連載小説
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ジュン「温泉街に行かなければ安全だと思ってたけど安全なんてなかった」(キューピッド)※この話はジュンが温泉街に出ずにそのままデュエルスペースに行った場合の話です(起こりうる未来の1つの話)
俺はとりあえず荷物の整理を済ませてこれからのことを考えていた。

「温泉街に行っても、捕まる未来が何となく見えるんだよなぁ…。」

俺は呟いて考えた。

「そういえばカードゲームが出来る場所があるしな…」

と呟いていると隣の部屋から悲鳴の後に嬌声が聞こえてきたので早々にこの部屋から離脱すべきだと思いデュエルスペースに行くことに決めた。

「ここも危ないな…。」

俺は遊びに行く時のカバンにデッキが入っていることを確認してデュエルスペースに向かった。

「隣の部屋の誰か、捕まったな…。」

俺はエレベーターに乗る直前に呟いた。

「さて、デュエルスペースに着いた訳だが…。」

俺はデュエルスペースを見渡したが、人はまばらでたいていの人は既に始めていた。

『貴方も、1人?』

俺は後ろから声が聞こえたので振り向いた。

「ん?」

振り向くとそこには褐色肌の女性が居た。

『貴方も1人なら、私とする?』

「カードゲームの種類は合ってるかな…?」

『私はデュエルマスターズよ、多分大丈夫。』

「ならやるか。」

『私はアンジェ、キューピッドよ。貴方は?』

「俺はジュン。」

俺達は空きのテーブルで早速デュエルを始めることにした。

「先行後攻は?」

『その前に1つ、いい?』

「なに?」

『貴方の心、まるで「愛」の感情を押さえ込んでるように見えるんだけど。』

「…だとしたら?」

『私が、解放してあげる。』

「俺は、「愛」なんて不確かなものはいらない。」

『!?』

「信じるのは自分の力のみ。」

『だったら尚更私が何とかしないと…』

「とにかく始めよう、何か分かるかもしれない。」

『そうね…。』

とにかく始まるようだ。

『貴方の番からでいいわ。』

「なら遠慮なく。」

俺のターンからスタートになった。

「マナチャージ、終了」

『私もマナをチャージして終了。』

「ドロー、チャージ、フェアリー・ライフ発動、デッキトップを一枚マナに、ターン終了。」

『私はマナをチャージして、聖鐘の翼 ディグヌスを召喚、ターン終了。』

「ドロー、チャージ、フェアリー・シャワーを発動、デッキトップから二枚確認してどちらかを手札に、もう片方をマナに置く、俺は超次元エナジー・ホールをマナに。」

『終了?』

「終了だ。」

『私はマナをチャージして、王機聖者 ミル・アーマを召喚、ターン終了。』

「ドロー、チャージ、再誕の社を発動、墓地のカード二枚をマナにして、さらにライフプラン・チャージャーを発動、デッキトップから5枚を確認、その中のクリーチャーを1枚手札に、次元流の豪力をサーチ、ターン終了。」

『私はマナをチャージ、さらにスペルブック・チャージャーを発動、効果でヘブンズ・ゲートを手札にして、さらにエメラルを召喚、効果でシールドと手札を交換、ターン終了。』

彼女は天門デッキのタイプらしい、なら俺がやることは…。

「ドロー、チャージ、エナジー・ライトを発動、二枚ドロー、さらにアクア・スーパーエメラルを召喚、効果で手札とシールドを交換してさらにフェアリー・シャワーを発動、「呪」の頂 サスペンスを手札に、ターン終了。」

『ドローからマナをチャージ、手札から、音感の精霊龍 エメラルーダを召喚、効果でシールドを回収してトリガー発動、ヘブンズ・ゲート、効果でミルザムとエメラルーダを更に出して効果でデッキの上から5枚をシールドの束として追加、エメラルーダでそれを回収、さらにサイバー・ブック、クリスタル・メモリー、星龍の記憶、ヘブンズ・ゲートの順番で発動してさらにエメラルーダとミルザムを召喚してさらにシールドを束にして回収、さらに知識の精霊 ロードリエス2体をトリガーとして召喚、さらに光陣の使徒 ムルムルもトリガーとして召喚、さらにヘブンズ・ゲートで覚醒の精霊 ダイヤモンド・エイブンを2体召喚、攻撃に入るわ。』
アンジェ シールド 5→3

「天門ループじゃなくて若干安心。」

『あんなループデッキは楽しめないもの。』

「攻撃ならどうぞ?」

『ミルザムで攻撃。』

「アクア・スーパーエメラルでブロック。」


『2体目のミルザムで攻撃。』

ジュン シールド 5→3

『さらにロードリエスで攻撃。』
ジュン シールド 3→2

「サイバー・ブック発動。」

『さらにエメラルーダで攻撃。』

ジュン シールド 2→1


『もう1体のエメラルーダで最後のシールドを攻撃。』

「終末の時計 ザ・クロック召喚、そこまでだ。」

『ターン、終了。』

「ドローからチャージ、「修羅」の頂 VAN・ベートーベンを召喚、効果で相手のクリーチャーを全て手札に。」

『あ…。』

「ターン終了。」


『私はマナをチャージ、ムルムルを2体出してターン終了…。』

「まさに翼をもがれた天使かもな。」

『違いないかも…。』

「ドローからチャージ、完全不明を召喚、ターン終了。」

『…ドロー、マナチャージ、ターン、終了。』

「ドローからチャージ、「祝」の頂 ウェディングを召喚、効果で場か手札から4枚シールドに移動してくれ。」

『全部手札から。』

アンジェ シールド 3→7

「ターン終了。」

『ドロー、エメラル召喚、効果で交換、ターン終了。』

「ドロー、さらに「呪」の頂 サスペンスを召喚、効果でシールドを2枚見て呪文を踏み倒し他を墓地へ、DNA・スパークを踏み倒し発動、効果でシールド追加、ベートーベンでムルムルを攻撃、ウェディングでもエメラルを攻撃、ターン終了。」

ジュン シールド 0→1

アンジェ シールド 7→5

『んっ…!』

「ターン終了。」

『ドロー、私は埋没のカルマ オリーブオイルを召喚、効果で墓地のカードをデッキに戻してターン終了。』

「ドロー、俺は「知」の頂 レディオ・ローゼスを召喚、効果で5枚ドロー、相手は5枚ハンデス。」

『んっ…!』

「ウェディングでのみシールドを攻撃。」

『オリーブオイルでブロック…。』

「ターン終了。」

『ドロー、私は聖鐘の翼 ディグヌスを召喚、ターン終了…。』

「ドロー、マナチャージ、俺は手札からスパイラル・ゲートを発動、「修羅」の頂 VAN・ベートーベンを手札に戻して再度召喚、相手の全てのクリーチャーを手札に、ウェディングでシールドを墓地へ、ターン終了。」

アンジェ シールド 5→2

『ドロー、聖鐘の翼 ディグヌス召喚、ターン終了…。』

「ドロー、「呪」の頂 サスペンスを召喚、残ったシールドを墓地へ。」

アンジェ シールド 2→0

「前に出したウェディングでトドメ。」

『ディグヌスでブロック…。』

「どうだ?今の気分は?」

『詰んだわね…』

「翼をもがれた天使に降り掛かるは「修羅」の大槍、ってところか。」

『ぐうの音も出ないわね…。』

「なら「修羅」の頂 VAN・ベートーベンでトドメ。」
『私の負けね…。』

「シールド仕込んでなかったら負けてた、危なかった。」

『私の今のデッキにはVANは天敵よ…。』

「コマンド、ドラゴンを使わないデッキは基本的には速攻くらいだからな…。」
『だけど、どうして貴方は「愛」の感情を押さえ込んでるの?』

「1つの感覚を閉ざせば別の感覚が強化される、感情も同じだ。」

『それは貴方の一番大きな理由とは違うわね、嘘ではないみたいだけど。』

「…」

『言いたくないなら、言わなくていいわ…。』

「俺からしたら「愛」を語るなら自らがまず幸せを掴んでないと説得力は半減すると思う。」

『確かに、そうかもしれないわね…』

「じゃあな。」

俺は部屋に戻ろうと背を向け立ち去ろうとして、背中に衝撃を感じた。

「!?」

近くにある鏡で背中を見ると、無数の金色の矢と鈍色の矢が刺さっていた。

「何なんだよこれ…。」

『ごめんなさい…。』

「いくら負けたのが悔しいからってリアルファイトかよ…。」

『これは、愛を解放する矢と心の中の愛を枯渇させる矢よ、無理やりにでも貴方の封じ込められた「愛」の感情を解放しないと貴方は本当に手遅れになるまで壊れてしまうわ…。』

「っ!」

彼女の放った矢から彼女の思っている事(?)が頭の中になだれ込んで来た。

『あと少し…』

彼女はさらに矢を放った。

「っ!」

俺の身体は避けられずにさらに矢が突き刺さった。

『私は貴方の側にずっと居るから、壊れる寸前まで我慢しなくていいから…。』

俺の身体はアンジェに抱き付かれた。

「ア…ンジェ…。」

ちなみに何本かは俺の身体の範囲外にあったので当たらずに近くにいた青肌の魔物娘に直撃したようだ。

『貴方の厳重に巻かれた鎖を解かれた愛は、私が受け止めてあげるから…。』

「俺のためにアンジェが犠牲になる必要はない。」

『犠牲じゃない、愛を説くなら説く側が愛に満ちてないと行けないのは確かだかしそれを貴方が教えてくれたもの。』

「本当にいいのかよ…?」

『それに貴方、独り身でしょう?』

「あっ…。(察し)」

アンジェは両手残っていた矢を全部掴んでまとめて一気に俺に向けて突き刺した。

「…!」

『受け止めてあげる、だから全部吐き出して。』

「アン…ジェ…。」

『部屋に、行きましょう?』

俺達はアンジェの部屋に向かった。

『温泉、私の部屋のは特別。』

「?」

『白金の湯って言われてる。』

「?」

『アルラウネの蜜とホルスタウロスミルクの粘り気を下げて混ぜた湯らしいわ。』

「魔物が喉から手が出るほど泊まりたい部屋の湯なんじゃ…。」

『私も運良くクジで手に入れたわ。』

「そのつもりなんだよな?」

『もちろん、今晩は寝かせないから。』

「気絶はしてもおかしくないだろうだけどな。」

『かもしれないわね。』

アンジェは俺に初めて笑顔を見せた。

「…(か、かわいい…。)」

『?』

「なら先に入ってていいか?」

『なら少ししたら私も行くから。』

「頼む。」

俺は先に温泉に行き、飲めることを確認して中身を少しコップに汲んだ。

「後はこれを脱衣所に隠してっと。」

俺は白金の湯の源泉を隠してアンジェを呼んだ。

「もう入って来て大丈夫だ。」

『なら遠慮なく。』

アンジェは一糸まとわぬ姿で入って来た。

「…綺麗だ。」

『!』

アンジェの顔が真っ赤になって行き俺は抱きつかれた。

「!(ち、近いし柔らかい…)」

『「愛」をこじ開けられたこと、後悔させないからね…。』

「と、とりあえず入ろう。」

『うん…。』









「入ったことなかったけどいい湯だった。」

『そうね。』

「後はこれだな。」

『これは何?』

「さっきの白金の湯、俺達が入る前に汲んでおいた。」

『飲めるの?』

「飲める、確認した。」

『なら飲みましょう?』

俺達は白金の湯の源泉を飲んだ。

「甘いけど、決してくどくはないな。」

『確かにすっきりとした感じ、とろみもあって優しい味わい。』

「のど越しもさらっとして飲みやすいな。」

『魔物達には人気になりそうね。』

「これならリピーターからさらに売れると思う。」

『確かに。』

俺は味の討論もそこそこに切り出した。

「さて、するんだろう?」

『うん、大好きよ…。』

「んんっ!」

彼女とのキスは、白金の湯とは違うまた別の甘さがした。
16/02/16 20:42更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです。

キューピッドとの話、いかがだったでしょうか?

エロありかはまた別の話で、甘い話になってたらいいと思います。

続きが気になる方がおられましたらコメントお願いします。

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