潜在願望(仮)
「茜華さん、どうですか?これ。」
何故か、泰華は微笑んでいる。ベッドの上の茜華はそれすら分からないのだが。
「た、泰華…やっぱりやめないか?」
「何でですか?」
「ひゃぁ!」
ふぅーと耳に息を吹きかけられればフルフルと体をふるわせる。
「茜華さん可愛いです。」
片方の耳を擽られ、もう片方は空いている手で弄ばれる。
「やめっ…んんっ」
「そうです、今日はずっと僕のターンですよ。茜華さんは僕の玩具になって貰います。」
耳にチロチロと舌を這わせられれば微弱な快感がひしひしと押し寄せる。
「泰華ぁ、やるならもっとしっかりやってくれよぉ。」
今、茜華は全裸で後で手に縛られアイマスクで目隠しされていた。
泰華自身は上裸で、いつもは履かないジーパンを身につけていた。
「うーん、良いですけど…」
“おねだり、して下さい♪”
いつもと全くの逆転。
茜華は羞恥に耐えられず、強請りは実行に移せない。
「言えないんですか?」
「…」
「そうですかぁ。残念だなぁ。」
瞬間、後に回り込んでいた泰華は茜華の両乳首を下へ引っ張る。
「んぁぁぁ!」
気持ちが良い、いつもよりずっと。
自分は行動を制限され不自由な思いをしているがそれすら泰華に言わされたこと。
『あ、あたしの手縛って。縛って、躾て下さい…』
何でこんな事になっているのか、茜華にも一切分からなかった。
何故か、そんな事を考える暇もなく泰華からの責めは続く。
「茜華さん、良い声ですよ。可愛い声もっと聞きたいですが…止めましょうか。」
な、なんで?
声には出ないが、切なさから心も体もキュンキュンと疼く。
「たいかぁ…」
「どうしました?」
精一杯甘えた、牝の声を発するが泰華は華麗にスルーだ。
「僕は茜華さんに気持ちよくなってほしいですよ。」
「なら!」
「なら、おねだり、無いとですよね♪」
「…いじわる」
茜華が子供のような発言をするのは希有なことだが、それだけ今の状況が異常なことを表している。
「そうですねぇ、意地悪な僕は茜華さんをもっと虐めちゃいますよ。」
後から茜華に抱きつき、ゆっくりと前に倒れるように誘導する。
その間も胸を揉まれ、先端を虐められている。
精神、肉体の両方で違う快楽に襲われ茜華は既にとろけていた。
「ほら、こうして…はい、できました。」
「うぅ…」
茜華は布団に頭を臥せ、膝を開いてつかされ尻が上がっている状態にされた。
つまり、秘部も菊門も見られ放題という訳だ。
「このヘルハウンドさんは…こんな事されて興奮してますね?」
「いやっ!」
ぱっくり開いた秘所を上から下になぞられクチュクチュと音を鳴らされれば上限まで来ていたと思われた羞恥心だがまだまだ治まらない。
「もう、このワンちゃんは…」
べしっ
「あんっ!」
尻を叩かれた。
痛みはほとんどない、が、幾分音がデカく叩かれていることが強く自覚できてしまうようなスパンキング。
「大きなお尻は叩きがいがありますねぇ!と」
「いっ!」
言葉に併せてまた衝撃。繰り返すが痛みはない。しかし、茜華は怖かった。
今、感じている快感が。
「茜華さん、気持ちいいなら気持ちいいって言わないとダメですよ?」
いつも茜華が言っていることだ。
「泰華、やめっ…」
何故か素直になれない。
何故だろうか、それは本人が一番知りたいことでもある。
「ん?やって下さい、ですか?」
べしっ、べしっ
「あっ、んっ!」
治まらない火照りが憎らしくもあり、普段感じれない快楽に屈しそうだ。
「もう一度聞きましょうか。」
“今、気持ちいいですか?”
頭の上にある大きな耳に囁けば少し舌足らずにこう返ってきた。
「き、気持ちいいのぉ…」
普段の口調すらも崩れるくらい精神が揺さぶられている。
満足げな小さい男は別の責めを始めた。
「よく言えました♪」
誉められると同時に口内に何かが侵入してきた。
「ほら、しゃぶって下さい。ご褒美です。」
「んくっ!んっんっ!」
苦しいか、と問われれば迷ってしまうようなギリギリのイラマチオ。
ただ確かに言えることは不自由な体を“使われている”感覚が拭えない。
「はぁ、はぁ、やっぱり茜華さん凄いです。こんな状況でも舌がしっかり絡んでくるんですから。」
無意識だったのかもしれない。
でも、男性の、愛している異性の精を絞ろうと体が反応してしまうのだ。
茜華の口元からジュルジュルと水音が漏れ何とも言い難い淫猥な雰囲気が漂う。
「ふっ、はい、良くできました。」
必死に奉仕をしていた嫁の頭を撫で、自身の分身を口から引き抜く。
「ん、ぷはっ!はぁはぁ…」
「茜華さん…」
目も見えない、手足も不自由な状態で普段温厚な夫に使われる感覚。
茜華の頭の中は完全にとろけていた。
「泰、泰華、泰華…」
譫言のように名前を呼び、何かを必死に伝えようとしている。
「どうしました?」
「んっ!」
また突っ込まれる。
何をかは言うまでもないだろう。
「ほらほら、茜華さん!しっかり主人に奉仕するんです!」
「んぁ!」
返事もままならない。
先程より確実に苦しい責め苦だが不思議と拒否できない。
「で、射精ますよ!」
泰華側も少しずつ腰を振り茜華の喉の感触を楽しみつつ、絶頂へと上り詰めていく。
呻くことしかできないヘルハウンド。
問題は、とにかく気持ちがいいということだ。
「全部飲むんです!射精ます!!」
「んっ、んんんん〜〜!!」
ビュクビュクと一番奥。
喉にブツを押しつけながらの射精。
もちろん、ほんの一分と少しの出来事だが茜華には悠久にも感じられる。
「ふぅ…茜華さん、大丈夫ですか?」
んぐんぐと嚥下を終わらせ、口から唾液を垂らしながら
「はっ、はっ…」
「茜華さん、茜華さん…最高に可愛いですよ。」
頭を撫でられ、次は挿入をされるのかと考えつつ意識が段々とフェードアウトしていくのだった。
ーーーーー☆ーーーーー
「はっ!!!!」
飛び起きた。
そう、起きることができる状態。
つまり。
「ゆ、ゆめ?」
夢か?
隣を見れば小さな男は幸せそうにむにゃむにゃしていた。
「茜華さぁん…」
見事なZzzが頭の上に見える。
「…」
クチュ。
股を擦り会わせれば当たり前のように濡れていた。
「…」
何故、あんな夢を見たのかは分からない。
分からないが…
「わ、悪くなかったな…」
もう一度夫を見れば確実に夢の中とは別人のような表情。
そして、茜華は決心する。
“明日は休みだ、目一杯ヤろう”
18/05/13 00:11更新 / J DER
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