きな音。それがどうしてなのか私は理解出来ませんでした。ですが、私の身体はその理由を正確に理解していたのです。
 
 「あぁぁぁぁぁっっっ♥♥」
 
 音と共に私の中へと入ってきた旦那様のオチンポ。それが私の膣穴をゴリゴリと擦って奥へと入っていくのです。まだ誰も招き入れた事のない――旦那様の舌は例外ではありますが――処女地。しかも、それは旦那様のオチンポへと合わせた世界でただ一つのオマンコなのです。締め付けや狭ささえ旦那様に合わせたそこに待ち望んだ殿方のオチンポが入ってきている。その充足感だけで私の全身は震えてしまうのでした。
 
 「はぁ…♪あぁぁぁぁぁぁっ♪♪」
 
 それは勿論、子宮だって例外ではありません。私が嬌声をあげる度にひくつく子宮にはもう溢れかえりそうなくらいの快楽が集まっていたのです。旦那様のオチンポを咥え込んだ膣穴から直接、叩き込まれる快楽で子宮がもう溺れそうなくらいだったのでした。ですが、それはさっきまでとは違い、私の絶頂へと結びつきはしません。グツグツと煮えたぎる釜の中にドンドンと快楽という熱い熱湯を注ぎ込まれていくのです。
 
 「くぁ…っ!う…ぁぁ……」
 
 そんな私の正面で旦那様が呻き声をあげられました。私の子宮口を目指して進む腰もまた今にも砕けそうに震えています。きっと旦那様もまた信じられないほどの快楽を味わってくださっているのでしょう。びっちりと膣穴に生えた細かい肉襞や粒でオチンポを擦れられ、射精へと押し上げられているのです。
 
 「あぁ…っ♥旦那様…ぁ…っ♥♥」
 
 愛しい殿方が自分のメスの部分で気持ち良くなってくれている。世界でただ一つ旦那様の為だけにあるオマンコで感じてくれている。その充足感は幸せと言っても良いほどにも高まり、私の身体中を駆け巡っていくのです。そしてその感覚は私の全身をピクピクと痙攣させる快楽と結びつき、より淫らで幸せなモノとして私の身体を駆けまわるのでした。
 
 「はぁ…はぁ…ぁぁ…!!」
 
 そんな私に呼応するように旦那様の吐息が荒くなっていきます。身体――特にオチンポも熱くなり、硬くなっているのが肉襞から伝わって来ました。ビンと突き出たカリ首は特に硬く、オチンポが入ってくる度にオマンコが蹂躙されているようにも思えるのです。収縮した膣穴をゴリゴリを押し広げ、無数の肉襞を巻き込みながら奥へと入ってきているのですから当然でしょう。
 
 ―あはぁ…っ♥♥でも…ドンドン…っ♪ドンドン熱くなってる…ぅぅっ♥♥
 
 私の膣穴に入り込めば入り込むほど旦那様の肉棒は熱を高めていくのです。身体の内側から蕩けさせられ、ぐちゃぐちゃにされてしまう感覚。それに私のオマンコが反応し、きゅんきゅんとオチンポを締めつけてしまうのです。それに旦那様の肉棒もとっても悦んでピクピクって震えて下さり……――
 
 「う…あぁぁぁぁ…っ!!」
 「ふぁ…ぁぁぁぁぁんっ♥♥」
 
 瞬間、旦那様のオチンポの先端が弾けたのです。まるで小規模な爆発が起こったようにビクンと跳ね、その先から熱い何かを私の膣穴へと吐き出しているのでした。びゅるびゅると音が聞こえそうなほど勢い良く吐き出されていくそれは熱いだけではなくてドロドロとしています。まるで溶岩のようなそれはまだオスを知らない私の処女地に叩きつけられ、私の膣肉を焼くのでした。
 
 「ひぃぃ…っ♥♥ぅぅぅぅぅぅっっ♪♪」
 
 まだ誰も触れた事のない場所に振りかかる謎の粘液。それが精液であると私の身体が認識した瞬間、私の子宮で熱が弾けました。今の今まで貯めこまれてきたその熱はぐわりと鎌首を持ち上げた蛇のように身体中へと広がるのです。身体中に通る快楽神経へと絡みつき、じゅるじゅると音を立てて弄ばれるような被虐的な快楽。それに私の四肢は力を失い、ぐったりと横たわりそうになってしまうのです。
 
 ―でも…オチンポがぁっ♥まだぁ…♪まだ一杯射精していてぇ…っ♥♥
 
 絶頂の原動力ともなった旦那様の若々しい精液。それはまだ収まらず、今もなお、私の膣穴へと注ぎ込まれていました。それを吹きつけられた膣肉はドロドロとした熱を子宮へと送り出し、私を再び絶頂へと押し上げるのです。一つの絶頂が終わらないままに、また快楽の頂点へと突き上げられる感覚は心の中がぐちゃぐちゃになってしまいそうなほど被虐的で…――
 
 ―そして…気持ち良い…ぃっ♪♪
 
 本当であればとっくの昔にイッていたであろう快楽。それを子宮の内側から爆発させた瞬間も勿論、信じられないほど気持ち良かったのです。ですが、幾重にも快楽の蛇が絡み付いて来る神経はドンドンと敏感にさせられていくのでした。より太く、強靭に、快楽を全身へと行き渡らせるそれらに何処までも意識が浮かび上がっていくようにも感じるのです。
 
 ―あぁ…っ♥しあわ…せぇ…っ♪
 
 それはきっと女として最高の幸せです。愛しい殿方の精液を膣肉で受け止め、意識が陶酔と幸福感に満ち溢れているのですから。今まで感じてきた小さな幸せがとても矮小なモノに思えるほどの幸福感は私の心――いえ、魂にまで刻み込まれていくのです。もうこの魅力には抗えない。抗える訳がない。そんな事を思ってしまうほど深く、その幸せは私の中へ入り込んできたのでした。
 
 「は…ぁ…ふ…うぅ…ぅ♥♥」
 
 しかし、その幸せは長い間、続いてはくれません。旦那様の精液に起因するその絶頂は射精がなければ止まってしまうのですから。そして旦那様はまだ普通の人間であり、その勢力は人並みでしかありません。数十秒もした頃には射精の勢いは殆どなくなり、精液が出てこなくなってしまうのです。
 
 ―それが…オマンコには不満で…ぇっ♥
 
 貪欲なメスの肉はまだまだ物足りないのでしょう。旦那様のオチンポへと肉襞を擦りつけ、奥へ奥へと導くように精液をオネダリしているのでした。しかし、どれだけ頑張っても射精は収まってしまったのです。私の膣肉に返ってくるのは未だ萎える気配のない旦那様のオチンポの硬さと熱だけであり、甘い精液は一滴足りとも漏らしてはくれません。
 
 ―でも…それは大した問題ではありません…♪
 
 そう。だって、私と旦那様の初夜はこれで終わりではないのです。私が満足していない以上に旦那様のオチンポもまだまだ硬く、反り返ったままなのですから。それに…旦那様は私の制止にも関わらず、私の身体に火をつけてくださったのです。その責任は取って貰わなければいけません。
 
 「ふふ…♥挿入れてる途中なのに…イッちゃいましたね……♪」
 「ご、ごめん…なさい…」
 
 そんな想いと共に口にした言葉は少しだけ意地悪なモノになってしまいました。旦那様の顔は気まずそうなモノに歪んでしまいます。興奮の残滓に胸を大きく上下させながら、上気した顔を背ける姿はとても保護欲がそそられました。しかし、私は別に旦那様を虐めたい訳でもなんでもないのです。今の顔もとっても可愛らしいと思いますが、その顔を何時までも見ていたいとは思えません。
 
 ―だから…ちゃんと慰めてさしあげますね…♪
 
 その言葉を胸に浮かばせると同時に私の手がそっと旦那様の頬を包み込みました。発展途上の最中である旦那様の頬は少しだけ角張った印象を与えます。後、数年もすれば立派な成人になってくださる事でしょう。そして、そんな頬を私は慈しむように撫でながら、ゆっくりと自分の方へと近づけていくのでした。
 
 「良いんですよ…♥もう貴方が限界なのは知っていましたし…♪」
 「桜燐様……」
 
 優しく撫でながら――けれど、メスの欲望を瞳に灯す私の言葉に旦那様が私の顔を見返して下さいます。未だ快楽と欲望の残滓を浮かばせるその瞳に見つめられるだけで私の胸は高鳴り、今すぐにでもこの愛しい殿方を押し倒したくなってしまいます。しかし、今は自信を喪失しているかもしれない旦那様にオスとしての自信を取り戻してあげるのが先決でしょう。私に宿る魔物娘の本能もそう囁いていました。
 
 「それに…私の身体でこんなに気持ち良くなってくれたのでしょう…?それはとっても光栄な事ですよ♪」
 「は、はい!そ、それは勿論…!お、桜燐様は…し、信じられないほど気持ち良かったです…!」
 
 抱き寄せながらの私の言葉に旦那様はとても嬉しい返事を返してくれました。勿論、私だって性的知識はそれなりに持っているのです。気持ち良くなければ殿方が射精出来ない事くらいちゃんと理解していました。しかし、それでも自分の中で理解するのと愛しい殿方の口からはっきりと言われるのとはまた違うのです。その言葉を聞いた瞬間に胸の奥がキュンと疼いてしまうほど、私は喜んでいたのですから。
 
 「ふふ…それは良かったです…♥でしたら…私にまたご褒美を下さいませんか…?」
 「ご褒美…ですか…?」
 「えぇ♪旦那様の精液という世界で一番、素敵な……♥私だけの宝物を…今度こそ私の子宮に注ぎ込んで下さい…♥♥」
 
 ―その瞬間、旦那様の顔に強い欲望が再び浮かび上がるのです。
 
 私の胸を揉んでいた時のように欲望と衝動に身を任せた顔。それを覗かせる旦那様の姿に私の胸がトクンと高鳴った瞬間、愛しい殿方の腰はまた再び動き出すのです。再び私の最奥を目指す肉棒にはもう容赦も何もありません。その腰全てを強引に押し込むように私の膣肉を抉って下さるのです。
 
 「く…ぅぅぅぅぅんっ♥♥」
 
 オスの欲望を剥き出しにした力強い挿入。それに私の口から甘えるような嬌声が漏れ出てしまいます。それはさっきまで漏らしていたものよりも幾分、艶の強いモノでした。それは勿論、さっきの絶頂の余韻が未だに私へと絡みつき、敏感にしているという事と無関係ではないでしょう。しかし、それ以上にこうして力強く、屈服させられるような挿入が私はきっと好みなのです。
 
 ―だって…この方が…旦那様が私に夢中だって事が分かる…からぁ…っ♥
 
 愛しい殿方が欲望をむき出しにすればするほど、激しく私を求めて下さればそれほど、それだけ私が魅力的であり、私を愛しく思ってくださっているという証左なのです。それを女である私が悦ばないはずがありません。求められる悦びを知った私にとってその挿入は一度は絶頂で冷静に戻った思考がドロドロにされるほどの威力を持っていたのです。
 
 「ひぃっ♪♪うぅぅぅぅぅ♥♥」
 
 そして旦那様のオチンポが私の最奥へと差し込まれた瞬間、子宮からまたぐわりと熱が持ち上がるのです。オチンポを求めて降りてきた子宮にようやく肉棒が触れ合う感覚に子宮が耐え切れなかったのでしょう。悦びの声をあげるようにして絶頂の波が再び私の身体中を荒らし、ドロドロになった意識を揺らすのです。
 
 「ふ…あぁぁぁ…ぁっ♥♥」
 
 しかし、その絶頂に身を委ね続ける事は出来ません。肉厚でぽってりとした子宮口をグジュリと押しつぶした亀頭はすぐさま元きた道を戻っていくのです。挿入する時には肉襞を押し広げてくれたカリ首に膣肉がズルズルと引きずられ、まるでオマンコが外へと引きずり出されそうにも思えるほどでした。しかし、それでも敏感で貪欲なメスの肉穴は強い快楽を受け取り、もっと被虐的な快楽が欲しいとばかりに肉棒へと絡みつくのです。
 
 「は…ぁ…ぁっ♥♥きゅ…ぅぅぅぅ…ぅっ♥♥」
 
 そしてそれがオマンコの中腹ほどで再び挿入へと転じます。もう勝手が分かったと言わんばかりに流麗に動く旦那様の腰にオチンポがすぐ子宮口を叩くのでした。そして、トントンと短い間隔で何度も何度も子宮を叩かれる度に私はあっさりと絶頂へと浮き上がらせられてしまうのです。
 
 「あぁ…っ♥気持ち良いですよぉっ♪旦那様のオチンポぉっ♥オチンポでしきぅコンコンってされてぇ…っ♥私ぃっ♪何度もイッてますぅぅぅっ♪♪」
 
 その悦びは私の口から飛び出てしまいます。でも、それも仕方のない事でしょう。一つ一つの絶頂は射精を味わった時と比べれば、大きいとは言えません。しかし、それは半永久的に――旦那様が私を犯して下さる度に私の身体を襲うのです。絶頂の度に敏感になっている事を考えれば、それは何時かは射精時の絶頂すら超えてしまうかもしれません。
 
 ―だから…ぁっ♥私…私…ぃっ♪それが…それが欲しくて…ぇっ♥♥
 
 どれだけイッてもあの幸せでうっとりするような感覚には届きません。快楽だけがグングンと持ち上がり、意識が揺れるのは分かりますが、そこに信じられないほどの陶酔感は付随しないのです。勿論、それは私にとって不満以外の何者でもありません。私はもう魂にまであの幸せを刻み込まれてしまったのです。それが欲しくて欲しくて堪らないのに、オマンコもキュンキュンしちゃっているのに、快楽だけ渡されても物足りません。
 
 「は…ふゅぅぅ…っ♥もっと…ぉっ♪もっと…腰振ってくだしゃい…っ♪私を犯してぇっ♥旦那様のオチンポで私をグチョグチョにして欲しいんですぅ…っ♥♥」
 「…っ!!!」
 
 私の淫らなオネダリに応えるように旦那様の腰がまた力強く私の子宮へと押し付けられてくるのです。肉厚の子宮口を押しつぶすようなその刺激に私の視界がチカチカと瞬きました。まるで星が揺れているような感覚と共に私の子宮から快楽が溢れ、腰がガクガクと揺れてしまいます。
 
 「あぁ…ぁっ♥こしゅれてるぅ…♪ガクガクってこしゅれてぇ…っ♥また…ぁっ♥まらイくぅぅぅっ♪♪」
 
 不規則かつ断続的に揺れる私の腰。それが抽送を続ける旦那様のオチンポと擦れ合い、不規則な快楽を生み出すのです。ただ、抽送されているだけでは到底、味わえない魔性の快楽。二人で協力する事でようやく味わえる不定形な気持ち良さに私は一瞬で虜になってしまいました。覚えたその快楽を求めるように私の腰は上下に動き、旦那様のオチンポを求めてしまうのです。
 
 「ひぅぅん…っ♥♥これぇ…♪陰核も擦れて…ぇっ♪旦那様の身体で陰核こすれりゅのぉっ♥♥」
 
 そしてその動きは私に予期していない副次的な効果をもたらすのです。自分からオチンポを求めるように上下に動く私の腰でピンと張る陰核が抽送を繰り返す旦那様の腰に押しつぶされてしまうのでした。膣肉に負けず劣らず敏感な陰核がよりにもよって愛しい殿方との性交によって擦れ、時には押しつぶされてしまう。その新しい快楽に私の子宮は悦び、また愛液をボタボタと漏らしてしまうのでした。
 
 「あぁ…!お、桜燐様…!そんな…ぁ…!」
 
 また淫蜜を増やした私の肉穴がとても気持ち良いのでしょう。私の両手に包まれたままの旦那様の顔から切羽詰まった声が漏れ出ました。しかし、それでもその腰は一向に止まる気配がありません。今にもイきそうな声を紡いでいるにも関わらず、その腰だけは貪欲に私を求めてくださっているのです。
 
 「あはぁ…っ♥旦那様の腰がぁ…っ♥ガクガクって揺れてましゅぅ…っ♪グチュグチュって私のオマンコ犯してぇ…っ♪とっても気持ち良いんですねぇ…っ♪♪」
 「あ…ぐぅ…!」
 
 ―あぁ…可愛い……っ♥♥
 
 ついさっきイッたばかりにも関わらず、旦那様はぎゅっと歯を食いしばるのが分かりました。もう私の声に応える余裕もなくなってきたのでしょう。その顔には陶酔と欲望、そして抑え切れない快楽が浮かんでいるのです。勿論、その顔は私にとって胸を高鳴らせるものでしかありません。いえ、それどころか…涎を口の端から漏らすその顔を見て、私はもっと触れ合いたいとさえ思っていたのでした。
 
 ―良い…ですよね…♥だって…だって…夫婦なんですものね……♥♥
 
 その欲望に対し、二の足を踏もうとする臆病な自分を私はそう叱咤しました。そしてその勢いのまま両手で捕まえた旦那様の顔へとゆっくりと近づいていくのです。勿論、それにはどうしても並み以上の胸肉と身長差が邪魔をしてくるのでした。しかし、欲望塗れとなった今の私はもう止まりません。自分の胸が押し潰され、乳首が柔肉の中へと埋め込まれるのにも構わず、強引に唇を押し付けたのです。
 
 ―ふわぁ……♪あまぁい……っ♥♥
 
 その瞬間、私の身体へと伝わって来たのはドロドロになった砂糖菓子のような甘さでした。しかも、それはただの砂糖菓子ではなく、きっと都でも滅多に味わえないような上品でスッキリとした甘さを孕んでいるのです。強引に旦那様の唇を割り、その口腔へと入り込んだ私の舌からほんの一瞬だけ伝わってくる甘さ。その味に私は夢中にさせられたのです。
 
 「くちゅぅ…♪ふ…ぅぅ…ん♥」
 
 そして夢中になった私の舌がぎゅっと閉じられた旦那様の歯茎を丹念に舐め回していくのです。ねっとり、じっくりと歯茎を磨くような舌からまたあの上品な甘さが伝わってくるのです。しかし、それはスッキリとし過ぎて、すぐに快楽の中へと溶けこんでしまうのでした。それが無性に寂しくて、私は必死に愛しい殿方の歯茎を舐め上げてしまうのです。
 
 ―あぁ…♪口づけ美味しい…っ♥♥心の中がドロドロになっちゃいますぅ…ぅっ♪♪
 
 勿論、この口づけが私たちにとって最初のものである事は私も理解していました。本来であれば…もっと優しく唇で啄むような口づけをするべきだったのでしょう。しかし、私の内側で滾りに滾っている欲望はその程度ではもう満足出来ないのです。どんなものでも――そう。口づけでも…性交でも…なんであっても…最高に気持ち良いものを欲してしまうのでした。
 
 ―だから…ぁ…♥ほらぁ…♪早くそこを開けて下さい…ぃっ♥♥
 
 快楽を堪える為に閉じられた旦那様の歯茎はまだ閉じたままでした。自然、その奥にある愛しい殿方の舌とは絡み合う事は出来ないのです。それが悔しくて私の舌はツンツンと旦那様の舌をつつき、オネダリをするのでした。しかし、旦那様にはその意図が伝わっていないのでしょう。フルフルと震えるだけでその強固な扉を開いてはくれません。
 
 ―もう…っ♪意地悪なんですから…ぁ♥それなら…私も考えがありますよ…ぉっ♪♪
 
 その言葉と共に私の腰は上下から前後左右上下へと不規則に動き始めるのです。常に一箇所に留まらず、角度をつけてオチンポを受け入れる肉穴の刺激は旦那様に強い快楽を与えているのでしょう。ぐちゅぐちゅと言う淫らな水音をかき鳴らす度に私の中で肉棒が震えているのが分かります。
 
 ―あは…ぁっ♪これでも私を受け入れてくれないなんて…っ♥もう…強情なんですから…ぁ♥♥
 
 しかし、それでも旦那様はその扉を開いてはくれません。寧ろより強く歯を噛み締め、快楽に抗われているのです。本当は快楽の声を出して気持ち良くなりたいのに、必死になって堪えられている旦那様の姿はとっても可愛らしいものでした。しかし、今の私が見たいのはそんな姿ではありません。快楽に溺れ、全身で私を求めてくださっているケダモノのような旦那様の姿なのです。
 
 ―だから…ぁ…っ♥♥
 
 「んぐぅ…!!」
 
 その瞬間、私の膣肉はキュっと締まりました。勿論、今までだって快楽や抽送に応え、要所要所で肉穴は閉まっています。しかし、今回のそれは肉体の反応や魔物娘の本能に依るものではありません。私の意思で、私が旦那様を気持ち良くして差し上げたいという意思で締め付けたのです。
 
 ―くぅ…ぅっ♥♥あはぁ…♪こっちもビクって来ちゃいました…ぁ♥
 
 ぎゅっとオチンポを抱きしめる肉穴から腰が跳ねるほどの快楽が伝わってくるのです。その快楽の所為で身体から力が抜け、旦那様へと身を委ねてしまいそうになるのでした。しかし、まだまだ愛しい殿方が歯を閉じている以上、それは出来ません。私が求める旦那様の姿を見るためにここは快楽を堪えて、そのオチンポを気持ち良くしてあげるべきなのです。
 
 「んんっ♥んふぅ…っ♥ん…くぅぅん…っ♪♪」
 
 鼻から漏れる荒い呼吸に合わせてキュッキュと肉穴を締め付ける度に旦那様のオチンポが震えてくれるのです。勿論、その間も私の腰は止まりません。前後左右上下へと不規則に動き、肉襞へとオチンポを擦りつけるのです。抽送の度にまったく違うオマンコの味を味わわされ、その上、不規則に締め付けられる。その快楽に旦那様の歯の根がゆっくりと緩み、隙間が開いていくのが分かりました。
 
 「はぁ…っ♥ふぅぅ…ぅっ♥ひ……んんんっ♪♪」
 
 ゆっくりと、ですが、確実に開いていく歯の間。そこに私の舌が滑りこむように入り、旦那様の口腔の奥へと侵入していくのです。そこは玄関のような歯茎の前よりも熱く、そして唾液に溢れていました。何処もかしこもドロドロとした甘い粘液に溢れているそこで私の舌が思わず踊り狂ってしまいます。
 
 ―あぁ…っ♪でも…本来の目的はこれではなくって…ぇ♥♥
 
 ついつい夢中になって旦那様の唾液を貪りたくなってしまいますが、私の目的はそれではありません。欲望に負けそうになる自分にそう言い聞かせながら、何かを紡ごうとしているかのようにピクピクと震える熱い粘膜へと絡みついていくのでした。
 
 ―あったかくて…ぇ…♥柔らかくて……ぇ♥ぐちょぐちょしてますぅ…っ♪♪
 
 愛しい殿方の舌の第一印象はその三つは埋め尽くしていました。勿論、その全てが私にとっては肯定的に受け取られるのです。それも当然でしょう。だって、その粘膜は他でもない愛しい殿方のものなのです。身も心も捧げた殿方の身体の一部を厭うような魔物娘は存在しません。私もまた例外ではなく、温かいのは心地良さに、柔らかいのは可愛らしさに、ぐちょぐちょしているのは快楽へと私の中で変換されていくのです。
 
 ―幸せぇ…ぇっ♥これ…とっても幸せですぅ……っ♪
 
 それはまるで口から多幸感を注ぎ込まれているような感覚でした。メスの芯を蕩けさせるドロドロとしたその心地良さを私はすぐさま覚えてしまうのです。もっとコレが欲しい。この幸せが欲しい。その一念で私は旦那様の舌へと貪欲に絡み付いてしまいます。
 
 「んんっ♥♥」
 
 それに応えるように旦那様の舌がまた動き出して下さるのです。歯を食いしばって快楽を堪える事を諦められたのでしょう。積極的に私へと舌を絡ませて下さる旦那様の姿に口から注ぎ込まれる幸せが跳ね上がるのです。それも当然でしょう。だって、それはお互いを求め合い、粘膜を絡め合わせているのです。さっきまでの独善的な口づけとはまるで違い、もう一つの性交のようなものなのですから。
 
 ―しょんな激しい口付けに…私が耐えられるはずもなくって…ぇ…♪♪
 
 思ってもみない角度から旦那様の舌が襲いかかり、唾液同士が絡み合う。舌の表面の粒粒同士が擦れ合い、また裏筋の敏感な粘膜もコリコリと刺激されるのでした。それは勿論、オマンコに旦那様の肉棒が挿入される快楽には到底、及びません。しかし、その多幸感は負けずとも劣らない。そんな事を思い浮かべるほどにその口付けは素敵なものだったのです。
 
 「ひゅぅ…っ♥♥く…ひゅぅぅぅぅ…んっ♪♪」
 
 その口付けによる多幸感で心の中が一杯になりそうになった瞬間、旦那様は大きく腰を引かれるのです。膣肉をズルズルと入り口付近まで引き出される感覚に私の脳が震えるように感じるほどの快楽が伝わって来ました。しかし、それで終わりではありません。子宮口を突かれている訳でも無いのに軽く絶頂をした私の膣肉を今度は一気に旦那様のオチンポが挿入されるのです。
 
 「きゅぅっ…♥…ふぅ…ぅぅ…♪ふにゅ…ぁぁ……ぁっ♥♥」
 
 腰を思いっきり打ち付けるような激しい抽送。それはオチンポごと子宮口へと直接、快楽を叩きつけられているようにも感じるのです。今までよりもずっと被虐的で大きく、そして鋭いその快楽に私は何度も絶頂を繰り返し、視界をチカチカと点滅させるのでした。何も見えない。けれど、愛しい殿方の事だけははっきりと感じられる。そんな新しい幸せの中で私は旦那様に犯され、何度も何度も絶頂させられるのです。
 
 ―こんにゃぁ…ぁっ♥こんにゃのって…ふにゅぅぅ…ぅっ♪♪
 
 加速度的に大きくなっていく快楽。それは下手をすれば村へと届くほどの嬌声をあげていたかも知れないほどでした。しかし、それを防ぐように今の私の口は旦那様によって埋め尽くされているのです。それは私の今の状態とはまったく関係の無い事でしょう。ですが、愛情と快楽で心をドロドロにされた私にはそれはまるで独占欲を剥き出しにしてくださっているようにも感じて、また一つ幸せを感じてしまうのです。
 
 ―しょして…ぇっ♥わらひの奥もぉ…ぉっ♥♥
 
 ぱちゅんぱちゅんと肉を弾ける音を強めながら激しい抽送を繰り返す旦那様の逞しいオチンポ。それがまた一回りほど大きくなり、亀頭の先もドンドンと熱くなっていくのです。初めての挿入の最中にも味わった大きさと熱。それが再び旦那様のオチンポへと戻っていると。それが意味する所は一つしかありません。
 
 ―あはぁ…っ♪もうしゃせぇしちゃいそうなんれすね…っ♪一杯びゅるびゅるって精液出しちゃいそうなんでしゅねぇ…っ♥♥
 
 そう。それは射精の予兆です。旦那様が私にあの甘くって幸せなドロドロの白濁液を贈ろうとしてくださっている証なのです。そう考えるだけで私の膣肉は勝手に蠢き、オチンポへと余計に絡みついていくのです。根元から奥へとまるで精液をオネダリするような淫らな膣肉の蠢きに私自身がまた絶頂してしまいました。もう数えきれないくらいに絶頂を繰り返した果てにさらにオチンポを意識させられたのですから当然でしょう。
 
 ―ひゅふぅ…っ♥れも…れも旦那しゃまも…とぉっても気持ち良さそうれすぅ…ぅ♥♥
 
 きゅっと、そしてぐちゅぐちゅと締め付け、絡み付いてくる膣肉は旦那様にも快楽を与えているのでしょう。私の膣穴を激しく陵辱するオチンポはさらに硬くなり、メキメキとカリ首も大きくしていくのでした。さらに凶悪な形になったそれはきっと膣奥で抜けないように射精する為のモノなのでしょう。一滴残らずその美味しい精液を私の子宮へと送り出そうとする男根の姿に私の子宮は喜悦で蕩けてしまいそうになるのです。
 
 ―来てぇっ♥♥せぇえき欲しいんでしゅぅっ♥旦那様のせいえきぃいっ♪♪私の淫乱子宮に一杯…っ♥いっぱぁぁいっっ♥♥
 
 その瞬間、旦那様の腰が今までにないほどぐいっと引かれるのです。カリ首が膣穴から出てしまいそうなほどに弓なりになったその腰はまるで私にトドメをさそうとする槍の矛先にも似ていました。しかし、私がそれに恐怖を感じる事はありません。寧ろ早くトドメを刺して欲しいとばかりに全身で旦那様へと絡み付いてしまうのです。そしてそれに応えるように旦那様の腰が一気に私の膣肉を抉って……そして……ぇっ♥♥♥――
 
 「ひぐぅぅぅぅぅぅ…♥♥ぅぅぅぅぅ…♥♥うぅぅぅぅぅ♥♥♥」
 
 口付けをしたまま繰り出された最後の一撃。それが子宮口へと叩きこまれた瞬間、旦那様のオチンポが決壊し、その先端から精液が吐き出されるのです。最初の頃と遜色ない勢いの射精は私の中へとドロドロとした精液を大量に送り込んでくるのでした。子宮口で味わう初めての射精の味は途中で暴発した最初とは違って、鮮烈かつ強烈なものです。
 
 ―あぁぁぁぁっ♥♥くるぅぅぅっ♪♪ジュルジュルってぇっ♪子宮のお口吸い上げちゃうぅ…っ♥♥
 
 そして、その精液を私の子宮口は魔物娘の貪欲な本性をむき出しにするように吸い上げていくのです。奥で亀頭の先端と密着した子宮口は吐き出される精液を一滴残らず飲み込むのでした。勿論、ドクンドクンと熱い肉幹を震わせながら射精を繰り返すオチンポを刺激する事も忘れてはいません。膣肉もまた精液をもっと欲しいとオネダリするように強く締まり、奥へ奥へと精液を搾り出すように動き出すのです。
 
 ―あはぁ…っ♥わたひ…わたひ…オマンコだけになっちゃいますぅ…♥♥
 
 精液によってかつてない絶頂へと押し上げられた私の意識は子宮から弾ける悦楽に埋め尽くされてしまっていました。視界が真っ白に染まって何も見えない中で膣穴とその最奥だけを強く意識してしまうのです。肉棒の血管一つ一つでさえ意識し、鈴口の震えさえも分かってしまう中で全身の感覚が消え失せる。ある種、被虐的とも言える絶頂と悦楽の中で私は悶え、それらを貪っていたのでした。
 
 ―はひゅぅぅ…っ♥しゅごいぃ…♪♪このイクのとってもしゅごいのぉ…っ♥♥
 
 愛しい殿方に種付けして頂けるというメスとしての最高の幸せ。旦那様にこんなに気持ち良くして頂いたという女の幸せ。悦楽とは別にその二つの幸せを味わっていました。そしてそれらは貪欲な魔物娘の本能の中に刻み込まれるのです。最上の悦楽として私の価値観すら書き換えるそれに私は抗う事が出来ません。
 
 ―お腹の奥ぅ…♥♥とってもドロドロですぅ…っ♪
 
 そんな私の子宮へと送り込まれた精液はまるで身体の内側から蕩けそうなくらいに熱いものでした。勿論、それは先の射精の時にも味わっています。しかし、何時までも冷める気配がないドロドロとした熱さは暴発した時には感じられなかったのです。私のお腹の奥で何時までも熱いままの精液に私はうっとりとしながら身を委ねていました。
 
 ―でも…それもすぐに終わって…ぇ…♪♪
 
 二度目の射精にも関わらず、旦那様は最初と変わらない勢いで精液を放って下さいました。しかし、それではもう私には足りないのです。魂に快楽が刻み込まれた暴発時。それよりも遥かに幸せで気持ち良い事を知ってしまった私にはその程度では満足出来ません。射精が収まり始めた瞬間にまた次の精液をオネダリしようと膣肉が蠢き始めるのです。
 
 「は…ぁ…ぁ…っ!はぁ…はぁ…」
 
 そんな私とは違い、旦那様は私の口付けを止めて、私へと倒れこんでこられました。若いとは言っても、旦那様はまだまだ成長の途中です。抜かずに二度の射精は大きな負担になったのでしょう。そんな姿を見て、性交を中断する事が脳裏を過ぎるのです。
 
 ―でも…ぉ……♥
 
 私の大好きな殿方のオチンポはまだまだ硬いままでした。射精時よりも幾分、衰えてはいますが、まだまだ萎える気配はありません。寧ろもっと気持ち良くして欲しいとばかりに私の膣肉の中で震えていました。そんな肉棒の様子とは違い、精根尽きたと言ったような旦那様の様子ではありますが……――
 
 ―…大丈夫…ですよね…♥
 
 魔物娘との性交は人間の女性とは比べものにならないほど激しく、そして長いのです。しかし、それでも今まで魔物娘の性交によって死んだ殿方がいるとは聞いたことがありません。勿論、私の旦那様は若い――と言うか幼いに近い――のですから、気をつける必要はあるでしょうが、オチンポがこんなにも悦んでくれているのであれば、きっとまだ大丈夫でしょう。
 
 ―でも…きっとまだ動けないでしょうから……♥♥
 
 「桜……燐様…」
 
 旦那様が動けない分、今度は私が動いてさし上げよう。そんな気持ちと共に旦那様を抱きしめた腕を動かそうとした瞬間、旦那様は掠れた声で私の名前を呼んでくださいました。その声に愛しさを込めた言葉によって、私の腕は縫いとめられたように動かなくなってしまいます。まるで腕がこの愛しい殿方と離れたくないと主張するように力強く抱きしめたまま硬直してしまうのでした。
 
 「どう…ひました…ぁ…♥」
 
 そう答える私の声も微かに震えて、舌足らずなままでした。まだまだあの最高の悦楽が抜けきっておらず、余韻だけで絶頂を迎えているのですから当然でしょう。豊満な胸も旦那様と同じように上下を繰り返し、その度に快感がビリリと私の脳髄へと突き刺さっているのでした。
 
 「これで…雨乞い……出来ます…か……?」
 
 ―……あ。
 
 旦那様の気遣うような言葉に私はようやくこの性交の本来の目的を思い出しました。勿論、これは私達夫婦の記念すべき初夜であるのです。しかし、元々、旦那様は私が雨乞い出来るように婿入りされた方でした。その性交もただ愛情を確かめ、高め合うものだけではなく、私に魔力を供給するのが本来の目的です。
 
 ―…完全に忘れてました……。
 
 旦那様に求めてもらうのに夢中で私は完全にその本来の目的を忘れ去ってしまっていたのです。そんな自分の醜態に思わず羞恥で顔が赤くなるのが分かりました。しかし、敏感になった私の身体は、先ほどまでの興奮と快楽によって上気した肌に別の色が灯るだけでも快感を感じ、身を振るわせてしまうのです。
 
 ―でも…やっぱり足りません。
 
 本来の目的を思い出したお陰で少しばかり冷静になった私の心がそう呟きました。それはもっと旦那様としたいからだけではありません。三度の射精分から供給される魔力ではこれから数日間、ずっと天候操作し続けるには足りないのです。子宮から身体へと行き渡る魔力は決して少なくありませんが、天候を操作するというのはそれだけ大きな力を使うのですから。
 
 ―そう…っ♥だから…もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっとぉ…っ♥♥♥
 
 雨乞いをするという大義名分を得た欲望が再び私の胸の内で燃え上がります。それは旦那様に押し倒された時のように私に抑え込めるものではありませんでした。その幸せを、快楽を知ってしまった今、私の価値観も意識も完全に書き換えられてしまったのです。隙あらば、旦那様と性交しようとする欲望を止められるはずがありません。
 
 「ごめんなさい…♪♪まだ……まだまだ…足りないみたいです…♥♥」
 「そう…です…か…」
 「えぇ…♥ですから……っ♥♥」
 「う、うわ…っ!」
 
 残念そうに胸を上下させる旦那様を抱きしめながら私はくるりと身体を回転させ、布団へと押し倒します。それは本来であればはしたないと言われかねない行為でしょう。ですが、今回は非常時なのです。雨乞いという必要不可欠な儀式を行う為に旦那様には次々と射精していただかなければいけないのですから。
 
 「だから…もっと私に…♥旦那様の美味しい精液ご馳走して下さいね……♥♥」
 「は……い…」
 
 自分の身体の下へと入れ替わった旦那様へ微笑んだ私に、愛しい殿方は頬を赤くしながら返事をしてくださいます。その愛らしい姿に欲情が再び膨れ上がり、旦那様の上でゆっくりと腰を上下させ始めました。再びかき鳴らされる淫らな水音を聞きながら、私は空へと向かって魔力を解き放って…――
 
 ―こうして私たちの初夜は本格的に幕を開けたのでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ―時間というのはとても不平等なものです。
 
 時間という単位は普遍的なものであります。貧富の差もなく、生きるもの全てが持ち合わせるからこそ、それは何気なく使われているのでしょう。しかし、だからと言ってそれが皆に平等であるかというと決してそうではありません。楽しい時間があっという間に過ぎ、退屈な時間が過ぎ去るのに時間が掛かるように、その密度は人それぞれであるのです。退屈な時間を楽しい時間へと分配出来れば良いと思ったことはきっと誰しもある事でしょう。
 
 ―それは龍である私も変わりません。
 
 両親の元で暮らす日々はとても暖かく、そして楽しい日々でした。ですが、それは理想の夫婦とも言える姿に憧れを大きくしていく時間でもあったのです。両親のようになりたい、と言う欲求が日々、大きくなっていくにも関わらず、決して充足しない日々はある種、辛いものでもありました。
 それから親元を離れ、様々な場所を巡り歩きました。その中で出会った人や魔物娘との経験は私に息づいています。見識を広めたこの時の経験がなければ、今の私はきっとなかったことでしょう。それに私は強い感謝を抱いています。しかし、それは今だからこそ言える事でしかありません。当時の私にとって、これだ!と思える運命の相手に出会えない日々は、抱いた憧れで胸が焦げそうな辛い思いをする時間であったのです。
 
 ―そんなある日…私はこの村に立ち寄って…。
 
 未来の旦那様探しに疲れていた私は、人に化けるのではない本来の姿で思いっきり羽を伸ばしたかったのでした。そんな時に私はこの小さな村を見つけたのです。近くに稲荷を祀る神社のある関係上、この村には多くの稲荷が暮らしていました。それを空から眺めて確認した私はこの村であれば龍の姿のまま降りても大丈夫であると思い、一夜の宿を借りようとこの村で一番、大きな屋敷を訪ねたのです。
 
 ―それが私と村長さんとの出会いで…。
 
 お金は出すから数日間ほど泊めて欲しいとお願いする私に村長さんは最初、驚きに固まっていました。そして冷静に戻った途端、快く私に宿を貸してくれたのです。それに安堵しながら数日ほどお世話になった後、旅立とうとした私に村の水神として、この村に居ついてくれないかと頼まれたのでした。
 
 ―それを私は請けました。
 
 この村は稲荷を受け入れているだけあって、私の姿に何ら奇異の視線を向ける事はありませんでした。最初の頃こそ驚かれてはいましたが、それもすぐさま収まり、快く私を迎えてくださったのです。そんな村を私も気に入り、ここに腰を落ち着けても良い、と思っていたのでした。そんな中、村長さんから頼まれたそれは私にとって、旅を止める決意を固めるものであったのです。
 
 ―それから……色々な事がありました。
 
 水神として立派な社を作って下さろうとする村人たちとこじんまりとしたもので良いと主張する私の対立。新しい井戸の設置や新しい灌漑設備の設置、他にも新しく溜池を作ったり、小さいながらも温泉を掘り当てたりしました。その度に私と村人たちとの信頼関係は深まっていったのです。
 
 ―そして…今。
 
 「……ふふふ」
 「急に笑ってどうしたんです?」
 
 思わず思い出し笑いをしてしまった私の顔をそっと旦那様が覗き込んでくださいました。その顔はもう子どもとはかけ離れてしまっているのです。深い堀が刻まれた男らしい顔つきにはかつての面影が微かに残っているだけで、もう口が裂けても可愛らしいなどとは言えません。その身体も子どもの頃とは比べものにならないほど鍛えあげられ、しっかりとした筋肉が身に着いています。こうして藍色の作務衣越しに抱きつくだけで鍛えられているのが分かるほどでした。
 
 「いえ…私は今、とても幸せだなぁ…と思って…♥」
 
 ―そう。私は今…とても幸せなのです…♪
 
 こうして立派に成長なされた旦那様が私に婿入りし、この小さな神社の神主となってくださっている。しかも、神主として今もご存命の村長さんと話し合いをする以外は殆どこうして私の傍に居てくださるのでした。旦那様と初夜を迎えてもう十数年が経ちましたが、その幸せは一向に色褪せません。いえ、それどころかどんどんと強まっているような錯覚さえあるのです。
 
 ―でも…それだけ幸せだということはそれだけ時間の流れが早いという事で…。
 
 旦那様と初めての雨乞いの儀式を行なってからもう十数年。それは普通であれば記憶もぼやけてしまうような時間でしょう。しかし、私は今も鮮明に旦那様との最初の出会いから思い出す事が出来るのです。まるでつい数日前の出来事のようにこの愛しい殿方と過ごした日々を全て胸中で浮かばせられるのは喜ばしい事なのでしょう。ですが、その一方でもうこれだけの時間が流れてしまったのかと思う私も存在するのです。
 
 ―それは旦那様の成長をもっと楽しみたかったというのも無関係ではありません。
 
 こうして二人が暮らす本殿の入り口で特に何もする事なく、私に身を委ねて下さる旦那様。その成長は著しく、私が置いていかれそうな錯覚さえ覚えたのです。「男子三日会わざれば刮目して見よ」と言いますが、一日ごとに一皮剥けるような成長っぷりだったのでした。それは勿論、妻として喜ぶべき事なのでしょう。しかし、私としてはもう少しゆっくりと旦那様が成長する姿を堪能したかったのです。
 
 ―それに何より……。
 
 魔物娘と言えどもその寿命は永遠ではありません。後、どのくらい旦那様と一緒に居られるかは分からないのです。勿論、私はまだまだ魔物娘としては若輩も良い所なので死別は先でしょう。しかし、「光陰矢の如し」という言葉を実感するほどに時間が凄まじい勢いで流れていく私にとってそれは遠い未来のようには思えないのです。
 
 「…桜燐様…」
 「あ……」
 
 そんな私の頭を旦那様が左手で優しく撫でて下さいました。きっと胸に抱くようにして捕まえている旦那様の右腕から私の不安を察知してくださったのでしょう。ゆっくりと私の髪を梳く旦那様の顔には安心させるような笑みが浮かんでいました。そんな優しい表情を見て、私の胸がトクンと高鳴り、子宮も蕩けそうになってしまうのです。
 
 「もう…そんな風に大人ぶっちゃって…♥」
 
 しかし、それでも何処か悔しい気持ちは否めません。だって、私からすればついこの間まで旦那様は小さな子どもであったのです。勿論、私を甘えさせてくれるくらい成長して下さった事は根が甘えん坊の私としてはとても嬉しい事ではありました。しかし、やはりどうしても旦那様が子どもであった頃の感覚を捨てられない私にとって、それはちょっぴり生意気に映ってしまうのです。
 
 「お嫌いですか?」
 「まさか…♥そんな旦那様も大好きですよ…♥」
 
 しかし、かと言って旦那様を嫌いになったり、幻滅したりはしません。寧ろその仕草一つで私はまた旦那様に魅了され、心奪われてしまうのです。また一つ愛しい殿方へと没入していく自分を感じながら、私はそっと旦那様へとしなだれかかり、口を開くのでした。。
 
 「今日はもう…お仕事はないのでしょう?」
 
 私のお婿さん兼この神社の神主になられた旦那様の主な仕事は薪割りや掃除が中心です。しかし、薪などなくとも私は魔力で火を灯せば良いだけの話であり、掃除もまた私が魔力を使えばすぐさま終わってしまうでしょう。それでも旦那様は毎日、そうやって身体を動かし、働いてくださっているのでした。
 
 ―とは言え、それだってそう長い間掛かる訳ではありません。
 
 だからこそ、今のように春の優しい日差しを浴びながら二人で身を寄せ合って、のんびりとする事が出来るのです。まだ村人たちが畑仕事をしているであろう時間でも、こうやってイチャイチャする事が出来るのでした。ある種、特権とも言えるその幸せに身を委ねながら、私はそっと旦那様の作務衣の中に手を差し込むのです。
 
 「私…もう我慢出来ません…♥♥」
 「まったく…桜燐様は本当に手の掛かる水神様ですね」
 「もう…っ♪そんな風にしたのは旦那様じゃないですか…♥♥」
 
 やれやれと言った風に頭を振るう旦那様に私は抗議の声をあげました。それも当然でしょう。だって、私は旦那様に襲われるまではここまで我慢の利かない女ではなかったのです。時折、自分を慰める事はありましたが、それで欲求を満足させられる程度には欲望は収まっていました。
 しかし、旦那様と初夜を迎えてからはまったくそれが利かなくなってしまったのです。まるで今まで抑えられてきたタガが完全に弾け飛んでしまったかのように欲望を抑える事が出来ずに、こうしてすぐさま旦那様に淫らなオネダリをしてしまうのでした。
 
 「ちゃんと…責任取って貰わないと困ります…♥」
 「こうして一緒にいるのではその責任にはなりませんか?」
 「もぉ…♪ホント意地悪なんですから…♥」
 
 しかし、そんな私のオネダリを旦那様はのらりくらりとかわすのです。それはついこの間――と言っても十年ほど前の話ですが――からは考えられない事でした。私がオネダリすれば、すぐさま若い衝動に身を任せて私を押し倒して下さったのですから。
 
 ―でも…それは今も変わりません…♥
 
 こうしてスベスベの鱗で優しく胸板を撫でる度に旦那様の口からは荒い息が漏れるのが分かります。きっとその内側では出会った頃となんら変わりがない若い衝動が渦巻いている事でしょう。ただ、それをすぐさま表に出さず、旦那様の内側で熟成されるように留められるようになっただけに過ぎません。
 
 ―きっと…そうされた方が私が悦ぶ事に気づかれているのでしょうね…♥♥
 
 どうやら私には被虐的な才能があったようで、こうして意地悪だなんだと言っている今も焦らされているように感じてしまうのです。そして焦らされたメスの本能がじわじわと淫らな熱を広げきった瞬間に旦那様に犯して貰えば普段よりも遥かに乱れてしまうのでした。それを十何年と見てきた旦那様が気づいていないはずがありません。今では交わりの最中でもオチンポが欲しくて頭がおかしくなってしまいそうなほど焦らされてしまうのです。
 
 ―まぁ…その分、燃え上がってしまうんですけれど…♪
 
 焦らされれば焦らされるほど私の欲望は燃え上がり、激しくなっていくのです。最近では昼過ぎから性交を始めて、深夜に終わるなどは珍しくはありません。その大半を旦那様のオチンポを咥え込んでいる私にとって、一日の殆どがオチンポと共にあると言っても良いくらいでしょう。しかし、それでも私の欲望は我慢を覚える事はなく、こうしてふとした事から燃え上がってしまうのでした。
 
 ―その先ほど旦那様の仕事がもう終わったと言いましたが…ある意味、これも仕事なのかもしれませんね…♥♥
 
 龍はその強大な力と引き換えにとても貪欲な魔物娘であるのです。そんな種族に生まれた私の欲望に付き合うのも神主としての責務であり、夫としての義務であるでしょう。
 
 ―勿論、それに対する感謝も忘れてはいませんが……♥
 
 「ほら…ぁ♥旦那様ぁ…♥♥」
 
 一日の大半を私との性交で過ごしている。そんな旦那様の唇に私は感謝を込めて啄むようなキスを繰り返すのです。ちゅっちゅと音を立てて何度も何度も放たれるそれでもこの愛しい殿方の我慢は揺るぎません。そんな事は今までの経験からはっきりと分かっているのです。
 
 ―ふふ…♪でも…何もすぐさま挿入するだけが性交じゃありませんものね…♥♥
 
 別にオチンポを突っ込んで射精するまでが性交ではありません。その前の段階――こうした甘い駆け引きから性交は始まっているのです。だからこそ、私が焦らされているにも関わらず、こうした駆け引きを楽しみ、また悦んでしまうのでした。
 
 ―だから…今日も……ね…♥♥
 
 愛しい殿方に呼びかけるような言葉を胸に浮かばせながら、私はそのキスをゆっくりと濃厚なものへと変えていくのです。それは何れキスの枠を飛び越え、愛撫となるでしょう。それは遠い未来ではありません。きっと後数分も経てば、淫らな私の身体は全身で旦那様へとオネダリしてしまう事でしょう。
 
 ―そんな何時も通りでありながらも、まったく新鮮さを損なわない性交に私の意識はすぐさま没入し…そして何時も通りの幸せな時間を過ごすのでした。
 
 
 
 
 
 
12/08/13 12:52更新 / デュラハンの婿

■作者メッセージ
龍さんの脇腹prprしたい^q^
そんな訳でこんばんはデュラハンの婿でございます。
龍さんの設定を見てからヒャッハー!もう我慢出来ねぇ!ショタエロだぁ!!!
とばかりに浮かんだお話でしたw
でも、貪欲エロエロお姉さんとショタの相性って良いと思うんじゃよ…←
こう逆レイプ的な感じじゃなく、最初は拒んでたけど、後でその気になっちゃって!
何時の間にか逆レイプになっちゃう的な!!!!
そんな逆転有りのショタエロが私は大好きです^q^

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