ファラオ♂×アポピス
果ての見えない砂漠。
そこにはオアシスや遺跡が点在している。
オアシスを中心に国々があり、そこの一番防衛しやすい場所に古墳がある。
かつて栄華を極めた国々は魔物の発生により危機を迎えた。
それらの頂点となって我々を苦しめたのはアポピスと呼ばれる大蛇の魔物だった。
冥府の力を宿すといわれるそれは当時の主神がファラオを抹殺するために造り上げた怪物だった。
とあるファラオはアポピスに敗れ国を失い、とあるファラオは迫り来るアポピスを討伐し国を守った。
当時武において誰にも敗けぬと謳われた、ラムセスと名乗る我も数え切れない程のアポピスと対峙し、討伐した。
だがある時全く互角の力を持つアポピスと対峙し、相討ちとなった。
互いに息の根は止めなかったが、互いに永い眠りに就く必要があった。
死を克服し、太陽神の力をこの身に宿し、奴を討ち、国の平穏を取り戻すため。
我は死に在りながらも生を失わなかった。
精と呼ばれる生命エネルギーを守りきったのだ。
その結果太陽神の力をこの身に宿し、生還することに成功した。
王の帰還を国民に知らせ、更なる昇華を果たした事を告げ、鼓舞し、奴を討ち果たすのだ。
全てはファラオとして国民を愛するが故だった。
決意を新たに棺の蓋を開けた。
「王が復活なされたぞおおおお!!!」
『うおおおおおおおおおおおお!!!』
目の前に拡がる国民の半分程は、儀式でしか姿を見せない筈のアヌビスやスフィンクスを模した姿をしていた。
「……それで？魔物は共存の道を選び、我の決意は無駄であったと。」
「ええと、そのう……」
「はっきりと申せ。」
「クゥゥン、その通りです。王よ」
現代のアヌビスはこれ程までに情けなく鳴くのか。
「まぁまぁ結果オーライですニャン。」
現代のスフィンクスはこれ程までに適当なのか。
「まあいい、確かに結果として平和ならそれでいいのだ。それよりも、奴はどうしている？」
「奴とは？」
「ネフェルタリと名乗ったアポピスだ。」
「彼女ならば王が眠りに就かれて以来未だ目を覚ましません。」
「女にはなっているのか？」
「はい。それは確認済みです。」
かつてあの強大な力が我が国のものになったらどれ程良いかと思ったものだ。
今ならば可能かもしれん。
「よし、かの地に出向こう。一人で行く。誰も付いてくるな。」
「危険です。王よ。」
「舐めるな。」
巨大なクレーター。
今は砂に埋もれかけているそこの中心に奴はいた。
あれほど破壊力を誇った巨躯は人間とまぐわうために小さくなっていた。
人間と比べれば十分な巨躯だが。
こうして大人しい姿を見てみると闇色の鱗はとても美しい。
黒、というより闇色。
とぐろを巻いている頂点には紫色の肌をした女体がある。
安産型の骨盤の上は折れそうな程細く括れている。
更に上はうつ伏せでも背中越しに見える大きな乳房。
結界を張って眠りに就いているが、少し時間を掛ければ直ぐに解けるだろう。
結界を解いて顔を覗くと、先ほど見た魔物娘の誰よりも美しかった。
目を開ければつり目ぎみの切れ長であることが想像出来る。
長い髪も鱗と同じ闇色だった。
我は手から魔力で出来た蛇を生成した。
赤い蛇。
太陽神の遣いの象徴を魔力で作り出し、使役することができる。
まだ眠っている間に蛇体を蛇で縛っていく。
更に両腕も小さい蛇で縛る。
太陽神の力を宿して肉体は全盛期に、蛇を操る力に言霊を操る力など、様々な恩恵があった。
声に魔力を乗せて命じる。
『目を覚ませ、表を上げよ。』
「……うん？わ、妾は一体、ん！？これは！？」
「久しぶりだな、ネフェルタリ。とりあえず縛らせてもらった。」
「貴様っラムセスか！ここで会ったが百年目！この身体は何だ！」
「まあ落ち着け、それは我のせいではない。」
「なるほど？時代は変わったと。」
「それでだ、我の嫁にならんか？」
「断る！どの面下げて果たし合いをした仲を誘う！」
「それはお互いの力を認めあった仲と解釈出来んか？」
「出来ん！であれば力ずくでやってみせよ！」
縛られた状況でよく啖呵を切ったものだ。
「なるほど、では、『口を開けろ』」
「何をぉあ！？」
「我の言葉に逆らえんだろう、貴様が寝ている間、此方はただ寝ていただけではないのだ。ところでネフェルタリ、これはギルタブリルの女から聞いたのだが、毒を持つ魔物娘は毒を射つ時快感を感じるそうだ。やってみるか？」
「な、何をする、うああ！？」
ネフェルタリの毒牙に吸い付いて毒を吸い出す。
「もう一方もだ。」
「ああああぁぁぁぁぁ…」
「やはり感じるらしいな。『閉じてよい。』」
「ぁぁぁぁ何故だぁ、何故毒が効かん。」
「最早冥府の力など効かんのだ。」
「何？」
「貴様が眠っている間我は冥府をさ迷った。しかし我は生を失わなかった。死にながらに生きたのだ。そして太陽神の力を宿し帰還した。故に死を克服した我に効かんのだ。」
「何と。」
「だが服従の効果は聞かなくとも媚薬としての効果は敢えて受け入れようう。」
我の剛直が嘗て無いほどいきり立つ。
「どうだ？欲しいか？」
「要らんわ！」
喉を鳴らして言われても滑稽だ。
「そうか、残念だ。」
小さな蛇を作り出して秘所に侵入させる。
「あっおいっそこはまだ……いい！？」
意外なことに処女だった。
大蛇の姿の時性欲は無かったのだろうか。
慎重に、出来るだけ血が出ないように開いていく。
血は蛇が飲んでいく。
「どうだ？その蛇は我の精で出来ておる。溶け出すと美味いだろう。」
「こんなもの……」
「足りないだろう？」
「！？」
「我の妻になると誓うならば本物のコレを入れてやろう。」
目の前に見せつけると精の匂いに敏感になった今のネフェルタリは必死に匂いを嗅いでいるのを隠しきれていない。
「どうだ？ほれ、申してみよ。」
「ぐぅっ、断る！」
「そうか。」
大きな蛇を作り椅子のように腰掛け、余裕を見せつけ、膣の蛇を暴れさせる。
「おおおお！？」
結局３日後に気絶するまで承諾しなかった。
蛇を吸収し、ネフェルタリを担ぐ。
破瓜の血を吸った蛇だけ異常に美味かった。
「本当に嫌ならば諦めた方が良いのだろうか。」
「そんなことありませんよ。」
メドゥーサを妻にした男が言う。
寝室に運んだネフェルタリについての相談をしているのだ。
媚毒の効果が予想外に強くて気絶したネフェルタリに何発も出してしまった。
「出した精が直ぐに吸収されたのなら口では反発していても内心受け入れています。」
「そんなものか。」
「最早貴方の精しか受け付けないでしょう。」
もう一押ししてみるとしよう。
まだ気絶しているネフェルタリの蛇体を蛇で縛る。
精は残らず吸収されていた。
縛った蛇体はベッドに置き、腕は近くにあったベッドより高い位置にある机を掴まらせる様に縛る。
すると乳房が空中に垂れ下がる様になるが、改めて人外の張りを保っていることを思い知らされる。
あれだけ大きな胸が垂れて伸びないのだ。
なのに触ると反発する弾力と沈み込む柔らかさを両立している。
その乳房の下に口の大きな水瓶を置く。
そして秘所と肛門に蛇を忍ばせる。
「さて、『起きろ。』」
「……この体勢は何かの。」
「我はお前が自ら受け入れるまで諦めんぞ。」
「無駄だと言うておろう。妾は貴様に服従するつもりはない。」
「別に服従しろと言うてるわけではないのだが……まあいい、そこまでこだわるのならば服従させて見せよう。『母乳を作れ。』」
「何！？」
大きく張っていた乳房が更に張り詰めて、重くなる。
「おお、随分と多く作ったな。苦しかろう。搾ってやろうか？」
「余計なお世話だ！」
「因みに我は『母乳を作れ』としか命じていない。我が出すように命じなければ出せないぞ？」
「くひぃん！？」
乳首を強くつねると、人間と違い、痛みより性感が勝るようで、喘ぐが、母乳は出ない。
「もどかしいだろう？頼めば搾ってやるぞ？」
「こ、こやつめ……」
「そうか、ならばこのまま乳を弄ぶ迄だ。」
乳房全体を揉みほぐす。
張り積めているが母乳は出ない。
申し訳なくなってくるが、元々頼まれなくても説得しながら搾るつもりだったのだ。
だが、服従させろと言われると（※言われてません）、自ら頼むまで焦らすしかない。
背を上に向けているネフェルタリの蛇体の背に跨がり、乳房の付け根から掌で押し出すようにマッサージをする。
妊婦や乳児の母がやるマッサージだ。
乳腺を活性化させる効果がある。
「んう！んう〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
そこまで食い縛った顔をされると苛めたくなってしまう。
乳輪の縁を摘まんで捻りながら引っ張る。
「…………れ。」
「ん？」
「搾ってくれ。」
「人に頼む態度ではないな。」
「っ貴様ぁ！」
「やり直しだ。」
「搾ってください！お願いします！」
「よろしい！『母乳を出せ！ネフェルタリ！』」
乳輪を奥に押し込むように摘まみ、一気に引っ張ると、乳詰まりがとれ、母乳が勢いよく吹き出した。
「〜〜〜〜〜〜っ！ふぐぅ〜〜〜〜っ!!!」
搾乳だけでよがり狂うネフェルタリは蛇体がのたうち回ろうとしていたが、縛られているため、性感を分散出来ていない。
水瓶を８つも満たして、漸く止まった。
搾った傍から生産していたことがわかる。
飲んでみると魔力で満たされていた。
不思議と直ぐに吸収され、幾らでも飲める。
ふとネフェルタリを見ると、此方を見つめてニヘラとだらしなく笑っている。
「お前乳を飲まれて嬉しい性癖でもあるのか？」
「なっ、そ、そんなことはないわ！」
「愛い奴め。それ相応の態度で頼めば直接吸ってやるぞ？」
「何たる屈辱！」
「ふはははは！」
楽な体勢にしてやるべくベッドに仰向けに縛り直す。
腕は手を上げさせて頭の上で縛る。
腋も秘所も全く生えていない。
おや、縛る間抵抗しない。
「……何をニヤニヤしている。」
「いや、抵抗しないで縛られるとは殊勝だと。」
「！？？」
無自覚だったようだ。
これは後で知ったことだが、爬虫類や魚類の姿をしている魔物娘は普段秘所を鱗で隠しているそうだ。
つまり、毒を吸った後に蛇が侵入できた時点で心を許していたことになる。
『口を開けろ。』
毒腺に溜まった毒を毒牙から吸い出す。
やはり毒蛇にとって毒牙は誇りであったりするのだろうか。
毒を吸っても我がピンピン、いやビンビン、もとい、ギンギンしていたとき無力感に絶望したような顔をしていた。
「はぁぁぁぁぁん❤」
すっかり出来上がっている。
此方もギンギンになる。
だが我慢。
膣にいる蛇とアヌスにいる蛇を同時に暴れさせる。
「はぁう！？」
端から見ると喘ぎ声は中々に滑稽だ。
別にネフェルタリに限ったことではないが。
「さて、お前の媚毒でこうなったモノが欲しいか？」
「欲しい！妾のココに入れてくれ！」
「我が言霊を操ることは知っておろう。その上で声に出して服従を誓えるか？」
「うっ、それは……」
「そうか、残念だ。」
アヌスと膣から壁の同じ場所を裏表から刺激する。
「うう、ううううぅぅぅぅぅ……」
我慢しているところで両乳首を束ねて吸い上げる。
最早絶頂の寸前というところで命じる。
『イクな。』
「はう！？」
「このまま誓うまで耐えてもらおう。」
1時間経過
『イクな。』
「ふぐぅ！」
2時間経過
『イクな。』
「ひぐぅ！」
3時間経過
「イクな。」
「う、ううぅ…」
4時間経過
「イクな。」
ビクンビクンと痙攣するだけだ。
5時間経過
「ネフェルタリよ、気付いているか？」
「……。」
「途中から我は言霊を操っていない。」
「……ぇ?」
「だが、イクな。」
「！？」
「最早お前は我が合図の思うがままだ。」
「……ぁぁ。」
「誓うか？」
「……ます。」
「誓うか？」
「わ、らわ、は、妾は、ラムセス様、に、服従、致します。お情けを下さい、ませ。」
その瞬間言霊の不可視の束縛がネフェルタリの魂を縛った。
此方には何の条件も無い、ただ自らを縛るだけの誓約をネフェルタリはしてしまった。
「ここに誓約はなった！ネフェルタリ、お前は魂から全て我のものだ！」
ネフェルタリから蛇を吸収し、拘束を解き、毒で限界まで張り詰めた剛直をネフェルタリに突き立てる。
「アハッ❤ラムセス様！アハハハハ！」
ネフェルタリが狂ったようによがり、のたうち回る。
此方も我慢していたのだ。思いっきりピストンを繰り返し、子宮口を貫かんばかりにノックする。
「ラムセス様！旦那様！ご主人様！」
「ネフェルタリ！イけ！」
ネフェルタリは最早言霊を使わない会話に従ってしまう。
「アハッ！イきましゅ！イく！イクウウウウ!!!」
膣が猛烈に蠕動し、此方も一度果てる。
ドグン！ドグン！ドプッ！ドブンドブンドブンドブン！
そのままネフェルタリは気絶してしまった。
それ以来、この国の昼は明るい日光が降り注ぎ、夜は魔力と月光が反応して怪しく輝く特殊な魔界となった。
明かりの絶えない国。
周辺国家からは緑黒魔界などと呼ばれている。
「……なあ、ネフェルタリよ。」
「何でしょうか、ご主人様❤」
「四六時中巻き付いて飽きないのか？」
「妾がご主人様に飽きる事なんて何一つ御座いませんわ❤」
「……そうか。」
「はい❤」
「そう言えば、パトラとプトレーはまだ目覚めないのか？」
パトラとプトレーはまだ我が眠りに就く前に親しくしていた隣国のファラオである。
親が共に仲が良かったため、子供の頃から親交があり、姉のパトラは我の婚約者であったが、親の仲が悪くなると破談となった。
眠りから覚めて曖昧になった記憶が最近ある程度思い出してきた。
我が精を手放さなかったのはパトラへの思いを拠り所にしていたところが案外大きかった気がする。
「まだのようですよ、ご主人様❤」
「起こしに行くか。」
「お供します、ご主人様❤」
隣国の古墳にてファラオは顔パスだった。
ネフェルタリを入れる許可を取るため、言霊を使った。
そんなこんなで、棺が目の前にある。
「おい、パトラ、プトレー、起き…………ろ？」
パトラは姉、プトレーは弟の筈だった。
「女が……二人？」
「ラムセスお兄様、お早う御座います！」
「ああ、お早う、パトラ、そしてプトレー、お前なのか？」
「はい、ラムセスお兄様。お兄様はなぜまだお兄様なのですか？」
「……つまり、彼処で精を手放さなかったことが異常だと？」
「普通耐えられずに魔物娘になるところです。」
「……そうか。」
「それよりお兄様、何故アポピス何かと結婚したのです！今からでも遅くありません！その女を妾にして私を正妻に……」
「何と？」
「ピィ！？」
「妾（わらわ）が妾（めかけ）じゃと？」
「い、いえ。」
「貴様が正妻じゃと？」
「ご、ごめんなさ……」
「妾の毒牙で眷属にしてくれるわぁ！」
「いやあぁぁぁぁ！？」
「貴様もじゃ！」
「何故私まで！？」
「あはっ❤ネフェルタリ様ぁ❤」
「一生ついていきますぅ❤」
「貴様は妾（めかけ）、妾（わらわ）が正妻じゃ！」
「「はい❤」」
ネフェルタリの毒牙は折ったと思っていた。
これからはファラオを襲わないと勘違いしていた。
ネフェルタリは我にしか折れないのだ。
我が手綱を握らない限りファラオは襲われ続けるだろう。
「「お兄様❤」」
「ご主人様❤」
手綱を握り続けないと妾が増え続ける！
いつの間にかネフェルタリが居なくなったと思ったらファラオを連れてくる。
男のファラオは見つからないそうだ。
刑部狸の商人がやってきて、
「KUNOICHIに伝わる秘伝の巻物『分身術』いりまへんか？」
などと言ってこなかったら妾に忙殺されていた。
止めるように言えば直ぐに止まるだろう。
だが、ネフェルタリは明らかに良かれと思ってやっているのだ。
連れてきて、褒めて褒めてと言わんばかりの顔をされると、咎められない。
誰もお前に匹敵するものはないと毎日言い聞かせているのに！
「ご主人様新たなファラオを発見しました！」
今もアポピスはファラオの天敵だ。
妻の手強さに閉口しながら今日も分身を増やす。
そこにはオアシスや遺跡が点在している。
オアシスを中心に国々があり、そこの一番防衛しやすい場所に古墳がある。
かつて栄華を極めた国々は魔物の発生により危機を迎えた。
それらの頂点となって我々を苦しめたのはアポピスと呼ばれる大蛇の魔物だった。
冥府の力を宿すといわれるそれは当時の主神がファラオを抹殺するために造り上げた怪物だった。
とあるファラオはアポピスに敗れ国を失い、とあるファラオは迫り来るアポピスを討伐し国を守った。
当時武において誰にも敗けぬと謳われた、ラムセスと名乗る我も数え切れない程のアポピスと対峙し、討伐した。
だがある時全く互角の力を持つアポピスと対峙し、相討ちとなった。
互いに息の根は止めなかったが、互いに永い眠りに就く必要があった。
死を克服し、太陽神の力をこの身に宿し、奴を討ち、国の平穏を取り戻すため。
我は死に在りながらも生を失わなかった。
精と呼ばれる生命エネルギーを守りきったのだ。
その結果太陽神の力をこの身に宿し、生還することに成功した。
王の帰還を国民に知らせ、更なる昇華を果たした事を告げ、鼓舞し、奴を討ち果たすのだ。
全てはファラオとして国民を愛するが故だった。
決意を新たに棺の蓋を開けた。
「王が復活なされたぞおおおお!!!」
『うおおおおおおおおおおおお!!!』
目の前に拡がる国民の半分程は、儀式でしか姿を見せない筈のアヌビスやスフィンクスを模した姿をしていた。
「……それで？魔物は共存の道を選び、我の決意は無駄であったと。」
「ええと、そのう……」
「はっきりと申せ。」
「クゥゥン、その通りです。王よ」
現代のアヌビスはこれ程までに情けなく鳴くのか。
「まぁまぁ結果オーライですニャン。」
現代のスフィンクスはこれ程までに適当なのか。
「まあいい、確かに結果として平和ならそれでいいのだ。それよりも、奴はどうしている？」
「奴とは？」
「ネフェルタリと名乗ったアポピスだ。」
「彼女ならば王が眠りに就かれて以来未だ目を覚ましません。」
「女にはなっているのか？」
「はい。それは確認済みです。」
かつてあの強大な力が我が国のものになったらどれ程良いかと思ったものだ。
今ならば可能かもしれん。
「よし、かの地に出向こう。一人で行く。誰も付いてくるな。」
「危険です。王よ。」
「舐めるな。」
巨大なクレーター。
今は砂に埋もれかけているそこの中心に奴はいた。
あれほど破壊力を誇った巨躯は人間とまぐわうために小さくなっていた。
人間と比べれば十分な巨躯だが。
こうして大人しい姿を見てみると闇色の鱗はとても美しい。
黒、というより闇色。
とぐろを巻いている頂点には紫色の肌をした女体がある。
安産型の骨盤の上は折れそうな程細く括れている。
更に上はうつ伏せでも背中越しに見える大きな乳房。
結界を張って眠りに就いているが、少し時間を掛ければ直ぐに解けるだろう。
結界を解いて顔を覗くと、先ほど見た魔物娘の誰よりも美しかった。
目を開ければつり目ぎみの切れ長であることが想像出来る。
長い髪も鱗と同じ闇色だった。
我は手から魔力で出来た蛇を生成した。
赤い蛇。
太陽神の遣いの象徴を魔力で作り出し、使役することができる。
まだ眠っている間に蛇体を蛇で縛っていく。
更に両腕も小さい蛇で縛る。
太陽神の力を宿して肉体は全盛期に、蛇を操る力に言霊を操る力など、様々な恩恵があった。
声に魔力を乗せて命じる。
『目を覚ませ、表を上げよ。』
「……うん？わ、妾は一体、ん！？これは！？」
「久しぶりだな、ネフェルタリ。とりあえず縛らせてもらった。」
「貴様っラムセスか！ここで会ったが百年目！この身体は何だ！」
「まあ落ち着け、それは我のせいではない。」
「なるほど？時代は変わったと。」
「それでだ、我の嫁にならんか？」
「断る！どの面下げて果たし合いをした仲を誘う！」
「それはお互いの力を認めあった仲と解釈出来んか？」
「出来ん！であれば力ずくでやってみせよ！」
縛られた状況でよく啖呵を切ったものだ。
「なるほど、では、『口を開けろ』」
「何をぉあ！？」
「我の言葉に逆らえんだろう、貴様が寝ている間、此方はただ寝ていただけではないのだ。ところでネフェルタリ、これはギルタブリルの女から聞いたのだが、毒を持つ魔物娘は毒を射つ時快感を感じるそうだ。やってみるか？」
「な、何をする、うああ！？」
ネフェルタリの毒牙に吸い付いて毒を吸い出す。
「もう一方もだ。」
「ああああぁぁぁぁぁ…」
「やはり感じるらしいな。『閉じてよい。』」
「ぁぁぁぁ何故だぁ、何故毒が効かん。」
「最早冥府の力など効かんのだ。」
「何？」
「貴様が眠っている間我は冥府をさ迷った。しかし我は生を失わなかった。死にながらに生きたのだ。そして太陽神の力を宿し帰還した。故に死を克服した我に効かんのだ。」
「何と。」
「だが服従の効果は聞かなくとも媚薬としての効果は敢えて受け入れようう。」
我の剛直が嘗て無いほどいきり立つ。
「どうだ？欲しいか？」
「要らんわ！」
喉を鳴らして言われても滑稽だ。
「そうか、残念だ。」
小さな蛇を作り出して秘所に侵入させる。
「あっおいっそこはまだ……いい！？」
意外なことに処女だった。
大蛇の姿の時性欲は無かったのだろうか。
慎重に、出来るだけ血が出ないように開いていく。
血は蛇が飲んでいく。
「どうだ？その蛇は我の精で出来ておる。溶け出すと美味いだろう。」
「こんなもの……」
「足りないだろう？」
「！？」
「我の妻になると誓うならば本物のコレを入れてやろう。」
目の前に見せつけると精の匂いに敏感になった今のネフェルタリは必死に匂いを嗅いでいるのを隠しきれていない。
「どうだ？ほれ、申してみよ。」
「ぐぅっ、断る！」
「そうか。」
大きな蛇を作り椅子のように腰掛け、余裕を見せつけ、膣の蛇を暴れさせる。
「おおおお！？」
結局３日後に気絶するまで承諾しなかった。
蛇を吸収し、ネフェルタリを担ぐ。
破瓜の血を吸った蛇だけ異常に美味かった。
「本当に嫌ならば諦めた方が良いのだろうか。」
「そんなことありませんよ。」
メドゥーサを妻にした男が言う。
寝室に運んだネフェルタリについての相談をしているのだ。
媚毒の効果が予想外に強くて気絶したネフェルタリに何発も出してしまった。
「出した精が直ぐに吸収されたのなら口では反発していても内心受け入れています。」
「そんなものか。」
「最早貴方の精しか受け付けないでしょう。」
もう一押ししてみるとしよう。
まだ気絶しているネフェルタリの蛇体を蛇で縛る。
精は残らず吸収されていた。
縛った蛇体はベッドに置き、腕は近くにあったベッドより高い位置にある机を掴まらせる様に縛る。
すると乳房が空中に垂れ下がる様になるが、改めて人外の張りを保っていることを思い知らされる。
あれだけ大きな胸が垂れて伸びないのだ。
なのに触ると反発する弾力と沈み込む柔らかさを両立している。
その乳房の下に口の大きな水瓶を置く。
そして秘所と肛門に蛇を忍ばせる。
「さて、『起きろ。』」
「……この体勢は何かの。」
「我はお前が自ら受け入れるまで諦めんぞ。」
「無駄だと言うておろう。妾は貴様に服従するつもりはない。」
「別に服従しろと言うてるわけではないのだが……まあいい、そこまでこだわるのならば服従させて見せよう。『母乳を作れ。』」
「何！？」
大きく張っていた乳房が更に張り詰めて、重くなる。
「おお、随分と多く作ったな。苦しかろう。搾ってやろうか？」
「余計なお世話だ！」
「因みに我は『母乳を作れ』としか命じていない。我が出すように命じなければ出せないぞ？」
「くひぃん！？」
乳首を強くつねると、人間と違い、痛みより性感が勝るようで、喘ぐが、母乳は出ない。
「もどかしいだろう？頼めば搾ってやるぞ？」
「こ、こやつめ……」
「そうか、ならばこのまま乳を弄ぶ迄だ。」
乳房全体を揉みほぐす。
張り積めているが母乳は出ない。
申し訳なくなってくるが、元々頼まれなくても説得しながら搾るつもりだったのだ。
だが、服従させろと言われると（※言われてません）、自ら頼むまで焦らすしかない。
背を上に向けているネフェルタリの蛇体の背に跨がり、乳房の付け根から掌で押し出すようにマッサージをする。
妊婦や乳児の母がやるマッサージだ。
乳腺を活性化させる効果がある。
「んう！んう〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
そこまで食い縛った顔をされると苛めたくなってしまう。
乳輪の縁を摘まんで捻りながら引っ張る。
「…………れ。」
「ん？」
「搾ってくれ。」
「人に頼む態度ではないな。」
「っ貴様ぁ！」
「やり直しだ。」
「搾ってください！お願いします！」
「よろしい！『母乳を出せ！ネフェルタリ！』」
乳輪を奥に押し込むように摘まみ、一気に引っ張ると、乳詰まりがとれ、母乳が勢いよく吹き出した。
「〜〜〜〜〜〜っ！ふぐぅ〜〜〜〜っ!!!」
搾乳だけでよがり狂うネフェルタリは蛇体がのたうち回ろうとしていたが、縛られているため、性感を分散出来ていない。
水瓶を８つも満たして、漸く止まった。
搾った傍から生産していたことがわかる。
飲んでみると魔力で満たされていた。
不思議と直ぐに吸収され、幾らでも飲める。
ふとネフェルタリを見ると、此方を見つめてニヘラとだらしなく笑っている。
「お前乳を飲まれて嬉しい性癖でもあるのか？」
「なっ、そ、そんなことはないわ！」
「愛い奴め。それ相応の態度で頼めば直接吸ってやるぞ？」
「何たる屈辱！」
「ふはははは！」
楽な体勢にしてやるべくベッドに仰向けに縛り直す。
腕は手を上げさせて頭の上で縛る。
腋も秘所も全く生えていない。
おや、縛る間抵抗しない。
「……何をニヤニヤしている。」
「いや、抵抗しないで縛られるとは殊勝だと。」
「！？？」
無自覚だったようだ。
これは後で知ったことだが、爬虫類や魚類の姿をしている魔物娘は普段秘所を鱗で隠しているそうだ。
つまり、毒を吸った後に蛇が侵入できた時点で心を許していたことになる。
『口を開けろ。』
毒腺に溜まった毒を毒牙から吸い出す。
やはり毒蛇にとって毒牙は誇りであったりするのだろうか。
毒を吸っても我がピンピン、いやビンビン、もとい、ギンギンしていたとき無力感に絶望したような顔をしていた。
「はぁぁぁぁぁん❤」
すっかり出来上がっている。
此方もギンギンになる。
だが我慢。
膣にいる蛇とアヌスにいる蛇を同時に暴れさせる。
「はぁう！？」
端から見ると喘ぎ声は中々に滑稽だ。
別にネフェルタリに限ったことではないが。
「さて、お前の媚毒でこうなったモノが欲しいか？」
「欲しい！妾のココに入れてくれ！」
「我が言霊を操ることは知っておろう。その上で声に出して服従を誓えるか？」
「うっ、それは……」
「そうか、残念だ。」
アヌスと膣から壁の同じ場所を裏表から刺激する。
「うう、ううううぅぅぅぅぅ……」
我慢しているところで両乳首を束ねて吸い上げる。
最早絶頂の寸前というところで命じる。
『イクな。』
「はう！？」
「このまま誓うまで耐えてもらおう。」
1時間経過
『イクな。』
「ふぐぅ！」
2時間経過
『イクな。』
「ひぐぅ！」
3時間経過
「イクな。」
「う、ううぅ…」
4時間経過
「イクな。」
ビクンビクンと痙攣するだけだ。
5時間経過
「ネフェルタリよ、気付いているか？」
「……。」
「途中から我は言霊を操っていない。」
「……ぇ?」
「だが、イクな。」
「！？」
「最早お前は我が合図の思うがままだ。」
「……ぁぁ。」
「誓うか？」
「……ます。」
「誓うか？」
「わ、らわ、は、妾は、ラムセス様、に、服従、致します。お情けを下さい、ませ。」
その瞬間言霊の不可視の束縛がネフェルタリの魂を縛った。
此方には何の条件も無い、ただ自らを縛るだけの誓約をネフェルタリはしてしまった。
「ここに誓約はなった！ネフェルタリ、お前は魂から全て我のものだ！」
ネフェルタリから蛇を吸収し、拘束を解き、毒で限界まで張り詰めた剛直をネフェルタリに突き立てる。
「アハッ❤ラムセス様！アハハハハ！」
ネフェルタリが狂ったようによがり、のたうち回る。
此方も我慢していたのだ。思いっきりピストンを繰り返し、子宮口を貫かんばかりにノックする。
「ラムセス様！旦那様！ご主人様！」
「ネフェルタリ！イけ！」
ネフェルタリは最早言霊を使わない会話に従ってしまう。
「アハッ！イきましゅ！イく！イクウウウウ!!!」
膣が猛烈に蠕動し、此方も一度果てる。
ドグン！ドグン！ドプッ！ドブンドブンドブンドブン！
そのままネフェルタリは気絶してしまった。
それ以来、この国の昼は明るい日光が降り注ぎ、夜は魔力と月光が反応して怪しく輝く特殊な魔界となった。
明かりの絶えない国。
周辺国家からは緑黒魔界などと呼ばれている。
「……なあ、ネフェルタリよ。」
「何でしょうか、ご主人様❤」
「四六時中巻き付いて飽きないのか？」
「妾がご主人様に飽きる事なんて何一つ御座いませんわ❤」
「……そうか。」
「はい❤」
「そう言えば、パトラとプトレーはまだ目覚めないのか？」
パトラとプトレーはまだ我が眠りに就く前に親しくしていた隣国のファラオである。
親が共に仲が良かったため、子供の頃から親交があり、姉のパトラは我の婚約者であったが、親の仲が悪くなると破談となった。
眠りから覚めて曖昧になった記憶が最近ある程度思い出してきた。
我が精を手放さなかったのはパトラへの思いを拠り所にしていたところが案外大きかった気がする。
「まだのようですよ、ご主人様❤」
「起こしに行くか。」
「お供します、ご主人様❤」
隣国の古墳にてファラオは顔パスだった。
ネフェルタリを入れる許可を取るため、言霊を使った。
そんなこんなで、棺が目の前にある。
「おい、パトラ、プトレー、起き…………ろ？」
パトラは姉、プトレーは弟の筈だった。
「女が……二人？」
「ラムセスお兄様、お早う御座います！」
「ああ、お早う、パトラ、そしてプトレー、お前なのか？」
「はい、ラムセスお兄様。お兄様はなぜまだお兄様なのですか？」
「……つまり、彼処で精を手放さなかったことが異常だと？」
「普通耐えられずに魔物娘になるところです。」
「……そうか。」
「それよりお兄様、何故アポピス何かと結婚したのです！今からでも遅くありません！その女を妾にして私を正妻に……」
「何と？」
「ピィ！？」
「妾（わらわ）が妾（めかけ）じゃと？」
「い、いえ。」
「貴様が正妻じゃと？」
「ご、ごめんなさ……」
「妾の毒牙で眷属にしてくれるわぁ！」
「いやあぁぁぁぁ！？」
「貴様もじゃ！」
「何故私まで！？」
「あはっ❤ネフェルタリ様ぁ❤」
「一生ついていきますぅ❤」
「貴様は妾（めかけ）、妾（わらわ）が正妻じゃ！」
「「はい❤」」
ネフェルタリの毒牙は折ったと思っていた。
これからはファラオを襲わないと勘違いしていた。
ネフェルタリは我にしか折れないのだ。
我が手綱を握らない限りファラオは襲われ続けるだろう。
「「お兄様❤」」
「ご主人様❤」
手綱を握り続けないと妾が増え続ける！
いつの間にかネフェルタリが居なくなったと思ったらファラオを連れてくる。
男のファラオは見つからないそうだ。
刑部狸の商人がやってきて、
「KUNOICHIに伝わる秘伝の巻物『分身術』いりまへんか？」
などと言ってこなかったら妾に忙殺されていた。
止めるように言えば直ぐに止まるだろう。
だが、ネフェルタリは明らかに良かれと思ってやっているのだ。
連れてきて、褒めて褒めてと言わんばかりの顔をされると、咎められない。
誰もお前に匹敵するものはないと毎日言い聞かせているのに！
「ご主人様新たなファラオを発見しました！」
今もアポピスはファラオの天敵だ。
妻の手強さに閉口しながら今日も分身を増やす。
18/01/31 05:14更新 / 柿の種